作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第47巻経過報告:03(サンプルあり)(2016/9/28)
恭文「というわけでこちらでは、ディケイドクロス&ISクロスをお送りしたいと思います」
古鉄≪ISクロスは二話収録……セシリアさんとあの人のバトルから、またまたIS学園が大変なことに≫
恭文「いつものことだね」
(『ホント、それは否定できないわね……!』
『お嬢様……修繕費用が、またこんなに』)
恭文「なおディケイドクロスとも一部内容がリンクしておりますので、合わせて読むと面白い……かもしれません」
古鉄≪これがやりたかっただけでしょ≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
というわけで、早速調べ物。
念のため部屋の中を調べたけど、なくなっているものはない。
まずは空間モニターを展開。
今日ゲットしたゼクトルーパー装備一式――その中から、通信デバイスを取り出す。
それを術式でアクセスして、ハッキング。
瞬間詠唱・処理能力も用い、身長に……バレると面倒だしねぇ。
「はっきり言ってZECTは信用できない」
≪えぇ。ワーム対策のせいで横の繋(つな)がりは気薄。入ってはいるけど周囲がサッパリですし≫
「逆を言えば……悪意ある命令があっても、それを止めるセーフティーに欠ける」
実際劇中でも、そういう描写は多々あった。
主人公枠である加賀美さん(原典)ですら、何度も何度も組織に騙(だま)された。
最終的には人類ネイティブ化計画に手を貸し、一度主人公である天道を殺しかけたほどだし。
……まぁ、あの人が特別お人よしで、騙(だま)されやすいせいもあるけど。
もし悪いことを企(たくら)んでいるとしたら、それはネイティブである可能性が高い。
だからフェイトの言うことも分かる。分かるけど――。
そこで思い出すのは、剣崎一真……紅一派。
奴らもまた、同じようなことを企(たくら)み、僕に潰された。
もやしを、夏みかんを、ユウスケを利用し、その犠牲を当然とした。
もちろん僕とギンガさんも。奴らがどう言いつくろおうと、それは拭えない。
……やっぱり、確かめてからだよね。僕が知っているのは、あくまでも原典のカブト。
この世界のZECTやネイティブがどうなっているか、それはまだ分からないんだから。
◆◆◆◆◆
「さぁ、一緒にこの悪魔を」
紅渡は振り返り、そのまま剣崎一真を殴り飛ばす。
倒れた奴はぼう然としながら、自分の口元を……流れる血を見やる。
「もう……やめてください!」
「何を、する……紅!」
「剣崎さん、僕達は間違っていたんです! 頼みます、話を」
「話を聞いてくださいー!」
更にタツロットとキバットまで登場。
必死に……涙に瞳を浮かべて、僕に頭を下げてくる。
「渡は……それを止められなかった俺達は、確かに間違っていた! 本当に済まない!」
「だから、お願いします! お話させてください!」
踏み込み、地面を物質変換。
身の丈はあるメイスを生成し、左薙一閃――!
奴らの回避を許さず、そのまま殴り飛ばし、近くの電柱へ叩(たた)きつけておく。
え、結界魔法で隔離? 無駄だろうね、奴らは次元間の渡航技術がある。
この場でうるさい虫は、潰しておくのが得策だ。
◆◆◆◆◆
「拍子抜けだな、ディケイド。クロックアップもできないお前に勝ち目はない」
「かもな」
なんて言いながら、ライドブッカーからカードを二枚取り出し、そのうちの一枚をバックルに挿入。
「とも、限らないぜ?」
≪KAMEN RIDE――FAIZ!≫
赤い光に包まれファイズに変身していく中で、もう一枚のカードをバックルに挿入。
≪FORM RIDE――FAIZ ACCEL!≫
ファイズの胸部装甲が展開し、赤のラインが銀色へ変化。
左腕でギアのスイッチをオン。
「付き合ってやる。十秒間だけな」
そう、千倍の速さで動けるっていう……ファイズアクセルだ。
ただ青チビ曰(いわ)く、これは『凄(すさ)まじく早く動けるだけ』で、体感時間は変わらない。
もちろんクロックアップへの決定打にもならない。その理由は”見えないせい”だ。
だが、逆を言えば……たとえ残像程度でも、クロックアップが視認できれば、問題ないんだろ?
奴らの世界に飛び込むことはできなくとも、その速度に追いつくことはできる……かもしれない。
……意識を集中する。
全ての感覚を目に、肌に集中する。
何度も何度も、サンドバッグにされて、ようやく理解できた。
≪Start Up≫
「……クロックアップ」
≪CLOCK UP≫
その瞬間、俺達は超高速で突撃――。
瞳に映る僅かな残像。それに従い、左バックブローを放つ。
そうして奴の拳を払い、左にぶれる残像へ右ジャブ三連発。
奴の動きを僅かに止め、その間に懐へ入り連撃。
左ボディブロー・右フック・左ジャブ四連発――。
≪9≫
すかさず奴が左へ飛びながら、背後へ回る。
振り返り、打ち込まれた左ストレートに左エルボー。
横からの一撃で払いのけ、その胴体部に蹴りを入れる。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、奴らは変われない……変身できない」
古鉄≪なぜギンガさんルートの彼が、そこまで抗うか。何を認められないか。全てはきっとこの一点にあります≫
恭文「それとは対称的に、士さんは進化開始……本編と違い、クロックアップとも十秒間だけ戦う……けど」
(これもまた、悲しい布石の一つ)
恭文「その辺りはやっぱり本編を見ていただくとして、次はISクロス」
古鉄≪二話収録ですが、話の中身は濃厚。そして八神の私やマスターではなく、サブに回っていたあんな方々が活躍します≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
私と簪ちゃん達居残り組は、篠ノ之さんとお話。
蒼凪くんにも付き合ってもらって、分かったことを説明する。
それが引きこもりな篠ノ之さんを、激しく絶望させるとは……知っていたけど。
ただ今絶望するのと、後で絶望するのとでは、また意味が違うわけで。
「そんな……では……一夏は」
「まだ臆測の段階だが、亡くなっているらしい。だよな、蒼凪」
「僕の世界に戻って、調査する必要がある。レポートを発見した施設についても、もう一人の僕から聞いているから」
「なら……頼む! おじさん達を助けてくれ!」
当然、そうくるわよね。篠ノ之さんが蒼凪くんに詰め寄り、その両肩を掴(つか)む。
「いや、一夏も助けてくれ! ペインメーカーが攫(さら)う前に……お前ならできるのだろう、蒼凪!」
「約束はできない。特に積極的な過去改変はアウトだ」
「なぜだ! おじさん達が助けられるなら、問題ないだろう! 一体何が駄目なんだ!
だったらいい……私を連れて行ってくれ! 私が全て何とかする! お前に迷惑はかけない!」
「篠ノ之さん、落ち着くっスよ」
「篠ノ之さん」
フォルテちゃんと佐田先輩に抑えられ、篠ノ之さんが離れる。
「それについては、面倒な法則があるらしいのよ。……アトラクタフィールドの収束、だったわよね」
「とても簡単に言うと、その出来事の発生フラグだよ。それが成立していると、どれだけ変えようとしても無理」
そう言って蒼凪くんは、ロープを取り出し……さっと結び目を作る。
「ロープに組み込まれた線維は無数。でも……そのどれもが、生まれた結び目を通っていくように。
で……過去を変えるってのはね、”ちょっとしたこと”でもどう影響するか分からないんだよ。その辺りは」
そうして蒼凪くんが取り出したのは……ちょっと、これ。
「なんだ、これは」
「名作映画、バック・トゥ・ザ・フューチャー三部作! これを見れば、誰でも時の旅人になれる!」
「ふざけるなぁ! 今私は」
すると蒼凪君は、そんな篠ノ之さんに右フック。
遠慮なく殴ったせいか、体が一回転して……床に倒れた。
「ちょ、蒼凪くん!」
「こっちも変わらず過激ッスね!」
「馬鹿野郎!」
そして篠ノ之さんの首根っこを掴(つか)み、蒼凪くんはがしがしと揺らす。
「バック・トゥ・ザ・フューチャーすら見ない奴はね……時間干渉なんてできないんだよ!」
「な……!」
「蒼凪君、見てもやっちゃ駄目だから……!」
◆◆◆◆◆
「もう手も足も出ないと言った様子だなぁ。そろそろ認めろ……神には絶対に勝てない。
八神恭文達も同じだ。私の底力におののいて、もう何もできない。全員揃(そろ)って這(は)いつくばったぞ」
「不安なのですか」
なので心理戦を仕掛けさせてもらいましょう。
馬鹿馬鹿しい言葉を鼻で笑い、渦巻く爆風を右手で払う。
「バトルをしていればよく分かります。あなたはずっと怯(おび)えている、負けることに――弱さを認めることに」
「……どうしても死にたいらしいな。この私をここまでコケにできるとは」
「社長、あなたの道は決して間違っていません」
話を聞いた限りだけど、間違ってはいない……そうは思う。
でも、もしそこに……問題があるとすれば。
「でも、やり方を間違えている。そしてその間違いをずっと続けている。ラーの動かし方を見て、それがよく分かりました」
「ほう……この私の、一体どこが間違っていると言うのだ。愚か者どもを焼いたことか? 765プロに圧力を仕掛けたことか?」
「いいえ」
それも間違い……でも、本質ではない。だからこそ首を振り。
「あなたが……そして高木社長が犯した、最大の間違い。それは、”音無小鳥<アイドル>の意志を無視したこと”です」
真実を告げる。
……その瞬間、余裕しゃくしゃくだった笑みが崩れる。
表情が凍り付き、視線も揺れる。しかしその動揺を必死に……必死に飲み込もうとしていた。
◆◆◆◆◆
『お嬢様!』
こちらは虚だったけど、らしくもなく慌てふためいた顔をしていた。
『IS学園に向かい飛来する機影……数は百! そのどれもが反応を見るに、SAです!』
「距離は」
『海上約五十キロ! ロシアの監視衛星にて発見したので』
「まだ余裕はあるか。……ごめん蒼凪くん、里帰りはちょーっと延期してもらえる?」
「大丈夫だよ。僕も」
そこで蒼凪君はボキボキと拳を鳴らす。
「奴らに聞きたいことがある――!」
≪じゃあ、派手に暴れますか≫
『我々もすぐに帰投する。八神の転送を使えば、すぐのはずだ。それまでは頼む』
『了解!』
「待ってくれ! 私も」
『お前は駄目だ』
紅椿を持って飛び出しかけるけど、篠ノ之さんは派手にズッコける。
「先生、お願いします! 一夏と話がしたいのです! そうだ、説得できるはずだ!
今なら……一夏ならば、数多(あまた)の世界を救う救世主になれるはず!」
≪愚物、そんな感情移入をしていれば、また魅了の魔眼に取り込まれますよ?≫
『紅椿の言う通りだ。お前はここで待機していろ。……更識、お前達もガードに回ってくれ』
「え……でも」
『ケイシー、サファイア、例のものは届いているな』
例のもの……あ、なるほど。
そこで簪ちゃんと二人、拍手を打つ。
「バッチリだ。ようはあれか、オレ達とアオナギが先行して」
『今までも相手の先陣に引きつけられ、背後をツツかれてきたからな。危険だとは思うが、時間稼ぎを頼む』
『佐田さんは、私のラファールを使ってください! 教師部隊とともに、狙撃での援護を!』
「分かりました!」
……え、なぜ潤乃先輩に声をかけるか?
バトスピ部の一人だから? 恭文くんと懇意だから?
いいえ、全然違う。……彼女もまた、熱い心で飛ぶ一人だからよ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「みんな、こうして慣れていくのね」
古鉄≪怖いですね≫
(IS学園にはお祓いが必要だ)
恭文「そして戦いに挑むダリル達……だけど」
古鉄≪ハイパーゼクターで終わりですね≫
恭文「そうだね」
ダリル「駄目だからな、おい!」
フォルテ「そうッスよ! 作者もやりかけて、ボツにしたッスから!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そこで走るのは、青い閃光(せんこう)――。
前方から迫るそれを散開すると、オレ達の間を大型砲弾が突き抜ける。
そしてゴーレムの一機に命中するが、SAのシールドは貫けない。
……そう思っていたが、少し違った。シールドは貫かれていない。
だが砲弾の質量をまともに受け、ゴーレムの一体が停止。
バランスを崩し、その場に止まってしまう。
それは一機……また別の一機と続き、全体の進軍を止められてしまう。
もちろんオレや手駒の男女にも飛ぶが、上昇して回避。
いや、無理だ……こちらの動きを読んだ砲弾が、シールドを叩(たた)く。
実際食らってみると、想像以上の衝撃でよろめいてしまう。
◆◆◆◆◆
ISでSAに勝つ方法――それは至ってシンプル。
バリアを砕くほどの質量で、相手を力尽く粉砕する。
又はバリアの内側から、間接部などを狙いそぎ落とす。
でもね、それは近接が基本でしょ? だから先生達、いいものを用意していたの。
【三百口径対艦滑空砲 飯綱】――恭文くんがダリルとの初模擬戦で使った、飛燕の上位版。
まぁ完全な上位互換じゃないけどね。砲身の全長、重量も飛燕より倍加しているから。
ISでも制止射撃しないと、まともに当てられない代物。でも……効果はある。
バリアの直撃で動きが止まるなら……!
「着弾確認! 次は連続着弾試験――佐田さん、こちらと合わせて!」
「はい!」
担任の前春美子(まえはるよしこ)先生に答え、先生のラファールとセンサーリンク。
進軍し始めたゴーレムを狙い、しっかり砲身を構えた上で。
「「発射!」」
先生がまず第一射を放つ。
間髪入れず――コンマ何秒という差で、私の第二射。
三百口径の超大型砲弾は、轟音(ごうおん)とともに発射。
音速域の弾丸は、発射を予測した上でなければ避けられない。
しかし放っているのは私達だけじゃない。学園の各所に待機した教師部隊が、取り囲むように動きながら攻撃継続中。
雨あられに飛び交うその一発一発を、全て予測して回避するのは不可能。
……だから砲弾は二キロの時点で、ゴーレムの一体に直撃。
バリアを展開し、撃ち抜きながらも爆散……した直後に、私の二射目が直撃。
バリアはラグなしで訪れた衝撃を受け止められず、耐えかねて粉砕。
ハイパーセンサーのおかげで、しっかりと見える。
砲弾が絶対防御を撃ち抜き、ゴーレムのボディを捉え、粉々に砕く様が……!
そして一体が……たった一体だけど、SAが爆散する。
◆◆◆◆◆
フォルテ先輩が氷の弾丸をまき散らし、俺を狙ってきた。
だが無駄だ、そんなものではSAのシールドは砕けない。
だから構わずに矢を放つ……放とうとした。
だが炎の生成が僅かに遅れ、その間に左側から警告音。
滑空砲の一撃を食らい、バランスが崩れる。
更にダリル先輩とフォルテ先輩も、大型の滑空砲を携え、発射。
無駄だ。偏差着弾でも、こちらのシールドは砕けない。
だが……そこで飛んできた三発目。
それが障壁を、放っていた炎を払い、俺の右肩へと着弾。
装甲を、腕を引きちぎりながら突き抜けていく。
「ぐ……!」
馬鹿な……二重ならともかく、三重(さんじゅう)だと!
こんなこと、普通のISにできるはずがない! ……嘘だ。
リローヴは言っていた。SAには長年蓄積された【神秘】があると。
八神が扱い、召喚する宝具と同レベルだと……なら、ISが勝てるはずもない。
なのになぜだ……なぜ、その神秘が覆される!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「それはね、インフレを防ぐためだよ?」
古鉄≪そうですよ。この調子でいくと黄金SA、冥界SAとインフレしていくでしょ≫
(そうして神SAとなる)
恭文「まぁそんなジョークはさて置き……現在僕は、北海道にいるわけで」
古鉄≪響さんのイトウ釣りチャレンジに、同行していますから≫
恭文「それで家のみんなは、ネロ祭りで大暴れ……今回はアイテムうまうまだっけ? いいなー」
古鉄≪あなたも釣ればうまうまですよ、二メートル級のイトウを≫
恭文「それ釣りキチ三平だよね!」
(その翌日――古き鉄コンビは本当に、二メートル級のイトウのイトウと遭遇。
それを釣り上げるため、現地の釣り人『谷地坊主』と協力し、道内の記録更新に挑むのだった……多分)
恭文「挑まないからね! ……多分」
古鉄≪あなた、運が悪いですからねぇ。遭遇して襲われるかも≫
(というわけで幕間第47巻、なにとぞよろしくお願いします。
本日のED:GARNiDELiA『Ambiguous』)
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