作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
いんふぃにっと(第5巻以降)の経過報告:02(サンプルあり)(2016/2/7)
古鉄≪というわけで、いんふぃにっとの経過報告です。今回ご紹介するのは、五巻……ですが≫
恭文「えー、ご報告が……分量が予想以上に増えたため、ここからは一巻に本編七話ずつ収録で、六巻までになりそうです」
(予定です)
恭文「何とか一巻八話で収めようとしたけど、無駄だったよ」
古鉄≪楯無さんやらの先行登場、ISのEW版的変更やらでいろいろありましたからね。
気づけばHP版の倍以上の話数となりましたが……さて、五巻以降は≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
IS学園――人はそれを、法の外にある天国と言う。または檻と言う。そんな場所に、あの偽物はいる。
いや、もしかしたら……あの日、潰れていく亡国、それに伴う喧噪の中、届かなかった手がある。
――父さん、母さん!――
――……これを!――
突如生まれた空間の歪み。それに吸い込まれていく二人。手を伸ばしたが、その手に掴んだのは一枚のデータディスク。
ほとんど監視役に近い私へ、二人は愛情を送ってくれた。最初は同情だったかもしれない。
しかし一緒にいるうち、私も慕うようになった。二人が見ているもの、二人が目指したかったもの。
それを知り、いつか本当に……光の下で追いかけられる日々が作れれば。そう願っていた。
そう思えるほどに愛しい温もりを、そのときは掴みたかった。こんな無機質なものではなく……!
――その中にあるものが、あなたを――
――駄目だ、もっと手を――
――くるんじゃない!――
――!?――
外壁の継ぎ目に捕まる二人。それを助けようと、近づこうとした。だがそれは父さんの一喝で止められる。
――頼むぞ……千冬と、【一夏】のことを……お前が、確かめてくれ――
――私達が本当に正しかったのかどうか。……ごめんね、こんなことを、押しつけ――
そして最後の言葉も届かず、二人は歪みに吸い込まれた。……私は結局、奴らの施設から一人で逃げ出す。
そんな中、どうにも胡散臭い奴らと知り合い、ディスクの中に入っていた、二つの贈り物を受け取った。
それを纏い、私は追跡者となる。あの日消えた、父さん達を……その原因を突き止め、たたき伏せる追跡者に。
もちろん二人の願いでもある、『答え』を確かめるのも込みだ。さぁ、まずは初手だ。
危険は伴う。もう亡国の好き勝手ができる状況でもない。それでも私には、成すべきことがある。
二人があの状況で、私に託してくれた願い……二人の罪、二人の後悔。今その是非を確かめられるのも、伝えられるのは、私しかいないのだから。
◆◆◆◆◆
「……ちょっと待って! 四人とも、試合中止!」
だがそこで、月村専務から突然ストップがかかる。
「三時方向、距離百メートル!」
てーかそれ、オレ達の後方……! 慌てて振り返ると、紫の大型バイクが飛び込んでくる。
ゲートを突き破り、その破片を払いながらバイクは着地。そのまま滑りなら停車して、乗っていた女の子が下りる。
ハーフヘルメットを外すると、跳ね気味の黒い長髪が解放。その具合は千冬姉によく似ていた。
というか顔立ちも、かなり幼いが印象そのまま。千冬姉の子ども時代と言えば納得するほどに。
更にややぼろぼろな黒マントを着込み、こちらへ歩いてくる。それで奴の視線は、オレを……ただオレを見ていた。
怒り、憎しみ……いや、違う。戸惑いも混じって、一つの感情では例えられない、淀みにも思える暗い目をしていた。
見たこともない流線型バイクを背に、そんな悲壮な表情。それに誰もが見入ってしまう。
「おいおい、また転校生か。私は聞いていないぞ」
「……転校生なら、いいんですけどね。あの子……ISを持っています。というかあのバイクも普通じゃない」
「貴様、何者だ! 演習中の無断侵入は危険だぞ!」
一応千冬姉が教師として警告。でも奴は足を止めず、右腕をサッと広げた。
「変身」
その動きだけで、奴の体に紫の光が生まれ、一瞬で装甲に変化する。それも……八神と同じ、仮面ライダーチックなバトルスーツに。
蝶の羽を思わせる意匠が胸、肩アーマーに刻まれ、そのツインアイもそれっぽい形状だった。まさか、アレは……!
「嘘……ドライブモード!?」
「専務」
「知りません! 少なくとも月村重工のものじゃない!」
『その通りだ。これはサイレント・ゼフィルス――イギリスの第三世代専用機、BT実験機二号機とも言うかな』
BT実験……おい、それって一号機がブルー・ティアーズだったよな! つまりあれは、その後継機!? じゃあアイツはイギリスの奴かよ!
◆◆◆◆◆
「……道場破りってことか。いや、学園破り?」
『そんなところだ』
「理由は。もうお前の家は潰れただろ」
『貴様という偽物を、姉さんから引きはがす』
偽物? オレが……どういうことだよ。てーか姉さんって誰だよ、シャルやラウラに妹はいなかったはずだが。
だが単純に殺す気はない。それならもう、とっくにやられているはずだ。
『……かと思ったが、少々事情が変わったようだ。だが確かめさせてもらう、貴様が『また』偽物かどうか』
「……頼むから、オレに分かる言葉で話してくれ。電波はラウラだけで十分だ」
『知らない方がいい』
今まで威圧的だった奴の言葉が、急に優しくなった。厳しさは変わらない、表面上はほぼ同じだ。でも……その中に気づかうものがあった。
『何も、知らない方がいい。お前が本物であるなら……私は』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、あのキャラも先行登場です。言うなら新章突入……一気にぶっこんでいきます」
古鉄≪でも現状のプロットだと、わりと箒さんがヤバいんですよね。下手をすれば≫
(上手くフラグを立てないと、黒ミッチ以上にやらかす予感)
恭文「あれ以上って、もはや蛮野博士レベル」
古鉄≪リンさんでさえアウトになりそうですからね。油断は禁物ですよ。
というわけでチェイサー……そう、チェイサーです。いろいろな意味を絡ませていますが≫
恭文「でもぶっこむから、まだまだあるよー。まだまだ校正も通していませんが、こんなシーンもあります」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
マグアナックを取り出し、唐竹・左薙・右薙・刺突と乱撃。でも全てをスウェーで避け、当たりそうになってもアームへの掌底で逸らされる。
コイツ、動きが速い……! ヤスフミもそうだったけど、人間サイズのISってこんなに素早いの!?
それならパワーで押し切ろうと右ミドルキック。でも出鼻を踏みつけでキャンセルされ、踏み込みつつのワンツーパンチを食らう。
……接近戦は不利と判断して、マグアナックを投てき。彼女は近づきながら伏せて、刃をアッサリと回避。
その間に右手でヴェントを、左手でレイン・オブ・サタディを取り出して射撃開始。
でもヴェントの牽制射撃は、小走りしながらのスラロームでたやすく回避。紫の光に包まれ、彼女は断続的な加速を繰り返す。
「何なの、君! イチカが偽物って……どういうことかな!」
『知らない方がいい』
「襲っておいてそれ!?」
『そうだな、矛盾している。だから』
そして彼女が疾駆。それに合わせてサタディを向け、零距離からトリガーを引く。
そのとき、銃身に右裏拳が飛ぶ。小さくも鋭い拳で銃身が流され、散弾は彼女の脇を突き抜けるのみ。
更に右手でサタディが引き寄せられ、バランスを崩したところで顔面にラリアット。
そのまま情けなく一回転しながら落ちる……かと思うと。
『すまない』
交差した彼女は振り返り左ミドルキック。ぼくも腹に一撃を食らい、頭から地面に墜落。そのまま十メートルほど滑って、何とか停止する。
起き上がろうとした瞬間、彼女はまた私に肉薄。そのまま右腕で首を抱えて、一気に締め上げてきた。
「が……!」
必死にPICの出力を上げ、そのまま押し倒そうとするけど、彼女はラファールの巨体を、ぼくの抵抗を完全に封じ込める。
『一つ教えてやろう。現在普及しているIS、その基本構造には無駄が多い』
「む……!?」
『宇宙へ出るのではなく、兵器としての安易な完成を受け入れ、ISそのものに目を向けなかった。分かるか……貴様らは最初から、停滞している』
◆◆◆◆◆
教官に後を任せて、何とか演習場から退避。そうしたらなぜかノリのいい音楽が流れてくる。
≪The song today is ”RUNNING SHOT(SHOTGUN MIX) ”≫
これは、まさか……! 慌てて演習場を振り返ると、織斑マドカがバイクで逃亡。
でも余りの速度で、あたし達はそれを見送るしかなかった。問題はそれを追いかける影。
なぜか変身を解除して、生身で全力疾走している教官よ。あの馬鹿、強化魔術でバイクに追いつくつもりだ!
というかなに、あのサングラス! なんでサングラス!? どこから取り出したのよ、あれ!
ていうか似合ってない! 教官、自分の立場を思い出して! 教官は合法ショタが約束された身じゃない!
それにサングラスやハードボイルドは、元々似合ってないの! どうして気づかないのよ、あの馬鹿!
「ちょ、教官! 変身は! トライドロンは!」
≪ごめん、エンジントラブル! 変身も今は無理!≫
「……あ、ホントだ。機能停止しちゃってるね」
忍さんの補足で、本気の絶望……だからって生身はないでしょうが! なに、馬鹿なの!
知ってはいたけど馬鹿なの!? ああもう、甲龍がダメージを受けてなかったら、援護するのに!
「む、無茶だよ! 生身でISに追いつけるわけ」
相川さんがそう言っている間に、教官は私達の前を横切る。それも尋常じゃない速度で、地面を踏み砕きながら。
「……え」
「やすみー、速い速いー!」
「ジャスティン・ガトリンみたい! いけー! そのままいっちゃえー!」
ティナ、はしゃいでる場合じゃない! あの非常識にはツッコんでいいから! あとジャンプするな! 胸が揺れて……腹立つのよ!
「恭文君!」
あ、更識さんが追いかけてるわね。でもアイツ、ISの飛行速度すらすっ飛ばしてるけど!
てーかあぶない刑事!? 柴田恭兵さんよね、これ! だから速度も三倍ってわけですか!
◆◆◆◆◆
バイクは学内の大通りから正門を抜け、車両通行用のハイウェイへ向かおうとしていた。
当然騒ぎを聞きつけた教師部隊が封鎖するも。
『そこのバイク、止まりなさい! 停止しなければ発砲しま』
言っている間にバイクは急加速。一瞬で音を超え、ラファールや打鉄十数機の群れへジャンプ……容赦なく吹き飛ばす。
『きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
うわぁ、バイク本体も相当な強度だからなぁ。問題は……その先生達がコントロールを失い、こちらへ落下すること。
なので前へと倒れ込み、重力の重みも利用して縮地開始。コンクリの地面を蹴り砕き、スラロームで先生達を避ける。
簪とリンも落下範囲を予測して、すぐに回避コースを取った。
「この……邪魔!」
でもへたくそな落ち方で、目の前に出てくる先生その○……なので走り込みながら跳躍。
反時計回りに回転しながら、勢いは殺さないよう脇へ蹴り飛ばしておく。
「がふ!」
「教官、辛辣!」
そのまま吹き飛ぶ先生と交差しつつ着地……改めて走り、僕達は学外へ飛び出す。
なお車の通りはほとんどなし。元々IS学園へ行くためのものだから、そこまで多くないのよ。
そして吹き飛ばされた教師部隊は、追撃する様子もない。あの追突だけでやられたのか。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「はい、というわけで圧倒的性能を発揮する新型IS。もっと言えば天鎖残月と普通の卍解みたいに」
古鉄≪そんな感じですね≫
(二人とも適当です)
恭文「そして五巻では、臨海学校編に突入。SeasonIでは最終章です」
古鉄≪ただいろいろな立ち位置が変わったので、話の流れはそのままで変更点多数に。あんなキャラ達もどこかで登場します≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
――大丈夫、晴れる。きっと晴れる……オレ達の夏は、もう目の前なんだ! 頼む、そう思わせてくれ!
近くにきてはいるが、最後の最後まで油断ならないのが天気だ! 以前も遠足で、トンネルをくぐった途端大雨だったことが……!
あれは……あれ、いつだったっけ。結構小さいころみたいだ。記憶があやふやなら、七歳より前だと、思う。
ただ最近は物忘れが激しくなっているのか、それより後も怪しくなっている。だから無駄に不安を強めてしまった。
『ヘイアグモンの腹は、満たせない……! 旅館のご飯だけじゃ足りない!』
「どれだけ食べるおつもりですか! 駄目です! せっかくの自由時間なのですから、わたくしと一緒に」
『馬鹿野郎! 先約優先は基本だ!』
「むぅ……!」
「……ヤスフミって、ときおりイチカ張りに鈍いときがあるよね」
すみません、シャルロットさん。脇からこう、心のボディフックとかやめてください。死んでしまいます、オレの心は脆いんです。
『そうだね。どうして気づかなかったんだろー、性別を偽っていたってー』
「仕返し!? 仕返しか! だが八神、やめてやれ! シャルは女の子だ!」
『僕、鈍いから分からないやー。あ、でも織斑一夏みたいにすれば分かるのかなー』
『あ、私もそれは見習いたいわー。まさかこっちが大変なときに……いちゃラブしてたのよね! エロ同人誌みたいに!』
「「がふ!」」
「恭文さんー!」
し、師匠がいたのを忘れていた……! 駄目だ、オレ達は絶対に勝てない! 師匠には恩を仇で返しているんだ!
というか謝ろう! バスを降りたらすぐに謝ろう! シャルロットと二人で全力の土下座だ!
「というか、そこで反撃は図太すぎます!」
『じゃなきゃ、お姉ちゃんには勝てないもの。もちろん過去のあれこれも』
「その謎の説得力は許してくれ……! というかお前の姉ちゃんは何者だよ! 魔王か! 魔王なのか!」
『それはお姉ちゃんと婚約者の友達だね』
「いるのかよ、魔王が! ヒメラモン、みんな!」
すると、顔を背けられたでござる。あぁ、やっぱりいるんだ……ISが天下を取るとか、やっぱおこがましかった。
世界は広いなー。……とか言っている間に、トンネルを抜けた。それで全員の視線が窓の外へ注目。
『わぁ……!』
車内が歓喜の声で包まれた。……オレ達は運もよかった。そこには望んでいた景色があったから。
空は青く、砂浜は広く、そして白く……そして広がる入道雲は果てしなく大きい。そう、時期外れの夏が訪れていた。
◆◆◆◆◆
「みなさん、よくいらっしゃいました」
『初めまして! 今日からよろしくお願いします!』
「女将さん、今年もお世話になります」
「こちらこそよろしくお願いします。今年の一年生も、元気があって何よりです……あら」
そこで女将さんは僕と、織斑一夏に注目。まぁ男って僕達二人だけだから、それはねー。
「こちらが噂の」
「えぇ。織斑一夏と八神恭文です」
「初めまして、八神恭文です。この子達はヒメラモン、ダガーレオモン、ヘイアグモン」
「「「よろしく頼む」」」
「くぅーん」
そして頭上でひと鳴きするタマモ……もとい、タマモン。
「それにタマモンです」
「初めまして、織斑一夏です」
≪ベルトちゃんだよー。初めましてー≫
ベルトちゃんもぷかぷか浮かんで、笑顔の顔文字。女将さんは面食らって、織斑先生を見る。
「……八神のISです。どういうわけか意識が表に出て、更に待機状態もああいう形に」
「あらあら……それに四人もデジモンがいるなんて。楽しそうですね」
「楽しいというか、日々愛が重くなっています」
≪ちょ、恭文くん!≫
しょうがないでしょうが! そう言うしかないでしょうが! マジでビキニを選ぼうとして……がぁぁぁぁぁぁぁ!
「声からすると、あなたは女の子かしら」
≪そうだよー。女将さん、これからよろしくお願いします≫
「清洲恵子と申します。こちらこそよろしくお願いします」
そこで女将さんとしっかりお辞儀を返す。というか先生……やっぱり僕達、ここでも邪魔!?
いや、男二人だから、部屋も別割りって時点で察していたけど!
「……今年は二人も男子がいるせいで、浴場分けが難しくなってしまって、申し訳ありません」
「いえいえ。デジモン達もいますし、むしろいつもの営業と変わりませんから。でも……そちらが八神恭文くん」
「はい」
「いきなりで不躾ですけど、如月ミカさん……それに地尾あきまささんとはお知り合いで」
「えぇ。どちらも以前からお世話になっている方々ですけど」
え、いきなりミカさん達の名前が出るの? どういうことかと、つい女将さんの顔をまじまじと見てしまう。
「もしかして二人から僕のことを」
「そうなんですけど、あともう一つ。ミカさんから、765プロの方々をよろしくと」
「……は?」
え、765プロってなに。ミカさんから……え、どういうこと?
◆◆◆◆◆
「では私はこれで」
「おい待て。お前にも事情を」
とか言っている間に、ニンジャスカイは煙玉を投てき。足下から生まれる白煙に紛れ、この場から姿を消す。
「くそ……逃げたか」
おぉ、さすが織斑先生。気配だけで追撃不能と察したか。逆に山田先生は元気を取り戻し。
「な、何だったんですか! 結局あれは……今すぐ追撃しましょう! 八神くん、更識さん!」
こんなアホなことを言い出すわけで。それには呆れるしかなかった。
「無駄ですよ。既に半径五百メートル以内から消えている」
≪わたしのハイパーセンサーにも引っかからないしねー。まぁ大丈夫だよ、悪い人じゃなさそうだし≫
「そんな気軽な!」
「ニンジャスカイ……サイン、次はもらおう」
「あ、そうだね。全く、山田先生のせいでチャンスを逃したし」
「更識さんまでー! というか私が悪いんですか! 私が全部悪いんですか!」
――安心したまえ、少年少女達。福音は私が止めてみせよう――
おぉ、どこからか声が響く! これは……僕達が待ち望んでいたヒーローの声だ!
「「ニンジャスカイ!」」
――そう、ニンジャスカイ……しかしそれは、姿の一つにすぎない。真の名はテッキイッセンマン。悪を切り裂く一陣の旋風――
「テッキイッセンマン!? あ、まさかアカレッド的な!」
「他にも変身できると言うんですか! いろんな戦隊に!」
――……ふ――
思わせぶりな吐息に、僕達の鼓動もトップギア。……そうか、だからテッキイッセンマンと名乗ったのか!
凄い、ニンジャスカイすら一形態にすぎないのか! 僕達の世界には、そんなスーパー戦隊がいたんだ!
「どこですか……あなた、どこにいるんですか! そのISは一体なんですか!」
――テッキイッセンマンは、君達の側にいる。どうしようもない危機に陥ったとき、北東に輝くあの星を見上げるんだ――
「星なんてありませんわよ! 今は真っ昼間ですわよ!?」
――あれこそがテッキイッセンの星。見えないのなら、その星の輝きを思いながら、私の名を呼んでくれ。
トイレor食事中、または深夜以外なら駆けつけよう。あ、アニメと特撮の放送中も駄目だぞ。それ以外だな、それ以外――
「「はい、必ず!」」
「教官、更識さんもツッコみなさいよ! まず星が見えないでしょ! 星そのものが見えないでしょ!
あと、さり気なく条件が多いわよ! 深夜はお断りって言ってるわよ! 何、この俗世に塗れたヒーロー!」
――ではさらばだ! あーはははははははは! あーはははははははは!――
「「ありがとう、テッキイッセンマン!」」
僕達は北東に向かい、大きく手を振る。
「「ありがとう、テッキイッセンマン……そしてまた会おう! テッキイッセンマン!」」
「……なぁヤスフミ、テッキイッセンマン……テッキイッセンって、あれじゃね?」
「何となく、正体が読めたような」
「というかオレの知る限り、こんなアホなことを全力でする奴、世界に一人しかいねぇ!」
≪ベルトちゃん的にもビビってきたよ! でも恭文くん、本気で気づいてないんだけど! どうしようー! ねぇナレーター!≫
『黙秘権を行使します』
「やっぱりじゃねぇか! てめぇ!」
誰だろう、テッキイッセンマン……胸を高鳴らせながら、北東で輝くテッキイッセンの星を見上げる。
「簪、あれがテッキイッセンの星だ。何万……ううん。何億光年も離れた輝きと一緒に、テッキイッセンマンはきてくれたんだよ」
「バイオマンとかと同じ宇宙育ちなのかな。テッキイッセンマン……本当の姿はどんな感じなんだろう」
≪……まぁいいですか。楽しそうですし≫
≪なのなの。主様が楽しんでいるのは、ジガン的にも嬉しいの≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「そう、拍手で生まれた謎のヒーロー、テッキイッセンマンも登場です。テッキイッセンマン……何者なんだ」
古鉄≪謎のヒーローも登場ですか。激しいですね≫
恭文「まぁテッキイッセンマンやら『追跡者』やらは、今回顔見せに近いですけど。本格的出番はSeasonIIからです」
(言わば大騒動への包囲網が)
恭文「ただアルト、作者は最近気づいたんだよ」
古鉄≪何ですか≫
恭文「作者の創作、その骨子はあぶない刑事や三匹が斬るだって」
古鉄≪あぁ、ちょうど子ども時代にやってましたからね。だから今回、ランニングシーンがあるんですか≫
恭文「あとは吉本新喜劇とか」
古鉄≪土曜のお昼、毎週見てましたね≫
(古き良き時代です。……あ、プライム・ビデオであぶ刑事の映画を見よう。
本日のED:柴田恭兵『RUNNING SHOT(SHOTGUN MIX) 』)
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