作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第36巻経過報告:02(サンプルあり)(2015/8/30)
古鉄≪というわけで販売開始いたしました、幕間の第36巻です。……作者がけいおんの一挙放送を見ていました≫
唯「いやー、わたしもまだまだ若かったなぁー。なんだか照れるなー」
恭文「……おのれ、Vivid編時点ではまだ十九歳とかでしょうが。そして今回の幕間は、前回から続いているVivid編開始直前なお話」
古鉄≪ちなみにこの人はまたまた軽音部と旅行に行っている時期ですね≫
恭文「行ってるの!?」
唯「当然だよ! 恭文くんはもう軽音部のシックスメンだから!」
恭文「その扱いはやめんかい!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
時は二〇一二年・二月十八日――新しい出会いがあり、そのうちの一人はあの戦いに巻き込まれた少女だった。
ショウタロス達から聞いて、なんだかしんみりしつつも作業室にて、最後のパーツをはめ込む。
「……できた」
「えぇ。お兄様、おめでとうございます」
「いい出来(でき)じゃないか……もぐ」
「やったな、ヤスフミ!」
ショウタロス達が前に出てくるので、優しくハイタッチ。それから改めて、出来上がった機体を見る。
≪あとは予想通りの性能が発揮できるか、ですね。むしろ大変なのはこれからですよ≫
≪でもでも、あと四か月もあればなんとかなるの! ジガン達も手伝うのー!≫
「ありがと。……おっしゃー!」
嬉しくてしょうがなくて、ついガッツポーズ。……この機体には、ガーディアンを卒業してからの一年が詰め込まれてる。
765プロや346プロでガンプラを教え、パーツハンター事件があって……カテドラルを受け取った。
そしてガンプラバトルフェスティバルにも出てさ。カテドラルを見て、フェイスティバルで凄いファイター達を見て、思ったんだ。
僕もカテドラルみたいに、自分のありったけを注(そそ)ぎ込んだ……あんなガンプラが作りたい。
それで世界の凄い奴らと戦いたい。フェイスティバルの時よりももっと、もっとだ。
ブルーウィザードもバージョンアップしているけど、一から新設計もやりたくなった。
そうしてコツコツまとめていたのがこの機体。あとは大会までに予備パーツをしっかり用意しつつ……やるぞー!
◆◆◆◆◆
「――え、売り切れ!?」
「はい、申し訳ありません。バラ売りならあるんですが、ホールは全て」
お目当てのお店にいくと、確かにケーキなんてなかった。そしてバラ売りもワンホールを作るには足りない。
なので『しょうがないさ』と割り切り、次のお店へ。でも、希望なんてなかった。
「申し訳ありません、本日ケーキのホールはちょっと」
次のお店へ。
「申し訳ありません、ケーキは先ほど」
次の……デパート地下売り場へ。
「申し訳ありません、ケーキは売り切れてしまい」
……ケーキはどこだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 名前用のプレートが必要だとは言わないよ!
ろうそくも自分で準備するよ! なのに、なのにケーキがないって! それもことごとく……二十軒くらい回ったのに!
「お前、こんな時にまで運が悪いのかよ……!」
「僕のせい!?」
「ショウタロス先輩、あなたは死にたいらしいですね」
「ちょ、待て! 拳を鳴らすな! 悪かった、今のは悪かった!」
「まぁしょうがないな、ケーキワンピースにろうそくを十八本突き立てるしか……もぐ」
「できるかぁぁぁぁぁぁぁぁ! 悲惨な事になるでしょうが! 更にヘコむでしょうが!」
というか、運が悪いのは僕じゃなくて……いや、もう自作するしかない!
こだわっても時間の無駄と判断し、慌てて足りない材料――いちごや乳製品などを買い込み、チキンもゲット。
その上でまた僕は夜を駆ける。そう、全力で……全力で駆け、全力で調理し、全力でお祝い。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
唯「お誕生日なの、恭文くん」
恭文「僕のお誕生日じゃあないけどねー。ちょっと昔も振り返りつつ、ネタ振りしたものをきっちりこなしていくわけで」
古鉄≪なんだかんだでドキたまシリーズ終了から、Vivid編に続く一年は平和でしたね。
だからこそ魔導師やら戦闘に絡まないキャラクターが、多く出たりするわけで≫
唯「私とかね!」
恭文「そうだね、おのれら軽音部とかはその筆頭だもの。……そろそろYの乙女達も頑張ろう」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ずっしりとした重さ、これは理想の形――徹底的に積み重ねた増加装甲、それが筋肉美を映し出す。
みんなが……あの恭文くんでさえ魅了され、言葉を失う。ふふふ……見よ、これが佐竹美奈子の理想型!
『……ジ・O?』
そして全員揃って、その名を呼ぶ。そう、ジ・Oと……って、ちがぁぁぁぁぁぁぁう!
「違う、ガンキャノンだよ!」
『はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
「名づけてガンキャノン・マッスル! あのね、恭文くんはやっぱりもっと食べるべきだと思うんだ!」
「なれと!」
「そう!」
恭文くんが震えながら、ガンキャノン・マッスルを指差す。なので全力で、ありったけの決意で頷きます。
「僕にMGジ・Oみたいな体型を目指せと!」
「ジ・Oじゃなくてガンキャノンだよ! というかHGUCだよ!」
「え、これHGなの!? で、でも……大きすぎるじゃん!」
「ジュニオールくらいあります! というか」
「うー!」
「ジュニオールが警戒しとるやんか!」
小首を傾げると、なぜか恭文くんが拳を握った。おかしい、愛をてんこ盛りにしただけなんだよ? おかしくないおかしくない。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「ジ・O体型はごめんだけど、ガンプラとしてはアリだよね」
唯「認めた!?」
(こちらは読者様のアイディアからになります。アイディア、ありがとうございました)
恭文「はたしてマッスルはマッスルするのか、その辺りは期待しつつ」
唯「次は卯月ちゃん達だねー。というか、しまむーは可愛いなー」
恭文「知り合い!?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「中もまた、一流企業って感じだね」
「緊張しますねー」
「シャンデリアなんて、今どき見ないよねー」
「うん……え?」
私の反対側――凛ちゃんの右隣に、上にジャージを羽織った、ショートカットの女の子がいた。
とても人懐っこそうに言ってきたその子は、驚く私達を尻目にすたすたと前へ。それで通りがかった社員さんらしき人に。
「こんにちはー! 新人アイドルの本田未央です! 今日からお世話になりますー!」
「おう、お疲れ様ー」
「こんにちは、本田未央です! よろしくお願いします!」
というか、人達に次々と挨拶。えっと……凛ちゃん、私を見るのはやめてもらっても。ちょっと困っちゃいます。
「知り合い?」
「いいえ」
「……なんか、だんだんと私の周りに非日常要素が増えていくような」
「私ですか! それは私の事ですかー!」
「違うよ。例えば不審者によく間違われるプロデューサーとか……しゅごキャラとか」
「……あぁー」
そう言われると納得してしまう。でもプロデューサーさんはともかく、しゅごキャラが見えるのは楽しいもの。
そう凛ちゃんを引っ張りつつ、346プロの受付へ。奇麗なお姉さん達に事情を説明したところ。
「はい、承っております。こちらに記名をお願いします」
「「はい」」
しっかり記名したところ、パンフレットと『GUEST』と書かれたIDカード二つが、トレーに置かれた上で差し出された。
◆◆◆◆◆
「ところでみんな、学年幾つ?」
「もうすぐ高一だけど、本田さんは」
「私と同い年じゃん! あ、私は未央でいいよー」
「私は四月から高二です」
「「えぇ!」」
あれ、なんで驚かれてるんだろー。おかしいなー、不思議だなー。いや、理由なら分かる……私、割りと年下に見られる事が多いんですー!
「わ、若く見えるねー」
「私は幾つですか!? 若くないと……十六歳はもう若くないとー!」
「ごめん、てっきり下だと思ってた」
「凛ちゃんまでー!」
「なるほど、十六歳は若くない……おばさんか」
恭文さんまでー! ひどいです、一歳違いならまだ。
「なら二十二歳はどうなんだろうなぁ。うん、よく分かったよ……覚えておこうか、未央」
「あれ!? なんだか関係ないところに飛び火が!」
そっちですかー! 恭文さんは手帳を取り出し、メモ……しかも表紙に『恨み帳』と書いてあったので、本田さんは慌てて取り直そうとする。
「蒼凪プロデューサー、それは待って! とんだ誤解だよ!」
「そっかぁ、十八歳は更にやばいのかー。覚えておくぞ、未央ー」
「……私は、更に上なのですが……そうですね、老け顔とよく言われますし」
『プロデューサー(さん)と響さんまで!?』
「あぁ、やっぱり未央は燃え尽きる運命か。しょせん貴様は流れ星」
「燃え尽きないよ! これからこれから……でもプロデューサーにはごめんー!」
そしてわりと本気っぽいプロデューサーさんを、本田さんは必死に励ます。老け顔なの、気にしていたっぽいです……はい。
◆◆◆◆◆
数あるプラモ、その多さと側面イラストから分かる種類の多さに、卯月達が声を漏らした。
「わぁ、いろんなのがあるんだー! ねぇ蒼凪プロデューサー、めちゃくちゃ強くてかっこいいのってどれかな!」
「え、馬鹿じゃないの?」
「馬鹿!?」
「最初からめちゃくちゃ強い機体なんてないよ。自分で組んで、動かして、強くするのがバトルの本質なんだから。
逆を言えば設定上はどれだけ強くても、今未央が求めているみたいな『誰でもすぐ強くなれるガンプラ』はない」
「というより、今の本田さん達にその強いガンプラを扱いきれるかどうか、ですね。
実際蒼凪さんのガンプラなどは、基本性能から素組みと別次元ですし」
「前にね、僕のガンプラを武内さんやみんなが動かしてーってのをやったんだ。それはもう散々たる結果だったけど」
みんなも武内さんがどうしてここまで……首元をかき、相当困り顔なのか分からない様子。なので軽く補足する。
「ただしょうがないんだよ。僕が動かしやすいよう、武装チョイスや機体特性、可動域まで調整しまくってるし」
「調整って……そんな事までできるんだ。どっかのF1みたい」
「やってる事はそのままだね。だからこそのホビースポーツだよ」
「大丈夫だって! こう見えて私、本番には強いタイプだし!」
「ふむ……それならこれでいこう」
そこまで言うならと、ひときわでかいあの箱を指さす。そう、春香が未だに作ってくれないあの巨体を。
「「「……でか!」」」
「ネオ・ジオング――機動戦士ガンダムUCのOADにて登場したラスボス機体。全身に武装を携えた、見た通りの化け物MAだよ」
「おぉ、これは見るからに強そうだ! よし、これにしよう! えっと、幾らかなー」
「二七〇〇〇円」
「そっかそっかー! 二七……え?」
「二七〇〇〇円」
未央が目をぱちくりさせながら、恐る恐るネオ・ジオングの箱に近づく。そして近くにあった値札を見て、ガタガタ震えながら振り返る。
「プラモって、こんなに高いの……!?」
◆◆◆◆◆
「それで卯月は」
「はい!」
「外道手段とか得意だよね。だったら特化せず、いろいろできるベーシックな機体がいいかな」
「いきなりなに言ってるの、アンタ!」
「なんですかそれ! 得意じゃありませんよ、そんなの!」
「あぁごめん。おのれの声を聞いていると、ド外道の園川って奴を思い出して」
「誰ですかそれー!」
「あぁ、あの子かぁ。でも恭文が言う権利はないと思うぞ……間違いなくないと思うぞ! うがー!」
そして響がぽかぽかぽか……フェイトみたいだからやめて。あと僕は悪い事なんてしてない、全ては妖怪の仕業なんだ。
「島村さんの声を聞いて、ですか。……その園川さんは、もしや女性」
「えぇ」
「それでド外道ってどういう人なの……!」
「というか、そこで蒼凪プロデューサーも言う権利がないってのは、更に恐ろしいような」
「失礼な。なので卯月ー、アレいっとこうか」
僕が指差すのは、やっぱりネオ・ジオング……! やっぱこれだよねー!
「今度はしまむーに勧めてきた!?」
「無理ですよー!」
「でもキャラクター出るよ? 目立っていけるよ? 春閣下ともタイマンできるよ」
「天海春香さんですか! というか作ったんですか、これ!」
「もうすぐ誕生日だからプレゼントして、プレッシャーをかけるんだ」
「プレッシャーって言ってる時点で祝う気持ちがありませんよね!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
唯「……大丈夫だよ! ギー太は二十五万とかだったけど、すっごくまけてもらったから!」
恭文「あれは参考にならないと思うなー。そんなわけでニュージェネ三人、ネオ・ジオング三体で頑張ります」
(本当かどうかは本編で)
恭文「ネオ・ジオングは凄いよー。天敵はピスト神拳だけどさ」
唯「なら一夏くんには弱いんだねー」
(そうだ、ISクロス……本発売の時はピスト神拳で頑張ろう」
恭文「それはもう別キャラでしょうが! ……いや、分かるよ? 拍手でもちょっと言われてたしね。
『織斑一夏と言えばこれ!』って戦闘スタイルや、特徴がないってさ」
古鉄≪他で言えばセシリアさんはケルディム系、ラウラさんはヴァーチェ系。
シャルロットさんが武装展開速度に特化したコマンドアストレイ系≫
(というか、装備ISですな)
恭文「あぁそうだね。シャルロットは色からキュリオスとか思ってたけど、変形しないしね。
むしろコマンドアストレイ(ビルドファイターズA)だよね」
古鉄≪鈴さんはごひ、箒さんはマスラオ・スサノオ系ですが……一夏さんと白式は≫
恭文「近接型で言えば、箒や鈴という上位互換がいるしなぁ。
まぁスキル・経験的にも特徴を語る段階じゃあないんだけど、掘り下げは考えておかないと」
(むしろ初心者な主人公キャラが、経験を積んでスタイル確立って王道だよね)
唯「特徴がないのが特徴では駄目なんですか!」
恭文「それが許されるのはジムカスタムだよ」
(ひとまずはここでおしまい。そして……寝よう。
本日のED:松原みき『THE WINNER』)
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