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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第49巻経過報告:01(サンプルあり)(2016/11/9)
[TOMATO] とある魔導師と機動六課の日常・幕間 第49巻『”黒”の内乱』



古鉄≪というわけで、幕間第四十九巻の経過報告です。今回はアプリスク編から≫

百合子「私と杏奈ちゃんが活躍しますよー」

杏奈「ん……頑張る」


(なお真・主人公、ストフリノロウサボディで杏奈に抱かれつつ耳をクシクシ)


杏奈「今日は……ストフリ」

古鉄≪ルプスボディは洗濯中なので≫

百合子「洗濯できるんだ……!」

フェイト「一応、ぬいぐるみボディだから」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「これは我が組合<AYAMIと愉快な仲間達>の初陣なのですから」


そう、あれは346プロのみなさん。竹達プロデューサーと、輿水幸子ちゃん。


そして莉嘉ちゃん。

みりあちゃん。

きらりちゃん。

蘭子ちゃん。

李衣菜ちゃん。

みくちゃん。

……武内さん。


シンデレラ達は言うまでもなく、CPメンバーの半分……今まで消息不明だった子達までいた。

なお武内さんもこの雪原地帯で、サブリガ・ハーネス装備! おかしい……どう考えてもおかしい!


もうどこからツッコんでいいのか分からない! というかこんなにカオスだったっけ、ネットゲーム!


「なるほど、大体分かりました」


そう言って百合子ちゃんが、ポニテな杏奈ちゃんと前に出る。

私達の間に入り……そうして、助太刀をするかのように、彩美さん達と向き直った。


「二人とも、どうして」

「塔を制覇した帰りです」

『もう!?』


確か下層ならともかく、上層階はかなりの高難易度だったはず!

私達も一度、入った途端に敗走したし! ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


◆◆◆◆◆


「姫プレイで男性組員を増やしていく過程で、私は気づいたんです。彼女達と仲良くなるなら、一緒に楽しく遊ぶべきだろうと。
そのために声をかけたのですが、彼女達の頑(かたく)なな心をほぐすには……拳しかありませんでした」

「その結論は……おかしい」

「大丈夫ですよ、真の仲間なら」

「真を付けるどころか、仲間ですらありませんからね!? 見てくださいよ、この悔恨に満ちた表情!」

「でも長寿ア」

「「それ以上言うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」


幸子ちゃんと私ちゃんのツッコミが被ったところで、みんなの表情が変化する。

無表情だったそれまでと違い、悲しげに……とても、苦しげに呻(うめ)く。


あぁ……本当にこっぴどく負けたんだ! うん、分かるよ! 私達もそうなりかけだしね!

……そこで竹達さんは大きくため息。


「しかも悲しいかな、城ヶ崎さん達がゲームに”逆恨み”を持ち込んだせいで、それは正しいことになってしまった」

「え……!」

「私達はこのゲームの楽しさを突き詰め、更に問題点があれば問いかけていくテスターです。
だからこそ私も過去の遺恨を流し、(ぴー)を見習ってCPゲットだぜと頑張ったのですが」

「見習う方向を間違えてませんか!? それ、むしろモンスターハンターでしょ! というか任天堂に謝れぇぇぇぇぇぇぇ!」

「ごめんなさい、今西部長。私の力不足で、CPの歪(ゆが)みを正すことはなりませんでした」


謝ったよ! 全く関係ないところに謝ったよ! しかもサラッと、自分は被害者って位置に回ってる!

自分は仲良くしようと頑張ったのに、CPが頑(かたく)なだったせいだって……最悪だ、この人!


◆◆◆◆◆


「というわけで、事情説明フェイズはもう終わりましょ。……いきなさい、CP」


当然のように彩美さんは、武内さん達CPメンバーを前に出す。


「……ラビ達の認識は間違っていた。そう証明されたのに」

「でもあなた、それで納得するような顔じゃありませんし」

「その通り……」

「さぁ、彼女達を助けたいと思うのなら、その屍(しかばね)を踏み越えてきなさい」

「「「「ひど!」」」」


早速こちらの心をくじきにきたよ! あぁ、このノリはプロデューサーさんだ! 間違いなく元プロデューサーさんと同じだ!


さすがにそれを躊躇(ためら)っていると……杏奈ちゃんと百合子ちゃんは違った。

二人は背中を合わせ、半身になりながら構える。


「何人でも……かかってきてくれて、いい」

「ちょ、Vivid_rabbit!?」


そう、二人は違った。

それもある意味当然だった。二人は元プロデューサーさんの担当アイドル。

それも私達とは違い、初仕事となったアリーナから付きっきり。


――そう、私達とはまた違っていた。

二人は……志保ちゃん達は、私達とは違う距離感、立ち位置でプロデューサーさんといる。

そしてプロデューサーさんが、こんな状況で”迷え”と教えるだろうか。


いいや、教えない。教えるわけがない……みんな、どんどん強くなっていくなぁ。

この状況で戦うことを選ぶのが、プロデューサーだもの。加減しても結局無意味だって、そう言って――。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


百合子「というわけで、私と杏奈ちゃんでCPとバトル! ふふふふ……ここまで出番がなかったけど、頑張るよ!」

杏奈「無双……無双……うん」


(ストフリノロウサを撫でながら、気合い十分)


杏奈「でも恭文さん……今日は、大変そう」

古鉄≪毎年のことですから。歌唄さんも忙しかった分、めいっぱい甘えられます≫

百合子「……ちょっとプレッシャー」

杏奈「……うん」

古鉄≪そんなプレッシャーをはね除けられるかどうかも、アプリスク編にかかっているわけですが≫

杏奈・百合子「「え!?」」

恭文「こら、勝手なこと言うな! そんな要素はないからね!?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「やりますねぇ、Lilyknightさん」

「一応、礼を言うべきでしょうか」


彼女は短めの髪を揺らし、こちらに剣と、鋭い瞳を向けてくる。


「そう言えばあなた、読書が趣味だとか。シンデレラについての批判は御存じですか」

「……棚ぼた的に玉の輿(こし)とか、そういうお話ですか。ようは自分で何もしていない」

「ただ私、それとはまた違う感想を持っているんです。……どうしてシンデレラは、意地悪なまま母達と直接対決し、潰さなかったのか」


竹達さんはメインメニューを開き、何やら確認。


「未来をつかみ取ろうとする行動は、 勝者ではなく敗者こそが行うもの。そう……シンデレラは敗者だった。
敗者でなくてはならなかった。ならば棚ぼた的に幸せを掴(つか)んだ彼女は、手を伸ばしたのだろうか」

「それは」


その片手間の言葉に、ラビットさんとリリィさんが察する。

……これはシンデレラ(物語)の話じゃない。

その名を冠するCPへの批判。CPは敗者だった……敗者となった。


でも敗者だからこそ、伸ばせる手もある。できる抗(あらが)いもある。

だから疑問提起している。彼女達に、武内さん達自身に。


棚ぼたで得たチャンス<アプリスク>に甘えて、敗者としての抗(あらが)いを忘れてはいないかと――。


◆◆◆◆◆


三日目後半開始――。

しかしログインした途端、クヤウトの中央区(ちゅうおうく)は大騒ぎ。


「な、何これ……」

「お祭り、でしょうか」


近くにいた志保と可奈、美波とアーニャが目を丸くする。

プレイヤーと思(おぼ)しきキャラ達が、羽根を生やし、宙に浮かんで右往左往しているもの。


「うぉ……ととととととととと!?」


ある者は壁へと激突し。


「たーすーけーてー」


ある者は前転を繰り返しながら、僕達の脇を抜け。


「いやっほぉぉぉぉぉぉぉぉ! ……誰か止めてぇぇぇぇぇぇぇ!」


ある者は最高速で、フィールドへと突き抜ける。

この場は正しくカオス。これをお祭りと言うのなら、確かにそうだろう。


でもみんな、忘れてるなぁ。インフォメーションの”バージョンアップ”にも出ていたはずなのに。


「そういえば」


そこでアーニャが、ほほ笑みながら拍手。


「空、飛べるようになったと、インフォメーションで見ました」

「空……あ、そうか!」


◆◆◆◆◆


「……律子さん、これって」

「まぁ、ギリギリセーフですよ」


そんな中、テーブルに着席した莉嘉ちゃん達を囲むのは、律子さん達。

律子さんは困惑しながらも、静かに眼鏡を正す。


「竹達プロデューサーは強引に引き込んだわけでもなく、組合員<ギルドメンバー>としてキッチリ保証もしていて……そうよね」

「みたいです」

「更に期限も予め説明されていた。それなら346プロへ抗議して止めるとか、そういうのは無理です」

「そもそも海賊連合を作ったぼく達が言う権利は」

「海賊連合は、あくまでも健全な経済組織!」

「あ、はい」


そういう話になってるんだ……! でも真さんや春香さんが疑問そうなんだけど! 小首を傾げてるんだけど!


「何より竹達さんの参加取りやめが受諾されたとしても、あなた達の名誉回復ができないわ」

「竹達プロデューサーが言った通り、全ての原因はCPだもんな。それじゃあ反則勝ちと言ってもいいぞ」

「向こうは表面上、CPに歩み寄り、理解しようと頑張った。そういう話になっていますしね」


そう言いつつ、ハムサンドをもぐもぐ……うーん、ふかふかで美味(おい)しいー。

しかも温かいのが幸せ。何だかんだでアイリス島、寒かったからなぁ。


「それでCPがゲーム内で同じことをしないように、監視態勢を整えていたとか言えば」

「でもみりあ達……また頑張りたいって! アイドル、ちゃんとしたいって言ったもん!」

「そう言っただけでしょ?」

「え……」

「行動としてそれを表していないし、竹達プロデューサーやうちのお人よしに、散々尻を拭わせてきたじゃない」


伊織さんの厳しい言葉で、みりあちゃんもぼろぼろと泣き出す。

そんな二人を優しく受け止め、あずささんは困った顔をし始める。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


百合子「何だか厄介なことに……!」

古鉄≪文字通り”灰かぶり”から再スタートとしたCP。果たして自らの力で、勝利を掴むことができるのか≫

杏奈「できなきゃ……おしまい?」


(それをいっちゃあおしめぇよ)


杏奈「それじゃあそろそろ杏奈達も」

百合子「歌唄さんに誕生日プレゼントを……!」

古鉄≪まだ渡していなかったんですか≫

杏奈「隙がなさすぎた……!」

百合子「全開すぎますよ、あの人!」

古鉄≪歌唄さんですから≫


(そして隙を見つけ、飛び込み、プレゼントは無事に渡せたそうです。
本日のED:『草加が悪いことをするときにかかるBGM』)









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