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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第二十九巻経過報告:02(サンプルあり)(2015/1/13)



古鉄≪というわけで大分間が開きましたが、幕間二十九巻の経過報告です。現在幕間前三話はほぼ完成。
書きおろしも長編二話、短編二話という構成。番外編も校正だけですが二話完成……あとはリマスターですね≫

恭文「大きいとこだとそれだね。さてさて、間が開いたのにはちょっと理由がありまして」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


≪Beginning【Plavesky particle】dispersal. Fiard――Space≫


ベースと彼らの足元から粒子が立ち上り、フィールドとコクピットを形成。今回は宇宙空間……基本的に障害物はなしか。

ガンプラの地力、更にファイターの腕が試されるシチュエーションだな。


≪Please set your GANPLA≫


指示通りガンプラを置くと、プラフスキー粒子がお互いのガンプラに浸透――スキャンされているが如く、下から上へと光が走る。

カメラアイが光り、首が僅かに上がった。粒子が彼らの前に収束し、メインコンソールと操縦用のスフィアとなる。

モニターやコンソール、計器類は淡く青色に輝き、アームレイカー型操縦スフィアは月のような黄色。


コンソールにはガンプラ内部の粒子量も逐一表示され、両側に配置された円系ゲージが忙しなく動く。

まず相手はストライクフリーダムガンダムか。あのパーツ形状を見るにRGがベースか。

HGはこう……いやいや、手のかかる子もかわいいものなんだよ。それに対しヤスフミは……ん!?





蒼いカラーリング……はいいとしよう。問題はそのボディ形状だった。ギャラリーの塾生達も正体に気づき、ざわざわと声を漏らす。

初代ガンダムとほぼ同じボディフォルムだが、各部形状が異なっている。まず頭部は垂直ギリギリに立てられたロッドアンテナ二本。

ガンダム特有のスリットがなく、今で言うところのZ系に繋がる口元。ボディ胴体には最低限の追加アーマー。


なお本来排熱部となっている胸部分だが、あれは仕込みミサイルだ。両肩付け根には追加のフレキシブルスラスター。

クロスボーンほどではないが、あれで推力位置を変更し機動性向上に役立てている。両膝アーマーも分厚いものとなり、足首には強化アクチュエータ装備。

固定武装は頭部バルカン砲と、バックパック右側からアーム接続されたハイパーバズーカ。


左側には……ちょっと見えにくいが、ガンユニットのマーキュリーレヴが接続されていた。

あとは右下腕外側に内蔵されているビームサーベルと、左腕の小型シールド。

まさか、そうくるとは……面白いよ、ヤスフミ。ガンプラ塾にこれでバトルを挑もうなんて、尊敬に値する。


「なんだ、ゴーストじゃないのか。準備期間もなかったってのに、新しいガンプラなんてよく用意できたな」

「……レッド、ウォーリア」

「は? なに言ってんだ、あれは蒼いぞ」

「そうですよぉ、恭文さんの色ですよぉ」

「違う違う、色の事じゃない! あれは伝説のガンプラ、パーフェクトガンダムV」


カイラは知らないのか。正直そこも驚きだが、今は気にせずヤスフミを――レッドウォーリアを指差す。


「レッドウォーリアのカラーバリエーションだ!」

『伝説のガンプラァ!?』


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「はい、アメイジングレッドウォーリアを塗ってました!
それで格付けチェックとかのあとがきとかで言った通り、基本塗装はこんな感じに!」

古鉄≪薄いところはガンダムカラーのスカイブルー、濃いところは同じくガンダムカラーのブルー。
関節部などは国鉄色をドライブラシ風味で重ね、黄色いところは水性アクリルのイエローとなっています。あ、瞳もですね。白いところはラッカーのキャラクターホワイトベースです≫

恭文「実は塗っている間、これで大丈夫なのかとかなり不安になったりも……集中して作業した結果がこれです」


(レッドウォーリアはやっぱり赤という固定概念が。でも塗ってみたらなんとかなった)


恭文「まぁカラーベースはレッドウォーリアそのままだし、元のデザインがどれだけ完成されているかっていう話だよ」

古鉄≪なお紅ウェポンの武装は、当然といえば当然ですが出ない方向で。ちょっと残念ではありますけど≫

恭文「ガン=カタとかできるしねー。まぁそのためにはアメイジングレッドウォーリアだけじゃあ足りないけど」


(ハンドガンでガン=カタやりたいなら、本体+紅ウェポンというセットになります。本体には一つ分しかついてないから)


恭文「そんなわけでブルーウィザードで参戦……まぁ戦闘シーンはそれとして」

古鉄≪こんなカードも用意しています≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


同じバトルベースでFブロック一回戦がスタートする。
なおこの試合、出場するのはタツヤのメイドさんなヤナさん。

響とミキ達はその可愛らしさに酔いしれていた。そう、ガンプラがめっちゃ可愛かった。


ガイアガンダムを猫っぽく改造したガンプラ【ニャイアガンダム】を駆り、ヤナさんが湿地帯でうろちょろ。

そうだなぁ、ニャイアガンダムを一言で説明すると……猫だった。いや、元々ガイアガンダムは四足歩行のMA形態に変形できるのよ。

それを利用し、猫っぽい頭になるアーマーを追加装備。各部の装甲もその印象からズレないよう丸みを帯びた物としている。


黒白なそれは、ガンプラとは思えないほどつぶらでチャーミングな瞳が印象的。あれもまた想像力とオリジナリティだよ。

カイラもヤナさんの試合が始まると食い入るように見ていた。

どうも本当にお姉さんとして慕ってるみたい。一気に小動物モードになっているもの。


あとであの話もしとかないとなぁ。でもブルーウィザード、前もって準備しといてよかったよ。

大会でカイラが早速ってパターンもあり得たから、昨日は忙しかったわけで……それはそうと。


「……相手はどこ」

「だよ、なぁ。視界が悪いから隠れて……って感じか?」

「でもあのガンプラ、可愛いぞー。恭文、あれってオリジナルなのか?」

「プラ板を組み合わせてね。タツヤが教えたんだよ」

「へぇ……凄いなぁ。やっぱ自由なんだな、ガンプラ」

「ベアッガイさんに通ずるところがありますねぇ」

「いいないいな! ガンプラもまた芸術かも! スケッチだ!」


◆◆◆◆◆


「タツヤ、その格好は」


はい、現在タツヤは青い制服姿です。ガンプラ塾では制服なんてないから、そりゃあカイラ達も……違うか。

カイラはごちそうを取り合ってるし。驚き指差ししていたのはアランだけだった。


「聖鳳学園の制服なんだって。都内……ぎりぎり西東京側にある」

「まさかもう負けを予測してか!」

「違う違う。ほら、いずれにせよガンプラ塾は終わるだろう? そのままだと中学浪人だしね」

「結果はともかくと。……そのままガンプラをやめたりは」

「しないよ。そこはまぁ、恭文さんやある人の協力があってね。やるなら成果を出してみろとは言われているけど」


そのためのガンプラ塾入りでもあるしねぇ。タツヤにとっても、認めてくれたお父さんに見せつけるチャンスだったりする。自分の本気ってやつをさ。


「正直これは予想外すぎるし、たった半年でメイジンになれるなんて思ってない。
だけど、どうしても試してみたかったんだ。僕のガンプラが――僕が教わったガンプラがどこまでメイジンに通じるのか。
おかげでジュリアン先輩やアランのように、ガンプラを愛する人達と出会えた。もちろんカイラとも」

「……で、お前はどうすんだ」

「君達がメイジンになるなら、ガンプラはよりよいものになるだろう。僕の半年間に悔いはない! あとは」

「あとは将来のメイジンとバトルか? ざけんな馬鹿」


カイラがシーフードチャーハンをかき込みながら、タツヤに冷水をぶっかけた。きょとんとするタツヤを、カイラは厳しい視線で見上げる。


「そうして勝ち上がって、メイジンになれるとこまできたらお前はどうする。そこは見えてるのか」

「それ、は」

「戸惑うならもうちょい考え直せ。お前がどういうスタンスであれ、ゴール地点はメイジンなんだからさ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「タツヤに突きつけられる厳しい現実。好きなだけでは、楽しいだけでは駄目なのか。
本当に好きでいるために、本気でいるために必要な事はなにか」

古鉄≪そういう意味でも、あなたはここへ飛び込む必要があるわけですね≫

恭文「後々の世界大会にも繋がるしね。あのね、みんな……今回元とさせてもらってる、ビルドファイターズAはほんとお勧め。
これを読んだ上で本編を見ると、いろんなイベントがまた違った色で見えるから。今なら三巻だし、追いかけるのも楽だよー。ぜひどこかで読んでみてください」


(作者はビルドファイターズAを読んで、ビルドファイターズという作品がもっと大好きになりました)


恭文「そしてみんな、ごめん。実はこれ以上はネタバレが激しくて……また出せるところを考えないと」

古鉄≪試合結果などにも通ずるところですしね。では全く関係ないところをお見せしましょう≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「あ、そうだ。サリさん、この間貸してくれた、『俺がハマーだ!』のDVDを見たんですけど」

「最高だろ!」

「えぇえぇ! 日本語吹き替えの決め台詞――『大丈夫、理屈じゃないんです!』って素敵ですね! あとは『暴力は全てを解決します』とか!」

「そうだろそうだろ! 七十年代のノリを、八十年代で再現した事に意味のあるドラマだ!」

「なにそれ! ブラックすぎじゃん! ていうかアンタが同意すると洒落にならないからやめろー!」

「……楽しそうだな」


脇からいきなり声をかけられ、やっさん共々軽く驚く。右側を見ると、どうしてかナカジマ三佐が壁にもたれかかり、よろめいていた。


「三佐!? え、なにしてるんですか!」

「ほんとじゃん! あ、ギンガさんの顔を見に来たとか」

「あぁそりゃよかった。どうやって追いだそうかと考えていたところで」

「お前酷いな! ……実は最近、こっちのオーソドックス系ラーメンチェーンをあっちこっち回っていてな」

「オーソドックス系……ミッドじゃ駄目なんですか」

「駄目だな」


俺の問いかけに三佐は断言し、壁にもたれかかってそのまま崩れ落ちた。どうやらその中で相当な衝撃が起きたらしい。

では始めよう。ガンプラやバトスピもいいけど……男ならやっぱりメシバナ! そしてラーメンだ!


◆◆◆◆◆


「サリエルじゃないが有給消化も兼ねて、一人でブラっとな」


ノーヴェちゃん達を連れていかないのは、それぞれに予定もあるせいだろう。スバルちゃんのとこで研修とか、局員勤務とか。

十一月の大異変による、自首ラッシュは緩やかになったとはいえ続いているからなぁ。

やっぱり誰もが感じているんだろう、変わる事の大切さを――その決意を形とするのに、時間がかかる場合もあるって事だ。


「まぁ若い頃からご先祖様の影を追って、ちょくちょく食べてたんだが……かなりキテるぞ。一周どころか三周回って、完全にニューフロンティアだ」

「三佐、具体的には」


俺達も壁に背を当て、なんて事はない体を装って密談開始……なんかカッコいいだろ! 刑事ドラマみたいで!


「まず『うまいうまい』……あそこにガッツリハマった」

「ラーショですね、俺も定期的に行ってますよ」

「……お前もその愛称か」

「自然とですね」

「ラーショ?」

「うまいうまい?」


お、やっさんが珍しく首を傾げている。しかも『うまいうまい』の方……やっぱ通じないのかー!


「恭文も分からないの!? えっと、サリエルさん」

「ラーメンショップという店だ。七十年代〜八十年代を中心に、関東から全国に広まった豚骨じょう油系ラーメンの一大チェーン」

「特徴は青磁色(せいじいろ)のでかい器、テーブルにおいてあるおろしニンニク&唐辛子調味料……もちろん店の名前入りだ。
そして白髪ネギの名物メニュー『ネギラーメン』の存在感! ……ここまで言えば恭文、お前なら分かるだろ」

「分かります分かります。そっか、うまいうまいってアレか!」

「いや、あたしは記憶にないんだけど」

「いわゆるロードサイド型みたいに、駅や繁華街からやや離れた店も多いからな。人によってはとことん縁がない場合もある」


◆◆◆◆◆


「恭文くん……試運転は終わったの?」

「もうばっちり。で、これは」

「いや、この間サリエルさんのおみやげ、食べさせてもろうたやろ? あれで地元の食がめっちゃ恋しくなって。なんというか、こう」

「ホームシックと」

「家はもう東京やのにー!」


これは重症だな。めちゃくちゃヘコんでるもの。……しょうがないのでキッチンへ向かい、密かに保存していたあるものを取り出す。

それはカップうどんやそばが入ったボックス。その中に入っているどん兵衛の一つを取り出し、奈緒に見せる。

すると奈緒はある部分を見て、目を見開きながらカップに食いつく。手に取り、これは夢かなにかと言わんばかりに驚いていた。


「これは……恭文!」

「気に入ってくれた?」

「おおきに! ほな……これはお夜食や! そうしよそうしよ!」

「い、いきなり元気になったし。ねぇ奈緒、それってインスタントのうどんよね。こっちでも売っているけど」

「それとはちゃうんよ。ほれ、ここ」


志保に答えつつ、奈緒はどん兵衛の上蓋を指差す。商品名の真下であり、NISSINマークの左横……そこには『(W)』というロゴが小さく入っていた。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「そのマークの意味、そしてラーメンショップがどれだけ凄いかは……あ、ラーショは食べにいかないと」

古鉄≪作者の家、歩いて三十分圏内にあってよかったですね≫


(なかったら辛かった)


恭文「まぁこんな感じの幕間第二十九巻、楽しみにしていただければと思います」

古鉄≪ブルーウィザード、また姿が変わるかもしれませんが……変わるといいですねぇ≫


(迷彩とかできたらいいなー。アニメとかでは難しいし。
本日のED:BACK-ON『Silent Trigger』)






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