作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と閃光の女神のえ〜すな日常/いんふぃにっとII 第1巻経過報告:01(サンプルあり)(2016/6/21)
古鉄≪というわけで、表紙の差し替えも完了し、いんふぃにっとII第一巻です。なお次巻は三か月後の予定≫
恭文「でもどうしよう……今回、書き下ろし部分が少なかった」
古鉄≪もし違っているようでしたら、ご報告いただければと思います。遅くとも明日(2016/06/22)のお昼頃には、どちらも修正できていると思いますので≫
(その際はトップページにてご報告いたします。ご迷惑おかけして、申し訳ありませんでした)
古鉄≪というわけで、幕間のSAMPLEでもサラッとやっていましたが、改めて……まずはこのシーンからどうぞ≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
――デュノア家に到着し、長い長いリムジンから降り立つ。改めてサングラスをかけ直し。
≪昨日の女性はどうしたんですか≫
「午前○時の鐘と同時に別れた」
静かに巨大な邸宅へと歩いていく。
なおここに来るまで、表玄関を通り――。
大きな庭を走り――。
ここは、月村家レベルの大邸宅だった。
≪素敵な女性だったのに≫
「だって生活変えてくれって言うんだもの」
≪男を変えたがるものですよ、女は≫
そんな驚きはさて置き、ここからは準備が必要。さぁ、鬼が出るか、蛇が出るか。
≪今更変えられるわけがないのに≫
「当然」
愛銃その2【コルト・ガバメント】を取り出し、マガジンを取り出す。
正式名称M1911。
これはその改良型兼現在の基本形で【M1911A1】――。
百年近い歴史を持ちながら、とんでもないカスタム度を誇る名作拳銃。
四十五口径。
使用弾薬は45ACP弾。
装弾数七発。
自動拳銃ではあるけど、シングルアクションゆえの高い信頼性も魅力だ。
何でも泥にまみれても撃てたらしい。
……だからこそS&W M586(スナッブノーズ)に続いて、魔術礼装化したんだけど。
神秘は時間の積み重ね――古く状態のいいパーツを組み合わせ、一つ一つ手を入れた。
弾も純銀製の弾殻を用い、魔術・魔法の両面に対応可能な特別製。
「こんな面白いこと、やめられないよ」
装弾を再確認した上で、マガジンは再装填。ハンマーを引く。
≪行きますか≫
「OK」
さて、それじゃあ派手にぶっ放そうか。まずは玄関のドアを派手に蹴り破り。
「「ふん!」」
かと思ったらセシリアとリンが跳び蹴り……それも素早く回避して、改めて蹴り!
テンション高く飛び込み、ガバメントの銃口で捉えたのは。
「よぉ、クソガキど」
笑うオータムだった。
……頭頂部目がけて、化け物狩りの弾丸<シルバーバレット>を連射。
展開する異能障壁を突き破り、それは奴の額と右耳、鼻を貫き絶命させる。
◆◆◆◆◆
「あら嫌だ。御主人様が一番乗りかと思ったら」
今回は人間化しているタマモは、少し驚きながらロビーを見ていた。
……なお耳と尻尾は目立つので、ちゃんと隠しています。
ただ薄いカーディガンにキャミ、ミニスカって。
胸の谷間が……落ち着け。落ち着けー。
とにかくみんなが集合しているのは予想外。
出発まで二時間近くあるってのにねぇ。
まぁ遅刻して大慌てするよりはマシか。
それにビジネスラウンジには、楽しみ方もいろいろあってね。
≪みんなー≫
脇で浮かんでいたベルトちゃんが声をかけると、揃(そろ)ってこちらを見る。
「八神、来た……か」
「こっち……こ、っち?」
手を振ってくる楯無に返しながら、一団に近づく。
……僕こと八神恭文、当初の志望通り、IS学園からは出られそうです。
でも世界は再び、来るべきときを迎えている。
それに立ち向かうためにもまずは、クラスメートの家庭問題を解決したいと思います。
「……恭文くん」
あれ、楯無やみんながぎょっとしてる。どうしたんだろう……は! まさかまた敵の襲撃か!
『何、その格好!』
「はい?」
格好……ふ、気づいたか。新シリーズということで、今回僕も装いを新たにしました。
茶のスーツとジレ、水色のYシャツ、赤ネクタイ。
更にスーツに合わせた、ブラウンサングラスというハードボイルドルック。
靴もこだわったよー。何せこの僕の足となるんだから、耐久性と威力が両立しなきゃ……ブレイクハウトでオーダーメイド。
黒コートも悪くないけど、こういうおしゃれも楽しいよねー!
さー、セカンドシーズンもぶっ飛ばしていくぞー!
◆◆◆◆◆
「というかさ、僕より織斑一夏の方が気合いを入れるべきでしょ。何よ、その格好は」
「オレ!?」
「仮にも大会社の社長と面談するのよ? しかも事情はどうあれ、シャルロットのお父さん。
もし決裂するようであれば、遠慮なく『娘は頂いていく!』って宣戦布告でしょ。……つまり」
なので白のジャケットにジーンズ、スニーカーというラフな出(い)で立ちを指差す。
「おのれが今している格好は! それにふさわしい戦闘服かって話だよ!」
「……!」
結果織斑一夏は、雷撃に打たれたかの如(ごと)く打ち震える。
そうして改めて、自分の『戦闘服』を見やる。
そう、スーツは男の戦闘服とも言う。別にただカッコつけているわけじゃないのよ。
僕達はこれから、海千山千の社長と戦うのよ。
ならば向かう前から威風堂々と、自らを見せつけなくてどうするのか。
「た、確かにそうだ。八神はともかく、オレは」
「これは一本取られちゃったわねー。ほらほら、織斑くん……どうするの? スーツが男の戦闘服なのは事実だし」
「それ、私のお父さんも言ってたなぁ。確かにその格好でお父さんと対面じゃあ、ちょーっと許したくないかも」
楯無、潤乃が腕組みしながら納得する中、織斑一夏は汗をだらだら。……その結果。
「……今すぐスーツを買ってきます! いや、その前に貯金を崩してくる!」
「「「おぉー!」」」
キャッシュカードを取り出し、とんでもないことを言い出したでござる。
なので僕は楯無、潤乃と一緒に激励の拍手。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、織斑一夏がスーツを買うところまでが一巻です」
あむ「んなわけあるかぁ!」(げし!)
恭文「スカイグラスパー!?」
(真・魔法少女、ラリアットと同時に参上)
あむ「アンタはホントに……! もっと言うことあるじゃん! 今回はまた本編八話収録とか!」
恭文「そ、そうでした……あの、書き下ろしが……また、作りにくかったので」
(そんなわけで、今回はフランス編――日本に戻って、少し後までが描かれています)
恭文「そしてその特別書き下ろしですけど、こんな感じです」
あむ「どうぞー」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
臨海学校から戻った直後――地尾さんに呼び出された。
星鎧の件かなぁと思っていたら、ちょっと違ったわけで。
「テストプレイ? ヤスフミがか」
「えぇ。カードを預けておきますので、口が堅そうな人と試してほしいんです」
「ねぇ地尾さん、そういうのって極秘裏にやるんじゃ」
「もうそれはやったので」
そう言いつつ見せられたのは、試作品のカード……それも、どれもこれも見覚えのあるものばかり。
「エクストリーム・ゾーンの方にも、ソウルコアが導入されたのは知ってますよね」
「うん」
「あれを作った旧神は存在していませんが、ゾーン自体は今なお進化しています。
……ソウルコアという、人が作ったシステムすらも受け入れて」
地尾さんが取るのは、テーブル上に置かれたソウルコア。バトルフィールドにはいないから、今はイミテーションジュエリー。
でもその輝きに地尾さんは、確かな希望を抱いていた。黒子越しでも分かるよ、笑っているのが。
「八神さんが知っての通り、過去のバトスピにソウルコアは存在していません。
これは我々連盟が、試金石として打ち出したものです」
「カードバトラーの魂を表すコア――スピリットとの疑似一体化現象を制御する装置、だったよね」
「同時に【復刻】に終始していた現状から、もう一歩踏み出す鍵。
だからこそ慎重に……まずは【変身装置の一種】として普及させてきました。そして二歩目が、このカード達です」
≪そっか……だからこの子達、みんなキラキラしてるんだねー。――Nice Drive!≫
そのテストプレイかぁ。ワクワクしてしまうのも、きっとベルトちゃんが言う通りだから。
いろんな人達の思いと願いが詰まった、大事な宝……それを預かれるのは、やっぱり光栄で。
◆◆◆◆◆
「響、テストバトルの相手をして」
「テストバトルって」
「ソウルコア、あるよね。実は地尾さんから」
そう言いながら、赤いデッキケースを取り出す。そこには大きく『SAMPLE』とロゴが打たれていた。
……気晴らしにもなるし、試したいこともある。だからここでやろう……地尾さんには感謝だよ!
「ソウルコアをプレイに取り込んだ、試作カードを預かってきたんだ」
「え、マジか!」
「テストしてほしいって言われてたんだけど、フランス旅行と重なってね。よければ」
「やる!」
「分かった。じゃあ早速始めようか」
というわけでライフカウンターを取り出し、それを響に向け。
「ゲートオープン、界放!」
ゲート展開――そのまま響と一緒に、バトルフィールドへと飛び込んでいく。
――光の中、黒と金色に彩られたバトルアーマーを次々装着。
鋭角的なそれを装着し、現れたスカイボードに登場。
そのままサーフィンの要領で空中を滑り、降り立つのはバトルフィールド。
僕は黒を、響は白を纏(まと)いながら幾度となく交差――。
そうして地表すれすれで停止し、僕達は百メートルほどの距離を保ちながら対峙(たいじ)する。
「……これ、なんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「エクストリーム・ゾーンだよ。簡潔に言うと、古代のバトルフィールド」
「古代!?」
「バトスピはね、古代から伝わる決闘の一つなんだよ。アーサー王や英雄王ギルガメッシュ――。
響も知っているような偉人達が威信を賭け、このフィールドで凌(しの)ぎを削ってきた」
≪恭文くんが使ったカオス・ペガサロスやトワイライト・ファンタジアも、そんな古代のカードなんだ≫
「そんな馬鹿な! え、マジ……嘘じゃなくて!?」
≪「ほんとほんと」≫
響が目を丸くする中、左手でお手上げポーズ。
「ただ古代と言っても、バトルの方法は変わらない。さぁ、徹底的に遊ぼうか」
「う、うん。気晴らしってことだよな」
「そんなとこだよ」
◆◆◆◆◆
響も盛り上がってきたところで、僕のターン……さぁ、さくさくいくよー。
「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、メインステップ」
ふむ……こうきたか。それならばと、早速REVIVALカードを使わせてもらう。
「ゴラドンをノーコスト・レベル2で召喚」
登場するのは二本足であるく、恐竜ぽいスピリット。なおレベル2で召喚したのにも意味がある。
「あれ、ゴラドンって昔のカードだよな。それで……んん!?」
響は自分の脇に表示された、ゴラドンのステータス画面を見て驚く。
「レベル2・BP5000!?」
「それもソウルコア環境の試作品なんだよ。……まずは昔のカードをそれに合わせてリバイバルして、広めるんだって」
「ソウルコアを使ったプレイの、練習台って感じで」
「そうそう。だから響にテストプレイを頼んだんだよ、バトスピガールズ(仮)でしょ?」
「あ……うん」
……やっぱりかぁ。響の目には、迷いがあった。
765プロでアイドルを続けるか否か。そこから悩んでいるんだよ。
文字通り奈落へ落とされたから……でも大丈夫と、笑いかけてあげる。
「大丈夫だよ、響。社長を社会的に抹殺する手段なら、幾らでもある」
「あぁ……って、そんなんで安心できるかぁ!」
「え、物理的がよかったの? そっちはまた別の人に頼んでよ」
「頼めるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「次はドラグノ偵察兵をコスト1・レベル1で召喚」
続いては赤龍の兵士。
薄紫色のライトアーマー。
四本の腕。
細身の槍――。
身軽な体躯(たいく)がフィールドに降り立ち、腕二本で槍を軽快に振り回す。
「ネクサス、英雄皇の神剣をコスト1・レベル1で配置。ゴラドンはレベル1にダウン」
ゴラドン上のコア一個を使い、コスト支払い――。
それに合わせ、あの巨大な刀剣が現れる。
「バーストセット。ここで英雄皇の神剣、レベル1・2効果が発動」
バーストをセットし、すかさずデッキから一枚ドロー。
「デッキから一枚ドローする。……じゃあアタックステップ、ドラグノ偵察兵でアタック!」
ドラグノ偵察兵は手に持った槍を振り上げ、投てきの構えを取った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
あむ「あ、REVIVALカードがでるんだ」
恭文「あくまでもテストカードだけどね。ただ烈火伝のカードは出ない感じで」
(あれはまた環境を大きく変えるので、出るとしてもまた別枠です)
恭文「ギリギリだせて、ウルトラ怪獣シリーズとかかなぁ……とは」
あむ「系統的にも今までの延長で済ませて、あくまでも導入編って感じにするんだ」
恭文「そうそう。そしてもう一つの書き下ろしは、まだまだ続くグダグダ」
あむ「……ゴールはどこ?」
恭文「本能寺だよ」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
衝突を繰り返し、個と個のぶつかり合いも拮抗(きっこう)していると理解。
バーサーカーにはこの聖杯演劇も、余り関係ないと見える。……ならばこそ、飛蹄雷牛(ゴッド・ブル)は一旦停止。
ダレイオスもこれでは満足できないと言わんばかりに停止。象から静かに降り、楽しげに笑う。
「のっぶのっぶー!」
そして増援にきたナマモノを蹴り飛ばし、威嚇。
「のぶぅ!?」
「Iskandar――!」
「あぁ、これでは足りんよな。我らは王……なればこそ」
「■■■■■■■■■■■■■■■――」
どう猛に笑い、奴は獣の叫びを上げる――。
その体から魔力を迸(ほとばし)らせ、エメラルド色の極光を放つ。
……それが晴れた先に広がるのは、黒き軍勢。
奴と同じ黒き体躯(たいく)。
黄金色の装備。
命の迸(ほとばし)りを、エメラルドの波動に載せて、余にまざまざと見せつけてくる。
だが奴らの誰一人として、生者ではなかった。
肉がある者は腐りかけ、ない者は骸骨となっても動く。
地平に広がるは死者の軍勢。
この穏やかな風景を、死で見たし尽くすため生み出された、死の絶対戦線。
「これが貴様の宝具……察するに『不死隊(アタナトイ)』の連中!」
「■■■■■■■■■■■■■■■――!」
不死隊とは、アケメネス朝ペルシアが誇る、定員一万人の精鋭部隊。
一人が倒されても、別の兵士がすぐ補充され、戦闘に加わり戦う。
それゆえに不死隊――コイツらには余と臣下達も、随分と手を焼かされた。
◆◆◆◆◆
「やぁやぁ……われこそは軍神上杉アルトリア! 武田ダレイオス、いざ宿命の対決ですとも!」
……それで早速洗脳されてやがったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
あぁ、駄目だ! これは倒さなきゃ駄目なパターンだ!
八神、すまん! 感度の再会とかなしの咆哮(ほうこう)で!
「上杉じゃとぉ! ……って、女ではないか! 越後(えちご)の龍が女なわけなかろう! 出直してこい!」
「馬鹿ーチャー、ブーメランなんでやめてください」
「いやその、私は女性説もありましたし」
乗っかるかよ、アンタ! あ、意外と話せそうな感じ!? なら問題なしだ! このまま適当に勘違いさせて、引き込んでおこう!
「ところで宿命のライバルらしい、武田ダレイオスは」
「らしいって言うなよ! えっと、そっちはその」
ちょっと申し訳なくなりながら、後ろを振り返る。
……すると王様達はいつの間にか、チャリオットや象から降りていた。
いつの間にか軍勢が現れ、消えて……そうしたら再出現して、お互いぼろぼろになりながら。
「――URYYYYYYYYYYYYYY――!」
「Iskandar――!」
『のっぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?』
拳をぶつけ合っていた。うわぁ……衝撃波で数少ないノブ達が、BASARAの如(ごと)く吹き飛んでいくー。
「らしいの付かない宿命のライバルと、めっちゃ盛り上がってます」
「なんでですかぁ! こっちは春日山(かすがやま)くんだりから、頑張って出陣してきたのに!」
「ご、ご苦労様です」
つい労いの言葉をかけたが、そんな場合じゃなかった。
「甲斐(かい)の兵糧を根こそぎ奪って、美味(おい)しいご飯をお腹(なか)いっぱい食べたかった……!」
奴は極々普通に、戦争経済について考えていた……!
「何を言ってますの、あなた! そんな、まさか……こんなこと、アーサー王が仰(おっしゃ)るはずが」
「いや、ぶっちゃけ言いますよ? まともだったとしても」
セシリアは憤慨しているが、実のところ……そういうのはあった。
戦国時代は世界的な寒冷期と丸かぶりで、農作物の不作も多かったんだ。
しかも今とは食糧事情も大きく違うため、死者も出かねない大問題。
それゆえに敵国からの略奪を目的とした、強盗まがいの戦争もよしとされていた。
なお、ここは二重の意味がある。……口減らしだよ。
戦には藩の民達も、手柄目当てに参加していた。そうして人が死ねば、その分養う人間も減る。
減りすぎても問題だが、適度な『人口調整』には持ってこいだったんだよ、戦は。
「というかあなた、あの筋肉むきむきマッチョマンや私を見て、何も感じないんですか」
「かくなる上は私の腹を満たすため……もとい、民草のため! あなた達の兵糧を頂くとしましょう!」
あ、やべ! 強盗する気満々だ、この腹ぺこ王様! なので両手でタマモを指し、しっかりアピール!
「話を聞けぇ! ほれ、見たことあるだろ!? キャスターだぞ、キャスター!」
「キャスターなんてそこら辺に掃いて捨てるほどいるでしょ! 最近はロボットやらライオンも出てきたし!」
「魔術師要素がどこいったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「まぁ弓を使わないアーチャーとか普通ですし、それを言われたら納得するしか」
「するなよ!」
てーか昨日のアーチャーは弓を使っていたぞ!? アーラシュ、凄(すご)かったよな!
でもなんでライオン!? なんでロボット!? どうなってんだよ、英霊の座! ちょっと説教してやる!
「いざ、毘沙門天(びしゃもんてん)の加護ぞある!」
「ねぇよ馬鹿!」
◆◆◆◆◆
……改めて構えを取り、疾駆――突き出される右腕。
迫る脅威、術式発動――ただの一歩も引くことなく、乞食清光で刺突を放つ。
そして交差し、数メートルほど滑って停止。
≪……恭文くん?≫
「ほんと、参ったね」
呆(あき)れながらも振り返り、左胸を押さえる。……奴に触れられた左胸を。
奴もまた滑るように向き直って、その右腕から魔力を迸(ほとばし)らせる。
そうして構築されるのは……無傷の腕が生み出すのは、赤き心臓。
脈打つそれを見て、嫌な予感が最高潮に高まる。
「傷つけることすらできないって」
「いい一撃だったが、場数は私の方が上だ。……冥土の土産に教えてやろう、我が宝具は妄想心音(ザバーニーヤ)」
「おのれが生前、もっとも特異とした技が、宝具として昇華されたもの。効果は」
「簡単だ。このシャイターンの腕に触れられれば、本物と影響し合う鏡面存在を作り出せる」
シャイターン……悪性の精霊か。なるほど、やっぱ普通の腕じゃなかったと。
そして影響し合う鏡面存在とするなら、あの心臓は。
「文字通り、心臓を握っているわけか」
≪なの……!? じゃ、じゃああれを握りつぶせば!≫
なので転送魔法を発動……が、その前に心臓が握りつぶされる。
「そう、お前は死ぬ」
……噴き出す血、まき散らされる肉片をただ見ていることしかできなかった。
このハサンの宝具は、触れることで呪(のろ)いのわら人形を作るようなもの。
それもあの長い腕とスキルがあれば、たやすく条件が満たせる。
だから、戦いの敗者は膝を突く。そうして、血へどを吐きながら倒れてしまった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
あむ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
恭文「あむはうるさいなぁ」
あむ「だ、だってあれ……心臓……いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
恭文「あむはエロいなぁ」
(どげし!)
恭文「バンクーバー!?」
あむ「うっさいし! エロいのはフェイトさんじゃん! ……でも、セイバーが」
恭文「やっぱあの空間だと、みんな馬鹿になるらしい。
というわけで、挿し絵報告も込みでまた明日――発売当日に続きの経過報告をお送りしたいと思います。チャンネルはそのまま!」
あむ「何時間あると!?」
(徹夜は、もうやめようと決意した今日この頃でした。
本日のED:Aimer『holLow wORlD』)
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