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頂き物の小説
第5話『打ち砕く拳、現れるディエンド』










恭文「それじゃ、今回は僕が・・・」


アルト≪これまでのとある魔導師達と仮面の英雄の物語はっ!!≫


恭文「なんでアルトが先に言うかなっ!?」


『2人とも、お帰りなさいっ!!』


「・・・・・・失礼ですわね、私はここにちゃあんと存在しているというのに・・・・・・」


「【【【我ら、夜天の王に仕えし騎士、ヴォルケンリッター。今一つとなりて、主の敵を打ち砕かんっ!!】】】」


「・・・・・・フェイトから・・・・・・離れろぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!!!!!!」


「・・・・・・そう、我らが宿敵『仮面ライダー』と・・・・・・似ているとは思わんか?」




ヴィヴィオ「・・・ねぇ・・・恭文とアルトアイゼン、喧嘩してるけどいいの?」


ジン「・・・喧嘩するほど仲がいいって言うだろ?ヴィヴィオはあっちでなのはママ達とお菓子でも食べておいで。」


ヴィヴィオ「は〜い♪」


恭文&アルト「≪え、スルー(ですか)!?≫」






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆












「・・・・・・詳しく話を聞かせてもらおう・・・・・・その前に、貴様は・・・・・・何者だ?」


私の問いかけに、その男は不敵な笑みを浮かべると・・・・・・まるで銃で狙いをつけるように私を指差した。










「・・・通りすがりの・・・仮面ライダーってところかな?」










「・・・仮面ライダーだと?いったいなんだそれは。」


「まぁ、この世界には『仮面ライダー』は存在しないはずだから知らなくても当然さ・・・それより、ここで話をするのはまずいから・・・さっさと移動しよう。」


その言葉と共に、私と目の前の男を銀色のオーロラが包み込み、私は思わず目を閉じる・・・






・・・私が目を開くと、そこは今まで居た独房ではなく・・・どこかの研究施設のようだった・・・これは、転移魔法の一種か?しかし、私は脱獄した事になるのだな・・・フェイトお嬢様に知られると、叱られそうだな・・・










「遅かったわね、トーレ。」










そして、研究施設の奥から、私のよく知った人物が現れる・・・ウーノ姉様!?どうしてここに・・・





「愚問よトーレ。ドクターに危険が迫っているのなら、それを排除するだけよ・・・もっとも、今集まっているのは2人だけど・・・」


「・・・・・・まぁ、人数は少ないほうが動きやすいしね。それじゃ、スカリエッティを助けるための準備をしようか。」


そういうと、男はどこかへ行こうとする・・・待てっ!!






「何の用かな?今はやらなきゃいけない事が他にもたくさんあるんだけど?・・・あ、説明は彼女から聞いてね。2度も説明するのは面倒だからね・・・」






「なんとも無責任だな・・・それはそうと、貴様の名前を聞いていないのでな・・・・・・」










その私の質問に男は眼を見開くと、先ほどと同じような笑みを浮かべて、右手の人差し指を私に向けた。











「・・・・・・海東大樹、よろしく。」












―――――――――少女が手にした力、ディケイド。英雄の魂を感じとり、その瞳は何を見る―――――――――



『とある魔導師と機動六課の日常・外典』×『仮面ライダーディケイド』 クロス小説



とある魔導師達と仮面の英雄達の物語













第5話『打ち砕く拳、現れるディエンド』














◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




・・・・・・ふぅ・・・・・・だりぃな・・・・・・



珍しく休暇をもらった俺は、部屋でごろごろしている・・・いや、ここんところ怪人達との戦闘や模擬戦で忙しいんだって。



「・・・そうよねぇ・・・アンタ、何かと訓練に引っ張り出されるもんね・・・でも、おかげであの・・・バーニングフォームだっけ?制御はできるようになったんでしょ?」


「・・・まぁな・・・」





・・・・・・いや、ヤスフミとか、シグナムさんのドガバキもといヴォルケンフォームとか・・・そんなのばっか相手にしてたら、バーニングフォームにも慣れてきますって。


というか、模擬戦でそこまでやらないでほしい。モモタロス達は参加してくるけど相手は俺だし、シオンは笑顔で毒はいてくるし・・・俺の苦労が半端じゃねぇ・・・






・・・ちなみに、ティアナは今、俺に膝枕をしている・・・せっかくなので2人でどこかへ出かけようとも思ったんだが・・・今日は俺の家でまったりと過ごしている。こんな日もたまにはいいな。



「別に無理しなくてもいいわよ?・・・それに、私がこうしていたいんだし・・・」


「・・・・・・やべぇ。ティアナが普段より10倍可愛く見える・・・・・・」


「・・・ちょっと、10倍って何よ?普段の私はそんなに可愛く見えないっての?」


「いや、普段も可愛いぞ?ただ、今日はさらに可愛く見えるってだけだ。」


「・・・ほ、褒めたって何もでないわよ!?」




・・・・・・なんというか、ここんところデートとかも行ってないんであれかなぁと思ったんだが・・・・・・デレたティアナの破壊力はヤバイ。その顔を赤らめてそっぽを向くしぐさも・・・・・・




「・・・ティアナ・・・」


「何・・・!?・・・・・・もう、びっくりするじゃない。」


「いいだろ別に?」




・・・あまりにもティアナが可愛いので、俺は身体を起こすと不意打ちでキスをしてみた・・・つか、はたから見たら俺達もバカップルだよなぁ・・・まぁ、六課内ではあまりこんな事しないけど。


「・・・それじゃ、今日のお昼は私がつくるわ。」


「お、頼むな。」












≪・・・クロスミラージュ・・・・・・思わず砂糖を吐きたくならないか?≫


≪・・・いえ・・・あの2人にくらべたら、まだSirと彼のふれあいはマシでしょう・・・・・・なにより、一応ですがバカップルの自覚もあるわけですし・・・・・・≫


≪・・・・・・それもそうだな・・・・・・≫




・・・・・・うん、バルゴラとクロスミラージュがなんか言ってるけど気にしないでおこう。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆












「・・・へぇ・・・ユーノ先生、遺跡の調査に行くんだ。よく休み取れたね?」


「にゃはは・・・ユーノ君、たまには休み取れってアルフさんに追い出されたんだって。それで、ある程度調査が終わったら六課に顔を出すって。」



・・・僕となのはは、そんな雑談を交わしながら業務を行っていた・・・今日はジンとティアナ、それにスバルがお休みを取っている・・・まぁ、ティアナはフェイトが居ない分書類を片付けていたし、ジンもその手伝いをしていたみたいだけど・・・なんでスバルまで休むかね?




≪・・・ところで、あなたはユーノさんとどこかに出かけたりしないんですか?≫




あ、アルトがいい質問したなぁ・・・ユーノ先生、この前会った時の作戦を実行するチャンスじゃないか。




「えーとね・・・確かに食事とか行かないかって言われたんだけど・・・」




おぉっ!?ユーノ先生もやるなぁ・・・これで、少しは関係が改善・・・




「・・・・・・でも、ヴィヴィオの事や最近の出動の件もあるし、ユーノ君にはゆっくりしてもらいたいから・・・・・・断っちゃった。」


≪私は行くように進めたのですがね・・・まったく、困ったものです。≫




・・・・・・・この魔王がっ!!何ユーノ先生のなけなしの勇気を打ち砕いちゃってるのさ!?




「・・・なのは・・・ヴィヴィオは僕やフェイトが面倒見るし、出動の件もヒロさんとか暴れたりない人がいるから・・・さっさとユーノ先生に連絡とれっ!!それも今すぐにっ!!」


「えぇっ!?で、でも・・・ユーノ君にはしっかり休んでもらいたいし・・・それに、今はユーノ君仕事中だし・・・」


「いいからっ!!そもそも、こんな機会は(ユーノ先生にとって)めったに無いんだから喜んで受けるのが常識でしょうが!!ほら、さっさと行くっ!!」


「わ、分かったよ・・・それと、私は魔王じゃないからねっ!?」




そう言うと、なのははユーノ先生に連絡を取りに席を離れる・・・まったくあの横馬は・・・




≪・・・しかし、これでユーノさんにもチャンスが巡ってくるといいんですが・・・≫


「ふむ、スクライアも苦労しているのだな・・・」


「そうですよ。大体・・・って、シグナムさん!?」




気が付くと、僕の後ろにシグナムさんが立っている・・・ちなみに、いつから居たんですか?




「ん?ちょうどスクライアの話が出てきた頃からだ。それより蒼凪、ちょうど暇なのでな・・・模擬戦をするぞ。」



・・・・・・いきなりこの人は何を言い出した!?というか、僕はまだ仕事残っているんですけど!?



「・・・ちょっと待ってください・・・僕はやらなきゃいけない事がですね・・・というか、仕事はどうしたんですか!?」


「ふっ、そんなものはさっさと終わらせた。とにかく、さっさと行くぞ。」


そう言うとシグナムさんは僕の首根っこをひっ捕まえて訓練スペースへと向かう・・・だ、誰か助けてぇぇぇぇぇ!?




「お待たせ・・・ってあれ?恭文君、どこ行っちゃったんだろう?」


「なぁなのは〜、シグナムの奴見なかったかぁ?」


「うぅん?どうかしたの、ヴィータちゃん?」


「いやさ、アイツやけに早く仕事を終わらせたから何があったのかなぁって・・・」


「そういえば、ヴィータちゃんは恭文君見なかった?さっきまでここにいたんだけど・・・」


「いや、見てないけど・・・・・・」


「「・・・・・・ま、まさか・・・・・・」」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








「はああぁぁぁぁっっ!!」



・・・僕は今、自主的に訓練を行っている・・・今のままじゃ力が足りない・・・



・・・もっと・・・もっと強くなるんだ!!






「・・・・・・てぃっ!!」



ポカッ!!




「あいたっ!?」




すると、突然何かで頭をはたかれる・・・僕が涙目になりながら後ろを振り向くと、そこには金剛を握り締めたサリエルさんが立っていた。




「・・・サリエルさん・・・何か用ですか?」


「いや、がむしゃらに訓練を行っている少年を見つけてなぁ・・・いきなりどうした?そんなに焦らなくても、少年は力をつけているぞ?」




「・・・・・・足りないですよ・・・・・・この前の戦闘じゃ、シグナム副隊長が来なければやられていたかもしれませんし・・・・・・僕は、もっと強くなりたいんです。」


・・・僕がもっと強くなれば、キャロやメイルさんを守ることが・・・・・・


「てぃっ。」


「いたっ!?・・・だから、どうして頭を叩くんですか!?」


「まったく・・・そんな事を思っているの、少年だけじゃないぞ?」



そういうと、サリエルさんは頭をかきながら後ろに視線を向ける・・・そこには、バリアジャケットを展開したキャロが居た。そして、キャロのバリアジャケットはより動きやすい格好になっている。



どうしてキャロが・・・・・・


「・・・キャロちゃんもこの前の戦闘でいろいろ思うところがあったらしくてな・・・俺に槍術の訓練をもっと行ってくれって頼みに来たんだよ。ちなみに、メイルはヒロと一緒に訓練中・・・・・・1人で背負い込むなよ?少年には、頼りになる仲間が居るじゃないか・・・」





そう言うと、サリエルさんは僕の頭をくしゃくしゃと撫でる・・・そして、キャロが僕の手を握ってくる。




「エリオ君・・・私も手伝うから、一緒に強くなろうよ・・・私だって、エリオ君や・・・皆の事を守りたいから。」


「キャロ・・・」




・・・そっか・・・強くなりたいのは・・・僕だけじゃなかったんだ・・・




「そういうこった。さて・・・ついでだ、少年の分も訓練みてやるよ。少年の動きもキャロちゃんにはいい見本になるし、一石二鳥だ。」


「・・・はいっ!!よろしくお願いします!!」


「エリオ君、一緒に頑張ろうね!!」





こうして、僕とキャロはサリエルさんに教わる事になった・・・・・・もっと、強くなろう・・・・・・1人じゃなくて、皆と一緒に・・・・・・









◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆










「・・・・・・はぁっ・・・・・・はぁっ・・・・・・」




・・・・・・・私はただ走る・・・・・・・追いかけてくる、アレから逃げるために・・・・・・・



「あっ!!」



けど、私はなにかに躓いて地面に転んでしまう・・・・・・身体を起こして後ろを振り向くと、そこには・・・・・・剣を振りかざした灰色のバケモノがいた。




「・・・イヤ・・・誰か・・・助けて・・・」



そんな私の願いもむなしく・・・・・・バケモノは、私の胸に剣を突き刺した。














イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイヤダイヤダシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイイヤダイヤダシニタクナイシニタクナイイタイイタイイタイイタイシニタクナイシニタクナイシニタクナイイタイイタイイタイイタイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイヨ・・・・・・




















・・・・・・シニタク・・・・・・ナイ・・・・・・


















「あ・・・あ・・・アアアアアアアアアああああああアアアアアアアアアああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ!!」


















・・・・・・・・・・・・ソシテ、ワタシノナカデナニカガメザメタ・・・・・・・・・・・・


















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




えっへへ〜♪やっぱりここのアイスはおいしいな〜♪・・・・・・って違う!!


今日は、良太郎さんにあげるお菓子の材料を買いに来たんだった・・・・・・あれから私だって少しは上達したんだからね!?・・・・・・その・・・・・・ちょっとは失敗しちゃうけど・・・・・・


さってと、何を作ろうかな〜?クッキーもいいし、ケーキは・・・あ、作っている間に食べちゃうかも。









「アアアアアアアアアああああああアアアアアアアアアああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ!!」







「・・・・・・マッハキャリバー!!」


≪声の位置を特定・・・相棒、ここからすぐそこの路地裏です。ナビゲートします。≫




私は、マッハキャリバーに道案内を任せると、声が聞こえた方向に走る・・・・・・











そこで目にしたのは・・・・・・胸を剣に貫かれている女の子と、馬のような印象を持つ、灰色の怪物だった。



そして、灰色の怪物はゆっくりと女の子から剣を引き抜く・・・・・・女の子の胸からは、赤い血が吹き出た。




「!!・・・うおおぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!」



私はバリアジャケットを纏うと、怪物に殴りかかる・・・・・・けど、その拳は簡単に避けられて・・・・・・怪物は銀色のオーロラの中に消えた。




「くっ!!逃げられたっ!!」


≪相棒、今は彼女を医療施設に連れて行く事が先です!!≫


マッハキャリバーの言葉に、沸騰していた頭が冷える・・・・・・私はとっさに女の子に駆け寄ると、女の子を抱きかかえた。


「待ってて・・・今すぐ病院に連れて行くからっ!!」


≪wing road≫






目の前に青い道が出来上がると、私は医療施設へと急ぐ・・・・・・絶対に・・・死なせない!!








◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








「・・・・・・これは・・・・・・ずいぶん面白い事態になったものだな・・・・・・」




青い道を駆け抜けていくハチマキをつけた少女の様子を、私はビルの屋上から眺めていた・・・そして、私の隣には・・・ハチマキの少女が抱えている少女を襲ったオルフェノク、「ホースオルフェノク」が佇んでいる・・・・・・




「・・・・・・これは、死神博士に連絡しておくか・・・・・・」




そして、私は白いマントを翻すと、銀色のオーロラの中へと入っていった・・・








◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




―第9無人世界 「グリューエン」軌道拘置所第1監房―


・・・・・・ふぅむ・・・・・・今日は外が騒がしいようだが・・・・・・なにか起きたようだね?




すると、通路の奥から奇妙な黒い服の集団が現れ・・・目の前のガラスを破壊した。




「おやおや、お客さんが来るとは・・・珍しい事もあるものだ。」


「はじめましてと言うべきだな、ジェイル・スカリエッティ・・・我が名は地獄大使。大ショッカーの大幹部だ・・・」




そして、その集団の奥から現れた三日月のような飾りをつけた黒い兜と鎧、そして赤い鞭を持った人物が私に向かって語りかける・・・




「・・・・・・それで?その大ショッカーとやらの大幹部が、この私に何か用かね?ごらんの通り、私は囚われの身なのだが・・・・・・」












「・・・・・・いや・・・・・・貴様は我々の障害になると我らの大首領が判断したのでな・・・・・・・その命をもらいに来たのだよ・・・・・・」




その言葉と共に、地獄大使と名乗った男は鞭を振り上げる。



「さらばだジェイル・スカリエッティ・・・我らが大ショッカーの礎となるがいい・・・」



そして、その鞭はゆっくりと私へ振り下ろされた・・・・・・









「IS発動・・・ライドインパルスッッ!!」








・・・・・・しかし、振り下ろされた鞭が私に当たる事はなかった。



「・・・やぁ、久しぶりだねトーレ。」


「まったく・・・少しは自分の身を心配してください。」












なぜなら、私の身体は・・・娘であるトーレに抱えられて、地獄大使達の後ろに居たのだから。


ちなみに、トーレの服装は私が作った全身スーツではなく、各部に装甲がついて、少しゆったりとした黒いスーツを身に着けていた・・・ふむ、なかなか丈夫な素材のようだね。





「貴様は・・・スカリエッティの戦闘機人!?別の場所に投獄されていたはずだ・・・なぜここに居る!?」










「僕が連れてきたのさ。」


「ドクター、ご無事ですか?」










地獄大使の疑問に答えたのは、私達の後ろにいつの間にか現れた青年・・・その右手には、銃のようなものが握られていた。そして、その後ろにはウーノも居る・・・




「やぁ、大ショッカーの皆さん。悪いけど、邪魔をさせてもらうよ。」


「貴様は・・・ディエンド!!」




青年は笑みを浮かべると、右手に持っていた銃にカードを装填し・・・銃身をスライドさせる。




≪---KAMENRIDE---≫




そして、青年は銃を頭上に向け、その引き金を引いた。




「変身っ!!」






≪---DIEND---≫






銃から放たれた光が紋章を象ると、青年の身体に赤、青、緑の光が重なり・・・・・・派手な水色と黒の鎧に身を包んだ戦士が現れる。そして、空中に浮かぶ紋章がカードとなってその頭部へと突き刺さり、水色の瞳が輝きを放つ。




「これは・・・・・・実に興味深い・・・・・・」


「・・・ドクター、彼が奴らをひきつけている間に離脱します・・・海東、お願いします。」


「分かったよ・・・それじゃ、どうぞ。」




その言葉と共に、私達の前に銀色のオーロラが現れ・・・私とウーノはその中へと入っていく。どうやら、トーレは残るようだ・・・・・・彼の戦いを間近で見れないのは残念だよ。








◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






「・・・なんとか、一命は取り留めました・・・」


「そ、そうですか・・・・・・よかったぁ・・・・・・」




全速力で女の子を医療施設へ運んだ私は、担当してくれたお医者さんの言葉に安堵する・・・本当によかったよぉ・・・








「・・・でも・・・もう少し遅かったら命の保障は出来ませんでしたね・・・心臓付近に致命傷がありましたから・・・素晴らしい回復魔法です。」




・・・・・・けど、そのお医者さんの言葉に私は戸惑った。回復魔法なんて私は使えないし・・・それに、致命傷が心臓付近って・・・?










「ああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!」














・・・その時、施設に悲鳴が響き渡る・・・私とお医者さんが一緒に悲鳴の方向に向かうと、そこには私が助けた女の子が看護士に押さえつけられていた所だった。



「いったい何が起きたんです!?」


「わかりませんっ!!目を覚ますと同時に、突然暴れだして・・・・・・うわっ!!」




女の子は凄まじい力で看護士を吹き飛ばすと、頭を抱え込む・・・まさか、さっきのがトラウマに!?




「君っ、大丈夫!?」




私がその子に駆け寄ってその顔を見ると・・・その子の顔に、灰色の文様が浮かび上がった・・・・・・え?




「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッ!!」




その悲鳴と共に私は病室の壁に叩きつけられる。うめきながらも私が女の子のほうを見ると、立ち上がった女の子の身体が灰色の怪物に姿を変える・・・・・・




「・・・まさか・・・そんなっ!?」




そして、灰色の怪物は病室の窓を突き破って外へと逃げる・・・私が急いで外を眺めると、既に怪物は姿を消していた・・・




・・・いったい・・・どういう事?








◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








・・・・・・やばい、すっごく疲れた・・・・・・




「ヤスフミ・・・大丈夫?」


「あ〜、ちょっときついかも・・・」




・・・・・・今まで僕が何やってたかって?シグナムさんと変身して模擬戦ですよ。つか、師匠とかシャマルさんとかザフィーラさんがフォームチェンジでユニゾンって反則だ。







≪・・・・・・何言ってるんですか。ラウズカードを使用できるあなたの方がチートですよ。まぁ、すぐガス欠になる点が問題ですが。≫




・・・・・・まぁ、アルトの言ってる事も正しいんだよね・・・・・・




僕が変身するブレイドはオリジナルとは違う点があって・・・・・・主な武装がブレイラウザーではなくアルトになっている。これは、大きな変化だ。




なぜかと言うと・・・ブレイド達の特殊能力の源であるラウズカードは、ラウザーに設定されているポイントを消費してその力を発動する。


当然、強い能力ほどよりポイントが減り、限られた中でカードの効果を組み合わせて戦う訳だが・・・・・・アルトにはそんなポイントがある訳がない。




じゃあ、どうやってカードの能力を得ているのかって?・・・・・・それは、僕の魔力からだと言う事がこの模擬戦で分かった。


オリジナルとは違い、使用したカードを連続で使えるのは有り難いけど・・・・・・その分魔力消費も大きい。




≪しかし・・・リインさんとのユニゾンはびっくりですよ。あなた、本当にどこまで行くんですか?≫


「・・・それは、僕が聞きたいよ・・・なんか、ますますチートって言われそう・・・」




・・・・・・ちなみに、物は試しと言う事でリインとユニゾンした状態で変身してみたんだけど・・・・・・結果は恐ろしい物だった。


やっぱりユニゾンした事でスペックが上がるのは分かるんだけど・・・・・・その上がり方が半端じゃない。


簡単に言えば、シグナムさんが師匠達とユニゾンしたヴォルケンフォームと・・・ノーマル状態で渡り合えるくらい。


ライトニングスラッシュなんて、スターライトブレード並みの威力を持っていたし・・・・・・何この厨二設定!?






あれでキングフォームにでもなったら・・・・・・ダメだ、考えたくない・・・・・・










「・・・確かに、アレはすごかったね・・・うん。」










・・・・・・・・あの・・・・・・フェイトさん?どうして僕を抱きしめるんでしょうか?




「だって・・・ちょっと嫉妬しちゃったんだもん・・・ヤスフミとリインの繋がりがとても強くて・・・」


≪・・・マスター、イチャイチャするなら部屋に行ってください。そして、私はスリープモードに入りますから、存分に楽しんで・・・≫


「んな訳あるかぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!?!?一応仕事中だよ僕ら!?あとフェイトも離れて!!その、イヤじゃないんだけど・・・今は自重して!?」




六課に戻ってきてから、グリフィスさんがうるさいんだよ!!『六課の風紀が乱れるから自重しろ。もう片方のカップルを少しは見習え、オンオフを上手く切り替えているから』とかなんとか!!




「えっと・・・そんなに私達、イチャイチャしているかな?」


「それは・・・僕にも分かんないけど・・・」


≪・・・自覚が無いって怖いですね。≫







“・・・恭文、聞こえる!?”






・・・・・・うん、今回はKYって言わないであげよう・・・・・・それで、何の用かなスバル?






そして、なんだか慌てた状態で念話してきたスバルから事情を聞いて・・・思わず頭を抱えた。





“・・・スバル、とにかく六課に来て・・・ヒロさん達と対策立てるから。”


“で、でも・・・”


“いいからっ!!スバルが闇雲に動くよりはこっちのほうが速いんだよっ!!”


“・・・分かった・・・”


「・・・ヤスフミ・・・どうかしたの?」




僕がスバルと念話を終えると、フェイトが不思議そうな顔で訊ねてくる・・・





「・・・ものすごく厄介な出来事が起きてるみたい。はやてに連絡して、皆で対策立てるよ。」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







「ジン、部隊長からの連絡・・・至急六課に集合って。」




ティアナの言葉で、俺のテンションはちょっとだけ下がる。マジかよ、今から2人で出かけようって時に・・・




「文句は言わないの。また休みにデートすればいいじゃない・・・という訳で、さっさと行くわよ。」


「そうだな・・・」





俺はヘルメットを被ると、自分のバイクに乗り込んでエンジンを噴かす・・・ティアナもヘルメットを被ると、俺の後ろに座る。




そして、俺とティアナを乗せたバイクは六課隊舎へと向かった・・・







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









「貴様ぁ・・・どこまで我々の邪魔をするつもりだ!?」


「さぁ?気が向くままにかな?」


そんな軽口を叩きながら、僕は左腰のホルダーから3枚のカードを取り出す。








「させるかっ!!行けぇっ、戦闘員達よ!!」


『イィィィッッッッッッ!!』




地獄大使の声によって、戦闘員達が襲ってくるけど・・・僕は軽々と避けていく・・・やっぱり、こいつら邪魔だな。スカリエッティの戦闘機人・・・たしか、トーレ・・・だったかな?彼女も手首や足から紫色のブレードを展開して戦うけど、どうも分が悪いね。




≪---KAMENRIDE---IXA---≫


≪---KAMENRIDE---OHJA---≫


≪---KAMENRIDE---KICK-HOPPER---≫




僕はカードをディエンドライバーに装填すると、戦闘員達に向けて引き金を引く。すると、銃口から3色の光が放たれて・・・3人の仮面ライダーが現れる。






「・・・その命・・・神に返しなさい!!」


・・・白い鎧に身を包み、胸に太陽を模した紋章を輝かせる「仮面ライダーイクサ」・・・




「祭りの場所はここか?・・・俺をもっと楽しませろ・・・」


・・・紫のどこか蛇を思わせる鎧に身を包み、その狂気をにじませる「仮面ライダー王蛇」・・・




「・・・お前ら・・・俺を笑ったな?いいぜ、もっと笑ってもらおう・・・」


・・・深緑の鎧に真紅の複眼を輝かせ、左脚にアンカージャッキを装着した「仮面ライダーキックホッパー」・・・





そして、3人のライダー達は戦闘員に踊りかかる・・・すると、戦闘員の何人かは、ファンガイアやオルフェノクに変化する・・・どうやら、ただの戦闘員じゃないみたいだね・・・さてと・・




「これで邪魔は入らないかな?・・・じゃあ、士の居場所を教えてもらおうか。」


「・・・なるほど・・・奴の奪還が貴様の目的か・・・」




そんな事を言う地獄大使に、僕はディエンドライバーの銃口を向ける。




「勘違いしないでほしいな・・・士がいないと張り合いが無いし・・・ついでに、君達大ショッカーが持っているお宝もいただくよ。」


「戯言を・・・よかろう、相手をしてやる・・・ただし、相手をするのはこいつらだがな・・・」




すると、地獄大使の周りに銀色のオーロラが現れて・・・カブトムシのようなファンガイア、「ビートルファンガイア」がその現れる。そして、地獄大使はその姿を消していた・・・まいったな、逃げられた・・・





「ガアアァァァァッッッッ!!」




・・・めんどくさいな・・・手がかりも無くなったし・・・




「・・・手助けは・・・必要か?」



すると、彼女が僕の近くに現れる・・・後ろを見ると、僕が召喚したライダー達が戦闘員を蹴散らしていくのが見える。



「1つ聞いていいかな?・・・スカリエッティか君のお姐さんに僕を手伝えとか命令されたのかな?」



けど、僕の質問に彼女はきょとんとした表情を浮かべると・・・笑みを浮かべた。



「いや、これは・・・私自身の意思だっ!!」



そして、彼女はビートルファンガイアへと殴りかかっていく・・・ビートルファンガイアも応戦するけど、彼女の動きについて来れない・・・


まったく・・・彼女は何を考えているのかな?まぁいいか・・・おかげでこっちも準備が出来る・・・



≪---ATTACKRIDE---INVISIBLE---≫



僕がカードを装填すると、僕の身体が透明になる・・・そして、僕は戦闘員達とビートルファンガイアが一直線に並ぶ場所へと移動すると、再びカードを取り出す。



≪---FINAL-ATTACKRIDE---DI-DI-DI-DIEND---≫



そのカードを装填すると、ディエンドライバーの銃口を中心にカード状のエネルギーが現れ、その中に召喚したライダー達が吸い込まれていく・・・そして、全員が直線上に並んだのを確認すると僕は引き金を引く。すると、ディエンドライバーから放たれたエネルギーが巨大な弾丸となって、戦闘員達を飲み込んでいった。




「・・・・・・まったく・・・・・・危うく私も巻き込まれる所だったぞ?」


「そう?でも、君なら避けられると思ったんだけど・・・それじゃ、僕達も戻ろうか。」


「お、おいっ!?」



隣に現れた彼女の問いかけをはぐらかすと、僕は彼女の背中を押しながら銀色のオーロラを通る・・・さて、これからどうしよっかな?







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







・・・・・・ビルの上から、私は街を眺める・・・・・・この街はとても綺麗で・・・・・・



ダカラコソコワシタクナル



「・・・まただ・・・」




・・・病院で目が覚めてから、わたしの中でナニカが囁いてくる・・・





ニンゲンヲオソエ、ソシテナカマヲフヤセ・・・オルフェノクトシテソノチカラヲトキハナテ・・・






・・・イヤだ・・・イヤだイヤだイヤイだ!!私は・・・どうなってしまうの?




「誰か・・・助けて・・・」




・・・・・・私の口から思わず言葉がもれるけど、その声は誰にも届かない・・・・・




その時目に入ったのは、青い髪の女性と黒い髪の男性が並んで歩いている様子・・・その仕草から、何かを探しているようだけど・・・




コワセ・・・コワセ・・・コワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセ!!




・・・・・・ダメ・・・・・・押さえきれない・・・・・・












コワシテシマエ!!




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「・・・ふむ・・・やはり、怪人体のオルフェノクだけではデータが足りんか・・・」




大ショッカーの前線基地に備え付けられた研究施設で、私は考え込む・・・各怪人の基本データは取り終えたが、どうも魔法に対する防御力が足りない・・・魔化魍は調整が不十分でまだ実践には向いておらず、不死であるはずのアンデッドは劣化して個体能力だけしか再現できなかった・・・やはり、オリジナルの実験体が必要だな・・・




『・・・死神博士、少々よろしいだろうか?』




・・・すると、私の目の前に空間モニターが現れる・・・そこに映し出されるのは、奇妙な赤い仮面と白いマントをつけた男・・・私や地獄大使と同じ、大幹部の1人・・・・・・






「・・・何の用だ、アポロガイスト。」




私の問いかけに、アポロガイストはうやうやしく礼をすると話を切り出した。




『なぁに、ちょっとした事だ・・・あなたからお借りした1体のオルフェノクが、『使徒再生』によってオルフェノクを作り出したのでね・・・どうしようかと思っていたのだ。』




そのアポロガイストの言葉に、私は眉をひそめる・・・ふむ、興味深いではあるが・・・




「・・・しかし、それならば私に連絡する必要はあるまい?貴様と私は一応立場は同等なのだからな・・・」


『いやいや、大ショッカーのブレインであるあなたなら、興味を持つと思ったから連絡したまでだ・・・それでは、私はこれで・・・』


「・・・いったい何だというのだ・・・」




・・・まったく、奴は何を考えているかわからんな・・・だが、『使徒再生』が行われるとは・・・・・・



「・・・ちょうどいい・・・魔化魍等のテストも兼ねて・・・そのオルフェノクを捕獲するとしよう・・・」







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








「・・・スバルちゃん・・・大丈夫?」


「・・・はい・・・」


スバルちゃんはそう返事するけど、その表情は暗い・・・やっぱり・・・ショックが大きいのかな・・・




今、僕とスバルちゃんは一緒にミッドチルダの市街を探索している・・・理由は、スバルちゃんが助けたっていう女の子を見つけるため。


スバルちゃんが助けた女の子は、恭文君達の話によれば・・・「使徒再生」って言う現象で、灰色の怪物・・・「オルフェノク」に変貌してしまったらしい。


スバルちゃんも僕もなんとか元に戻す方法が無いかを聞いた・・・でも、オルフェノクになった人間が元に戻る方法は・・・少なくとも、まともな方法では何ひとつ無い事が分かった。




『ともかく、今は一刻も早くその子を見つけるべきだね・・・オルフェノクの力に溺れて人間を襲うようになったら・・・その時は・・・覚悟しておいてね。』




そう言ったヒロリスさんの言葉はとても重くて・・・・・・そして、つらそうな目をしていた。








「・・・良太郎さん・・・私、どうしたらいいんでしょうか・・・あの子がもし人を襲っていたら・・・私は・・・・・・」



スバルちゃんの言葉に、僕はある人を思い出す・・・・・・大切な人を蘇らせる為に、時の運行を乱そうとしたあの人を・・・・・・僕も・・・幸太郎も・・・あの人を倒す事でしか止められなかった・・・その最後は愛する人と一緒に死者の時間に戻ったけれど・・・スバルちゃんには、あんな思いはさせたくないな・・・・・・






「ガアアアアアアアアアアアアッッッッッッ!!」


「!?スバルちゃん、危ない!!」


「えっ!?きゃあっ!!」






その時、空中から何かが襲い掛かってくる・・・僕はとっさに、スバルちゃんを突き飛ばす・・・そして目の前に現れたのは、女性的な体つきをしたオルフェノク・・・もしかして!!






「・・・スバルちゃん。」




「はい・・・あの子です!!」




スバルちゃんに僕は確認を取ると、ベルトを腰に巻きつける・・・










【よっしゃあっ!!俺の出番だな!!】


【ちょっと先輩!!あの子はおとなしくさせなきゃいけないんだから・・・良太郎、ここは僕の出番だよね?】


【・・・いや、ここは俺や。力が強い方がええからなぁ・・・】


【え〜!!良太郎、ここは僕だよねぇ?】


【いや、ここは私が・・・】








「・・・悪いけど皆。ここは僕だけでやるよ・・・」




『えぇっ!?』




みんなの驚きをよそに、僕はベルトにケータロスを装着してパスを取り出し・・・ベルトにかざした。






「変身。」


≪Liner form≫






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






「変身。」


≪Liner form≫




良太郎さんがベルトにパスをかざすと、その身体をアーマーが包み込んで、ライナーフォームに姿を変える・・・



私はまだ、彼女の姿を見て決心がついていなかった・・・この手で、彼女を殺さないといけないのかもしれない・・・そう思うと、身体が動かなくて・・・・・・



「スバルちゃん・・・スバルちゃんの手は・・・人を救う為の手だよ。」



ふと、良太郎さんが呟いた言葉が、私の耳にはいる・・・・・・でも・・・・・・



「・・・でも、そうなる為には・・・誰かを救いたい、そう思うスバルちゃんの心が必要だと思う。」


≪・・・彼の言うとおりです相棒。あなたの心が揺れていては、救える命も取りこぼしてしまいます。≫











・・・・・そっか・・・・・・そうだねっ!!











私は顔を思いっきりはたくと、良太郎さんの横に並び立つ・・・・・・確かに、殺さないといけない覚悟は持たないといけないかもしれない・・・・・・でも、それは最後の手段だ。



最後の最後まであがいて・・・・・・彼女を救う方法を、見つけてみせる!!



「ごめんなさい・・・あなたを救う為に・・・あなたを倒します!!マッハキャリバー、セットアップ!!」



私は青い光に包まれると、バリアジャケットを装着する・・・そして、彼女へと走り出した。



「はああぁぁぁぁっっっっ!!」



彼女に向かって拳を振るうけど、その拳は避けられる・・・でもっ!!



「えぇぇいっ!!」



デンガッシャーをウラタロスさんが使っている形態に組み替えた良太郎さんが、デンガッシャーの先から伸びた糸を彼女の身体に絡ませる・・・さっすが良太郎さん!!



【良太郎っ!!女の子を釣り上げる時はもっと優しく!!】


「そ、そんな事言ったって・・・およよぉぉぉっっっっ!?!?」


「りょ、良太郎さんっ!?」


すると、彼女は太腿から翼を生やして空へと舞い上がる・・・良太郎さんも引きずられているけれど、その手にはしっかりとデンガッシャーが握られている。だから、彼女も上手く飛べていない・・・


「スバルちゃん・・・いまだっ!!」


「分かりました!!ウィングロード!!」




私と彼女の間に空色の道が現れると、私はその上を走り出す・・・マッハキャリバー、いくよ!!



≪もちろんです相棒!!≫




そして、私は・・・彼女に聞こえるように、声を張り上げた。







「待ってて・・・絶対に助けるからっ!!」







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







・・・・・・真っ暗・・・・・・何も見えない・・・・・・ここはどこ・・・・・・?







コワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセコワセ






さっきから聞こえるのは、とても怖い声・・・・・・イヤだ・・・私は、何も壊したくなんて無いのに・・・・・・
















「待ってて・・・絶対に助けるからっ!!」














その時、今までとは違う声が聞こえてくる・・・・・・それは、とても優しい声・・・・・・




そして、真っ暗だった私の周りに、空色の光が差し込んでくる・・・その光は、とても温かくて・・・思わず、私の頬を・・・涙が濡らした。



「助けて・・・くれるの?」



私の問いかけに、その光は・・・頷いてくれた・・・そういう気がした。





「助けて・・・この暗い場所から、私を助けてっ!!」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








『タ・・・ス・・・ケ・・・テ・・・』




・・・・・・聴こえた・・・・・・彼女の声がっ!!


そして、彼女の動きが止まる・・・やっぱり、彼女も止めてほしいんだ・・・



「ディバイィィィィィン・・・」




私は左手に魔力を集めだすと、彼女に向けて構えてさらに加速する・・・・・・これが私の・・・・・・全力全開!!




「バスタァァァァァァッッッッッッ!!」




そして、右の拳をぶつける事で解き放たれた魔力が、彼女を包み込んでいく・・・・・・そして光が晴れると、そこには元の姿に戻った少女が・・・・・・って、危ないっ!!


地面に落ちそうになる女の子を、私は慌てて抱きかかえる・・・あ〜、びっくりした。



≪・・・どうやら、気絶しているようですね。≫


「そうみたい・・・でも、よかったぁ・・・」



私は女の子を抱えたまま、地面へと降りる・・・良太郎さんも、デンガッシャーを握り締めたまま私のところに駆け寄ってきた。


「スバルちゃん・・・やったね。」


「・・・はいっ!!」










「・・・・・・それでは、その子を渡してもらうとしよう・・・・・・」








・・・その時、銀色のオーロラが現れて・・・白いスーツに黒いマントを羽織った、長い白髪のおじいさんが現れる・・・その手に持った杖には、鳥の彫刻が彫られていて不思議だけど・・・どこか、怖い雰囲気を感じる。



「・・・スバルちゃん、後ろに下がって・・・」



すると、良太郎さんが私を庇うように前に立ちふさがる・・・その姿を見て、おじいさんは顔に笑みを浮かべた。



「・・・電王か・・・止めておけ。たった1人でこの『死神博士』に立ち向かう気か?」


「・・・死神・・・博士・・・?」


「・・・大ショッカーの・・・大幹部だよ・・・どうしてこんな所に・・・」



その良太郎さんの呟きに、死神博士は手に持った杖を、私の腕の中に居る女の子に向かって指した。



「その少女は・・・人から進化したオルフェノクの貴重なサンプルなのだよ・・・詳しく調べれば、より完全なオルフェノクを作り出す事が出来る・・・すぐに差し出せば、今は見逃してやろう・・・」







「・・・・・・ふざけるなっ!!この子は・・・実験台なんかじゃないっ!!」


「スバルちゃんの言う通りだ・・・この子を、渡す訳にはいかないっ!!」


「やはり交渉は決裂か・・・・・・ならば、力ずくで奪うとしよう・・・」



すると、死神博士の後ろに銀色のオーロラが現れ・・・巨大なクモのような怪物が2体と、その下にイマジンが現れる・・・な、何あのデカイのっ!?



「魔化魍とミラーモンスター・・・電王1人だけでは倒せまいっ!!」






「フリード・・・ブラストレイッ!!」




「クロスファイアー、シュゥゥゥトッッ!!」




その時、空中から炎とオレンジ色の魔力弾が降り注ぐ・・・これって・・・



「スバルッ!!」


「スバルさんっ!!」


「ティア、キャロッ!!」


聞こえる声に空を見上げると、フリードに乗ったティアとキャロが私達の所へ降りてくる。



「えぇい・・・あの少女を奪い取れっ!!」


「・・・させるかよっ!!」


「はああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」



死神博士の号令で、イマジン達が襲いかかろうとするけれど・・・サリエルさんとエリオがイマジン達を蹴散らす・・・でも、どうしてここに?



「モモタロスさん達から連絡があったんです・・・スバルさん達が、目標と接触したって・・・」


「・・・それで、あの黒マントは誰よ?」


「・・・死神博士・・・大ショッカーの大幹部らしいけど・・・」


「・・・ずいぶんまた大物が出てきたわね・・・」


「・・・死神博士ですか・・・ディスクとは違いますね・・・でも、悪の組織っぽいです・・・」



・・・キャロの呟きに顔を引きつらせつつ、私は抱えていた女の子をフリードの上に乗せる・・・



「・・・大丈夫・・・君は、絶対私達が守るから・・・」



私は女の子に話しかけながら頭を撫でると、エリオ達の横に並ぶ。そして、私は拳を握り締めると・・・怪物達に立ちふさがる。



「・・・いくら魔導師が集まろうと・・・ライダーが電王だけでは、勝ち目はあるまい?」










「へっ・・・確かに1人ならきついだろうな・・・・・・けど・・・・・・4人ならどうだ?」











死神博士の言葉に、サリエルさんが笑みを浮かべると・・・懐から3枚のカードを取り出して私とエリオに投げつける。


私が受け取ったカードには・・・金色の瞳に、赤いラインが目立つ仮面ライダーの姿が描かれている・・・これって・・・



「こっちに来る前に、デネブがオーナーから預かったって渡してくれたんだよ・・・ヒロの奴がえらく拗ねてたけどな・・・ま、さっさと終わらせようぜ?」


サリエルさんの言葉と共に、私達の手に握られていたカードが光を放つと・・・サリエルさんの手には、金色の音叉のようなものが、エリオは腰に銀色のベルトと、右手に黒い小さな箱が・・・そして私には、銀色で横にいろいろな機械がついたベルトと良太郎さんが持っている携帯電話に似たものが右手に握られる・・・・・・使い方は、なぜか頭の中に刻み込まれる・・・・・・よぉっし!!






・・・キィィィィィン・・・




サリエルさんが音叉を額に近づけると、音叉の彫刻が額に現れて・・・サリエルさんの身体を、紫色の炎が包む・・・






≪---5-5-5---STANDING-BY---≫



私は携帯電話にコードを打ち込むと『ENTER』と記されたキーを押して携帯電話をたたみ、頭上に掲げる。エリオは、黒い箱を一度正面に向けて、右腕を斜め前に伸ばす・・・





『変身っ!!』


「はぁっ!!」




≪---COMPLETE---≫




そして、掛け声と共に・・・私達の姿が変わった。



炎を振り払ったサリエルさんは、紫の身体に銀色の胸当て、そして頭は赤い装飾と銀色の角・・・昔、お父さんから聞いたことのある、地球の伝承に残っている『鬼』を思わせる姿に・・・





鏡のような残像が重なったエリオは、体格が大人のように変化して・・・赤いスーツに、黒と銀の鎧を纏い、仮面の奥に赤い瞳を輝かせる騎士に・・・





そして私は、黒いスーツに銀の鎧、全身に赤いラインが伸びて・・・その金色の瞳を輝かせる、どこか無機質な戦士に・・・・・・って、映像が流れ込んでくるんだけど、これどこから映しているんだろ?



「うっし・・・それじゃあスバルちゃん・・・あの馬鹿でかいクモ2匹は、俺と少年でやるから・・・スバルちゃんは、良太郎君とイマジン達を任せた!!行くぞ少年っ!!」


「はいっ!!」



そして、サリエルさんとエリオは2体のクモの怪物へと向かっていく・・・



“ティア・・・”


“分かっているわ。私とキャロは、この子を守り抜く・・・だから、こいつらを蹴散らしちゃいなさい!!”


“・・・うん!!”



「良太郎さん・・・」


「分かったよスバルちゃん・・・行くよっ!!」


「「はああああぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!」」






そして、私と良太郎さんは、イマジンの群れへと突撃していった。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「だりゃあぁぁぁぁっっっっ!!」



両手に持ったスティックの先端に炎が集まって剣のようになると、サリエルさんはクモの怪物の足を切り裂いていく・・・僕も、負けていられない!!



≪SWORDVENT≫



「はあああぁぁぁぁっっっっ!!」



もう1体のクモの怪物が口から吐く糸を避けながら、僕は右手に持った剣で切りかかる・・・けど、クモの頭部にあたる部分が奇妙な動きをしたかと思うと、そこから人型の上半身が現れて、僕の斬撃を受け止める・・・しまったっ!!



「エリオ君っ!?」


「少年っ!!」






キャロとサリエルさんの声が聞こえる中、僕はクモの怪物によってビルの壁に叩きつけられる・・・でも・・・まだだあぁぁぁぁっっっっ!!







≪ADVENT≫




「グオォォォォォォン!!」




僕が左腕の機械にカードを装填すると、ビルのガラスから赤い龍が現れ、クモの怪物に炎を浴びせる・・・その炎にクモの怪物が怯んでいる内に、僕はベルトから取り出したもう1枚のカードを、左腕の機械に装填した。




≪FINALVENT≫



「はあぁぁぁぁぁ・・・・・・」




クモの怪物から距離をとった赤い龍が僕の周囲を回転するのにあわせて、僕は力をためるように構えを取る・・・なんだろう、身体が勝手に動くや・・・




「音撃打・一気火勢の型ぁっ!!」




・・・サリエルさんも、もう1体のクモの怪物の上に飛び乗ると、バックルから円状の物体を取り出して怪物の体に貼り付け、手に持っていたスティックを振り下ろす・・・・・・その響きはまるで、音楽を奏でているようだった・・・・・・




「ライダァァァァァッッ、キィィィィッッッックッッ!!」



僕は空中に飛び上がってひねりを加えると、赤い龍が放った炎に包まれながら、クモの怪物に向けてキックを放つ!!





「はぁっ!!」




そして、僕が地面に着地するのと同時に、サリエルさんも両腕を振り下ろす。そして、2体のクモの怪物は跡形も無く爆散した。








◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




・・・エリオとサリエルさんはあの怪物を倒したんだ・・・なら、こっちもそろそろ終わらせる!!


私はベルトから仮面と同じデザインが施されたチップを抜き取ると、左腕のリストウォッチに装填されていた・・・デザインは一緒だけど、銀と赤色の装飾になっているチップをベルトに装填する。




≪---COMPLETE---≫


その音声と共に、胸部のアーマーが展開して肩を覆うように移動し、内部のメカがむき出しになる・・・そして、赤かったラインが銀色に、金色の瞳が真紅に染まる・・・だから、この映像はどっから見えるんだろう?



そんな事を考えながら、私は左腰に装着されていたカメラを取り出し、そのレンズ部にチップを装填する・・・するとカメラからグリップが展開され、ナックルガードみたいな形になる・・・私はそれを右手で握り締めると、ベルトの携帯電話を開き、ボタンを押す。



≪---EXCEED-CHARGE---≫




その音声と共に、銀色のラインを通りながら右手のナックルガードにエネルギーが流れ込む・・・そして、私はリストウォッチのボタンを押した。



≪---START-UP---≫


「はああぁぁぁっっっっ!!」


私が地面を蹴ると、イマジン達の動きが妙に遅く感じる・・・・・・違う・・・・・・私のほうが速いんだ・・・・・・


≪---9--8--7---≫


とにかく、私はイマジン達にその拳を振るう・・・私の攻撃を受けたイマジンは、赤い丸に斜線が入ったマークを身体に浮かべて爆発する・・・つぎぃぃっっ!!


≪---6--5--4---≫


≪---EXCEED-CHARGE---≫


私はナックルガードからチップを抜き取ると、今度は右腰のポインターを取り出してチップを装填して右脚に装着し、ボタンを押す・・・そして、空中に飛び上がると、赤い円錐状のエネルギーが、イマジン達に突き刺さる・・・


「たああぁぁぁっっ!!」


≪---3--2--1--REFORMATION---≫


円錐状のエネルギーを右脚に纏った私がキックを次々と放つと、イマジン達は次々と爆発していく・・・そして、胸部アーマーが元の形に戻る・・・ふぅ・・・


「スバル、上っ!!」


・・・突然聞こえたティアの声に上を向くと、残っていたイマジンが襲い掛かってくる・・・しまった!!




≪Full Charge≫




「ええぇぇぇいっっ!!」




・・・・・・その時、イマジンに向かってデンガッシャーが突き刺さり、4色の色に包まれたエネルギーがイマジンの動きを止める・・・






「えぇと・・・ライダー・・・キィィッックッ!!」






そして、イマジンに向かって、良太郎さんが飛び蹴りを放つと・・・イマジンは地面を転がり、爆発を起こした。




「スバルちゃん・・・大丈夫?」



「はい・・・ありがとうございます!!」



うぅ・・・今、変身しててよかったよぅ・・・多分、顔が真っ赤になってるや・・・良太郎さん、かっこいい・・・



【・・・まぁ・・・良太郎にしては、センスのある名前だったね。】


【せやな・・・これはジンや坊主に感謝やな・・・】


【次は僕もやりた〜いっ!!】


【よぉし・・・俺も、新しい必殺技を考えねぇとな・・・】



「皆、何言ってるの!?・・・でも、『電車蹴り』も捨てがたかったんだよね・・・」





『だから、センス無いって!!』






モモタロスさん達は、好き勝手な事言ってるや・・・でも、やっぱり良太郎さん達はこうでなくっちゃね?




「お、そっちも終わったようだな!!」


「2人とも、大丈夫ですか?」


「スバルー!!」


「エリオくーん!!」


すると、エリオとサリエルさん、ティアとキャロも私達のところに来る・・・・・・そして、私達は死神博士へと向き直った。



「さぁて・・・おとなしくお縄についてもらおうか?」




「ふむ・・・あれだけの軍勢を倒すとは・・・さすがに分が悪いようなのでな、今回は失礼させてもらおう・・・」



すると、死神博士の体は銀色のオーロラの中へと消えていく・・・逃がすもんかっ!!











・・・次はこうはいかんぞ?覚悟しておけ・・・











私は死神博士の後を追おうとしたけど・・・銀色のオーロラは次第に薄れていく・・・そして、死神博士の言葉だけがあたりに響いた・・・しまった、逃げられた・・・



「・・・スバル、今はこの子を連れて行くのが先よ・・・」


「・・・・・・分かった・・・・・・」




ティアの言葉に頷くと、私達は変身を解いて六課へと向かった。





・・・・・・今回の事で、1つだけ決めた事がある・・・・・・







人の命をもてあそぶ大ショッカーは・・・・・・絶対に許さないって・・・・・・











◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








「・・・ここは・・・・・・?」



「あぁっ!!気が付いたんだぁっ!!よかったぁ・・・」




・・・私が見知らぬ病室で目を覚ますと、そこには青い髪の女性が笑顔を浮かべている・・・・・・この声・・・・・・あの暗い闇の中で聞こえた声だ・・・・・・





「あの・・・あなたが、私を助けてくれたんですよね・・・ありがとうございます。」



「え?なんか照れるなぁ・・・私1人であなたを助けきれた訳じゃないんだけど・・・」



そう顔を赤らめながら頭を掻く女性に、私は笑顔を向ける・・・この人の笑顔は・・・闇を照らす光・・・少なくとも、私にとってはそうだ。



「あっ、そういえば自己紹介してなかったね!!私の名前はスバル・ナカジマ、よろしくね!!」


・・・・・・スバル・ナカジマ・・・・・・とても綺麗な名前だ・・・・・・







「私は・・・セレナ・ノーウェンブルグと言います・・・スバルさん・・・・・・いえ・・・・・・スバルお姉様と呼ばせてくださいっ!!」




「・・・・・・え・・・・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっっっ!?」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




・・・まったく、スバルの奴にはびっくりだよ・・・まさか、オルフェノクになった女の子を助ける為に戦うなんて・・・アレかな?あの横馬の『お話』はこんな所にまで広がっていたのかな?



「・・・さすがは魔王ですわ。自らは活躍せずとも、その力を見せ付けるだなんて・・・」


≪そうですね。スバルさんがあの調子だと・・・いえ、考えないでおきましょう・・・≫




同じ事を考えていたのか、シオンとアルトもそんな事を呟く・・・・・・ようやく慣れてきたんだけど・・・・・・まだ違和感あるなぁ・・・・・・




「・・・・・・ねぇ・・・・・・私はどこにツッコめばいいのかしら?」


「・・・ティアナ・・・スルーしといた方がいいぞ?」



後ろでティアナとジンが何か言ってるけど気にしない気にしない。さて、医務室の状態はっと・・・




「スバル〜、女の子の調子はど・・・・・・」




「私は・・・セレナ・ノーウェンブルグと言います・・・スバルさん・・・・・・いえ・・・・・・スバルお姉様と呼ばせてくださいっ!!」




「・・・・・・え・・・・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっっっ!?」








・・・・・・よし、皆・・・・・・僕達は何も見なかった。いいね?




「えぇ、もちろんよ。」


「右に同じ。」


「なんというか・・・スバルさんも、なかなかやりますわね♪」


≪おかしいですね?天然フラグメイカーはマスターのはずなのに・・・≫



アルト、うっさい。さ〜て、仕事仕事・・・・・・



「ちょっと恭文、そんな言い方はないんじゃないかなっ!?」



「・・・・・・じゃあ聞くけどさ・・・・・・どんなやり方をしたら、いきなりマリ○てみたいな発言が出て来るんだよ!?」


「私のほうこそ知りたいよっ!?・・・あの、セレナちゃん・・・どうして私の事、『お姉様』って呼びたいのかな・・・?」



「え?・・・だって・・・スバルお姉様の言葉で、私は深い闇の中から助けられました・・・私は、その事に感謝しているんです・・・だから、スバルお姉様を・・・尊敬する事に決めたんです!!」




・・・・・・そういうセレナちゃんの顔は頬が染まっていて、目がきらきらと輝いている・・・・・・ダメだこれ、完璧にフラグが立ってるよ。アレかな、○塚みたいな感じかな?



≪・・・・・・マスター、後は2人に任せましょう・・・・・・ここは、お邪魔虫は消える方向で・・・・・・≫


「・・・・・・そうだね。それじゃスバル、後は任せたよ〜?」



「え?ちょっと、おいてかないで〜!?」


「スバルお姉様、もう行っちゃうんですか?」


「う!?・・・セレナちゃん、そんな目で見ないで・・・」







・・・・・・そんなスバルとセレナちゃんのやり取りを放って置いて、僕達は医務室を後にする・・・・・・なんだろう、またいろいろトラブルが起きそうな気がするよ・・・・・・







「キュクー!!」


「痛たたたたたっ!?フリード、頭噛むの止めてぇぇぇぇっっっっ!?キャ、キャロもフリードを止めてよっ!?」


「・・・・・・エリオ君の鈍感・・・・・・」


「えぇっ!?」




・・・・・・えっと・・・・・・どうしてエリオはフリードに頭を噛まれているのかな?



「・・・キャロ・・・いったい何が起きているの?」


「あ、ティアさん・・・・・・実は・・・・・・エリオ君があの赤い龍と一緒に戦っちゃったから・・・フリード、ヤキモチ妬いているんです。」



なるほど・・・・・・ほほえましいから、そのままにしておこうか。



「恭文まで!?だからフリード、痛いってっ!!」


「キュクー!!」








とまぁこんな感じで、六課は笑いに包まれていた・・・たまには・・・こんなほのぼのしてもいいんじゃないかな?












◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
























「がはっ!!」



「・・・私としてもあまり手荒い真似はしたくなかったのだがね・・・君が我々の邪魔をするからいけないのだよ、ユーノ・スクライア君・・・・・・さて、封印を解くとしようか・・・・・・」





・・・防御魔法を破られた僕は、遺跡の壁に叩きつけられる・・・目の前に居るのは、赤い仮面に太陽のような盾を持った男と、その男に付き従うように佇む馬のような灰色の怪物・・・そして、4〜5人ほどの黒づくめの格好をした男達が、その後ろからついてくる・・・






「・・・さて・・・『究極の闇』の復活といこうか・・・・・」




そう呟くと、赤い仮面の男は飾られていた銀色のベルトを掲げる・・・すると、遺跡の中央に備え付けられていたいた棺から黒い瘴気があふれ出し・・・王の風格を漂わせる怪物が、雄たけびと共に姿を現した。






けど、僕の耳には・・・その雄たけびは、悲しみを含んでいるような・・・そんな気がした。





「・・・これが『究極の闇』の力か、実に素晴らしい・・・さぁお前達、奴を捕まえろっ!!そして、我が大ショッカーはさらにその強さを増すのだ!!」



・・・・・・彼が呟く言葉から、大体の目的は分かった・・・・・・ならっ!!




「はあああぁぁぁっっ!!」


「・・・何ぃっ、まだ動けたというのかっ!?」




・・・僕はわずかな力を振り絞って、赤い仮面の男から銀色のベルト・・・『戦士の環』を奪い取る。そして、『戦士の環』を・・・その腰に巻きつけた。


「・・・貴様・・・まさかっ!?」








「・・・ここは・・・人々の笑顔を護る為に、『究極の闇』をその身に封じ込めた王の眠る場所だったんだ・・・そんな彼の想いを踏みにじるような真似をしたお前達の・・・好きになんかさせるものかっ!!」








僕の叫びと共に、あたりに漂っていた瘴気が『戦士の環』へと吸い込まれていく・・・・・・ふと視線を向けると、棺から出てきた怪物が僕の事を見つめている・・・




「おのれぇぇぇぇっっっっ!!」




赤い仮面の人物は右手に銃を握り締めると、僕に向かって引き金を引く・・・そして、その弾丸が僕の身体を貫いた。



「・・・・・・あ・・・・・・」





身体から血が吹き出るのと同時に、『戦士の環』から吸い込んだ瘴気が滲み出して僕の体を包んでいく・・・




・・・すると、なぜか今まで知り合った人達の顔が浮かんでいく・・・・・・フェイトやはやて、アリサにすずか、リンディさんやクロノ達、アルフや高町家の皆さん、無限書庫で働く皆・・・六課の人達や恭文君やジン君、それにヴィヴィオ・・・・・・あぁ、これが・・・恭文君が言ってた、『走馬灯』ってものなのかな・・・・・・?






そして、最後に僕の脳裏に浮かんだのは・・・・・・なのはの笑顔だった。






・・・・・・ごめんねなのは・・・・・・僕から誘ったのに・・・・・・食事、行けそうもないや・・・・・・






【・・・お前も、あの者と同じく・・・誰かの笑顔の為に己を犠牲にする事の出来る者なのか・・・若きリントよ・・・】






・・・・・・そんな声を聞きながら、僕の意識は・・・・・・闇の中へと、溶けていった・・・・・・




『次回、仮面ライダーディケイドッ!!』



「ユーノが・・・行方不明?」



「・・・まさか、最強のクウガを相手にするなんてね!!」



「ユーノ君・・・元に戻って!!」


「ナ・・・ノ・・・ハ・・・」




【貴様らまがい物ごときに・・・この「ン・ガミオ・ゼダ」は倒せん!!】


「貴様が取り込んだ力をこれに注ぎ・・・ダグバを復活させるのだ!!」



「あなたや・・・このカードの意思を、僕は受け継ぎます・・・これ以上、誰かの涙は見たくありませんから・・・」


【・・・若きリントよ・・・お前が・・・新たな『クウガ』だ。】



【「変身っ!!」】




第6話『究極の闇、甦る戦士』



すべてを繋ぎ・・・未来をつかめっ!!





あとがき



ジン「・・・と言う訳で、「とある魔導師達と仮面の英雄の物語」第5話、いかがだったでしょうか?今回は俺、ジン・フレイホークと・・・」


バルゴラ≪私、バルゴラでお送りするぞ。そして、ゲストとして・・・≫


メイル「どうもっ!!メイル・スノウレイドです!!」


ガネット≪皆さんこんにちは。メイルのデバイスであるガネットです・・・今回はよろしくお願いしますね。≫


ジン「え〜、どうしてこのメンバーがゲストなのかと言うと・・・俺達が、とまとのSecond seasonに登場した記念です!!」



(鳴り響くファンファーレ・・・嬉しさを見せる2人と2体)



バルゴラ≪一応許可は出したのだが、まさかレギュラー化まで検討されているとは作者も予想しなかったらしい。≫


メイル「だよね〜♪作者さん、思わずセカンドシーズンの5話を何度も読み返したらしいし♪」


ガネット≪・・・その一方で、コルタタ様の戦闘シーンの描写が自分のよりも洗練されていて愕然としていましたが・・・まだまだ修行が足りませんね。≫


ジン「まぁ、それはともかく・・・」


全員『コルタタさん、本当にありがとうございました!!』


バルゴラ≪・・・さて、こちらの本編の方だが・・・いろいろ予定が変更になったらしいな?≫


ガネット≪そうですね。本当は次回に登場予定だったエリオさん達の変身が、スバルさんと一まとめになりましたから・・・おかげでディエンド組の描写が若干変更になりましたし・・・≫


メイル「それってどうして?」


ガネット≪・・・みもふたもない理由を言えば、作者が面倒だと思ったからですよ。≫




(あたりに漂うなんともいえない空気・・・気まずそうに口を開く栄光の流星)




ジン「・・・いや、もう少しマシな言い方があるだろ?」


バルゴラ≪そうだぞ?それに、伏線めいたものは前の話から仕掛けてはあるから、今回出てもおかしくは無いが・・・≫


ガネット≪ちゃんとした理由を言うと、エリオさんやサリエルさんが変身するのは決まっていたのですが、その描写で1話分も思いつけなかったそうです。しかし、クウガの登場前にどうしてもクウガ以外の平成ライダーを登場させておかなければならないからこのような状態になりました。≫


ジン「そっちを先に言えっ!!余計な誤解を生むだろうが!!」


メイル「でもさぁ、クウガが登場する前にって・・・次回予告はなんかやばそうな展開なんだけど?」


ガネット≪はい。作者によれば、次回はユーノ&クウガ無双だそうです。そうでもしないと、魔王のヒロイン化がどうしても出来ないそうで・・・≫




(ガネットの言葉に納得する一同。どこからか「私は魔王じゃないもん!!それに、私もヒロインだよ!?本家の主役だよ!?二次創作界の高嶺の花だよ!?」という声が聞こえるが無視。)




バルゴラ≪・・・確かに、とまとではヒロイン候補から外れたと言うし・・・しかし、そうなったらそうなったらで開き直ってくるし・・・扱いづらいのみたいだな。≫


メイル「作者さんも苦労しているんだね・・・」


バルゴラ≪まぁな・・・・・・さて、今回新登場したキャラの説明をするぞ!!≫






名前:セレナ・ノーヴェンブルグ


年齢:14歳


性別:女


身長:154cm


体重:秘密♪


体型:スレンダーな体型。胸は・・・小さめ。


髪の色:紫がかった黒


髪型:肩にかかる程度のショートヘア


瞳の色:藍色


顔立ち:それなりに可愛い感じに


職業:ミッド内の中学校に通う


魔導師ランク:現時点ではなし(オルフェノク化による影響が不明なため)。


声のイメージ:中川○紀子さん(某炎神戦隊のボ○パー、もしくは○田一の七瀬○雪)


性格:普段はおとなしいのだが、スバルに助けられてから積極的になる。スバルに対して憧れを抱いており、いずれスバルと同じ災害救助部隊で働くことに・・・・・・なるかも?


オルフェノク時の姿:クレインオルフェノク








ガネット≪・・・なんというか・・・ずいぶん適当ですね?今回の話でキーポイントとなるキャラのはずなのに。≫


バルゴラ≪そう言うな。元々単発キャラになる予定だったのだから・・・ちなみに、あの『お姉様』発言は最後の最後で思いついたネタだ。今後登場するかは・・・不明だしな。≫


ジン「・・・それじゃ、今回はこの辺にしておこうか・・・それでは皆さん、また次回でお会いしましょう!!」




(小さくなる音楽と共に手を振る2人と2体。どことなくいたたまれない空気が漂うが・・・気にしないでください。)












ジン「それでは、拍手で感想が来ていたようなのでお返事です。皆さん、本当にありがとうございました!!」




※DarkMoonNIghtさん宛てです。御剣澄和です。『とある魔導師達と仮面の英雄達の物語』第3話拝見しました。
シグナムが選ばれたカードは『ナイト』ではなく『キバ』だったんですね(汗)。『どこかコウモリを思わせる銀色の鎧の仮面ライダー』の表現で僕は真っ先に『ナイト』だと思ってしまいました。
『キバ』でも似合いますが。そして擬態シオンが『ダークカブト』所持で『カブト』のカードを受け取ると…。
『ダークカブト』のままだと色々不幸フラグが立ちそうですがヴィヴィオから『カブト』カードを受け取って助かりましたね。これってカードを使用している間だけ『ダーク』ではなく『カブト』になれてるのでしょうか?
もしくはカードの力で『ダークカブトゼクター』が『カブトゼクター』に変化した?どちらにしても『ハイパーカブト』にもいずれなるのかな。後、予告で恭文を『オ・ニ・イ・サ・マ』と呼んでいましたが『蒼凪シオン』に改名するのでしょうか?
恭文は『ブレイド』らしいですが『キングフォーム』のリスクとかはどうなるのか非常に気になりますね。もしも恭文が『ジョーカー』になったらモモタロス似のあの姿になるのかな?でもフェイトの愛で元に戻りそうだけど。
…? もしかしてそういう展開予定なのかな? ともかくも応援していますので頑張って下さい。では、また。

by 御剣澄和



バルゴラ≪いや、御剣さんの意見はとても貴重だったぞ。おかげで、作者もいろいろ考えさせられたようだしな。≫


シオン「それと、私が持つダークカブトゼクターは・・・今はカブトゼクターになっています。ですが・・・おっと、ここから先は秘密です♪」


恭文「それで、『キングフォーム』のリスクなんですが・・・・・・それより、僕はリインとのユニゾンでチートって言われないか心配です。」


アルトアイゼン≪次回でユニゾン形態は登場らしいですよ?≫


恭文「・・・・・・うぅ・・・・・・胃が痛くなりそう・・・・・・」



※DarkMoonNight様に感想をば。 バッシャーが見納めにならないことを切に(ry ドカバキも・・・イイッ!
というか今回ライダーてんこ盛りというかっ何より恭文くんお帰りーな回でしたね。可哀想に・・・(
次回はディエンドゥですかー。なんだかディエンドはディエンドゥって言いたくなりますよね。なりません?
では、次回も楽しみに待っております。シオンさんもっと恭文くんをイヂメてあげてください。兄妹仲を深める的な意味で。

by 黒夜


シグナム「しかし、シャマルの力は扱いにくいしな・・・それに、今後は恐らくヴォルケンフォームがメインで出てくると思うぞ?」


シャマル「わ、私の活躍は・・・?」


はやて「シャマル・・・それはうちに対する皮肉か?うちなんて説明役メインやし、戦闘シーンないし・・・」


シャマル「はやてちゃん!?あぁ、そんないじけないでぇぇぇぇぇっっっっ!?」



※DarkMoonNIght様へ
クライマックスフォームの「俺『達』の必殺技」は、デンガッシャーの刃を分離させずに敵を直接切り裂く技だったと思うのですが…


良太郎「あの〜・・・そこは突っ込まないであげてください。本人は気づいていないけど、皆で一緒に戦うのが気に入っているみたいですし・・・」


ウラタロス「先輩は素直じゃないしね〜」


良太郎「・・・それはウラタロスもでしょ?」








モモタロス「ヴェェェッックシュッッ!!」


キンタロス「どないした桃の字、風邪か?」


モモタロス「いや、突然にだな・・・誰か、俺のうわさでもしてんのか?」


リュウタロス「バカじゃないの?」


モモタロス「・・・小僧、今なんつった?」


キンタロス「桃の字、落ち着け落ち着け・・・せや、良太郎と亀の字はどこに行ったんや?」



※DarkMoonNIght様へ
お約束の反応だけど女装した自分が目の前に現れたら倒れるよなぁ…まぁブレイドになれたから結果オーライ?スペックはそんなに高くないけど恭文はノリと勢いでどうにかなるから問題ないのか。
ヴォルケン版ドガバキはヴィザシャシとでもなるんでしょうか?すいません語呂悪いですね…
最後に出たのは海東ですか?もしそうならディエンド好きなので楽しみです。
P.S.恭文よ、ブレイドになったんなら一度はオンドゥル語話さないと。 by 梅



ジン「はい、ノリでどうにかなるヤスフミはチートです。」


恭文「んな事言うなっ!?・・・そういえばオンドゥル語・・・だけどあれ、リアルタイムで観ていたここの作者はまったく気にならなかったらしいんだけどね?」


ジン「そうだよなぁ・・・オンドゥル語の事を知ったのも、ネットが使えるようになってからだしなぁ・・・で、言うの?」


恭文「ん〜・・・多分言わないんじゃないかな?」




ジン「それでは、今回はこれでお別れです。皆さん、本当にありがとうございました!!」






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あきゅろす。
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