作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー 幕間第50巻経過報告:03(サンプルあり)(2016/12/29) 古鉄≪というわけで、幕間第50巻は何とか完成……メロンブックスDLS様にて登録。 明日(2016/12/30)販売開始となります。みなさま、何卒よろしくお願いします≫ (よろしくお願いします) 古鉄≪というわけで今回は、幕間本編のご紹介。今回は三話収録となっております≫ 恭文「原作の彼が出ない関係から、ここからは好き勝手に暴れるぞー」 (説明しよう、原作ブレイクが目標なのである) 恭文「そんなわけで、まずはこちらから……どうぞ!」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「――ライダーとアーチャーは撤退。バーサーカーは捕縛という形に収まったはずです。……その後、何が起きたのかを聞かせてください」 「……」 ……ロン毛のイケメンお兄さんが、僅かに反応を示した。 いや、僕達を囲むホムンクルス達も、動揺が見られる。 でも一番目に見えて反応を起こしたのは、”黒”のランサー……ヴラド三世だった。 「不愉快だな」 そう、それは殺意……全員、領王の殺意に反応している。 でも理不尽だよねー、裁定者として確認しているだけなのに。 なおルーラー――ジャンヌは涼しい顔だった。 まぁジャンヌは異端審問やら、その後の懲罰やらでいろいろあったし、場数は濃密だ。 つい英霊って辺りで特別視しがちだけど、英霊ってのは基本元人間。 そこに生前、又は死後付け加えられた逸話によって、特殊能力が付与されただけ。 だから僕も、ある程度は付いていけるわけで。……それでもこの女は、またぶっ飛んでるけど。 「お答えいただけないと言うのであれば、仕方ありません。話は終わりです……こちらで調査することにします」 背を向けようとするので、ジャンヌの髪を掴(つか)んで制止。 「ふぎゃ!」 「ちょっと待った」 「なんですか! 私の髪は手綱じゃないんですけど! というか……レティシアの髪ー!」 【い、いえ……私は、恭文さんになら】 「いつの間にそこまで心を許したんですか!」 「あ、ごめん!」 しまった……思わず手を離し、ジャンヌの髪を解放。 「ジャンヌならいざ知らず、レティシアには悪いよね……女の子だし」 ≪そうですよ。レティシアさんに悪いでしょ≫ 【恭文……さ……!】 「ちょっとー! 私だってレディなんですけど! 外見はこのままですし!」 そう言いながら、胸を張らなくていいんだよ? 大きいのは分かってる……分かってるから。 ◆◆◆◆◆ 「まさか、セイバーが早々に脱落するとは……」 ダーニック卿の表情は冴(さ)えない。無理もない……セイバーは七騎中最優とされるサーヴァント。 無論宝具の数ならライダーが、火力ならバーサーカーがいる。 同じ三騎士クラスで言えば、私や領王もいる。しかし最優とは”万能”を映す者でもある。 どの相手でもオールマイティに戦える駒を、一つ失ったのです。この初戦で。 ジークフリートは弱点が露呈したとしても、十分に有用な駒。我々味方のサーヴァントがカバーもできる。 にもかかわらず……しかもアストルフォに制裁を加えることも、今の段階ではできません。 そんな真似(まね)をすれば、向こうとのパワーバランスは一気に傾き、”黒”の陣営はその地盤を失いかねない。 「……過ぎたことを悔やんでも仕方ありません。それより問題は」 「”赤”の陣営がこのことを、周知していること……一気呵成(いっきかせい)に攻め立ててくる可能性は」 「十分にあります」 無論”赤”の側(がわ)も、こちらが強奪したバーサーカーを、離反したセイバーを失い、五騎になっています。 ……こちらも、アストルフォが戦力として活用できるのであれば……頭の痛いところですね。 「令呪でライダーを戻し、自害もさせず、戦いに赴かせることは」 「できないと、思った方がいいかもしれません。ライダー<アストルフォ>は多数の宝具を所有しています。 もしその中に、令呪の命令に拮抗(きっこう)できるような……防御型宝具があれば」 「できたとしたら」 「その場合、ライダーにその使い分けは」 ライダー自身の戦闘能力は、決して高くない。数ある宝具をフル活用して、初めて本領が発揮できる。 だが彼自身に、その柔軟な判断能力が備わっていなければ……ダーニック卿は、忌ま忌ましげに歯をかみ締める。 「やはり、キャスターの宝具が必要か」 「宝具に必要な素材が足りないと、聞いていますが」 宝具は本来、サーヴァントが召喚される際に持ち込まれるものです。 私はもちろん、ライダーやセイバーも……しかし、例外もあるようで。 発動する際に条件があり、それを満たす必要がある。それなら理解できた。 しかしキャスターの宝具は……そもそもそれを作る必要があった。 あり得ないと思った。宝具は通常の兵器ではなく、英霊にまつわる伝説が昇華された<貴き幻想(ノウブル・ファンタズム)>。 宝具は完成されたものであるし、そうではなくてはいけない……普通なら。 もしこの条理に外れる宝具があるとすれば、それは”持ち込む”という概念が通用しないものでしょう。 それほどに巨大か、又は……未完成であるが故に、伝説に刻まれたものか。 「その素材とは」 「……一流の魔術師だ」 ダーニック卿が険しい表情で告げて、私もようやく事情を理解します。 ◆◆◆◆◆ 「おじ様、アーチャー、失礼します!」 フィオレが慌てた様子で飛び込んできた。常に優雅な彼女にしては珍しい。 「どうしたフィオレ、ノックもせずに――」 彼女はそれにも答えず、テーブルの上に新聞紙を広げた。 ……その一面記事に対し、自然と集中してしまう。 「これは……」 「ルーマニア首都ブカレストに、連続殺人鬼が現れたみたいです」 そう書いてますね。犯罪組織を壊滅させたとか……連続殺人鬼? 「しかもそこから北上して、シギショアラへと被害が広がっています」 ダーニック卿は慌てて新聞に触れ、文面を一つ一つ注視。 「被害者は最初の事件を除いても、既に三十名以上……ルーマニア全土でパニックだと……」 「偶然かと最初は思ったのですけど、ここを御覧ください」 フィオレが指差すのは、被害者女性の写真だった。 粗い粒子で構築されていますが、かなりの美人なのは理解できます。 ただ、身元不明と注意書きが入れられていますが。 「……彼女の名はペメトレキス。私と同じ学科にいた、魔術師です」 ……その言葉で、我々も事態の深刻さを理解する。これがただの連続殺人鬼であれば、偶然で片付けられた。 しかし魔術師が犠牲者に加わっているのです。恐らく、彼女はトゥリファスに派遣された魔術師の一人。 「彼女は連続殺人鬼に殺されるような、魔術師かね」 「いいえ。ペメトレキスは諜報(ちょうほう)に特化していますが、使い魔達の戦闘能力もあれば、並の魔術師では」 「……つまりこの連続殺人鬼は、並ではない……魔術師も殺せる」 そこで我々の思い浮かんだ名は、一つだった。 「――切り裂き魔<ジャック・ザ・リッパー>」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「そう、みんなお待たせ! 丹下桜さんが、みんなのハートをキャッチするため登場だよ!」 古鉄≪CATCH UP DREAMですね、分かります≫ (なおキャッチは物理的かつ医学的です、あしからず) 志保「言ってる場合ですか! というかあなた、重傷の割りに元気ですね!」 恭文「さすがに二〜三日も寝てたら、普通に動けるようにはなるってー」 志保「丈夫すぎでしょ!」 (説明しよう。蒼い古き鉄はFGO最終決戦のダメージから、全治三か月……お見舞いに知り合いがよく来ているのだ) 志保「というか、大丈夫ですか? 怒られませんか? 丹下桜さんのファンから」 恭文「作者も学生時代、ハマったクチだから大丈夫」 志保「だったら乗っちゃ駄目でしょ!」 恭文「だから現状の……ネロとか、ジャック・ザ・リッパーとか、他のアニメに出ているのが嬉しいらしくてねー」 (あとはシェンムーIIIが出れば、もう何も言うことはない) 恭文「シェンムーIIIもネタで待っているとか、話の中で言ってたら……本当に発表されたしね。いいことだー」 志保「……その辺りは、ちょっとサッパリです」 恭文「一つの作品、その続編を五年とか、七年とか待てば、おのれにも分かるよ。 というわけで、そんなハートキャプタージャック・ザ・リッパーの活躍をどうぞ」 志保「誰も見たくないでしょ!」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「エルメロイ先生!」 後ろから黒髪ロング、赤シャツ・黒スカートの女生徒が駆け寄ってくる。 「ただいま戻りました!」 「よく戻ったな、リン……だが里帰りはまだ」 「もう終わりですよ」 「む、そうか。それは済まなかった」 「いえ」 彼女は遠坂凛――そう、聖杯戦争を作り出した御三家の一つ、遠坂家の時期当主だ。 現在は時計塔にて、我がエルメロイ教室の生徒となっている。彼女もその名に恥じない、見所溢(あふ)れる魔術師だ。 「時臣(ときおみ)氏は息災か」 「いえ……桜の近況も伝えたら、泣き崩れましたけど」 「……プロレスラーだからな、もはや」 彼女には桜という妹がいるが、その魔術資質がかなり特殊でな。 信頼できる家へ養子に出されて、その庇護(ひご)を受けることとなった。 ただ両家族間は比較的良好で、サクラ自身も家が二つできたと好意的に認識。 明るく優しい……義姉と同じく、プロレス大好きっ子に育った。とても元気はつらつとしているらしい。 なおその義姉も私の生徒で、リンの同級生兼ライバル。 同レベルで争い合う者同士とも……。 そこで嫌な予感が走る。 ヤスフミじゃないが、彼女と距離を取りたくなった。なので左手を挙げ、早足に移行。 「すまんが、これから調べ物なんだ。また明日」 「先生?」 なのに彼女は……満面の笑みを浮かべながら、私の左肩を掴(つか)んで制止。 い、痛い。やめろ、遠坂。それは止めるというか、アイアンクローじゃないか……! 「聞きましたよー。冬木の聖杯、見つかったそうですね」 「な、何のことやら」 「それで、ユグドミレニアが離反して……現在ルーマニアでは聖杯大戦勃発中、とか。 ……なのにどうして、御三家である遠坂家に知らせが来なかったんですか?」 「いや、お前は帰郷中だったので」 「というか、私達しかいませんよねー。間桐家はもう魔術が使えなくなったし、アインツベルンも活動停止状態だしー」 い、いかん。リンの顔が見られない……! 怖い、間違いなく怖い! 声が徐々に殺気立っている! 「しかも次期党首である私を差し置いて、魔術師でもない人間に聖遺物を託して向かわせたとか」 「ま、待てリン……それは」 「話をしましょうか……ね?」 ……ヤスフミ、お前に素敵な女性を、紹介したいと思う。 彼女は私の生徒で、遠坂凛と言ってな。黒髪とモデルのような体型が美しい、お前と同年代の女性だ。 あと、笑顔が……笑顔がこう、怖くてな。二つ名が”あかいあくま”なんだよ。 まぁいろいろ大変だとは思うが、何とかしてくれ。私は多分、止める気力そのものが削られる……これからな! ◆◆◆◆◆ 「状況はアストルフォから聞いたわ。で、どうだったのよ」 それでセレニケさん、アッサリ話に加わってくるのね。 「むごい殺し方ですよ。凶器は刃物か鈍器、拳と蹴り?」 「それで心臓をえぐり出されていた。ジャンヌ、魂食いってのは」 「心臓は効果的な『ご馳走(ちそう)』です。サーヴァントにとっては霊核がある場所であり、人間に取っては生命の源とも言える臓器」 「うへぇ……」 「納得した」 そりゃご馳走(ちそう)だ……栄養たっぷりで、元気はつらつって? ……ふざけんなよ。 「しかも被害者の何人かは、魔術や銃を使った形跡もあった」 「うん」 そのためにセイバー達にも付き合ってもらったのよ。銃はともかく、魔術の痕跡は僕やアルトだと……さっぱりだしねぇ。 「ウェイバーからの再連絡だと、シロウ・コトミネ陣営は一切手を出していない」 ≪嘘の可能性は……ありませんよねぇ。やるならバレないようにやるでしょ≫ 「だとすると、二流三流の魔術師……魔術師でない者が、トゥリファスを目指しながら魂食いに走っているのね」 「確かに魔力維持としては効果的ですが、まともな魔術師であるならば」 ジャンヌがセレニケを見やると。 「普通はやらないわよ。本当にその必要があるか……私のように、いたぶり殺すのを楽しむ異常者か」 ≪そうなんですか?≫ 「えぇ。神秘の隠匿にも外れる上、自分が『サーヴァントをまともに維持できない』と知らしめるようなものだもの」 プライドがあるなら……かぁ。だったら、そんな専門家のセレニケさんに見てもらおう。 「じゃあこれ……遺体の写真なんですけど」 警察からもらった、事件の調査報告書(現時点)も取り出し、見せてみる。 それを受け取ったセレニケさんは、ぱらぱらと確認し、視線を細めた。 「楽しむ線はなしね」 「マスター」 「まるで解剖するみたいに、的確に攻撃しているわ。この傷口には愉悦が一切感じられない。 ……でも、噂(うわさ)通りに随分ぶっ飛んだ坊やね。私がどういう女かくらいは聞いてるでしょ」 「だからこそ、アテになると思いまして」 その見立ては大助かりで、僕のプロファイリングにも拍車がかかる。 メモを取り出し、サラサラ……。 「まぁアストルフォと仲むつまじくしたいなら、僕の前で殺しはやめてくださいね。捕まえるか、殺すしかないから」 「……本当に、ぶっ飛んだ坊やだこと。それで何を」 「いや、こんな感じかなぁっと」 犯人像を軽く書き込んでみる……ふむ。 「犯人」 「「もう分かったんですか!?」」 「早すぎでしょ!」 ◆◆◆◆◆ 「そ、そんなにヤバいの……!? というか霧が硫酸って!」 夜のシギショアラを歩きながら、アストルフォには説明……戦々恐々としていた。 なおアストルフォ、ジーンズのジャケット&短パン、キャミソールという格好。 さすがに寒かったのか、今はコートも羽織っているけど。 でも、冬の……ハイウェイのど真ん中でセレニケさんと……いや、何でもありません。 「言ったでしょ? 史上最悪規模の大気汚染だって。だから桜セイバーも連れてきたくなかったんだよ」 「病弱だもんね、あの子ー」 ≪そんな霧に触れた瞬間、吐血……相性最悪すぎでしょ≫ 「それが僕達の考えすぎならともかく、ジャンヌ……否定しなかったからなぁ」 アストルフォはあれだけど、ジャンヌと桜セイバーには改めてネットなどの記事を見てもらい、ジャック・ザ・リッパーの概要を説明している。 その上で、確認したんだ。……これらが逸話としたら、宝 具はどうなるかって。 そうしたら、また新しい情報が出てきたよ。やっぱ対女性に特化しているのは、間違いないと思う。 「でも今更痛感してるよ。真名がバレることのリスク……おのれ、よく平気だよね」 「えへへ、それほどでもー」 そう言いながら腕に抱きつこうとするので、サッと距離を取る。 「なんで離れるの!?」 「いや、その……セレニケさん、怖いので。僕は応援しているので」 「大丈夫! マスターには理解してもらうから!」 「無理だと思うなぁ! ……っと」 足を止めて、周囲を伺う。アルトも気づいたのか、僕の胸元で瞬いた。 ≪……バリアジャケット、念のために調整しておきます≫ 「お願い」 念のため、持ってきておいた呪(のろ)いの仮面Ver2を装着。 なおこちらはロンドン出発前、ウェイバーにも手伝ってもらい改良したもの。 毒ガスのまっただ中だろうと、問題なく呼吸できるよう調整してある。 こう、魔法と魔術のスーパーコラボ? どこまで効くかは分からないけど……! 「ヤスフミ? アルトアイゼンもどうしたの」 「嫌な予感がする……というか」 ≪霧が出てますね≫ そう、霧だ……アストルフォも気づいて、辺りを見渡す。 しかもただの霧じゃない……気づいた瞬間、一気に濃度が高まってる! ≪この霧、微量ですが魔力が込められていますよ≫ 「……逃げるよ!」 「うん!」 一気に踵(かかと)を返し、脱兎(だっと)……すると喉元に、ちりちりと痛みが走る。 「げほ……げほげほ!」 「ヤスフミ……いや、今は喋(しゃべ)らないで! 呼吸もしちゃ駄目!」 アストルフォに頷(うなず)きながら、左手で仮面の口元を押さえる。 くそ……こっちのフィールドと、仮面の空気清浄装置を抜けてくるか! こんなのまともに吸い込んだら、一分も経(た)たずに肺がやられる! でもこれで分かった。間違いない……この霧、サーヴァントの能力だ! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「あ、グロ注意です」 古鉄≪耐性のない方は、ここで戻るボタンを≫ 志保「遅すぎでしょ!」 (ハートキャッチ!) 志保「でも毒ガス同然な霧って……どうしてそんな能力を」 恭文「志保、ロンドンスモッグって検索してみて」 志保「え……あれ!? 確かそれって!」 (志保、自分の携帯を取り出し、ポチポチ操作) 志保「そうか、それで……! 恭文「出現時期のロンドン、その状況から、能力の幅はある程度推測できるのが有り難いよ」 志保「同時にこれが、真名露呈のデメリット」 恭文「それでも強敵なのは変わらない……何せ声が丹下桜さんだから」 志保「ちょっと!?」 恭文「ゆかなさんも好きだけど、丹下桜さんも……!」 (蒼い古き鉄、精神的にハートをキャッチされているようです) 恭文「それはそうと志保」 志保「はい」 恭文「……おのれ、なんでメイド服!?」 志保「あなたがまた無茶をして怪我したから、メイドとしてご奉仕するんです」 恭文「いや、大丈夫だよ。細かいところはこれからだけど、お出かけもOKだし」 志保「いいんです。……あなたはただ、私を受け止めていれば」 (というわけで、まずはご飯から……蒼い古き鉄、大人しく受け入れました。 本日のED:丹下桜『CATCH UP DREAM』) [*前へ][次へ#] [戻る] |