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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と彼女達の崩壊 第4巻経過報告:02(サンプルあり)(2015/10/21)


古鉄≪というわけで本日発売となりました。とある魔導師と彼女達の崩壊最終巻です。みなさん、なにとぞよろしくお願いします≫


(よろしくお願いします。……そして、遠くにはハロウィン・プリンセスの画像を前にドキドキしっぱなしな二人)


恭文「……まだ二人がドキドキしっぱなしだけど、気にせずにいこうか」

古鉄≪そうですね≫

セシリア「蒼凪さんもツッコんでくださいー! うぅ……分かりましたわ! それならこのわたくし、セシリア・オルコットもこの格好を致します!」

恭文(A's・Remix)「……え」

セシリア「は、恥ずかしいですけど……恭文さんが喜んでくれるなら、わたくしは」

恭文「ツッコまずに進めていこうー。とにかく六課はぶっ潰れたわけで……どうしようか」

古鉄≪逃げません?≫

恭文「できたらいいよねー」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


”ヴィヴィオの出自は今言ったように黒い。となれば欲しかったのは、聖王の生態データ”

”それがあって初めて動かせるものがあると。うん……納得したよ。そのヴィヴィオは”

”無事です。ヘリが攻撃された件から、もしやと思って連れ出して正解でした。ただ急がないと”

”彼らはヴィヴィオを血眼になって探す。そのためにまた事件を起こすかもしれない”

”えぇ。モノが大きければ痛手も……その勢いで、『ゆりかごに頼らなくても管理局を潰す』かもしれない。
もちろん事件解決後、ヴィヴィオの立ち位置がどうなるかってとこにも……だからお願いします”


痛みを測るためにも必要か。……それがスカリエッティの切り札で、しかもヴィヴィオが聖王のクローンなら納得できる点も多い。

雑踏の中、人にぶつからないよう注意しつつも考え込んでいく。こういうのは研究者の性と言うべきか。


”それなら明日まで待って。僕も監視対象にあるみたいだし、バレないよう調べるのは骨が折れるけど”

”大丈夫ですか?”

”恐らく何らかの調査依頼もくるだろうから。そのときはまぁ、元々深く知っていたことにする。それで君は”

”今回の事件、ある種の思想を形にするためのテロですよ。思えばスカリエッティのやり口は、管理局を否定するものばかり。
それも当然だ。奴自身が管理局の闇に踏みつけられ、自由を奪われていたんだから。……表現する思想は復しゅう。
でもただ壊すだけじゃ飽き足らない。奴らは黒幕が後生大事にしていた、組織そのものを貶(おとし)めようとしている”

”だからこそのAMF、ガジェット、戦闘機人――ヴェートルの件とは決定的に違う要素だったわけだ”


ヴェートルの件は、ある意味『結果的に』管理局や管理システム、魔法による治安維持を否定したにすぎない。

最初からヴェートルは、管理局を否定しよう……何て考えたわけじゃない。ただやり口が強引で、反発しただけだ。

それに反発はしても、その存在や理念を根底から否定していない。それはアイアンサイズも同じだろう。


魔導師と相性が悪かっただけだろうし……でも、スカリエッティ達は違う。これは復しゅうなんだ。

だからこそ、管理局という『思想』が潰(つい)えるまでは決して止まらない。それを正しいとする人間が、全員駆逐されるまでは。


”奴らを逮捕しなきゃ、この状況は決して止まらない”

”でも六課はもう動けない。君だけで”

”いいえ、動けますよ”

”え?”


◆◆◆◆◆


なぜこんなことになった。我々の選んだ道は正しかった。なのに……そのはずだったのに。

私自身もかなり混乱している。ただ時間が、ただ成果が必要なだけ。そう信じたかった。

しかし彼女達のくだらない児戯を押し返すこともできず、多数の死者を出し、その上……!


「中将、委員会からの報告です」


緊急対策会議出席前に、レジアス中将のオフィスへ寄る。父は昨日受けた被害のせいか、かなりいら立った御様子。


「中将へ緊急査問が行われると……同時にアインヘリアルの運用も」

「どうしてだぁ!」


そして中将は右拳をテーブルへ叩(たた)きつけ、いら立ちを吐露する。なぜ……どうしてと、怒りを声と拳に込める。


「緊急事態は継続中だ! 査問など引き延ばせ!」

「限界はありますが、仰せの通りに。それとあの男との連絡はやはり……外線は全て変えられ、研究所ももぬけの殻でした」

「あの男のいいようにさせるか! 動かしてきたのはわしだぁ!」


テーブル上に置かれた、陶器製の小物。決して大きくはないものを掴(つか)み、いら立ちとともに床へ投げつける。

甲高い音とともに割れる、トロフィーのようなそれを見やっても、私達のいら立ちは消えない。


「歯向かうのならたたき落とすまでだ!」

「全力にて取り計らいます。それと機動六課の件ですが、彼らのスパイが侵入していたと」

「既に聞いている! それもどういうことだ! まさか奴らが」

「いえ、機動六課そのものならともかく、中央本部襲撃に関して彼らが情報提供できるところは少ないかと。
内部警備にも携わってはいましたが、彼らの管轄外である中央管制室なども襲われていますし。
……何よりメリットがない。中将がご存じの通り、彼女達は将来を約束されたエリート。スカリエッティと暴れる理由がない」


例えば彼女達から告白された、様々な事情から繋(つな)がった……としよう。だがここまでする理由はない。

その場合彼女達は自身の輝かしい将来まで賭ける。スカリエッティの恩恵で活躍するならともかく、これはさすがに。

現に我々がそれで、戸惑っている。そうだ、我々が進んだ道は正しかった。私も中将の選択を、その先の未来を信じている。


同時に機動六課は我々の敵だが、局員としての姿勢は見習うべきところもある。だからこそ……直接話したからこそ思う。

この襲撃、彼女達ではない。スパイの件を考えると、彼女達は被害者だろう。つまりスカリエッティは管理局とスポンサーを裏切った。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「最終巻の合言葉は、後藤さんの名セリフ――みんなで幸せになろうよ」


(そして、この笑顔である)


イリヤ「嘘だー! その顔には全員ハッピーエンドを目指す気概がない! 悪党の顔だよ!」

ヘラクレス(こくこく)

恭文「そんなことないよ。イリヤはひどいなぁ、プチデビルなのに」

イリヤ「むしろ優しいよ! プチデビルだったらもっといじめているよ!」

恭文「あ、お菓子食べる? ローソンのハロウィン仕様なドーナツ、買ってきたんだー」

イリヤ「話を聞いてよ! フリーダムを通り越してサイコパスだよ! サイコパスだよ!」


(大事なことだから二回言ったようです。そしてイリヤはおそ松さんの第二話を見たようです)


古鉄≪そしてマダマ陣営もここから本気。ゆりかごなんていらなかったんや≫

イリヤ「なんで関西弁!? ……あと、ドーナツはちょうだい」

恭文「はい」

イリヤ「もぐもぐ……ところで、お母様にときめいているいけない二人は」

恭文「ときめくくらいならいいんじゃない?」

イリヤ「可能性を生み出しただけでアウトって言うよ?」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



あの騒乱から日が明けて、メディアは前代未聞なテロに大騒ぎだった。

スカリエッティが出した犯行声明も繰り返し――本当に、繰り返し放送されている。

私は自分の執務室で、そんなニュースの一つを見ていた。仕事の片手間などでもなく、ただ見ているだけ。


『昨日行われた公開意見陳述会、アインヘリアルの他にヴェートルやパーペチュアルなどの、開国された世界からの移民問題。
及びそれに伴う主要世界の自給率低下問題についても、熱い議論が交わされました。
が……会議終了直後、会場はジェイル・スカリエッティを名乗る犯罪者とその一味により襲撃』


あれから、はやて達は本局へ出頭――私とシャッハは別組織ということもあり、一応の帰宅を許された。

そしてとげは未(いま)だ抜けない。昨日の言葉が突き刺さって、結局寝ることもできなかった。えぇ、分かっている。

あの子の言っていることは正しい。確かにこちらの動きが筒抜けすぎる。実際、私達は言うだけのことができてない。


『まだミッド地上本部からの正式報告はありませんが、死傷者は数百名規模。
施設も甚大な被害を受けて、機能停止状態に陥っています。……なぜこんなことが起きたのか。
それは分かりませんが、一つだけ確かなことが言えます。鉄壁であるはずの地上本部が、陥落した』


でも……だからってあんなの、ひどすぎる。私もそれなりの手は尽くしてきたと自負している。

クロノ提督だってそうだし、リンディ提督もよ。全ては世界を守るため……あんな予言を現実にしないため。

……違う、そうじゃない。私はただ、私自身のせいで予言が現実になったと感じたんだ。


『その事実はとても重大です。しかも……ここからは、一味撤退後に放送された、犯行声明を御覧ください』

『――我々の戦力は分かっていただけただろう。現在、管理局は試されている。
平和・環境保護に配慮し、魔法戦力を使うことは決して悪ではない。だが時代に対応し切れていない。
アイアンサイズのような存在だけの話ではない。今回我々が使ったAMF、戦闘機人――その全てが枯れた技術だ』


そう言われたように感じて、そんなわけがないと頭を振った。今もそんな、どうしようもない否定を続けている。

あれはただ、相手方の動きがこちらの予測を上回っていただけ。スパイなどはなかったと……そう信じたがっている。


『今回のことは世界に住む一人として、決して逃げ場がないよう管理局に知らしめたものとして受け取ってほしい。
……我々は確かに犯罪者だ。しかし世界は時として、痛みを伴わなければ変わらない。
かつてレジアス中将はとある場で、変革の捨て石になると宣言していたな。我々も同じだよ』


テロが当然のことで、負けた管理局が悪い。彼はそう言っている。録画とはいえ腹立たしい。

会議場ではやて達と、ライブ映像を見たときの怒りが沸き上がってくる。


『魔法社会には穴が多すぎる。そう歴史に刻まなければ、君達はいつまでも逃げ続ける。
安寧(あんねい)の日々が薄氷に成り立っているという、その事実から……現に局は去年、ヴェートル事件でも逃げたじゃないか。
多数の人間がテロで殺され、生体兵器として辱められても……それでもなお逃げたじゃないか! 君達は!』


しかも……これが必要なことだとも吐く。違う、逃げてなどいない。少なくとも私達は――機動六課は、そんなつもりじゃなかった。


『挙げ句、アイアンサイズの凶行を止めた『英雄』から手柄を奪い、それを当然とした!
ヴェートル政府などの告発がなければ、一体どうなっていたかな! ……つまりはそういうことだ』


私達は、違う。部隊員にも最上のフォローを整えていた。そのために各所へ赴き、頭を下げ、そうして作り上げた。

予言成就阻止のため、部隊員を誰一人取りこぼさないための、万全の構えた。なのに、なのに……!


◆◆◆◆◆


『しかし機動六課はどうする。全く……リンディ提督にも困ったものだ。いつでも見ていると忠告したはずだが』

『致し方あるまい。スカリエッティがこちらの情報網を利用し、精巧に偽者を仕立てあげたのだ。
我らとてここに至るまで、ナンバーズが局員になっていることを察知できなかった。彼女を責める権利もない』

『なればこそ、立ち上がってもらわなくてはな。スカリエッティ、及びゆりかごの鍵を連れ去った古き鉄――その全てを排除するために』

『やると思うか? 彼女達は古き鉄の友人でもある』

『何、あの異常者と戦わせて、怪我(けが)でもされては構わん。彼女達はただ、我らの言う通りスカリエッティを始末すればいい。
……古き鉄を憎んでいる、聖王教会のシスターがいたな。それにゼスト・グランガイツも自爆前提で飛び込んでもらえば』

「それは無理ですよ、御老人方」


そろそろネタばらしの時間かと、コンソールのエンターボタンを押す。……アクセス許可、完了。

その瞬間アジトのドクターが、ここの施設――そのセキュリティやシステムデータ、及びポッドの制御に至るまで、全てを掌握する。


『何、お前それは……なんだこれは!』

『我々のアクセス権限が、奪われていく……だと!』

『貴様、何をした!』

「簡単なことよ、人の心をなくした脳髄……あなた達は、『察知』なんてしていないわ」


笑いながら一回転し、一気に姿を現す。局員制服は一瞬で消え去り、妹達と同じバトルスーツを纏(まと)う。


『貴様は……!』

「ナンバーII・ドゥーエ――今からあなた達の全ては、ドクタージェイル・スカリエッティが掌握する」

『貴様、図ったのか! 我々をずっと……えぇい、誰かこい! 反逆者だ!』

『それは無理だよ、御老人方』


そこで部屋にある大型モニター全てに、ドクターの顔が登場。また嬉(うれ)しそうに……また枷(かせ)を振り切り、男になったのね。


『本当はもっと無慈悲に殺したかったんだが……気づいたんだよ。
君達はこのまま生きながらえ、全てを奪われながら苦しむ方がいいとね』

『スカリエッティ、貴様ぁ!』

『我々が生み出し、局のため献身し続けるのが使命であったろうが!』

『それを忘れ、このような愚行を続けおって! 恥を知れ!』

『……そうだな、私は君達によって生み出された。研究対象に並々ならぬ興味を抱くよう、遺伝子段階から調整されて。
ずっと、ずっと……君達の言うがままに、それを自分の欲望だと認識し、娘達も生み出した。
だがね、気づいたんだよ。思い通りにならず、私を馬鹿にしてるっぽい娘達に……特に、ドゥーエに叩(たた)かれて』


それには苦笑するしかない。だってあんまりに世間知らずな中二病だったから……でもドクターはそれを受け入れた。

自分を否定する……怒る、叱る。でも触れ合える何かに、可能性を感じた。だから今、ドクターは彼らに怒りを表明する。


『私は、ただお前達にそう思わされただけなんだと――!』


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで散々っぱらRemixをやってきたので、今回はこんな感じで」

イリヤ「……ゆりかごがなくても、管理局を乗っ取る方向ですかー!」

恭文「つまり、この時点で敵は管理局そのもの……でも大丈夫、ドラゴンボールがあれば」

イリヤ「ないよ! 悟空師匠は本編に出てこないよ! 出てきたら大変だよ!」

恭文「かーめーはーめー……波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


(そしてまだ呆けている奴らへかめはめ波……発生する爆発と衝撃波)


イリヤ「何やってるのぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

恭文「何とかしろって言うからー」

イリヤ「かめはめ波なんて予想外だよ! あり得ないよ! 常識外だよ!」

古鉄≪というわけで、本編はラスト付近ということもありここまで。次は……番外編や書下ろしをちょろっとお見せします≫

イリヤ「無視して進めないでー!」


(そしてそこから始まる、ドラゴンボール的な反撃と戦闘。
本日のED:earthmind『Another Heaven』)






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