作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第46巻経過報告:03(サンプルあり)(2016/8/29)
古鉄≪というわけで、経過報告その三――こちらはISクロスパイロット版です≫
恭文「いい感じで焦れている状況ですが、今回もあれこれ動きますよー。……テッキイッセンマンは、いつ出るんだろう」
古鉄≪最終決戦まで、出る予定がないそうですよ≫
恭文「なぜだぁ!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
萩原が教えてくれたのは、おっさん達の過去。
作り話にしては余りに詳細で、真剣なものだった。
それだけで分かる……これは、真実だ。
少なくとも萩原には、俺を騙(だま)そうなんて意図は感じられない。
「――でもアイドルの育て方で喧嘩(けんか)して、お互い顔を見るのも嫌ってくらい嫌い合って」
「いや、知らない。そんな話は」
「あと……961プロに、小鳥さん……音無小鳥さんが来たと、思うんですぅ。うちの事務員さんで、ショートカットの女性が」
ショートカット……そこで思い出すのは、俺が放り出したあの女。
おっさんに会わせろって言っていた、765プロの……!
「あの人、二人がプロデュースしていたアイドルさんなんですぅ」
「なんだと! じゃあ」
「だから、止めようとしたんです……でも、黒井社長が会ってくれなくて、うちの社長も……全く変わらなくて」
話通りなら、おっさんの言い草も分かる。
相手がそこまで嫌いなら……そうだ、まだ筋は通る。
高木社長のやり口が汚くて、それで許せないならまだ。
だがそうじゃない可能性もある。
相手のことが嫌いな場合、やっぱこう……坊主憎けりゃ何とやらじゃないが、辛辣にもなるだろ。
そういうときの感情や口ぶりを、そのまま信じていいのか?
やばい、気持ちからグラついてきてる。
頭では分かってる。まだ判断できないってさ。
だが……くそ、何がこんなに引っかかってるんだ。
……そんなのは決まっていた。
俺はアイツらの言う通り、逃げていたんだ。
信じていると言いながら、おっさんのことを知ろうともしなかった。
そして……”自分と同じ奴の言葉”を、ひたすらに無視した。
話通りなら、音無小鳥ってのは……俺と同じじゃねぇか!
いや、俺より格上だ! 俺は知ろうともしなかった! 二人のことを!
二人の因縁が解けるものだと……信じようともしなかった!
◆◆◆◆◆
「雪歩……何考えてるのよ!」
律子が荒ぶり、両手をわなわなさせていた。
あぁ、これはお怒りだ……! 一体何があったんだよ、喫茶店で!
伊集院君達も平服気味だしさ! この怒りも当然ってことか!?
「り、律子……ちょっと落ち着け。とりあえずアレだ、Jupiterの子達とは問題ない感じに」
な、なので無駄だとは思うが、一応落ち着かせておく。
「大ありですよ! プロデューサー、ここをどこか忘れたんですか!?」
「そりゃあ、バトスピショップ……!?」
俺は、なんて馬鹿なことを……!
慌てて周囲を確認すると、予想通りの状況が起こっていた。
「お、お姉ちゃん……確か961プロって」
「なるほどねー。ようは昔から因縁があって、それで嫌がらせしていたと。
あははは、小さいおっさん達ねー。そんなんじゃあ世界征服、できないわよ!?」
「多分するつもり、ないんじゃないかなー」
姉弟らしい子達を筆頭に、辺りのお客さんがざわざわ――。
学校が終わるような時間なのも災いした。
親子連れで来ている人達もいて、一部では携帯を弄(いじ)ってもいる。
そうだ……バトルの映像はリアルタイムで公開されている!
これじゃあうちと961プロの内情を、バラしているも同然だろ!
「だから止めたかったのに……しかもうちはまだまだ新人ばかり!
知名度じゃあJupiterには及びません! その場合やり玉になるのは」
「961プロと、黒井社長の肩を持った、天ヶ瀬君――Jupiter」
マスコミの方は、961プロの力で抑えられるかもしれない。
だが今はネットの力もある。
誰もが携帯という『情報発信ツール』を持ち、それはTwitterなどとも常時リンクできる。
そうして写真を、文面をアップすれば、誰もが記者になれる時代だ。
そちらは抑えられない――。
現に伊集院くん達の存在に気づき、たくさんの視線が俺達に集まっている。
「その要素があるだけで、うちの妨害工作と捉えられてもおかしくないです!」
「961プロとの仲は、余計に拗(こじ)れる」
「もちろんその原因を作った、伊集院君達もタダじゃ済まない!
バトルするだけなら、まだよかったのに……雪歩の馬鹿ぁ!」
◆◆◆◆◆
「……そういやそれ、召喚時効果だったなぁ」
「はい」
「だったらこっちもバースト発動だ!」
「えぇ!」
いやぁ、使うタイミングがないなと思っていたんだが……こういうときに来てくれるとは。
浮かび上がった青いカードをキャッチし、それを萩原に見せつける。
「鉄の覇皇、サイゴード・ゴレム! まずはセイバーのコストと同じ数、デッキを破棄!
セイバーはコスト7なので、合計七枚トラッシュへ送ってもらうぜ!」
カードから青い波動が放たれ、萩原のデッキへ。
そうしてデッキトップから七枚を吹き飛ばし、その全てをトラッシュ送り……ビンゴ。
「バーストカード、覇王爆炎撃をチェック! バーストカードが破棄されたとき、このスピリットカードをノーコスト召喚する――こい!」
青いカードを置くと、大地に火花が走る。
「鉄の覇王サイゴード・ゴレム――レベル2!」
そうして現れるのは、十五メートルほどはある青いゴーレム。
巨大な腕とふとましいボディを揺らし、拳を打ち合わせながら場に出現した。
「維持コストはドラゴニック・タウラスから確保! タウラスはレベル1にダウン! ……というわけでタウラス、待たせたな」
タウラスは待ちかねたと言わんばかりに、怯(おび)えるブレイドラを蹴散らす。
これでようやくバトル終了……お疲れ様。そのまま少し休んでいてくれ。
「そして……サイゴードでアタック!」
サイゴード・ゴレムを疲労状態にし、進軍させる。
「コイツのコストは8だ。よってデルタバリアの効果により、お前のライフは削れない。だが大粉砕発動!」
「大粉砕!?」
「相手のデッキを上から、このスピリットのレベル一つにつき五枚破棄! 今サイゴードはレベル2なので」
サイゴードは拳を振りかぶり、そのままロケットパンチ。
「十枚破棄!」
それは萩原の脇を掠(かす)め、更にデッキを粉砕する。残り……十枚か!
「そして破棄した中にバーストカード【絶甲氷盾】があったので、相手スピリット一体を破壊! セイバー・ネロ・クラウディウスを指定!」
「え……!」
そして美の覇王は驚きながらも振り向き……Uターンした拳に潰され、爆散する。
「セ……セイバァ!」
「これがメインのアタックだ!」
その爆炎の中、戻ってきた拳を再接続。
サイゴードは調子を確かめるように、右腕を回していく。
「ラ、ライフで受けますぅ……」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、まずはバトル関係……あぁ、雪歩の罪が深く」
古鉄≪なお同人版では今のところ絡んでいない、あのお二人もカメオ出演です≫
(『ちょっとー! あたしの出番少なすぎでしょ!』
『いや、むしろ出られたことを喜ぼうよ! やったー!』)
恭文「コウタはいい子だなぁ。あ、お歳暮ありがとー。お礼を送ったのでよろしくー」
古鉄≪というわけで話は進み……ついにあの人がこのクロスに降臨≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「今日も授業です」
真耶さんは立ち上がり、僕の手を引いてくれる。
「今日はお風呂で……先生のおもてなしを受けてください」
「おもてなし?」
「べ、勉強したんです。男の人はそういう……エッチなお店のサービスが好きだって」
「どこでですか!?」
というか僕、一応未成年ー! 駄目駄目! そういうお店には入っちゃいけません! 彼女達もいるし、それを抜いても駄目!
「でも八神くんは彼女達もいますから、それは駄目です。でも興味はあるでしょうから……先生が、体験させてあげますね」
「どういうことですか!?」
「いいんです! その……だって授業だから」
それで真耶さんはお風呂場の前に立ち、僕に背を向けてきた。
「いろいろ、バリエーションを考えなきゃと、つい力を入れてしまって……」
「あ……」
そっか、僕のために……それが嬉(うれ)しくて、また後ろから抱き締める。
「ありがとうございます」
◆◆◆◆◆
「忌ま忌ましい……どうして私の思い通りにならんのだ」
下らん……下らん下らん下らん!
全てを黒(ノワール)に……それだけを望み、まい進する!
我が覇道を阻むのなら、国家と言えど容赦はしない!
……ならば、道は一つ――立ち上がり、部下達に連絡。
「社員全員に告ぐ――支度をしろ! IS学園だ!」
奴らの居場所など、見当はついている。
我那覇響もIS学園にいるそうだからなぁ。
いや、たとえ他の奴らがいなくても、問題はない……八神恭文、だったか。
こそこそと私の邪魔をしてくれているガキは。貴様に心の恐怖を教えてやろう。
自らの仲間が、大事な場所が壊される恐怖を――!
高木が私にしてきた仕打ちを、貴様にもプレゼントしてやる!
『あの、黒井社長』
「なんだ! 聞き返しは」
『オルコット財閥の御令嬢が』
オルコット……おぉ、そうだった。確か面談の約束を取り付けていたな。
ちょうどいい……八神恭文と懇ろだと言う。
奴を我が配下に収め、学園内を掌握してやる。
あれだけの人数ならば、この私の眼鏡に適(かな)う者もいるだろう。
そうして高木に見せつけてやる。今度こそ私の。
「失礼しますわ」
そうしてただ一人、部屋に飛び込んできたのは……問題の令嬢だった。
『そちらに向かわれています……!』
そして令嬢は右手に持ったカードをかざし。
「ゲートオープン――界放!」
私を、異世界へと引きずり込む――。
◆◆◆◆◆
≪HYPER CLOCK OVER≫
……なのに、突如として電子音が聞こえてきた。
そして僕達の眼前に、翡翠(ひすい)色の歪(ゆが)みが生まれ……その中から。
「わぁ!」
人が飛び出してきた。
黒いスーツにサングラスという出(い)で立ちの方は倒れ込み、痛みで呻(うめ)く。
「い、いてててて……また、失敗した? アルトー」
≪時間軸……先ほどとさほど変わりませんね。それより前、見てください≫
「前?」
そうしてその人は顔を上げ、すぐにサングラスを外す。
それは……紛(まぎ)れもない、”僕”だった。
「「――あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、セシリア帰還――!」
(『ついに戻って参りましたわ、このクロスのメインヒロインたる……このわたくしが!』)
恭文「作者も何か物足りないなと思っていたら、セシリアがしばらく出ていなかったせいだった。もう筆が進む進む」
古鉄≪書いていて楽しいんですよね、セシリアさん。……本編でも頑張りましょうね、せっかく出ていますし≫
恭文「は……はい」
(蒼い古き鉄、ちゃんとお話はする覚悟らしい。
本日のED:ワルキューレ『一度だけの恋なら』)
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