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アスカSIDE:第三話『レベルが高い。この言葉が此処まで重い、というか責任がある言葉とは思いもしませんでした』



M A G I C A L G I R L LY R I C A L N A N O H A

S t r I k e r S IF

Nobody Knows

第三話『レベルが高い。この言葉が此処まで重い、というか責任がある言葉とは思いもしませんでした』


鍋パーティから数日後、僕『アスカ・ヒビノ』は管理局の検査施設に来ていた

一応魔力資質の検査―とは言っているがシグナムさん曰く


『ヒビノの魔力資質・・・私の見積もりではあるが高町と同じ位はあるのではないか?』


だそうで


なんという宇宙人クオリティ


元々凄かったのか、それとも体の中にぶち込まれた“黒いアレ”が原因か・・・こう言うと何故か嫌悪感が湧くなぁ・・・


「では、此処に仰向けになって下さいね〜。あっ私マリエル・アテンザと言います」


看護士?のマリエルさんの指示に従いベッドに寝そべる

すると、地球で言う・・・MRIといっただろうか?

それと似た、ドーナツ状の機械が体の上を通過してゆく


「・・・・・嘘でしょ?」


傍に立ちコンソールを眺めるマリエルさんの口からそんな言葉が漏れた


それは良い意味での嘘でしょ?なのか。それとも悪い意味での嘘でしょ?なのか・・・・

てゆうか僕の似非リンカーコアって真っ黒なアレでしょ?大丈夫なのか?色々と


「どないしたん?マリー」

「いや・・・・・コレ見てくださいよ・・・」

「おぉう!?SSランクかいな!」

「いや、それもそうなんですけど・・・・このリンカーコア、おかしいんです」

「どこがや?」


ダブルSランクって・・・僕が?


カチカチ、とキーを警戒に打つマリエルさん

画面が切り替わり、ピロリーンと音が鳴ったと思うとはやての表情が変わる


「なっ・・・え〜ちょ、まっ、嘘やろ?」

「そんなこと言われても・・・・見ての通りです・・・。」


・・・・ヤバイ空気ムンムンなんですけど・・・・

原因は大方想像つくけどさぁ・・・


はやてside


どうなってるんや・・・なんやこのリンカーコアは!?

コアが半物質化しとる・・・!


物質化しとるリンカーコア・・・上層部に知れたら間違い無く研究施設行きやな

(面白そうやし)元々足元に置いとく予定やったけど・・・こうなったら尚更足元に置いとかんとアカンな

六課の魔力制限はとっくにギリギリ・・・リミッター掛けてかな〜り誤魔化すしかあらへんか・・・

アスカ君には窮屈な思いさせるかもしれへんけど・・・研究所で材料扱いされるよりずっと良え筈や


「アスカ君、君のリンカーコアの測定結果を伝えるわ」

「あっ・・はい」

「アスカ君のリンカーコア総魔力量は約570万、瞬間最大出力は約100万、として加速Sに収束技能B。

結果として、総合魔力ランクはSSランクや」

「SSランクっていうと・・・どれ位なんですか?」

「そうやなぁ・・・・管理局武装隊全体の5〜10%?」

「マジですか・・・」

「大体そんなもんや」


ホンマに大体やけどな


「ところで・・・アスカ君はでやりたい事って・・・あるんか?」

「やりたい事・・ですか?」

「そや。もし、アスカ君が特に無いって言うんなら・・・今度作る私の部隊に来いひんか?」

「は?部隊?」

「今度新設する部隊や、まだ仮称やけど古代遺失物管理部機動六課って言うんよ」

「う〜ん・・・・」


一応誘っては見たけど・・・最終的には本人の意思や

行きたい部署があるんならそこで良えし

管理局から補助を受けてミッドで魔法とは無縁で生きるも良し

でも・・・それは安全であると同時に危険や

いつ管理局が情報を聞きつけてアスカ君を連行するか分からへん


「じゃあ・・・六課でお願いします」

「・・・・へ?」

「いや、だから六課へ・・・」

「良えんか?そんなにスパッと決めてもうて・・」

「いや、まぁ何というか・・・知らない世界に来て不安、と言うのもありますし。

それなら、何となく知っている人の所の方がいいというか・・・

何となくですけど、八神さんって悪い人の気がしないんです。」


その言葉を聞いて思わず笑みが零れる。


・・・そこまで信頼されてるんやったら、その信頼に答えてやらんとな!


「・・・そっか!じゃあ・・六課が設立されるまでまだ時間があるし。暫くはどっかの部署で研修や。」

「研修・・ですか?」

「そや♪今、シグナムが首都航空隊で働いとる、そこで研修や。しっかり学んできぃや!

あっそれと普段はザフィーラに格闘技術でも習っとき。あって損するモンや無いし。」

「えっ・・あ、どうも」

「それから手続きもせなアカンな!これから忙しくなるでアスカ君!」

「あの・・・もういいや」


最後に何かボソッと言ったけど気にしない!

先ずはクロノ君とレティ提督に連絡やな!



アスカside



その後の数日間


先ず本局の人事課へと赴き入局の手続き・・・というか契約をした

大まかな内容が『出身世界の発見までの限定期間内での雇用』というもの

本当はもっと細かいのだが此処では割愛させて頂く

ついでに言うと、六課への無理な編入の為に魔力リミッターをかけた、かなり無理矢理。

SSからAってなにさ、流石は豆だぬk・・・あっ耳を!耳を抓まないで!


一日置いて地上本部の首都航空隊第14部隊の隊舎へ行き、そこの隊長さんとお話


顔が目茶苦茶厳つくて凄く恐かったんですけど・・・良い人だったけどさ

あの顔でとても器用に書類仕事するもんだから、違和感たっぷりでしたよ

隣のシグナムさんは家で見せる“お父さん”っぷりは見せることなく、自分の主と部隊長の前という事もあってか

少々顔が強張っている様に見えた


「では、責任もって預からせてもらう。なぁに心配する事ぁねぇよぅ。此処にはシグナムだっているし、

他の面子も気さくな連中ばかりだぁ。辛い事もあるだろうがぁ、その時は何時でも言ってくれぃ、相談くらいには乗ってやろぅ。」

「あ・・はい。どうも。」


と、やたらと心強い言葉を若本ヴォイスで仰いましたこの部隊長

因みに名前はグラン・ヴァンガード一等空佐。やっぱり厳つくて強そうな名前なのよね

見た目だけだとまんまバルバトスで初見吹いたじゃないのさ。


「シグナム、何か言う事ぁあるか?」

「あっ、いえ。特には・・・まあそんなに気負うなヒビノ。気楽にしていろ」

「はい・・」


それからはとても忙しかった


真新しい局の制服に袖を通してはやて達と共に通勤し、英語紛いのミッド語に戸惑い

慣れない投影式のコンソールを打ち、簡易ストレージデバイスを用いての魔法訓練

ヴォルケンズとの愉快な修行・・・


兎に角大変だった

でも人間やれば出来るモノで、ミッドに来てから2ヶ月たった今はもうミッド語はペラペラ・・・

とはいかずとも業務と日常生活に支障が無い位には話せるぜ!

(翻訳魔法があると聞いたのは習得した後だった。悪い狸は懲らしめておいた。)


そして、なんと!マイデバイスを手に入れた!

名前は北欧神話から引用してティルフィング。槍剣に変化するインテリジェントデバイスだ

ただ、無料でデバイスを支給する代わりにこのデバイスは試験的技術の塊だったりする


一つ目は新式カートリッジシステムの『CVK-587M』

デバイスカートリッジ初のドラムマガジンだ

通常のカートリッジよりも小さめのカートリッジを大量に搭載しており、連続使用時の肉体やコアに対する負荷の軽減と

カートリッジの大量搭載による魔法行使においての応用力の強化等を考慮して作られた物だ

大きさはレイジングハート・エクセリオンの物と同程度で形は楕円形のボックス


もう一つはストレージデバイスの『I A M-555 ファイズ』

アクセルシューターやフォトンランサーの様に“魔法を行使する”としての魔力弾ではなく

“機械的に魔力弾、魔力砲を発射する”という新概念を持った装置で、その感覚はまるで銃器の様だった

これ等の装置は全てティルフィングに装備されている


でもカートリッジ含め、これ等はまだ完成していないそうで、渡されるのは六課が設立された後になるそうだ


そしてティルフィングのメイン兵装である魔力刃

形はバルディッシュ・アサルトのザンバーフォームを捩った様な形だ

しかし、大きさは大型なザンバーとは違いかなりの小型で小回りが効く様に設計されている

柄は長くて刃は小さめ、使い方は両手、若しくは片手で回転させて連続で切りつけたり

体を回転させて遠心力に任せて自分の周囲にいる敵を切りつける等の多種多様な戦い方が出来る設計だ


更に自分とヴォルケンリッターの皆(+シャーリー)で考案、構築したオリジナル魔法の数々

それが『マスタースパーク』『スターダストレヴァリエ』と『セブンスカッター』だ。


マスタースパークは言わずもがなで只の魔力砲

スターダストレヴァリエは自分の周囲に魔力スフィアを複数形成し、そこからスフィアの魔力が尽きるまで魔力弾を撃ち出すというものである、我ながら恐ろしい物を作ったもので、練習用の的(かなり硬い)を文字通り蜂の巣にしてしまった。


・・・名前がパクリ?気にしない!


セブンスカッターはフェイトさんのサンダースマッシャーを参考に構成させてもらった魔法で、連続で七つの誘導性有りの魔力刃を飛ばす魔法だ、マルチタスクを使ってそれぞれ違う方向から魔力刃を敵に殺到させる。

ここら辺のパクリ技はファイズが完成してから本格的に使う事になりそうだ


そして実はもう一つ・・・そう、『ボルテッカ』だ

計200個程の魔力弾を一定の空間内で往復させて敵を際限なくフルボッコする空間殲滅魔法に仕上げてある

更に指向性を持たせる事が可能で、かめ○め波が如く前面に打ち出すことが出来る

魔力消費と負荷が半端ないのでそうそう使う気にはなれないが。

更に言うと“本来”のボルテッカも使えるのだが・・・コレばっかりは黙っておく。


以前は運動らしい運動もしなかった僕


だが、しかし!


今は違うのですよ!毎日シグナムさんやザフィーラさんにヴィータと稽古しているからなぁ!(血涙

ザフィーラさんとは近接戦闘における格闘戦、シグナムさんは言わずもがなで剣技

ヴィータには空中における三次元戦闘と迎撃魔法の修練

偶にだがなのはさんやフェイトさんには空間制圧技能の訓練をして貰っている


そして今日も、こうして訓練に勤しんでいた


首都航空隊第14部隊隊舎の中庭 


「ヒビノ!まだ動きが荒いぞ!軸足を使え!」

「・・っはい!」


カンカン と景気良く木刀の音が響く


相手はシグナムさんだ

何時も昼休み等の空いた時間を使って僕に稽古を付けてくれている

結構激し動くので、動くたびに胸の辺りにある脂肪の塊がたゆんたゆんと揺れるのだが気にしない

したら殺されるかもだし、ていうか殺されるし

その後はやてにも色々言われて非常に厄介なのだ


しかし、神様は僕のことが嫌いらしい

いや、嬉しくなかったと言ったら嘘になるけど。それでも痛いのは嫌なんです。


「そろそろ時間か・・・この一本で終わりにするぞ」

「はい!お願いします!」


ダンッ!

大地を蹴り、に向かって一直線に走ってゆく


カァンッ!


一閃


僕の槍とシグナムさんの木刀が交差する

そして、締めの一撃を繰り出す為に大きく一歩を踏み出した、その時―事件は起こった


ツルッ(前日の雨で出来た泥濘で滑る音)


ダッダンッ(バランスを崩してたたらを踏む音)


むにゅん(漢の夢に顔を埋める音)


「・・・・・?」


やーらかい

やーらかい二つの膨らみが、僕の顔の前にあった


「・・・・(ガクガクブルブル)」


最初は何が起こったのか良く分からなかった

そして現在の状況を理解し、恐る恐る顔を持ち上げる。

姿勢を直し、目の前に居るシグナムさんに視線を向ける


「ヒビノ・・・」

「ハイ・・・・・・ナンデショウ」

「油断は戦場では命取りだ。しかし、お前はまだまだ未熟なのだから、足元の泥濘に気付かなかったのも許す事が出来る。でもな」


目の前には般若がいらっしゃいました


「少し、アタマを冷やせ」


メメタァ!


ニギャー!


なんだか愉快な音と幼い少年の悲鳴が隊舎に響いたという






第三話『レベルが高い。この言葉が此処まで重い、というか責任がある言葉とは思いもしませんでした』END





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あきゅろす。
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