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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第38巻経過報告:03(サンプルあり)(2015/10/29)






恭文「というわけで、サンダーボルトアニメ化も決定して作者がワクワクですが」

古鉄≪HGも四作で止まっていましたが、このためだったんですね。
……まだまだプラモ化していない機体も多いですし、南洋同盟とのいざこざも原作では序盤。
恐らくは宇宙編で一区切り……というところでしょうか≫

恭文「第二部の機体はまだまだ先かなぁ。アトラスガンダム、ガンキャノン・アクア、ダリルが乗ったアッガイといろいろあるけど」


(南洋同盟のザニーもありますね)


恭文「心がぴょんぴょんしつつも、続いてのサンプル……次は実質16話と17話なISクロスパイロット版と、特別書き下ろしです」

古鉄≪ただ特別書き下ろしの一つ『偽善の報酬』はサンプル版として『とまとパイロット版』に登場しています。なので今回はもう一つの方から≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


前回のあらすじ――ふりかけの絡みでトラブルが起きましたけど、何とか解決しました。

まだまだ楽しいお食事タイムは続きます。それで続いて、四条さんが持ち出してきたのは。


「ではここからはやや緩めに……あなた様も少し触れていましたが、ふりかけには高級路線も存在します」


そこで四条さんが取り出したのは、明らかに高そうなパッケージ……風格から違いますー。


「その中で特に有名なのは、この錦松梅(きんしょうばい)でしょう」

「やっぱきたかー。えー、これはB5サイズとB10サイズとあって、前者が九一グラム入りで税込み五四一円。
……ちなみに瑞樹さんいち推しのソフトふりかけちりめん高菜は、二八グラムで一〇〇円前後」

「そ、それでも高いですー!」

「ワンランク上の味って感じだね。き、緊張してきたかも……その、ありがとうございます」
「よいのですよ、渋谷凛……みなさんもそう気構えず。これもちょっとした『さぷらいず』です」


戸惑い叫び、つい凛ちゃん達と身構える。これこそ正にごちそう……慎重にご飯へとかけて、一口頂く。

……思っていたよりもとてもシンプル。でもシンプルだからこそ分かる、丁寧な作り。それに、香りが……香りがとてもいいですー!

プロデューサーさんの七味もそうでしたけど、ふりかけって香りでも楽しむものなんですね。これは新しい発見です。


「……これは、本当にふりかけなの?」

「やっぱり私は、ふりかけを誤解していた……!」


凛ちゃんと未央ちゃんのみならず、春香さん達もざわざわ。確かにワンランク、違っていました……!


◆◆◆◆◆


「発売から半世紀の大定番――すき焼きです!」

「これは見たことがあるよ。そういえば学生時代、友達の家で食べて驚いたなぁ」

「そうなんです! 私も今西部長と同じで……ふりかけなのに、肉なんですよね! もはやおかずという領域で!」

「そうそう。それまでのりたまとか、魚介系しか知らなかったから、それだけでも衝撃的だったよ」
「……告白します!」


そこで突然茜が挙手。手をプルプルと震わせ、一気に立ち上がった。


「実は私、ホカホカご飯が好きで……実はちょくちょく、炊飯器も利用していました!」

「そうだったのかい! あれ、だが君はプロデューサーや高垣くん達と違って」

「その、みなさんが怒髪天を突く勢いだったので、止める方に感情がシフトして」


あぁ、なるほど。それならしょうがないと、今西部長達も納得する。とにかく茜は我慢し切れない様子で、渡されたすきやきを嬉(うれ)しそうにかける。


「基本はそのままのご飯が好きなんです! でも一つ例外が……それがこのすきやきなんです!
というかふりかけなら、これしか食べてなくて! お肉なんですから!」

「その気持ちはよく分かるよ。……今だといわゆる肉系ふりかけもそう珍しくはない。ほら、牛とろフレークってのもあるでしょ」

「あ、それなら美希、先週の生すかで食べたばっかりなの! 春香と千早さんも!」


あぁ、あったあったー。あれは三人とも大絶賛だったなぁ。……あ、一応補足しておこうか。


◆◆◆◆◆


「……のりたまと言えば、私も家以外でよく食べていたような」


そこで武内さんが怪訝(けげん)な顔をしながら、右手で口元をなぞる。いや、それは楓さんと瑞樹さんもだった。


「武内プロデューサーも、ですか? 実は私も」

「ついこの前まで、凄(すさ)まじい量を食べていたような……でもどうしてかしら」

「……恭文さん、お願いします。まゆには無理です」

「うん、分かっている。分かっているから、そんな泣きそうな顔をしなくてもいいよ?
えっと、三人はあれでしょ。『さくら水産』のランチで食べ放題アイテムだったから」

「「「……それだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」


やっぱりかー。ただ嬉(うれ)しい話でもない……三人ともテンションも高く、こっちを指差しするもすぐに落胆。


「そうでした……ですが、増税の影響で」

「儚(はかな)く食べ放題は、消えてしまったの」

「分かるわ、経済そのものが私達の敵だって」

「蒼凪プロデューサー、度々すまんが……いや、さくら水産は分かるんだ。確か居酒屋だったね」

「そうです。ただ『海鮮物居酒屋 さくら水産』はお昼時に、ランチメニューを出していまして……これ自体は珍しくないんです」

「そうだね。私も外に出たときなど、居酒屋のランチには助けられるよ。安いんだよねぇ、あれ」


……っと、さすがに春香達はさっぱりか。学生組のお昼となれば、普通はお弁当かコンビニ、ファーストフードだしなぁ。


「未成年のメンバーも多いので一応説明しておくね。居酒屋のランチはボリュームが多く、価格も今西部長が仰(おっしゃ)られたようにわりと安めなんだ。
さくら水産の場合、ご飯・みそ汁おかわり自由。板ノリ・生卵・お新香食べ放題で税込み五〇〇円。
……しかも海鮮物居酒屋を銘打っているので、マグロのたたきやサーモン中落ちなどの魚介系も日替わりで揃(そろ)えている」

「安いね! 大体のところは六百円だと思うんだが!」

「いわゆる『早い安いそこそこ美味(うま)い』を地で貫き、増税後もその価格はキープしています。
えぇ、しているんですけど……ひっそりと、かけ放題だったふりかけが消えました」


……そこで全員が状況を察し、嘆く三人を見る。でも独身で外に出ることも多い武内さんはともかく、楓さんと瑞樹さんも何て。


「なお厳密に言えば、のりたまじゃないんです」

「なんだってぇ!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


あむ「あ、ふりかけ話なんだね……って、のりたまじゃないってなに!? ほら、武内さん達!」

恭文「続きはググって!」

あむ「アホかぁ!」


(げし!)


恭文「Break the Chain!?」

あむ「宣伝するかと思ったらググれってなに! 馬鹿じゃん!」

恭文「お、奥ゆかしさゆえに」

あむ「それは奥ゆかしさとは言わないから! ……でもふりかけって、こんなに身近だったんだ。
今西部長達もちょいさっぱりっぽいし、あたしも実はあんまり」

恭文「それは聖夜市や346プロが都内に属するからだよ」

あむ「え、どういうこと!?」

恭文「そこもやっぱり本編で。ただひとつ言えるのは……ふりかけ、半端ないです」


(そして今更青い古き鉄に設定追加。
追加設定:旅先で地元のふりかけや食品を集めて食べるのが好き。
……思えば好物をチキンラーメンにした辺りから、片鱗はあった)


恭文「とまとがめしばなとか、いわゆる庶民グルメの話が多くなっていくのも必然だった」

あむ「どういうことなの……!」

恭文「そしてISクロス……一巻の方も書き下ろしとかで追加シーンをつけているため、いろいろ変化が出ています」

あむ「どういうことなのー!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「その事情と八つ当たりで、セシリアや鈴まで巻き込まれたんだ。だったらこれはもう、オレ達姉弟だけの問題じゃない」

「……そう、だな。だが単純にそれだけではないぞ、恐らくボーデヴィッヒは」

「トーナメント前だからこそ、専用機持ちな二人を狙った……だね」


篠ノ之箒の言いたいことは分かるので、先んじて結論に触れる。すると篠ノ之箒は驚きながらも、困り顔で頷(うなず)いた。


「トーナメント前だからこそ? 何だそりゃ」

「イチカもトーナメントがただのお祭りじゃなくて、勉強成果や就職に関わる問題なのは知ってるよね」

「箒にも教わったからな」

「でもあたし達専用機持ちには、もう一つ役割があるの。……各国が誇る専用機、その性能を公の場でアピールすることよ。
それもトーナメントという、『無敗連勝が優勝条件』という厳しい中で。これもまた代理戦争ってわけよ」

「モンド・グロッソとはまた違う形ですけど。でも、そこでわたくし達が出場できなければ……専用機がそれほど損傷してしまえば」

「おいおい……それはただの妨害工作じゃないか!」

「だからそう言っていますわ」


そこまでは考えていなかったようで、織斑一夏は憤慨。……出られなければ、アピールはできない。

それはイグニッション・プランでにらみ合いを続けている中、有利な材料となる。特にイギリス政府はね。

ティアーズ型は実用化で一歩リードしているから、それで優位を取ったとなれば影響だってある。


だからドイツ政府もこれは黙認するでしょ。実際ラウラ・ボーデヴィッヒは強いし、今は手段も選んでないと……馬鹿らしい。


「更にトーナメントは学年別だし、専用機持ちも総数から比べると少なめ。が……ここで引っかかってくるのが、今年の一年。
おのれや僕も含めて、現在稼働中の専用機は六機。三年は一人、二年だと二人なのに」

「つまり、オレ達の学年だけライバルが多いってことだよな。……あ」

「だから徹底的に叩(たた)こうとしたんだよ。アピールができないだけじゃなく、優勝できる確率だって増えるから。
仮に勝負がつかないとか、途中で終わったとしよう。それでも相手との実戦情報をきっちり得られるから、やっぱりお得なのよ」

「ボーデヴィッヒやデュノアはあたし達より遅れて転入しているし、準備期間も短いわ。専用機持ち同士の練習や模擬戦は、それを埋めるのに最善手ってわけ」


単なる仲良しこよしだけではない。それは織斑一夏も分かったようだけど……そこで気づく。一瞬シャルルの顔に青いものが差した。


◆◆◆◆◆


ほーんと……生徒会長って忙しすぎ。ううん、今年はって言うべきかしら。一年生の専用機持ちは揃(そろ)いも揃(そろ)って跳ねっ返り。

まぁこっちの不手際も大きかったから、何とも言えないところだけど……でもねぇ、そうじゃない騒動もあるわけで。

入学からふた月も経(た)ってないのに、今度は私闘事件よ。先輩兼生徒会会計なメイドさんに、報告を受けてもう頭が痛いのなんのって。


せっかく淹(い)れてもらった美味(おい)しい紅茶も、味が半減よ。


「で、白式は修理不可能と」

「少なくともトーナメントが開催されるまでには。まだサポート体制を整えている最中だったので」

「八神恭文くんの疾風古鉄と違って、あっちは完全新規だものねー。しかも急ごしらえだから……はぁ」

「お嬢様、ため息をつくと幸せが逃げますよ」

「はーい。でも虚もそろそろ、眉間にシワを解除した方がいいわよ?」

「え!?」


私をお嬢様と呼ぶ、眼鏡に一つ三つ編みのこの子は――布仏虚(のほとけ うつほ)。

そう、今年入学した布仏本音ちゃんのお姉さんで、私の家とは深い付き合いがある。その関係で現在お怒りよ。

だからからかいつつ指摘すると、虚は慌てて眼鏡を外し、眉間をさわさわ……シワが寄るの、嫌なのね。


「で、当のラウラ・ボーデヴィッヒには」

「同クラスのセシリア・オルコットさん、及び凰鈴音さんからの情報提供で、彼女の過失と国辱は明らかでしたので。
織斑先生達で厳重注意はしていますが、どこまで反省しているかは。実際白式がこれですし」

「そっかー。でもその子、織斑先生にはイエスマンなのよね」

「なのでトーナメントまで、また暴れることはないかと」

「それは救いかぁ」


生徒会室のデスクに座りながら、空間モニターを展開。問題のローゼンメイデンをチェックするけど、またいかつい経歴ねぇ。


◆◆◆◆◆


「タッグトーナメントになるそうだな」


向こうから話しかけてきたので、足を止める。さすがに耳が早い……まぁ注目せざるを得ないよね。既にAICの弱点は露呈してるもの。


「でもパートナーが見つかりそうもなくてさぁ、一年の大半は蹴っちゃったから」


え、どうしてそうなったか? そりゃあ保健室に来ていた馬鹿どもを、一気に断ったからだよ。あははは、ぼっち決定かもー。


「だろうな。貴様の強さに追いつける者など、早々いるはずもない。……教官と同レベルの身体能力、どこで身につけた」

「デジモンやらと殴り合いもあったおかげでね。というか、その言葉はおのれに返したいな。
たとえ世界が止まったとしても、動き出せる自信はあるんだよね」

「当然だ。そして貴様もな」


そう、僕達は動き出せる。たとえ世界が止まったとしても――動けるのは自分一人、そういう自負を自らの強さに持っている。

だからこそ今、組む相手に困っているわけだけど。専用機持ちはもういないしなぁ……一人を除いて。


「なら一緒にやる? 少なくとも僕達は強く、お互いの足を引っ張ることもない」

「お、おいヤスフミ!」

「本気……ですよね。えぇ、妥当です……妥当ですが」

「確かにな。だが断らせてもらおう」

「理由は」

「貴様と同じだ」

「……そうだね」


納得しつつ、僕達は一歩踏み出す。それだけ分かればもう十分……どうやら僕達は似たもの同士らしい。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「そして始まるタッグトーナメント……白式はやっぱり入院」

あむ「やっぱり使いにくいって、アレ!」

恭文「もういっそ装着は九十九秒限定にして、金色に塗るのはどうだろう」

あむ「それはアレじゃん!」


(がーおー)


恭文「じゃあ一分限定のリミットブレイクモード? 名前は『一刀修羅』で」

あむ「それはアレじゃん!」


(OPは酒井ミキオさんですね、分かります)


あむ「それ以前にあれって、めちゃくちゃ鍛えて剣技も磨き上げてようやく……でしょ? 一夏さんには無理だって」

恭文「だよねぇ」

あむ「……そう言えばアンタ、ああいうの使わないよね。クライマックスフォームとか、神速はあるけど過剰には」

恭文「え、だって使い終わってグダーってしているところで、追撃がくるんでしょ?」

あむ「そうきたかー!」

恭文「もっと言えばドラクエVIIのラスボスみたいに、何回も何回も復活して、最後はゾンビになって」

あむ「ゲーム!?」


(青い古き鉄、そういうことに備えて余力は残す戦い方を心がけています。
……心がけています……心がけならいいんです)


恭文「そう、心がけは大事だよ。現にメルとまも、ラスボスを倒した後でフェイトから骨を折られ」

あむ「追撃ってそういう方向もあり!?」


(『ふぇ!?』)


恭文「とにかくまだまだあるよー。サラッと新キャラも登場したり」

あむ「新キャラ!?」

恭文「モブとも言う」

あむ「こら待て!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ぼっち……ぼっち……ぼっちは死ね。日本(にほん)というのは、ぼっちに厳しい。なのでそんな現実からは逃げよう。

実質でベッドに座り、モノドラモンを抱っこして、モニターとにらめっこ……あぁ、特撮ってすばらしい。

なお現在見ているのは、仮面ライダー555。井上敏樹先生の最高傑作だと思う。


いろいろ考えてはしまうけど、やっぱり555は夜のバトルが映えてカッコいい。この時点で一位は決定だと思う。


「かんざしー、どうするんだよー。友達いないしー」

「集中して」

「お、おう」


……自然と取り出すのは、待機状態の打鉄弐式。シルバーとメタリックブルーに彩られたバックル型。

右側には展開式のスロットが飛び出し、それがアシンメトリーのかっこよさをかもち出す。

すると私達の脇から、ミニカーサイズのバイクが出現。赤白で彩られたそれは、ベッドの上から空へ飛び出し、そのまま虚空を噛(か)み締め走る。


「でもほら、【シグナルライジング】も気にしているっぽいしー。月村重工のえっと……あの、おっぱいの大きい人」


周囲をぐるぐる走るシグナルライジングは気にせず、モノドラモンの首を左腕で絞め上げる。


「ぐぇ!?」

「月村忍さん……名前は、ちゃんと言おう。いいね?」

「ごめん……!」


いい返事がきたので、力を緩めてあげた。……別に、大きいことについては考えていない。

確かにお姉ちゃんより大きいし、奇麗だったけど。でも違う……大きいと重いだろうし、動きも鈍くなるだけだから。

羨ましく何て、ないんだから。でも……もうちょっとだけ、あってもいいと思う。


「かんざしお手製の【ネクストシステム】だって、すっごく評価してくれてさ。よければスポンサーにって言ってくれたし」

「……でも、まだ完成には程遠い。それに月村重工はIS開発では新興。
倉持技研ほどの実績もないし……というかその話はまだ内緒」

「うん……そうだよなぁ。そうなったら、さすがに打鉄弐式を持ち出したりは」

「できないよ。開発を完全に放棄したとも言えないし」


◆◆◆◆◆


みんな一緒に部屋を出て、僕はリンの部屋へ。そしてタマモはひょいっと飛び、僕の頭上へ。


「くぅん♪」

「ん、タマモは一緒だね」


タマモを優しく撫(な)で……人型もいいけど、こういうときのタマモも実は好き。何かこう、いつもと違って全部受け止められるから。

体格差的に、甘えられるとそのまま押し倒されちゃうからなぁ。というわけで、まずは軽くノック。


「はーい」


あれ、リンの声じゃない。これはルームメイトの……そこで金髪ロングな青目少女が登場。

胸元の開いた赤いシャツ、更にハーフパンツという出(い)で立ちで、明らかに部屋着。

そしてフェイトレベルのオパーイを揺らし登場するものだから、つい息を飲む。


「……あれ、八神恭文くん!? 初めましてー!」

「初めまして……えっと、凰鈴音さんはいますか?」

「また他人行儀なー。鈴から聞いてるよ? 鬼のごとくしごかれたーって。
……あたし、ティナ・ハミルトン! 鈴のルームメイト! よろしくー!」


そして全力のハグ……こ、この圧力は半端ない。というか漂うコロンの香りでちょっとドキドキする。


「よ、よろしくお願いします」

「くぅん! くぅくぅーん!」


タマモ、落ち着こうか。飛びかかるのとか駄目だから。アメリカ式でしょ、この挨拶。


◆◆◆◆◆


「それはそうと織斑先生」

「まぁその辺りは、八神と制服デートをしたときにでも話すといい。
……安心しろ、山田先生。私は担任として全力で応援する」

「何でそこだけは知っているんですか! あ、あれはその……いいんです!
飽くまでもプライベートですから! ハニトラするつもりもありません!」

「まぁ落ち着け、言いたいことも分かる」


コーヒーを淹(い)れ終えたので、山田先生の前にカップを置く。


「……どうして急に、トーナメントの形式変更をしたか、だろう?」

「えぇ。私も寝耳に水で」

「私も今日、聞いたばかりだ。原因はこの間の無人機騒ぎ……学園上層部はより実戦的な場が必要になると判断した」


山田先生はカップを受け取り、静かにコーヒーを飲み始める。それで緊張気味の表情が僅かに緩んだ。


「今年はイレギュラーも多いからな。織斑と八神、それに伴って各国がここぞとばかりに専用機持ち(ルーキー)達を送り込んだ。
先日のようなことが、また起こりかねない……そうなった場合、残念ながら教師部隊だけでは対処し切れん」

「ハッキングの件、やっぱり対策が」

「全くのお手上げ状態だ。そもそも学園のISまで掌握されたのでは、文字通りの魔導師(ウィザード)でもなければ」

「です、よね」

「それで……備えとして、一つ考えていることがあってだな」

「何でしょう」

「一年の専用機持ち達でチームを作ろうと思う。八神をリーダー、ボーデヴィッヒがサブリーダーだ」


山田先生がコーヒーを飲んでいる途中でむせる。幸い零(こぼ)すことはなかったが、苦しげにカップを置き直した。


「おいおい、大丈夫か」

「ど、どういう……ことですかぁ! それも学園上層部からの」

「そうだ。各学年でも専用機持ち及び代表候補生のチームは組まれる。……だがこちらはさほどアテにできん。
先日のように学園のISが掌握された場合、代表候補生はほとんどが無力化される。だが専用機は違う」

「確かに先日も、疾風古鉄や甲龍達はハッキングを受けませんでした。あ、だから一年の専用機持ちが中心に」

「あの六人……できれば七人になるが、連携戦がいついかなる状況でも取れるように準備すること。それが上層部の決定だ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



あむ「いやいや、ティナって誰!」

恭文「アニメには出ていない、鈴のルームメイトだよ」

あむ「そっかそっか……恭文、ちょっと話をしよう」

恭文「なんで!? 僕が関するところじゃないんだけど、これ!」

あむ「うっさいし! アンタ、やっぱりああいう子が好みなんだよね! おっぱい好きなんだよね! もう否定できないじゃん!」

恭文「だからなんでじゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


(現・魔法少女、お怒りです。……というわけで幕間第38巻、何卒よろしくお願いします。
本日のED:シド『モノクロのキス』)





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