作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と彼女達の崩壊 第3巻経過報告:02(サンプルあり)(2015/7/21)
古鉄≪さぁ、続きましたよ。それでは私の大活躍を映しましょう≫
恭文「ごめん、その前にやっぱり六課の事なんだ。というか……今回、総合して見ると僕の出番が少ないような」
あむ「……そんな事もないじゃん。ちゃんと主役としてやってるじゃん」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
シャマルさんと部隊長達の笑顔に見送られ、改めてヘリポートへ。そうして既にアイドリング中のヘリへと乗り込む。
ローターが回転し、ヘリは安全確実に浮上。中央まで夜の闇を突き抜けひとっ飛び。
「でも、なのはさん」
「なにかな、エリオ」
「ヴィヴィオ、すっかり懐いてますね」
そこでなのはさんは苦笑い……まぁ、気持ちは分かります。だから私をチラチラ見るのはやめてください。
「結構厳しく接しているつもりなんだけどなぁ。さすがにフルメタル・ジャケットではやってないけど」
「きっと分かるんですよ。なのはさんが逆らっちゃいけない人だって」
『え!?』
「そうそう。なのはは魔王だしねー……キャロォォォォォォォォ!」
「落ち着いてください、なのはさん! ジョークです! 優しい人って言い間違えただけなんです!」
「ジョークと言い間違えは同居しないよ! 反省が必要だね! フェイト分隊長に代わってお仕置きだよ!」
そしてなのはさんは、キャロのほっぺたをむにーっと引っ張りお仕置き。
こういうところを見ると、とてもかわいらしい人にしか見えない。あ、これも失礼か。
「ふ、ふひはへんー!」
「でもあの懐きようだと、もうなのはさんが引き取るような勢いっスけど」
「……受け入れ先はまだまだ探しているよ。いい家庭が見つかって、ヴィヴィオがそこに行く事を納得してくれれば」
「納得しないでしょ、あの様子は」
「オットーと同感です」
「それは、言わないで……! お願い、ディード達に言われると、突き刺さるの」
ディード達は生真面目だから、どうしても言葉が重たくなりますよね。分かるので涙目はやめましょう。
「もちろんね、ずっと一緒にいられるのが一番だけど……その、頑張って説得するよ。それに、私が引き取るのは……いろいろ現実的じゃないだろうし」
……その言葉が重くて、私達はなにも言えなくなってしまった。そう、だよね。なのはさんは未婚で、まだまだ若くやりたい事だってある。
というか……一つ、思った事が。そもそも未婚で養子はありなんだろうか。なぎ君曰く、地球だと駄目らしいけど。
◆◆◆◆◆
九月十二日、午前十一時十五分――私ははやて、シグナムと一緒に会場入り。デバイスもエリオ達に預け、ちょっと不安。
うぅ、本当は持ち込めればよかったんだけど、中央本部と本局のパイプ役だし、無茶な事はできなくて。
ここで持ち込みがバレて、問題になったらその時点で……でも大丈夫、うん大丈夫。
合流の手はずはちゃんと整えているし……ちょっとモニターを展開して、テレビの様子を確認っと。
『公開意見陳述会の開始まで、あと三時間を切りました。本局・各世界の代表によるミッドチルダ地上管理局運営に関する、意見交換が目的です。
しかし波乱含みの議論となる事も少なくなく、地上本部からの陳述内容について注目が集まっています。
今回は特にかねてから議論も絶えない、地上防衛用迎撃兵器【アインヘリアル】の運用について話し合われるものと思われます』
『あー、ちょっとごめんなさいね』
『……はい。なんでしょう、ケリーさん』
『現在中央本部は一般人の出入りも禁止だけど、どんな感じかな。周囲に人もいるようだけど』
『……はい。やはりアインヘリアルについては市民からも様々な意見が出ており、どうしても気になり……という方々も多いようです。
最近で言えばアイアンサイズ事件、更に都市付近や海岸線にて大量出現したという自立行動型兵器の事もありますので。
とにかくこちらの方、会議の様子も交えて逐一お届けできればと思っています』
……そんな感じらしい。とりあえずモニターを仕舞って、内部警備内部警備……と言ってもアテがあるわけでもなく。
というか、さすがに凄い警備人数だよ。とにかく気になるところをローテーション的に回っていく感じかな。
さて、ここからはどうしたものか……そう思っていると、妙に騒がしい箇所がある。
なんだろうと十一時方向に歩くと、なぜか生まれていた人だかり。というか、その中心にいる影を見てぎょっとする。
会議警備中な女性局員十数人を侍らせ、思わせぶりに黒縁メガネを正すその人は。
「あぁ……みんなとお話しするのも楽しいけど、そろそろお仕事に戻らないとマズいんじゃないかなぁ」
「大丈夫よ。そう、これはお仕事……お仕事なんだから」
とか言いながら、二十代後半くらいの……えっと、佐官制服を着てるんだけど。その人は頬を赤らめ、あの子の左腕に抱きつく。
結構胸が大きくて、制服の上からでも柔らかそうな歪みが生まれていた。わ、私……ちょっと負けてる、かな。
「あなたのような悪い子が、これ以上悪い事をしないように見張るの」
「そっかぁ。じゃあしょうがないよね。でもそれってどこまでかな」
「え」
「会議が終わるまで? それともそのまま夜釣りへ移行かなぁ。……そう、例えば」
あの子――ヤスフミは眼鏡を左手で正し、佐官制服の女性に急接近。耳元そっと。
「朝まで、海を見ながらとか」
愛を囁いた……うぅ、うぅー! うぅー! なにしてるの! あれ、あれは……ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
◆◆◆◆◆
”……しっかし分からねぇなぁ”
そこで届いた念話は、ヴィータちゃんから……実はさっきから連絡を取り合っていました。デバイスを預けたみんなの様子も知りたくて。
”予言通りに事が起こるとして、内部のクーデターって線はねぇ”
”アコース査察官の調べた範囲ではね”
”威力証明と言った、商売的な話を絡めるとスカリエッティの目的もさっぱり。だが……世界征服かよ。丸っきり悪の組織じゃねぇか”
”なのはも同感ー。ただね、紙幣価値の問題とかも絡めると、納得できなくはないんだ。
例えば管理世界の通貨も、やっぱり政府機関でもある管理局が発行しているわけで”
”『国』が潰れちまったらその紙幣価値はすっ飛んで、取り引きする基準がなくなる、だろ?”
”そうそう”
さすがにね、無茶苦茶だと思ったの。だってまともな人間のやる事じゃないし、大それすぎているもの。
ただ今言った感じで論破されて……なのははちょっと泣きそうでした。というか恭文君の発想力、ちょっとぶっとびすぎ。
”だが成り代わるっつったってどうすんだよ。管理局をぶっ潰しただけじゃあ”
”……去年の事で考えてみようか。カラバ王党派を皆殺しにしたクーデター派は、主犯のマクシミリアン・クロエが急死するまで健在。
動揺する国民達を統制し、短期間とはいえきっちり国を守っていた。つまり国を治めるのに必要なのは、『特定の誰か』じゃない”
”それに足る権力と、国民を守るシステムか。じゃああれか? 管理局のトップなりをぶっ潰して、戦力でも圧倒して、従わせるイメージ”
”そんな感じかなぁと”
うん、悲しい事に王様じゃないんだよ。いや、運営に人の手は必要だよ。王様だって必要……でもそれは器だ。
スカリエッティ達はもしかしたら、器の中身を捨てようとしているのかも。そうして自分達という新しい中身を注(そそ)ぎ込む。
そうすれば既存のシステムを使うだけで……まぁ当然、納得しない人達は確実に出てくる。
でもそんな人達の動きも封じる事ができる、『なにか』があるとしたら……空のどんより具合に押されているのか、悪い方にばかり考えちゃう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで十六話の範囲だね。何事も起きなければ……なんて、フラグなのに」
あむ「それで語るの、さすがにアンタだけだって。 しかもそんなにいっぱい……!」
(フラグ管理=ゲン担ぎと考えるなら)
古鉄≪それでなんとかなりますかねぇ。次を見てみましょう≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
時は進む……時計の針は決して戻らない。迷いはある、これでいいのかとまだ迷い続けていた。私はそれほど強くはない。
既に戻れない歩み、突き抜け勝利する事でしか、私の復しゅうは果たされないと知っているのに。
「ドクター、ナンバーIIIトーレから、ナンバーXIIディードまで配置完了。そしてFLも……クアットロ」
『攻撃準備は全てばんぜーん♪ あとはGOサインを待つだけですぅ〜』
『お嬢と騎士ゼスト達も、所定の位置についたぞ』
「では、その前に一つ確認だ。病み上がりの君達……体調は万全かね」
『こちらナンバーIIIトーレ、問題ありません。ナンバーVIIセッテとも一緒ですし』
ウーノ、その呆れた声はやめてくれ。戦闘が始まって、体調不良でしたーでは話にならないんだ。
『ナンバーIV、クアットロも万全です〜。……見てなさい、サンプルH-1!
これが終わったら私の美しさで魅了してやるんですから! おーほほほほほほほほ!』
『……あー、こちらナンバーVI、セイン。戦闘さえしなければ万全だよー。
……あとクア姉、それはもう……え、ハニトラ? 魅了って事は』
『馬鹿言わないで! 触れさせないで焦らすだけ焦らして、気持ちを盛り上げてやるのよ! そして地獄へたたき落とすの!』
「……よし、クアットロは作戦から外そう。君はあれだ、嫁入りの準備をしたまえ」
『ドクター!? え、なにか誤解してませんかぁ! これはリベンジなんですよぉ!』
「嘘をつけぇ! どう見ても惚れた男と恋の駆け引きを楽しむつもりだろうがぁ!」
どうしよう、やっぱり私は間違っているのかもしれない。頭が痛くなりながらも、モニターの一つ――ルーテシアを見やる。
『ナンバーX、ディエチ……問題ないよ。フル出力もいける』
『ドクター、私も大丈夫……ガリューも治してくれて、ありがと』
「礼には及ばない。だがルーテシア、気をつけたまえ。間違いなく彼も会場内にいる」
『……ドクター、楽しそうだね。悔しくないの?』
「みんなを派手に傷つけられた事なら、それは悔しいさ。だが私達のやっている事は革命であり、殺し合いだ。
撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけ――彼が、そして管理局が私達を撃ったからと言って、それを恨むのは筋違いというものだよ」
そこでルーテシアが不愉快そうに目を細める。ガリューの事もあるからなぁ、失言だったとお手上げポーズを取る。
「あくまでも私の見解だ、君の姿勢をとやかく言うつもりはない。……だがねルーテシア、私はより遠くを見ている」
『遠く?』
「この祭りの先――君やウーノ達が生きていく未来だ。少しは世界がマシになれば、君達が光ある道を進めるようになれば、そう願っている」
◆◆◆◆◆
「えっと、防壁出力は低下。通信網はズタズタ……ルーお嬢様ー、お願いしますー♪」
『……遠隔召喚、開始』
そして中央本部の外庭に、次々とルーお嬢様の魔法陣が展開。そこから現れるのは地雷王やガジェット……それと、苦心の作。
予定よりずっと少なかったけど、なんとか培養・量産できたオーギュスト・クロエが二十体……あるうちの十体。
大量に集まったガジェットはその場でAMFを展開し、その高濃度により警備局員達は無力化。
そこで地雷王の電撃がゴミどもを焼き、オーギュスト達の疾駆と斬撃によって首や胴体を跳ねられ、汚い血だまりを作る。
はーい、あっという間に地獄のかんせー♪ うふふ、遠く聴こえる悲鳴がなんと心地いいのかしらー。
「ディエチちゃーん」
『……クアットロ、いいの? ドクターは』
「最低限の配慮はしたわよ? それで死んじゃう虫けらが弱すぎるのよ〜」
『分かった……IS、ヘヴィバレル』
「あ、バレットイメージはエアゾルシェルでお願いねー。ターゲッティングはこっちでするから、気にせずバカスカ撃っちゃってぇ」
『了解』
そして放たれる超遠距離砲撃。海を割り、その一撃は中央本部外壁の一角を貫く。更に爆発……ふふ、衝撃で何人死んだかしらー。
あそこはちょうど通路だし、吹き飛んだ瓦礫に当たって……三人くらいは潰れてくれると嬉しいわぁ。
なにが起こったかも分からず、どうして死んだかも分からず消えていく命……それを見た虫けら達の慟哭。
あぁ、想像するだけで絶頂しちゃいそう。でもぉ、逃げ場なんてないのよぉ?
エアゾルシェルは着弾後に大気と反応、即効性の麻痺ガスを発生させる性質だからぁ。
そして恐怖のまま、意識も断ち切れず第二射、第三射と加えられ、その巻き添えを食らっていく虫けら達。
自分がいつ、間近で見た死体のようになるかも分からず、怯え竦む無意味な命達……あぁん、やっぱり最高よねー♪
◆◆◆◆◆
「シャーリー、隊長達との連絡は……中央本部の状態は!」
「遠距離からの光学映像を見る限り、外から攻撃はひとまず止まってる! けど、中の状況は不明!」
「隊長達どころか、中央本部へ呼びかけても応答なしです! と、というか」
「なにこれ……!」
ルキノとアルトが、光学映像に……本当にぼやけて映る、地獄絵図で呻く。中央本部外周部には、血と思しき赤が幾つも見られた。
AMFで抵抗できなくなったところを、容赦なく殺しにかかっている。これは、ただのテロじゃない。
虐殺だ――! アイアンサイズがストリートファイター達を、生体兵器に使ったのと同じだ。
命への、存在への嘲りと、それを楽しむ腐った性根が見え隠れする。この光景をクロノ提督達に見せてやりたい。
スバル達だっていつこうなるかも分からないのに……あ、スバルは出動待機で問題なかったか。
「あれ……待ってください! 本部に向かって航空戦力!」
そこでアルトが慌ててコンソールを叩き、出てきた反応をズームアップ。サイズ的に……人型?
「ガジェットII型か!」
「違います、ランク……推定オーバーS!?」
「召喚師……あれ、もしかして」
こういう事もあろうかと……慌ててコンソールを叩き、ある部隊データを呼び出す。それをアルトの方に送って、自分でもしっかり照合開始。
「アルト、そのデータと符合しないか、すぐに調べて」
「えっと……え、このデータって八年とか前のですけど」
「早く!」
「は、はい!」
アルトは慌ててコンソールを叩き、照合……そして私と同じタイミングで結果が出た。
「一名、該当……首都航空隊、ゼスト隊隊長……ゼスト・グランガイツ!? シャーリーさん、これ!」
「アコース査察官が、極秘裏に手に入れてくれた部隊データだよ」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「そして奴らは原作より派手に暴れる。主に量産型どもが」
あむ「これ、同情の余地とかなくなるんじゃ……!」
恭文「勝者気取りだからしょうがないね。それではまたまた次へ続く!」
(次回はもうちょっと手早くまとめよう。
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