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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第35巻経過報告:02(サンプルあり)(2015/7/29)



古鉄≪というわけで連続していきましょう。なお幕間第35巻、明日(2015年7月30日)発売予定となっております≫

恭文「皆様、なにとぞよろしくお願いします。……そんなわけでサンプル続きー。今回の幕間、こんな人達も出ます」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「さっき見ていたのって、この間のライブ?」

「はい。私も早くステージに立ちたいなって」

「そうねー。この間のシンデレラオーディション、惜しかったじゃない」

「えへへへ……他にもいろいろ受けているんですけど、難しいです」

「でも卯月ちゃん、頑張ってるわよ。同期の子、みんな辞めていっちゃったのに」


……その言葉に突き刺さるものがあった。みんながみんな、ずっと夢を追いかけるわけじゃない。

レッスンがキツいから、才能がないから……そうして諦める子が一人、また一人と増えていく。

でもそれだけではなくて、だから先生も寂しげに……あの、冷たい表情のみんなを思い出していた。


そうして今のクラスで残ったのは私一人。決して大きくはない養成所なので、他のクラスに編入される事もなくただ一人。

こういう事、実はかなり珍しいらしい。辞める人は辞めるものらしいけど、でも私は……笑って、もう一度更に屈伸。


「よし! なら島村卯月、更に頑張りまーす!」

「こらこら、無理しちゃ駄目……あれ」


そこで先生が立ち上がる。屈伸を一旦解除し、レッスン場入り口の方を見た。すると、なんだろう。


「「うぇぇぇぇぇぇ!?」」


黒スーツに三白眼という、やけに背の高い男性が立っていた。それでこちらにお辞儀してくる。

で、でも妙に怖い……! 失礼だけどこう、二〜三人くらい殺っちゃってそうな雰囲気が出ていて。


「あの、なにか……御用でしょうか! う、うううううう……受付の方を通していただかないと!」

「いえ、それなら先ほど」

「「通しましたかー!」」


◆◆◆◆◆


こうして私達の時間は動き出した。
――武内さんという人が渡してくれた、その名刺にはこう書かれていた。


――346プロ シンデレラプロジェクトプロデューサー:武内雅紀(まさとし)――

「みしろ……プロデューサー!?」


スクールの応接室へ移動し、武内さん――プロデューサーさんと向き合い、改めて名刺を確認。

そして驚き……この人、私が落ちたオーディションの責任者さんだよ! そうだよね、プロデューサーってそういう事だよね!


「しかも、シンデレラプロジェクトって!」

「はい。島村さんには先日、プロジェクトのオーディションを受けていただいたと思うのですが」

「はい、受けました!」

「欠員が三名出まして。補充要員を探していたところ」

「そのプロジェクトに、私が」

「はい」

「それってもしかして、デビューできるって事ですか」

「えぇ」


噂をすれば影がさす……どころか、影の張本人がやってきて、手招きしてきた。

一瞬だけ理解が追いつかなかったものの、欠員の補充でも引っかかった事を喜び、感謝する。


「で……デビュゥゥゥゥゥゥ!」


その感動で体が震え、耐え切れずにソファーから立ち上がる。どうしよう、手が……というか、心全体が震えてる。

あの日、本当に夢を諦めかけた日からずっと変わらず、追いかけてきたもの……それに、ようやく触れられるんだ。


「わ、私……ついに、アイドルに!」

「受けて、いただけますか」

「はい! 島村卯月、頑張ります! ち、ちなみに歌手デビューなんかも」

「企画中です」

「テレビに出たり、ライブに出たり」

「企画中です」

「346プロのみなさんにご挨拶などは」

「企画中です」


そっかそっかー。それでも企画検討中でほとんど決まってない……なにかがおかしく感じ、小首を傾げる。


「え……え?」

「企画、中です」


そうしてしばらくの間、武内さん――プロデューサーさんと見つめ合ってしまう。恋に落ちたわけでもないのに。


◆◆◆◆◆


「え……おもちゃのネジを落としたぁ!?」

「……うん」


この子は泣きじゃくりながら、ロボットのおもちゃを大事そうに抱える。もちろん外れていたネジもしっかりハマっていた。


「それで、お姉ちゃんに動かないでってお願いして……歩くと踏んじゃうと思って」

「え……も、申し訳ありません! とんだ誤解を!」


警官のお兄さんはとても素直に、真剣に謝ってくれた。その様子に気が抜け、大丈夫だと快く許す。

それはあのただ者じゃない男も同じで……結局二人一緒に、迷子でもあったあの子とお兄さんに見送られ、駅のホームへ。


「申し訳ありません。自分のせいで、帰ってご迷惑を」

「いや、別に……私の方こそその、巻き込んじゃって」

「あの」


そこでそいつが差し出してきたのは名刺。それを見ると……ん? アイドル……プロデューサー!?

この、どう見ても武術の達人にしか見えないような奴が、アイドル……! いや、それ以前にこれは。


「私、こういう者ですが」

「……なんだ、勧誘の人だったんだ。声かけたのも、それが狙いだったんだ」

「いえ、自己紹介が必要だと思いましたので」


とても淡々な口調で、顔から火が出そうになる。勘違い……! それも猛烈に恥ずかしい類だった。

ま、まるで自分がアイドルスカウトされて、当然と言わんばかりの態度。


「……悪いけど、アイドルなんてわけ分からないもの、興味ないから」

「あの」


それだけ言い切り、真っ赤になりかけなそいつに背を向け、歩き出す。忘れよう、今日の事は忘れよう。

私が成人なら、酒でも飲んでというレベルの気恥ずかしさだった。でも忘れよう……忘れてしまおう、今日の事は。


◆◆◆◆◆


「あのさぁ……そもそも私のなにを見て、アイドルになれって言ってるわけ?」

「……笑顔です」

「は!?」


笑顔……さっと思い返してみるけど、思い当たるフシが全くない。自分の無愛想さに軽く絶望しつつも、それは隠してアイツにジト目。


「私……アンタの前で、笑った事があったっけ」

「いえ、今はまだ」

「……もしかして、適当な事言ってる?」

「適度に当てるという意味なら、その通りです」


どういう意味……!? 駄目だ、考えが全く読みきれない。笑顔……笑顔……そこでひとつ思い当たる。

私が笑ってアイドルをやったら、素敵だろうという予測? ……そこで思い出したのはあの子。

先日アネモネを買ってくれた、あの明るい子。でもあの子みたいにはなれない……即座にそう判断し。


「もういいよ」

「あの」


かばんを抱え、さっと立ち上がる。するとアイツも立ち上がりかけて、両膝をテーブルにぶつける。

……大きい体で無理してるから。でも上の小物が落ちたりする事もなく、アイツは器用に全部を支えた。

それでホッとしてから、あの三白眼で私に疑問の視線をぶつけてきた。


「今、あなたは楽しいですか」

「え……どういう意味? てか、それアンタになにか関係あるの?」

「それは、分かりません。ただ……あなたは今、夢中になれるなにかを、心動かされるなにかを待っているのかと、気になったものですから」

「……アンタには関係ない」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで本編軸、デレマスメンバー登場です。というかアニメの第一話だね」

あむ「これからセイとレイジやら、レヴィ達にアインハルトが登場しようという裏で……かな」

恭文「そうそう。Vivid編、一応テーマが『命がけの闘争から離れた、夢へのまい進』だしね。
だからあむやヴィヴィオ、アインハルト達も主軸だし、今HPでやってる分だとセイ達も主役だし」

あむ「そういう扱いだったの!」


(同時に今回登場するシンデレラプロジェクトメンバーもそんな主軸の一人となります。
とにかくVivid編は、そういう方向で描いていきたいなと)


恭文「でもアニメデレマスの方は、幕間でちょこちょこやる感じ……なのかなぁ。
まだ迷ってるんだけど。同時期の話としてVivid編に絡めるのも手ではあるんだけど」

あむ「あー、それだとごちゃごちゃするかもとか考えてるんだ」

恭文「まとまっていたら読みやすいとは思うんだけどねぇ。
または特別書き下ろしって形で、別枠にするのも……むむむ」


(現在いろいろ考え中です。まぁそれもこれも、シンデレラプロジェクトが始動してからという事で)


恭文「そうして考えている間に、あのラスボス常務の扱いも決まるでしょ。アニメ二期も始まったばっかだし」

あむ「……そう言えばその、銀さんがまた荒ぶってたんだけど。
ほら、アンタがどこ行くんですかゲームで、楓さんと温泉旅行に行っちゃうから」

恭文「僕が誘って行ったわけじゃないからね!? というかなに誤解してるの! 楓さんは火野の僕とお付き合いしてるってのに!」


(だからあっちでも名字呼びでしたしね)


恭文「そして特別書き下ろしも……またまたオリジナル展開へ突入。ここからは地獄だ……!」

あむ「……どうしてそうなるかは、えっと」

恭文「次の経過報告をご覧ください」

あむ「区切るの!?」


(区切ります。なおAimerさんのLAST STARDUST、デジタルミュージックで買いましたー。
……一曲だけとはいえ、クーポンがついて百円だった。
本日のED:Aimer『LAST STARDUST』)





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