作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第39巻経過報告:01(サンプルあり)(2015/11/29)
古鉄≪というわけで、幕間第39巻が2015/11/30から販売開始です。みなさん、どうぞよろしくお願いします≫
恭文「よろしくお願いします。今回は十話収録……そのうち二話は、小説のパイロット版に掲載しております」
(その分挿絵が集中しておりますが)
恭文「それではまず、幕間本編の方……今回も密度濃くいきます」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
事務所対抗バトルトーナメントまで、あと一週間。私達876プロメンバーも追い込みとなった……でも諸問題が幾つか。
一つ、未(いま)だにエレオノーラ先生からの返事がない。二つ、未(いま)だに四人目のメンバーが決まっていない。
というわけで事務所の会議室に全員集合、早速どうするかお話です。……もう夕方だけど、お仕事終わりだから。
「さて、まずは現状確認からね。愛、涼、絵理、ガンプラの方は」
「はい! ボールは絶好調! 予備パーツも大会に向けて作っている最中です!」
「僕も同じくです」
「二人に同じく? パピヨンもいい感じ」
「そう。で……まず懸念事項の二つ目、四人目のメンバーだけど決まったわ」
『えぇ!』
石川社長がいきなり、朗報を持ち込んでびっくり。でも嘘(うそ)はないらしく、自信満々に頷(うなず)いてきた。
「まぁ尾崎プロデューサーに頼めればよかったんだけど」
「す、すみません。私はさすがに……秋月プロデューサーみたいに、アイドルとしての知名度も今はないですし」
「でも社長、あたしが聞いた話だと……ガンプラが作れて、大会に出られるだけのスキルを持った子って」
「というか、そもそも興味があるかどうかって話でしたよね。それでなおかつ、僕達876プロメンバーとも……あれ?」
「えぇ、そうよ。涼、あなたが想像した通り……入って」
「失礼します!」
そこでツーサイドアップな長髪を揺らしながら入ってきたのは、私達もよく知る女の子。それで涼さんが驚いて立ち上がる。
「ゆ、夢子ちゃん!」
「やっほー、涼ー。……というか、水くさいわねー。困っているなら相談してくれればいいのに」
「いや、そう言われてもその、社長に一任という形でしたので」
◆◆◆◆◆
ティアとシャーリー、ギンガが戻ってきた。一応ごちそうは用意……ただヤスフミはいない。うぅ、そうだった。
今日は雪歩ちゃんと、トーナメント打ち上げの準備だった。えっと、お店に下見だったよね。
ついのろけていたけど、もっとしっかりしなきゃ。ガッツポーズをしつつも、まずはみんなで。
「ティアナちゃん、シャーリーちゃん、本戦出場おめでとうー! かんぱーい!」
『かんぱーい!』
「「あうー♪」」
乾杯です。アイリ達はまだ早いけど、雰囲気から楽しげなのは伝わったらしく、ベビーベッドで拍手をする。
「ありがとうございます。というわけでともみ、りん、来週はよろしくね」
「お手柔らかにー」
「ううん、こちらこそ……でもりん、ガンプラは」
「もう完成してるよ。まぁ中身については当日のお楽しみだけど」
「そっか。じゃあえっと、試合映像を見ながらご飯を食べて」
『いやいやいやいや!』
あれ、みんな揃(そろ)って止めてきちゃった。でもエリオとキャロは、私と同じように首を傾(かし)げる。
「みなさん、どうしたんですか」
「試合の様子、気になっているんじゃ……あ」
「ですよ、エリオ、キャロ……半同居人ですけど、りんさん達はトーナメントで戦うライバルなのです。事前情報を与えるのは協定違反なのですよ」
「「そうだったー!」」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ! そ、そうなの!?」
「……フェイトちゃんまで」
それでフィアッセさんが私の肩をぽんと叩(たた)き、軽く涙ぐむ。あれれ……どうしてー! どうして私が可哀想(かわいそう)って感じになってるの!?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、りま、スズに続いての矢作さんボイス、参戦です」
りま「恭文、私の声が好きなの? だったらいっぱい……たくさん、囁いてあげる」
恭文「そういう話はしてないよ!?」
りま「……じゃあ、嫌い?」(瞳うるうる)
恭文「極端すぎない!? ていうかシチュエーションの話なのに!」
(突然の登場も、いつものことです)
りま「とにかく、時間のかかるトーナメントに突入……どうするのよ、これ。
もうあれじゃない、最強トーナメント編だって何年もかかったのに」
恭文「なのでさくさくと進めるつもりだよ。そう、逆を言えば能力バレしている、既存キャラが弱体化という」
古鉄≪よくある話ですね≫
(『待ちなさいよ! それは駄目な展開でしょうが!』)
恭文「ただトーナメントばかりじゃありません。ついにあの十四人が集結します」
りま「アキバ」
恭文「それは四十八人だね」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『島村さん、彼女は試合に関して、こうも言っていました』
――今回のトーナメント、私をよく見ているように――
『……と』
……意味がよく分からなくて、首を傾げてしまう。でもなんだろう。
今まで感じたことがない、異質な恐怖に襲われてしまう。
「どういうことでしょうか」
『私も古武術をやる関係で分かるのですが、試合の際一番怖いのは……知らない技をかけられることです』
いきなり古武術!? いや、でも……そうだ、これが戦(そよ)いであることには変わらない。
だからプロデューサーさんの言葉はとても重たく、つい背筋が伸びてしまうほどだた。
『咄嗟(とっさ)にでは、完全な対策を整えることができない。しかし一度場に晒(さら)された技は違います。
現代のように録画・再生技術も発達していれば、何度も繰り返し見ることで対策は可能』
「理屈は分かります。私もその、恭文さんと初めてバトルをしたときとか……マーキュリーレヴにはびっくりしましたし」
『……知らないことが必殺の条件なら、その条件を省く研究・対策は絶大なカウンター。
ガンプラバトルで原作知識も重要視されるのは、相手の『必殺』に対する防御手段とも言えます。それがたとえ、奥義だったとしても』
「それって、つまり」
『彼女はあなたに、『自分の対策をしろ』と言っています』
……その言葉で、何が怖いのか理解できた。私を馬鹿にしているとか、そういう話じゃなかった。
ほしなさんは現段階でも、余りに堂々としている。私の存在に対し逃げることも、言い訳もせず、ただ受け止めようとしていた。
どうして、そこまでできるの。対策ができないと、やっぱり馬鹿にされている? ううん、違う。
それなら、こんなに怖くならない。でも意図が分からなかった。
◆◆◆◆◆
「「わー!」」
近づいてくる子達が二人……小学校高学年くらいかな。
一人は黒髪ショートで、短い二つお下げを作っていた。それで白いシャツにショートパンツ。
もう一人は金髪ロングのツーサイドポニー。半袖・ニットという制服スタイルだった。
その子達は私と凛ちゃん達、それに恭文さんとヤナさんを見て、とってもいい笑顔。もちろん一番に注目するのは、朝比奈さんです。
「あ、朝比奈りんちゃんだー! 本当に大きいー!」
「……うちのお母さんよりゆさゆさかも」
やっぱりそこですかー! しかもストレートだし! プロデューサーさん……わ、すっごい困ってる!
先輩に対しての態度としてはアウトだし、注意したい……でもできなくて困ってる! 視線が泳いでるもの!
……だからそこで朝比奈さんが、恭文さんから離れて二人に右チョップ。それも本当に軽くです。
「「あた!」」
「こら、業界の先輩なんだから、まずは挨拶からだよ。あと不用意に女性のスタイルに触れない、気にしている子もいるんだから。……はい」
「「ごめんなさい……えっと、初めまして!」」
「ん、初めまして。朝比奈りんです。えっと」
「わたし、赤城(あかぎ)みりあです! もうすぐ小学校六年です!」
ショートカットの子はキラキラな瞳で、元気よくガッツポーズ。小六……れ、おかしいなぁ。
四〜五年くらい前、通った道なのに……なぜか眩(まぶ)しい。私、この間に汚れてしまったのだろうか。
「アタシは城ヶ崎莉嘉! もうすぐ中学一年だよ! ……ねーねー、お姉ちゃん達もシンデレラプロジェクトだよね!」
「えっと……そうだよー。初めまして、本田未央です」
「島村卯月です」
「渋谷凛、よろしく」
「わぁ……十四人じゃなくて、十六人だったんだねー! 凄(すご)い凄(すご)いー!」
あれ、十六人? いつの間に増員したんだろう。純粋なみりあちゃんの笑顔と言葉が引っかかっていると。
「城ヶ……崎? ていうか、あれ」
凛ちゃんは別のことに引っかかっていた。首を傾(かし)げまくったもの。
◆◆◆◆◆
「むぅ……莉嘉ちゃん、木登りなんて危ないにゃ」
次にきたのは、クリーム色のワンピースを着た女の子。八重歯とバラのカチューシャ、ショートカットの柔らかな髪が印象的。
でも、それ以上に引っかかるのが……今、リアルに『にゃ』とか言ったことだろうか。
「「「にゃ?」」」
「初めまして、前川みくにゃ。みんなは何キャラでいくの?」
そう言って前川さんは、猫の手でポーズ。猫、猫、猫……は!
「「「猫ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」
「にゃ!? にゃ、何なんだにゃ! いきなり大声はびっくりするにゃ!」
「……そうだよ。この子が前に話した『猫』だよ」
「恭文ちゃんのせいにゃ!? みくの知らないところで、一体何を話したにゃ!」
「「「恭文ちゃん!?」」」
「猫とだけ」
「もっと詳細に説明するにゃー!」
ほんとですよ! 猫っていうか、猫キャラってことですか! さすがにびっくりですよ!
それともこの驚きが大事だから、放置していたんですか!? そういうことなんですかー!
「あー、でもよかったよ。実はさ、おのれに紹介したかった人がいるのよ……今ここに」
恭文さん、無視ですか! ツッコミスルーですか! 前川さん、猫みたいに『ふしゃー!』って唸(うな)ってますけど!
「ヤナさん」
「あ、はい!」
そこでヤナさんが何かを察し、あるものを取り出し見せてくる。……それは黒ぶちの猫……を模したガンプラだった。
それだけで全てが通じたのか、前川さんは踏み込みガンプラに注目。莉嘉ちゃん達も目を見張る。
「わぁ、可愛(かわい)いー! 莉嘉ちゃん、猫さんだよー!」
「ほんとだ! え、これどこで売ってるの!? 莉嘉も欲しいー!」
「いえ、これはニャイアガンダム――私が作った、オリジナルガンプラです! ……にゃ!」
「「「「にゃ!?」」」」
二人目! 二人目ですか! だから紹介したかったと。猫キャラ同士仲良くなれると……というか、通じ合えると。
いや、現時点で通じ合っている。前川さんはぼーっとした顔で、ニャイアガンダムを見つめていた。
「オリジナル……ということは、改造で」
「はい……にゃ! 元はHG ガイアガンダムです……にゃ!」
「でも、塗装も奇麗で……これで、バトルとかするにゃ!?」
「もちろんです! ……にゃ!」
ヤナさん、無理していません!? こう、『にゃ』が無理やり付け加えたみたいになっています! 『にゃ』に違和感しかありません!
「でもでも、壊れたら」
「壊れたら何度でも直せばいいです……にゃ!」
「ヤナさんもトライアンドエラーで、そういう技術を積み重ねてきたから。……みく、知っている?
プロと素人の違いは、『一万時間』練習したかどうからしいよ? ようは積み重ね」
「一万、時間」
サラッと出てくる格言……その言葉に莉嘉ちゃんも、みりあちゃんも、私達も胸打たれる。
積み重ねなければ、一歩踏み出さなければ、新しい世界は見えない。新しいことを始めるのが苦手な、私には突き刺さる言葉です。
でもそれは、前川さんも同じかも。踏み出さなければ、迷ったままでは、到達できない世界。
だから手を伸ばす。そっとニャイアガンダムを撫(な)でてから。
「自己紹介が、遅れました。……前川みく、です」
「初めまして、クラモチ・ヤナです」
「クラモチさん……ヤナさん……いいや」
ヤナさんに対して跪(ひざまず)き。
「師匠ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
『師匠!?』
変な方向へ踏み出したぁ!? いや、違う……踏み出したっていうか、土下座した! 跪(ひざまず)いたっていうか、土下座した!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「以上、幕間その143から抜粋です」
りま「……なによ、この濃い連中」
恭文「まぁ否定はしない。シンデレラプロジェクトメンバーの初登場シーンだけで、六千文字くらい使っている罠」
りま「ヤナさんと絡ませたりするからよ」
(でもビルドファイターズとも絡んだ本編世界だから、絶対にやりたかったコラボ)
恭文「そうそう、大事なことを……グーグル翻訳を用い、とあるキャラは一部ロシア語になっています」
りま「ロシア語、ですって」
恭文「カタカナで表記という手もあったけど、発音がよく分からなかったのでこういう形に」
(エムペだと文字化けするだろうなぁ。試しに掲載してみよう……それ!
『С наилучшими пожеланиями――Анастасия』
前川未来(CV:高森奈津美)『おねだり Shall We〜?』)
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