作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー 幕間第48巻経過報告:02(サンプルあり)(2016/10/12) 古鉄≪というわけで、もう一つ経過報告です。こちらも特別書き下ろしになっております≫ 恭文「まずはまたまたアプリスク内のお話……なんだけど、その内容はリアルで……どうぞー」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ゲーム内の季節はリアルと連動しているけど、すぐ分かりました。 だって……立て看板が。 ――このイチョウ達は有効の証しとして、クヤウト王国から献上されたものです。いたずらはもちろん、ポイ捨てなども禁止です!―― 「これは大事にしないと、ですね」 「うん……あれ」 そんなイチョウ並木の中心――向かい合うようにかけられた、ベンチから立ち上がる影。 あれは、早苗さん? 早苗さんはとても苦しげに、イチョウ並木の一つを見上げていた。 それが気になって近づくと、早苗さんがこちらを見やる。 「あぁ……卯月ちゃん達、奇遇だね」 「どうしたの、早苗さん。何だか元気がないような」 「イチョウを見ていると……どうしてもね。まさか、ゲーム内でもこれなんて」 ◆◆◆◆◆ 「あたしがまだアイドルになる前――恭文くんや大下さん、鷹山さん達と知り合った直後くらい、かな。 港署とは別の所轄に、宇野さんっていう年配の刑事さんがいてね」 「その人も”あぶない刑事”だったのかな! 銃をばんばんぶっ放して!」 「いや。いかにも昭和の刑事って感じの豪快親父なんだけど、大下さん達とはまたベクトルが違うの。ん……そうだなぁ」 早苗さんは少し困りながら、拍手を打つ。 「はぐれ刑事純情派って分かる?」 「はいー」 「再放送で見たから。……あ、しぶりんは無理しないで、どうぞ」 「なぜ気づかうの……いや、分からない! 知らないけど!」 「で、宇野さんには一つ特技があってね。……野草方面に詳しいの」 「「「野草?」」」 「正確に言えば、詳しくなった。……野草好きで有名な俳優【岡本信人】さんが出した本を読んでね。 ”道草を喰う”って言うのなんだけど、その影響を全力で受けたんだよ」 「あ……それ、見たことがあります。タンポポとかを食べる」 うっすらとした記憶なんだけど、正解だったみたい。早苗さんは静かに頷いてくれた。 ◆◆◆◆◆ 「イチョウ茶――もしくはイチョウ茶葉って、三人とも飲んだことがある?」 「……前に、母さんが作ってくれた。かなりクセがあって、私は好きじゃないんだけど」 「え、イチョウってお茶になるの!?」 「なる。紅葉する前のイチョウの葉を、干して煎じて、健康茶として飲むんだ。 件の岡本信人さんもお気に入りで、本に毎日飲んでいるって書いていた」 でも凛ちゃん的には、それは勘弁したいようです。その……苦虫を噛みつぶしたような顔で、イチョウ茶のクセが伝わります。 「だから宇野さんもよく作って、署でみんなに飲ませて……いつの間にか常備されていて」 「味は、しぶりんが言った通り?」 「うん。イチョウというか、土の香りというか……あたしや大下さん、鷹山さんに恭文くんは、割といけるクチでね。 ただ上司の真山課長や、同じ署内の刑事さん達は……身内の間でも好き嫌いは分かれていた」 「恭文さんも飲んでいたんですか!」 「遊びに来たときとかにね。……まぁ、そういうときは大体、三人でドンパチしてくれるんだけど!」 「「「うわぁ……」」」 遊びに来たら、ドンパチってなんですか! しかもその、大下さん達まで……早苗さんが思い出し怒りを! 凄く大変だったんだ、周囲が! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「そう、元ネタはメシバナ刑事タチバナです。 なおオチは……食事中の方には、ごめんなさいと」 (いろいろアウトでした) 恭文「そしてもう一つの書き下ろしは……はい、鮮烈な日常SecondSeason第五巻でネタ振りしたアレです」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 負けた……また、派手に負けた。 あはははははは、いい流れだと思ったんだけどなぁ。 適度に落ち込み、それを取り返すためにハンバーガーをガッツリ食べて。 「よし……元気いっぱい!」 「お姉ちゃん、もう復活!?」 「落ち込んでいられないって。クロスボーンも直すんだから」 早速復活しました。汚れた指はペーパーでさっと拭いて、ドリンクも飲みつつノンビリ。 なぜか莉嘉があきれ顔だけど、気にする必要はないよね。 だって……来週があるんだから。 「今日は徹夜かなー」 「でも大会は終わったし、そんなに急がなくても」 「何言ってるの。三位決定戦があるじゃん」 「……三位決定戦?」 ◆◆◆◆◆ 恭文さんが世界大会出場間近……今週の決勝戦に向けて、忙しく動いていた。 それはそうと……フェイトさんは、どうしよう……! 過去の私達はやっぱり馬鹿だった! 「出入禁止を解除してもらうためには、やっぱり自分でガンプラを作らないと……だよね。よし、頑張ろう」 だってどうしようもなくドジで、どうしようもなく懲りないもの! そう言ってリビングで、箱を開けるフェイトさん。 でも、なんていうかその、えっと……! 「あの、フェイトさん」 エリオ君、ナイス! そう、言ってあげて! 「何かなエリオ。あ、おやつならクッキーが」 「そうじゃなくて、その箱」 「あ、これ? ガンプラ」 「ガンプラ、なんですか?」 「うん。テスタロッサって言うんだ。でも高いんだね……一万一千円もして」 「「一万超え!?」」 あ、あれ……おかしいなぁ。ガンプラって、HGとかなら千円前後……いや、もしかしてMGとかかな! いわゆる上位グレード的なの……そんなの、フェイトさんに作れるの!? ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「テスタロッサ!? あ……」 (蒼い古き鉄、何かを察した様子) 恭文「まぁそれはそれとして、美嘉対チームCPの三位決定戦です。 時系列としては、セイ達とタツヤの件で荒れた一週間の間。鮮烈な日常SecondSeasonの第四巻最後から、五巻冒頭までですね」 古鉄≪既にキラリンバーストが必殺でなくなった状況で、きらりさんと杏さんが再修行開始。さて、どうなるか≫ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 美嘉さんのことはそれとして、早速対策会議です。 今までの試合データを元に、映像確認……むむむむむ。 「……まぁ、方針は決まったかな」 杏ちゃんはさっと起き上がり、きらりちゃんを促します。 それに合わせ、きらりちゃんも立ち上がる。 「まずは……面倒だけどバトル、フィジカル両方の基礎トレーニング。 基本動作の精度を、上げられるだけ上げるよ。不意打ちされても対応できるように」 「それでいいのかなぁ」 「近接で隠し武器を使われるんだもの。まずそれでやられないのと」 杏ちゃんは脇に置いていた本を、きらりちゃんに渡します……って、あれってクロスボーン・ガンダムの漫画!? 「クロスボーンの原作本は貸すから、全て読むように」 「あ、それなら読んでるよ! あとは……鋼鉄の七人だけ!」 「ちょ、杏ちゃん達だけで決めるのはズルいー! 莉嘉達も考えてるのにー!」 「そうだよー! ……あ、それならキラリンバーストを、もっともーっとパワーアップさせようよ! そうしたら、きっと勝てるって思うなー!」 「却下」 「私も双葉さんの意見には賛成です」 杏ちゃんのみならず、プロデューサーさんから駄目だしが入り、年少組がズッコける。 ◆◆◆◆◆ これは……本気中の本気ってやつか。でも十分だよ、プロデューサー。 蒼凪プロデューサーと対峙したときと同じだ。戦う男の強さと怖さ、ビシビシ伝わってる。 「杏」 『うん……いくよ、Pくん!』 『はい』 ダブルオーキラリンは滑るように加速し、ビームトリモチを連続発射。 プロデューサーはどうするかと思ったら……動かない。 弾丸が独りでにすり抜け、地面に当たるだけだった。 「にぃ!?」 「透過……いや、違う! きらり、ビット!」 「う、うん!」 弾丸で牽制しつつ、ビットを展開。それを二時方向・七時方向・十二時・六時方向から連続射出。 角度も様々で、大きな回避行動も必要となるはず。なのにプロデューサーは。 『――』 一息のままに、『すり抜けた』と思ってしまうほどの速度で、その全てを回避。 それも本当にすれすれ……触れるか触れないかという領域で、ゾクッとしてしまう。 きらりは踏み込み、スタンスティックで右薙一閃。 的確な速度と勢いを乗せた斬撃は……たやすく撃ち抜かれ、弾かれる。 「にぃ!?」 驚いている間に、クロスボーンが滑るように踏み込む。左手が揺らめくようにスナップしたかと思うと、顔面、胴体、腹に連続打撃。 ブランドマーカーのビーム刃は展開してないけど、強固な発生器部に打撃され、ダブルオーキラリンが吹き飛ぶ。 ◆◆◆◆◆ プロデューサーさんは美嘉さん対策として、慶さんに協力してもらい、クロスボーンを組んでいた。 それで練習相手に……でも、なんですかあのパンチ! まるでムチのようにしなって、ボディを叩いてくる! プロデューサーさんのクロスボーンは、ホバリングしながら飛び込む。 やはりビームトリモチやビットの迎撃をすり抜け、クロスレンジに入り込んだ。 左の一撃をガードさせた上で、鋭く二撃・三撃目を叩き込み、胴体を抉る。 あれでブランドマーカーが発動状態だったら、もうとっくに……! 「左ガードを下げた、攻撃的なデトロイトスタイル」 「みくにゃん?」 「あれはフリッカー・ジャブ……ボクシングの技にゃ!」 『えぇ!』 「プロデューサーさんの長身を生かす技として、教えていたようで。本来ならそこから掴み」 右薙・逆袈裟とスタンスティックが撃ち込まれても、クロスボーンは伏せ、右スウェーで連続回避。 更にフリッカーを撃ち込んだかと思うと、襟首のアンテナを掴み、引き寄せながら……左腕の関節を極め、一本背負い。 ううん、キラリンを地面に叩きつけ、強打した。それで一瞬動きが止まったけど、クロスボーンは追撃はせず、下がっていく。 「ああいうことも可能です」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「というわけで一皮剥けた武内さんが、きらり達の特訓相手として活躍」 古鉄≪その修行の結果は……そして美嘉さんはどういう戦いを見せるか。そちらは本編をお楽しみに≫ あむ「いやいや、フリッカーって! あれでいいの!? クロスボーンの戦い方じゃ」 恭文「いいの。まずは基礎的なところだから」 (基礎は大事です) 恭文「それよりフェイトが……フェイトが」 あむ「いや、自分で頑張ろうってするのはいいじゃん」 恭文「でもテスタロッサって、多分これ……」 あむ「……え」 キャンディーズ『えぇ!?』 (現・魔法少女とキャンディーズが一体なにを見たか。それも本編で! 本日のED:ソードアート・オンラインII OST『Gunland』) [*前へ][次へ#] [戻る] |