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頂き物の小説
第4話 『その日、機動六課?/χの輝き』













「・・・・・・・・・・・・じゃあ、向こうさんはもう大丈夫そうなんやな?」

「うん、アルフも分かってくれた。少なくとも、少しずつ話して、理解しようとしてくれるから」



なるほど、あの駄犬はフェイトさんの言う事ならちゃんと聞くと。

・・・・・・マジでムカつくわね。私達の話は、散々無視しまくってたくせに。



「はやて、シグナム・・・・・・本当にごめん。
私、どう謝ったらいいのか。母さんも、後日正式に謝罪するって言ってて」

「まぁ、そうやな。ただなフェイトちゃん、今回の事、別にアルフさんだけが全部悪いんとちゃうよ」

「主はやての言う通りだ。・・・・・・我々も、蒼凪の一件で少々過敏になっていた。
ようするにだ、我々が全員、エリオと同じ状態だったんだ。程度の差はあれどな」





なんでも、隊長達と後見人であるリンディ提督との間に、溝が出来ていたらしい。

その溝の原因は、先日のフォン・レイメイに対しての処置。リンディ提督は、否定的コメントを出してた。

まぁ、この辺りには六課という部隊を守るために必要な手だったので、置いておく。



問題は、それにあの駄犬のバカや、エリオの迷い、コイツを認めたいと思う気持ちとかが作用したこと。

結果的に、今日のコレに繋がった。そう、全部は勘違いと疑いが招いた事。それなら、全員に責任がある。

実際、私も本当にリンディ提督が駄犬と一緒に話したかどうか、確認すらしてない。罪はきっとある。



あと・・・・・・このバカにまためんどくさい事を押し付けた罪とか。





「まぁあれや。後日、また反省会しよか。てーか、よく考えたらありえんもん。
前線が、引退組でロートルの意見に振り回されるなんて、あったらあかん」

「その辺りに関しても、徹底する必要がありますね。
ただ、そこにこだわり過ぎて意見を聞き入れないのも、また問題です」

「やっぱり、反省会だね。・・・・・・とにかく、ヤスフミ、ティア。一応だけど解決したから・・・・・・その」



なぜだろう、部隊長に副隊長、フェイトさんが、普通に私達を残念なものを見る目で見ている。

それに、私達は疑問の顔を浮かべる。だって、理由が分からないもの。




「そろそろ、その怖い顔はやめないかな。あの、アルフにはしばらくみんなとの接触を禁止したの」



えぇ、そうでしょうね。それくらいしないと、懲りないでしょうから。



「それで、ヤスフミを逆恨みして大人化して襲ったり出来ないように、私の方で魔力制限もかけた。
さっき話した通り、相当厳しく叱っていくから、その怖い目はやめてもらえると、うれしいな」

「・・・・・・じゃあフェイトさん、一つだけ聞かせてください。
私達主催の、犬鍋パーティーはどうするんですか?」

「そうだよ、僕とティアがせっかく腕を振るおうと思ってたのに」





ムカつく。あの犬っ子マジでムカつく。

フェイトさんの使い魔だからって、なんでも出来ると思ったら大間違いよ。

大体、あの場に居ない上に、もう一般人なのよ?



それなのに、偉そうな関係者面してたのが許せないわ。アレ、一体どうなってんのよ。





「お、落ち着いて? というか、もうそんなことする必要ないから。
それでヤスフミ、フレイホーク君の怪我の具合・・・・・・どうかな」

「青凪とシャマルの応急処置でどうにかなったと聞いている。・・・そうだな、青凪」

「だが、私は謝らない。ライダーシステムに不備は確かにあった。だが、私は謝らない。絶対に謝らない」



・・・・・・はぁっ!? コイツ、いきなり何言ってんのよっ!!



「ある人はこう言った。『働いたら負けかなと思ってる』と。
だから、僕はこう言うのである。『謝ったら負けかなと思ってる』・・・・・・と」

「いきなりなんの話やっ!? てか、アンタはマジで色々起こしてくれるなっ!!」

「あのさ、はやてにシグナムさん。あと・・・・・・フェイトも」



・・・・・・ここは部隊長室。普通にあのすぐ後に八神部隊長達が帰って来た。

そして、なぜかエリオとフレイホークを除く形で、アイツと私が呼び出された。



「うーん、みんなは何か色々と勘違いしてるなぁ」



大丈夫、アンタよりマシよ。そこだけは自信を持って言い切れるわ。



「せっかくだし、そこを解消していこうか」



なお、私は口出ししない。コイツがどういう具合に自分の勘違いを解消していくか、見ることにしたから。



「アイディアはティアだけど、やると言ったのはあの二人よ?」

「つまり、お互い合意の上で、エリオはこういう結果になるのも込みやったと言いたいわけやな」

「そうだよ。てか、ティアに言われてたはずでしょうが。
どういう結果になろうと、負けた方の擁護はしないって。違う?」



フェイトさんは、それに頷いた。つまり、恭文の言ってる事に間違いはないと認めた。

確かに、互いに確認はしてた。普通に確認してた。で、オーケーは出された。



「まぁ、今回は僕の代わりにジンがやる事になっちゃったけど、あの二人は対等な条件でやりあった、それは僕が相手でも変わらない。そして、みんなそれを認めた。
その時どういう行動を取ってたにしろ、その上でこれ。なんで僕だけがお叱り受ける必要があるのさ」

≪そこは同意見ですね。止めるなら、やる前にフェイトさんや高町教導官が止めてもよかったでしょ。
なのに、なんで、今ここでそれを言うんですか。おかしいでしょ、これは≫



・・・・・・全員、黙った。



「全く、都合が悪くなるとこれなんだから。それで僕にどうしろって言うの?」

「アンタ、考えてること声に出てるわよ?」

「大丈夫、気のせいだよ。それはティアにサイコメトリー能力があるせいだよ」

「そんなの無いわよっ! このバカっ!!」



コ、コイツ・・・・・・だめだ、アコース査察官の話を加味しても、これはありえない。

ただ、どこかであの話を信じたくなるのも、やっぱり不思議だったりする。



「なるほど、アンタはなんで自分だけここかっちゅうんが疑問何やな?
なんでエリオとアンタの友達が居ないかっちゅうんが、疑問と」

「そうだね」

「なるほど、それでいきなり空気読まずにこれか。
・・・・・・どうやら、分かってへんみたいやから教えようか」



そう言って、今まで自分のデスクに座っていた八神部隊長が立つ。

えぇ、部隊長教えてあげてください。コイツ、本気で分かってませんから。



「ほう、何をどう教えてくれるって言うのさ?
あれか、愛の授業で自分がどんだけラブクイーンかを教えてくれるのかな」

≪はやてさん、あなたは一生ラブクイーンになんてなれないんですよ? そろそろ自覚持ちましょうよ≫

「いきなり何の話しとるっ!? つーか、それちゃうわぼけっ!! ・・・・・・それはなっ! エリオが普通に目覚ましてへんからやっ!!
アンタ、ドンだけ叩きのめしたんっ!? 普通に肋骨にヒビ入ってたり肩が外れてたり歯が何本か折れてたり内臓にダメージ入ってたりしてるんやけどっ!!」

「我々とて呼べたらエリオを呼んでいるが、当のエリオが医務室から動かせないんだぞっ!? それでどうしろと言うのだっ!!」


そう、ここが理由。エリオは現在包帯だらけの格好で医務室でグッスリ。

話出来るなら、させてるわよ。でも、アレを起こすほど冷たい人間は、ここには一人しか居ない。



「あと、アンタとティアが犬鍋パーティーとか言いまくって、マジで海鳴行ってアルフさんボコろうとするからやろっ!?
こうでもせんかったら、マジで血の雨降るやないかっ! もううちは身内同士でゴタゴタは勘弁なんよっ!!そして、アンタの友達はいつの間にか姿を消しとるしっ!!」

「部隊長、知らないんですか? 地球の韓国って所では、犬鍋って食べられていて」

「あぁ、そこは知っとるよっ! なんかアッサリしとるらしいなっ!!
でも、そういう事ちゃうよっ!? 普通にゴタゴタするんはやめてって話やからっ!!」

「・・・・・・だが私は謝らない。確かにライダーシステムに不備はあった」



そう、怖いわね。そのライダーシステムってやつ。

・・・・・・って、ちょっとっ!? アンタ、またそれ言うってどういうことよっ!!



「普通に融合係数高いと、ジョーカーになる可能性があるんだから。
でも、僕は謝らない。あんなのイレギュラーだもの。いったいどうしろっての?」

「だからそこはもうえぇっちゅうにっ! つーか、どんだけオンドゥル好きっ!?」

「オンドゥル言うな! ブレイドは名作なんだよっ!?
おのれ、ダディを超えるヘタレでかっこいいガンナーはこの世界に二人と」



そこまで言いかけて、アイツが気づいたように止まる。・・・・・・そして、隣に居る私を見る。

私に向かって恭文は、とりあえずサムズアップ。そして、すっごい笑顔である。



「ティア、ダディ目指してみようか。大丈夫、ティアならヘタレガンナーとしてトップを走れるから。
現状でも大丈夫だけど、まだいける。そうすると、ヘタレツンデレという新しいジャンルのパイオニアに」

「とりあえず、アンタの言いたいことは、全然全くこれっぽっちも理解出来ないわっ!!
もちろん、する気も起きないけど、全力で却下させてもらうわっ! つーか、ヘタレ言うなっ!!」

「と、とにかく・・・・・・ティア」



フェイトさん、どうしてそこで『とにかく』の一言で済ませるんですか?

絶対枕言葉間違えてますから。・・・・・・あぁもういい。とにかく返事しよう。



「はい」

「まぁ、事情は分かってるの。だから、私達も許可を出した。
ただ、どうしてこのアイディアを出したのかな。私達が疑問なのは、そこなんだ」

「いや、昼間にスバルがコイツと同じ事しまして」

「そうなのっ!?」



フェイトが恭文を見る。で、はやてとシグナムさんも同じくなので、頷く。

そして、私を見る。私も同じように頷く。というか、三人とも知らなかったの?



「で、それでスバルは恭文とぶつかって、ちゃんと納得したんですよ。
もう今日の夜に、私達と一緒にご飯食べてる時も仲良さげでして」

「え、そうなのっ!? 私、そこは知らなかったんだけどっ!!」

「うちもやでっ! 自分ら、一体なにしたんやっ!?」



いや、普通に『お話』しただけで・・・・・・って、そう言えば、フェイトさん達にそのこと話してなかったような。

あぁ、なるほど。だからこれなんだ。納得したわ。



「ティアナ、ようするにお前は、もういっそのことエリオ達ともその方式で行くべきだと思ったんだな。
だから、模擬戦を勧めた。互いに納得の上で、もうこれ以上ゴタゴタさせないために」

「はい」



なお、しつこいようだけどちゃんと隊舎に居た隊長達(なのはとフェイト)に話は通したのは、承知しておいてね?

というか、通しもせずに勝手に模擬戦闘なんて出来ないから。



「・・・・・・てゆうか、コイツとエリオとじゃあ、どこまで言ったって平行線でした。
どっかでそういう区切りをつけないと、また現場で揉める。いつ出動があるかも分かりませんし」





まぁ、身内だけならいいのよ。だけど、108とかの人達と揉めるとかはごめん。

てゆうか、ぶっちゃけあの状態のエリオとチーム組みたくなかったのよ。だから、ケジメをつけた。

・・・・・・そう、これは解決でもなんでもない。あくまでも、区切り。ケジメ。

ただ、コイツの友達が割り込んじゃったけど・・・・・・


まだ、なんにも終わってない可能性だって、十二分にありえる。





「私もかなり考えたんですけど、普通に対処は無理っぽかったんですよ。
少なくとも、私達の言葉は通用しない。全部勝手に解釈される。だから」

「それで、早急な解決と。まぁ、確かにこれはうちら文句言えんなぁ。
なんにしても、勝手やない。なのは隊長達が認めてやってるもん」

「でしょ? なら、問題ないでしょうが。加減もしっかりされてたし、あの程度なら大丈夫」



コイツはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! マジで自覚ないってどういうことっ!?いや、やったのはコイツの友達だけど!?



「大丈夫じゃないわよっ!!」

「え、なんでティアが怒るのっ!? そこフェイトとかはやての台詞じゃっ!!」

「いくらなんでもやり過ぎよっ! どんだけ容赦ないっ!?殺傷設定で血が流れる模擬戦なんて、初めて見たわよっ!!」





で、恭文は疑問いっぱいな顔でフェイトを見る。・・・・・・頷いた。

次に部隊長を見る。・・・・・・これまた頷いた。そして、シグナム副隊長を見る。

・・・・・・・・・・・・だいぶ間があったけど、頷いた。なお、この間に関しては一切突っ込まない。



とりあえず、それを見て恭文が驚く。あぁもう、どっからツッコめばいいのよ、これ。





「僕、恭也さんや美由希さんとガチにやりあう時、あんな感じだけど」



後日、この二人に関してはなのはさんから聞いた。魔法無しでもそうとう強いなのはさんの兄と姉。

そして、恭文の剣術の先輩で、定期的に一緒に訓練をしていたらしい。



「アンタの常識ここに持ち込まんでもらえるとありがたいんやけどっ!?
つーか、あん人達とうちら一緒にされても困るからっ!!」

「ヤスフミ、一体なにしてたのっ!?というか、それを加味してもやり過ぎだからっ!!」

「なるほど、アレ基準じゃいけなかったんだ」



えぇ、恐らくそうでしょうね。普通にそうでしょうね。

アンタの基準と私達の基準が違うってことは、よーく分かったわ。



「・・・・・・んで、アンタの友達があそこまでやった理由や。いくらエリオの態度がひどかったゆうても、あれはおかしいんとちゃうか?」

「ジンはさ、あのエリオみたいに歪んだ正義感を持ったバカがロストロギアを暴走させた事件で家族を全員失ってるのよ。だから、そういった類の輩が大嫌いって訳。」

≪私達と初めて出会った時も、似たような犯罪者相手に暴走しかけてましたしね。≫



・・・・・・再び、全員が黙る。というか、空気が凍った。




・・・なによ、それ?





「・・・・・・アンタ、そんな事勝手に言ってええんか?それ、プライバシーどころやないで。」

「問題ないよ、許可はもらってるから・・・一応は説明したけど、あんまり気分のいい話でもないでしょ?」

「・・・確かにな。」

「あぁもう、なんでこんな事になるんや・・・・・・けど、フレイホーク君の出向依頼断られてて正解やったな。そないなトラウマがあるんなら、エリオと遅かれ早かれぶつかってたわ。」

「え?ジンって六課に来る予定だったの?」

「そやで?今彼に仕事を依頼しているストライフ執務官がフォン・レイメイを追っていたからなぁ・・・もっとも、上の方で却下されたらしいんやけど。」

「・・・とにかく、エリオの事ですけど・・・・・・みなさん私が説明した通りでお願いしますね。
なにより、あの子も納得した上でやりました。これでごちゃごちゃ抜かすようなら、そこは厳しくしてください」

「まぁ、そこはなぁ。ただし、それが行き過ぎて部隊運営に差し障るようやったら、しっかりシメていくからな。
それはエリオだけの話やない。恭文もそうやし、ティアもや。擁護しない言うんやら、関係者全員厳しくせんとあかん」





ようするに、エリオとの関係が上手くいくように、私達も努力はしろと暗に言ってる。

これでエリオがごちゃごちゃ言わなくなるとしても、関係がそこからいきなり上手くいくわけがない。

なので、私達の努力も必要。頑張って、いいチームを作り上げろとも言われている。



で、私も、恭文も頷いた。居ない間に勝手されたのに、こういう判断で済ませてくれる部隊長に感謝しつつ。





「一応は解決かぁ。あー、つまんない喧嘩だった」

「まぁね。・・・・・・でも、エリオがここからどういう反応を示すか分からないのよ?
まだ油断は出来ないし、安心も出来ない。で、アンタももうちょっと頑張るように」

「へーい。分かってるよ、ティア」

「・・・・・・蒼凪、お前いつの間にティアナとそんなに仲良くなったんだ。
私の目から見ると、普通に通じ合ってるように思うのだが」

「「いや、仲良くなってないですから」」



とにもかくにも、長い一日は終わりを告げた。

エリオは明日にも目を覚ますそうだし(シャマルさん談)、これからよね。てゆうか、疲れたわ。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




イテテ・・・やっぱ、まだ傷が痛むな。


≪だったら、六課の医務室でちゃんと治療を受ければよかっただろう?≫

「・・・・・・あのガキをぶっ飛ばしておいて隣にいられるほど俺は図太くないぞ?」

≪それは言えてるな。≫


・・・・・・しかし、正直やりすぎだったかなぁ・・・頭に血も上っていたし。



うん、まだまだ精進しないと。




≪ところでマスター、あのヒロリス殿達から送られてきたソレはどうするのだ?≫





そのバルゴラの言葉に、俺は思わず目の前のテーブルに広げたモノを眺める。



そこには、ガンメタリックと黒を基調とし、χのマークが刻まれたチップを表面に装填している携帯電話と、バックル部分にその携帯電話を装填できるほどのスペースがあるベルト。

さらに、同じような色のデジタルカメラ、ちょっと無骨な形の双眼鏡、χの形をした銃・・・らしきもの。






・・・・・・マジでどうするか。これほど死亡フラグがビンビンな奴は正直使いたくないんだけど。



「・・・で、システムの構築はどうだ?」

≪問題ないな。それを起動すればいつでもサポートできるぞ。≫



・・・・・・・・・・・・頼むから、コレを使うような事態にならないでくれよ?





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・・・・最近、ドクターの様子がおかしい。まぁ、おかしいのはいつもの事として、それでもおかしい。

チンクちゃんやセインちゃんはなにやら色々話してるみたいで、ちょっと気になるわねぇ。

まぁ、いいわ。計画に支障が無ければ問題なしなし。そう、もうすぐだもの。





私達の夢・・・・・・本当に自由な『すばらしい世界』が手に入るのは、もうすぐなんだから。

愚鈍な虫けら共は全て消してー。ドクターの研究に役立ちそうなサンプルだけ残してー。

そうして、私達の楽園を作り上げる。ふふふ、楽しみだわ。あぁ、想像するだけで飛んじゃいそう。





さぁて、邪魔な蛆虫共をブチブチ踏み潰せるのも・・・・・・・もうすぐねぇ






























魔法少女リリカルなのはStrikerS Remix


とある魔導師と古き鉄と機動六課のもしもの日常・外典


第4話 『その日、機動六課?/χの輝き』










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





そして、模擬戦はあっという間に終わった。てゆうか、当然僕達の勝ち。





いやぁ、楽しかったなぁ。普通にクリムゾンスマッシュとか使ったし。





やっぱり、今日の僕は輝いている。ここは決定だよ。










「輝いてねぇよバカっ! てゆうか、なんでファイズッ!?
お前、マジでそのベルトはレギュラー決定かよっ!!」

「・・・・・・蒼凪、それはなんのコスプレだ?」

「そうだよっ! お願いだからおふざけなしでお願いしたかったんだけどっ!?」

「まぁ、戦闘能力は高いんだよね。うん、よく分かったよ。
私でもヤスフミみたいにしっかり使いこなせば、かなり有効なアイテムになるんだね」



そう口を開いたのはフェイト。なので、全員がフェイトを見る。



「それで、右手でスナップなんだよね」

「うん、そうそう」

「テスタロッサ、お前は何を言っているっ! というより、そういう問題なのかっ!?」

「というか、フェイトちゃん騙されてるよっ!? 手首をスナップは、装着者の癖ってだけなんだからっ!!」



横馬、何を失礼なことを言うか。ノリを良くするためには、こういう手が必要不可欠なのよ。



「・・・・・・確かに、ジャケットとしても性能高いから、いいっちゃあいいのか。
よし、バカ弟子。後でアタシにもやらせろ。それなら問題ねぇ」

「でも、僕とフェイト以外は使えませんけど。エラーになりますから」

「マジかっ!?」



試しにフェイトがやってみたら、エラーになった。・・・・・・あ、ここは前に説明したね。



「・・・・・・エラーとはなんだ?」

「ファイズギアってのは、話の中だと、装着出来る人間に条件があるんだよ。
それに適合しないと、変身しようとした途端に、身体が弾き飛ばされる」

「待て、まさかそこまで再現してるのかっ!?」

「うぅ、アレ痛かったよ。というか、ヤスフミひどいよ。私、思いっきり壁に叩き付けられた」

「そして、お前はそれで弾き飛ばされたのかっ!!」



あー、そうだね。タンコブ出来てたもんね。そのために、僕はランチを奢るハメになったもんね。

一応検査してもらったから大丈夫ではあるんだけど、大きいのが出来てたよね。



「いやいや、僕が教える前に自分でやったんじゃないのさ。そこ言われても困るって」

「で、でもヤスフミはファイズって知ってるんだから、あぁなるって分かってたよねっ!?」



・・・・・・ギク。



「だったら、もっと早く教えてくれても、よかったんじゃないかなっ!!」

「いや、はやてと話した時にエラーになるって言ったよねっ!?」

「あれだけであんな派手に弾き飛ばされるなんて、分かるわけないよっ! 私はファイズ、本当に見たことないんだよっ!?」

「あー、お前ら痴話喧嘩はそこまでにしとけ。・・・・・・な、カイザのベルトはあるよな?」



カイザ・・・・・・あー、どうなんだろ。僕の知る限りでは存在していないはずなんだけど。



「師匠、死亡フラグって知ってますか?」

「・・・・・・お前の言いたい事は分かる。でも、いいじゃねぇか。
アタシはカイザも草加も、好きなんだしよ」

「でも師匠、あれはぶっちぎり過ぎますって。普通に怖いですって」

「ま、まぁな。そこは正直、否定出来ねー」





そういや、師匠は本当にファイズ好きなんだよなぁ。というか、僕より大好き。

だって、劇場版のパラダイス・ロストにも、エキストラで出てるし。

さいたまスーパーアリーナで行われた、最終決戦のギャラリー役ですよ。



アレの公募に受かって、師匠は最終決戦の撮影を、生で見た。もう凄かったと何度聞かされたことか。





「有ってもダメですよ。装着したら死ぬんですし。一回変身したら、解除した後に灰になります」

「そこまで再現する必要なくねぇかっ!? てーか、再現出来たら怖過ぎるだろっ!!」

「なお、デルタのベルトは装着したら、副作用でヘタレになります」

「バカっ! デルタのベルトにそんな副作用はねぇよっ!! そして、それは三原かっ! 三原の事かオイっ!!
お前、三原をバカにすんじゃねぇよっ! アレはたいした奴だろっ!? なんだかんだで最後まで生き残ってるしよっ!!」



そして、師匠はとっても不満顔。どうやら、自分が装着出来ないのがお気に召さないらしい。

・・・・・・でさ、シオン。



”お兄様、突然ですね”



そう、シオンだ。なお、ちゃーんとこの場に居て訓練を見ていた。



”一応確認、ギンガさんは・・・・・・シオンの事、見えてる?”

”いいえ、先ほど目の前に行ってニッコリと笑いましたが、さっぱりでした”



マリエルさんもさっぱりだったらしいし・・・・・・うし、バレる危険性はない。



”ただ、ナカジマさんが教えていましたけど”

”あのKYはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! ふざけんじゃないよっ!!”

”大丈夫です、頭を心配されていましたから”

”そっか、ならよかった”



え、そう言える理由? スバルだからですが、何か問題でもあるかな。



”なお、モンディアルさんとルシエさんは空気を読みました”

”ならいいや”



よし、あの二人には後でジュースでも奢ってやろう。そしてスバルは、一発ぶん殴る。

てーか、もう一回クリムゾンスマッシュ打ち込んでやろうか。



”何発打ち込もうと、ナカジマさんのKYは直りませんよ。・・・・・・お兄様”

”なに?”



訓練はこれで終わりなので、全員で隊舎に戻るという話になる。

だけど、僕はとりあえずシオンとお話。声色で、真剣な話というのは分かった。



”実は、今までお話していなかったんですが、しゅごキャラ・・・・・・いいえ、キャラ持ちには、特殊能力があるんです”

”特殊能力?”

”キャラチェンジと、キャラなりです”










・・・・・・キャラチェンジと、キャラなり?






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「・・・・・・そういやよ、ヒロ」

「うん、なに?」

「やっさん、555ジャケット使って、現場に出たらしいぞ」



・・・・・・はぁっ!? アイツ、マジでアレ使ったんかいっ!!



「で、ガジェットを潰しに潰しまくって、無双したとか」

「・・・・・・やっさん、バカだバカだとは思ってたけど、そこまでか」

「そうだな。でも、とりあえずお前に言われたくないだろうな。お前は、間違いなく同類だろうが」

「失礼な。私は、ちゃんとTPOは弁えるよ」



そう、弁えた上で装着するから、問題ないのさ。

とりあえず、紅茶を一啜り。・・・・・・あぁ、カリムは本当にいい茶葉使ってるねぇ。



「それでサリ、予言の方ってどうなってんの?」

≪そういやそうだよな、解読チームが必死こいてんだろ?≫

「あぁ。それで、ついさっき一応の目処が付いた」



サリによると、カリム率いる解読チームが、局の重要なイベントなども考慮した上で、色々考えたとか。

で、本当にようやく、連中が行動を起こしそうな日が、分かったらしい。



「それ、何時よ」

「聞いて驚け。なんと、その日までもう三週間を切ってる。
・・・・・・9月14日に、ミッド中央本部で、ある会議が行われる」

「ミッドの中央本部で会議? あ、まさか」

「そうだ。お前の親戚も多数出席する、公開意見陳述会だ」












「・・・・・・なるほど、公開意見陳述会ですか。確かにその日なら管理局に大きなインパクトを与える事ができますね。」






・・・・・・その声に、私とサリは思わず振り向く。




そこに立っていたのは、黒髪で真面目な印象を感じさせる女性。

・・・その子はレリス・ストライフ。私達の・・・というよりフィーネの後輩で、現役バリバリの執務官だ。



「ヒロリス先輩、サリエル先輩、お久しぶりです。」




・・・・・・あ〜、レリス。久しぶりなのはいいけれど・・・・・・これ、無断侵入だよね?



「心配いりませんよ。気づかれるようなヘマはしてませんし、第一反応なんてあるはずないですから。」

「そりゃお前のアレはかなり特殊な能力だけどよ・・・で、何しに来たんだ?」

「先輩達は六課が関わっている事件に首を突っ込みそうだったので、情報提供をお願いしようかと思っていたんですが・・・一連の事件、想像以上に大きくなりそうですね。」

「そうみたいだな。」



いやいやいやいや、なんで私らが首突っ込むの確定なのさ?


「え?ヒロリス先輩達ですし。」

「・・・俺としては、一緒にされるの非常に不本意だがな。」



・・・・・・納得いかない、非常に納得いかない。


「・・・あぁ、そういえば・・・これ、お借りしていきますね。」


そう言ってレリスがどこからか取り出したのは、銀色のアタッシュケース。表面には、『SMART BRAIN』とロゴ調で書かれている。



「「・・・・・・はぁっ!?!?」」


待て待て待てっ!?それは私が使うつもりで厳重に隠していたのにっ!?


「つぅかヒロ!?お前やっさんとジン坊に渡したの以外にもまだ作ってたのかよっ!?」

≪どんだけ趣味に走ってんだよっ!?≫

≪・・・なんというか、凄まじいですね。≫

「やっかましいわっ!!」


しかも、いつの間にかレリスは姿を消してるしっ!?


・・・・・・こうなったら仕方ない。アレを使うしかないか・・・・・・



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「・・・・・・恭文、大丈夫かなぁ」

「てーか、ありえないわよ。会場警備のお泊りが楽しみで、知恵熱出すなんて」

「うぅ、私もやっぱりついて行けばよかったかな」





9月の13日。時刻は、午後の8時。私達機動六課のスターズ分隊とリイン曹長は、これからお仕事。

あ、それにギンガさんもね。私の隣に座って、心配そうにしてる。

内容は、明日ミッド中央本部で行われる、公開意見陳述会の会場警備。



理由は、中央本部を対象としたテロが起こる可能性があるから。

とは言え、正直疑わしくも思ってる。だって、そんな事したらガチで管理局に喧嘩売るのよ?

大体、旨味が無いでしょ。潰したって、特にいいことがあるとも思えないしさ。



・・・・・・フェイトさんの話だと、今の私が言ったようなのが地上本部の総意というか、総合的な見解。



まぁ、間違ってはないのよね。私もそうだしギンガさんも、かなり疑ってるから。





「問題ねぇよ。アレ、凄まじくしぶといからな」

「フェイト隊長とシグナム副隊長、シャマルさんも付いてるし、問題ないよ。
本局の医療施設は、普通に恭文君のテリトリーだから」

「色々お世話になってますしねー。もしかしたら、すぐに復活して明日現地入りするかも知れないですよ?」



どうも、そうらしい。まぁ、そこは大丈夫かな。深刻な状態ってわけじゃないし。

でも、わざわざ転送魔法使って直接本局に跳ばすなんて・・・・・・相当危険って見られたのかな。



「でも、なのはさん」

「うん、どうしたのかな。スバル」

「ヴィヴィオにすっかり懐かれてますよねー」





・・・・・・フェイト隊長と八神部隊長にシグナム副隊長は、明日現地入り。

シャマルさんとザフィーラ、エリキャロは・・・・・・隊舎に待機。

一応二人って感じだけど、エリキャロはアレよね。きっとエリオの方に対しての処置だ。



エリオ、あれ以来対人戦がさっぱりになっちゃってる。いや、普通の戦闘もかなりギリギリ。



さすがに危ないと判断したんでしょ。とは言え、そこを直接言っても追い討ちをかけるから、これである。





「確かにそうですね。なぎ君と、フェイトさんと一緒に、もうすっかり親子になってます」

「そ、そうかな。だと嬉しいんだけど」

「というか、リインが思うにこのままなのはさんの養子にしちゃったらどうですか?
恭文さんやフェイトさんは、パパやママでも、やっぱりなのはさんとは違いますし」



・・・・・・確かに、ヴィヴィオのなのはさんに対しての『ママ』は、意味合いが深い感じがする。

というか、アイツのパパ呼びは修正したい。絶対なんかたらしこまれてるし。



「さ、さすがにそれは・・・・・。あの、受け入れ先は今も探してもらってるの。
それで、とてもいい家庭が見つかったら、そこの子になってもらって・・・・・・」

「でもなのはさん、あの様子だと絶対納得しないと思うんですけど。
私がヴィヴィオでも、あれからいきなり知らない人の子になれって言うのは、無理ですって」

「う・・・・・・」



私の言葉に、なのはさんが固まる。どうやら、自分でもそう思っていたのか、かなり苦い顔になる。

まぁ、あんまり言うのも違うか。だって、親になるのだってそこそこ覚悟が居るんだし。



「と、とにかくね。そこは話して納得してもらうよ。・・・・・・いい子だもの。幸せになって欲しいから」

「・・・・・・そうですね」










夜は深まる。色々な事を包み込むように、ゆっくりと、夜は深まる。





なんだろ、なんかこう・・・・・・胸騒ぎがするな。
















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・18時ですか」





現在、時刻は夜の18時。会議開始から、4時間が経過。

まだまだ夏の名残か、ミッドの太陽は、まだ世界を照らしている。

でも、それでも夕方の風景が窓から見える。もうすぐ、会議は終わる。



うん、もうすぐなんだよね。ここまではなにも起こってないのは、ちょっと嬉しい。





「シオン、疲れてない?」

「問題ありません。こちらに来る前に、しっかり休ませていただきましたし」



なら、いいんだけど・・・・・・うーん、やっぱり心配だよ。

私は歌唄ちゃんみたいなキャラ持ちじゃないから、その辺りのフォローも出来ないし。



「ね、中のヤスフミはどうかな」



小声で、そっと聞いてみる。するとシオンも、同じくらいのボリュームでそっと答えてくれた。



「大丈夫です。ただ、少し退屈していますね。実際動けているわけではありませんし」

「そっか」



別にシオンの身体にヤスフミの意識が移るというわけじゃないらしい。

つまり、ヤスフミの意識は身体の中。その中で、ずっとジッとしてる。



「確かに、それは退屈だね」

「そうですね。戻ったら、ちゃんと身体をお返ししないと」





真剣な顔でそう言うシオンを見て、少し笑う。シオンは疑問顔だけど、それでも。

シオンは、ヤスフミの身体を借りている意識らしい。だから、大事にする。

見ていて、気づいた。シオンは身体に傷がつかないように、本当に慎重に動いてる。



・・・・・・ヤスフミの一番の味方ってことは、ヤスフミの事が好きだと思う。だからなんだよね。





「・・・・・・出来れば、このまま終わってくれると嬉しいんだけど」

「フェイトさん、それは完全に事件が起きるフラグですよ」

「そうなのっ!?」



シオンが、力いっぱいに頷いた。それに、思わず汗が頬を伝う。

あ、危ないよね。それは。私、もしかしなくても地雷を踏んだかも。



「踏みましたね。だから、緊急警戒警報が鳴り響くわけですよ」



そう、シオンが言った通りに鳴り響いた。・・・・・・え?

緊急警戒警報が鳴り響いた。けたたましく響く音に、辺りが一瞬で緊張に包まれる。



「シ、シオンっ!!」

「・・・・・・私とした事が、地雷を踏んでしまいました。こうやって例え話で言うのも、フラグだと言うのに」

【そうだよバカっ! てーか、フェイトよりおのれの発言の方が問題だよっ!? どうしてくれんのさこれっ!!】



あ、ヤスフミの声だ。よかった、ちゃんと起きてたんだね。

・・・・・・って、だめだよっ! そんな大声出したら、他の人に気づかれちゃうっ!!



「だが、断る」

【意味分からないからっ!!】

「だから、ダメだってー!!」










とにかく、なのはと合流して、会場の状態も確認して・・・・・・よし、落ち着いてきた。





異変が起きてるのは間違いないんだ。だったら、今私がやるべき事をやる。うん、しっかりしよう。














◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「ついに、始まりましたかっ!!」




目の前では、地上本部の障壁にガジェットが突っ込んでいき、AMFを展開していくのがはっきりと見て取れる。


・・・・・・なるほど、あれなら本部内で魔法は使えない。



視線を逸らすと、ガジェットにやられていく局員の姿。




・・・・・・まったく、魔法が使えなければ局員もただの人という訳ですか。



そんな事を考えていると、目の前にガジェットが現れる。




しかし・・・・・・遅い。


「ふぅぅぅぅ・・・・・・」



ガジェットの放つレーザーを避けて接近すると、私は掌に魔力を集めると、ガジェットの装甲に押し当てる。



「はあぁぁぁっっっ!!」


声と共に炸裂した魔力が、ガジェットに風穴を開ける。そして、ガジェットは崩れ落ちた。




・・・・・・第97管理外世界の気功を、どうにか魔力で再現できないかと色々試してみましたが・・・今回は、うまくいっているようですね。







「さて・・・・・・カペル、準備はいいですか?」

≪もちろんですよマスター。≫

「では・・・カペル、セットアップ。」



懐からカードを取り出して投げると、私の身体を光が包み込む。

そして、衣服は陸士用の制服から黒いフード付きのコートに身を包む。

その両手には、手の甲に紫のクリスタルが埋め込まれたグローブと、手首を包み込む銀色のリング。



「さぁ・・・・・・」



私が両手を振るうのと同時に、ガジェット達の動きが止まる。



ガジェットと私の指を繋いでいるのは・・・・・・細い糸。


正確には、表面を魔力でコーティングしたいわゆる『鋼糸』と呼ばれるもの。



質量兵器?許可は取ってあるからいいんですよ。








「砕け散れ」






私が指を軽く動かすと、ガジェットの装甲が、間接がまるでバターのように切れていく。














この世界には、ありとあらゆる力が存在する。



その力を上手く活用すれば・・・・・・魔法なんて使わなくても、これくらいの事はできる。


まぁ、仮にも魔導師の端くれがこんな事を言うのもおかしいですけどね。




「・・・・・・フレイホーク君、そっちは任せましたよ?」





さぁ、暴れるとしましょうか。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「セインちゃーん、そっちはどれくらいかかりそう?」

『ごめん、まだ10分くらいかかる・・・・・・って、予定通りだけど、問題ある?』



まぁ、色々とねぇ。チンクちゃんも何してるのかしら。普通に爆死させればいいだけなのに。

というより、あのシスター・・・・・・おかしいわね。該当データが存在しないわ。



「チンクちゃんが、Fの遺産の確保に手間取ってるのよ」

『はぁ? でも、武装無しのはずじゃ』



そのはずなのにねぇ。戦闘開始から既に5分以上。

中の様子がモニター出来なくなってるけど、それでも瞬殺なのは分かる。



「Fの遺産や例の特殊部隊の部隊長達と一緒に来た、正体不明のシスターに手こずってるようなの。悪いんだけど」

『分かった。こっちが終わり次第になるけど、急いで向かうよ』

「お願いねぇ」










本当なら、すぐにも向かって欲しいところだけど、仕方ないわよねぇ。

セインちゃんの担当ブロックだって、重要なところばかりだもの。抜かしてはいけないわ。

・・・・・・あら。隊舎の方も、ようやく気づいたみたいね。ふふふ、お間抜けさん♪





もう遅いわよ。あなた達は、私達の手の中。抵抗なんて、無意味なんだから。





というわけで、ポチっと♪



















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「・・・はっきりいって、スカリエッティをなめてたわ俺。」

≪まぁ、マスターの気持ちも分かるが・・・≫



・・・・・・地上本部があそこまで陥落してるのをみるとなぁ・・・・・・まさか、ここまで戦力を整えているとは。


「もうなぁ、世界征服できそうだよな。」

≪というか、本気で世界征服を企んでいるんじゃないか?≫


・・・・・・うん、ありえるな。



そんな事を話しながら俺が何をしているのかというと・・・・・・地上本部をぶち抜いた砲撃手を探しているとこだ。


ストライフ執務官が砲撃のポイントとなる地点をいくつか割り出し、実際に襲撃される前に潰そうとしたんだが・・・・・・間に合わなかったか。


砲撃手に逃げられる前にビルの屋上にたどり着くと、そこにいたのは身体のラインがはっきりと出ている全身タイツみたいなスーツに身を包み、馬鹿でかいカノン砲を構えた女。


そいつはこっちに気が付くと、そのおさげをなびかせて振り向いた。



「やぁお兄さん、久しぶりだね。」

「・・・やっぱお前かよ茶髪おさげ。」

≪前にも言ったが、恥ずかしくないのかその格好?≫

「・・・・・・その言い方、止めてくれないかな?私には、ディエチっていうちゃんとした名前があるんだから。」



・・・・・・ディエチ、ねぇ?


≪該当したぞマスター。地球のイタリアという場所で『10』を示す言葉だ。≫


無駄知識をどうもっと。そして女の子に付ける名前じゃねぇぞっ!!














「・・・まぁ、私の名前はいいとして。私はお兄さんに会いたかったんだ・・・」





茶髪おさげ・・・ディエチはそういうと、太腿付近に手をかざす。そこにはいつのまにか、ホルスターに仕舞われた大き目の拳銃が付けられている。


そして、ディエチはホルスターから拳銃を抜くと、俺に向かって銃口を突きつける。



「IS発動・・・ヘヴィバレル・ラピッドファイアッ!!」

「のわっ!?」


拳銃から。嵐のような勢いで弾丸が放たれる。俺はとっさにレオーで床を蹴り、その弾丸を避けていく。



「おまっ、いきなり撃ってくる奴がいるかっ!?」

「それを避けておいてよく言えるねっ!!こうなったら・・・デュアルショットッ!!」

「いいぃっっ!?!?」




今度は2丁拳銃かよっ!?


というかやばいっ!!非常にやばいっ!!ビルの屋上じゃ、逃げ回るにも限界があるっ!!



「となると・・・・・・したぁぁっっっっ!!」

「なっ!?・・・逃がさないよっ!!」



俺は床のコンクリートを砕くと、ビルの中へと逃げ込む。ディエチが追っかけてくるが、屋内じゃ俺の方が速いっ!!






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





・・・・・・なるほど、やっぱり一筋縄じゃいかないみたいだね・・・・・・


でも、私は・・・・・・私達は。止まれない。


創造主であるドクターの夢を叶えるのが、仕事であり、存在意義。


だから・・・・・・私達姉妹が笑いあって生きていく為にも、『すばらしき世界』は必要なんだ。



そうじゃなきゃ・・・・・・私の、生まれた意味がない。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






・・・・・・さてと、どうするかね?

物陰にひそみながら、俺は対策を練っていた。



≪相手は連射が可能。恐らく、長距離砲撃もあの拳銃型デバイスで可能と見た。≫

「・・・だよな。となると、一気に距離をつめて接近戦に持ち込むしかないんだが・・・・・・」

≪マスター・・・かなり厳しいぞ?いくらレオーの軌道が不規則に出来るといっても、所詮は直線移動の連続にすぎない。そして、接近戦に持ち込むには相手と自分を直線で結ぶ必要がある。≫

「・・・ジャック・カーバーじゃ距離をつめなくちゃ斬撃として当てられない。砲撃魔法系や誘導弾系は魔力量的な問題でアウト。ケルブ・ストライクは論外。サイズフォルムとカートリッジは使用不可・・・・・・おい、やばいじゃねぇかよこの状況。」

≪そんな状況を打破できるのがこれだ。≫



そういうと、バルゴラのクリスタルから光が放たれて・・・・・・出てくるのは、銀色のアタッシュケース。



・・・・・・大丈夫、なのか?



≪計算してみたが、こいつの防御力ならあの弾幕にも耐え切れる。肉を切らせて、骨を断つだ。≫




・・・・・・しょうがない、やるしか無いか。



というかなぁ・・・・・・なんでアイツ、泣きそうな顔で戦ってんだよ。



俺はアタッシュケースを開けると中からベルトを取り出し、左腰にデジカメが入ったホルダーを、右腰にX型の銃が入ったホルダーを、後ろ側に双眼鏡が入ったホルダーを装着する。


ベルトを掴んで腰に装着するとアタッシュケースの中から携帯電話を取り出し、ターン式の上部を開いてボタンを押す。



≪9・1・3≫



さらに、ENTERと書かれたボタンを押す。


≪Standing by≫


そのまま携帯を閉じると、電子音が周囲に響く。





「ようやく見つけたっ!!」




・・・・・・すると、ディエチが銃口を向けてこちらに走ってくるのが見える。


やべっ!?


俺は携帯持った右手を顔の横に掲げると、ディエチの持つ拳銃の銃口に光が集まりだす。



「IS発動・・・・・・ヘヴィバレル・チャージショットッ!!」

「変身っ!!」






≪Complete≫





俺がベルトに携帯電話を装填するのと同時に、そのオレンジ色の光が視界を覆い尽くした。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







・・・・・・私の砲撃が彼に直撃し、爆発と共に粉塵が舞い上がる・・・・・・



「・・・・・・やったの?」



でも、彼の行動が気になる。いくら室内とはいえ、さっきの砲撃は彼のデバイスなら避ける事は出来たはずだ。


それに、さっきまでは無かったアレは・・・・・・

















「・・・・・・ふぅ、ギリギリ間に合ったぜ。」

≪マスター、あまりひやひやさせないでくれ。≫










その声が聞こえてきて、私は警戒を強める・・・やっぱり、あの程度じゃ・・・・・・




「・・・・・・え?」



けれど、粉塵の中から出てきたその姿を見て、一瞬だけ思考が固まってしまった。





黒いスーツの上に、胸部から肩部までを覆うガンメタルの装甲。全身に走る、発光した黄色のライン。


そして、頭部には紫色のゴーグルの上に走るXの形をした角。



これって・・・・・・セインとウェンディが見たっていうのと同じタイプ!?



「くっ!!」

≪Burst Mode≫


私はとっさに銃弾を放つが、その弾丸は右腰に下げられていた大型の銃から放たれた魔力弾によって撃ち落される。


・・・・・・まずい。近・中距離用にドクターに作ってもらったこの銃じゃ、さっきの砲撃が精一杯だ。

そして、その砲撃を耐えられたって事は、あの装甲を打ち抜くには・・・・・・火力が足りない。




そして・・・・・・彼はゆっくりと、こちらに向かって歩き出す。


とにかく弾丸を放つが、彼は意にも介さずその歩みを止めない。


衝撃で軽くのけぞっても、それでも進み続ける。



・・・・・・私、負けちゃうのかな?


ふと、そんな考えが頭をよぎる。すると、私は自然と銃口を下げていた。


・・・・・・・・・・・・ごめんね、皆。


私・・・・・・皆と一緒に、『すばらしき世界』を見る事・・・できそうもないや。




彼は私の前に立つと、その右手に構えていた銃を・・・・・・ゆっくりと私の頭に向けた。



「・・・・・・なんで、銃を下げた?」


そう、不思議そうな声で彼は私に問いかける。


「なんでだろう?・・・私達は、戦う為に生まれてきたはずなのに・・・そうじゃなきゃ生まれてきた意味なんてないはずなのに・・・」


私にだってわからない。どうして急にそう思ったのか。














『あ〜ら、ディエチちゃんはもう駄目なのねぇ。残念だわぁ?』

「!?あぶねぇっ!!」








すると、突然そんな声が聞こえてくる。そして、彼が突然私を横に突き飛ばすと、彼は後ろに吹き飛ばされた。


後ろを振り向くと、そこには・・・・・・





身体は銀色で、まるで鬼のような顔に、両手にもった鎌。体長は、4メートルもある。

それは、まさしく死神。それを模してるとしか思えない巨人兵が、私の前に現れた。





なんだこれ・・・・・・こんなもの、ドクターが作ったガジェットには無かったはずっ!?






『そりゃそうよ?私が作ったものだもん。』




すると、通信モニターが開いてクアットロの顔が映る。



「どういう事だクアットロッ!?」

『ディエチちゃん、駄目でしょう?敵はちゃんと倒さなくちゃあ・・・・・・だから、テストも兼ねて私があの男を葬ってア・ゲ・ル・わ♪ついでに役に立たないディエチちゃんもね?』

「・・・なっ!?」

『あぁ、他の妹達には管理局にやられたって伝えておくから心配しなくていいわよ?だから安心して・・・・・・死んでね?』



モニターが閉じると同時に、死神の目から光線が放たれる。


とっさに地面を転がって避けるけど、私には立ち上がる気力が湧かなかった。





ハハハ・・・本当に笑えないよ。まさか、味方に裏切られるなんて・・・・・・


私はただ・・・皆と一緒に笑いあえる世界で暮らしたかっただけなのに・・・




そして、死神はゆっくりと私に近づき・・・・・・その鎌を私に向かって振り下ろす。












≪Ready≫


「おおおおおおぉぉぉぉぉっっっっ!!!!」





すると、黒い影が私と死神の間に割り込んでくる。それは・・・大きなXの形をした銃のグリップから黄色に光輝く刃を展開した、彼だった。

彼はその刃を振るうと死神の関節を切り裂き、死神の鎌が宙を舞い・・・・・・地面に突き刺さる。

その勢いのまま彼は体をひねり、死神の左脚も切り落とす。



≪Ready≫


さらに、彼は銃剣からチップのようなものを抜き去ると銃剣を右腰に戻し、左腰から取り出したカメラに装填する。

するとカメラはナックルのようになり、彼はそのグリップを右手で掴む。


≪Exceed Charge≫


彼がベルトのユニットを展開してボタンを押すと電子音声が鳴り響き、ベルトから発生した光が、そこから伸びている黄色のラインを通じて、ナックルに届く。


「グラン・・・」


そして彼は金色の輝きを拳に纏わせて、死神へと飛び掛りその拳を死神に振るう。


「インパクトッ!!」


その拳によって死神は吹き飛び、金色の『X』の字をその身体に浮かばせながら地面に沈む。




「というかお前、なにぼさっとしてやがるっ!?」

「・・・・・・どうして・・・・・・」

「あぁっ!?何がだっ!!」



彼は私の腕を掴むと、私を立たせようとする。



「どうして・・・私を助けるの?さっきまで私はお兄さんの敵だったんだよ?」

「んな事関係あるかっ!!・・・って、やばっ!!」

「ちょっ!?」


死神が身体を起こし光線を放ってくると、彼は私の身体を抱き上げてその場を離れる。


・・・・・・いわゆるお姫様抱っこというものをされていた。


思わず、顔が赤くなってしまう。



「だから、なんで私を助けるのさっ!?」

「・・・誰かを助けるのに、理由なんかいらねぇだろうがっ!!」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「・・・ねぇ、ジン君。」

「なに、ふぃーねさん?」



・・・・・・それは、俺が先生の弟子になりたいと駄々をこねた時の事。

当時の先生は、俺が魔法を習う事に反対していた。

それでも折れなかった俺に、先生はため息を吐きつつその質問をした。


「君は・・・なんのために強くなりたいの?」

「それは・・・ふぃーねさんみたいにつよくなりたいからっ!!だからおれ、ふぃーねさんにまほうをおそわりたいっ!!」

「・・・・・・なら、1つだけ約束してくれないかな?」


先生はしゃがみこむと、悲しそうな笑顔を浮かべながら俺の頭を撫でた。


「どんなに小さくてもいい・・・・・・自分が護りたいって思ったものを、護れるような人になってね・・・・・・」

「・・・・・・まもりたい、もの?」

「うん。その為に魔法を使うのなら、私は君に魔法を教えるよ。」

「・・・・・・わかったっ!!やくそくするっ!!」

「・・・いい子だ。それじゃ、これからは私の事を『先生』って呼ぶ事。あと、私は厳しいからね?」








「・・・・・・はいっ!!せんせいっ!!おれ、がんばるよっ!!」







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





・・・・・・思い出すのは、あの時の約束。


「・・・何も知らないくせにとか、余計なお世話だとか言うなら勝手に言っとけ・・・あと、さっさと逃げろ。」


ディエチを地面に降ろすと、俺はディエチを守るように死神の前に立ちふさがり、カイザショットを左腰に戻しつつカイザポインターをベルトから取り外す。


「・・・俺が助けたいと思ったから助ける。それだけで十分だ。」





≪Ready≫



カイザポインターにミッションメモリーを装填するとポインターの部分が展開し、隠された部分が露出する。

右足には、ポインターが接続されていたのと同じ形のスロットがあり、それにしゃがみながらポインターを接続。90度回すと、ポインターが足と平行になる。






俺はカイザフォンをターンさせると、死神にゆっくりと歩きつつボタンを押す。


≪3・1・5≫


それから、ENTERを押す。



≪The music today is “EGO〜eyes glazing over”≫




鳴り響くのは音楽。さらに、もう一度ENTERを押す。




≪Exceed Charge≫



カイザフォンを閉じると同時にベルトの黄色い装飾が輝き、アーマーのラインを通ってその強い輝きが右足に向かう。


そして俺は、死神に向かって走り出す。



≪マスター、さきほどのグランインパクトを当てた場所を狙えっ!!≫

「おうっ!!」



空中に飛び上がって右脚を死神に向けると、カイザポインターから金色の光が放たれ、四角錐の形をしたスフィアとなる。




「はあああぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!」




飛び込むように蹴りを放つと、光がまるでドリルのように回転し、死神へと襲いかかる。


しかし、死神はとっさに鎌を盾にしてその光を防ごうとする。



ちぃっ!!まだ動けるのかよっ!?


そして、金色の光と鎌が砕け散り・・・・・・その腕が振るわれ、俺は地面へと叩き落される。


「にゃろぉぉぉっっ!!」


俺は地面を転がりつつカイザポインターからミッションメモリーを引き抜き、カイザブレイガンに装填する。



≪Ready≫



カイザブレイガンのグリップから、光と共に刃が展開される。俺が立ち上がると・・・死神の目が輝き、今にも光線が発射されるところだった。





「IS発動・・・ヘビィバレル・チャージショット!!」



その時、オレンジ色の砲撃が死神の頭へと直撃し、死神の体勢が崩れて光線が見当違いの方向へ放たれる。


砲撃の放たれた方向に視線を向けると、そこには拳銃を構えたディエチが立っていた。


「お前・・・まだ逃げてなかったのかよっ!!」

「2度も助けてくれた人を見捨てて逃げるなんて、そんな気分の悪い事はできないよっ!!それより、はやくっ!!」


・・・・・・へっ、言ってくれるぜ。


けどまぁ・・・・・・おかげであの死神にスキが出来た。


再びカイザフォンをターンさせ、ENTERを押す。



≪Exceed Charge≫



カイザフォンを閉じると同時にベルトの黄色い装飾が輝き、アーマーのラインを通ってその強い輝きがカイザブレイガンへと集まると、カイザブレイガンの後部を引き、死神に向かってトリガーを引く。


銃口から放たれた光が死神に当たると、その光は死神を縛る鎖となる。



「はああああぁぁぁぁぁ・・・・・・」



腰を落としてカイザブレイガンを構えると、俺は死神に向かって走り出す。正面にはXの形をした光が現れ、俺の身体を包み込み・・・・・・光の矢へと変わる。



「てぇぇぇぇやあああぁぁぁぁぁっっっっっっ!!」



光の矢が死神へと突き刺さると次の瞬間、俺の身体は消える。


そして、俺が死神の後方に姿を現し、左手にカイザブレイガンの刃を添えると、死神が粉々に砕け散り、金色の『X』マークが死神の身体があった場所に浮かぶ。




俺が変身を解除すると、ディエチがゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。




「・・・・・・とりあえず、助けてくれてありがと。」

「きにすんな、俺の自己満足だ。」

「それでも、助けてくれた事には変わりないよ。」


そう言って、ディエチは俺に笑顔を見せる。









・・・・・・なんだ。戦っている最中は今にも泣きそうな顔をしていたのに・・・・・・






コイツ、こんな顔で笑えるのか。





















































(第5話へ続く)




















あとがき


ジン「はい、という訳で・・・・・・って、最後はなんだぁぁぁぁっっっっ!?!?」

レリス「フレイホーク君、落ち着いてください。」

バルゴラ≪そうだぞマスター。たかだかマスターがフラグを立てただけではないか。≫

ジン「バルゴラ、お前はやっかましいわっ!?そして、レリスさんはなんでいるんですかっ!?」

レリス「それはもちろん、私が今回のゲストだからですよ。」


(なぜか胸を張る執務官。それに、疲れたような表情を見せる栄光の流星)



ジン「・・・・・・あぁ、そうですか。」

レリス「さて、今回の話をおさらいをすると・・・・・・新訳Stsの15話から26話付近までを一気にまとめた形になりますね。」

バルゴラ≪そして、マスターが死亡フラグを乗り越えてカイザに変身し、フラグを立てた回である訳だな。≫

レリス「その通りです。」

ジン「いや、なんでそこは肯定するんですかっ!?」

レリス「それに、作者が書いた話の中で初めてフィーネ先輩が描写された貴重な回でもありますね。」

バルゴラ≪そうだな。今までの話の中で、ハイ・マスターの描写を入れ込むところがなかったからなぁ・・・≫

ジン「って、俺は無視っ!?」

レリス「それでは、私についての紹介と、ついでにフィーネ先輩の紹介もしておきましょう。」




名前:レリス・ストライフ

年齢:24歳

性別:女

身長:162cm

体重:聞くんですか?フフフフフフフフフ・・・・・・(by:レリス)

体型:普通

髪の色:黒髪

髪型:首元にかかるくらいストレート

瞳の色:紫

顔立ち:美形。

職業:管理局所属の執務官

魔導師ランク:総合魔導師ランク:B+

声のイメージ:日笠○子(け○おんの秋○澪、うみ○このサタ○)

性格:見た目は穏やかに見えるが、実は裏でいろいろ考えているタイプ。ぶっちゃけ腹黒いともいう


戦闘スタイル:基本は鋼糸を組み合わせた徒手空拳。また、地球の気功を魔力で再現するというはたから見ればアホな事をしている。魔導師としてみていいのかは疑問。


AI搭載式グローブ型インテリジェントデバイス・カペル

武器としての基本形状:手の甲に紫色のクリスタル、手首を銀色のリングで包んだ黒のグローブ。





待機状態:銀色のカード

形状変換によるモードチェンジ:なし

通常モード:上記の通り。




性格:寡黙で必要最低限の事しか喋らない。


AIの声のイメージ:ayana taketatu






名前:フィーネ・スノウレイド

年齢:ヒロリスと同い年

性別:女

身長:167cm

体重:身長に見合う程度に

体型:少々やせ気味

髪の色:水色

髪型:腰までのロングヘアー

瞳の色:赤

顔立ち:リリカル勢の女性キャラに相応しく美女

職業:元・管理局所属の空戦魔導師

魔導師ランク:空戦魔導師ランク:AA

声のイメージ:大原さ○か(A○IAのア○シアさん、もしくはうみ○このベ○トリーチェ)

性格:ちょっと(?)お茶目なところもあるが基本的に優しい人。ただし、キレると恭文の『修羅モード』に匹敵する覇気と戦闘力を見せる。ちなみにこの時は口調が荒くなる。
ジンの修行中はかなり厳しくしていた。

戦闘スタイル:

近・中・遠距離どのレンジでも対応出来る遠距離寄りのオールラウンダー。魔力の運用技術とコントロール能力が非常に高く、砲撃魔法のチャージを行いつつ移動しながら射撃とかいうチートじみた行動もできる。

ただ、近距離に入られる前に敵を潰すというスタイルなので、フィーネ自身が近接戦闘を行う事はあまりない。(ジンの近接戦闘スキルは、アリスに鍛えられたのと恭文と関わりを持った事で独自の発展を遂げた。)


『栄光の流星』という異名について

まるで流星のように空を駆け巡る光(=砲撃)を放つ事と、彼女が応援に入った部隊の多くが通常よりも高い成果を上げたため、隊員達から『栄光をもたらす流星』と呼ばれたのがきっかけである。




レリス「・・・・・・私とカペルのイメージCV、最近見たアニメに影響されてませんか?あと、私のどこが腹黒いんですか。」

バルゴラ≪そこはつっこむな。≫

ジン「・・・で、今後はどうなるんだよ?かなり新訳Stsと離れた展開にならないか?」

バルゴラ≪それもそうだな・・・・・・一応、マスターとディエチのフラグを形成しつつ、ゆりかご戦にまでもっていくと思うが・・・・・・≫

ジン「それは確定かよっ!?」

バルゴラ≪・・・マスター。作者がこのルートでのヒロイン候補を見たのか?ディエチとセインの二択だぞ?いや、最悪ヤスフミのように三角関係ルートに入るかも・・・≫

ジン「・・・え?」

レリス「フレイホーク君、きちんと選んであげるのも優しさですよ?それでは、今回はこの辺でお別れです。また次回にお会いしましょう。」

ジン「ちょ、レリスさんっ!?なんで勝手に終わらせてんですかぁぁぁぁっっっっ!?!?」



(執務官が笑顔で手を振る後ろで絶叫する栄光の流星。
本日のED:ICHIDAI『EGO eyes glazing over』)













ジン「・・・そういや、お前はこれからどうすんだ?もう、仲間の所には戻れないだろ?」

ディエチ「・・・そうだね。でも、管理局に投降するのは・・・・・・!?そうだ、機動六課っ!!」

ジン「は?なんでそこで六課がでてくるんだよ?」

ディエチ「あそこには、ドクターが最重要捕獲対象にしてる子がいるんだっ!!」

ジン「・・・何だとっ!?」

レリス『フレイホーク君、聞こえますか?』

ジン「レリスさんっ!!状況はどうなってますかっ!?」

レリス『・・・今回は、我々の敗北ですよ。そして・・・そちらの状況も、話を聞かせてもらいますか?彼女を連れて合流ポイントに来て下さい。』

ジン「・・・という事だ。しばらくは俺と一緒に行動してもらうぞ?」

ディエチ「・・・分かった。」

バルゴラ≪しかしマスター、彼女の服はどうする?さすがにその格好のままだと管理局員に捕まるぞ?≫

ジン「・・・・・・しゃあねぇ、とりあえず買ってくるか。」

ディエチ「そういえば、お兄さんの名前聞いてなかったね・・・教えてくれないかな?」

ジン「・・・ジン・フレイホークだ。」

ディエチ「それじゃ、改めてよろしく・・・お兄さん。」

ジン「名前聞いたのにその呼び方なのね・・・」




(おしまい)





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あきゅろす。
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