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とある魔導師と彼女の鮮烈な日常SS第5巻 経過報告:02(サンプルあり)(2016/9/6)
古鉄≪前回のあらすじ――マスターが不用意なことを言ったため、銃撃戦に発展。もっと素直になればいいのに≫
ルカ(ゴーカイ)「てーか……あのメゼポルタのクラリス達とか、また嫁にするんでしょ! 見境なさすぎでしょ、アンタ!」
恭文「待って! それは誤解だ!」
ルカ(ゴーカイ)「問答無用! ていうか……何! アンタはあたしのを見ておきながら、責任を取るつもりもないと!」
(どんどんどん!)
恭文「それは必要ないって……ケーキと寿司でチャラになったと、ルカ様がー!」
ルカ(ゴーカイ)「だったらいいわよ! あのライオンイエローに責任を取ってもらうし!? アンタはそれでいいのよね……ねぇ!」
(どんどんどん!)
恭文「楽しそうなので、放っておきましょう。というか、ルカさんも素直になればいいのに」
アイム(ゴーカイ)「はい……それで今回は」
恭文「特別書き下ろしの方です。ではどうぞー」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
本日二度目のログイン――元気いっぱいに、リンフォから再スタート。
ナギルシア大陸は、基本的に乾燥地帯。ただ海に面しているリンフォと、ホリト反騰はそうでもなくて。
砂丘とはまた違う風景に目を見張りながらも、キサリム大峡谷へ。
馬を走らせ、峡谷の複雑な岩肌を上り、降り、また上り、降り――。
そうして東アルベルタへ入り、夜が明ける。
朝陽を望みながらも、僕達は緑と水に満たされた都へと入っていく。
「わぁ……ここが」
未央が感動と言わんばかりに、声を漏らす。
円周に配置された都市区画。
しかしそのどれもが工業的ではなく、温かい木造のものばかり。
時には樹木をくりぬいて、作ったと思われる家もある。
都市全体に水が走り、それぞれの陸地を繋ぐ橋も多く見られる。
そして足が一輪車になった、カカシのようなロボットが忙しそうに走り回っていた。
辺りには光を放つ花も配置され、ここが今までの街とは違うものだと理解する。
「うん。魔法国家ゲルブだ」
「ねね、恭文ー! あのカカシさんは何かなー!」
「魔法の力で動く人形<ガカシ>だよ。さて、フェイト達は」
「恭文先輩ー!」
おぉ、噂をすれば。右側からりっかと奈緒、星梨花……それに杏達もやってくる。
合流していたのか、こちらと同じように。
「フェイトー」
「ヤスフミー!」
ライトアーマー装備のフェイトは、僕に全力ハグ。
そうしていつものように、僕へキス……あ。
止めようとしたところ、フェイトの眼前に赤いウィンドウが展開。
そのままけたたましく音を鳴らし、反発力を生み出す。
結果フェイトは吹き飛び、近くの民家に激突。おぉ……轟音が凄まじい。
◆◆◆◆◆
「拓海……出たか? 巨人の首飾り」
「いんや。そっちは絹糸」
「出ねぇ……出ねぇんだよ! もういっそ、オークションで」
「馬鹿! そんな真似したら、一気にすっからかんだろ! 装備品の手直しはどうすんだ!」
「だよなー! くそ、これが物欲センサーか! なら数だ……数しかねぇ!」
「おうよ!」
「悪いわねー、そんな中邪魔しちゃって」
後ろから声をかけると、二人の体がびくりと震える。
大柄な種族だけど、一気に背を丸め……二人は肩を寄せ合い、後ずさる。
「「姐御ぉ!」」
「その呼び方はやめなさいって言ったでしょ! ……アンタ達……CPの子達にまた、いじめをかましたそうじゃない」
「ま、待ってくれ姐御! それには深い事情が……なぁ、拓海!」
「そうそう! まずは話を」
なのでデュエルを申し込んで……っと。もう二人揃ってでいいわよね。
恭文くんから設定を教えてもらったので、二対一のプラクティスを申請。
二人の前に現れたモニター。それを見て、揃って焦りの表情を浮かべる。
「ほら、聞いてあげるから承認して」
「それは肉体言語じゃねぇか!」
◆◆◆◆◆
「……ふん!」
そこで後ろから聞こえる、慣れ親しんだ声。
……何となく嫌な予感がしながらも、頭だけ振り返ると。
「ふん! ふん! ……ふんー!」
ギンガさんが涙目で、芋虫を殴り倒していた。
それも執拗に……この世から消し去ろうと。
いや、失礼だけどそれほどの勢いだった。
だから、目を合わせたくなかったのに、ギンガさんはこちらを向いた。
「……ティアー!」
「ど、どうも……え、虫が苦手でしたっけ」
「違うの! 絹糸……絹糸が出ないの!」
「絹い……あ、かかった!」
ギンガさんに気を取られていると、一気に竿が引かれる。
それに合わせ、リールを巻いていく。すると川から飛び出す、煌めく川魚。
確かアレ、レインボートラウトよね。名前通り、鱗が奇麗だわ。
……そう言えば船で……その、触手プレイを受けそうになったとき、助けてもらったお礼、してなかったなぁ。
もうアイツとは……その、結構な頻度で頑張っているわけで。
というか、私もりんと同じく、毎日しないと駄目に……なりそうなタイプらしくて。
体の相性って、やっぱりあると思う。
私は初っぱなで最高レベルを引き当てたわけで。
強烈な引きを、しなる竿の動きを楽しみながら、ちょっと思った。
お礼、ちゃんとしないと。リアルでも、ゲームの中でも。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ルカ(ゴーカイ)「アンタがね、シェアされているのは……もう納得してるわよ!
でもね、もうちょっとハキハキしなさいよ! 女性関係はやられっぱなしじゃない!」
恭文「あれ、話が逸れて」
ルカ(ゴーカイ)「逸れてない!」
(どんどんどん!)
古鉄≪ドレイクさんやジャンヌさんみたいに、決闘している体になってきましたね。
というわけでアプリスクは他国編へ突入。ここからどうまとめるか≫
アイム(ゴーカイ)「春香さん達と対決ですか?」
古鉄≪それに絞っていきましょうかね。卯月さん達は、普通にプレイしている感じにして≫
(どんどんどん!)
古鉄≪そう、今激しく遊んでいる、二人のように≫
アイム(ゴーカイ)「遊んではいないと思うのですけど」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「何かなエリオ。あ、おやつならクッキーが」
「そうじゃなくて、その箱」
「あ、これ? ガンプラ」
「ガンプラ、なんですか?」
「うん。テスタロッサって言うんだ。でも高いんだね……一万一千円もして」
「「一万超え!?」」
あ、あれ……おかしいなぁ。ガンプラって、HGとかなら千円前後……いや、もしかしてMGとかかな!
いわゆる上位グレード的なの……そんなの、フェイトさんに作れるの!?
「ただいまー。いやー、暑いのなんのって! もう七月だからとうぜ……ん」
「ただいまー。アイス買ってきたから、みんなで……あれ、フェイトちゃん」
そこでりんさんとフィアッセさんが帰宅。二人ともフェイトさんが開けた箱を見て、小首を傾げた。
「「おかえりなさい」」
「おかえりなさい。あ、見て見て。買ってきたの、ガンプラ」
「ガンプラ!?」
「わぁ……大きいね。それにテスタロッサって、フェイトちゃんと同じ」
「はい。これを作って、ヤスフミに私でもできるんだって」
「え、待って……ガンプラ!? いやいや……いやいやいやいやいや!」
あれ、りんさんが混乱してる! でもガンプラって辺りで……あ。
エリオ君も察して、口元を手で押さえる。
◆◆◆◆◆
「というかね……おのれは本当に運がいいよ」
「え」
そう、運がよかった。なので持ってきた資料を、テーブルの上にどんと置く。
「恭文、これは」
「こっちは都内にある、人気うどん店のリスト。もっと言えば取材先の候補。生すかで何回かに分けて、特集するのよ」
「あ、それはそんな多くないな。じゃあ……このやたら分厚いのは」
「最近のトレンドについての資料。今日届いたばっかりでさー」
なのでみんなに軽く目を通してもらう。それで百合子や杏奈、星梨花が目を眩ませる。
「え……待って、ください。うどんってコシじゃ。関東圏ではそういう話でしたよね」
「でも資料だと……『やわうどん』が流行って」
「そうだったんだけど、最近はダシを主軸に置いたタイプも、広まりつつあるんだよ。
しかも讃岐の本場【香川】からも、香川一福というお店が東京・神田に出店している」
「香川一福!? 人気店じゃないですか! それが東京に……知らなかったです!」
「最上さんは当然、知っているのね」
「えぇ! 食べにも行きました!」
目をキラキラと輝かせて語る、うちの……あ、志保が顔を背けた。
そうだよね、懐中電灯みたいな輝きだもの。どんだけうどんが好きなのかと。
「高松の本店ですけど、最大の特徴は”いりこ”を使わないこと!」
「讃岐うどんではよく使われる材料だね」
「それを使わないことで、よりクリアかつ芳醇なダシになっています! ……ただ麺自体は、福岡や大阪ほど柔らかくありません。
それでも標準的な讃岐うどんよりも、ダシを吸い込みやすいしなやかな仕上がりです」
「す、凄いです。四条さんや恭文さんみたいに、サラサラと」
◆◆◆◆◆
恭文さんが帰ってくる前に、”これ”を何とかしないと……!
リインさんも、ややちゃんとお買い物があって助かった。
その間に家族は総出で会議です。
AmazonのHPを見たら、ちゃんと出典が書いてるのに……フェイトさんェ。
「しっかし……高いもんだなぁ。一万超えかよ」
「へいとはドジだなー。ちゃんと確かめもせずに買うなんて」
「うぅ」
「またお仕置きだろうなぁ」
「というか、出入り禁止は継続ね」
「うぅ……!」
あぁ、フェイトさんが萎縮して! でも事実だから仕方ない!
というかダーグさん達も遠慮がない! いや、遠慮して放置したからこその惨状だけど!
あぁ、突き刺さる! 私とエリオ君に突き刺さる!
私達、もっとフェイトさんを叱れるよう頑張るべきだった!
「むしろガンプラが安すぎるみたいだよ? あたしも以前調べて、ビックリしたし」
「スケールモデルの戦車も三千円くらいは普通にするし、
大型の艦船キットも……これ、恭文さんが前に言ってたんだけど」
「あぁ」
「3Dでの金型設計が手軽にできるようになった分、バンダイのような大型企業じゃなくても、キット製作・販売が多くなったんだって」
話を続けつつともみさんが、ぱらぱらと手帳を取り出し、確認……目もしていたんだ。さすがはマメな人。
「ただ、大量生産でのコスト削減にも限界があるから。しかもガンプラの場合、バトル普及の影響もある」
「そっか……意識はしてなかったが、世界中に広がって、販売されているんだよな。ガンプラは」
「売り上げが見込め、ともみさんが言うようなコストダウンも計れる。だからこその手軽な価格帯なんですね」
「うん」
更にともみさんは、ユーリを手招き……そっと膝上に乗せて、抱き締めてみる。
それからクシを取り出し、髪を整え始めた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
古鉄≪こちらはまた別の書き下ろしになります。フェイトさんがまたドジで……テスタロッサ、ガンダム以外というだけで、ピンとくる方もいるでしょう≫
アイム(ゴーカイ)「わたくしはよく分からないのですけど」
古鉄≪そういうときは検索です≫
アイム(ゴーカイ)「なるほど」
(どんどんどん!)
ルカ(ゴーカイ)「ていうか……あたしのどこが不満なわけ!?」
恭文「不満!?」
ルカ(ゴーカイ)「そりゃあ、アイムやアンタのお嫁さん達みたいに……素直じゃないし!?
かわいげもないわよ! でも、察しなさいよ! この馬鹿!」
(どんどんどん!)
古鉄≪そろそろ来ますねー。しっかり記録しましょ≫
アイム(ゴーカイ)「はい」
(蒼い古き鉄、参考文献にキングゲイナーを見せたらしい。
本日のED:キングゲイナー・オーバー!『福山芳樹』)
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