作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と閃光の女神のえ〜すな日常/いんふぃにっと 第3巻経過報告:02(サンプルあり)(2016/1/23)
古鉄(A's・Remix)≪というわけで、ここからは特別書き下ろし分になります。まぁ二話だけですが≫
シャルロット「やっぱり本編八話は多いんじゃ」
古鉄(A's・Remix)≪話が進まなかったので……まぁとにかく、こちらをどうぞ≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
五月――シリアスな日々の合間でも、授業は続く。今日の通常科目は家庭科。というわけで全員で家庭科室に移動。
黒髪ショート・スレンダーな西野菊代(にしの きくよ)先生は、割烹(かっぽう)着姿で教壇に立つ。
「はい。それでは事前告知していたとおり、今日から調理実習に入ります。お料理は命を繋(つな)ぐ大原則。
果ては錬金術などにも通ずる立派な学問です。男女平等とか、時代遅れとか……そういうことは言わず! やっていきましょう!」
『はい!』
「……ヤスフミ」
「ありゃ言われたんだね、以前」
「お料理はできると、いろいろ役に立つんですが。お兄様も仕込まれましたし」
「サバイバル特訓とかでねー」
≪あぁ、恐竜がいるような島に放り込まれたんだっけ?≫
頭上のベルトちゃんがなぜか泣き顔。うん、あれは辛(つら)かった。否定できない。
「では本日のお題」
そこで電子黒板に、でかでかと表示……ふむ、初っぱなからこれか。
「ご飯と青椒肉絲、それに中華風玉子スープです」
「えー! 青椒肉絲ー!? いきなり中華って!」
「私、作ったことないよー! それにピーマンは嫌い−!」
「はい、静かにー。実は青椒肉絲は、基本さえ押さえればとても簡単にできます。
それにピーマンも下処理さえ覚えれば、美味(おい)しく食べられるんですから。
……テキストを配りますので、それを参考に作ってみてください。では手早くいきますよー!」
『はーい』
こうして楽しい楽しい家庭科実習がスタート。そう……楽しい実習の、はずだった。
◆◆◆◆◆
「……分身調理を止められたので、ペースダウンしますー。あー、疲れた−。マジ疲れたわー。昨日二時間しか寝てないわー」
「八神くん、テンション下がりすぎ! あとそれはダウンじゃなくて、うざいって言うの! でも何で、あんな速度で」
「実家は同居人も八人だった上、きちんと調理できる人間が僕とお姉ちゃんだけだから。
聖夜市の方もヒメラモン達を入れたら、十人以上で住んでるし……自然とね」
「わぁ、やすみー凄(すご)いねー」
「環境だって」
≪そうですね、慣れですよ。それはそうと≫
「分かってる」
そう言いつつ、肉に近づくセシリアへ右手を伸ばす。そうしてなぜか取り出していた香水瓶を取り上げる。はい、セシリアも同じ班です。
「ちょ、何をしますの!?」
「それはね……こっちの台詞(せりふ)だよ! 何、屋上でのことを何一つ理解してないの!? 食べ物以外のものを投入は、料理とは言わないから!」
≪セシリアちゃん、懲りてないの!? 前回のアレで駄目だしされまくったの!≫
「でも、照りが少ないですわ。もうちょっとこう」
「……おい、コイツマジで言ってるぞ」
「ある意味サイコパスですね」
シオンの言いぐさもヒドいけど、シャルルがまた恐怖しても困る。またモザイクとか吐き出しても困る。なので全力で止めよう。
◆◆◆◆◆
「ボ、ボーデヴィッヒさん……あの、もしもし?」
必死に材料を刻む中、耳に入る声。それはあの忌まわしき、白式を壊してくれた黒の名前。手を止め、教室の隅を見やると。
「何でしょうか」
「いや、あの」
「レシピは遵守します。御安心を」
「そうじゃなくてね……何で包丁を研いでるの!? 材料の細切りは!?」
そう、ボーデヴィッヒはなぜか包丁を研いでいた。しかし細切り……細切り?
「あぁ、少々切れ味が悪かったので」
「じゃあその研ぎ石は!」
「ダイヤモンドの粉末も交えた特別製です。本来ならばナイフの手入れに使うのですが……見てください」
研ぎ終わったらしい包丁……それも、家庭科室に備えられたものだ。その刃を上に向け、ピーマンを載せる。
するとピーマンは自重だけで切れていき、真っ二つとなってまな板に落ちた。
『おぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
「うむ、完璧だ」
「やりすぎよ! 包丁って言うか、どこかの名刀になってるじゃない!」
……馬鹿は放っておこう。とにかく今は材料を刻むことが大事だ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文(A's・Remix)「というわけで、特別書き下ろしの一つは、以前どこかで話した普通の授業風景。……でも、ラウラェ」
シャルロット「あの……うん、ラウラは真面目だから」
(だから桂さんと絡むと、収拾がつかなくなります。どっちもボケ方は同じ)
恭文(A's・Remix)「でもラウラがいると、いつでもどこでもボケられるから、作者的には動かしやすいキャラ」
シャルロット「わたし達には大迷惑だけどね!」
古鉄(A's・Remix)≪そんなラウラさんがまだきていない段階で起こった、グダグダも見てみましょう。こちらもまだまだ導入部ですが≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「許すも何も、巻き添え同然に来ちゃったんだもの。さすがに責めないって。
……潤乃、事情説明は後で大丈夫かな。怪我(けが)は極力なしで、頑張ってみるから」
「……うん」
「先生達もそれでお願いします。取りあえずこの人達は、あのナマモノを倒せる専門家。それだけは覚えておいてください」
そう良いながら八神は、先生達から……いいや、山田先生から顔を背けた。お前、まだ……!
「アイツら、霊体なんですよ。だからISの攻撃・防御能力も一切通用しない」
≪その上身体能力も超人級だから、組み付いても逆に壊されちゃうの≫
「……更識達の専用機でも駄目だったのは、そのせいか。だがお前達なら、対抗手段があるんだな」
「はい。なので山田先生もジッとしていてください」
「わ、分かりました……って、私を見てください! そっぽ向かないでくださいー!」
「ごめんなさい。今は、やっぱり」
「非常時ですよ!?」
山田先生、それは許してやってくれ。八神は、八神はまだ……鈴、セシリアもそんなに睨(にら)むな。これはしょうがないんだ、男の性質なんだ。
「ヒメラモン達も、進化はいいけど」
「戦闘は極力避けろ、だな。腹立たしいが承知している。あとは私達に任せろ」
「お願い。……あ、そうだ」
八神は両手を広げ。
「イグニッション」
またエネルギーを迸(ほとばし)らせ、黒白二振りの刀剣を生み出す。どちらも片刃で、鍔元(つばもと)に太極図が描かれたもの。
……そう、生み出すだ。今なら分かる、これは取り出したものじゃない。これが、魔術使いってやつなのか。
「鈴、必要なら使って」
鞘(さや)もないそれを、八神は鈴に手渡す。黒の刀身には、亀甲の紋様が浮かび上がっていた。
「干将(かんしょう)・莫耶(ばくや)……OK。教官達も気をつけて」
◆◆◆◆◆
「おらおらおらぁぁぁぁぁぁ! ……なんちゃって☆」
タマモが炎の呪術で、次鋒(じほう)の十五体を焼き払う。そこにすかさず桜セイバーが飛び込む。
その疾駆だけで、大地に刻まれる傷跡。過去の英雄(サーヴァント)はそれだけを残し、自身の姿を消し去る。
認識できないものは、存在することにはならない。量子力学の一説に基づくなら、今の桜セイバーは世界そのものから消えていた。
だからノブ達も、誰も対抗できない。その静かに忍び寄る、無垢(むく)な暗殺者を。
「はぁ!」
すかさず放たれるのは、刺突・右薙・袈裟・逆袈裟・左薙・刺突・刺突・刺突と超神速の連撃。
至近距離に突然現れた――ようにしか見えない――桜セイバーによって、奴らは逃げ場のない蹂躙(じゅうりん)を受ける。
何あれ、すっごい速い……! というかあの踏み込みと剣から伝わるイメージ、僕がこの乞食清光から受けたものと同じだ。
◆◆◆◆◆
「なら鳳さん、宝具を作ってもらって、ぼく達が使うのは。コピーっぽいし、ISサイズにしろとは言わないから」
「それは助かるけど、無理よ。宝具にはね、真名解放があるのよ」
「宝具は本来、担い手である英雄にしか使いこなせない。更に武具だけに限らず、異能力としても存在する……分身のように」
あ……多重人格で云々(うんぬん)って言ってたやつか! その分身能力も宝具だと! じゃあ武器があるだけじゃ……!
そうだ、オレ達が宝具を持っていても、持っているだけ。本来の能力を引き出すことは絶対にできない!
「ちなみにそれ、武器でも」
「武器でもだな。第四次に参加したディルムッド・オディナは、赤・黄の二槍を持っていた」
「ゲイ・ジャルグとゲイ・ボウだな。魔を断つ赤き長槍と、必滅の黄色い呪槍」
えっと、覚えはあるぞ。その槍がどこからきたか……由来もばっちりだ。
「確かゲイ・ジャルグは、養父であるドルイドのアンガスより贈られたものだ。それでゲイ・ボウが……おぉそうだ。
妖精王マナマーン・マック・リールから送られたんだよな。そうだ、これもディルムッドを代表する武具じゃないか」
「……お前、ふやけたパスタはどうした」
あれ、ヘイアグモンがすっげー驚いてる! いや、全員!? 佐田先輩とか、幽霊を見るような顔だぞ!
「いや、よく図書館とかで、昔話の本を読んでた……だったよな、千冬姉!」
「……特に古代文明やら偉人伝が好きだった。小学校に入る前のことだ」
そうそう、オレはあんまり覚えてないんだけど、そうだったらしい。
でも覚えているもんだなー、きっかけはサッパリすらなのに、ここは問題ないって。
「だがまぁ、コイツの言う通りだ。破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)は、刃が触れた対象の魔力的効果を打ち消す。
魔力で作られた障壁や、魔術そのものに対して、絶大な効果を発揮する」
「必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)で傷つけると、その傷は槍をへし折るか、ディルムッド本人を倒さない限り治らないそうよ」
それが呪(のろ)いってわけか。それも真名解放とやらをして、初めて使える異能力。
持っているだけで無意味って意味合いは、シャルルにもよく分かったらしい。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文(A's・Remix)「というわけでサーヴァントが跳梁跋扈する世界で、楽しくサバイバル。もっと言えば僕がドラえもんの立ち位置」
シャルロット「……ホント、その通りだよね。やすえもんー」
恭文(A's・Remix)「うんうん、なんだいシャルロットくん」
シャルロット「御主人様がツンデレで素直じゃないんだけど、どうすればよくなるかなー。本当はわたしというメイドにデレデレなのにー。
わたしを夜のメイドさんにしようと、虎視眈々と狙ってるのにー。ほんとひどいー。ていうかキモい−。そもそもわたし、御主人様とはビジネスライクなのにー」
恭文(A's・Remix)「そっかー。シャルロットくんは、一度病院へ行くべきだね。頭がよくなる病院に」
シャルロット「ひみつ道具を出してよ! なにわたしが可哀想って体で進めてるの!?」
恭文(A's・Remix)「それではみなさん、第三巻をなにとぞよろしくお願いします」
シャルロット「無視するなぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
恭文(A's・Remix)「そう、その声色! シャルロットはやっぱりツッコミがいい!」
シャルロット「しゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
(というわけで、なにとぞよろしくお願いします。
本日のED:柴田恭兵『RUNNING SHOT ~shotgun mix~』)
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