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頂き物の小説
ケース02〜烈火の将・シグナムの場合 そのに〜














「まったく、何考えているんですかっ!!いくらなんでもやりすぎですっ!!せっかく出向してくれたフレイホーク君に申し訳ないとは思わないの!?」

「・・・め、面目ない・・・し、しかし・・・フレイホークが予想以上にやるのでつい・・・」

「言い訳は結構っ!!大体、シグナムは・・・」






・・・さて、今の状況を簡単に説明するで。なんだかんだでいろいろあって恭文とスバル、フレイホーク君とシグナムの模擬戦は終わった訳や。


恭文とスバルの模擬戦を詳しく知りたい人はFS3話を見てや♪それで、フレイホーク君とシグナムの模擬戦なんやけど・・・・・・



うん、最初はフレイホーク君も善戦してたんや。あの足に装着したデバイスでビル街を縦横無尽に飛び回ってシグナムをかく乱したり、あのバルゴラっちゅうどっからどう見てもファイ○ブラスターにしか見えんデバイスで格闘戦したり・・・



それがあかんかったんやろな。スイッチが入って恭文と戦ってる時のテンションになったシグナムが・・・その・・・思いっきりフレイホーク君を叩きのめした、それはもう過剰ともいえる攻撃で。

いったいなんやねん火龍一閃から接近して紫電一閃、トドメのゼロ距離シュツルムファルケンって・・・オーバーキルにもほどがあるっちゅうに。


そんで、気絶したフレイホーク君とスバル、過労でシャマルにドクターストップされた恭文は医務室に・・・シグナムは、ロビーで正座させられてシャマルに怒られてるちゅう訳や。





「聞いているんですかシグナムッ!!」

「あ、あぁ・・・」


・・・・・・まぁ、しばらくシグナムにはお説教を聴いてもらおか・・・・・・演習場、また壊れたらしいし・・・



・・・それに部隊長として、八神家代表として謝らんといけんし・・・フレイホーク君の所にいきますか。ここに居たらとばっちりくらいそうや。














魔法少女リリカルなのはStrikers 外伝


とある魔道師と彼女のありえる繋がりとその先のこと・外典


ケース02〜烈火の将・シグナムの場合 そのに〜





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





・・・目が覚めると、そこは医務室のようだった・・・俺は、なんでここに・・・


≪マスター、ジンが目を覚ましましたよ。≫

「あ、目が覚めたの?」

≪ようやく目覚めたか・・・≫


その声に俺が顔を向けると、そこには事務机の傍にある椅子に座っているヤスフミがいた・・・なにやってんだ、こんなとこで?



「スバルが目を覚ますまで待っているんだよ・・・模擬戦で思いっきりぶった切っちゃったし。」

≪えぇ・・・それはもう加減もせずに。≫



そういわれると、俺の隣にあるベッドにはスバルがグースカ寝ていた・・・で、俺は何でここに寝ていたんだ?




「覚えてないの?ジンは模擬戦でシグナムさんにやられたんだよ。それはもうフルボッコな形で。」

≪・・・さすがに、あれは私達でもやりすぎだと思いましたね・・・≫

≪・・・・・・いや、あれは恐ろしかったぞ?AIの私ですら寒気が感じられたからな・・・・・・≫







その言葉で思い出すのは・・・・・・ものすごく嬉しそうな顔でこちらに切りかかってくるシグナムさんと、襲い掛かってくる炎の蛇腹剣に紫の雷光を宿した刃、ゼロ距離で放たれた矢・・・・・・



「・・・・・・俺、あの人になんかしたか?あそこまでされる覚えは無いんだが・・・・・・」

「・・・・・・・・・多分、ジンとの模擬戦が楽しかったんじゃない?それで、ついついヒートアップして・・・・・・・・・」

≪あなたとの模擬戦でも大体あぁなりますしね・・・まぁ、誇っていいと思いますよ?逆に言えば、そうなるほどジンの実力を認めてくれたという事ですから・・・≫

≪そして、これを機にフラグが進行していくという訳だな・・・よかったじゃないかマスター、相手はマスター好みの年上だ。≫


・・・ヤスフミとアルトアイゼンはいいとして・・・・・・バルゴラ、テメェ何ふざけてやがる!?


≪失礼な、これでも大真面目だ。古鉄殿はどう思う?≫

≪そうですね・・・あの人、そういった浮ついた話は無いですから・・・誠心誠意を籠めれば、それなりに答えてくれると思いますよ?ただし、難攻不落の要塞ですが。≫

「確かに、シグナムさんはなのは並にフラグが立てにくいから・・・・・・関心を持ってもらうだけでも十分な進歩だよ?」

「そうなんよ・・・シャマルは恭文にぞっこんやし、ヴィータは恋愛には興味ないお年頃やからいいとして、シグナムは脅威のスペックを誇る美人やのにそういう話がでないからなぁ・・・うちも心配なんよ。その点、フレイホーク君なら安心やわ。」



だああぁぁぁぁぁっっっっっっ!!アルトアイゼンにヤスフミに八神部隊長も乗るのは止め・・・・・・・・・・・・八神部隊長?



「なかなか元気そうやな。心配して損したで?」

≪・・・失礼だが、いつの間にここに来たのだ?≫

「ん〜?『そして、これを機にフラグが進行していくという訳だな・・・よかったじゃないかマスター、相手はマスター好みの年上だ。』って辺りからやな・・・それにしても、フレイホーク君は年上好きなんやなぁ・・・」


・・・・・・そう言いながら俺を見つめる八神部隊長の顔は、いかにも面白いものを見つけたかのような小悪魔っぽい笑顔・・・・・・ヤ、ヤバイ・・・・・・アリス姉が俺をからかうときの表情と一緒だ!?


「そうなるとシグナムだけやのうて、うちやなのはちゃんにフェイトちゃん、シャマルやシャーリー、ルキノにアルトもはいるなぁ・・・・・・」

「・・・・・・ジン・・・・・・フェイトに手を出したら・・・・・・分かってるよね?」


・・・・・・よし、落ち着けヤスフミ・・・・・・別にハラオウン執務官に手を出したりはしないから、殺気を抑えろ。スバルもうなされてるから。


≪大丈夫だヤスフミ。マスターはお前ほどフラグメイカーではないから、そう簡単にフラグが立つ訳無いぞ?≫

「ぐっ!?」

≪・・・意外な所から反撃されましたね。≫

「・・・それに、高町教導官やハラオウン執務官って、局内でもむちゃくちゃ人気高いじゃねぇか。高嶺の花すぎるだろ。」


・・・・・・確か、ファンクラブも出来てるんじゃなかったか?ヤスフミ、敵は多いぞ。


「なぁなぁ、うちは?」

「「≪≪・・・腹黒チビ狸って噂が多いね(です)(ですね)(多いな)≫≫」」

「・・・・・・うち、泣かないもん。」

≪で、あなたは何しにここに来たんですか?≫


・・・・・・アルトアイゼンのツッコミが激しく冴え渡る。本当に何しに来たんだこの人は。



「失礼しま・・・はやて、何してるの?」



すると、医務室に1人の女性が入ってくる。




一歩ずつ歩くたびに、煌びやかな金色の長い髪を靡かせ、優しい輝きを放つ瞳は、吸い込まれそうなルビー色。



そんな容姿の彼女の名前は、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。



時空管理局の執務官という職務についている優秀な女性。

それと同時に、六課の分隊長を務められるほどの実力を持ったオーバーSランク魔導師。



そして・・・・・・そこに居るヤスフミが惚れて、8年間アタックをスルーされ続けている難攻不落の要塞だ。


「う・・・ん・・・ここは・・・?」

「お。スバルも目を覚ましたようやな・・・・・・ちょうどお腹も空いてきたころやし、皆で飯を食いに行こか?」


なにやら、話がどんどん進んでいくなぁ・・・・・・









◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆










「・・・あぁ、でも美味しいー!」



そんな歓喜の声を上げるのは、一人の男の子。本当に嬉しさと幸せに満ちた表情を私に見せてくれる。



「昼間も思ったけど、六課のご飯ってレベル高いなぁ。しあわせー!!」

「でしょ? 私が六課に来て、本当によかったって思ってることの一つなんだ〜♪」

「ヤスフミ、スバルも、そんなに慌てて食べたらダメだよ。身体に悪いよ?
・・・ほら、特にスバルは起きたばっかりなんだから」

「・・・はい」



私とヤスフミとスバルは、食堂に移動して夕食を美味しくいただいていた。

そして、ご飯を食べながら、今日の話を聞いている。私がリクエストしたんだ。でも、ヤスフミすごいね。



「ん〜、なにが?」

「だって、移動の最中にみんなにいっぱい話し掛けられてた。
たった一日なのに、もう六課に馴染んでるみたい」

「そーかなぁ? 初日に色々とやらかした問題児だから、すぐ覚えられただけだと思うけど・・・。
というか、メンバーの大半顔見知りだよ?」

「そうなの?」



スバルが、サラダを食べながらそう聞いてきた。・・・そういえばそうだったね。



「そうだよ。・・・ロングアーチだと、グリフィスさんはシャーリーと同じタイミングで知り合ってる。
ルキノさんはアースラでの仕事の時に仲良くなったし・・・・他の人も、フリーの仕事の時に顔合わせてる人が多いみたいだから」

≪初対面なのは、スバルさん達フォワード陣と、アルトさんとヴァイスさんに整備員の方々くらいではないでしょうか?≫

「・・・なるほど」





こんな会話をしつつも、ヤスフミは色んな事を話してくれた。



朝礼で壇上から転げ落ちたこと。



・・・そんなことしたんだね。なんていうか、うん、変わってないよ。



そうして、その後やってきたシャマルさんにザフィーラ、リインと挨拶して、リイン先導で隊舎の見学+挨拶回りツアーに出た事。



そうして挨拶回りをしていって、ロングアーチやバックヤード。それに、スバル達前線メンバーと話して、六課の雰囲気がとてもいいものだと思ってくれたこと。



そして、スバルと『教導官のちゃんとした許可さえ取れれば、別に今日、これから模擬戦してもかまわない』と言ったら、ほんとにやるハメになってしまった事。

それをアルトアイゼンに『迂闊すぎる』と、怒られた事を話してくれた・・・。





「確かに・・・ちょっと迂闊だったかもね。スバルは、こうと決めたら一直線ですごく押しが強いから」



みんなも、ヤスフミがどれくらい強くなっているか気になっていたから、余計にマズかったね。



「ご迷惑おかけしました・・・」

≪先ほどの発言を聞くに、本心から思っているかどうかは疑わしいですが≫

「わ、わかってるからそんなこと言わないでよー!!」

「まぁ、押しが強いのは戦ってみてよく分かった。なんというか、スバルは間違いなくフロントアタッカー向きだわ」

「で、どうだった? スバルと戦ってみて。・・・というか、今日一日六課を回ってみて」





正直に言うと、ヤスフミがもし六課を気に入ってくれなかったら・・・というのがヤスフミが来ることが決まってから、ずっと気になっていた。

私の言葉に、ヤスフミが少しだけ考える様子を見せる。そして、口を開いた。





「そうだな〜。まず、六課自体は気に入ったかな?
さっきも言ったけど、居心地良さそうだし、スタッフもみんないい人達だしね」

≪それは、私も同じです。
フェイトさんやはやてさんもいらっしゃいますし、しばらくは安心して過ごせそうです≫

「そっか、そう言ってくれると嬉しいよ」



これなら、大丈夫かな? やっぱり、不安は大きかったから。私は、ヤスフミの言葉に、安心していた。



「あと、スバルと戦ってみて、なのはや師匠達がすっごく気持ちを込めてフォワード陣を育てているってのはよく分かった。
・・・真面目に話すと、戒め外さなきゃ勝てるかどうか解んなかったしね。やっぱまだまだだわ」



・・・あの人は色んな意味で別格だから、比べちゃだめだよ。



「まぁ、鬼か修羅の類なんじゃないかって疑問に思う時あるしね」

≪未だ目指すべき高みは遠くにあるということです。・・・頑張っていきましょう≫

「そうだね」

「・・・ねぇ恭文」



私達がそう話していると、スバルが少しだけ真剣な表情で話し掛けてきた。・・・どうしたのかな?



「戒めって・・・なに? ひょっとしてカートリッジ使わなかったことと関係が有るの」

「ヤスフミ、ひょっとしてスバルには・・・」

「うん、眠ってたからまだ話してない。・・・うんとねスバル、僕には、戦い方を教えてくれた先生が二人いてね。一人は・・・もう知ってるよね」

「うん、ヴィータ副隊長だよね」

「そうだよ。それでね・・・」










・・・そう、ヤスフミには二人の師匠が居る。一人は、私たちの友だちのヴィータ。そして、恭文が先生と言ったあの人だ。





ヴィータは、ベルカ式魔法を用いての魔法戦の技術全般を。

あの人は、刀での高度な近接戦闘技術と、今やヤスフミのベストパートナーとなったアームドデバイス・アルトアイゼンをヤスフミに託した。

二人とも、ヤスフミに想いを込めて、自身が培ってきた戦闘技術を叩き込んでくれた。





そうして出来上がったのが・・・一撃必殺を具現化した今の戦い方。





あと、ヤスフミとアルトアイゼンが・・・こう、相手に対して口先で精神攻撃をしながら戦うのは、あの人の影響。

正直、アレはやめた方がいいと思う。そんなことしなくても、ヤスフミもアルトアイゼンも強いのに。





そして、戒めというのは、あの人がヴィータとの話し合いの末に、ヤスフミに貸した一つの修行方法になる。





アルトアイゼンには、一応私のバルディッシュやなのはのレイジングハートのように形状変換の機能が備わっている。

そして、カートリッジに関しても、ジガンスクードがある。

でも、あの人は恭文とアルトアイゼンに、それらを安易に使う事を禁じた。





確かに、それらの機能は強力ではある。でも・・・。










「『強力な力に安易に頼れば、それは自身を強くする伸びしろを殺す可能性がある。だが、安易でなければ問題ないので、その時を見極める目と感覚を養うべし』
それが、師匠達・・・というより、僕の剣の先生からの教えなんだ」

「それが戒め? ねぇ、恭文、その教え少し無茶苦茶じゃないの」

「どうして?」

「だって、そんなことして、もしどうにもならなくなったら・・・」



うん、まず普通はそこを心配する。でも・・・。



「その時は・・・というか、そうなる前に遠慮なくカートリッジなり形状変換なり使う。スバルにやったみたいにね」

「でも、カートリッジや形状変換って、局で言うと、エース級の魔導師クラスだと普通のことだよ。
それに対しても基本的には使わないようにするって・・・やっぱり危ないよ。実戦でもそうなの?」

「うん」

≪そうしなければ修行になりませんので≫





・・・うん、実戦でもそうなんだよね。

もちろん、ヤスフミもアルトアイゼンも、それに拘り過ぎてどうにもならなくなるまではやらない。

二人とも息はピッタリだし、状況判断も私やなのは以上にしっかりしてるから、どっちかが無理だと判断したら、すぐに外して戦える。



私もみんなも、なんというか・・・二人のしたたかというかちゃっかりしているというか、そういう所を信用して、スバルが『危ない』と言った修行法を公認している。



それに、『絶対に泣かせるようなことはしない』って約束してくれているから。

ヤスフミ、自分からした約束は絶対に守るし、アルトアイゼンも、そのために自分のありったけの力を貸してくれている。

まぁ・・・泣かせないというだけであって、今日みたいに二人してやりすぎちゃうことはあるけど。





「というか、その人はそれで戦えるの?」

「スバル・・・その人はヤスフミと同じ戒めをつけた状態でもすっごく強いの。
少なくとも、全力全開の私となのはの相手を同時に出来るくらいに」










私がそう言うと、スバルの表情が、驚きに満ちたものに変わる。





・・・うん、信じられないよね。





実際に模擬戦をするまで私も同じだったから、気持ちはすごく分かるよ。でも、本当のことなんだ。





ヤスフミのもう一人の師匠は、私達もよく知っている人物。

元教導隊出身で、今は局の仕事を引退して、あちらこちらの世界を放浪しての武者修行の旅に出ている。

性格は、飄々としたつかみ所のない人なんだけど・・・戦闘となるとそれを感じさせないくらいの強さを見せる。

そしてあの人は、ヤスフミと同じ戒めを自らに課している。





術者自身と信頼できるデバイスの基本戦闘能力がちゃんとしていれば、それだけでどんな相手でも渡り合える。

そんな自分の教えが口先ではないことを、戦いの中で証明するために。





『言ったことの責任は通す。場合によっては命を賭けてでもやる』





・・・あの人が、ヤスフミに対して幾度となく言った言葉。そして、あの人はそれを実際の行動として通そうとしている。

なんというか、ヤスフミはあの人の影響を強く受けている。いい所も悪い所も含めて。剣士としてだけではなく・・・人生の師と言っていいのかもしれない。





すこし話が剃れたけど、スバルに言った通り、形状変換やカートリッジの力、場合によっては魔法を使わなくてもとても強い。





私やなのはも、全力を出しても勝てるかどうか分からないくらいに。





・・・ごめんなさい、嘘つきました。勝てません、はい。





二人がかりでも・・・勝てません。





カートリッジと形状変換無しなのに、なのははエクシード、私は真・ソニックフォームの状態なのに・・・・・・勝てません。





完全に動きを見切られるんです。こっちが攻撃しても、全部受け止められるんです。





というか、当たらないんです。





それだけじゃなくて、ライオットザンバーであの人の斬撃を受けると、受けたところから刀身が真っ二つにされてそのまま墜とされるんです。





・・・・もう、泣きたい。










「なんか・・・信じられない。
あ、ひょっとして、恭文が模擬戦の途中で言ってた『スターライトブレイカーを一刀両断する人』って・・・・」

「うん、ヤスフミの先生のことだね。私となのはがタッグで挑んだときに、それをやられてね・・・」



あの光景は、今でも忘れられない。本当に・・・凄かったから。



「あの時は僕もびびったよ。まさかそんな真似が出来るとは思ってなかったから」

≪と言いますか・・・その場に居た人間全員がドン引きでした。いやぁ、その時のギャラリーの様子を録画出来ていれば、是非お見せしたかったです。
試合の様子は録画していたのですが、ギャラリーまでは無理だったんですよね・・・≫

「・・・アルトアイゼン、それは趣味が悪いと思うよ?」





私やなのはは・・・すっごく必死だったのに。





「信じられない・・・。」

「なんでそう思うのさ? 教導隊でもトップクラスのレベルだったら、普通のデバイスでそれくらいは出来るよ。
現に、フェイトとなのはも昔、先生と教導隊で同期だったファーン先生って人にボロ負けしたって言うし」



・・・はい、負けました。本当に派手に。



「学長にっ!?」

「なんだ、ファーン先生のことは知ってるんだ」

「だって、私とティアの出身校の学長だよ?」

「あー、なるほど。納得したわ」



・・・うん。思いっきり・・・負けたね。能力的なことで言えば私達の方が上なのに・・・完敗だった。

そして、ファーン先生があの人と同期で、仲がよかったというのを知ったのは大分後だった。

もちろん、あの人ほど無茶じゃないけど。



≪あの方も負けず劣らず経験豊富で強いですからね。
マスター、勝てたことありましたっけ?≫

「・・・ない。つか、分かってるんだから聞かないで」





私も・・・実はなかったりする。うぅ、ヤスフミじゃないけど、修行が足りないんだ。





「まぁ、スバルの言うことも分かるよ?
今や敵方も含めて、カートリッジや形状変換は主流となっている機能だし、強力なのは間違いない」



そう、今やそう言った機能は、エース級と呼ばれている人達の間では、普通になっている。

だから、それをあえて封印して戦うなんていうのは、このご時世では古臭くてまともじゃないと思われても仕方ないのかも知れない。



「だけど・・・。
それでも、そこまでしてでも追いかける価値のある人だって思うんだ」





そこまで言うと、恭文はホットミルクを取って一口すする。・・・あ、幸せそうな顔になった。

そんな表情をすぐに真剣なものに切り替えて、スバルへ話を続ける。




「その持論を口先だけじゃなくて、自分でもしっかりとした形で実践している。デバイスの特殊な機能や、強大な魔力やレアスキルなんてなくても、ここまで強くなれるってことを。
そのレベルだって半端じゃないんだし、僕から見たら、どこに文句をつける要素があるのか分かんないよ」





ヤスフミが、楽しそうに瞳を輝かせながらそう口にする。・・・変わってないね。あの人に対しての憧れは。





「そう・・・なんだ。恭文にとっては、その人の戦い方と強さは目標なんだね。
だから、戒めを背負ってるんだ」

「うん。昼間のエリオの話じゃないけど、先生みたいに強くなるのが目標かな?
もちろん、ヴィータ師匠もおなじくだね。でもさ・・・二人にはまだ一回も勝てないんだよねぇ〜」

「あの人に関して私もだよ。でも、いつか勝てるように頑張らないとね」

「・・・だね」



すごく楽しそうに、だけど、少しだけ悔しそうな顔をしつつ、ヤスフミがウィンナーをパクリ・・・今度はご飯が美味しくて幸せそうな顔になってる。

こうやって見てると、子どもみたい。



「誰が子どもだって?」

「えっ? ・・・あ、ごめん」





今度はむすっとした顔になりながら、サラダをパクリと食べてる。

でも、一口進むごとにまた幸せで楽しそうな顔を見せてくれる。



ほんとに表情が変わる。私は、それなんだか嬉しい気持ちで見つめていた。





「ったく・・・。あ、フェイト、トマト好きでしょ? あげるね」

「ダメだよ。好き嫌いしちゃ」

「・・・スバル〜♪ 疲れてる時にはトマトがいいそうなんだよ」

「ちゃんと自分で食べるっ。
というか、疲れてるのは恭文でしょ? 私やフェイトさんに押し付けないの」



満面の笑みで、私とスバルは、サラダに入っていたミニトマトをあげようとするヤスフミを静止する。

表情は変わっても、昔から生のトマトを食べられないところは変わらないんだよね。



「・・・食べなきゃだめ?」

「ダメだよ。そんなんじゃ、エリオやキャロ達に笑われちゃうよ?」

「そうだよ恭文、食べられないと、その先生みたいに強くなれないよ?」



『うぬぅ』と唸りながら、意を決してトマトをパクリと食べる。



「丸呑みしないで、よく噛まないとね」

「・・・ほへん。ほへあえははんへんひえ」



涙目になりながら、トマトを飲み込むヤスフミ。すぐにホットミルクを飲んで口直ししてる。

知ってはいたけど、まだダメなんだね。トマト。



「当たり前だよー。あの、生のトマトの水っぽい風味がなんとも言えず・・・。うぅ、思い出すのも嫌だ」

「そんな落ち込まなくても・・・、ほら、私のポテト少しあげるから元気だして?」

「え? いいの!? フェイトありがとうー!!」



・・・そんなに辛かったんだ。



「じゃあ、私のウィンナーも一本あげるね」

「あぁ、なんでだろう? スバルが女神に見える・・・」

「大げさだよ・・・」

「大丈夫。きっと幻覚だから」

「ちょっとっ!? ウィンナー返してっ!!」

「あーん♪ 美味しい〜!!」

「あーもう、あげて損したっ!」





私からポテトを、そして、スバルからウィンナーを受け取ると、幸せそうにそれをかみ締める。



これから・・・どうなるんだろう?



きっと、楽しくなるよね。そうに決まっている。





「ヤスフミ」

「ん、どしたのフェイト?」





ウィンナーを食べ終えて、今はポテトを堪能中のヤスフミに話し掛ける。



きっと、私、笑顔だ。自分でも分かる。



大事な・・・すっごく大事な、弟みたいな男の子が来てくれたことが嬉しいんだ。





「これから色々大変かもしれないけど・・・」

「うん?」

「一緒にがんばろうね。ヤスフミ」

「・・・もちろん。一緒にがんばろう。フェイト」



私達は、そうして微笑み会う。

これから、一緒に力を合わせてがんばることを誓い合いながら。



「でも、またシャマルさんのお世話にならないように、適度に息抜きしながらね」

「・・・・はい」










食事はこんな感じで楽しく終わったんだけど・・・・後でお兄ちゃんに連絡取らないと。





ヤスフミやアルトアイゼンから、二人に、この二週間の間に振った仕事の内容や量を聞いた。

けど、いくらなんでも多すぎるよ。出向だってわかってたはずなのに・・・フレイホークさんが倒れた理由も、ヤスフミの書類を手伝ってさらに疲労が溜まったのが原因らしいし・・・










クロノ、少し・・・頭冷やそうか?










「・・・八神部隊長、俺ら空気ですね。」

「・・・いや、あの空気を邪魔したら恭文に何されるか分からん。うちらはスネークさんのごとく影に徹するんや。」

「・・・それもそうですね。」



・・・・・・はやてにフレイホークさんも、何でそんな事言うのかな?

ヤスフミは・・・・・・あ、あれ?何で落ち込んでるのっ!?




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




・・・時は流れて、俺とヤスフミが機動六課に来てもう二週間が経とうとしていた。11月にもなるとさすがに肌寒くなり、冬が訪れようとしている。

その間には、いろいろなことがあった。



ヴァイスさんや整備員の人達が異常なノリで俺らを歓迎してくれたり。

食事中、ヤスフミがリインさんに生トマトを押し付けようとしたら、なのはさんとフェイトさんとヴィヴィオちゃん(なのはの娘さんで、後日俺にも紹介された。その際に、名前で読んでくれと言われた。)に『好き嫌いしたらいけません』と怒られたり。

ヤスフミとスバルの模擬戦の賭けにしていたヴァイスさんwiz整備員の方々が、シグナムさんに追っかけまわされて、ついでにヤスフミもおっかけまわされて大混乱になったり。

スバルのお姉さんであるギンガさんが突然六課に来てリハビリがてらダブルリボルバーナックルをしたり。

ヤスフミがみんなの前で大声で『ティアナ様〜♪』と言ったらティアナが切れたり。

ティアナの執務官補佐試験終了と俺らの歓迎を兼ねたパーティーで、ヤスフミの恋の敗残兵伝説の一端が語られたり。

どうもガチな組み手を行ったらしく、ヤスフミとシグナムさんが午前中ずっとお説教されていたと思ったら、突然シャマルさんが泣きモードになって二人が慰めていたり。



・・・ほとんどヤスフミが原因なのはどうかと思うが。



さて、そんなことを思っている俺が何をしているのかというと・・・





























「・・・・・・あの・・・・・・なんでこんな事になってるんですか?」

「私が聞きたいくらいなんだが・・・・・・どうした、食べないのか?」

「・・・いえそういう訳じゃ・・・あ、おいしいや。」




・・・・・・・・・・・・・・・なぜか、シグナムさんと食事をする事になってしまった・・・・・・・・・・・・・・・なぜだっ!?







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「・・・休暇・・・ですか?」

「そや、こっちで既に手配しといたで。」



ヤスフミとシグナムさんがシャマルさんに説教をされていた頃、俺だけが部隊長室に呼ばれたのでなんだろうと思うと・・・いきなりはやてさん(なのはさん達をそう呼んでいたら、「うちも名前で呼ぶんや!!これは部隊長命令や!!」なんて言われた。)にそう告げられた。

理由を聞くと、なのはさんがヴィヴィオちゃんの学校見学にヤスフミを連れて行きたいのでスケジュールを調整したところ、ついでに俺も休みにしたらしい。

・・・そろそろ休みを取らないといけないと思っていたのだが・・・またいきなりだなぁ・・・


「ちゅう訳でどや?明日にでもうちと飯にでも行かん?」

「・・・・・・デートの誘いですか?」

「ちゃうちゃう、単なるスキンシップの一環や。恭文とはしょっちゅう遊ぶから別にええんけど、フレイホーク君の事はよく知らんしなぁ・・・この機会に、親交を深めようっちゅう訳や。」


・・・・・・そうはっきり言われると若干傷つくんだが・・・・・・まぁ、この人とデートなんて逆に裏がありそうで怖いな。


「ん、なんか今失礼な事考えんかったか?」

「・・・そんな事はありませんよ。」

「まぁええ・・・という訳で、明日の夕方にクラナガンのフェレット像がある広場で待ち合わせやっ!!」

「・・・・・・あぁ、あの有名な所ですか。まぁ分かりやすくていいですね。」

「ついでや。ジン君のプライベートアドレス教えてくれへん?」

「別にいいですよ・・・・・・これです。」

「ありがとな♪ほな、これがうちのプライベートアドレスや。」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





・・・・・・とまぁ、こんな感じではやてさんと約束をした訳だ。


≪・・・・・・・・・・・・しかし、実際待ち合わせ場所にはシグナム殿が居て、はやて嬢は残業で来れないからシグナム殿に代役を頼んだと。≫

「その通りだ・・・しかし、なぜ主はやてはこのような事を私に頼んだのだろうか・・・?」


俺とシグナムさんははやてさんに教えてもらった店で夕食を終えると、街を歩きながら会話をする・・・・・・なんとなくだけど、あの人これを狙って俺と約束をしたんじゃねぇか?


そして、俺はシグナムさんと鉢合わせた後にはやてさんから送られてきたメールを、シグナムさんに見られないように再度確認する・・・・・・




『件名:堪忍やっ!!


急に片付けないかん書類とかが多くて、そっちには行けそうも無いわ。

代わりにシグナムが来てると思うから、2人で夕飯でも食べてゆっくりしぃや。


PS:いくらシグナムが綺麗やからって、ムードに任せて18禁な展開はダメやで?(笑)

あ、フラグを立てるのはOKや。そんじゃ、ジン君の甲斐性に期待するで♪』




・・・・・・うん、あの人確信犯だ。じゃなきゃ、こんなメール送ってくる訳ねぇだろ。ひょっとして、俺達を尾行してたりして・・・・・・


「・・・フレイホーク、どうかしたか?」

「・・・・・・いえ、何でもないです。それじゃ、次はどこに行きましょうか?」

「そうだな・・・・・・・・・私もこの辺に詳しいという訳ではないからな、お前に任せるとしよう。」



・・・・・・いきなり難易度が上昇しました。というか、シグナムさんの微笑みに一瞬ドキリとしました。


いったいどうすりゃいいのさ?


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
















・・・・・・あかんなぁジン君、完全にテンパってるわ。


うちはちょっとした変装をして、シグナムとジン君を尾行している・・・・・・まぁ、サングラスにニット帽、マフラーを巻いたぐらいやけどな。人間、髪の毛と目の色さえどうにかすれば案外ばれないもんや。



・・・ちなみに、急に片付けないかん書類は・・・ちゃっちゃと終わらした。それから急いで向かうと、ちょうどシグナムとジン君が店を出る所やった。


・・・・・・しかしあの2人、ムードっちゅうもんが無いなぁ・・・・・・もう少しデートっぽい雰囲気が出ればいいんやけど・・・・・・












◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




・・・・・・結局、その後は無難なコースを選んで終わった・・・唯一の救いは、帰り際に『・・・なかなか楽しめた、礼を言うぞ。』と言ってくれた事ぐらいかな・・・・・・?



そういやこれって・・・・・・デートに・・・・・・なる訳ねぇな。ただ食事しただけだし。




さて、後は休日を楽しむとしますか。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




・・・・・・けれど、物語は急展開を見せる。


それは、12月に入ったばかりの事だった。







「ヤスフミが・・・・・・心の病気で無期限療養!?」

「えぇ、そうよ。」


・・・・・・いきなりシャマルさんに呼び出されたかと思うと、医務室でそんな事を告げられる。


え、アイツついこの間まで元気そうだったのになんでっ!?



≪それでシャマル殿・・・・・・原因は?≫

「原因は3つ・・・・・・1つは、恭文くんがフェイトちゃんに振られたという事・・・ま、これはきっかけに過ぎないわね。問題は残りの2つ・・・JS事件と、その後のハラオウン家・・・恭文くんがお世話になっている家の対応ね。」



・・・・・・JS事件という単語が出てきたところで俺は脳裏に閃く事がある。ま、まさか・・・・・・


「・・・フォン・レイメイ・・・ですか?」

「やっぱり、君も知ってはいるのね。」

≪・・・というより、フォン・レイメイが有名すぎると言ったところだな。無論、悪い意味で。≫



・・・・・・フォン・レイメイについては、ここでは多くは語らない。というより、俺がソイツの事をよく知らないってのもある。

ただ・・・自分の欲望のままに圧倒的な力を振りかざし、殺戮と蹂躙を繰り返し、表の世界の人間はもちろん、同じ闇という名の世界で生きる人間にすら忌み嫌われる存在・・・それが、俺の知るフォン・レイメイに関するすべてだった。







そして、そいつはJS事件の際に・・・・・・ヤスフミが殺した。






そして、それがヤスフミの療養に関わってるとなると・・・・・・原因は1つしか思いつかない。




「・・・・・・つまり、ヤスフミが最悪手をとった事で周りが騒いで、今になって響いてきてる訳ですか。」

≪最悪だな。ヤスフミも好き好んで人を殺した訳でもないのに、ただ殺したという理由だけで責められてるのが想像できるぞ。≫

「・・・その通りよ。そして、フォン・レイメイは恭文くんに言ったそうなの。自分達は同類だと。光の中に居る人間・・・つまり、私達は、自分達を認めるわけがないと。恭文くんは、自分を殺せば一人になると。
それだけじゃなくて、フェイトちゃんを好きだったのも、フェイトちゃんの普通の人と違うというコンプレックスを埋めることでフェイトちゃんを屈服させて、自分の欲望を満たすための人形にしたかっただけなんだと・・・かなりひどいことを」



・・・・・・本当に最悪だ。本来ならヤスフミの事を考えて支えてあげるべき人達が、逆にフォン・レイメイの言葉を証明しちまったって訳か。



「・・・・・・これははやてちゃんから聞いたんだけど、リンディさん・・・ハラオウン提督が恭文くんを六課に入れたのは、戦力補強と同時に恭文くんを局員にする考えがあっての事だそうなの。恭文くんに・・・人を殺した事を忘れて、自分達と同じになる事を望んで。」

≪無理だな。ヤスフミに対して人を殺した事を忘れろなど・・・第2のフォン・レイメイになるのがオチだ。いや、下手をすればそれよりも最悪な存在が出来上がる。≫

「・・・バルゴラの言う通りです。アイツはその十字架を背負って、それでも前に進もうとするから・・・アイツで居られると思います。」

「・・・やっぱり、あなた達は私達とは違うわね・・・とにかく、それらで恭文くんには疑いが出来た。光の中に居る人間に対して疑いを持ち始めた。自分を受け入れるわけがない、好きになるわけがないという疑い。
それだけじゃなくて、自分という存在や、今居る場所への疑い。そんなところにティアの問題よ。囮デートやパンフレットの写真撮影で仲良くなって・・・それで、ティアがこう、ちょっと積極的になってるじゃない?」


・・・あぁ、なってるな。なんかデートに誘ったけど断られたらしいけど。それですごく落ち込んでたし。



「でも、恭文くんはさっき話したように、自分や、フェイトちゃんに振られたという事実のせいでティアの気持ち・・・というより、私みたいに自分に好意を持っている人間への気持ちに疑いを持つようになってるの。
本当に自分を認めているのかと、強く。元々、あの子はそう言う部分が少なからずあった。身長の事とか体型の事とか・・・フェイトちゃんとの事とかで、そういう部分は強くあった。」

≪そして、JS事件の一件でそれが加速度的に悪化したと≫

「えぇ。そして、それが余計に恭文くんの気持ちを傷つけているわ。好きだと言ってくれてる人に、自分に手を伸ばしてくれる人に対して、疑いしか持てない自分が嫌で、嫌いで、否定したくて・・・」



でも、どうしても消えない。分かってるはずなのに、理解してるはずなのに、心が止まってくれない。

目にした現実が、求められている事で否定されている今が、全てを証明しようとしているから。



「結果、糸が切れる直前だったので、しばらく自宅療養という形にしたわ。」



「・・・・・・・・・・・・それで、俺達はどうしたらいいんです?隊長陣には既に話が通っているとして、スバル達には伝えてないってことは・・・・・・俺達には別にやってもらいたい事があるんでしょう?」

「・・・・・・あなた達には、特に気をつけてもらう事はないわ。しいて言うならば・・・恭文くんに、普段通りに接してあげて。」

≪・・・どういうことだ?≫

「多分、今の私達では何を言っても恭文くんには届かないような気がするの・・・私達は恭文くんから見て、光の中の人間だから。でも、あなた達は違う。あなた達は・・・六課の中に居るメンバーで、1番恭文くんに近い立ち位置だわ。」


・・・まぁ、立ち位置が微妙なのは分かるけど。俺は出向扱いでここに来ている訳だし。


≪・・・しかし、マスターはヤスフミと同じような経験は無いぞ?≫

「それでもよ。あなた達の考えは少なくとも局員とは違う・・・・・・だから、恭文くんの問題を変に意識しないで、普通に接してほしいわ。」





「・・・・・・分かりました、可能な限り努力します。」

≪彼らが居ないと、つまらないからな・・・・・・一肌脱ぐとしよう。≫



・・・・・・大事なダチが困っているんだ。助けになってやらなきゃ・・・・・・駄目だよな。





(第3話に続く)




あとがき


バルゴラ≪・・・・・・さて、唐突だが重大な話をしようと思う。≫

ジン「なんだよいきなり。というか、いつもの入りはどうした?」

バルゴラ≪気にするな、作者の気分で入れないことになったのだよ・・・・・・さて、このシグナムルートだが・・・・・・最後を読めば分かるとおり、本家ティアナルートで進む事が決まった。≫

ジン「・・・なんか複雑だな。外典ではティアナがヒロインな訳だし・・・」

バルゴラ≪まぁ、一番分かりやすい形で差異を出せるというのが強みだがな・・・しかし、このルート選択にも非常に問題がある。≫

ジン「・・・・・・どういう事だ?」

バルゴラ≪・・・最後の展開で分かるだろう?≫

ジン「・・・あぁ、なるほど。」


(その言葉に、顔を引きつらせつつ頷く栄光の流星・・・・・・展開を想像してみるとわかりやすい・・・・・・のか?)


バルゴラ≪そもそも、本家ティアナルートはヤスフミの心の問題が大きな割合を占める。当然、それに関して六課側の描写もあるのだが・・・・・・≫

ジン「・・・・・・ヤスフミの友人という立場である俺の視点で動くと、ティアナルート通りに進まない可能性があると。」

バルゴラ≪その通り。事実、作者はティアナルートをすべて読み返しながらマスターがこの場に居た場合を考えるのだが・・・・・・どうしてもマスターがぶちキレるのだよ。≫

ジン「・・・まぁ、中立に立とうとしても、スバル達とかアルフさんとかの場面に出くわしたら俺はヤスフミより先にキレてるよな。フェイトさんの言葉じゃないけど、俺は六課の皆よりヤスフミとの方が付き合い長い訳だし。」

バルゴラ≪マスターとヤスフミの関係である『友達』は、天の道を往くあの方の最終話での格言をイメージしているらしいからな・・・そこに時間をとられると、肝心のシグナム殿とのフラグ部分がどうしても遅くなってしまう訳だ。≫

ジン「IFルートのはずなのにそれは・・・・・・確かにまずいな。」

バルゴラ≪現在の予定だと、マスターとシグナム殿が恋人関係になるのは本家ティアナルートの10話から11話あたりになる予定らしい・・・ちなみに、ギンガルートの場合だとどこにフラグを入れていいかわからないので保留にしたそうだ。≫

ジン「駄目じゃねぇか作者、んな事最初に気付けよ。」

バルゴラ≪勢いではじめてしまったからな・・・・・・とりあえず、DCDクロスとセカンドシーズン話を考えつつ纏めていくらしいぞ?≫

ジン「それじゃ・・・今回はこの辺でお別れです、また次回でお会いしましょう。」



(そして手を振る2人を見送りつつフェードアウト・・・・・・
本日のED:Aqua Timez『千の夜をこえて』)






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あきゅろす。
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