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とある魔導師と彼女の鮮烈な日常TS第2巻 経過報告:03(サンプルあり)(2017/1/22)
古鉄≪というわけで、ここからは書き下ろしと番外編をサラッとご紹介します。
……番外編はとまかのでやった流れですが、あむさんの代わりにフェイトさんがいるので、意外と修正点が多く≫
恭文「あとは十代さんやシオン・ヒカリも出ないから……ちょっと、大変だった」
(あと細かいところを言うと、環境絡みの話もちょっと変えています。本編軸での対ケットウリュウは六課解散後なので)
恭文「そしてことはさんは可愛い」
古鉄≪それは鉄則ですね。……でも別世界にも嫁……≫
恭文「嫁じゃないよ!? そういう関係じゃない!」
古鉄≪やっぱりあれですか。卯月さん×IF卯月さんとか目指して≫(じりじり)
恭文「目指してないよ! あとちょっとずつ下がるな! 引くなぁ!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
前回のあらすじ――良太郎さんの世界<ヒーローワールド>にて、私とヤスフミが遭遇したのはケットウリュウ。
外道衆の残党でもある奴は、デュエルと不動遊星さんのデッキを用い、新たな侵略を企てていた。
当然外道衆の専門家でもあり、スーパー戦隊の一つでもあるシンケンジャーはこれを察知・対応。
でも……<闇のデュエル>をリアルに起こせるケットウリュウには、そもそも普通の戦闘行為が通用しなくて。
デュエルにも(遊びの範ちゅうで)詳しいヤスフミは、さすがに見ていられず協力を決めた。
けど、『危険には巻き込めない』とシンケンジャー側が拒否。遊星さんのデッキを使われたら、普通の人では勝ち目がないのに。
それでも意見を変えないみなさんに対し、ヤスフミはデュエル講習を実施。
実際にやって、自分にさえ勝てなければ無意味――そう喧嘩(けんか)を売ったところ。
「なんだ、これは」
ことはさんが、流ノ介さんが、殿様がワンターンキルされ、全員で改めて床の間へ戻る。
更にデュエル合宿が続いた結果……深夜十二時近く。
前述の三人が打ち震えながら俯(うつむ)いていた。
殿様の呟(つぶや)きには誰も答えられない。
いや、ヤスフミは普通に教えていただけだったの。
ワンターンキルかます以外は、理不尽なことも一切なかった。
でもシンクロ召喚やチェーン、『できるとするの違い』やらを説明されて……心がへし折れた。
「剣術とモヂカラの稽古以外に、こんな難しいものがあったのか……! そもそもタイミングを逃がすとはなんだ!
チェーンとはなんだ! 対象を取ると取らないは一体何が違うんだ! まるで意味が分からんぞ!」
「僕もよく分からない」
『はぁ!?』
「ヤスフミ、それは駄目だよ! プレイヤーなのに分かっていないって何!」
「もう裁定がカオスすぎて、事例を全て覚えるしかないのよ。どうしてこうなったではなく、こうなったとこだけ覚えるの」
「そんなの絶対おかしいよ!」
いやいや……それはゲームとして駄目だよね! 何『しょうがないね』って顔でお手上げポーズをすするの!?
「ま、まさかそれ、はやて達も……じゃないよね! ただヤスフミが分からないだけだよね!」
「そんなわけないでしょ」
「どういうことなのー!」
◆◆◆◆◆
「というか、デッキ自体の『軸』が存在しません」
「軸?」
「デッキはただカードを集めて作ったものじゃない。自分だけの『ヒーロー』を輝かせる舞台装置なんです」
「でもみんなにはそれがない。だからどれだけやろうとしても、頭の方が音を上げてしまう……あれ、ということは」
それってようは……うん、そうだよね。やっぱり軸の話だ。
舞台装置というのなら、その動かし方も含めて熟知してないと意味がない。
それは遊星さんのデッキも同じ。なら軸を見つけられないみんなじゃ……あれ!
「ヤスフミ!」
「単純に遊星さんのデッキだから、というのとも違う。いるんだよ、アイツなりの『ヒーロー』が」
「……スターライト以外にも、何かあるってこと!?」
「単なるデッキ泥棒として捉えるのは、余りに短絡的だと思います」
だとすると、それを出されて封殺される可能性も……しかも時間はない。
水切れが収まれば、ケットウリュウはすぐに動き出す。
でも今から並び立つほどのものを準備するのは無理。完全に門外漢だもの。
というか、そういう焦りから見つけたカードを、そこまでほれ込めるかどうか……私なら無理だと思う。
三人とも今までを見る限りかなり真面目だから、どうしても使命感を優先する。それじゃあ結局無限ループだよ。
◆◆◆◆◆
「はいはーい、そこまでだよー」
「……ほう、お前は昨日の」
「寿司(すし)の代金がある、そう言ったよね。でもね……残念ながら夕飯と、今日の朝食もプラスされちゃったんだ。なので」
デッキをセットし、さっと構えた。
それだけで言いたいことが分かったらしい奴は、同じ構えを取る。
「デュエルだよ、ケットウリュウ」
「いいだろう。……貴様には興味もあったからなぁ。取り戻したいのだろう、オレのデッキを」
「お前のデッキじゃない。遊星さんのデッキだ」
「それは昔の話だ。だがただやるのではつまらない……そうだな、ルールを追加しようじゃないか」
「中身は」
「お前のデッキをよこせ! そう、ジャック・アトラスに勝ったデッキを! そして伝説のカード、E・HEROネオスのレプリカを!」
……なるほど、僕についてはもう調査済みか。
だったら遠慮はいらないねぇ、むしろ要求してきたのは救いだ。
予定通り、交渉のレートを釣り上げて……賭けてもらおうか、命そのものを。
「それでいいの?」
「あぁ! そのデッキを使い、人間どもの恐怖を生み出す! すばらしいだろう、誰もが愛する『ゲーム』で涙と絶望が生まれるのだ!」
「だったら僕にもルールを追加させてよ。そっちばっかり条件提示ってのはおかしいでしょ」
「いいだろう! オレが負けたらもちろんデッキは返す! それがルールだからな!」
「あと僕が勝ったら……お前死ねよ」
アイツは一瞬笑おうとした。でもすぐに僕が本気だと気づいたらしく、顔をしかめる。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
フェイト「ヤスフミ、本当にルール関係って」
恭文「……遊戯王は、それだけ積み重ねているんだよ」
(二十年とかだしね)
古鉄≪それで特別書き下ろしの方は、二本とも短編。いつもの……アレです≫
恭文「そう、アレです」
フェイト「アレ?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
二〇一二年七月後半――世間が夏休みに入ったところで、346プロは毎日大騒ぎ。
それでも、私達CPの動きは特に変わらなくて。今日もレッスン……そして夏の準備です。
チナちゃんとセシリアさんの修行も続く中、私達がいつもの控え室で聞かされたのは。
『全体曲!?』
「はい」
――CPの全体曲を作り始めたというお話。
いよいよ見えた、CP<シンデレラプロジェクト>の完成――!
それにどぎまぎしながら、頷(うなず)くプロデューサーさんを見つめる。
「静岡(しずおか)でのガンプラバトル世界大会で、346プロはライブイベントへの出演が決定しています」
「それに、みく達が出られるの!?」
「はい。ただ本田さんと多田さんについては、改めてユニットの調整からになりますが」
「ユニット……」
「李衣菜ちゃんと……」
……みくちゃんと李衣菜ちゃん、やっぱりユニット活動には思うところがあるみたいです。
この話をされると微妙に……でも、デビュー時期の問題から大人になるしかないみたいで。
「そうなると、余計にソロデビューは希望できないねぇ」
「え、なんでにゃ?」
「世界大会まで一か月を切ってるんだよ? それでソロになろうものなら」
「準備期間が足りない……!」
「にゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
そして絶望……そんなに嫌なんですか。その様子にプロデューサーさんも、困り気味に首裏をかく。
◆◆◆◆◆
「早苗さん……覚悟はいいですか」
「ちょ、待って! あたしは無罪だよ! 巨乳フェチなのは本当でしょ!?」
「僕のどこにそんな要素が!?」
「フェイトちゃん! フィアッセさん! シルビィちゃん!」
でも、早苗さんの鋭い反論で、恭文さんの体勢が揺らぐ。……あれ、シルビィ? 聞き慣れない名前が。
「りんちゃん! ともみちゃん! 美奈子ちゃん! 志保ちゃん! 奈緒ちゃん!」
美奈子ちゃん……志保ちゃん……奈緒さん!? ま、まさか志保ちゃん達まで……!
「おいこら待て! 志保を入れるな!」
「ティアナちゃん! それに瑞樹! ……まだ続ける?」
「誤解を交えた上で話を進めるの、やめてくれます!? 志保は」
「恭文くん……気づいてるでしょ? もうあの子はぞっこんだよ」
「あ……はい」
「……恭文さん」
静かに立ち上がり、ゆっくりと……恭文さんの両肩を掴(つか)む。
「う、卯月?」
「志保ちゃん、中学生ですよね」
「だから誤解だよ!」
「やっぱり、普通なんですか……中学生で初エッチって、普通なんですかぁ!」
「それは多分違うと思うよ!?」
「嘘です! だって、私の……中学の同級生はー!」
そうです、みんな大人で……みんな、大人で……!
◆◆◆◆◆
「……ランチの目玉は五百円の日替わり定食A・Bです。Aは大抵鯖の塩焼きや、ぶりの照り焼きなどの魚系。
Bはフライ盛り合わせ、特製チキンカツなどの肉系です。更にAB以外でも『さば味噌定食』五百五十円。『刺身定食』六百五十円が控えています」
「ランチとして考えると格安ですよね。今はやよい軒や大戸屋もちょっと高くなりましたし」
「ミナミ、分かりますか?」
「これでも体育会系だし、お酒も飲む方だから」
そう言って笑う美波さんだけど。
「あ……今はその、自重してます……はい、禁酒二か月目です」
すぐに挙手し、ビクビクと震えながら宣告。……サキュバス問題で、お酒を断ちましたしね。
「チケットは自販機制なので、注文をじっくり考える余裕はありません。
後ろの同胞達に迷惑をかけないよう、メニューパネルから数歩の間に、アスリートみたいな瞬発力で即決する必要が」
「大変そうな……」
「ただ会社のHPに、その週の日替わりメニューは掲載されているのですが……なぜかいつも、見そびれてしまって」
「あります……で、武内さんを誘惑するのはやっぱり」
「……その恐るべきシステムです」
あ、ここからが本題ですね。つい身構えていると。
「システム? でもランチってだけなら普通にご飯を食べれば」
「それは勘違いです、城ヶ崎さん……ご飯とみそ汁はお代わり自由」
「お代わりできるの!?」
やっぱりそっちでしたー! あのときも話していた、お代わり自由ですね!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「じゃあ、どうして牛丼カレーの話を? いや、私も大好きだけど」
「……あれはフィアッセさんに言わせると、インディーズ系牛丼屋がこぞって打ち出したユニークメニューなんです。
最初に始めたのは元祖合いがけを謳(うた)っていた、今はなき築地(つきじ)の老舗。店のメニューに四十年間ヒット中と書かれていたそうで」
「じゃあ、最低でも六十……七十年代初頭からあったんですか」
「僕が出会ったのも幼少期――九十年代後半だ。そのそんっじを初めてメニューで意識したとき、こう思ったよ。
……いや、僕だけじゃなくて他のみんなも最初に見たときは、誰もがこう突っ込むはず――」
そうして音無さんと恭文さんは、息を合わせ。
「「やればいいってもんじゃないだろ!」」
「どうしてハモるんですか! いや、気持ちは分かりますけど!」
「混ざることが魅力的じゃないというか、どっちかでいいというか」
「でも、普通に美味(おい)しいのよね」
「えぇ、普通に美味(おい)しいんです! ――ただしここからがデリケートなところで。
美味(うま)いとは言っても、味的に何らかの変化やケミストリーが発生しているわけじゃない」
「確かに……牛丼に、カレー……大好きなものが合わさり、足された味ですよね。となればカレーの味によって大分変わるんじゃ」
「御明察!」
恭文さんが右指を鳴らし、鋭く私を指差し。
私こと北沢志保……こういうことをやられると、ドキッとします。
765プロ裁判を思い出して――!
◆◆◆◆◆
「何を言うか。僕は信頼できる上司の下でなら、全力で働くよ。そう、深町本部長とか」
「それはお話を聞く限り、完全にアウトな人ですよね!」
「そうよ! ぶっ殺せって言いまくったのよね!」
≪「え、何か問題が」≫
「「大ありだからぁ!」」
「そう……大ありだぁ!」
そこで、飛び込んできたのはエグザさんだった。……って、いきなり過ぎる!
「あらま……サリさん、また貴音と待ち合わせですか」
「おう! あと志保ちゃん達がもうすぐチームバトルするから、激励にきた!」
「あ、ありがとうございます! あの、美奈子さん達ももうすぐ来るので」
「なら待たせてもらおう。で……やっさん、ようするにお前は何でも”やればいい”って理屈だな」
「えぇ」
「ぶっ殺せと」
「えぇ」
それを断言は、人の親としてどうなんだろう! あぁ、でも三つ子の魂百までって言うしなぁ!
「それについては、俺も同意していた……カレーと牛丼のマッチングには、様々な可能性がある。
例えばまろやかな調整役として、半熟卵を追加。真ん中に落とすとかな」
「あ、それは私もよくやります!」
「確かに卵は牛丼にも、カレーにも合いますよね」
私もカレーに卵は大好きだから、同意できる。……でも、サリさんの表情はなぜか重たくて。
「だがな……やりっぱなしはよくないんだよ!」
「……理由を、聞きましょう」
いや、そんな……ラスボスチックに頬杖しなくても。あと眼光が鋭すぎます、怖いです。
「やっさん、国立国会図書館は分かるな」
「えぇ。百合子の秘密スポットですし」
「国立……恭文さん」
「永田町(ながたちょう)にあるんだけど、『国内で出版された全出版物の招集・保存』を謳(うた)っている場所でね。稀覯(きこう)本からエロ本まで、蔵書も幅広いのよ」
「仮にも国会って名の付いた施設が、何をやってるんですか……!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、今回のお題はランチと牛丼カレー。めしばな刑事タチバナですね」
古鉄≪それと志保さん達とフェリーニさん&この人のバトルですが、次回の番外編へ回されました。ご了承ください≫
(チーム戦って難しい)
恭文「とにかくこんな感じで、鮮烈な日常TS第2巻、明日(2017/01/23)販売開始です」
恭文「みなさん、なにとぞよろしくお願いしますー! ……じゃあ僕はイオク様を」
フェイト「それは駄目ー!」
(というわけで鮮烈な日常Third Season第2巻、なにとぞよろしくお願いします。
KANA-BOON『シルエット』)
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