作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第50巻経過報告:01(サンプルあり)(2016/12/26)
古鉄≪というわけで、今月末(2016年12月30日)に幕間第50巻が販売開始。
なお幕間としてはこれが最終刊となり、続きは≫
<とまと幕間・リローデッド>
古鉄≪となって、再スタートを切ります。お楽しみに≫
あむ「アンタ、また思いつきで言ってるでしょ!
というかアンタもよく動けるね……恭文、あんななのに!」
(現在蒼い古き鉄、FGO最終決戦で重傷を負ったため、絶対安静の療養中……全治三か月です)
古鉄≪マリエルさんとサリさん達に、メンテはきっちりしてもらったので≫
スゥ「恭文さん……スゥのお直し、必要ですかぁ?」
恭文「いや、大丈夫。……というか、フェイトが」
フェイト「お直しに頼りすぎても駄目だよ。今回はちゃんとリハビリすること」
恭文「……こんな感じなので」
スゥ「分かりましたぁ。でもぉ……その分、いーっぱいスゥが看病しますぅ♪」
恭文「ありがと」
ミキ「唯世達ももうすぐお見舞いにくるって。しかし、また派手にやられたねぇ」
ラン「えっと……左腕が複雑骨折、肋も四本くらいやられて、内臓も圧迫。
右足もガタガタで……三か月で治るの、これー!」
ダイヤ「というか、入院前提よね。自宅療養でいいの?」
フェイト「まぁ、そこはなんとか……あとはヤスフミが、成増へ行こうとしなければ……!」
恭文「中華そば べんてん……ぐす」
あむ「……でも、今のアイツがここまでやられるなんて」
古鉄≪奴もまた、強敵(とも)だった……それだけのことですよ。
……というわけで、そんな重傷なあの人はさておき、ここでは特別書き下ろしの紹介です≫
あむ「それでいいの!?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
竹達くん達の後処理で四苦八苦していると、突然片桐くんと遊佐くんがやってきた。
それで二人からかくかくしかじかで聞かされた話は……どういうことだぁぁぁぁぁぁぁ!
「あのアホどもはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「とっつぁん、血管切れるぞ」
「やかましい! というか君達も何で止めなかったぁ! 特に片桐くん! こういうことがないようにと、念入りにお願いしただろ!?」
「仕方ないでしょ! 遊佐と拓海、765プロの美奈子ちゃんとギンガちゃんの五人で、海賊狩りをしてたんだから!」
「何だねそれは!」
海賊狩りってなんだ! 蒼凪プロデューサー狩りか!? むしろ返り討ちに遭いそうだが!
「アルト大陸とナギルシア大陸を結ぶ巡航船には、時折海賊が襲ってくるんだよ。
でだ、その海賊を倒すクエストがあったんで、引き受けて……船に揺られてた」
「出てくるのがランダムだから、ほんと大変だったよねー。七回くらい往復して、やっとだし」
「満喫しているようで何よりだよ! とにかく……竹達くん達をたたき起こすぞ! それでテスト参加は中止に」
「……そんな真似したら、あの子達は何も取り返せないよ?」
そこで片桐くんから、冷たい視線と宣告が送られてくる。
「とっつぁん、アンタが武内のことを目にかけ、再起してほしかったのは分かる。だがやり過ぎだ」
◆◆◆◆◆
ここまでのあらすじ――三国巡りもいよいよ終盤。あむも参加しての討伐作戦。
ただみんなには……非常に申し訳ないけど、先に向かってもらうようお願い。
僕はアザサキへ戻り、とあるクエストを全力で進め、何とか目的達成。
なおHPを用いたワープなので、移動時間はものの数秒。……その分お金が吹き飛んだけど。
クヤウトに戻ったら、マイルームに荷物を預けつつお着替えです。
蒼色の着物と和装小手・具足<侍袴シリーズ>を装備。……なお、総額一万キレルでした。
左腰には貴音達からぶんどった打刀<兼定>&小刀<小太刀>を差し、準備完了。
はい、派生ジョブの侍です。今回から……いや、最後までずっと! これがメインジョブ!
スキルセッティングも終わったので、オークの前線基地【ゴルボス】を目指す。
洞窟と荒れた岩山(いわやま)、それが連なる天然の要塞……しかし、それは果てしなく遠く。
「うぉ……うぉうぉうぉうぉ! うぉっと!」
「ゆ、ゆっくり……少しずつ。無理せず、危なかったら着地」
「あわわわわ……右に流れてー!」
未央が、凛が、卯月が……いや、他のみんなも、飛行モードに苦戦中です。
色とりどりの羽を羽ばたかせながら、地面すれすれをホバリング。そのせいで事故も少ないんだけど。
……なお僕が待たせている二時間の間に、みんなは跳ぶ練習を重ねていた模様。
もうゴルボスに到着しているかと思ったら、みんな森の中で散り散りになっていたでござる。
「卯月ちゃん、落ち着いて」
「未央も」
それで飛行経験のあるフェイトやティアナが逐一サポート。流れに流れる二人や、智絵里達を支えつつ引っ張っていく。
「今は感覚で大丈夫だから。考えるのは慣れてからでいい」
「は、はい」
「力を入れすぎると、かえって飛べなくなるわよ」
「分かった! ……っと、分かったー」
「そうそう、リラックスして」
で、僕は……ほぼ専属的に、あむについているわけで。
ただあむも飛行経験はあるから、とっくに慣れていた。
「……推力の発生位置にさえ慣れれば、何とかなるね」
「だね」
アクセルフィン(リーゼフォーム)で背中に羽は慣れているから、僕も何とかって感じ。
……きっとなのはとなぎひこも、全力で楽しんでいるはず。何せ約束が守れるしね。
◆◆◆◆◆
――二十人近くでぞろぞろと入っていくと、まず目に入るのは樹木達。
荒れた山の入り口……そこに乱立する木々には、かじりつくように伐採中のプレイヤーが多数。
「……蒼凪君」
「言いたいことは分かる」
分かっている。分かっているから、視線で『触れては駄目』と告げると、唯世達はすぐに納得。話を切り替えてくれる。
「前線基地って空気がない……入り口だから?」
「設定は設定、でしょうか」
そう言いながら海里が見やるのは……ポップした低級オークが、鉞で一刀両断される姿。
首元を狙っての一戦は、とても手慣れた様子。倒れ、消失するオークを見やることもなく、木こり達はこつこつと木々を切る。
三回ほど切ったら、次のポイントへ移動して……結構忙しないねぇ。
なお伐採も採掘と同じく、採取ポイントは各々のプレイヤー固有。なので取り合いなどはない。
「あ、そうだ……空気がないで思い出した」
そんな中を抜けながら、拍手を打つ。
「頭頂部近くには、温泉もあるんだ」
『温泉!?』
「……あ、そうだそうだ。クエストであったわね」
思い出した様子で笑うティアナ。
ティアナを筆頭に、クヤウト出身組も拍手を打つ。
「温泉を採取して、持ってきてほしいってのが。成分調査するとかで」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
古鉄≪はい、アプリスクです。なぜこの人が突如侍になったか……それは、杏奈さん&百合子さん登場の下りを見返していただければ、分かると思います≫
あむ「どういうこと!?」
(そちらは幕間第48巻ですね)
あむ「でも、前線基地……ふもととはいえ、伐採って」
古鉄≪ゲームですから。ところで、あなたは加わらなくていいんですか?≫
(真・主人公、そう言いながら見やるのは、ほんわかクローバーの攻勢)
スゥ「恭文さん、あーんですよぉ」
恭文「あーん……ん、この巣ごもりスープ、いい味だぁ。美味しいよ」
スゥ「よかったですぅ♪」
恭文「でもスゥ、一応自分で食べるくらいは」
スゥ「いいんですぅ。看病なんですからぁ」
恭文「……ありがと」
(全力でした……少年じゃないけど、全力でした)
あむ「いい……なんか、邪魔したら一生恨まれそう」
フェイト「わ、私も同感。うぅ、奥さんなのにー」
古鉄≪じゃあ二人揃って、メイドとして傅きましょう≫
フェイト・あむ「「どういうこと!?」」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「はいはい」
恭文さんは左手で小太刀を抜き放ち、鋭く投てき――前から襲ってきたオークの頭を貫き、仰向けに倒して絶命させる。
急所クリティカルで一気にHPが尽きて、斧持ちオークは消滅。落ちた小太刀を拾い上げ、恭文さんは刃を払いつつ納刀。
「邪魔しないでねー」
かと思うとガンナーガンを取り出し、前方に乱射。
呪文詠唱に入っていた、ずきんを被ったオークに攻撃。
蜂の巣にされたオークは、詠唱を止められ……って、まだ三体います!
「しまむー、しぶりん!」
「はい!」
「分かった!」
とか言っている間に、あむちゃんと空海君、海里君が疾駆。
斧持ちオークは、あむちゃんの右ストレートで顔面を砕かれ。
槍持ちオークは、空海君のバツの字斬りで斬り伏せられ。
拳のみのオークは、海里君の袈裟・逆袈裟・右薙・唐竹・左薙の連撃で鎮められる。
頭巾オークについても、恭文さんが対処。気づいたら一気に踏み込んでいて、勝負がついていた。
木製ワンドを持った、太い右腕が一瞬で断ち切られ、今度は首が落とされる。
「邪魔しないでねー」
「い、息をするように倒して……」
「というか、あむちゃん達がやっぱり強すぎる……!」
「はいー!」
私達とは、明らかに反応が違い過ぎます! というか、グラップラーなあむちゃんもなんてー!
◆◆◆◆◆
「やるですよー! じゃあかな子さん」
「うん! ――我はかざす、光の傘!」
かな子が<メープルワンド>を突き出し、術式詠唱。
これは初級の範囲防御魔法<マジックアンブレラ>。
ようは防御力を高める魔法だよ。光の傘は僕達を包み込み、不可視の守護となってくれる。
「我はかざす、抗魔の傘!」
対魔法防御力アップの範囲魔法<マギカアンブレラ>を発動。
緑色の傘が生まれ、それらがまた僕達を守ってくれる。
それでかな子のMPが、自然回復で満タンになってから。
「じゃあ、いきます!」
「OK!」
早速サークルに浮かぶ、<Search Point>に触れる。
すると黒い歪みに取り込まれ、気づくとまた別所に立っていた。
細長い、幾何学模様の通路。
それを抜けた先には、バトルフィールドらしきサークル。
更に祭壇っぽいものも見える。
「……依頼内容は、獣人達が前線基地の再奥で怪しい動きをしているから、探ってほしい、でしたよね」
「うん」
「あれ、まるで何かの儀式みたいな」
「それも行けば分かるでしょ」
◆◆◆◆◆
『ち……冒険者風情が、よくここを嗅ぎつけたな。いや』
そこで中央の祭壇近くに、緑色の一つ目モンスターが出現。
異様に細長い手足、それとは真逆に肥大化した翼。
奴は翼で羽ばたきながら、一メートル近い体でホバリングしていた。
「人間どもも、身内争いばかりに興じているわけではないか」
「な、何ですかこれ! こんなモンスター、見たことがありません!」
「名前は……<Evil Eye>? そのまんまだね。……アンタ、一体何者なの! これは何!」
普通のゲームであれば、凛の問いかけは無意味だろう。でも……イースターの本気具合は半端ない。
「ふははははははは! 昨今の冒険者は、我ら<北の魔物>すら知らないとは!」
「北……それって、魔王が封印されてる場所じゃん!」
「これは滑稽! 大戦を経て、力を蓄えてきた我らと違い、人間は堕落し劣っている……ならば知らしめよう!」
そう……リアルタイムな処理により、かなり自然な受け答えができるのよ。ある程度条件は限定されるそうだけど。
「我らは魔王を復活させるため、各地の獣人を束ね、準備を重ねてきた!」
「魔王の、復活!? そ、そんなの駄目です! そうしたらまた、戦争になるんじゃ!」
「うわぁ、RPGだとお約束ってやつじゃん」
「しかも黙って死ねばいいものを、自らバラしていくスタイル……呆れたのです」
「冥土の土産というやつだ! 貴様らには見せてやろう……これがその力の一端」
とか言うのでガンナーガンを取り出し、即座に連射。奴は目玉を撃ち抜かれ、火花を走らせながら落下する。
「ひぎゃ!」
「……恭文くん!?」
「そう、じゃあ死ね」
「端的すぎるよ!」
「そうだよ! というか、盛り上がりとか台なしじゃ!」
なるほど、それなら……更に追撃。弾丸をイビルアイに連射するけど、奴は慌てて両手をかざし、紫の障壁を展開。弾丸を弾いてしまう。
そこを狙い、ノーガードな祭壇に射撃……が、こちらも別の障壁によって守られてしまう。
「未央、安心していい……盛り上がりは自己防衛するらしいよ」
「い、至れり尽くせりだねー」
「貴様……死にたいらしいなぁ!」
そこで祭壇に、黒いオーラが放出される。
イビルアイも何か、聞き取れない言語で詠唱を開始。
するとオーラは祭壇を吹き飛ばし、一瞬で五メートルほどの巨体に変化。
四つ足で這い、長い首とぼろぼろの翼。色あせた黒の体色。
「こ、これは……ちょっと垂れ耳で、わんちゃんみたいな顔ですけど」
「「「ドラゴン!?」」」
「やれぇ! <Dragon Zombie>! 龍族の力を見せつけろぉ!」
『!!!!!!!!!!』
そこでドラゴンゾンビが咆哮――僕達に向かって一歩、また一歩と進軍を始める。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
古鉄≪というわけでボス戦です。FF11のアレですか≫
あむ「元ネタがアレだしね。……でもかな子さんが加わってる? PT編成って」
古鉄≪その辺りも本編内で。なお幕間第50巻は現在、五話まで完成。
ただ半分まで書けている番外編などもありますので……一気呵成にいきますよ≫
あむ「うん、頑張ろう!」
(今年最後の頑張りだー!
本日のED:西沢幸奏『Break your fate』)
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