きけばいーじゃんっ! ドキたまらじおっ!!(不定期連載)
第2回放送:『お祝いすればいーじゃんっ! でも、年末進行とか次元の歪みとかは、気にしちゃだめじゃんっ!!』
「・・・・・・恭文っ! 恭文ってばっ!!」
「ん、どうしたの? あむ」
てか、何故に周りをそんなキョロキョロしまくる。とりあえず落ち着け。
あと、入り方が前回と同じだから。それ全く同じだから。
「なんか、また呼ばれたんだけどっ!!」
「そりゃそうでしょ。2回目収録なんだから。なんかね、一回目が非常に好評だったので、忘れた頃にまた情報をお届けだよ」
「・・・・・・まぁ、色々忙しかったしね」
「で、俺もここに呼ばれたわけだ」
あむの後ろから、ひょこっと一人の男が出て来る。なお、僕より年下。
だけど、僕より身長が高い。・・・・・・なんだろう、もう慣れたけど、この事実はムカつく。
「イ、イクトっ!?」
「よ」
「オレも居るにゃー!!」
「ヨルまで・・・・・・なんで居るのよっ!!」
あむは驚きまくってる。そりゃそうだ。どう考えても、ラジオのゲストとしては合わない。
あ、理由は番組を聴いていただければ、分かりますので。
「まぁ、そこはすぐに分かるよ。んじゃ、2回目収録行ってみよー!!」
「ゴーにゃー!!」
「え、えぇっ!?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文・あむ「「きけばいーじゃんっ! ドキたまらじおっ!!」」
(そうして、オープニングテーマが流れる。当然のように、Ritaさんの『Little Busters』です)
恭文「というわけで・・・・・・みなさんおはこんばんちわちわー! とまとシリーズの主人公の、蒼凪恭文ですっ!!」
あむ「み、みなさんおはこんばんちわちわ。ドキたまでは恭文と一緒にダブル主人公なんてやってる、日奈森あむです」
ヨル「みんなー! 元気してるかー!? ヨルだにゃー!!」
幾斗「・・・・・・ども」
(それだけ言って終わるので、青い古き鉄はハリセンで遠慮なく殴る)
幾斗「痛ぇ。お前、なにすんだよ」
恭文「やかましいっ! お願い、おのれがラジオ向きじゃないのは、もう分かってるのっ!!
だけど、せめて自己紹介だけはちゃんとしてっ!? 誰か分からないからっ!!」
幾斗「いいじゃねぇか。わざわざOPドラマもあるんだしよ」
恭文「それでもなのっ! 大丈夫、この中でおのれだけ男性的ボイスだから、ここと終わりだけしっかり自己紹介すれば、あとは僕達がしっかり仕切るっ!!」
幾斗「・・・・・・しゃあねぇな。ども、月詠幾斗だ」
(いつも通りのテンションで、いつも通りに言った。
ただ、それでも良しとする。青い古き鉄は、そう思った)
恭文「・・・・・・ヨル、もうこうなったらヨルだけが頼りだよ。もうね、バンバン喋って?」
ヨル「いいのか? オレ、すっげー喋るぞ? もうめっちゃくちゃ喋るぞ?」
恭文「いいのいいの。もちろん、猫男にも話は振ってくけど、間違いなくコイツは・・・・・・だし」
(なんて言いながら、猫男を見る。・・・・・・絶対にラジオ向きじゃない。現になんかボーっとし始めてるし)
あむ「と、とにかく、ドキたまラジオ・・・・・・2回目だね。てゆうか、もうクリスマスだよねー」
ヨル「そうだにゃー。クリスマスは、すっごいご馳走食べられるんだにゃー。あとあと、サンタとか来るにゃ」
恭文「まぁ、放送上では時系列の関係というか、年末進行の関係で、今はちょうどクリスマスなんですよ。
だから、明けましておめでとうとか、絶対言わない。時間軸の歪みなんて、僕達は知らない」
ヨル「お前、パーソニャリティとして、それはいいのかにゃ」
恭文「いいのよ。とにかくフェイトやリインに、ヴィヴィオとかのプレゼントも用意しないと・・・・・・あぁ、あとお年玉だ」
あむ「あ、そっか。恭文もお年玉上げる年なんだよね」
ヨル「身長は、子どもにゃのににゃー」
恭文「うっさい。・・・・・・ちなみに、あむはお年玉いる? あ、ヨルにも上げるから」
ヨル「ありがとうにゃー!!」
幾斗「俺にもくれ」
恭文「やかましいっ! 金の話の時だけ首突っ込むのやめないっ!? 今、無茶苦茶話に加わりやすいとこあったでしょうがっ!!」
(例:クリスマスとか年末進行とか)
あむ「でも、あたしが恭文からお年玉・・・・・・いや、別にいいって。
だって、あたし達は友達で、仲間でしょ? そういうのはいいよ」
恭文「あむ・・・・・・いい子だね。うぅ、僕は嬉しいよ」
あむ「え、なんで泣き出すのっ!? いや、マジワケ分かんないからっ!!」
恭文「ややとりま、空海となでしことなぎひこは、試しに聞いたら遠慮なく要求してきた」
(なお、王様は遠慮なく断りました。理由は、現・魔法少女と同じく)
あむ「え?」
ヨル「マジかにゃ」
恭文「まぁ、双子コンビと空海は冗談だったんだけど」
ヨル「他の二人は本気だったんだにゃ」
あむ「あの子達は、本当に・・・・・・」
恭文「まぁ、一応上げるさ。今後ともご縁があるようにって事で、五円玉を二つ入れてやる。
ばれないように、それぞれに宛てた僕からの手紙も仕込んで、開けたらビックリって感じにしてやる」
ヨル「お前、さりげにゃく怒ってるのか?」
恭文「いや、あの期待に満ちた瞳を絶望色に染めたくなっただけ」
ヨル「そういう言い方はやめるにゃっ! なんか怖いにゃっ!!」
(なんて話していると、白い髪を二つのおさげにしているディレクターから、『巻いて巻いて』と指示される。
それで二人は、OPトークを切り上げることにした)
恭文「・・・・・・それでは、少しのお時間、僕達のおしゃべりに耳を傾けていてくださいね」
あむ「みんなのハートに・・・・・・ロックオンっ!!
・・・・・・だ、だからどうしてこれっ!? 別のにしようよー!!」
恭文「大丈夫、僕は面白かった。いやぁ、キラキラのラブマジックをまた見れるとは」
幾斗「あむ、中々いい感じだぞ。ちゃんとパーソナリティーやってるじゃん」
ヨル「関心んだにゃー」
あむ「う、うるさいうるさいっ!!」
(恭文『この番組は、次元世界の平和を守る・時空管理局。クロスフォード・レコード。
ミッドのみんなの定食屋・ふたば軒。喫茶・翠屋の提供でお送りします』)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「・・・・・・というわけで、あらためまして。蒼凪恭文です」
あむ「あらためまして、日奈森あむです」
ヨル「ヨルだにゃー!!」
幾斗「・・・・・・月詠幾斗」
(お、空気を読んだ)
あむ「でさ、イクトとヨルがこの番組始まって以来の最初のゲストなんだけど・・・・・・」
ヨル「そう言えば、オレらはなんで呼ばれたにゃ? 普通にイクトはラジオ向きじゃないと思うにゃ」
幾斗「ヨル、うるせぇ。てーか、チビの影響受けるな」
恭文「やかましい。こっちだって正直なんで呼んだのか最初はかなり疑問だったんだよ。
でも、ディレクターから話を聞いて、納得した。・・・・・・というわけで、あむ」
あむ「うん。さて、ここからは特別企画に行きたいと思いますっ! 題して・・・・・・!!」
恭文・あむ『月詠幾斗、お誕生日会っ!!』
(そう二人が宣言すると、ブースの中に小さめのケーキが1ホール運び込まれる。
そして、あの音楽が流れている。結構ポップなVerのアレが)
幾斗「・・・・・・え?」
ヨル「にゃにゃっ!? お誕生日会って・・・・・・えぇっ!!」
恭文「まぁ、収録の関係上ちょこっと過ぎちゃってるけどね」
(なお、このラジオの収録は12月下旬です)
恭文「でも、文句は言わないで欲しい。おのれと連絡取るのに、マジで時間かかったのよ。
今月の頭、12月1日は、猫男こと月詠幾斗の誕生日。というわけで」
あむ「ちょうど近かったから、番組でお祝いしちゃおうって話になったんだって。まぁ、ちょっと遅れちゃったけどさ」
幾斗「お前ら・・・・・・」
ヨル「イクトー! よかったにゃー!! オレは・・・・・・! オレはぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
幾斗「バカ、泣くなヨル。・・・・・・あんがとな。チビもあむも、あと外に居る連中も」
あむ「あ、ちゃんとお礼言ってくれるんだ。へー、今日はやけに素直じゃん」
幾斗「バカ、こういう時にちゃんと出来ないで、どうすんだよ」
(猫男は、意外と常識的なのです)
恭文「で、ほらほら。ケーキ切り分けたし、お茶も入れたから、ここからは食べつつお話しようか」
ヨル「にゃにゃ? なぁ、ローソクの火をフーって言うのはどうしたにゃ?」
恭文「あー、ごめんね。ブースの中は消防法って言うのがあって」
(簡単に言えば、特定の場所(例:デパート等)で火を使う類を持ち込んで、使用してはいけないという法律です)
恭文「ローソクに火をつけるのも、それに違反になっちゃうのよ。だから、ここだとダメなの」
ヨル「そうにゃのか・・・・・・。ラジオって、結構不便なんだにゃ」
あむ「まぁ、確かにちょっと残念だよね。そういうのってメインイベントだし」
幾斗「・・・・・・このケーキ美味いな」(モグモグ)
恭文・ヨル・あむ『なんか勝手に食べてるっ!?』
(あまりに普通に食べていたので、三人ともとてもビックリした)
あむ「あ、そのケーキは恭文が作ったんだよ?」
幾斗「チビが?」
恭文「うん。歌唄からイクトの好みの味付けを聞いて、調整した上でね」
幾斗「・・・・・・あんがとな。確かに、俺好みだわ」
恭文「いいよ。美味しそうに食べてもらえて、本当に嬉しい」
(青い古き鉄、そう言いながら嬉しそうに笑う。どうやら、こういうのが楽しいのは、相変わらずらしい)
恭文「んじゃ、ケーキも食べつつ・・・・・・・え、緊急特別企画?」
(ディレクターから、紙を渡される。それを見て、メインパーソナリティ二人は固まる)
恭文・あむ『・・・・・・なにこれっ!?』
ヨル「ん、どうしたにゃ?」(モグモグ)
恭文「ちょっと待ってっ! これやる必要なく・・・・・・え、もう準備してるっ!? だから、どうしてしちゃってるのっ!!」
あむ「そうだよっ! せっかくいい雰囲気だったのに・・・・・・あぁもう、どうしてこんなことにー!?」
幾斗「お前ら、どうしたんだよ」
恭文「猫男、ごめん」
幾斗「なんだよ、いきなり」
恭文「僕達と一緒に・・・・・・死んで。というか、悪魔と最後まで相乗りして」
幾斗「はぁっ!?」
あむ「CMの後・・・・・・イクトの誕生日祝いも兼ねた、特別コーナーをやります。
ヨル、今のうちにケーキをいっぱい堪能して? じゃないと、死んじゃうから」
ヨル「にゃ、にゃんだそれっ!? てゆうか、不吉だからやめるにゃー!!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(ヨル『きけばいーじゃんっ! ドキたまラジオだにゃっ!!』)
恭文・あむ『ややとりまの、目指せ。ワンダーシェフのコーナー・・・・・・』
(いきなり二人してテンションが低い。それにゲスト二人は、とても嫌なものを感じる)
幾斗「お前ら、どうしたんだよ。てーか、なんだよこれ」
ヨル「というか、どうしてさっき名前が出た二人のコーナーになるにゃ? アイツら、影も形もないぞ」
あむ「無いんだけど、あるのよ。・・・・・・二人が作った料理を、あたし達が食べるってのを、前回やったんだ」
ヨル「あ、それは美味しそうだにゃー」
恭文「なお、二人は料理スキルが0だけどね」
ヨル「・・・・・・え?」
(この時点で、ゲスト二人は気づいたらしい。このコーナーの危険性を)
あむ「ちなみに前回は、カレーを食べたの。だけど、野菜が生煮えで、カレーの味がしなくてしょっぱくて、飯ごう炊飯でご飯炊いたから、黒く消し炭になったご飯が・・・・・・」
幾斗「なぁ、帰っていいか? もうその時点でアウトだろうが」
恭文「僕も帰りたいけど、ディレクターがそれを許してくれないのよ。てーか、ぶっちゃけヒロさんよ?」
(そう、この番組のディレクターは、最強の姉弟子)
恭文「で、構成作家がドゥーエさん」
幾斗「・・・・・・待て、確かその人って、専業主婦じゃなかったのか?」
あむ「アルバイト探して、たまたまここに行き着いたんだって」
(そして、通りすがりのアサシン)
恭文「なお、二人とも僕や猫男より強いから。力尽くの強行突破とか無理」
幾斗「・・・・・・マジかよ」
あむ「マジらしいよ? だから、あたし達は逃げられないの」
ヨル「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! にゃんだこの番組っ!? 普通にそれはありえにゃいだろっ!!」
恭文「まぁ、唯一の救いはスタッフもちゃんと食べてくれるのと、量が少なめってことだね。
じゃなかったら、無理だって。・・・・・・で、最初のお誕生日祝いのご馳走は」
幾斗「チビ、お前ちょっとヤケになってるだろ」
恭文「多少ね。ラジオネーム・アールさんから、いただきました」
(こんちは、風の噂で梨と米と野菜をケチャップで炒めたインド・マレーシアの郷土料理?『梨ゴレン』があるみたいなので作ってみてください)
恭文「・・・・・・お前ふざけんじゃないよっ! なにコレっ!? 風の噂とか言ってるけど、絶対ワザとだろっ!!」
(青い古き鉄、いきなりキレる。それにみんなもビックリ)
恭文「てーか、ググってっ!? ググるなりヤフるなりすれば、すぐ分かるからっ!!
あぁ、だからラジオで食べ物ネタはやめようって言ったのにー!!」
あむ「や、恭文落ち着いてっ! 気持ちは分かるよっ!?
いきなり地雷原っぽいけど、それでも落ち着いてー!!」
ヨル「・・・・・・てーか、こんにゃ料理が本当にあるんだにゃ」
幾斗「いや、ヨル。これ・・・・・・間違ってるぞ」
ヨル「にゃ?」
幾斗「確かに『ナシゴレン』って料理はあるが、梨なんて入ってねぇし」
あむ「イクト、そうなのっ!?」
恭文「そうだよ。ナシゴレンって言うのは、簡単に言えば地元のチャーハンなのよ」
(ウィキぺディアなどを、参照にしました)
恭文「『ナシ』は向こうの言葉でご飯。それで」
幾斗「『ゴレン』が揚げるとか、炒めるって意味だ。
まぁ、確かにケチャップとかが使われてるらしいが、梨は全く関係ねぇ」
ヨル「なるほどにゃあ・・・・・・。てゆうか、イクトはなんで知ってるにゃ?」
あむ「あ、そうだよ。恭文はまぁ、料理関係強いから分かるんだけど」
幾斗「10年以上前だな。コンビニで売ってたんだよ。なんかの企画商品でな。
コンビニで見つけて、お袋に聞いたら教えてくれたんだよ。で、食べたらこれまた美味しくてな」
(なお、ファミリーマートです。『アジアごはん』と称したシリーズの一つでこれを売り出したとか)
恭文「あぁ、僕も知ってる。で、それで日本で思いっきり知名度が上がったんだよ。
ちなみに、『ナシゴレンの元』って言う調合された調味料のセットも、売ってたりするの」
あむ「えっと、それを使って炒めれば、ナシゴレンの完成ってこと?」
恭文「そうそう。今猫男が言った商品自体はもう無いけど、そうすれば家庭でも簡単に食べられる」
あむ「な、なるほど・・・・・・」
ヨル「オレが産まれる前だから、知らないのは当然だにゃ。・・・・・・てーか、運ばれて来たにゃ」
(なんて言っている間に、運ばれてくる。『梨ゴレン』が)
恭文「・・・・・・マジで梨が入ってる」
幾斗「ケチャップ塗れ・・・・・・じゃないな。てっきりそこを想像したんだが」
あむ「実はあたしも」
(調味料一つを入れすぎるのは、料理の失敗の定番である)
恭文「だから、余計に怖いよね」
幾斗「確かにな」
あむ「前回もそうだったけど、味が全く外見からは想像出来ないんだよね。
前回のカレーも、見た目からして普通のカレーじゃなかったから」
恭文「やばい、本気で怖い。本気で逃げ出したくなるくらいに怖いんですけど」
(だけど、逃げられない。なぜなら、最怖二人が居るから)
ヨル「でもよ、ほら・・・・・・ピザとか、酢豚とかにパイナップルとか入ってるにゃ?」
恭文「あぁ、あるね。・・・・・・ア、アレと思えばいけるかも知れないってことか」
あむ「ごめん、あたし無理かも。酢豚のパイナップルって、許せないのよ。なんで入れるの?」
恭文「パイナップルにあるエキスの効果で、肉が柔らかくなるのよ。だから、一緒に調理するの。だけどこれは」
幾斗「梨・・・・・・だよな」
(猫男は試しに、スプーンですくってみる。・・・・・・べちゃべちゃしてる)
幾斗「梨の水分か、これ?」
恭文「間違いなくそうだね。・・・・・・あー、やばい。なんか地雷もいいところだ。とにかく・・・・・・パク」
(青い古き鉄、意を決して食べた。そして・・・・・・口元を押さえた)
恭文「にゃ、にゃにこれ」
あむ「・・・・・・どう?」
恭文(なんとか飲み込む)「すっごい、甘い」
あむ「はぁっ!?」
幾斗(とりあえず、食べてた)「・・・・・・砂糖、入れすぎ」
ヨル「にゃんだこれっ!? なんか、炒めたから油分が多くて、だけど梨で水っぽくて、だけど甘くて・・・・・・酷いにゃー!!」
あむ「そ、そこまでっ!? なんかみんな顔色悪いんだけどっ!!」
恭文「あむ、とりあえずチャーハンって思って食べない方がいい。それやると、不意打ちで来るから。
あくまでも、こういうお菓子というか、甘いものだと思って。そうしたら、まだ大丈夫」
あむ「わ、分かった。・・・・・・えい」
(現・魔法少女。意を決して食べてみる。・・・・・・口元を押さえた。そして、それでも飲み込む)
あむ「・・・・・・ごめん、二口目は無理」
恭文「ご飯はちゃんとしてるのが救いだよね。前回みたいに真っ黒こげじゃないし」
ヨル「てゆうか、なんでこうなるにゃ? 絶対おかしいにゃ」
幾斗「俺に聞くな。むしろ、俺がどうしてこうなるのかを聞きたいんだよ」
あむ「うぅ、イクトごめん」
幾斗「バカ、お前が謝る必要ないだろ。どうやら、黒幕はあっちらしいからな」
(猫男、そう言いながらブースの外を見る。楽しそうな顔で、姉弟子とアサシンが笑っていた)
恭文「で、これを食べてあの二人はなんて? ・・・・・・・・・・・・その場で悶絶したと」
あむ「二人的には、甘いご飯だと思ったんだね。だけど、見事に失敗と」
恭文「これはアレだよ。方向性は悪くない」
ヨル「そうにゃのかっ!?」
恭文「そうだよ。ほら、炭水化物系と甘いものは、合うから。
ケーキだってそうでしょ? あとは、お汁粉とか、パンとか」
(全員、言われてみれば『確かに・・・・・・』と、思ってしまう)
幾斗「これはアレだな、甘過ぎるのがダメなんだろ。てーか、なんかエグイ」
恭文「多分、純粋に砂糖だけに味付けを頼ったからだね。だから、そうなるのよ。
甘さをもっと抑えて、梨から水分が出ないように手早くサッと炒めれば、まだいいかも」
幾斗「あとよ、この油っぽいのはなんでだ? これもダメだろ」
恭文「炒める時の油の量が多過ぎたんだね。だから余計に、梨から出て来る甘目の水分と不協和音起こしてるのよ」
幾斗「あぁ、だからか。確かにそうだな。前に食べた『ナシゴレン』とかチャーハンは、こんな事なかったし」
あむ「・・・・・・な、なんか冷静に分析してるね。てゆうか、イクトの口数が多い」
ヨル「イクト、意外と味にはうるさいんだにゃ。
普段は拘らないけど、それでも美味しい方が好きなんだにゃ」
あむ「納得した」
(現・魔法少女、これを口にすれば誰だって口うるさくなるなと、納得した)
恭文「・・・・・・でさ、なんかもう一つあるのよ」
幾斗「マジかよ」
恭文「よかったね、猫男。みんなで誕生日を祝ってくれてるよ」
幾斗「正直、色々この味は問題だけどな」
(というわけで、『梨ゴレン』を笑ってる二人に渡して、次の品物です)
あむ「えっと、ペンネーム・ブレイジングハートさんからです」
(ラジオふつおた宛:恭文くん、あむちゃん。おはこんばんちわちわ。
この間はカレーでひどい目にあっていましたがお二人に口直しとして某テイルズで登場しこの間発売したマーボーカレーのレトルトを送ります。
お二人で仲良く食べてください。後質問ですが、リインちゃんは家で妖精サイズなんでしょうか?
あむちゃんは妖精サイズのリインちゃんを見たことがありますか?)
恭文「えー、ありがとうございます。なお、リインはドキたまでは基本ずっとフルサイズです。
で、あむは・・・・・・妖精サイズのリイン、見てるよね?」
あむ「・・・・・・あ、うんうん。見てるよ。8話で恭文が、ドキたまだと初めてヴィンクルムフォームに変身した時」
恭文「まぁ、その一回だけだよね。まさか、妖精サイズで学校通うわけにもいかないしさ」
あむ「まぁ、さすがにそれだと大騒ぎになっちゃうしね。えっと、それで・・・・・・マーボーカレー?」
ヨル「にゃ、にゃんかまたスゴそうなもんが来たにゃ」
幾斗「てーか、なんだよこれ」
恭文「え、三人とも知らないの? これ、かなり有名なのに」
(そして、その三人がビックリした顔をする。・・・・・・いや、猫男が普通)
幾斗「チビ、なんだよこれ」
恭文「簡単に言えば、麻婆豆腐とカレーが混ざったものだね。もちろん、会わせる事前提の味付け。
で、テイルズシリーズで初期の頃から出てる料理なのよ。というか、これは普通に美味しいよ?」
ヨル「ホントかっ!?」
恭文「うん。僕も、このレトルトは食べたもの。普通に美味しい。・・・・・・お、出てきた」
(そして、出てくる。・・・・・・白いご飯の上にかかった、マーボーカレーが)
恭文「えっと、僕とあむの皿がまろやか味で、猫男とヨルの皿がピリ辛味だって」
幾斗「てーか、一緒の皿で食うのかよ」
恭文「細かいことは気にしない。いいじゃん、普通にスプーンは別々だし、今度は美味しいんだし」
幾斗「ま、確かにな」
あむ「・・・・・・あぁ、よかった。普通によかった。うぅ、スタッフは優しい人ばかりだよ」
ヨル「そうだにゃー。というわけで、いただきますにゃー」
(・・・・・・パク)
恭文「・・・・・・うん、カレーは美味しい。カレーは美味しい。ご飯も、普通だ」
幾斗「お前、何そんな当たり前のこと言ってんだよ」
恭文「分かってないね。普通に御飯が生煮えの可能性も、あったでしょうか。芯が残ったまんまとかさ」
幾斗「・・・・・・納得したわ。でも、これは美味いな」
ヨル「ホントだにゃー。ちょっとピリ辛だけど、中々にゃー」
(猫コンビは、相当気に入ったらしい。で、後の二人は・・・・・・)
あむ「あぁ、美味しいよ。普通に美味しいよ。というか、お肉に豆腐・・・・・・結構ボリュームあるね」
恭文「あ、それお肉じゃないよ?」
あむ「え? いや、でもひき肉だよね。これ」
(そう言って、現魔法少女が見るのは、マーボーカレーの中にある、粒状の肉)
恭文「それは、粒状の植物性タンパク質なのよ。ようするに、お肉に似せたもの。
確か、お豆腐と同じで大豆から出来てるんだっけかな。それで、カロリー低めなの」
あむ「へぇ、じゃあもしかしなくてもヘルシー?」
恭文「まぁ、ルーがあるからそんなびっくりするほどではないと思うけど、普通のカレーよりは低め」
あむ「そっか。それは、女の子としては嬉しいなぁ」
(そして、現・魔法少女は嬉しそうにマーボーカレーをパクリ。とっても幸せそう)
幾斗「でも、あんま食べると意味ねぇぞ?」
恭文「あー、それはそうだね。だって、普通にご飯も栄養あるんだしさ」
あむ「わ、分かってるよっ!! ・・・・・・でも、これはレトルトだから、ご飯さえあれば私でも作れるね」
ヨル「オレでも出来るにゃー」
恭文「まぁ、猫男が居る時にね? 下手したら、パックをお湯から取り出す時に間違えて跳び込んで」
ヨル「嫌なこと言うにゃー!!」
あむ「とにかく、特別企画はこれで終了だって。なんか、安心だよねぇ」
(現・魔法少女、流石に色々辛かったらしい)
恭文「えっと、アイディアをくれたみなさん、ありがとうございました。このコーナー、思ったよりも好評らしくて・・・・・・続くらしいです」
幾斗「お前ら、大変だな」
ヨル「普通にバツゲームだにゃ・・・・・・」
あむ「なので、また次回にやるんだよね。あぁ、美味しいものだと嬉しいなぁ。というか、二人の料理のスキルが上がると、嬉しい」
恭文「ただ、そうするとラジオ的には面白く無くなるんだよね。美味しいもの食べて、幸せーってだけで終わっちゃうから」
あむ「嫌な事言わないでっ!? いいじゃん、それでっ!!」
(注:よくありません)
あむ「とにかく、『ややとりまの、目指せ。ワンダーシェフのコーナー』でした」
恭文「CMの後は、前回募集したあの企画・・・・・・やっちゃいます」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(幾斗『・・・・・・きけばいーじゃん、ドキたまラジオ』)
恭文・あむ『ドキたま名場面を振り返ろうのコーナーッ!!』
(そして、BGMが流れる。コーナーBGMは『open heart』)
あむ「はい、このコーナーは、リスナーのみんなからこれはドキたまの名場面だと思うシーンを送ってもらって、あたし達で色々と話していこうというコーナーです」
恭文「猫男、ヨル、一応聞くけど趣旨は分かるよね?」
幾斗「いや、これで分からねぇのは大問題だろ」
ヨル「色んな意味で、空気が読めてないにゃ・・・・・・」
(それでも青い古き鉄、かなり真剣に聞く。だって、普通に相当KYなのを知ってるから)
恭文「というわけで、色々頂いていますよ。まぁ、今日は猫男とヨルも来てるし、二人と関係してるとこも触れていこうか」
あむ「そうだね。じゃあ、まず記念すべきコーナー一番目のおはがきは・・・・・・こちらです」
(※ドキたま名場面、第1話のこころのたまごを持って帰ろうとした恭文にあむが対峙するシーンがいいと思います。
何気に強いあむの心の強さが原作から見ている自分からしたらきちんと書けているのが凄いと思いました。
追記で、ゲストはやっぱしKこと辺里唯世くんとしゅごキャラのキセキを呼ぶのがいいかと。 by 吟遊詩人)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
≪・・・これ、なんですか?≫
「僕に聞かないで。えっと・・・つまり、これが元で、何かの原因で黒いたまごになってた・・・とか?」
≪まぁ、そう考えるのが妥当でしょうね。そうなると・・・≫
「あの・・・君っ!!」
後ろから声がかかった。振り向くと・・・あ、魔法少女が居た。
「魔法少女じゃないからっ!! ・・・それ・・・返して? そのたまご、あの子のなの」
そう言って、女の子は視線で指す。多分、さっきの黒チビの横で倒れていた女の子を。
「すっごく・・・すっごく大事なものなんだ。だから」
「返さないって言ったら?」
意地悪く言うと、女の子の表情が険しくなる。というか、睨んで来た。
「返して・・・もらうよ」
そう言って、女の子が構える。いつの間にか傍らに来ていた青い子と緑の子も同じ。
「・・・喧嘩売るなら、相手を見て売った方がいいよ? 言ったでしょうが、僕は・・・かなり強いって」
「それでも、返してもらう。あたしも言ったよね、そのたまごはすっごく大事なものだって」
「ほう、つまり・・・負けると分かっててもやりあう覚悟は満々と。バカだねー」
「負けないよ。てゆうか、バカじゃないよ。大事なもの取られそうになったら、誰だって一生懸命取り戻そうとするよね」
・・・・・・ほう。
「なにより、負けるかどうかなんて・・・やってみなきゃわかんないじゃん」
あの目は本気の目。絶対に取り戻さないとダメだという決意が見える。・・・はぁ、しゃあないか。
「・・・やっぱバカなんだ」
「なっ!!」
「当然でしょうが。目の前の相手の強さを見抜く事、そうして無駄な戦いを避けること、これだって立派な実力だもの。やってみて負けましたーじゃ、お話にもならない。ただ・・・僕はそういうバカが嫌いじゃなかったりする」
僕は、そのまま女の子を背にして歩き出した。
「え・・・ちょっとっ!?」
「返してくる」
「え?」
首だけ振り返る。そして、呆けたような顔の女の子を見る。
「だって、あの子の大事なものなんでしょ? 可愛い女の子に嫌われるのもごめんだし、返してくる。・・・あ、でもどうやって返せばいいか分かんないや。よくわかんないけど・・・割れたりしたらダメなんだよね」
「だめっ! それだけは絶対だめっ!!」
「だったら、悪いけど教えてくれるかな。このたまごのこと、僕よりは詳しいんでしょ?」
「あ・・・うん、分かった」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、第1話『モノホン魔法少女との遭遇。とりあえず・・・魔王は見習え』の一幕、お聞きいただきました」
幾斗「・・・・・・まぁ、これは初回だからだよな」
恭文「そうだね。吟遊詩人さん、ありがとうございました。なお、唯世とキセキはこんな感じで、次回呼びたいと思います」
ヨル「さり気なく重大発表してるにゃっ!! ・・・・・・それで、さっきのコーナーかにゃ?」
あむ「・・・・・・あぁ、やるんですよね。うん、分かってますから、そんな楽しそうに笑わないでください」
(現・魔法少女が見るのは、『梨ゴレン』を食べつつ、楽しそうに笑うディレクターと構成作家)
恭文「でさ、マジで互いの名前も知らない時なんだよね」
幾斗「あれだよな、お前がこっちに来た時に偶然あむが×キャラとやり合ってるとこと遭遇して」
ヨル「お前、普通に運が無いにゃあ・・・・・・」
恭文「ただ、調査目的だったから、普通に運は良かったと言うべきだけどね。
調査対象と、それに付いて詳しく知っているであろう人間と、繋がりを持てたんだから」
あむ「あたし的には、普通に×キャラ斬ったのがビックリだったけどね」
恭文「あむ、大丈夫。僕は過去は振り返らない主義だから」
あむ「いやいや、普通に振り返らないっ!?」
(それでも、青い古き鉄は振り返らないらしい。だって、一応反省したし)
恭文「でさ、この時はあれだよ。普通にたまごの事とかなんにも分からない時だったのよ」
あむ「それで、あたしは普通に恭文が持って帰ろうとするから、ビックリして・・・・・・止めてる時、結構、必死だった。
でもさ、改めて考えると無謀もいいとこなんだよね。だって、恭文だったらあたしが100人居ても、傷一つつかないだろうし」
恭文「そんなことないよ? てーか、あむは僕より強いじゃないのさ」
あむ「へっ!?」
(現・魔法少女、とってもビックリな感じで両手をぶんぶん振る)
あむ「そ、そんなことないってっ! 普通にあたし、魔法も使えないし戦闘技能0に近いし」
恭文「・・・・・・猫男、ヨル、どう思う? 普通に自覚ないのよ」
幾斗「いいんじゃねぇの? これがコイツらしさって言えば、その通りだしよ」
ヨル「オレも、別に問題ないと思うにゃー」
あむ「あぁもう、三人してワケわかんないしっ!! ・・・・・・とにかく、あたし達の総評としては、普通に印象深い出会いだったってことかな」
恭文「そうだね。でも、なんか懐かしいなぁ。あれから全部始まったんだよ?」
あむ「うん、本当に懐かしい。もしかしたら、そのまますれ違って、恭文やリインちゃんがガーディアンに入る事も、無かったかも知れないんだしね」
恭文「それもそうなんだよね」
(二人で、色々な不思議を振り返りつつ・・・・・・ちょっと、しんみりモード)
恭文「で、次行こうか。次は・・・・・・猫男が絡むシーンだね」
(※ドキたまらじおっ!! でいっていたドキたま名場面ですが第5話:2での恭文がイクト& イースターへの宣戦布告と第24話:2での海里への怒号をプッシュします。
やっぱり、ここを抑えずどこを抑える!いよっ、主人公!!!(アルトの因果応報とタメをはれるでしょう) by ヨッシー )
(※ドキたま名場面・名シーン:僕が好きなのは第5話『自由気ままにゃ未知との遭遇』後半で、恭文VS幾斗のシーンです。
幾斗が部外者はすっこんでろと言って恭文がそれまでの不満をぶちまけるかのようにキレて幾斗に宣戦布告をしたシーンです。 by ペンネーム:天帝ペンギン)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「おいおい、マジであんな理由か? エンブリオとかイースターの事も知らないってのに」
ぎりぎりと爪と刃がせめぎあい、火花を散らしながら、猫男が何か言ってきた。
エンブリオ? イースター? ま、また新用語が出てきたなぁ。
「やっぱりか・・・。なのに、なんでアイツらのために戦う。アイツら、お前に嘘ついてんだぞ」
その言葉に、何かが心に突き刺さる。そして、そこから・・・噴き出す。
「・・・るか」
「はぁ?」
もうやってらんない。嘘ついてるとかついてないとか上塗りとか上乗りとか・・・もうやってらんない。
自業自得な部分が多分にあるけど、もうそんなの・・・めんどくさいんだよっ! どうしてもっとシンプルに行けないわけっ!? 絶対おかしいだろうがっ!!
「やってられるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
そのまま力ずくでアルトを振り抜き、猫男を吹き飛ばす。そのまま猫男は数十メートル地面を転がる。
「・・・何のために戦うのかって聞いたな。だったら教えてやるよ」
僕は左手から銀色のベルトを取り出した。そして、それを腰に巻きつける。
「確かに嘘つかれてるのかもね。でも、それはお互い様だ。僕だって・・・嘘付いてる」
それもブッチギリでアウトなのだ。多分、僕の方が罪が重い。
「それでも・・・自分達はきっと友達や仲間になれると言ってくれた。ガラにもなく、ちょっと感動しちゃったんでね。だから、戦う。
誰でもない、僕のためにだ。後ろで戦ってるあの子達に通さなきゃいけない筋ってやつが・・・出来ちゃったんでね」
そうして、後ろを見る。飛びまくって衝撃波を打ちまくっている×たまに四苦八苦しているガーディアンの面々を。
あぁ、そっか。なんかもやもやしてるし、今すぐ話す方向で考えてるなと思ったら・・・そういうことか。
僕、今の自分があの子達にその筋を通せてないのに、ちょっとイライラしてたんだ。らしくもない自分に、イラついてたんだ。
というか・・・ややは一体なにやってる? なんか暴走しまくりななでしこに怯えて泣き出してるし。というか、そのデカイがらがらやナプキンはどこから持ってきたんだ。
≪それになにより、あのたまごは元々あなた達のではありません。
それを奪おうとするのなんて、見過ごせるはずがないじゃないですか≫
「・・・問題ないだろ。お前、知ってるか? 自分で自分のたまご割る奴だって居るんだぞ」
そして、思い出した。あむがたまごを割った奴が居ると。そして、そいつは今、僕の目の前に居る奴と同じ事を言っていた・・・はず。
「俺が取らなくたって、自分で自分のたまごいらないって決めて、捨てる奴だっているんだ」
「・・・だから、ここでたまごを取っても・・・いいと」
「さぁな、だが・・・そう考えている奴が居るってことだ。お前はガキだから分からないかも知れないが、お前やガーディアンが相手をしてるのは、そういう奴で力を持ってるってことだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう、そうかそうか。よーく分かったわ。
”フェイト、もう・・・我慢できないんだけど、いい?”
繋ぐ念話の相手は・・・僕達のボス。今の段階ではこれは、管理局の仕事どうこうから外れてる。だから、一応聞く。
”うん、聞いてたよ。ヤスフミ、もう抑えなくていい。私も、気持ちは同じだよ。もし、そんな事をしてる人達が居るなら、絶対に・・・絶対に許せない”
その言葉がありがたかった。だけど、同時に申し訳ないとも思ったりした。やっぱり・・・ね。
”分かった。フェイト、また無茶してごめん”
”ヤスフミ、それ・・・ちょっと違う。私、言ったよね。気持ちは同じだって”
”なら・・・『ありがと』で、いい?”
”うん”
・・・フェイト、ありがと。感謝するわ。
なら、後必要なのは・・・宣戦布告だよね。
「つーわけでど」
言いかけた猫男の表情が驚きに満ちる。そりゃそうだ。僕が目の前に居るんだから。そのまま・・・僕はアルトを左から真一文字に打ち込む。
防がれたけど、それに構わずアルトを振りぬき、猫男を吹き飛ばす。爪と刃の間で火花が散り、目の前を照らす。
「・・・知らないね」
数メートル先に吹き飛ばされ、そのまま地面を転がる猫男を見下ろすように視線を向ける。
そうだ、そんなのもう知ったこっちゃないっ! ここから・・・今までのめんどくさくてうじうじした空気、吹き飛ばしてやるっ!!
「例えそうだとしても、あのたまご達は・・・あの人達の『なりたい自分』は確かにここに存在してるっ! それを赤の他人が好き勝手していいわけがあるかっ!!
お前やお前の後ろに居るのがどこの誰かなんざ知らない。けど、そんな理屈振りかざして人の夢を・・・目指したい未来の自分の形を壊そうって言うなら・・・」
僕は、アルトの切っ先を猫男に向ける。そして、売る。そう、売るのだ。
今この瞬間、僕は・・・僕達は、連中に喧嘩を売った。
「お前らの願い、僕とアルトが全部ぶち壊してやるよっ!!」
≪すみませんが、あなたの好きにはさせません。というか、ぶっちゃけ今の状況がもうめんどくさいんで八つ当たりします。・・・答えは聞いてませんけど≫
とにかく、アルトを鞘に収めてから、そのベルトに取り付けられている赤いケータイのエンターボタンを押して、右手に黒いパスケースを持つ。
つーわけで、行くよっ! そのまま、パスをセタッチっ!!
≪The song today is ”HOWLING”≫
ベルトから音楽が流れ出す。それも大音量で。それに猫男が目を見張る。
そう、皆様ご存知・・・サウンドベルトッ! いわゆる一つの固有結界っ!!
なお、なぜこの電王関連じゃない曲かと言うと・・・サリさんがゼロノス関係の映像使ってMAD作ってたから。いや、アップした途端にアカウントごと削除されて泣いてたから。
・・・フル動画でアップなんてするからだよ。未だに電王関係は静止画MADがほとんどだってのに。というか、ニ○動はそのあたり厳しいのに、そういうことやるから自業自得とヒロさんに言われてたりした。
まぁ、アレだよ。1年経って色んな意味で進化したと思って?
「いい? うだうだと珍しく前振りなんざしちゃったけど・・・」
響き出した音楽で、心が・・・身体が、力で満たされる。だから、不敵に笑いながら言葉を続ける。
≪私もマスターも、ここからは最後までクライマックスです≫
「全力全開、クライマックスゾーンブッチギリな暴走、本当の意味での僕達のいつものノリ、見せてやろうじゃないのさっ!
つーわけで・・・行くぜ行くぜ行くぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
僕は飛び出して、そのまま猫男にアルトを打ち込む。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「・・・まだ・・・だ」
海里が立ち上がる。口から血を流しながら、それでも立ち上がる。
・・・やっぱもうちょい本気で徹撃てばよかった。いや、それだと海里の命に関わるから無理だったんだけど。
「俺は・・・もうここしかないんだ」
そのまま、剣を構える。僕の血が付いた右の刀と、左の刀を。
「ここは、俺が逃げて・・・居て許される場所なんだ。姉さんは、こんな俺にも感謝してくれるんだ。だから・・・終われない。俺には・・・もうここしかないんだ」
・・・て・・・か、前。
「え?」
「・・・・・・ふざけてんのかお前っつったんだよっ! 剣を持つ身でありながら重さから逃げてんじゃねぇよっ!!」
怒号が響く。ライブ会場に僕の声が・・・あー、耳がちょっとキーンとしてるし。
でもいいや。もうキレた。完全にキレた。
「いいか、剣ってのはな・・・簡単に言えば人殺しの道具だ」
アルトを前に上げる。まるで刃を見せ付けるように。
「刃は肉を裂き、骨を絶ち、命を奪う。今、お前が僕にやろうとしたみたいにな」
その言葉に、海里の身体が震える。そして見る。自分の右手に持つ刀に付いた血を。
「そして、僕がさっきお前にやったみたいにだ」
海里は視線を動かし僕を見る。瞳の中が・・・仮面の部分から少しだけ見える海里の瞳が、揺れている。
「お前は今、人を斬ったんだ。いや、殺そうとした。奪い、壊そうとしたんだ。それからもまた逃げるつもり?」
そのまま言葉を続ける。いや、止まらない。
「・・・・・・あなたに分かるんですか? 俺の気持ちが。このどうしようもない重さが」
「分かるさ。僕も壊してきた。場合によっては・・・殺したことだってある」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、ペンネームヨッシーさんと、天帝ペンギンさん、ありがとうございます。
というわけで、第5話での僕の宣戦布告シーンですよ。あれで、色々吹っ切れた」
あむ「そうだよね。この前段階まで、恭文ってあたし達に対して魔法や年齢の事、ずっと隠してたしね」
幾斗「・・・・・・えっと、そういやお前、俺より年上だったよな」
ヨル「意外と忘れがちだけど、その通りにゃ」
恭文「忘れないでくれるっ!? これ、結構重要シーンじゃないのさっ!!」
(そう、かなりの重要シーン。作者、かなり迷いながら書きました)
あむ「あと、ヨッシーさんからはもう一つ。いいんちょと恭文の対決シーンの一部だね」
恭文「あれも大変だったなぁ。普通にキャラなりするとは思ってなかったし、そして力だけはあるし」
ヨル「にゃにゃ? でも、お前は普通につまらないとか言ってたよにゃ?」
恭文「当然でしょ。力があるって言うのと、強いって言うのとは、また違うのよ?
力が強さで、力が無いから弱いなんて言うのは、トーシローの考えだよ」
ヨル「・・・・・・よく分からないにゃ」
恭文「ようするに、力が有っても、あむより心の弱い人間は沢山居るってこと」
ヨル「あ、それならまだ納得にゃ」
幾斗「俺も同じくだわ」
あむ「え、そこ納得なのっ!? あたし、色々ビックリなんだけどっ!!」
(でも、三人は納得らしい。現・魔法少女は、その辺りの基準がよく分からない)
恭文「で、ちょっと視点を変えると・・・・・・なんだかんだでドキたまの戦闘って、近接戦闘が多いのよ」
幾斗「あぁ、俺とお前だったり、あの三条さんの弟とだったりだよな」
あむ「というか、キャラなりしてもアンタやフェイトさんみたいに飛べる人間が少ないしね」
恭文「唯世もややも、りまも飛行能力ないしねー。あと、猫男も」
ヨル「けど、オレらはすっごい高く跳べるにゃー」
恭文「でも、僕はそれより高く飛べるー」
(・・・・・・あれ?)
ヨル「にゃらにゃら、オレらはそれよりも高く跳ぶにゃっ!!」
恭文「なら、僕はそれよりも更に高く飛ぶっ!!」
ヨル「むきー! にゃら、オレはマジでそれよりもーっともーっと高く」
幾斗「そこまでだ。・・・・・・てーか、マジでキリねぇだろ。お前ら、どこまで行くつもりだ?」
あむ「というか、恭文もあんまヨルの事からかっちゃだめだって」
ヨル「にゃんだとっ! オレはからかわれてたのかにゃっ!!」
恭文「あ、今頃気づいたの?」
ヨル「がーんっ!!」
(テーブルの上で、崩れ落ちる。どうやら、ショックのようだ)
恭文「というか、面白かったなぁ。いやぁ、よかったよかった」
あむ「アンタ、それ言い切るって色々おかしくないっ!?」
恭文「で、なんだかんだであれだよね。僕・・・・・・叫んだりするシーン多いよね」
あむ「そして話戻すのっ!?」
幾斗「何気にそうだよな。てーか、これだけじゃないだろ?」
恭文「まぁ、今までは・・・・・・こう、海里みたいに本当に近い人間が敵になって、戦うとかなかったしさ。
そういうのも、あるのよ。あと、ただぶっ飛ばすだけじゃなくて、説得とかお説教シーンとかもあるし」
ヨル「あれだにゃ、たまごの浄化シーンとかもそうだにゃ」
恭文「そうだね。でも、その辺りは僕よりもあむかな。ほら、超・電王編とかもそうだし」
幾斗「あぁ、俺とヨルが一切絡んでないのだな」
ヨル「全く絡んでにゃいにゃー」
あむ「いや、仕方ないじゃん。アンタ達、一応敵方の立ち位置なんだし」
(そして、ディレクターから『巻いて巻いて』と指示が出される)
恭文「というわけで、こちらのコーナーではみなさんが思う名シーンを、募集しております」
あむ「というか、もらった分はちゃんと紹介したいよね」
恭文「だね。えー、それでは『ドキたま名場面を振り返ろうのコーナーッ!!』でした」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(あむ『きけばいーじゃんっ! ドキたまラジオっ!!』)
恭文「というわけで、EDの時間です。なお、今回は僕一人でトークです。
いやぁ、もうすぐクリスマスなんですよ。皆さんが聞いてる頃には、年越してますけど」
(普通に、年末進行の関係です)
恭文「で、とりあえず僕がサンタさんに要求するプレゼントは・・・・・・超・電王のディレクターズカット版?」
あむ(小声)「いや、なんでそこっ!?」
ヨル(小声)「普通に、電王好きなんだにゃー」
幾斗(小声)「てゆうか、普通にそれ要求はおかしいだろ」
恭文「もしくは、フェイトとクリスマスの間ずっと二人っきりでラブラブ? いや、普段出来てないですし」
(その言葉に、ブースの外の二人も驚愕する)
恭文「フェイトとも二人で、普段出来ない分、静かに二人っきりで色々話しながらラブラブ出来たらいいねーと相談してまして」
あむ(小声)「いやいや、普通に普段からラブラブしてるじゃんっ!!」
幾斗(小声)「なぁ、マジで自覚ないのか?」
ヨル(小声)「アレがラブラブしてにゃいなら、なにがしてるにゃ?」
恭文「それでですよ、あとはお年玉・・・・・・ですね。まぁ、あむだったり唯世達はいいんですよ。
問題は、エリキャロとかなんですよね。魔導師組は、みんな働いてますから」
あむ(小声)「でも、要求してくるんだよね」
恭文「まぁね」
(少し、困ったように青い古き鉄は言う)
恭文「そんな、10万とか20万とか上げる予定は全くないんですよ。だって、奴らそれくらいもらってるし」
幾斗(小声)「・・・・・・そういや、お年玉でそれくらいあげる大人も居るって言うよな」
ヨル(小声)「普通におかしいにゃ・・・・・・」
恭文「ただ、普段から働いてて子どもらしい部分が少ないので、まぁ・・・・・・年末年始くらいは、いいかなと。
とにかくですよ、僕の年末年始はそんな感じですね。そして、りまとややにはしっかりと報復をする。いやぁ、楽しみだ」
あむ(小声)「・・・・・・こういう部分さえ無ければ、いいのになぁ」
恭文「というわけで、以上。EDトークでした。皆さん、よいお年を」
あむ(小声)「だから、これは普通に年越してからの放送なんだよねっ!?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
(そして、EDの時間。なお、EDテーマはJAM Projectで『HERO』)
恭文「・・・・・・というわけで、常に最終回な気構えで不定期更新なドキたまラジオ、みなさんどうだってでしょうか」
あむ「イクト、ヨル、ありがとね」
幾斗「いや。・・・・・・てーか、礼を言うのはこっちだろ。誕生日祝いしてもらったしよ」
ヨル「ありがとにゃー。ただ、アレだにゃ」
恭文「ヨル、言いたい事は分かってる。で、大丈夫。あとでちょっと反省会議するから」
(青い古き鉄、厳しい視線でディレクターと構成作家を見る)
恭文「・・・・・・そこの二人、ちょっとお話しようね? ほら、こういうネタはヤバいんだしさ。
食べ物を粗末にしてるとか思われる危険性が、常にあるのよ? 全部食べてるから、いいだけよ?」
あむ「あ、それもはあたしも同感。普通にこのままずっとは、ダメだって」
ヨル「オレも同感にゃ。普通に、食べ物を粗末にするのは、ダメにゃ」
幾斗「だよな」
恭文「とにかく、反省会議はしっかりするとして・・・・・・実は、重大発表があります」
(じゃがじゃがじゃがじゃがじゃがじゃが・・・・・・じゃんっ!!)
恭文「大好評放送中の『とある魔導師と古き鉄とドキドキな夢のたまご』は・・・・・・49話をもって最終回。放送を終了することが決定しましたっ!!」
あむ「あぁ、そうなん・・・・・・えぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
幾斗「・・・・・・いや、まだあれとかこれとかあるだろ」
ヨル「そうだにゃっ! オレとか幾斗が登場したのに、それはないにゃっ!!」
あむ「それに、ミッドチルダ・X編どうすんのっ!?」
恭文「当然、途中で終わるに決まってるじゃん。あむ、なに言ってんのさ」
あむ「当然のように言わないでよっ! てーか、それってありなのっ!?」
恭文「で、もう一つ発表があるの」
あむ「え?」
(青い古き鉄、ブースの外のディレクターを見る。見て、頷き合う)
恭文「それで、もう一つの発表は・・・・・・!!」
(じゃがじゃがじゃがじゃがじゃがじゃが・・・・・・じゃんっ!!)
恭文「ドキたま二年目っ! 『とある魔導師と古き鉄とドキドキな夢のたまご・だっしゅっ!!』、放送開始が決定しましたー!!」
(そして、鳴り響くファンファーレ。それに、他の三人は呆気に取られる)
他の三人『・・・・・・・・・・・・え?』
恭文「だから、『とある魔導師と古き鉄とドキドキな夢のたまご』は、終了するの。
でも、『とある魔導師と古き鉄とドキドキな夢のたまご・だっしゅっ!!』が、始まるの」
あむ「・・・・・・なにそれっ! 番組終わらないじゃんっ!!」
ヨル「そうだにゃっ! それは、どんな終わる終わる詐欺にゃっ!?」
幾斗「てーか、普通に紛らわしいぞ」
恭文「なお、話数は普通に50話からカウントスタートだから。ほら、無印から『どきっ』になっても、そんな感じだったでしょ?」
(それに、ブースの二人がうんうんと頷く)
あむ「いや、じゃあ・・・・・・タイトルが変わるだけ?」
恭文「あと、OPとEDが変わるよ。そして、新聞欄で今は『ドキたま』とか載ってるのが、『ドキたま・だっしゅっ!!』になる」
ヨル「・・・・・・普通に、違いが細かいにゃあ」
幾斗「まぁ、そんなもんだろ」
あむ「と、とにかく・・・・・・49話で一旦ドキたまは終了しますけど、ドキたま・だっしゅの方も、よろしくお願いします・・・・・・で、いい?」
恭文「うんうん。まぁ、しばらくはこのメンバーでワイワイガヤガヤやってくってことだね。あむ、これからもよろしくね」
あむ「うん、よろしく」
(二人とも、どこか嬉しそう。猫男達も、それを温かく見守っている)
あむ「・・・・・・さて、番組ではコーナー当てのお葉書を随時募集しております」
恭文「今日は、特別企画があったからほとんどふつオタは読めなかったし、次回は頑張らないとね」
あむ「そうだね。でも・・・・・・あれは頑張りたくないなぁ」
恭文「普通に、会議だよ会議。朝までディスカッションだよ」
(現在、時刻は夜の7時です)
恭文「というわけで、ドキたまラジオ・・・・・・本日はここまで。
お相手は、蒼凪恭文と」
あむ「日奈森あむと。・・・・・・ほら、イクト」
幾斗「・・・・・・月読幾斗」
ヨル「ヨルだにゃー! みんな、本当に今日はありがとうにゃー!!」
幾斗「そこはマジだから。・・・・・・それじゃあ」
恭文・あむ・ヨル『バイバーイっ!!』
幾斗「じゃあな」
(あむ『この番組は、次元世界の平和を守る・時空管理局。クロスフォード・レコード。
ミッドのみんなの定食屋・ふたば軒。喫茶・翠屋の提供でお送りしました』)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
あむ「あむの、今週の一言。梨ゴレンは、もう沢山です。ナシゴレンを食べて、口直ししたいです。
というか、普通に本物のナシゴレンは、美味しそうなんです。・・・・・・恭文ー! 作ってー!?」
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