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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と彼女の鮮烈な日常第ニ巻 経過報告 (サンプルあり)(2015/2/26)



恭文「というわけで……千早、誕生日おめでとう!」


(注:現在二月二十五日です)


千早「ありがとうございます。またこんなにお祝いしてもらって……嬉しいです」

ちひゃー「くくくっ、くっー♪」

古鉄≪毎月がハッピーバースデー、いい事ですね。さて、Vivid編第二巻が登録完了。
二〇一五年二月二十七日に販売開始です。みなさん、なにとぞよろしくお願いします。……ですが≫

カブタロス「なんだ?」

古鉄≪話自体はわりと最近のものだったので、構成の手間がそれほどかからず……その分追加シーンをと頑張った結果、全二巻が全三巻になりました≫


(ごめんなさい)


カブタロス「どんだけ追加したんだよ……!」

古鉄≪テンポを崩さないようさくさくとした感じですが≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「アタシ達は家族で仲間だから信じろって言えば済む話じゃないか。
それで信じないなら、殴ってでも信じさせる。それが正しい事だって教えるんだ。
お母さんだって言ってるだろ。みんなを信じて自分を預けて、初めて大人だって」

「アルフ、殴るのは駄目だよ。……でも、殴る以外ならアルフの言う通りだ。
未来のヤスフミならきっと分かってくれる。ヤスフミは大人になってるんだから。
きっと母さんや私達みたいな、正しくて強い大人に。だから信じてって言えば」

「はやてちゃん、本当に言っても無駄だったね」

「そやろ? そういう話とちゃうんに……これやから素人さんは嫌やわ」

「なんだよそれ! アタシ達が悪いってのか! そんなわけ」

「あります」


そこでなのはちゃんが小さく呟いた。アルフさんが噛み付こうとしたけど、それが止まる。……なのはちゃんの顔、真っ青やったから。


「だって未来が変わるって事は、恭文君の『今』が変わるって事だから」

「なのは、考えすぎじゃないかな。私達を信じただけでそんな」

「誰かが死ぬ事になっても?」

「……え」

「未来を変えるってね、そういう可能性も出てくるんだよ。ちょっとした事が大きな波紋になって……怖いに決まってるよ」


なのはちゃんがあんまりに真剣やったから、フェイトちゃんも押し黙ってしまった。でも、これだけか?

なのはちゃんの言葉にはもう一つ重みがあった。それがなにか分からんで訝しんでいると。


”ねぇはやてちゃん”


念話が届いた。どうやら謎解きをする必要はないらしい。


”もし今考えた事が全て事実で、それでなお恭文君が私達を信じられない理由があるとしたら”

”うん?”

”……そうは思えないなにかが起こったって、事かな”


◆◆◆◆◆


「……あれ、未来でアンタが戦った犯罪者かなにかやろ」


そこではやての指摘が飛んできたせいで、僕は固まってしまった。それで背後からため息が聴こえる。


「やっぱりそうなんやな。アンタは今の恭文とちゃう。今よりずっと後の恭文……そっちのあむちゃん達も未来から来た。
察するに姿が変わったり、魔法とちゃう戦い方する技も……修行なり冒険なりで身に着けたスキルやな」

「え……ちょ、恭文! なんかバレてるんだけど!」

”おのれもあっさり認めるなボケ! あとみんな、キャラなりの事は死んでも隠し通すよ! 今のみんなに話しても面倒だし!”

”いやいや、使ったの蒼にぃとあむさん達じゃね!? 俺達関係なくね!?”

”連帯責任!”

”出たよ、世界一都合のいい言葉が!”


トーマはツッコミがキツいなぁと思いつつも、僕は冷静を装ってお手上げポーズ。詠唱開……そこで嫌な予感が走る。

くそ、抜けてた……欠片を倒したのに、結界が解除されていない! 慌てて周囲を警戒すると、町中で次々と影が生まれる。

その影を見て、あむが……ラン達が息を飲む。バイザーで顔が隠れ、髪はショート気味。


両手を液状変化させ、ブレードと砲門に変化させる。コイツらは……!


「そ、そんなぁ……この人達はぁ!」

「マリアージュだよー!」

「恭文……頼むから、この人達について知ってたら、それだけ教えてよ。いや、マジお願い」


返す前に、アルフさんとフェイトが突撃する前に転送魔法発動。そうして一気に数百メートル南方へ移動する。


「あ、あれ……恭文君!」

「おい、なにしたんだ! また余計な事を……アタシ達を信じろって言ってるだろうが!」

「無理だわ」


そこで響いたのはとてつもない爆音。北方――それまでいた場所が爆炎に包まれる。

周囲のビルを焼き払わんばかりの爆発――それにフェイトが、アルフさんが、はやて達が目を見張る。


「だってお前らに付き合ってたら死ぬもの」

「恭文、君……あの爆発は」


◆◆◆◆◆


ほんと、どういう事だろう……! アースラの演習場で、気合い十分というアルフさんと対じ。

いや、わけが分からない……お願いだから誰か説明してー! ラン達には頼れないしさ!


「いいか、アタシが勝ったらさっきの事を謝れ! 間違ってたのは自分達だってな!」

「はぁ!?」

「アタシ達は正しかった! でも負けたのは、お前や恭文がアタシ達をちゃんと信じなかったからだ!
それであの凄い力についても局へ報告するんだ! それがお母さんの! そしてフェイトやアタシ達のためになる……分かったか!」

「……馬鹿じゃん」


恭文がどんだけ頭痛いかよーく理解できた。なので拳をバキバキと鳴らし。


「なんだと! アタシ達のためになる事をどうして断るんだ! ふざけるな!」

「ルティ、ベースステイツ……っていうの、できる?」

≪ぴよぴよー♪≫


一瞬ピンク色の光に体が包まれるけど、それはすぐ弾けた。……あれ、デザインは変わってない?

あぁそうか、あたしで調整していいって言ってたもんね。ジャケットの性質だけ変わった感じか。


「正しいから、信じてるから……そう言ってアンタは結局、自分以外の誰かに甘えてる」

「黙れ! そんなのは恭文みたいな狂った理屈だ! アタシ達は正しい! 正しくなきゃいけないんだ!」

「あたしもアンタみたいな馬鹿、何人も見てきたよ。世の中の大きな事に負けて、言い訳して、人を踏みつける歯車みたいになって。でもね」


軽く息吹……左半身を向けた上で構えると、アルフさんが号令もなく突撃。そのまま突き出された左拳をすれすれで避け、右ボディブロー。


「そんな奴に……あたし達は負けない!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



古鉄≪まずはこんな感じです。えぇ、毎回バトルとなりました。そして改めて知る、今まで戦っていた敵の厄介さ≫

カブタロス「ドーパント張りに能力特化してるもんなぁ。ほんと厄介な奴らばっかだ」

古鉄≪そして同人誌という事で、同人版限定で出た敵も≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


『クロノ君、どうしよう! それだと欠片退治も命がけだよ!?』

「あぁ。これから先、一秒たりとも油断できないぞ。エイミィ、みんなに連絡を。
僕も恭文からそのなんちゃらドリームについて聞いてみる」

『了解!』


そうして詳しく聞くため、通信を繋ぐ。……だがそこで結界発生。この魔力反応は欠片のものか。

今度は一体誰が……そう思い七時方向・三十メートルの地点を見る。そこにいたのは人間ではなかった。金色の、一つ目の化け物だった。


「……おいおい、せめて言葉が通じそうな相手にしてくれ」


悪態をついていると、怪物は突撃――右爪でこちらに刺突。シールドを展開するも、その爪によってあっさり斬り裂かれる。

驚きながらも離れ、詠唱していたバインドを展開。それで体をがんじがらめにするも、それをたやすく振り払う。


≪Stinger Ray≫


すかさず追撃のスティンガーを連射しつつ、距離を取る。しかし怪物はそれを受けても怯む事なく……通じていないのか!?

僕には見覚えのない怪物、その正体を探るところから始めた方がいいらしい。


「エイミィ、まだ聴こえているな!」

『恭文くんには通信中! デュランダルから映像データも拝借するよ!』

「頼む!」


慌てて恭文達に通信を繋ぐ。更にエイミィが今この瞬間の映像も送信。そうすれば言いたい事はすぐ分かるはずだ。


『はい、クロノさ……はぁ!?』

『あ、主様! ソイツは!』

『知っているんだね! じゃあ対処法を教えて!』

『無理です!』


おいおい……言いかけたところで背後にもう一匹出現。くそ、マリアージュの時同様に複数出現か! 

一体目は左へ避けた僕に対し、赤いオーラを迸らせる。更に二体目も続き、二体は両爪を振るった。

そんなあっさりとした動作……距離も八十メートルほど離れているし、斬撃攻撃ではないとすぐ理解する。


その瞬間……斬撃の軌道から生まれたのは、炎の渦。一気呵成に広がるそれにデュランダルを向け。


『ソイツらにはそもそも魔法攻撃が通用しません!』

『「はぁ!?」』


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



古鉄≪きっとボスも出てくるでしょう。楽しみですね≫

カブタロス「マジかよ……!」


(次巻、ボスラッシュかもしれません)


古鉄≪更に書き下ろしは少し過去へ遡り、また強烈なお話となります≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


新暦七十三年の冬――ミッドへ引っ越してきて早々に起きた事件。ギリギリ108の管轄下にある再開発区域。

地球の団地区域に似ているような場所で、しかも雪が降る寒い夜……捜査員達は忙しなく動いていた。

そんな中、ギンガさんに呼び出されて僕が見たのは。


「――もう嫌だ」

「私もだよ」


痩せこけた女性の飛び降り死体だった。静かに両手を合わせて、すぐ近くにあるビルを見る。

でもそこ、借り手募集って張り紙が貼ってあってさ。使っている感じじゃないのよ。


「死亡推定時刻は、昨日の夜十時頃……名前はシフォン・ソリエ、二十四歳だね。この近くに妹さん、それに娘さんと住んでいるんだけど」

「発見者は」

「その妹さんだよ。ランニングするのが日課だったんだけど、いつもの時間に戻ってこなくて……それで」


なるほど、だから黄色いランニングジャージなわけですか。しかし無念そうな顔をしている。

そこで忙しない流れの中、嗚咽を漏らす人がいた。こちらは健康的な体型で、死体と同じオレンジ髪を揺らしている。


◆◆◆◆◆


「……きっかけは骨髄移植なんです」

「骨髄移植? じゃあ」

「いえ、姉は提供者でした。かなり前に登録していたんですが、ニ年ほど前に必要としている人がいると。
ただ……結局断りました。あの子は生まれたばかりで、姉もあの子を支えに元気を取り戻した直後で」


そこでギンガさんが怪訝そうな顔をする。提供を断る理由が分からないんでしょ。

医療技術も発達したミッドなら、それほど危険はないと。うん、それもまぁ事実だよ。

でも……危険がないというだけで、『全く』じゃないから。そこは変わらないから、僕は納得した。


「それにご存じないかもしれないですけど」

「骨髄提供のリスクですね」

「……! そう、そうなんです!」


妹さんは理解してくれた驚き、更にその嬉しさを思いっきり僕へぶつけてきた。対してギンガさんはその反応に戸惑うばかり。


”えっと、なぎ君”

”後で教えるから”

”あ、うん。今は集中だね”

「ですがどこからか、私達がドナー候補だと患者側にバレてしまって」

「「はぁ!?」」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



古鉄≪またまた血なまぐさい事件に巻き込まれるわけですね、分かります≫

カブタロス「いつもの事じゃね?」

古鉄≪それもそうですね≫


(そして混乱は続く……愉悦になるといいなぁ。
本日のED:中野愛子『太陽の翼(勇者シリーズ20周年記念 HARVEST Ver)』)





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