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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第49巻経過報告:03(サンプルあり)(2016/11/28)
[TOMATO] とある魔導師と機動六課の日常・幕間 第49巻『”黒”の内乱』



古鉄≪というわけで、明日(2016/11/29)発売する幕間第49巻……ここからはディケイドクロスやISクロスのご紹介。今回はどちらも二話収録です≫

恭文「ディケイドクロスは、今回から響鬼の世界……しかし、あちらの僕は大荒れで」

古鉄≪……周囲が尽く信用できない状態ですしね。さすがに来ますか≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「とにかく鬼達は、音撃という特殊な波長を持った攻撃を使い、魔化魍を倒していくんだ。
清めの音を放つ攻撃――逆を言えば魔化魍は、音撃以外の攻撃で倒せない」

「妖怪の類いだから、倒し方も特殊なんですね」

「……クロックアップでもう腹いっぱいなんだが」

「あの、魔法なら何とかできるんじゃないかな。それにクロックアップもあるし」


そしてフェイトが……そしてギンガさんがついてきていた。それに頭を抱えながらも首振り。


「フェイト、ギンガさんも……山へお帰り」

「ここだよ、山!」

「というか、フェイトはまだ学習してないの?」

「だ、だって……私はやっぱり、頑張りたいの。だから、変身できる方法を自分で見つけて」

「天道ー! 一体どういう説教をしたの! アホな方向に覚醒してるんだけど!」

「アホじゃないよ! ヤスフミも旅の中で変身手段を探したんだよね、だから私も」


それでガッツポーズはやめろ……あぁ、また失敗フラグだ! 間違いない、フェイトを送り込んだのはスーパー大ショッカーの罠だ!


◆◆◆◆◆


さて……警戒状態のあの子と、ちょっとお話しするか。


「ディケイドが悪魔だって、鳴滝って奴から聞いたの?」


やぶから棒にツッコんでみると、その子の表情がこわ張る。……やっぱりかー!


「そうだ……ディケイド! 世界を滅ぼすという悪魔! ついにこの世界に」

「それ、誤解だから。鳴滝達こそ、世界を滅ぼす悪魔結社の一員なんだよ」

「……悪魔結社!? いや、でも」

「じゃあ鳴滝が悪魔結社の一員じゃないって、おのれは証明できるのかな」


そう問いかけると、この子の勢いは完全にへし折れた。目に勢いがなくなったもの。


「アスムくん」


そこで脇から飛び出してくるのは、動きやすいジャケットとジーンズ姿なお姉さん。

栗(くり)色の長い髪に、垂れ目気味な瞳が可愛(かわい)らしい。身長も百六十四センチくらいか……モデル体型だね。


「まずはこの人達のお話、聞いてみましょうか」

「でも」

「実際あの人、かなり怪しかったもの。……ね?」

「……はい」


……なので冷静になったところで、この子達のキャンプ地に移動。

この子の着替えが終わるまでに、かくかくしかじかと説明。

過去の戦闘映像なども踏まえ、スーパー大ショッカーについても理解してもらう。


それで僕達が奴らと、紅渡一派に、どれだけ迷惑をかけられているかも。


◆◆◆◆◆


「――ヒビキさん!」


僕ともやしが火花をぶつけていると、アスムが携帯片手に慌てだした。


「魔化魍が現れたそうです! それも市街地に化け猫が!」

「おぉそうか。それでは早速よろしくお願いします」


デビット伊東さんは、僕達に深々とお辞儀をし。


「大師匠達」


そのままチェアーに戻ろうと……おぉぉぉぉぉぉぉぉぉい! 何やってんの!?

アスムと美波に協力し、ヒビキさんの両手を掴(つか)んで引っ張る。


「ちょ、ヒビキさんは行かないんですか!?」

「そうですよ! それに僕達、鬼じゃないし! 音撃とか使えないし!」

「そうみたいですよ?! あのですね、この子達は」

「またまた。大師匠ほど鍛えておられるならば、それはもう立派な音撃が使えますよ」


そこでヒビキさんに、力強く肩を叩(たた)かれる。


「……え、ほんとに?」

「えぇ! それはもう、どどーんっと!」

「どどーん!? 変身アイテムとか、ないけど!」

「なくても大丈夫! 大師匠ですから!」

「大師匠補正!?」

「補正です!」


え、僕が音撃……鬼!? あははははは……あははははははは!


「よーし!」


ヒビキさんを解放し、笑ってガッツポーズ。


「大師匠に任せちゃりー!」

「なぎ君ー!」

「調子に乗っちゃったよ、この馬鹿!」


◆◆◆◆◆


クロックアップして、僕一人だけが加速した世界に突入。
全ての動きがスローになる中、駆け出して化け猫へと突撃。


でも……僕だけしかいないはずの世界に、妙な違和感――。

五メートルほど走ったところで足を止め、右腕でガード。


そして次の瞬間、いきなり横から襲いかかってきた、右飛び蹴りを受け止める。

襲撃者は攻撃が防がれたと分かると、すぐに後ろへ跳んで着地。

僕から三メートル弱の距離を取って、ゆっくりと身体を起こす。


その姿は胴色。

左右非対称のアーマーを身に着けたライダー。

頭部と右肩にある角っぽい装飾と、カブトに似た装甲形状。


そして右手に装着している装甲と同じ色のゼクター……コイツは。


「ごきげんよう、悪魔……いや」


そしてよく知っている声が、ソイツから聴こえてきた。
ソイツは不遜な態度を取りながら、両手を広げる。


「ここはダークカブトと言うべきかな」


◆◆◆◆◆


奴は腕を下ろし、静かに頭を下げた。


「ダークカブト、ディケイド――君達にスーパー大ショッカーの一員となってほしい」

「お願いする身で不意打ち? あり得ないわ」

「すまない、あれは君達を試させてもらった。……あの程度を防げないようでは、入る意味がないからな」


うわぁ、堂々と言い切ってくれるか。まぁ返事は決まっているので。


「どうだ」

「断る。土下座もしなくていいから出直してこい」


即答すると、奴の身体がぴくりと震えた。


「一応聞こう、なぜだ」

「知ってる? 権力に歯向かうのは楽しいのよ。それでお前達がいると、僕の夢を叶(かな)えるのに邪魔だ」

≪この私をガン無視する奴に、垂れる頭はないんですよ。……忘れないことですね、この”世界”には私達がいると≫

「なるほど」


それでゆっくりと、身体の中に抑え込んでいたものを解放していく。

奴が頭を上げていくと、この時間が重苦しい重圧で満たされていく。


それを感じて、仮面の中で静かに笑っていた。


「それでは無理なのも道理……だが、オレが出直すこともできない」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


あむ「やっぱり出てくるんだ、コイツ……!」

恭文「ギンガさんルートの僕、最大の宿敵――大和鉄騎。鬼が戦い、人を守る世界で、”鬼”たる奴もいよいよ姿を現します」

古鉄≪当然その戦いは……はい、ある程度の書き直しと追加シーンを付け加える羽目になりました≫


(この二人の戦いは、書いていて楽しい……細かいこと抜きで、打ち合えるし)


あむ「HP番だと、ここから決着までが長かったけど」

古鉄≪途中で邪魔が入りまくりましたからね。さて、今回はどうなるか≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


二人は……とんでもない量の殺気を放ちながら――クロスカウンターで生身の顔面を捉える。

お互いに口から血しぶきが出ても引くひくことなく、笑ってほぼ同時のハイキック。

そのまま……ノーガードで、ひたすらに拳を、蹴りをぶつけ合う。


相手のことしか見えない、分からない。そう言わんばかりに……!


「なんですか、あの人……」


空気が震え、私達も、鬼の人達も動けない。

そんな中、夏海さんが顔面蒼白(そうはく)で呟(つぶや)く。


「いつもと、全然違う……! 笑って、笑って……どうして、あんなふうに殴り合えるんですか! あれじゃあ」

「グロンギ」


怪人と言われて、涙が零(こぼ)れる。

あんなヤスフミ、見たくなかった……もう、見たくなかったのに……!


「姉さん、あれは……なんだ」

「……やめて……お願いだから」


二人はクロスカウンターを放ち、それでも引かずに組み合い、押し合う。

地面を踏み砕きながら……その力で、気迫で、空気と海を揺らしながら――。


それを止めようと、今度こそ走り出す。


「もうやめてぇ!」


二人が揉(も)み合いを解除したところに、強化魔法で入り込んでいく――。


◆◆◆◆◆


再び飛び出そうとしていると、ダブタロスと向こうのゼクターが時間切れを知らせてくる。

そして元の時間へと戻り、周囲にある全ての動きがスロー状態から脱却。


「ヤスフミ!」

「来るな」


フェイトに一喝した上で、僕は右拳をスナップさせる。


≪えぇ、邪魔ですよ。死にたくないなら近づかないでください。……それでいいんですよね≫

「もちろん」


今邪魔されたら……誰であろうと、殺すまでボコらないと気が済まないもの――!


「大和鉄騎――化け物だね。お前は人じゃない。虎砲もどきと徹を食らって、まだ立ってられるとは」

「それはお互い様だろう。あの腹への突きで終わると思ったんだがなぁ。
まさかそれで仕留められないとは……やはり見込んだ通りだ」


手刀からのアレか。

咄嗟(とっさ)に避けたから、スーツの表面を僅かに削っただけで終わった。

それでも相当衝撃が入ったけど……必殺技じゃないのにこれとは、恐れ入る。


でも同時に、楽しくもある。

こんなに強くて、凄(すご)い男と戦っている事実が、僕を高ぶらせる。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「……知っているか?」

「何さ」

「人ならざる者の前に立つ者は、同じように人ならざる者でなくてはいけない」


奴は手首のゼクターに手をかけ……回転させる。


「そうでなくては相手に失礼だからだ」

≪RIDER BEAT≫


僕もそれに合わせ、向き直りながらもダブタロスのスイッチを連打。


「その呼び方は様々だ」

≪1≫

「鬼、悪魔、化け物、修羅」

≪2≫

「――喜べ」

≪3≫


奴は両腕を広げ、芝居がかった仕草を取りながら、声を荒らげる。

その間にタキオン粒子がスーツを循環。頭部の角に集積され……一気に右足へと落とされる。


「お前は俺という鬼の前に立つことを許された。そして俺も喜ぼう。
俺もまた、お前という修羅の前に立つことを許された――こんなに喜ばしいことはあるまい!」


その言葉に同意するように、口元から笑いを零(こぼ)してしまう。そうしながらも、ダブタロスのゼクターホーンを元に戻し。


「……ビートスラップ」


再度反対方向へと折る。するとこちらもタキオン粒子のチャージが始まり、同じように右足へと収束。


あぁ、嬉(うれ)しい……本当に嬉(うれ)しい。


その倍くらい怖いのに……その怖さを感じていることが嬉(うれ)しい。

この鬼の前に立てたことが誇らしくて、たまらなく嬉(うれ)しい。


こういう感覚、しばらく味わってなかったなぁ。


だったら、もっとだ――!


≪BEAT SLAP≫


僕達はお互い笑いながら、後ずさっていく。

そうして五メートルほどの距離を取った上で。


「駄目……駄目! ヤスフミ!」

「クソ、士!」

「お前らだけで盛り上がりすぎなんだよ!」


僕はゼクトクナイガンを取り出し、三時方向から走ってこようとするもやしとユウスケ目がけて、引き金を引く。

ただし足下に……薙(な)がれるように放たれた弾丸が、火花を走らせながら次々着弾。


「く……おい、恭文!」


更にゼクトクナイガン銃身を持ち、アックスモードとした上で投てき。

小うるさい二人の脇を――フェイトとギンガさんの間をすり抜け、刃は樹木を三本ほど両断。


そうして奴らの足が、うるさい言葉がようやく止まった――全力疾走。


「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」


お互い飛び上がりながら、ため込んだ力を――全力の右跳び蹴りを、叩(たた)きつけ合った。

原子崩壊すらもたらす輝きは、相互反応を起こす。その結果僕達をも巻き込む、蒼い輝きの爆発が生まれた。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


あむ「必殺技のぶつけ合い……てーか味方に攻撃って!」

恭文「仕方ないでしょ。……近づいたら殺されるんだから」

あむ「ちょ!」

恭文「例えあっちの僕が手を出さなくても」

あむ「え、それって……あ」


(現・魔法少女、全てを察する)


恭文「鬼の前に立てるのは、同じ鬼……そして同質の存在のみ。
ならそれ以外は悪意も、善意も関係なく、等しく不純物と言える」

古鉄≪ここから一気に、仲間内の人間関係も加速予定。まぁそれも響鬼の世界がを合ってからでしょうが≫

あむ「ど、どうなっちゃうの……!」


(いよいよ、八つの世界編(今命名)もラスト――果たしてこの先はどうなる!
本日のED:sacra『identity』)




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