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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と彼女達の崩壊 第3巻経過報告:01(サンプルあり)(2015/7/21)
とある魔導師と彼女達の崩壊 第3巻『お前はどうしたい!』



古鉄≪というわけでこんばんみ。ティアナさん脱走・六課崩壊ルートも三巻目です≫

恭文「今回の範囲は、アニメ第十七話までですな。はい、ついに六課が……六課が……まぁいいやー」

あむ「やる気を出せー!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


『というわけで……第一回! 機動六課最強魔導師は誰だか、想像してみよう大会っスー!』

『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』


駐機場に暇な部隊員達を集め、アルトさんとスバル、私で司会進行! 全力全開で予測してみるっスよー!


『鉄板の最強候補は五人! 近接最強! 古代ベルカ式騎士――ヴィータ副隊長とシグナム副隊長!
六課最高のSSランク! 超長距離砲持ちの広域型魔導騎士! リイン曹長とのユニゾンという裏技もある、八神はやて部隊長!』

『六課最速のオールレンジアタッカー、フェイト隊長! そして私の敬愛する上司である、説明不要の大本命!
エース・オブ・エース、最強の切り札! 高町なのは隊長! というかなのはさん以外にあり得ないようね、みんな!』


とか言うので膝かっくんー。スバルはバランスを崩し、面白い感じでコケてくれた。


『なにするのー!』

『司会が懇意的な紹介をしちゃあ駄目っスよ』

『う……ご、ごめんなさい』

『というわけで最後の一人は……みなさまご存じ、最強最悪の嘱託魔導師! しかしながらその戦闘力と知性は桁外れ!
前述のエース達でも手出しできなかった、アイアンサイズとオーギュスト・クロエを打破した『ヴェートルの英雄』!
そう、昨日私をお持ち帰りして、お泊まりデートしちゃったフラグメイカー……蒼凪恭文ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!』

『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』


あぁ、この歓声が実に心地いい。気分はアイドル……そしてヒロインー! 私、人生楽しんでるっス!


『ウェンディの方が懇意的だよね! というか最後、必要ない情報だよ!』

『ホントだよね! そこは強さに関係ないー!』


◆◆◆◆◆


「まぁスキル確認も兼ねてるって言うなら、無下にはできねぇなぁ」

「「ありがとうございます」」

「だがお前ら、個人戦っつったっていろいろあるだろ。トーナメントだって実力伯仲だと結果がまた変わるぞ」

「えっと……とりあえず平均的な『強さ』って事で」

「平均的な強さぁ?」


そこでヴィータ副隊長の視線が、呆れたものを含める。というかその鋭さも真下。


「お前はアレか、スカウターとかが現実にあるとでも思ってる口か?」

「ス、スカウ」

「……エリオ、スカウターっていうのは、ドラゴンボールって漫画に出てくるアイテムでね。
ようするに強さを『戦闘力』って数値に置き換え、計測する機会なんだよ。ほら、数値が高ければ高いほど強いって分かりやすいでしょ」

「あぁなるほど」

「作劇上としても有効に働くアイテムなんですね。それは面白い」


……あれれ、ちょっとおかしいなぁ。それなら魔力値……って、違うか。魔力値だけで強さは決まらない。
それなら恭文さんは……まぁ失礼だけど、僕達フォワード陣にも絶対勝てない。でもそう考えていくと、ヴィータ副隊長の呆れも当然に思えてきて。


「それでだ、もしかしたら二人も今思っただろうけど、今の質問は非常にナンセンスなのよ」


そう言いつつ恭文さんは、モニターを展開する。そこに映されるのは……地下での激闘。

結局僕やスバルさんがなにもできなかった、オーギュスト戦だ。更に別のモニターも展開し、動き続けるバイオグラフが表示。


「平均的な強さと言うけど、実はそんなもの存在しない。……強さは場面、精神面などの状況、手持ち技能によって変化するものなんだよ。
この時なら術式看破で射撃型なウェンディ、移動系魔法による速度が持ち味なエリオと、量産型オーギュストとの相性は最悪だった。
でもだからと言ってウェンディの射撃や、エリオのスピードが全てに置いて無意味とは限らないでしょ?」

「そう言われると……あぁそうだ、スバルさんにも言えますよね。
瞬殺されたものの、スバルさんの破砕力とウィングロードの有用性は変わらない」

「そう、誰にだって手持ちスキルや適正によって、苦手とする相手はいる」


◆◆◆◆◆


「まぁアイアンサイズやオーギュスト絡みで、つい蒼凪が……と言いそうにもなるが、そこも条件に寄るところが大きい。
蒼凪の戦闘・魔法術は様々な流派を取り入れた結果、『なんでもあり』なら無類の強さを発揮する」

「ヤスフミがGPOと上手く協力できたり、彼らを打破できたのもね、そこが大きいところなんだ。
でもそれができない状況もある。ヤスフミ自身も、ただ戦闘者として覚悟をしているだけ。
無闇矢たらと殺したり、それに近い事をする子ではないから。……結構誤解されやすいんだけど」

「えっと……つまるところアレですか? その『なんでもあり』が持ち味で、それが殺されるような状況だと弱体化というか、やりにくくなるというか」

「だからこそ副隊長も、先ほど試合条件に寄ると」

「まぁそれは我々自身にも言えるがな。例えばなのはは空戦なら超一級だが……それ以外についてはとんでもない運動音痴だ」

「「え……!」」

「事実、なの。こっちも誤解されがちなんだけど……スポーツとか、昔からからっきしで」


いや、あれだけのマニューバができて、運動音痴? スポーツが苦手? アルト二士と戸惑ってしまう。


「そっちは実際見ないと分からないだろうし、今後休憩時間とかにバスケでもやろうよ。そうしたら、すぐ分かる」

「「は、はい」」

「そう言った個人の得手不得手を抜けば、武装局員である事も一種の縛りだろう」

「局員である事自体が、ですか?」

「犯人の逮捕を前提とした戦いが求められている。クリーンで安全な魔法エネルギー使用も、それが生み出す非殺傷設定もそのためのものだ。
そして非殺傷設定も決して万能ではない。急所などに当たれば危険なのは変わらないし、吹き飛んだ先で岩などにぶつかればやはり」

「あぁ、そういう事ですか」


なるほど……その考えは抜けていたと、内心舌を巻く。武装局員であるという事実そのものが、枷になり得るのか。

もっと言えば犯人を生きたまま確保というのは、手加減した上での事。どうして今まで気付かなかったのか。

実際ナカジマ二士は恭文さんに代わり、武装局員として戦った結果オーギュストに殺されかけた。


しかし恭文さんには枷がないから……強さの差というより、状況や立場の差が強さに直結しているのかもしれない。

ただ気のせいだろうか。シグナム副隊長やアルト二士の表情が、妙に重くなったというか。


「ついつい忘れがちだけどね。非殺傷設定の応用範囲が本当に広くて、私達にとってはデフォだから。
だからこそ訓練でも、実戦にほぼ近い状況が想定できるわけで」

「確かに……なのはさんとか、スバル達相手に砲撃を当てまくっていますしね。
例え設定のために、相手への配慮が最小限になりがちだったとしても、加減は加減と」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「こちらは幕間的なお話を載せた、StSのコミック第二巻でやったアレですね。
ただHP版とは違う形で、みんなは答えを出していく事になりますけど」

あむ「セインさん達とか重傷だしね。あとはウェンディさんもこっちだし」


(いろいろ事情が絡みます)


恭文「そしてなぜかギスギスオンラインなまま、事態は進みます」

あむ「原因なら明白じゃん……!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「彼らには受け入れてもらうしかありません。六課は必要だった……それは間違いない事実でしょう。
できないのであれば、隊長としての責任を問うしかない。もちろん恭文も今後余計な事をしないよう、事件解決まで身柄を拘束すべきです。
……アイツは我々の前で、恥知らずにも宣言したんです。スカリエッティ一味を一人で叩き、六課が不要と証明する……などと」

『それはそれで有り難いけどねぇ』

「ミゼット提督」

『まぁ聞きなよ。私はね……クロノ提督、むしろこれはいい事だと思ってるんだよ』

「なぜですか、彼女達は局員としてあるまじき暴走を繰り広げています。そのせいでレジアス中将とも密接になってしまい」

『だから、聞きなって言ってるだろう?』


やや強めになだめられ、言葉が止まる。……既に前線の事からは引いている方達だが、それでも歴戦の猛者。風格はただ者ではない。


『フォワード陣にも難しい事情の子達は多い、件のランスター二士も含めてね。
でもそれだけではなく、部隊員みんなの安全を第一に考えている。リンディ提督のアレもビシッと切り返しただろう?
それは彼女達が部隊のみんなに対し、隊長として――一人の人間として誠実であろうとするが故さ』

「だからこんな身勝手を許すと? 現に騎士カリムは」

『アンタ、騎士カリムを理由に自分のいらだちを正当化してないかい』

「そんな事は」

『あるだろう?』


そしてまた強めになだめられる、先ほどよりも鋭くだ。なにも答えられず、ただ……うな垂れてしまう。


「……なにが、いけなかったんですか。僕のなにが、そこまで駄目なんですか」


レオーネ相談役も、ラルゴ元帥も、ミゼット提督と同様に厳しい視線を送ってくる。それに耐え切れず、震える右手を挙げながら吐露してしまう。


「なぜあそこまで、手を払われるのか……全く分からないんです。できる限りの事はしている、支えるからと……伝えているのに」

『……すまないねぇ、アンタにはとんだ重荷を背負わせた。ただ、それについては答えが一つある』

「なん、ですか」

『アンタはその不安を、助けてほしいという声をみんなに伝えていないんじゃないかね』


その言葉が突き刺さる。そうして思い出すのは去年……違う、去年の事とは違う。これは仕事、必要な職務なんだ。


『もっと言えば、アンタは部隊員達に対して不誠実な対応をしている……ようにしか見えない。
実際任務の危険度をボカして伝える事から、命令として封殺したんだろう? ……もう一度落ち着いて考えてごらんよ。
本当に彼女達は身勝手なのかね。アンタには悪いところなんて一かけらもない、そう言い切れるかい?』

「言い切れます……言い切れなくては、いけないんです。僕は」


◆◆◆◆◆


「それでね、今までの話を鑑みて、改めてアイアンサイズやスカリエッティ一味について考えると」

「キーは抑止力、ですね」


そう言ったエリオの表情に、少し驚いてしまう。入隊した当初よりも大人びているというか、驚いているというか。

ただ言われるがままではなく、自分なりに事件を、状況を見据え、いろいろ考えているみたい。

もちろんキャロも同じで、そこに二人の成長を感じ取る。ただ……平和な中で暮らしてほしいという思いもあって。


だから、その成長が嬉しくもあり、少し寂しくもあった。


「魔法文化の単一化が進んだ現代では、魔導師殺しが出てくると対策があまりにも少ない」

「特にAMFなんてそのままですよね。つまり今管理局は、『犯罪者の抑止力』足り得ない」

「その通りだよ。私達もまた、世界の法と安全を守るための抑止力。
だけどスカリエッティ一味の行動は、その矛盾や穴を一つ一つ検証・論破していると言っていい。
やっぱり、去年と同じ……ううん、去年以上に悪質な、管理システムそのものへの挑戦だと思う」

「だからフェイトさん達も、管理局施設への襲撃があり得ると。でもその目的ってなんでしょう」

「……ちょっとだけ、現実味のない話をしていいかな。ヤスフミやはやて達とも相談したんだけど」

「「はい」」

「もしかしたら、世界征服……とか」


最初、二人は驚き、『そんなまさか』と笑いかけた。でもすぐ表情が引きつり、どんどん顔が青くなる。


「やっぱり、ありそうかな。管理局への攻撃は威力証明とかではリスクも高いし、個人的感情なのは間違いないんだ。
ただ逆恨みの類としても、やっぱりやる事が派手だし……管理局そのものを役立たずと貶めて、あとは成り代わるーとかくらいしか思いつかなくて」

「いえ……あり得ると、思います。というか、一瞬笑いそうになるレベルで想像できました」

「だってそうでもしないと……なんで、抑止力足り得ないと検証・論破するんですか?
夏休みの自由研究なんですか。私はやった事なんてないけど」


◆◆◆◆◆


「だからぁ……あたし達は協力できないって。ていうか、悪いのはクロノさんじゃん」

『僕のなにが悪いと言うんだ。先程から説明している通り、恭文は重要な職務機密を持ったまま逃走している。
それは君も知っている騎士カリムの安否にも関わるものだ。だから見かけたら連絡してほしいと』

「そこじゃない。去年言ったよね、あたし達に頼れって。……困ってるから助けてほしいって、みんなに言ってないんじゃないの?」


とりあえず全教科の見返しは終了。いや、7月中に終わらせたんだけど、去年は……自由研究を忘れて、恭文に迷惑をかけたからなぁ。

その自由研究も、今年は『朝食履歴』って感じでちょっとずつ作っているから大丈夫。


「恭文が失踪メールを送った直後、フェイトさんから聞いてるよ。クロノさんが部隊の人達を騙したのに、謝りもしないでみんなしてキレたって」

『……それなら誤解がある。僕達は騙してなどいない、これは職務上必要な事だ。それを恭文やフェイト達が詐欺と勘違いし、ゴネているにすぎない』

「そんなのは恭文とフェイトさん達だって分かってるよ。でも……嘘、ついたんだよね。
なのになんで謝らないの? 職務上しょうがなかったとか言い訳するから、みんなだって許せないんだよ」

『もう一度言う、これは職務上必要な事だ。謝る必要などどこにもない』

「だったらあたしももう一度言う、そんなの……嘘ついた言い訳にはならないよ。現に去年、あたしは……ママやみんなの事、悲しませた」


イクトの事なのはクロノさんにも分かった。そうだよ、嘘は嘘なんだ。その上でなにを積み重ねたって……だから認められない。


「恭文だって、ゆかなさんのライブが駄目になったらかすっごい暴れて……!」


そう、認められない。あおにもお仕置きされたし、恭文にもメイドで……あ、あんな事されたらもうお嫁にいけないし!

なお恭文が毒やら狙撃やら持ち出してきたの、間違いなくあたしのせいだと思う。めちゃくちゃ殺気立ってたもの、最終決戦。


◆◆◆◆◆


『……あの、本当に単独での撃破を前提とした、防御プログラムや戦術カリキュラムの構築は無理なのでしょうか。
例えば実際に現場対応した、恭文君の戦術データやレポートを元に……というのは』

『以前クロノ提督にも言いましたが、無理です。そもそもあの子は既存の魔導師と大きく違う点が多すぎる』


そんな事は分かっている。だからそれを誰にでもできるよう、単独でもできるよう落としこんで構築しろと言っているんだ。

いら立ちはどんどん募っていく。思い通りにならない、思い通りに受け取ってもらえない。

こちらは誠心誠意を尽くしているというのに、全く届かない。なぜこうも行き違うのか、正直理解ができない。


ミゼット提督が言うように、僕が悪いのか? いいや違う、悪いのは何度も説明しているのに、理解しない奴らだ。彼女もその一人だろう。


『具体的には』

『一つ、こちらではほぼないに等しい、フィジカルオンリーな実戦武術を習得している。
まずはここが大事で、攻防に魔法を頼らないで済むんです。その重要性はお分かりかと。
二つ、管理外世界の住民であるがゆえに、魔法の構築・運用に関して視野が広い。常識に縛られていないと言っていい。
そして三つ、あの子は元々、魔力の出力などで勝負するタイプではない。もちろん術式の特異性でもない』

『特異性でも? でも恭文君は』

『瞬間詠唱・処理能力の事を仰っているなら、とんだ勘違いです。……あの子は元々知性で勝負するタイプです。
できる限り相手を念入りに研究し、幾つかのプランを立ててハメていくのが本領』


だから、それができるようにとも言ったじゃないか。まだ理解していないのか、いい加減にしろ……!

それでは、恭文以外はできないと言っているも同然じゃないか。恭文は一体なんだ。

ただの嘱託魔導師だ、マスター級と言えどそれは変わらない。なのに、なぜそんなプライドのない言葉が吐ける。


これならナカジマ二士の方がずっと役に立った。局員として、魔法文化の理念を理解していたぞ。


『トリックスター、またはトラップマスターとも言えますね。その戦い方が、レスポンス最高な能力と調和しているだけの話ですよ』

『つまり単独での打破には、個人の戦闘能力……もっと言えば常識に捕らわれない魔法運用の技術が必要と。それをカリキュラムで教えるのは』

『はっきり言いますが、無理です。前提としてフィジカルでの戦闘技能から鍛えなければ……しかしそれはもはや年単位の修行で』

「言い訳はもういい、働いて実績を出してくれ」


うんざりしながらそう告げ、もう一度……何度目かになる念押しをする。


「いいか、チーム戦前提では無意味だ。単独での打破を可能とする訓練カリキュラム、及び能力妨害の術式を開発しろ。
何度も、何度も言っているだろうが。はっきり言うが君達は現時点でただの無能だ」

『クロノ提督、さすがにそれは』

「だからこそ戦技教導隊の名にふさわしい、栄誉ある働きを期待している」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


あむ「なにやってんの、あの人!」

恭文「そう? クロノさんなら十分あり得るわー」

あむ「え、なんで!?」

恭文「だって無限書庫にわりとムチャぶりな検索を頼む事とか多いもの。
できる範囲は見極めているっぽいけど、ぎりぎりを攻めるものだから面倒極まりないって」


(漫画版A'sでありましたね)


恭文「そんなギスギス状態で、一体どんな事件が待ち受けるか……次に続く!」

あむ「続くの!?」


(続きます。
本日のED:NARUTOのBGM『形勢逆転』)





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