作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第48巻経過報告:03(サンプルあり)(2016/10/29)
古鉄≪というわけで、幕間第48巻が明日(2016/10/30)販売開始です。皆様、何卒よろしくお願いします≫
(よろしくお願いします)
恭文「それと今回収録のいんふぃにっとIIは、第二巻販売の追加シーン分を受け、前巻収録分と被っているところが多数。具体的にはIS学園襲撃のあれから」
古鉄≪ただちょこちょこと、ここにもまた別の追加シーンを入れています。
構成も少し変えているので、そちらを楽しんで頂ければと。
……で、こちらでは幕間本編を紹介。アポクリファ編で、いよいよルーラーさんも登場したわけですが≫
恭文「ついに”赤”と”黒”の陣営が正面衝突。ここからは原作クラッシュでいくよー」
古鉄≪全く同じだと問題ですしね≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「――馬だ! 馬を引け! 馬を引いてきたら、王国をくれてやるぞ!」
……そこでキャスターが、本当に唐突な登場。なんでしょうね、これは。
私が書類やら、参考資料やらに囲まれて、右往左往しているのが分からないんでしょうか。
「……自作の台詞(せりふ)ですか?」
「何ということだ! この現世に生きていながら、話が傑作劇を御存じないと仰(おっしゃ)るのか、マスター!」
「すみませんねぇ。見ての通り、私自身が馬車馬の如(ごと)く働いているもので。なので王国をくれませんか?」
軽いジョークを噛(か)ましても、この劇作家は大げさに嘆くのみ。もしかするとバーサーカーでは。
「聖杯といえども、さすがにおぬしの作品知識までは与えんよ。我とて【歴史的に有名な作家】程度のことしか」
「おぉ……アッシリアの女帝よ、そんな悲しいことを仰(おっしゃ)らないでいただきたい。このシェイクスピアにとって、それは人格否定に等しい!」
「まぁそうだろうな、おぬしの中では……おぬしの中だけでは。それで、どうした」
「御存じでしょうか、【恋人も、狂人も、頭が沸騰している】という言葉を。
時に狂戦士のような存在は、理性では考えられないことをしでかすものです」
そのもったい付けた言いぐさに、アサシンが視線を険しくする。
「もっと端的に言え」
「バーサーカーがトゥリファスに向かって、歩き始めました。どうやら仕留めるべき相手を見定めたようで」
「な……!」
「それは、困りましたねぇ」
あぁ、また問題発生かぁ。私が普通の人間だったら、間違いなく過労死しているところだ。頭が痛い……!
◆◆◆◆◆
「……泊まるところが、ないです」
「だろうね」
【と、というと……や、やすふ……恭文、さんも】
「……マスター、怯(おび)えられていますよ」
「仕方ないよ、男性が苦手なら」
【ご、ごめんなさいー!】
「大丈夫、気にしてないから」
ジャンヌの中にいるレティシアには、大丈夫と笑ってく。
「つい最近、レティシアより強烈な、男性恐怖症の子と知り合ってね。
その子は心を許してくれるまで、僕の半径三メートル以内に近づかなかったから」
≪ちょっとでも圏内に入ると、悲鳴を上げて脱兎(だっと)するんですよ。そして距離が十倍に膨れあがる≫
「上には上がいた!?」
【私は、さすがにそこまでではー! ただ女子寮の関係で、慣れていないだけなので!】
「分かった! じゃあこうしよう! ……男性はみんなアスランだ。そう思えば平気に」
【さすがに無理です!】
そんなジョークもかましつつ、僕も自分の携帯をポチポチ――。
【それでえっと……そうです、宿泊施設は】
「実は僕達も野宿組。ここは観光地でもなんでもないから、市街にあるホテルは三軒。しかもその全てが満席ときたもんだ」
「こちらへ赴く前に確認したら、ホテルマンの方も電話で困惑していたんです。
”こんなことは初めてだ”と。で、昨日直接確認したら……魔力反応がそこらかしこに」
≪ユグドミレニアの魔術師達でしょうね。マスター以外の連中も協力態勢を取っているそうですから≫
◆◆◆◆◆
「ではこちらへどうぞ」
アルマさんの案内で、二階から屋根裏へと繋(つな)がるはしごを登る。
「観光かしら」
「いえ。中世ルーマニアの歴史を学ぼうと思い」
「それならシギショアラの方がいいわよ。ここもそれなりに残ってはいるけど、歴史的価値は」
「そっちはもう誰かに調べられていて」
「そう……確かにこの街は、手あかがついていないけどね」
はしごを登り切り、屋根裏へ到達。……あれ、何だかこう……妙な恐怖が。
いや、敵襲とか、霊的な感じじゃない。
本当に屋根裏部屋という様子で、質素なベッド三つにナイトテーブル。
掃除は定期的にされているのか、埃(ほこり)一つ落ちていない。
ただ、一緒に案内されて、敷居もないのが、妙に気になって……!
「ところでアルマさん、僕のお部屋は」
「え、屋根裏はここだけですけど」
不思議そうにアルマさんが返してくる。……嫌な予感……的中!
それで察したジャンヌとセイバーが息を飲み、レティシアが小さな悲鳴を上げて。
【きゅう……】
気絶したぁぁぁぁぁぁ!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
古鉄≪あなた、また……≫
恭文「違う! 僕が仕組んだみたいに言わないでー!」
(『だ、駄目ー! いきなりそんな……まずはお話だよ、うん!』)
恭文「フェイトも何か違う! ……とにかく、僕達がノンビリしている間に」
古鉄≪”赤”と”黒”の陣営では、やっぱり状況が大きく動いていたわけで≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ホムンクルスのハルバードが肩に埋め込まれようと、ゴーレムの拳が顔面を叩(たた)こうと、笑い続ける。
あれは直撃だ。鋼鉄ですら打ち砕く一閃を、一打を、全て受けていく。
回避など考えていない。むしろ鋼の肉体を誇るように、自ら飛び込んでいく。
その異様さにホムンクルス達も、ゴーレム達も戸惑い、攻撃を停止。
「――哀れの圧制者の人形よ」
バーサーカーの左手が、ゴーレムの顔面を掴(つか)む。
自分より三周りほど大きい青銅人形を、奴は苦もなく放り投げる。
人造生命達の名誉を守るために、あえて言おう。
普通の放り投げであれば、彼らは回避できた。
だが傷だらけの筋肉は、数百キロはあるであろう人形を持ち上げ、勢いを付け、砲弾の如(ごと)く射出させた。
その現実離れした光景が、一瞬で音を超えた人形が、ホムンクルス達の思考を停止させ、その命すらも止める。
大地と人形との間に骨が、肉が、臓物が、すり潰されていく。
それが一団の一角に穴を開ける。更にバーサーカーはグラディウスをひと薙ぎ。
圧倒的な筋力が生み出すのは、人外の衝撃波。ただそれだけで、剣閃を受けたホムンクルスが【消し飛んだ】。
防御したハルバートごと……上半身が、血肉の散弾となって木に叩(たた)きつけられる。
◆◆◆◆◆
「行くぞ、アルガリア! 君の力を見せてやる!」
駆ける……騎乗こそしてないけど、ボクの足は光の如(ごと)く突き抜ける。
接近するボクに対して、防御もせず、全て受け止める構え。ゴーレム達にやった通りだ。
攻撃という圧政を受け止め、跳ね返す……押しつぶす。そこに快感を味わっている様子。
ただ殺すだけじゃ足りない。このサーヴァント、根っからの反逆者ってわけか。……だからこそ、隙(すき)がある。
普通の攻撃なら通用しない。でもそれは、普通じゃなければ問題ないって話でもあって。
だから確信している。この一撃が、奴を崩すことになるって。
「触れれば転倒!<トラップ・オブ・アルガリア>」
◆◆◆◆◆
木々の合間をかいくぐりながら停止し、槍を構えて柄尻で左薙一閃。
すぐさま刃を右薙に打ち込み、双方向からの上段・下段の連撃を捌(さば)く。
「甘ぇ!」
その上で身を翻し、右・左と連続蹴り。
バーサーカーは吹き飛び、地面を転がるもすぐ起き上がって、不愉快そうに唸(うな)る。
セイバーの方は冷静に立ち上がり、踏み込み……打ち込まれた袈裟の一撃を、槍で防御。
しっかしコイツ、堅いなぁ。まぁこっちも傷一つついちゃあいないんだが。
『何をしているセイバー! 奴には傷一つついていない! 宝具だ……宝具を使え!』
使い魔越しに跳ぶ、マスターの提言もガン無視。
そりゃそうだ……俺はまだ、本気を出してないからなぁ。
アイツを蹴り飛ばし、身を翻しながらバーサーカーの激突をやり過ごす。
その上で脇腹を蹴って、距離を取る。同時にバーサーカーにも吹き飛んでもらい、セイバーと衝突してもらう。
だが奴はバーサーカーを跳び越え、こちらに肉薄。すかさず体勢を整え、迎撃の連続刺突。
合計十八合もの槍が、空気を爆発させながら飛ぶ。
奴は本当に最低限のものだけを防ぎ、大半を肩や腕、胸に受け止めながら肉薄。
そうして左薙一閃を打ち込むので、こっちも防御。強引に押し込まれ、刃が左腕に触れる。
……だが傷は入らない。焦っているだろう……セイバー。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「新しいキャラも登場し、聖杯大戦はより加速します。そしてここまで書き進めてようやくですが、原作に登場する”彼”は今回出さないことに決定」
古鉄≪なので”黒”のセイバーさんが、今回一番の不遇枠に≫
(”彼”の活躍については、原作で! ……よし、これでいける!)
恭文「それでサクサクと進めようか。その辺りと原作”赤”セイバー組を変えると、また違ってくるし」
古鉄≪あとは両陣営を敵に回さないよう、ギリギリまで小ずるく動かないと駄目ですね≫
恭文「大丈夫、そのための秘策もある……!」
(というわけで、あのキャラが登場します。……一応時系列的には、これが初登場です。
本日のED:坂本真綾『プラチナ』)
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