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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第48巻経過報告:04(サンプルあり)(2016/10/29)
[TOMATO] とある魔導師と機動六課の日常・幕間 第48巻『接敵』




古鉄≪というわけで、こちらはディケイドクロスの紹介になります。今回でカブトの世界も解決≫

恭文「二話収録だけど、実は前半一話は『二人の世界』みたいな番外編的な形になっています。ではどうぞー」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


旅は続く――相川始<ジョーカー>との戦いを終えて、始まったのはアテのない旅。


覚悟はあった。一所に止住せず、さすらい続ける覚悟は。

戦いの中で始が自身の身を、不死の運命を呪(まじな)い、苦しんでいた姿は見ていたから。

だから最後にこう言った。始と……みんなと別れたあの日に。


――俺は運命と闘う。そして勝ってみせる……!――


旅は続く――戦いは終わり、アテのない旅が始まった。

みんなは、始は戦いから解放された。そう思っていた。


◆◆◆◆◆


一緒に掃除をして、サーターアンダギーを備える。

なお重そうな荷物のほとんどは、お墓用の掃除用具だった。


ただ……親戚の墓も両隣にあったとはいえ、業務用の溶剤(二リットル)を各種数本は持ちすぎだ。


「……お父さんなんだ」


響ちゃんに合わせ、両手を重ねていると……彼女は小さく呟(つぶや)く。


「一年くらい前……ほら、黒い……Gっていうの? そういうのっぽい怪物が、世界各所に出現したよね」

「……あぁ」

「お父さん、ソイツらに殺されたんだ。自分やお母さん達を庇(かば)って、取り囲まれて……」


そこで、火照った体に冷や水がぶっかけられた。


「最初は【逃げろ】って言ってた。でも……聞こえてきたんだ。それでも必死に、逃げているとき。
悲鳴が……【助けて】って声が。後になって、警察に遺体を回収してもらったけど……何も残ってなかった」

「ぢゅ……」

「食い散らかされたんだ。アイツらに……骨も、肉片も一つ残さず……だから、お墓も空っぽ」


淡々と事実を告げる響ちゃん。それを慰めるように、身を擦(こす)りつけるハム蔵といぬ美達。

だが俺は……手が、震え続けていた。そのGっぽい怪物について、よく知っていた。


◆◆◆◆◆


目を背けていた。そうして俺は驕(おご)っていた。

俺が救った……俺が守った世界だと、笑っていたんだ。


……そんなとき、二つの事件が起きた。


「がぁ!」


人気のない荒れ地でギャレン、レンゲル、カリスが戦う。

その相手は……ブレイド・キングフォーム。そう、俺のコピーだった。


「睦月! くそ……強さまでコピーしているのか」

「本人に比べれば弱いと言いたいが、こちらも出力不足だな。それにマズいぞ」

「何がだ」

「たとえコピーと言えど、アレはキングフォームを模している。もしこのまま、奴が……カメレオンアンデッドが暴れ続ければ」

「……第二どころか、第三のジョーカーになるんですか!?」

「十分あり得る」


戦いは終わった。終わったはずなのに……三人は……戦いは、終わっていなかった。

俺がまき散らした戦いは、終わってなどいなかった。


◆◆◆◆◆


『……ざき……けん、ざき……』


一つ目……目が覚めると、目の前に始がいた。

ジョーカーの姿で、蛍光グリーンの血を流しながら……俺に、貫かれていた。

同じように、ジョーカーとなった俺に。


『はじ……め……』


そこで感じる。自分が”高ぶっている”ことに。
戦い……生存を賭けた闘争。

それを受け、血流が乱れている。そして、笑っていた。


口元が歪(ゆが)んでいたんだ。本能を受け、笑っていた。


『ああああああああああ!?』


慌てて身を引く。右爪が肉から抜け、その感触がダイレクトに伝わる。

そして始のバックルは開き、封印可能状態を示す。傷は修復されていくが、すぐには治らない。

対して俺は無傷だった。膝を突く始と違い、傷は一つもついていない。


『はじ……俺は……!?』


そこで気づく。そこがそれまでいた場所とは……眠りについた場所とは違うことに。

薄暗い荒野には、冷たい風が吹き荒れる。空は薄暗く、雪が交じり合う世界。


そんな中に蛍光グリーンの血がぽたり、ぽたりと落ちてきて。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「はい、番外編のサブタイトルは『Jの世界』……そう、剣崎一真のお話です」


(なぜ剣崎一真は剣崎一真(ディケイド版)になったのか)


古鉄≪同人版として書き直す際、Amazonプライムビデオでディケイドを再確認しつつ書いた結果、紅一派がどんどん黒くなりましたからねぇ≫

恭文「そして剣崎一真については、別人の如き変貌……」


(HP版は比較的原典よりですが、同人版ではディケイドTV本編よりになっています)


恭文「で、こちらの話は『どうしてこうなった』をダイジェスト気味ですが、描いた話になっております」

古鉄≪ただ完全オリジナルではなくて……確かホビージャパンで連載していたSIC企画の番外編や、三百年後を描いた続編小説も参考に≫

恭文「してるよー。一応初期から、下地としてあったんだけど」


(その結果、救えないほどやさぐれてしまった罠)


恭文「そしてカブトの世界最終回……長かった」

古鉄≪やっぱりカブトは思い出深いライダーですから、書きたいことが多数なんですよね≫

恭文「天道も強くてカッコいいしねー」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


『悔しいかぁ? 天堂ソウジ。だがな、それは仕方ないんだよ。お前は人間だ。人間は踏みつけられて当然なんだ。
身体も、力も弱いくせに、ネイティブに逆らうからいけないんだ。だから俺達が進化させてやる』

「そう、進化だ。クロックダウンシステムはただの布石だよ。システムを用いれば、人類はすぐにでも進化できる。
喜べ、天堂。もうお前は一人ぼっちじゃないぞ? 俺達がお前を救ってやったんだ……感謝しろ」

『三島さんの仰(おっしゃ)る通りだ。さぁ、感謝しろ。……さぁ!』

「図に乗ってんじゃねぇよ」


至福の時間を邪魔するかのように、この場に声が響く。

だがこの声は……一気に警戒態勢へと突入し、周囲を見渡す。


……そこでいん石の上に乗った、黒コートの男がいた。


『貴様は――!』


そして、希望の石に蒼い火花が走り――真っ白な灰となる。

その結果クロックダウンシステムに乗って、放射されたエネルギーも解除。


システムが次々とエラーを起こし、愉悦は絶望へと変わる。


『いん石が!』

「もやし、ユウスケ」

「こっちはばっちりだ」

「同じく! ……大丈夫ですか?」


また別の声がしたので、俺と三島さんは、慌てて入り口の方を見る。

そこにはなぜか、マユと天堂ソウジが……まさかと思い、またあのチビを見た。


チビは灰の上に着地し、踏み締める……踏みにじる。俺達の、希望を。


『貴様ぁ!』


◆◆◆◆◆


触手を刃で払い、物質変換……いや、駄目だ。極薄なエネルギーフィールドが張ってる!

それでも触手で払いながら、術式詠唱――。


肉薄する奴の拳を連続スウェーで交わし、その腹へ刺突。

奴はボディにもフィールドを展開し、刃を受け止めながら一回転。こちらに左フックを放つ。


イグゾールトをもう一枚……たった一撃で粉砕されながら吹き飛び、その手ごたえに笑ってしまう。


≪強いですねぇ。あなたに触れさせることもしないとは≫

「だね……!」


そう言いながら術式詠唱――地面の物質変換で縄を作り、各触手を撃ち抜き、脇へ飛ばした上で追撃。

三島本体に迫る縄は、マシンガンのようなラッシュでたやすく打ち砕かれる。


◆◆◆◆◆


「ずっと考えていた。お前達のルールを壊すためには、どうすればいいか。そうならない道はどこか」


そう言って笑う……笑っちゃうよね。

僕が進むことで、ギンガさんやフェイトだって傷つけている。

ユウスケのことだって、結局下手くそな対処しかしてない。


そうして迷っていたんだ。そうならない道は……道はって。


『貴様、一体何の話を』


FN Five-seveNを取り出し早撃ち。三島の両目を貫き、倒しながら悶絶(もんぜつ)させる。


「でもそれは逃げだ」


……でもそれは逃げだ。一歩だって前に進んじゃいない。


「僕が選ぶのは『進みたい道』。正しいかどうかは、戦った先で決めればいい」


約束したんだ。タケシさんと、マッケンジー卿と……まず飛び込んで、戦ってみるって。


「邪魔する奴らはぶっ飛ばして」


花咲くかは分からないし、輝く星になれるかも分からない。でも……戦うこともせず、諦めたくない。


「助けたい子は助けて」


結局僕は、自分のために戦っていた。でも知ってる。

それがスタートだって。だって夢のために戦っている人達は、みんなキラキラしていて。


「問答無用のハッピーエンド! そうして胸を張って、夢と戦いに行く!」

『夢、だと……!』


だから僕も……追いかけ、戦って、輝くことで、誰かの夢を繋(つな)げることができるのなら。


「僕がまず救うのは自分の心――夢という太陽だ!」


これが、僕の救い方だ!


◆◆◆◆◆


≪BASSHAA BITE!≫


マグナムのプロペラが回転し、俺の身体を水流が包み込む。

その水流は銃口の先へ集まり、緑の砲弾へと変化。

マグナムのトリガーを引いて、それを天井へと放った。


普通なら当たらないんだろうが……これは違う。


「キャストオフ」

≪CAST OFF≫


同時にカブトが身に着けていたアーマーが、全てパージ。

部屋を埋め尽くすように、分割された装甲が四方八方に射出された。

だがクロックアップ中の奴には、これすらも止まって見えているはず。


恐らくはすり抜けていくだろう。

……それらが、跳弾しない限りは。


『が……!』


装甲は壁などを突き破ることなく、お互いがお互いに衝突し反射。

そうして更なる全方位攻撃を放ち、奴の体を次々と打ち据え、その動きを止める。


≪CHANGE――BEETLE!≫

あいにく、クロックアップ対策ならちゃんとしている。
蒼チビが口を酸っぱくしていたからなぁ。

それもビビってるだけかと思ったが、今は感謝してるよ。


……さすがに俺も、自分が擬態されたときはビビったからな。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「いや、当たり前でしょ。潜伏・暗殺に特化した能力なんだから」

古鉄≪鳴滝達の存在も不透明でしたからねぇ、クウガの世界辺りは≫


(ZECTくらい徹底しないと無理)



恭文「それで今見てもらって分かると思いますが……うん、またなんだ。三島&擬態天堂との戦闘シーンは、七割から六割ほど書き直し」

古鉄≪もやしさんの辺りはともかく、ギンガさんルートの私達は完全に違いますよね。
HP版だとユウスケさんと一緒に戦っていましたから≫

恭文「でも……これで手負い状態なんだよね。天道さんが前段階でボコボコにしてたから」


(実はこの戦い、ギンガルートの蒼い古き鉄達だけで勝っていません)


恭文「じゃなかったら、さすがにラスボス相手で勝てないって」

古鉄≪でもあなた、それも言い訳ですよ? てつをさんが≫

恭文「しぃ!」


(てつをは別格……というわけで、幕間第48巻、何卒よろしくお願いします。
本日のED:西沢幸奏『Break your fate』)






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