作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
ゴーカイジャークロス第三巻経過報告:03(サンプルあり)(2015/2/19)
古鉄≪というわけで幕間第三十巻、販売開始いたしました。みなさん、なにとぞよろしくお願いします≫
恭文「よろしくお願いします。……それじゃあゴーカイジャークロスのサンプルを。今回はこちらです」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「後藤隊長、この方が」
「あー、松井さんから聞いてるよ。で、蒼凪さんだっけ?」
「はい。初めまして、蒼凪恭文です」
「山崎、ありがと。仕事戻っていいから」
「はい、では失礼します。……頑張ってね」
山崎さんは小さく応援し、そのまま退室。仕事に関しては細かく話してないのに……いい人だなー。
とにかく後藤さんへお辞儀し、そのままデスク前へ。
「えっと、十二歳だっけ? それで第二種忍者ってまた、優秀なんだねー。資格取得してから、結構活躍してるみたいだし」
「まぁ、活躍というか……巻き込まれたというか。それで」
「大丈夫大丈夫。でも俺についていても勉強にはならないと思うけどなぁ。ほら、見ての通り島流しだし?」
はははは……笑えないジョークはやめてほしい。初対面で目上の人だし、かなり気を使っているというのに。
「そういやレイバーの操縦資格、持ってるんだっけ。そのせいかなー。でも、よく取れたね」
「忍者資格を取った時、お世話になった人達から勧められまして。その人達の推薦もあって」
「なるほど、レイバー犯罪に発展しても動けるようにと。……じゃあ自己紹介はこの辺にして、松井さんはなんて」
「大体の事は聞いているとは思いますが、少し進展が。戦闘機の映像を撮ったらしい撮影会社に行ったんですが」
「うん」
「その映像ビデオ、もう回収されていたんです。警察を名乗る何者かによって」
そこで後藤さんの目が細くなる。おぉ、なんと鋭い眼光……やっぱり昼行灯、輝きはちゃんとあるって事か。
「今日の二時頃です。スタッフは作業的に映像編集していて、細かいところは覚えてなかったとの事で」
「なるほどね……そりゃ気になるわ」
◆◆◆◆◆
「陸幕調査部別室……の荒川さんね」
後藤さんが受け取った名刺を見て、怪訝そうな顔をする。このタイミングだもの、もう嫌な予感しかしない。
「住所どころか、電話番号もないんですね」
「まあいろいろ不都合がありまして」
「で、ご用件は?」
「本題へ入る前に、ちょっと見ていただきたいものがありましてね」
「僕、いない方がいいですか?」
「いや、問題ない。これなんですが」
取り出したのはテープ……まさかこれは。
「お願いできますか」
そこで荒川さんが見るのは、ちょうど背後にあるモニターとデッキ。テープは僕が受け取り……ほら、一番年下だし。
すぐにデッキに入れて、再生っと。いやほんと、ビデオデッキがあってよかったよ。
そうして再生されたのは……『思い出のベイブリッジ』というカラオケ映像だった。
「……をい」
「このテープで、いいんですか」
「いいんです。これで」
「この曲、俺うたえるわ」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「はい、前回の経過報告でも話しましたが、NEXT GENERATIONの十年前……よりにもよってこの事件って」
古鉄≪そしてあなたはあんまり活躍せず、目撃者みたいな感じに≫
恭文「しょうがないね、主軸は僕じゃないもの」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「……ベイブリッジが爆破された夜、三宅島での夜間発着訓練中に失踪した米軍機がありましてね。
「それがさっきの機体だと」
「米軍自身がそれを認めて報告してきたんですよ」
へぇ、米軍が……米軍!? いや、自衛隊が保有していないとなると、あとはよその軍くらいしかないだろうけど!
でもそれは、下手をすれば侵略問題……とんでもない話になってきて、つい生つばを飲み込む。
”アルト、録音は”
”当然しています。ですがどういう事ですか。いや、確かにF16はアメリカの機体ですけど”
”この国際社会で米軍が表立って攻撃したら、間違いなく世論が許さない。特に日本は戦争放棄してるってのに”
さてさて、軽くですが解説しましょう。F16……その愛称は【ファイティングファルコン】。
アメリカ合衆国のジェネラル・ダイナミクス社が開発した、第四世代ジェット機だよ。
その生まれは一九七〇年頃で、全天候対空・対地攻撃能力持ちの軽量戦闘機。その性能はかなり高くてさ。
今まで段階的に改良を続けられてきた事で、登場から三十年経つのに最新鋭戦闘機相手でも遅れを取らない能力なのよ。
生産台数は四千五百機以上だっけ? 世界二十か国以上の空軍に利用されていて、ベストセラー戦闘機とも言われている。
ちなみにこれ、アメリカのジェット戦闘機としては第四位の生産数……ようは凄いって事だよ。
現在も採用国は増加していると言うし……以上閑話休題。
「勿論非公式なものですが、我々には独自のルートがありまして。軍は軍同士って訳です。
意外に思えるかも知れませんが、事実を隠して我が国の防衛体制をいたずらに混乱させるのは……彼らにとっても得策ではないのでね」
「でもなんで、米軍がベイブリッジを? 侵略ってわけじゃ、ないですよね」
「無論彼らに攻撃の意志があった訳じゃない。今回の事件に関して言えば、米軍も……恐らくミサイルを発射したパイロットも、被害者に過ぎない」
「説明、してくれるよね」
「我々は一年程前から、あるグループの内偵を進めていましてね。国防族と言われる政治家や幕僚OB。
それにアメリカの軍需産業、米軍内の一部勢力……まあそういった連中の寄り合い所帯です。
冷戦終結後、拡大の一途を辿るアジア軍拡競争の中で、一向に軍備の増強を図ろうとしない日本。
それに対して、彼等は根強い危機感を持っていた。そして平和惚けの日本とその政治状況を一挙に覆すべく、彼等は軍事的茶番劇を思いついた」
なるほど、侵略ではなく……単なる警告だと。あんまり我関せずでいると、こういう事が起きるぞーという脅し。
それなら死傷者を出さない手口も分かる。でも無茶を言ってくれるね。それで軍備増強なんてしたら、戦争放棄はどうしたって話になる。
そして世論も……いや、この場合は世論を動かすのが目的かな。反対するのはやっぱり市民が中心。
でも残念ながら戦争を経験し、そういう事に嫌気が差した戦争世代は次々と亡くなっている。まぁ第二次世界大戦から半世紀以上だしね。
そういう層の声が薄くなれば、危機感さえあれば……確かに、覆せるかもしれない。
◆◆◆◆◆
そこで携帯の着信音。シンプルな電子音が響くだけのものは。
「失礼。私だ」
荒川さんだった。荒川さんは左手を懐に入れ、すぐに取り出す。イヤホンは元々してあったので、そのままハンズフリーで会話。
「……なに」
でも相手からの声が響いたところで、表情が一変。車が急加速し、次の分岐点を右に……下道へと降りていく。
割りと強引な運転なので、僕もシートベルトを持って必死に耐える。
「おい! 仮にも現役の警察官ニ名を乗せてるんだからさぁ!」
「僕を忘れないでくださいよ! というかなんですか! なにがあったんですか!」
「奴の方が速かったよ。爆装したF16Jが三機、三沢を発進して南下中だ。約二十分後に、東京上空に到達する」
つまり……そこで一気に血の気が引いた。二十分? 当然避難なんて間に合わない、相手は音速で飛ぶ鉄の鳥だ。
攻撃目標も、相手の狙いも分からない状況。そして既に、犯人はミサイルをぶっ放している。二発目は……もっとたやすく、トリガーを引ける。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
航空自衛隊は当然右往左往の大慌てだった。レーダーに映る機影は反応もなく、戦争を放棄した国へ攻め入ろうとしていたのだから。
国際社会、各国の目、平和への祈り……そんなものはデジタル上に映る、三つの反応には無意味だった。
音速は理念や常識をたやすく超え、搭載しているミサイルは人々に遠い異国の現実を知らしめる。
言うなれば現代の黒船……しかし黒船と違うところがあるとすれば、それは既に引き金を引いている事だろう。
『SIF照合――当該機、北部航空方面隊三空鉢飛行隊所属、F16J三機。コールサインワイバーン――応答ありません』
『エリアホテル、ツーキロワン……ヘディング一九〇。高度三万二千、速度七百二十ノット、なお南下中』
「三沢はどうだ、繋がったか」
『北部SOCを始め、各飛行隊とも応答ありません』
「ダイレクトラインで基地の司令を呼び出せ。出るまで続けろ。……まさか、三沢が」
「馬鹿、そんな事があるわけないだろ」
そう、あるわけない……基地司令部のトップ達も困惑する状況。この国で戦争など、クーデターに近い事など起こるわけがない。
それは思い込みであり、信頼だろう。戦争を放棄すれば、戦争から遠ざかれば狙われないという理論。
確かに撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけ。そしてその覚悟がないなら、銃など持つべきじゃない。
しかし彼らはそんな事を真っ直ぐに信じられるほど子どもではない。彼らは既に知っている。
真の理不尽というのは、そんな覚悟のない者に振りかかるのだと。暴力を振るう者に、相手の覚悟など関係ない。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
あむ「……なんかヤバイ事になってるじゃん! え、ミサイルで攻撃されるって事!? 東京が!」
恭文「なのでこのお話、監督自らが書いた小説版に倣ってTOKYO WARというタイトルになっています」
あむ「攻撃どころか、戦争……!?」
恭文「米軍、自衛隊、政府、もちろん警察――米軍は諸外国だからアレとしても、内部だけで三つどもえになりかねない状況だよ」
(同人版で言うとドキたま/だっしゅでやったパーペチュアル編に近いですが……さて)
あむ「ま、まぁこれはあくまでもレイバーがあったらってIF世界だしね。本編ではさすがに」
恭文「……」
古鉄≪……≫
あむ「ちょ、黙らないでよ! え、あったの!? 近い事があったのかな!」
(果たして東京はどうなるのか。……はいそこ、海鳴なら大丈夫とか言わない。
そう言えばデス・パレード第六話、楽しかったですね。
本日のED:宮野真守 『BREAK IT!』)
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