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頂き物の小説
第3話 「イノケンティウスの脅威 古き鉄大活躍」



とある魔導師と機動六課とガイアセイバーズの日常


第3話 「イノケンティウスの脅威 古き鉄大活躍」




Side 蒼凪恭文






「「セットアップッ!!」」

その声が響くと同時に、僕の身体にバリアジャケットが装着されていく。

バリアジャケット、魔導師が身に纏う戦うための防護服。
基本防御魔法四種のうちの二つ、フィールド系とバリア系を組み合わせて紡ぎあげる、戦う覚悟を示した服だ。
それまで着ていたトレーニングウェアは一瞬で消え・・・・うん、裸になるんだ。
でも、色々と補正がかかるから直視しても大丈夫よ?

そして、そんなまっはだかーにばるな僕の身体に、すぐにジャケットが装着されていく。
僕のジャケットは、黒い無地のインナーにジーンズ生地に似た色合いの長いパンツ。
そして、上半身には青く、分厚い長袖のジャケットを羽織る。

ちなみに、丈は腰まで。こちらのデザインも無地でシンプル、飾り気など微塵も感じられない。
右手には黒い、指が出るタイプの薄手のグローブ。
両足には足首までを包み込む皮素材っぽいブーツを装備。これで基本線は仕上がった。

というわけで・・・・次は武装。
左腕には、肘から指先までを包み込む、鈍い銀色のガントレットを装備。
・・・ちなみにこのガントレット、リボルバー8連装式のカートリッジシステム付きで、非人格型のアームドデバイスになる。

この子の名前は『ジガンスクード』。
僕の相棒のコントロールでカートリッジシステムを使うために作り上げた僕のもう一人の協力者。
相棒は諸事情でカートリッジシステムを付けていない作りになっている。
なので、もしもカートリッジの力が必要になった場合、それをフォローするのがこの子の役割だ。
そして、ジガンスクードを装着すると、目の前に青い、小さな宝石が現れ、高速回転しながら強烈な光を放つ。
すると、どこからともなく幅広で、厚みのある日本刀と、黒塗りの鞘が現れる。
刃は鈍い銀色。鍔は円形の黒塗り。柄も同じ。
ただし、塚尻にはそこに埋め込まれる形で先ほどまで高速回転していた青い宝石が埋め込まれている。

僕は右手で日本刀。左手で鞘を手に取ると、自分の目の前で刀を鞘に納める。そしてそれを腰に指す。

これで全ての準備は完了した。
これが僕の魔導師としての戦闘形態。手にした刀で敵を切り裂くスタイルだ。
なんか、この時点で魔導師じゃない気がするけど・・・騎士はガラじゃないし、気にしないことにしよう。



「・・・アルト、さっそくで悪いけど一戦かますよ。いい?」
≪問題ありません。マスター≫

今の問いかけに応えてくれたのは、僕のパートナーであるデバイス。
AI搭載式のアームドデバイスで、名前は『アルトアイゼン』

形状は、今さら言うまでもなく日本刀だ。もっと言うと、同田貫。銀色に輝く刃は、肉厚で幅広い。
別名、斬馬刀とも呼ばれている代物だ。
この子は、僕が魔導師になってから、ある人に託された大事なパートナーで、僕はいつもはアルトと呼んでいる。

まぁ、ロングアーチスタッフのアルトさんと紛らわしいのはご愛嬌ですよ。



≪しかし、マスター≫
「なに?」
≪はっきり言って、迂闊すぎます≫

・・・は?


≪なんで初日にこんなことになってるんですか? ありえませんよ。あなたそんなにビックリ人間になりたいんですか≫
「・・・アルト、状況わかってるかな? 今はそんなことを言っている場合じゃないでしょ」
≪分かっていないのはあなたの方です。もう救いようがないほどにアレなのは何も言いませんけど、なんですかコレ?≫

知るかボケっ! 僕が聞きたいわっ!! つーか、一番ワケわかんなく思ってるの、僕だからねっ!?


≪ハッキリ言ってコレはありませんよコレは。いや、本当に。あなたもはやてさん達も一体何考えてるんですか?
いや、あのギンガさんの妹さんも同じですけど。お姉さんに似て人の話聞きませんし≫

あー、それは同意見。姉妹って似るもんなんだね。・・・つーか、マスターを指してアレとか言うなっ!!


≪とにかく、私達がこの部隊で上手くやっていくためにも≫
「え、僕の疑問とか、一切無視っ!?」
≪対人関係のアレコレをあなただけに任せておくわけにはいきません。
これからは私は色々と口出しさせていただきます。いいですね?≫

いや、あなた今までも散々口出ししていらっしゃいますよね? 今日は楽したいとか言って、喋ってなかったけど。
とにかく、それで色んな人にふたりはぷり・・・じゃなかった、二人で一人みたいな感じで見られてるじゃありませんか。
そして、今の会話の中でどうしてそういう結論になるっ!?


≪答えは聞いてませんがね≫

コイツは・・・!!
・・・まぁ、いつもこんな感じだ。
アルトは、デバイスとしてはすごく優秀な子なんだけど、一言二言三言四言多いのがタマに傷だったりする。
というか、フリーダム? あんまりに発言が自由過ぎて恐ろしい時が・・・。


≪マスターがしっかりすれば済む話です。なのに、あなたは毎度毎度・・・。というか、あなたに言われたくありません≫
「待って待ってっ! 君、それはこっちのセリフだからねっ!?」
≪全く、これだからゆとり世代は。どうしてなんでもかんでも人のせいにすればいいと思うんですか≫

誰も思って無いでしょうがそんなことっ!!


≪人のやることなすことにケチつける前に、自分の行動を省みてください。それも出来ないってどういうことですか。
大抵こういうのが批評と中傷の区別もつかずに、偉そうにコメンテーター気取りになったりするんですよ≫
「アルトにだけは言われたくないからね、それっ!? つーかその発言はアウトだからっ! 全てのコメンテーターにごめんなさいだよっ!!」
≪その前にあなたが謝ってくださいよっ!!≫
「一体何に対してっ!? つーか、いきなりキレるなっ!!」
「あ、あのぉ・・・」
≪「なにっ!?」≫

・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。


≪こちらの準備は整ったのですが、そろそろよろしいでしょうか?≫
「というか、恭文のデバイス・・・すごくお喋りなんだね」

声の方へと苛立ち混じりに視線をむけると、セットアップが完了したスバルがいた。なんか呆れ顔。


「・・・アルト」
≪・・・マスター≫

うん。


≪あなたっ! 何をやってるんですかっ!? 初登場から5分も経ってないのに面白キャラ認識が広まっちゃったじゃないですかっ!!≫
「お前のせいじゃボケッ! つーか、自業自得だからねっ!?」

とりあえず、腰に下げている相棒にツッコむ。
あー、どうしてこうなるっ!? せっかくのセットアップが台無しじゃないのさっ!!
アニメだったらかっこいい音楽(鋼鉄の○狼とか)とともにバーーーンっと出来るあれだよアレッ! こうなる意味が分からないしっ!!


いや、と言いますか待って待ってっ!!
もしかして今の漫才をスバルだけじゃなくて、あそこでお祭り騒ぎしてやがる方々にも見られてたってことっ!?
ちくしょぉぉぉっ!! なんか色んなものが初日にしてドンドン失われていくってどういうことさっ!?

・・・とりあえず、そこはいいか。うん、気にするのやめよう。なんか、辛い。
とにかく僕は、スバルを観察しつつ頭をシリアスモードに再度切り替えていこうとする。だって、さすがにこのままはまずいし。
さて、スバルのバリアジャケットはっと・・・。
首から胸元を包み込む紺のインナーの上には、どこかで見たようなデザインの白い長袖のジャケット。
下は短パン。腰元に白いフード・・・でいいのかな? とにかくそれをつけて、その根元にちっこい装甲。
というか、ヘソだし・・・。誰の趣味ですか、アレ。
そして武装は、ローラーブーツに・・・リボルバーナックル?
・・・あぁ、アレが右手用か。初めて見たよ。
僕の友だちであるギンガさんは、『シューティング・アーツ』と呼ばれる一撃必殺の格闘術を使う。それは、スバルも同様。
なんでも、その昔亡くなったギンガさんとスバルさんの母親のクイント・ナカジマさんがその格闘術の使い手だったとか。
で、リボルバーナックルは、そのクイントさんの形見になる。
ギンガさんが左手、スバルが右手を受け継いで使っていると・・・ギンガさんから聞いたことがある。
ちなみに、シューティング・アーツがどういうものかというと、ローラーブーツで敵に接近。
そして、拳での一撃をを相手の急所に叩きつけるという分かりやすいものだ。相手が誰かなど、関係ない。狙うはただその一撃のみ。
しかし、それ故に怖い。やってくることはシンプルなのだが、だからこそあるだけの力を真っ直ぐに叩きつけてくる。
正直、下手な絡め手使ってくるやつよりも遥かにやりにくいのだ。


≪それは私達にも言えることだと思いますが?≫

うん、確かにね。
ま、観察したことでどういう戦い方するかは読めた・・・というか知ってるし、そろそろ本番行きますか。


「・・・悪い、随分待たせちゃったわなぁ。さっき女の子を待たせちゃいけないって言われたばかりなのにね」
「そうだよ。私なら大丈夫だけど、ティアとかはすっごい怒るよ〜。『あんたやる気ないでしょっ!?』とか言ってさ」

そんな口を叩きながら、お互いに構える。
スバルは、右手のナックルを身体の横に持っていく形の構え。・・・あのローラーブーツで走行して突撃か。
普通に走るならあんな構え方しない。といいますか、まんまギンガさんじゃないのさ。
でも、やっぱり姉妹なんだね。こうして対峙してみると、やっぱり似てるわ。
かく言う僕も、アルトを鞘から抜き、刀身の切っ先を上に向け、握りしめた柄を、顔の右真横の高さまで上げる。
僕が突撃する時によく使う構えだ。蜻蛉の構えとも言うかな。
防御とかには向かないけど、上段からの素早い一閃には向いている。
・・・向こうが真正面から突っ込んでくる気なのだ。だったら、待たせた側としては、同じように突っ込んでくしかないでしょ。それが男の役目ってもんです。


「あぁ、あの子ならありえそうだわ。・・・ね、だったらなんでスバルはここまで僕の事待っててくれたの? 怒らずにさ」
「うーん、なんでだと思う?」

こんな会話をしながらも、お互いに今か今かと飛び出すタイミングを計っている。
その場を支配するのは、実にいい感じの緊張感。
・・・やっぱり戦いってのはこうじゃなくちゃね。楽しくないのはいけないわ。


「やっぱり忠犬だから?」
「なにそれっ!?」
「勘だよっ!!」

その言葉がきっかけだった。
スバルはローラーブーツで走行しながら、僕は地上スレスレを高速で飛びながら、相手に向かって突進したっ!!
そして・・・。


「はぁっ!!」
「うぉりゃぁぁぁぁぁっ!!」

スバルはその拳を、僕は手にした相棒を、互いの力をもって叩きつけようと振りかざす。
拳と鉄は火花を散らし、刹那交差するっ!!
スバルは、そのまま僕の脇をすり抜ける。
くぅ、重いわあの拳っ! 一発で決められなかったっ!! 下手すると、ギンガさんより重いんじゃないのっ!?
などと思っていると、スバルがUターン。またもやこちらに突っ込んでくる。
さて、ここは一撃入れて主導権を握っておきたいとこだねぇ。なら・・・!
タイミングを見計らって、スバルの懐に飛び込む。
拳が振り出されようとしてるけど・・・そこは気にしない。一発入れることが重要なのだから。
というわけで、うぉりゃぁぁぁっ!!
僕は、迫り来る拳などを気にせずにありったけの力でアルトを右から打ち込むっ!!
すると、スバルを守ろうと青い障壁・・・オートバリアが発生。
でも、それだけだった。
青い障壁は発生しただけで、迫り来る刃は止められなかった。オートバリアは横一線に斬り裂かれ、その後、ガラスのように粉々に砕ける。
その砕けた衝撃に圧されたのか、スバルの体勢が崩れる。
当然このチャンスは逃さない。そこから更に一歩踏み込みつつ刃を返して・・・左から横薙ぎに一閃っ!!
でも、その刃はスバルに届くことはなかった。


「マッハキャリバーッ!!」
≪Protection≫

スバルと僕を隔てるように生まれたのは、青い障壁。
・・・プロテクション、バリア系の防御魔法の中では基本とされている魔法。
僕も使える魔法なのだけど、それによって、こちらの斬撃は寸前で防がれる。
・・・やるね。発動の瞬間に、体勢をちゃんと整えた上でこちらの攻撃を受け止めてる。そんなに時間無かったのに。
それに、バリア自体の強度もかなりのものだ。悔しいけど、今のままじゃ押し込んでも砕けない。
なら、一旦下がるっ!!
けど、その時、僕とスバルの間に弾丸のようなものが通り過ぎた。

というか、砲撃!? どこから!!?


「恭文!!」

「分かってるって、スバル。 けど、人の楽しい時間を邪魔するなんて躾がなってないんじゃない?」

《全くですね。 どこの礼儀知らずですか?》


アルトの呟きで僕は少し落ち着いた。

なので、砲撃の方向を見てみるとガジェットが人型になったみたいなロボットがそこにはいた。

あれはどこのロックマンですか!?



「そんなこと言ってる場合じゃないよね! AMF!? でも、今までのより強力だよ!!」


そう、スバルの言う通り、僕達の周り、というか、機動六課を包むように今までにないAMFが発生している。

もしかして、新たな組織の誕生?



《スバルさんの言う通り、スカリエッティがガジェットに搭載させていたAMFよりも強力なようでスバルさんのジャケットも一瞬ですが解除されそうでしたよ》

「それはエロいね。 ってことはさ、僕のジャケットも解除されそうだったってことだよね?」

《そうなりますね》

「二人とも何言ってるの!! えっと、恭文のデバイスさんは何て呼べばいいのかな?」


アルトはスバルの疑問に一瞬、魔をもとい間をおいてからとんでもないことをのたまってくれやがりましたよ。



《真・主人公とお呼びください》

「アルトアイゼンだからね! 間違ってもこんな名前で呼んじゃ駄目だからね!!」

「分かったからそんな怖い顔しないでよ・・・ で、どうすればいいの?」

「そんなの決まってるじゃない。 あのロボットを破壊して調べるだけだよ!」


僕はスバルにそう言ってからあのロボット達へ向かっていった。



Side トライバル・エンド





あの少年がジェイル・スカリエッティが興味を示していたヘイハチ・トウゴウの弟子、蒼凪恭文ですか・・・

確かに面白そうではあるが大したことはなさそうですね・・・



「イノケンティウス、作戦に変更はありません・・・ 機動六課にいる者、全てを抹殺しなさい・・・」


わたしの命令に従い、イノケンティウスが行動を開始した。



Side 門矢士





こんな真似をすんのはあのお面野郎だけだな。



「なぁ、モモタロス」

「おう。 てか、青坊主が気持ちよさそうにやりあってるってのによ、空気の読めねぇ野郎だぜ」

「まったくだな。 手っ取り早く蹴散らすぞ」


俺の言葉に近くで恭文とスバルの模擬戦を観戦していた天道とモモタロスが反応したのを聞いて、俺はディケイドライバーを取り出した。

すると、天道達もそれぞれに準備を整えていた。



「「「変身!!」」」

『KAMENRIDE DECADE』

『HENSHIN』

『Sword Form』


俺達は変身を終えると悪戯のすぎる連中をお仕置きするために動き出した。

前にいるロボット達はそんな俺達に両手から砲撃を撃ってきやがった。

しかし、その砲撃は後方から来た『壁』『木』『岩』という文字から変化した壁に撃ち込まれた。



「助かったぜ、丈瑠」

「礼はいい。 それよりもあいつらをなんとかするぞ」


丈瑠はそう言うと、さっさとトライバル・エンド目指して駈け出していた。

素早い奴だぜ。

てなわけで、俺達も行くぜ!!



Side スバル・ナカジマ





っていうか、凄い・・・

もちろん、JS事件の時だってガイアセイバーズのみんなの戦ってるのは何度も見てきたけど、今回はいつもと違う。

遠慮がなくなってるみたいな感じ・・・



「たりめぇだろうが。 JS事件ん時は俺らは下手に出しゃばれなかったけどよ、今は違うからな」

「そういうものなんですか・・・」


あたしは近くにいた茂さん、ううん、仮面ライダーストロンガーに話しかけられていた。

けど、これがガイアセイバーズのみんなの本来の実力・・・

はっきり言って強すぎだよ・・・



「んなことねぇよ。 お前だってちゃんと強くなってんだろ? 前なら動くことさえできなかったAMFの中で動けるようになったんだからよ」

「ありがとうございます、茂さん。 あたし、ちょっと弱気になってました。 よーし! 頑張るぞー!!」


そんなあたしの様子を見ていた茂さんがおかしそうに笑いながら近くにいたロボットの顔を殴って壊していく。

あたしも負けじとリボルバーナックルをロボットに叩き込んでいく。

さらに右のハイキックで別のロボットの頭を吹き飛ばしていく。



Side 仮面ライダーカブト





俺はトライバル・エンドがいる場所まで駆け寄りながら近くにいるロボットの頭部と胴体を分離していく。

方法はいたってシンプルなものだ。

要するに、ロボットの首を斬り落としているのである。



「あなたは毎度毎度、わたしの邪魔をしてくれますね・・・ いい加減終わりにしていただけませんか・・・」

「お断りだな。 お前がこの時間から手を退くなら別だがな」


俺の言葉にトライバル・エンドは自身の左手に持った剣を振るうことで答えてきた。

そっちがそのつもりなら俺も退く必要はないだろう。

トライバル・エンドの左からの袈裟斬りをかわし、カウンターでサイドキックを叩き込んでいく。

この蹴り方ならキックを打ち込んだ後でも隙を作らずに相手の状態を見ることができる上に体勢を整えると同時に次のアクションへの準備が素早くできる。



「ぐぅっ・・・ あなたは愚かだ・・・ こんなちっぽけなものを守って何になるのです・・・」

「昔、通りすがりの仮面ライダーがこんなことを言ったそうだ。 『ちっぽけだから守らなければならない』ってな」


俺の言葉にトライバル・エンドの怒りが爆発したのか、剣の振りが徐々に雑になってくる。

こんな太刀筋で俺を斬れるわけがないだろう。

俺はトライバル・エンドの振るう剣をかわしてから左右のストレート、フックをトライバル・エンドの顔や腹に叩き込んでいく。



Side 蒼凪恭文





こいつら、見た目の割にはしぶとい上に自己学習までしてるみたいだね。



「どういうことなのよ?」

「えっとね、ティアナ。 例えば、ティアナのヴァリアブルシュートだったっけ?」

「えぇ、そうよ。 それがどうしたって言うのよ?」


ティアナの言葉が少しきついなぁ・・・

まぁ、自分の魔法に自信がある証拠なんだろうけどね。



「それ、今ちゃんと通用してる? あのロボットに??」

「言われてみればそうね。 結構違和感は感じてるわよ」

「それが正体だって言いたいんだろう、恭文」


近くにいた一文字さん、仮面ライダー2号が僕達の話に乗ってきた。

っていうか、一文字さんもこのロボットには手を焼いてるみたい。



「恭文、何でお前はこいつら相手に平然としてられるんだ?」

「えっ? だって、斬ろうと思って斬れないものなんてないじゃないですか」

「それもどうなのよ・・・」


ティアナが何か言ってるけど全く気にならないなぁ・・・



「とりあえず、あのロボットどもを蹴散らすのが先決だな」

「ですね」


僕は左にいたロボットの胸部にアルトを突き刺し、一文字さんは右にいたロボットの顔を殴って潰していた。

ティアナは少しポカーンとしてたけどすぐに気を取り直して、すぐにロボットに的確な魔力弾を撃ち込んでいく。



Side 仮面ライダーディケイド





天道とトライバル・エンドがやりあってるとまた余計なのが来やがったぜ。



「お前、門矢士とか言ったな。 シンケンレッドはどこにいる?」

「さぁな。 聞きたきゃ、俺を倒してみることだ」


俺の前に出てきたのは腑破十臓。

自分自ら外道に堕ちた危篤な奴だ。



「言ってくれるな。 だが、お前とて俺と同じように歪な存在だろう」

「確かにな。 俺はこの世界の住人からも拒絶されてるからな。 だが、六課にいる奴らからはちゃんと受け入れられてるぜ」

「そうか。 興が削がれたな・・・ お前より面白そうな奴がいるしな」


そう言った十臓の視線の先には恭文がいた。



「行きたきゃ行けよ」

「ふっ。 止めないんだな。 なら、行かせてもらう」


俺がそう言うと、十臓はさっさと恭文の方へと飛んでいった。

俺の視線の先にはジバンとジャンパーソンがロボット相手に苦戦しているのが見えた。

そういや、あいつらはJS事件の時にかなり無茶して調整中だったな。

仕方ねぇ・・・

手伝ってやるか。


俺はライドブッカ―からコンプリートカードを取り出し、それをケータッチにセットしてから浮かび上がったライダーシンボルをタッチしていった。



『KUUGA AGITO RYUKI FAIZ BLADE HIBIKI KABUTO』


ケータッチを操作していた俺の下にロボットが三体突っ込んできやがった。

俺はそいつらをかわしながらキックを入れていく。

そのまま、残りの操作を実行していく。



『DEN−O KIBA FINALKAMENRIDE DECADE』


そうすることで、俺はコンプリートフォームへの変身を完了した。



SIDE 蒼凪恭文





僕とスバルと一文字さんでその場にいたロボットを片付け終わったと同時に誰かが来た。



「あんた、誰?」

「腑破十臓・・・ 小僧、名は何と言う?」


小僧? 誰のこと、言ってるのかな?



「お前のことだ・・・ それとも、俺が怖いのか」

「冗談・・・ 僕は蒼凪恭文。 それでこの子が・・・」

《アルトアイゼンです。 以後お見知りおきを》


こいつ、相当できる・・・

身体中から出してる殺気が尋常じゃない。

一文字さんがスバルを後ろに隠してくれてるからいいけどスバルじゃ完全に当てられちゃうじゃない・・・



「そうか。 蒼凪恭文か。 なら、蒼凪恭文。 俺と勝負してもらおうか」

「どうしてさ? 僕はそんな気ないのに」

「簡単なことだ。 お前は見たところ、シンケンレッド、志葉丈瑠と同じような歪さを持っている。 違うか?」


こいつ、何言ってんのさ。

僕のどこが歪だって言うわけ?



「まぁ、いい。 俺はお前と思う存分斬り合えればそれでいい」

「いいけどあんた、ただじゃすまないと思うよ」


僕の言葉に十臓が刀を唐竹割りの要領で振り下ろしてた。

僕はそれをアルトの刃で受け止め、カウンター狙いの左逆袈裟を仕掛けていく。

十臓はそれをかわすと飛び退き、僕との距離を少し離した。



「やるなぁ・・・ やはり、俺の見立ては間違いではなかったようだな」

「さぁ、どうだろうね? けど、しつこいようなら叩っ斬るよ」

「面白いな。 今日のところはこれくらいにしておこうか。 お前とはいずれ然るべき場所で決着をつけるとしよう」


そう言うと、十臓は後方へ飛び退り、そのまま姿を消した。

一体、何だったんだろう・・・



Side 仮面ライダーディケイド





「さて、そろそろお片づけを始めるとするか」

「そうだな。 トライバル・エンドのお遊びに付き合うのも馬鹿らしいしな」


俺の言葉にトライバル・エンドと戦いながらこっちに来ていた天道が俺の言葉に同意した。



「貴様ら、どこまでわたしをこけにすれば気が済むんだ・・・」

「おいおい。 本性が出てるぜ」

「まったくだな。 見苦しいな」


俺達の言葉にトライバル・エンドの身体が震える。

たぶん、キレてるんだろうな・・・



「そんなのそいつが悪いに決まってるじゃないですか。 だって、そんながらくたロボットを堂々と持ってきて自慢してるんだもの」

「まぁ、蒼凪の言う通りだな。 ただ、こちらの能力を学習するだけのロボットなど何の役に立つと言うんだ?」

「言いたい放題言ってくれますねぇ・・・ でしたら、そのがらくたであなた方を始末してあげましょう・・・」


トライバル・エンドはそう言うとロボット達を俺達に差し向けてくる。

俺達はそのロボット達を迎え撃っていく。



『FAIZ  KAMENRIDE BLASTER』


俺はケータッチのパネルに浮かび上がっているファイズの紋章をタッチしてファイズ・ブラスターフォームを呼び出した。

そして、左腰に装着しているライドブッカ―からファイズのファイナルアタックライドのカードを取り出して、それを右腰のディケイドライバーに装填していく。



「行くぜ、お前ら!!」

「おう!」「はい!」「あぁ」


そして、俺はディケイドライバーを軽く叩くことでファイナルアタックライドを発動させる。



『FINALATTACKRIDE FA FA FA FAIZ』


ファイズ・ブラスターフォームの力を引き出した俺は目の前にいる目の前にいるロボット達に向けてその力を解き放っていく。

天道はクロックアップで接近してカブトクナイガン・クナイモードで斬り裂いていた。

ちなみに説明くさいとかツッコミは受けつけないからな・・・



「誰に話してるんですか?」

「気にすんなよ・・・ 独り言だからよ」


俺の独り言に合流してきた恭文がツッコんできやがった。

まぁ、気にする必要はねぇな・・・



Side 蒼凪恭文





さぁて・・・

そろそろ決めるよ、アルト!



《言われなくても分かってますよ、マスター。 スバルさんとの模擬戦を台無しにしてくれたあのロボットをスクラップにしてやりましょう》

「うん、そうだね。 鉄輝・・・」


僕は意識を集中させ、目の前にいる3体のロボットを見据える。

斬ろうと思って斬れないものなんて何もない。

それを証明してあげるよ。



「一閃!!」


僕はその言葉とともにロボット達に突っ込んでいく。

アルトの刀身に青い魔力の刃を打ち上げてからロボット達を斬り裂いていく。



「まっ、こんなものかな」

《そうですね。 ですが、少し見せすぎでは?》

「大丈夫でしょ。 スバルとの模擬戦をもう少し遅らせればいいんじゃないのかな」


僕はとりあえず全てが終わってからアルトと軽口を叩きあった。

そこへ別の所でロボットの対処をしていたスバル達が戻ってきた。



「さぁ、あんたの企みも終わったんじゃない?」

「そうですね・・・ しかし、今日はイノケンティウスの起動テストのようなもの・・・ 彼らもまだまだ調整が必要なようだ・・・」


天道さん達から聞かされていたトライバル・エンドっていう奴が目の前で負け惜しみを言っていた。

てか、どんだけ三流の悪役ぶりなのさ・・・



「まぁ、いいでしょう・・・ わたしにはまだまだ手札がある・・・ じっくりあなた方とのゲームを楽しむと・・・」

《Stinger Rey》


僕の発動した青い光弾がトライバル・エンドを黙らせた。

すると、何も言わずにトライバル・エンドが消えた。



「みんな、大丈夫だった?」

「もちろんよ。 それにしても、あんたって結構凄いのね・・・」


何を言っているのやらみんなの方が凄いでしょうが・・・



「それよりもスバル、模擬戦どうするのさ?」

「また今度やればいいんじゃないかな? さっきので恭文が強いって分かったし」

「甘いね、スバル。 僕の強さはこんなものじゃないよ。 今度の模擬戦で披露してあげるから楽しみにしててよ」

「うん!!」


スバルの笑顔はとても眩しかったと思う。


初日からこんな調子で僕の起動六課での日々はどうなるのさ!?



あとがき


かえで「皆さん、どうもですよ〜 氷室かえでです! キラッ!!」

トライデント《本編にも出てきてねぇのにぶっちゃけすぎだろ? あっ、トライデントだぜ》


(ゴモラのぬいぐるみからヴァージョンアップしてソフビ人形になりました)


トライデント《でも、しっぽも手もめちゃくちゃ動くぜ。 それにしても、結局スバルと恭文の模擬戦は邪魔されちまったな》

かえで「だよね。 そこで今日のゲストは『とまと』の主人公? 蒼凪恭文くんです」

恭文「えっと、蒼凪恭文です。 っていうか、「?」って何!? 「?」って!! あっ、大事な事なのでニ回言いました」

トライデント《そりゃ、『とまと』の主人公はアルト姐さんだからだろ》


(ゴモラ、ブースの陰に隠れているノロイウサギにビビっている模様)


かえで「まぁ、細かい事は置いといて、話を進めようよ」

トライデント《だな。 今回は恭文が腑破十臓とのバトルフラグを立てる回だったよな》

恭文「だね。 スバルとの模擬戦はお面野郎に邪魔されるしさぁ」


(古き鉄、やっぱりスバルとの模擬戦を楽しみにしていた模様)


かえで「でも、恭文くんと十臓が戦ったら凄い事になりそうだよね?」

トライデント《想像しやすいなぁ・・・ けど、負けねぇんだろうけどよ》

恭文「まぁね。 で、今後の予定はどんな感じなのさ?」

かえで「そうだねぇ。 ひらひらのテンションがいろいろあって微妙だったけど復活したから大丈夫でしょ」


(かえで、話をそらすなよ・・・)


トライデント《とりあえず、これからの数回は日常編だな。 それと、今決定してることと言えば、『スーパーヒーロー作戦 NEW MISSION』から仮面ライダーイヴが参戦する予定だな》

恭文「仮面ライダーイヴってひらひらさんの小説のライダーだよね? 何で、そいつが参戦することになるのさ??」

かえで「それは見てのお楽しみだよ。 というわけで、そろそろ締めますか?」

トライデント《そうだな。 じゃあ、また次回までバッハハハイ》



次回予告



さて、次の『とある魔導師と機動六課とガイアセイバーズの日常』は!



恭文が機動六課に来てから1日経ち、ガイアセイバーズと機動六課の面々はその日常に慣れていた。

スバル達もそんな日常の中で恭文との友情を深めていた。

そして、スバルと恭文の模擬戦の再戦がその日に行われることになった。


次回、『とある魔導師と機動六課とガイアセイバーズの日常 第4話 本気と全力は明らかに違うと思いますよ、先輩 by レイセン・ハーミック』にテイクオフ!!




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