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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と彼女達の崩壊 第一巻経過報告:03(サンプルあり)(2015/6/6)



古鉄≪というわけで経過報告です。……なんとか収録九話、書き上がりました≫

恭文「ここから校正ですよ、校正!」

ティアナ「アンタ、また春香が荒ぶるわよ。……でも前回のあれは」

恭文「いや、ティアナ絡みの話があんまり出せないからさ」

ティアナ「どういう理屈ぅ!? それで今回は」

恭文「まずは書き下ろしから……どうぞー」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ミッド港湾地区――そこに遺失物対策部隊『機動六課』隊舎はでき上がった。……とは言うものの、敷地や建物はお下がりや。

地上部隊でちょうど使われなくなったところを、本局が借り受けた感じやな。実はうちの部隊、意外とそういう設備が多い。

シャマルの城となる医務室、そこの設備は本局医療施設からやし、ロングアーチが使うメインコンピュータもそんな感じ。


でも新設な設備も多数あって……例えば、左隣にあるリインサイズのデスクとか。なお妖精モードに合わせとります。


「うふふ……リインにピッタリサイズなのですー♪ ……って、どうしてですかー! リイン、大きくなれるですよー!」


予想通りに荒ぶってるなぁ。そう言えば去年一年で、聖夜市に友達ができたからフルサイズな事も多く……でも。


「リイン、これは省エネや。まだまだフルサイズは燃費が悪いやろ」

「う……そ、それを言われると弱いですけど」

「まぁなのはちゃんも一年一緒やし、時おりコントロールを見てくれるって言うてたよ。頑張ろうか」

「それなら頑張るですよ! それでそれで、恭文さんと……えへへーですー♪」

「それはアカンから!」


くそぉぉぉぉぉぉぉ! リインがフルサイズやら大人モードをデフォにすると、欲望をぶつけていくわけか!

アカン、ずっと妖精のままでいてほしい! でも思考からもう手遅れかもやし……うちはどうすればえぇんや!

教えて偉い人! ……って、うち部隊長やったー! うちより偉い人はみんな本局ー!


◆◆◆◆◆


……そこで鳴り響く着信音。なのはちゃんの携帯から……あぁ、これは恭文やな。

なのはちゃんは携帯を取り、着信画面を見て血の気が引く。そして声にならない悲鳴を上げた。


「フェ、フェイトちゃ……!」

「えっと、グリフィスもここの部隊員なの? シャーリーからは聞いてなかったんだけど」

「無視しないでー!」


なのはちゃん、そりゃしょうがないわ。それはフェイトちゃんの管轄やし……なのでうちもちょっと距離を撮っておこう。


「すみません、実はそのシャーリーにも連絡が遅れまして。ついさっき驚かれたところです」

「グリフィス君はバックヤードスタッフのまとめ役、更に交代部隊の責任者として、うちやリインの仕事をよく手伝ってくれてなぁ。
……そやから言う暇がなかったんよ。部隊開設直前の、一番忙しい時期やったから。ごめんなぁ」

「いえ、大した事はしていませんし……あ、報告してもよろしいでしょうか」

「どうぞー」

「動六課部隊員とスタッフ、全員揃いました。今はロビーに集合・待機させています」

「おぉそっか! 結構早かったな!」


こりゃあのんびり同窓会をやっとる場合やない! 初っぱなからみんなを待たせるのもアレなので。


「ほななのは分隊長、フェイト分隊長、部隊のみんなにご挨拶や」

「は、はい……それであの、恭文君は」

「今すぐに対処して、なんとか鎮めるんや」

「ですよねー!」

「は、はい……はひ」


……そしてフェイトちゃんは突然隅っこへ引き、左手を開き手のひらに『入』と三回書いて飲み込む。それをひたすらに、ただひたすらに繰り返す。


「かぼちゃは駄目かぼちゃは駄目かぼちゃは駄目かぼちゃは駄目かぼちゃは駄目」


しかもなんや呪詛みたいな呟きまで……異様な雰囲気にグリフィス君が息を飲み、一歩後ずさった。

でもかぼちゃ……あぁ、アレかぁ。ほんまつい最近の事やから、必死に抗ってるんやな。


「……グリフィス君、気にしなくていいよ。あの、フェイトちゃんは最近……士官学校の生徒さん達に、いわゆる講談をして」

「校長さんにお呼ばれして、実務経験などからいろいろお話してほしいーってお願いしてな。
でもフェイトちゃん、昔からそういうのがめっちゃ苦手で」

「にが……え、ですが執務官なら」

「お仕事はまだえぇんよ、自分でそういうキャラを作ったりもしとるし。
ただ講談って執務官として……というより、フェイトちゃん自身でみんなにお話やんか。
もう学生時代からそういうのがホンマに駄目で、毎回ガタガタで……それで、結局その時も」


そう、その時も……そやからうちらはただ静かに、無事に挨拶できるようにと両手を合わせた。できるのは……もはやそれだけやった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ティアナ「……初日から不吉な」

恭文「まぁいいじゃないのさ、未来を写し取っているようで」

ティアナ「アンタほんと辛辣よね!」

恭文「ツンデレ、おのれにだけは言われたくないよ」

ティアナ「うっさい馬鹿!」


(げし!)


恭文「がふ! ……ひ、膝蹴りはやめて」

ティアナ「アンタが馬鹿ばっか言うからでしょ!」


(二人はいつも通りです)


古鉄≪そういえばあなた、忍者一番刀は完成したんですか≫

恭文「したよー。これで脱走ルートはテツニンジャー(仮)で参加できる」

ティアナ「なにそれ! ていうか時系列!」

恭文「大丈夫。ほら、ニンニンジャーはカクレンジャー&ハリケンジャーコラボ回でアレだし」

ティアナ「あぁ、それを元に作って……と。というか、作れるの?」

恭文「ラストニンジャの教本も手に入れたから」

ティアナ「スターニンジャーもそれだったかー!」


(蒼い古き鉄ではありませんが、変身アイテムを自作するヒーローって時おりいます)


恭文「あとはオトモニンを作らないと。そうしたら白天王も楽勝だよ」


(そう言いつつブルーウィザードを取り出す蒼い古き鉄)


ティアナ「アンタはどこへ突っ走るのよ……! あとブルーウィザードをモデルはやめなさいよ!」

恭文「えー」

ティアナ「えー……じゃないわよ!」

古鉄≪果たしてそんな変身アイテムは登場するか。そちらにも期待していただきつつ、次にいきましょう≫



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


廃棄都市部――高層ビルの一つへ上り、その屋上へ。みんなは既に戦闘準備万端。……まずは小手調べ。

まぁまぁみんなにはキツいだろうけど、そのキツさも訓練なればこそ。それが実戦では役に立ってくれるはず。


「よしっと。みんな、聴こえるー?」

『はい!』


音声通信越しに呼びかけると、みんなから気合い十分と言った声が響く。うんうん、これなら問題なさそう。


「今日はまぁ、小手調べって感じだね。私達機動六課の任務は、捜索指定ロストロギア【レリック】の保守管理。
実はそれ狙いで、ちょっと厄介な敵が出ていてね。……シャーリー、まずは軽く八体」

「はい。動作レベルC、攻撃精度Dってところですかね」

「うん」


そうしてみんなの眼前に、次々と俵型おにぎりメカが登場。その異様なフォルムに、スバル達は揃って身構える。


『な、なのはさん……これって』

「レリックを違法収集、運用しようとする何者かが動かしている、自律戦闘兵器【ガジェットドローン】。
今みんなの前に出たのは、実機から取れたデータを元に精密再現した贋物。ギリギリのところで本物には届かない。
でも……これが倒せないようなら、みんなはフォワードとしての仕事を一切果たせない事になる」

『だから、小手調べと』

「そういう事。……ミッション目的、逃走ターゲット八体の破壊または確保。十五分以内……いいね」

『はい!』

「それじゃあ」


シャーリーの操作によって、ガジェット達はティアナ達に背を向け。


「「ミッションスタート!」」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ティアナ「あ、これはStSの第三話ね。ちょうどAパートの最後」

恭文「そうそう。この頃はキャロもまだ、魔王じゃなかった」

ティアナ「……片鱗はあったわよ、改めて思い出すと」


(『ティアさんまでなんですかー! さ、最近は言われなくなって安心してたのに!』
『くきゅー?』
『いかいおー♪』)


恭文「それでBパートの最初からやっていた、こんな会議の様子も描きます」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「ロストロギアの危険性、その保守管理の必要性は、時空管理局の一員であるならば誰しもご存じの事とは思います。
そんな中、我々機動六課が設立されたのは、一つのロストロギア絡みで起きている問題があるからです。フェイト分隊長」

「はい」


はやてから説明を引き継ぎ、モニター操作。レリックやガジェット……四年前の空港火災絡みも写し出す。


「これは第一種捜索指定ロストロギア……通称レリック。外観は見ていただいた通りただの宝石です。
しかし古代文明時代、なんらかの目的で制作された、超高エネルギー結晶体である事が判明しています。
レリックは過去に四度発見され……一度目は四年前、とある世界の発掘現場から出土されたもの。
この時見つかったのは二個で、そのうち一個は無事に確保。しかしもう一個は暴走を引き起こし」


ヤスフミも一緒だった事を思い出し、あの『爆発現場』写真を見せる。その大きさ、その威力を目の当たりにし、みなさんが騒然。


「このような爆発を引き起こしました。そして二度目はそのすぐ後――臨海空港での火災を引き起こしています」

「な……! あの火災も、そのレリックが原因だと!」

「はい。みなさんご承じの通り、ロストロギアには違法な密輸取り引きルートも存在しています。
この時の場合、そのルートに乗っかって空港に運ばれたレリックが、なんらかの原因で爆発したようです」


◆◆◆◆◆


ガジェットドローンが持つ厄介な性質――ヤスフミの戦闘映像も込みで見せていくと、場が今までで一番騒がしくなった。

この魔法自体を知らない人も多いみたいで、それがより困惑の色を強めている。


「まずAMFというのは、『アンチ・マギリング・フィールド』の略称。簡単に言えば、魔法を無効化するフィールド魔法です。
魔力結合に干渉・無効化する特殊フィールドを展開。そうして攻撃を防ぐ……だけならまだ対処のしようもあるんですが」

「AMFはその強さを『濃度』と例えられていまして、重ねがけなどにより効力を増していきます。
最終的には完全キャンセル化――フィールド内に取り込まれたら、魔法そのものが使えなくなるんです。
結果飛行も絡めた移動系魔法や、魔法陣などによる足場作りもできず、魔導師はその杭と翼を奪われる」

「それを……この兵器達は持っているのかね! それも全機が!」

「その通りです。実際遭遇した各地の武装隊は、例外なく苦戦を強いられ続けてきました。ガジェットは単なる自律戦闘兵器ではありません」


去年の事もあるから、より混乱はひどくなる。もうここにいるみなさんも気づいている、だから……冷酷な真実を告げた。


「これは去年、私達が遭遇したアイアンサイズによるテロと同じ。魔法による治安維持――管理システムそのものへの挑戦と侮辱です」


それで混乱は最高潮。うん……分かるよ。私達はわりとさっくり倒していたけど、これもまた『魔導殺し』だ。

しかもアイアンサイズはある種特別でイレギュラー。生体改造という手段を用いたワンオフ。

でもガジェット達は違う。強さではなく量産性によって、魔法社会の脅威になろうとしている。


模倣犯が出る危険だってある。攻撃性能だってそれなりだから、魔法が使えないなら……改めてこの仕事がどれだけ重いか、実感する。


◆◆◆◆◆


あららー、やっちゃったかー。スバルは真っすぐかつ全力全開でいい子なんだけど、勢い任せに突っ込むのが駄目だなー。

とりあえずスバルにリーダー適正は全くなし……っと。エリオ達を引っ張るのは無理そうだなぁ。


「スバル、大丈夫?」

『な、なんとか……でも、これって』

「言ったでしょ、AMFって。魔力結合そのものを解除する、一定範囲内に展開するフィールド系魔法。
ガジェット一体ならさほどじゃないけど、あんな風に固まって同時展開されると、移動系魔法の使用すら困難になる」

「まぁ訓練場ではみんなのデバイスにちょっと細工をして、擬似的に再現してるんだけどね」

『細工!?』

「ごめんねー。でも実物を作っちゃうと、私達が捕まっちゃうから」


違法物だしねー。こういう手しかなかったのは、まぁ納得してもらうしかないわけで。

かと言って訓練しないのも無理。相手が一人とかならともかく、数も不明な戦闘兵器だから。


「でもさっきも言った通り、AMF展開も実機からデータ取りしてる。再現度はかなり高いよー」

「対抗する方法は幾つかあるよ。素早く動いて、素早く考えて」


……とは言うものの辛いだろうけど、ここは頑張ってもらう。さて、この場合鍵はやっぱりスバル達かな。

私達みたいな射撃系にAMFは天敵同然。攻撃手段が魔力オンリーになりがちだもの。


「これがなぎ君ならどんどん斬るなり殴るなりするんでしょうけど」

「恭文君は数に入れちゃ駄目だよー。魔力なしとか平然とやっちゃうし」

「ちなみになのはさんは」

「まぁ分かりやすいのは物質操作かな。AMFは魔力をかき消すけど、放り投げた岩とかは無力化できないし」

「まるでトンチですよねぇ。魔力は消すけど、魔力で発生させた現象そのものは無効化できないと」

「そうそう」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ティアナ「……やっぱガジェットも強敵なのよね。根源から潰しにかかるし」

恭文「え、普通に殴って潰せるじゃないのさ。もしくはかめはめ波」

ティアナ「アンタは完全に例外なのよ! 自覚を持ちなさい!」

恭文「だってしょうがないじゃないかー」

ティアナ「えなりの真似もいらないのよ!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


使えない子が六課の足を止めている。なんという不幸……六課は英雄として、神へ近づく足がかりとして成功に満ちあふれていなければいけないのに。

なので私の方で手を打っておいた。少々手間はかかったけど、私を信じてくれる愛しい子達のおかげで。


「失礼しますぅ〜」


そこで入ってきたのは、外側にはねた二つわけの女性。丸メガネに甘ったるい口調……明るいブラウンの髪が、軽く揺れてもいた。


「あぁ、えっと……あなたは」

「初めまして、最近こちらへ配属となりました武井仁・S・四菜(むいに・セルジオ・よつな)と言います〜」


むいに……日本人? でもセルジオ……また呼びにくい名前だと思った。本局制服を着ているから、当然局員なのは分かる。

でも見覚えのない女性なので警戒していると、彼女は笑顔でペコリとお辞儀。


「リンディ提督ぅ、突然ごめんなさい。私、スコット提督のお使いでこちらへやってきましてぇ」

「スコット提督の? という事は」

「はい〜。日ごろお世話になっている提督に、メールでのお返事も失礼という事で……こちらを」


彼女はそっとタブレットを出してくる。言いたい事が分かったので、近づき差し出されるそれを受け取る。

スイッチを入れ、中身確認。ふむ……いい人員を揃えてくれたみたいね。というかこの子達の名前は。


「えっと、武井仁・S・ウェンディと、武井仁・S・ディード、それに武井仁・S・オットー?」

「はい、私の妹達なんですぅ」


あぁ、それで……ウェンディと呼ばれた子は赤髪アップで、ランクもエリオ達と同じくらい。

陸戦ではあるけど、飛翔系のレアスキルも持っているみたい。もう一人は栗髪ロングで、物静かそうな女の子。

もう一人はそんな子と顔立ちが同じで、短髪の子。一見すると男の子のように見えるけど。


とにかくロングのディードさんは近接型で、オットーさんはキャロと同じフルバック……凄いわ。

まさか三人も有力そうなメンバーを送ってくるなんて。これなら代わりとしては十分ね。


「経歴は見ての通りで……提督からも姉として、礼儀正しく挨拶をと言われまして」

「そのようね。……でも、そんな畏まらなくてもいいのよ。むしろ助けてもらっているのはこちらなんですし」

「とんでもない! リンディ提督のご高名はよく耳に挟んでいましたし、なにより目上の方ですから!」


彼女は慌てて、謙遜しまくりな態度で両手を振る。どうやら甘ったるいしゃべり方は、彼女なりの敬意らしい。

妹達の事もあるので、失礼のないように……そういう本心が見えて、つい頬が緩んだ。

そう、彼女も私を信じている。なのに……どうしてあの子やGPOのように、私を認めない人間が出てくるのか。


そうすればとても幸せになるのに。私を信じる事、組織を信じる事はなにものにも代えがたい真実なのに。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ティアナ「……え」

恭文「え、なにこれ。え……え?」

古鉄≪さすがにミッション話やStS・Remixも絡めたらJS事件を描くのも相当回数ですからね。変化球を付けました≫

恭文・ティアナ「「どういう変化球!? というかこれは……いやいや! ヤバいでしょ!」」

古鉄≪どうやばくなるかは、本編を見てもらえればと思います≫

白ぱんにゃ「うりゅりゅー♪」

ミュウ「ミュウー♪」



(というわけで今回はネタバレ多数なところが多いため、こんな感じですが……校正頑張ろうっと。
本日のED:UVERworld『THE OVER』)









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