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頂き物の小説
第二話  霧に潜む陰 ― ミスティック・エネミー ―











大海原に浮かぶ豪華客船。
しかし今、その面影は異様な気配のみを湛えている。


静寂を乱す事を嫌うかのようなその場所を、三人は見下ろしていた。

「さて、鬼がでるか、蛇が出るか……」
「それよりもっと、嫌な物が出て来そうだけどね」
「――行きましょう」

恭文は胸にぶら下がる宝石――アルトアイゼンを掴んだ。
「蒼凪恭文……行きます!!」











   とある魔導師と古き鉄の物語 異伝


 ――― とある魔導師と竜魔の忍の共闘 ―――


  第二話  霧に潜む陰 ― ミスティック・エネミー ―











躊躇無くヘリから飛び降り、恭文が叫ぶ。
「アルトアイゼン、セットアップッ!!」
掛け声と共に光が走り、恭文を包み込んだ。

その光の中で、恭文のBJが構成されていく。
黒のインナーとその上に蒼のジャケット。ジーンズに似たズボンとブーツ。
左腕にはジガンスクードという名の、カートリッジシステムを実装したアームガードが。
右手には黒のオープンフィンガーグローブ。

そして、その腰には黒塗りの鞘に収められた、柄尻に青い宝石が付けられた一振りの刀。

それこそが恭文の相棒、アルトアイゼンの起動形態である。

光がはじけ、恭文が甲板に降り立つ。

「――辰守連音、出撃する」
「アリシア・T・辰守!行きます!!」
そして続いて連音とアリシアが同時に飛び降りる。

連音の腕輪が光を放つ。
「目覚めよ、琥光!!」
《起動》
「神衣、展開!!」
二人がそれぞれ、琥珀色とライトブルーの光に包まれる。

その中で、連音は忍装束に変わり、直刃の刀――忍者刀に変わった琥光を腰に納める。

アリシアもまた、白を基調とした、日本神話に出てくる女神の様な装いに変わっていた。

二人が降り立つと、周囲の安全を確認して、空に合図を送る。

そしてヘリが、ゆっくりと甲板に着陸した。

『ヘリはここで待機させますんで、皆を助けたら直ぐに戻ってくださいよ?こんな所、一刻も早く離れたいんで』
「了解した。何かあれば直ぐに撤退を。恭文、アリシア、行くぞ」
「はい!」
「はーい。よいしょっと」
軽く返事をして、アリシアが大きめのショルダーバッグを肩に掛ける。

《あなた、そんな物どっから出したんですか!?》
「乙女に無限の秘密があるように、女神には無限の謎が秘められているのよ?」
《相変わらずフリーダムな……》
「超フリーダムなデバイスにだけは、言われたくないわね」

そうこうしている間に、三人は入り口の前に着く。
連音はハンドルを掴み、ゆっくりと回した。金属の擦れる音が、異様なまでに響き渡り、それが不気味さを殊更、際立たせていた。



やがてドアが開き、中から冷たい風が流れ出した。
恭文は思わず顔を顰めてしまう。
「うわっ……やな雰囲気………」
《まったく…何時からこの作品は、ホラーテイストまで入ってきたんですか?》
「うん…アルト、ちょっと黙ろうか?メタな発言をするな!?」
《ほら、そんな事を言ってる間に、連音さんが先に行ってしまいますよ?》

恭文が顔を上げると、既に二人は中に入ってしまっていた。
「ヤッちゃーん、置いてくよ〜?」
「だから、ヤッちゃんは止めてください!!」
恭文は急いで二人を追い駆けた。



甲板から直接繋がっている、二等客室のあるエリアの廊下を進む。
二等客室とはいっても、廊下は深紅のカーペットが敷き詰められ、天井や壁にはセンスの良い照明が光を湛えている。
ただし室内であるにも拘らず、視界を隠す様に霧が揺らめいていた。

連音はヘリで待機しているヴァイスに通信を送ってみる。が、酷いノイズばかりで何の応答も無い。
通路を進みながら、連音は思考する。
「――妙だな」
「――うん、ちょっとおかしいかも……」

《何がですか?まだ、何も調べていませんよ?》
「どうしたんです?」
連音とアリシアの言葉に、アルトと恭文が疑問の声を上げる。

「――今、試したが……この中は通信が通らない状態にある」
「なのに、なのはちゃん達の通信は届いていた……その後、途絶えたけどね。これって矛盾してるわよね?」
「通信阻害に関しては外でもあった。霧が原因と考えて良いだろう。じゃあ、この中の霧は何時、現れた?」
「少なくとも、最初の時には通信阻害は起きてはいなかった筈……なら、中の通信阻害の原因は?」

「あ……っ!」
《ロストロギア……ですね?》
二人の言葉に、恭文はハッとする。
「霧の原因がロストロギアなら、その可能性は一番高い。ともかく、なのは達の時より危険度は増していると考えるべきだな」
「あ〜、嫌な予感がビンビンする………ていうか、ここに入ってから、妙な威圧感を感じるし……」
「警戒しつつ進んでいく。全員、周囲の警戒を密に」
「りょーかい!」

ハッキリと返事をするアリシアに対して、恭文は驚きを隠せない様子だった。
《どうしました?》
「いや…まだここに来て少しも経ってないのに、色んな事が分かるんだな〜って……」
恭文の言葉にアルトは、やれやれといった風に言った。
《仮にも、二人はプロのエージェントですよ?マスターと違って、捜査や調査の経験値が違うんです》
「――うん、そうだね」
連音とアリシアの二人は、様々な世界を渡り歩きながら、フリーのエージェントとして活躍していた。
合法、非合法を問わず活動し、今まで幾つかの犯罪組織を壊滅に至らしめている。


対して恭文は、嘱託魔導師として現場に出る事はあるが、捜査という事に関しては殆ど経験が無い。

荒事には慣れていても、こういった思考する事には、慣れていないのが現実である。



しばらく進んでいると、飾り彫りのされた重厚な木製のドアが見つかった。
連音は取っ手に手を掛け、ゆっくりと開ける。

「ここは……バーのようだな」
淡い蒼の照明と、壁に光る絵画を模した飾り。カウンターテーブルも淡く光を湛えている。
カウンターの後ろには幾つものボトルが置かれ、そのどれもが高級感を感じさせた。

室内には円形のテーブルが十二。それぞれに四脚の椅子がセットされている。
そして全てのテーブルの上には、壁と同じ光を湛えるキャンドルを模した飾りがあった。


まるで深い海の中に来た様な幻の中、三人は周囲を見回しながら足を踏み入れた。
「何ていうか………凄いね………」
「こんな所に、フェイトを連れて来れたら良いなって思った?」
アリシアがこっそりと言うと、恭文は顔を赤くしながら慌てた。
「なっ!?何を言ってるんですか!?そんな事………はい、思いました」
アリシアのニヤニヤとした顔に観念したのか、ガックリとうな垂れる。
「ま、何時かは出来るかもよ………ここでちゃんと助けられれば…ね?」
「――そうですね、絶対に助けます……!」
恭文がギュッと拳を固める。そんな彼に、アリシアは優しい眼差しを向けた。

「やはり、不自然だな……」
連音は室内を見回し、呟いた。

「何か分かったの?」
今度はアリシアも気が付けなかったようで、連音に尋ねる。
連音はボトルの並べられた棚を探りながら、答えた。
「入った時から、気にはなっていた。この中は………キレイ過ぎる」
「キレイなのは良い事じゃない?椛さんに怒られる事もないわよ、きっと」
「……態と言ってるだろ?」
「当然」

《キレイ過ぎる………なるほど、確かにおかしいですね》
アルトアイゼンの言葉に、連音は頷いた。
「この船が行方不明になったのは25年前。しかし船内からは、その時間経過を全く感じない……まるでつい昨日の事のようだ」
《正しく【幽霊船】、な訳ですか……》
「照明といい、25年もほったらかしにされていたとは思えない。が、誰かが掃除を欠かさなかったとも思えない」
「「《………》」」
全員が黙ってしまう。

「とにかく、なのはちゃんたちを探しましょう。時間は余りないんだから」
アリシアの言葉に、皆が頷いた。その時だった



―――――――ガタンッ!



「「「―――ッ!?」」」

物音に振り返れば―――椅子が一脚、倒れていた。
誰もいない。人の気配も確かに無かった。

だが今、それは起こっている。


誰もいない事の不気味さが一転、得体の知れない何かがいる可能性に変わった。

視界の利き難い中、全員が身構える。
「誰か……いるの?」
「”何か” なら……いる」
「”何か”って………何?」
《生体反応はありませんが、動体反応はあります》
「アルト、すっごく嫌な予感がするんだけど……?」
《近年まれに見る悪運です。おめでとうございます》
「祝辞を述べるな!!ッ!?」
《Jack Pot!》
「うっさいバカ!大当たりじゃない!!言い直すな!!」

恭文がアルトアイゼンの柄に手を掛ける。その瞬間、床から何かが襲い掛かってきた。
「――ッ!」
とっさに身を屈めそれを躱す。同時にアルトを抜刀し、それを斬りつけた。
僅かな抵抗の後、両断された面から緑色の液体が飛び散った。











Side 恭文



いきなり襲ってきた影を躱して、一刀で斬り捨てた。

でも、何か!緑色のが飛び散ったんですけどッ!?

あぁっ!?何かビチビチいってるし!!

《ちょっ!何やってるんですか、あなたは!!》
「何だよいきなり!!」
《あんな物を斬らされて、変なウイルスに感染して、私がB○Wになったら如何するんですか!!》
「デバイスが○OWになるかっ!!というか、その伏字は伏せてないから、全然!!」
《アァ……なんか……体が………カユウマ》
「初代かい!!」

などとやっている内に、足元のビチビチが動かなくなった。

連音さんはといえば、真っ二つにしたもう一つの方を調べているようだ。

「アルト、コイツから生体反応はなかったんだよね……?」
《カユ……ウマ…》
「……さっさと帰って来い!!」
《――ハッ!?あぁ……良かった、夢でしたか…》
「どんな夢を見たんだ?」
《ゾンビになってしまった私を……えらいリアルな魔お……S・T・A・○・Sの人が倒そうとしてきまして》

よし、さっさと忘れよう。
《そうしましょう。幾ら現実味が在るとはいえ……》


この件に、これ以上触れることを止め、僕も足元に転がるそれを改めて見た。

「アルト、生体反応はなかったんだよね?」
《恐らく微弱すぎて、センサーに掛からなかったのでしょう。あと、この霧のせいでセンサー類も利き難いようです》

しかし…何だろうね、これは。
見かけはでかいヒルみたいで、でも真っ白い。
口と思われる部分は、八つぐらいに裂けていて、その奥には、円状に配置された、鋸の様な歯。

不気味な事、この上ないな。

「恭文っ!」
「―――ッ!?」
連音さんの声がしたと思った瞬間、グン、と強い力に引っ張られた。

何が起きたのかと思った時、僕のいた場所に何かが落ちてきていた。

あれって、さっきのヒルもどき!?


僕が見上げると、連音さんがいた。既に琥光を抜き放ち、戦闘態勢に入っている。

「っ!?これって……!!」
《何時の間に……!?》
気が付けば入り口の周りには、何十匹ものヒルもどきがいた。

跳びかかるヒルもどきを、連音さんは一閃する。

いや、違う。

僕に見えなかっただけで、幾度も斬っていた。
ぶつ切りにされたヒルもどきが、ボトボトと床に落ちていく。

僕も立ち上がって、アルトを構える。
《マスター、あれを斬るのは嫌です。鋼糸でも何でも、使ってくれませんか》

何言ってるの!?鋼糸とか、狭いし暗いし、扱いきれないって!!

……いや、うん。正確には使えない訳じゃない。でも隣にいるのは、そういったもののプロ。
もっと言えば、恭也さんよりも……腕前は上だ。

とにかく、この状況で鋼糸とか無理だから。

なんか、怒られそうだし。連音さん怒ると、メチャメチャ怖いんだもんなぁ〜。


「後でちゃんと洗浄するから!黙って斬れ!!」
《フルメンテもちゃんと付けて下さいよ?あと、フェイシャルエステも》
「あー分かった……って、何だよエステって!!」
ツッコミを入れながら、ヒルもどきを斬り捨てる。

弱いから仕留めるのは簡単だけど、数が多い上に、矢継ぎ早に襲い掛かってきて徐々に押されてきた。

連音さんも少しずつだけど、下がってきている。

でも何故だろう。その表情には焦りの色が無い。



そうこうしている内に、またわらわらと襲い掛かってきた。

面倒臭いな!クレイモアでまとめてミンチにしてやるっ!!
もち非殺傷解除の実体弾で。

―――ミンチにしても使いようが無いよなぁ〜。ハンバーグ?うん、不味そうだ

「ツラネ、ヤッちゃん!下がって!!」
突如アリシアさんが叫んだ。振り返ると同時に何かが宙を舞った。

「あれって、お酒のボトル!?」
そう、カウンターに在ったボトルが、アリシアさんの手で投げられたのだ。
でも、どうしてあんな物を………まさか!?

そう思うよりも早く、連音さんが棒手裏剣を取り出して、ボトルをまとめて打ち抜いた。
液体が、ヒルもどきに万遍無く降り注ぐ。

鼻を刺激する、アルコールの強い香り。これってもの凄いアルコール度数が高いやつだ!て、事は……?

アリシアさんを見れば、その手にはやはり種火が握られていた。
そしてニッコリと笑うと、

「必殺、アリシア・バーニング♪」

それをヒョ〜イと投げた。






―――って、ちょっと待てぇええええええええええええっ!!


連音さんは既に退避済み。こっちも待てぃ!!

僕は慌ててカウンターの向こう側に飛び込んだ。


身を隠したと同時に、室内の空気が一気に燃え上がった。
肌に熱が伝わり、熱風が吹き荒れる。


だがそれは、一瞬のことだった。

気化したアルコールに引火し、派手に燃えただけだった。

《まったく……相変わらず、とんでもない事をしでかしますね》
うん。大胆というか、大雑把というか、とんでもない性格しているよね。

「あら?これでも燃える女として有名なのよ?」

燃える女。そう聞いて、海鳴五人娘の一人を思い出してしまったのは………うん、僕は悪くない。


炎はヒルもどきを焼き、ヒルもどきはその中で、悶え踊り狂う。

不燃性なのか、火は他には燃え移らずにいた。


そしてアルコールが消えると、火も共に消えた。


………どうやら、これで全部のようだ。良かった……。

僕はカウンタークロスで、アルトに付いた体液をキレイにふき取った。
《あ、マスター。アルコール消毒もお忘れなく》

……知るかッ!!っと、そういえば連音さんも斬ってたよね……あれ?

見ると、琥光から水が滴っている。それってもしかして?

「五行剣、玄水刀……かの宝刀、村雨丸の倣いだ」

えっと、つまり刀を汚したくなかったと……?
《マスター……今度あれ、教わってください》

出来るかッ!?




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



Side Out




黒ずみとなったヒルに似た生物の山を見下ろし、三人は言い知れないものを感じていた。

「これ、何でしょうね……?」
「なのはちゃん達が交戦したのって……これかしら?」
「さぁな……だが、無関係ではないだろう。ロストロギアとも、なのは達とも、な」
連音の言葉に、二人は黙ってしまう。

なまじ生物である事が、不吉さを醸し出している。

「とにかく先を急ぐぞ。ロストロギアが運び込まれたと思われるのは、この船の最下層、機関室や、貨物室があるフロアだ」

三人はバーを出て、再び通路を進もうとした。その時だった。


何処かから、かすかに爆発音に近い音が聞こえた。

「今の音は!?」
「――この先からね。確かこの先には……ショッピングモールがある筈だわ……!」
《――行くしかありませんね》
「走るぞ」

三人は一気に通路を駆け出した。
















セント・モーリアン号の船内には、長旅で疲れないようにと、大型のショッピングモールが設置されている。
上階、下階、左右に合計、五十店舗もの店が並んでいる。

そして中央の広場には女神の彫像と、噴水までがある。



だが、ここには今、人影は二つしかなかった。






一人はスバル・ナカジマ。機動六課フォワードメンバーの一人である。

ただし息は乱れ、既にその姿はボロボロであった。
トレードマークのハチマキは所々切れ、白を基調としたジャケットも汚れ、切れている。

腕からは赤い線が走り、口元からも血が滴っていた。


彼女は仲間を逃がす為、たった一人で強敵と対峙していた。




その相手とは、2m近い体躯の男。
鋼の如き屈強な肉体を、白のワイシャツと蝶ネクタイ、胸にブローチを付けた、クリーム色のベストと黒のスラックスに包み込んでいる。
その足にも、足首ほどまでを包む装甲があった。

両手には黒のグローブをはめ、それを軽く握り、巨大な体躯を丸めるようなスタイルをとっていた。






「ハァアアアッ!!」
マッハキャリバーで一気に間合いを詰め、その勢いからパンチを繰り出す。
身長差もあり、スバルの拳は男のボディに集中する。本来ならば避けにくく、防御する事がセオリーだが―――

「――まだまだ、甘いですね」
男はその体に似合わない華麗なフットワークで、それを全て躱してしまう。
スバルの拳は、完全に置いて行かれている。
「グッ!?ガッ!!」
更には躱し際にスバルの顔に左を数発、打ち込んでいく。まるで石で殴られたような衝撃が、彼女を襲った。
それさえも、殴られた後に自分が殴られたのだと認識したほどだった。

動きも、パンチの速度も、男はスバルの遥か上にあった。

「ッ…このぉっ!!」
流れを変える為に、スバルは強引に蹴りを放つ。が、足を振り切る前に男が前に踏み込み、太腿を腕で押さえてしまった。



「な…っ!?」
「蹴り足は、膝より先を押さえてしまえば、簡単に止められるのですよ……!」
そのまま押し込み、スバルがバランスを崩す。

その瞬間、衝撃がスバルを吹き飛ばした。
顎が跳ね上がり、高く舞い上がらされる。
「グァッ……!?」
一瞬、意識が揺らぐが、何とかギリギリで留める。
身を捻り着地すると同時に、追撃に備える。しかし、男はその場から動かずにいた。

むしろ、スバルが立ち直るのを待っている風であった。

「ふむ、良いセンスをしているというのに……実に惜しいですね」

軽くグローブを直しつつ、息を乱したままのスバルを見やる。

「はぁ…はぁ……ッ!」
「後、数年……経験を積めれば、もっと良い勝負になったでしょうに……実に惜しい。今のあなたでは、私の相手は務まらないですよ?」
「……ッ!」

悔しいが、男の言う事は正しかった。言い返すことも出来ず、悔しさに歯を食い縛る。


スバルには少なからず自信があった。


少し前にあった、ジェイル・スカリエッティという人物が起こした事件。

その苦しい戦いを戦い切り、乗り越えた事。その中で敬愛する姉を救い出せた事。


そして何より、今も尚、尊敬する高町なのはによって、日々鍛えられている事。



それは正しく、彼女の矜持であった。




だが、眼前に立つ存在はその全てを否定した。

今のスバルでは敵わない高み。そこにいる存在。

スタイルこそ違うが、もしかしたら、なのは以上に強いかもしれない。

「私達の目的は、あくまでも【魔樹の果実】です。あなた方管理局には、私達の仕事が終わるまで、大人しくして頂きたいのですよ」
「―――そういう訳には、行かないんです……!!」
魔樹の果実。それがもしも、”あれ”の事を指しているならば、絶対に行かせる訳には行かない。

スバルは拳を固め、キッと男を睨んだ。

「………退けない理由が在るようですね……良いでしょう。私の名はクラーク・ランボルト。
【レガシィ・ハウンド】実動部隊の小隊長を務めております。強き人よ、あなたの名前を教えて頂けますか?」
「時空管理局機動六課所属、スバル・ナカジマ……!!」
スバルの名前を聞き、クラークが僅かに眉を動かす。
(なるほど……彼女があの【タイプ・ゼロ】でしたか……ならば、中途半端な攻撃では倒れませんね)

クラークは胸元に付けられたブローチを外した。
「…?」
「強いあなたに敬意を評し、こちらも本気で御相手しましょう……!」
「ま、まさか…っ!?」
スバルを嫌な予感が襲い、そして翼竜を象ったブローチが光を放つ。

「リンドブルム、セットアップ!!」
《Set up》


ブローチが光り輝き、モールを染め上げる。



その光が治まると、クラークの両腕には竜頭を象ったものが装備されていた。
そして服装も、重厚な黒光りするチェストアーマーとヘッドギア。ブラウンのインナーに変わっていた。
下も、皮に似たズボンと、膝下から先を保護するように、装甲が装備されていた。

竜の瞳が光り、言葉を発する。
《お早うございます、マスター。全システム、正常起動中です》
「良い目覚めで何よりです。さて、早速ですが……行きますよ?」
《YES,My Master》
リンドブルムがそう答えると同時に竜の顎が閉じられ、両手が完全に隠される。

そして足元にベルカ式魔法陣が展開され、ルビーレッドの魔力光が光り輝く。
「―――さて、行きますよ?」
それ以上に全身から、今までの非ではないプレッシャーが、スバルに襲い掛かってきた。

「ッ―――!!」

本気で倒しに掛かっていた自分と、デバイスすら使わずにそれをいなし、圧倒したクラーク。
二人の実力差は明白だった。

その現実が恐怖となって、全身を支配せんと足元から巻きついてくる。


だが、それでも退く事は出来ない。

(ここから先に行かせちゃダメだ!!ここで……絶対に倒さなきゃ!!)

「マッハキャリバー、フルドライブ!!」
カートリッジが爆発する。
《Ignition!》
「ギア・エクセリオンッ!!」
《A・C・S,Stand by》
マッハキャリバーに、蒼穹を駆ける翼が生まれる。

スバル・ナカジマの全力全開。
どれだけ相手が強くても、自分の最高の、必倒の一撃を打ち込めば倒せない者など無い。

それこそ、シューティングアーツの極意。

総合的に相手が上回っていても、唯一点、自分が相手を越えるものが在れば、そこから勝利を掴む。


それが教わった、それが見つけた”強さ”の、一つの答え。


「ダァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
スバルは咆哮し、一陣の風となって走る。
マッハキャリバーが翼を羽ばたかせ、ホイールを全開で回し、白煙を上げる。

敷き詰められた石畳を真っ直ぐに。敵に向かって真っ直ぐに。


右手に装備されたリボルバーナックルが、タービンを回転させ、唸りを上げる。



相手が、自分との力の差を理解しているなら、そこに必ず付け入る隙が生まれる。
狙うのは一点。チャンスはたった一度。

「リボルバァアアアア……シューーーートッ!!」


繰り出される右拳。それは蒼い魔力弾と、巻き起こる螺旋風を発射する。
魔力弾を回避しても、風がダメージを、足を止めさせる。
A・C・Sの加速から撃った事で、スピードも威力も跳ね上がっている。

「むぅ…っ!!」
男はシールドを展開し、真正面からそれをガードした。
バチバチと、二色のスパークが迸る。

これだけでは倒せない。だからスバルは、すぐさま叫んだ。
「マッハキャリバー!カートリッジロードッ!!」
《Load Cartridge!!》

リボルバーナックルに装備された弾倉が回転し、カートリッジが連続で爆発する。
(真っ向勝負は通じない!!だったら!!)

《Wing Road!》

足元から天駆ける道が生まれる。

ウイングロード。彼女のインヒューレント魔法である。



ウイングロードは大きく上に伸び、ジャンプ台へと変わる。

そして一気に跳躍した。




「むぅっ!?」
スバルの動きに、クラークが反応する。シールドを強引に動かし、リボルバーシュートを後ろに流した。
後方のショーウインドウを粉砕し、店を魔力弾が蹂躙した。

クラークが上を向くと同時に、スバルは更にウイングロードを発動させた。
ジャンプの加速を利用し、更に降下の加速をも加える。
凄まじい負荷が足に掛かるが、それを力尽くで押さえ込み、ほぼ急降下の角度から突撃を掛ける。
クラークがとっさに展開させたシールドに、スバルの右拳が突き刺さる。
「ヌ……クォオ…ッ!!」
攻撃は当たらなかったが、クラークは完全に釘付けにされてしまった。

この形こそ、スバルの理想の形だった。



「一撃……必倒ォおお……ッ!!」

スバル最大の攻撃魔法。
彼女の心に焼き付いた夢の始まり。それを導いた、神意の砲撃。

それを叩きこむ、完成形のスタイル。


拳を開き、指を押し込んで握りこむ。更にカートリッジを連続爆発させる。
掛けられる圧力にシールドが歪み、亀裂が走る。
「ッ!?なんと…!!」
クラークが驚くと同時に、シールドがついに砕かれた。

スバルはその勢いのまま、クラークの眼前に着地した。
そして同時に、帯状魔法陣が展開された左を突き出す。

拳の先には青白い光。それは見る間に巨大になり、スバルごとクラークを押し飛ばした。

「ディバイィィィン!!バスタァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
巨大な魔力の塊にリボルバーナックルが打ち込まれ、魔力が間欠泉の如く噴出し、クラークを襲った。


ディバインバスター。

なのはの砲撃魔法から編み出した、スバル最大の切り札。
彼女にとって、これ以上の魔法は存在しない。

これさえ決まれば、倒せない相手などいない。

そんな自負さえあった。




















一等客室の一つ。そこに幾つかの人影が在る。
一人はオレンジ色の髪をツインテールに纏め、銃型のデバイスを持った、一見、気が強そうな少女。

もう一人は、白の帽子とマント、ピンク色の服と髪をした、隣に白い竜を従える女の子。

機動六課所属スターズ04、ティアナ・ランスターとライトニング04、キャロ・ル・ルシエである。

「―――どうやら撒けたようね……でも、あいつら一体何者なのかしら……?」
「ティアナさん……」
「不安そうにしないの。大丈夫、絶対に何とかなるから。こんなの、ナンバーズとやり合ってた時に比べたら……ね?」
不安そうな顔をするキャロに、ティアナは出来るだけ不適に笑って見せた。
それに釣られたのか、キャロもちょっとだけ笑った。

「とはいえ、まずはスバルね……あれがいないと、エリオを運ぶのがきつくなるわ」
と言って、とりあえず客室のソファーに寝かせた、赤い髪の少年を見やる。
「はぁ……はぁ……すみません……ティアナさん………」
辛そうな呼吸をしながら、エリオが謝る。その顔は赤く、全身には脂汗が浮かんでいる。
「別に、謝るこっちゃないでしょ?アタシらはチームで、仲間なんだから……」
「……はい、ごめんなさい」
「―――そういう時は、素直にお礼でも言いなさい?とにかく、二人はここに居て?アタシはスバルの所に戻るから」
カートリッジの残数を確認しつつ、そう言うとキャロが驚いた。
「えっ!?だったら、わたしも……!」
「あんたまで来たら誰がエリオを、リィン曹長を守るの?今、動けるのは……二人だけなのよ?」
「でも……」
「大丈夫。スバルと合流したら、幻術でも何でも使って即行で逃げるから。スバルの足とアタシの幻術。二つを相手に追い切れる相手は居ないわ」

まぁ、あんま自慢できる事じゃないけど。

そう付け加えると、キャロはクスリと笑い、エリオも少しだけ笑った。

「じゃあ、行ってくるわ。フリードも、ちゃんと皆を守ってよ?」
「キュク〜ッ!!」
「ティアナさん、気を付けて……」
「は〜い。精々、早く帰ってくるわよ」
軽く手を振って、ティアナはドアの向こうに消えた。

オートロックのドアが、ガチャリと鍵を掛けた。





人気の無い廊下が遥か向こうまで続く。

しんと静まり返ったそこは、カーペット越しの足音ですら、千里先にまで聞こえてしまうのではないかと錯覚させる。
ティアナは、うるさく鳴り始めた心臓の音を抑えるように、深く息を吐いて、そして動き出した。


(スバル……アンタの事だから心配はしてないけど………………大丈夫よね?)

消しようの無い不安を抱え、ティアナは廊下を走った。




















「―――なるほど、良い攻撃です」
「――ッ!?」
スバルの放ったディバインバスター。その光の向こうから、声が聞こえた。
轟音が鳴り響いているのに、声は異様な程、スバルの鼓膜を揺さぶった。

青白い閃光の中に、真紅の光が混じり始める。
「まさか……!?そんな……ッ!!」
「驚きました……まさか、同じような切り札を持っていたとは………!」
クラークの左の竜がその顎を開き、強烈な閃光を放っている。
その姿はさながら、ドラゴンの吐き出す破壊のブレスのようだった。

赤と青の閃光が、互いを飲み込まんと拮抗する。
「くぅうううううっ!!!」
「ぬぅううううん…!!」

互いの力が頂点を極め、ついに爆発を巻き起こした。


白煙がモールを一瞬で覆いつくし、爆風がガラスというガラスを粉砕していく。

嵐の如きその中で、スバルは大きく弾き飛ばされていた。

「うぁああああっ!?」
暴風に弄ばれながらもスバルは何とか、床に叩きつけられる直前に体勢を立て直す。
ブレーキを掛け、ホイールが白煙を更に上げる。

状況はどうなった?
撃ち合いに勝ったのか?それとも互角か?

視界ゼロの状況に、スバルは冷静さを欠いてしまった。


だからこそ、失念してしまったのだ。



白煙の向こう側に、二つの赤い光が見える。

まるで禍々しい星の如きそれが何なのか、スバルは最初、分からなかった。

だが、白煙の向こうに感じるプレッシャーにハッとする。


そう、スバルは忘れてしまっていた。




竜の首は、二つ在るという事を。


強大な魔力が、烈風となって白煙を吹き飛ばす。
そして、その向こうに現れたのは、無傷の敵の姿。

その右手の竜は静かに、その顎を開こうとしていた。

「―――ゲイザー・ブレス!!」

開かれた竜の口に、紅い光が収束していた。
突き出された右手。見る間に巨大な魔力球に変化する。

それは瞬く間に放たれ、回避も防御も、スバルに許さなかった。





悲鳴すら残さず、真紅の閃光が若きストライカーを呑み込んだ。










「ふぅ……少々梃子摺ってしまいましたね……殺してしまわないように加減するのが、とても難しかった……」
全てが終わり、クラークがハンカチで埃を払う。



店という店は既にグチャグチャになり、女神の像も跡形も無く、水だけがバシャバシャと噴出している。
床も石畳が砕け、破片がハラハラと舞い落ちる。

そして、モールの壁には巨大なクレーターが生まれ、その中心には磔にされたスバルの姿があった。




「さて、ローラさんの方は任せておくとして……私も探索に戻りましょうか」
先行させた部下の安否を気遣い、先へと進もうとすると、背後で音が鳴った。

不審に思い振り返れば、壁に磔にされていたスバルが床に落ちていた。
「………………………ッ……ぅ……」
僅かに呻きながら、スバルは両の腕に力を込めて、体を起こそうとする。
「っ…!」
が、滑って顔から落ちてしまう。それでも、再び力を込めて四つんばいにまで起こした。
「……無理はしないほうが良いですよ?非殺傷とはいえ、体が受けた衝撃は生半可なものではないのですから……」

攻撃が非殺傷でも、それによって床や壁に叩きつけられたダメージは肉体にくる。
魔力も体力もダメージも、スバルは限界だった。

それでも震える膝を押さえながら、スバルが揺ら揺らとしながらも立ち上がった。
「………まだ…終わってない…………っ!」
最早、リボルバーナックルを持ち上げる事さえ困難になって、それでも尚、スバルの瞳は諦めてはいなかった。

その様子を見て、クラークは嘆息した。
完全に意識を絶たない限り、彼女は何度でも起き上がってくるだろう、と。

これ以上やれば彼女の未来に、深刻なダメージを与える事になるかもしれない。
「仕方ありませんね。その身を支える想いごと、私の拳で断ち切らせてもらいましょう……!」
クラークが再び構えを取り、そして一瞬でスバルの眼前まで踏み込んだ。

僅かに躱そうと体をよじるが、そんなものは何の障害にもならない。

(ダメだ……体が……もう……ごめん…ティア……)

スバルがついに崩れ落ちそうになる。

次の瞬間、衝撃が襲い、闇に堕ちる。






――――――――――鉄輝


(……?)




「―――― 一閃ッ!!」


剣閃が輝き、クラークとスバルの間の空間が切り裂かれる。同時に石畳が数枚纏めて真っ二つにされた。
反射的にクラークは飛び退くが、そこに目掛けて剣閃が翻した。
それを躱した所に更に斬撃が閃いた。
「グゥッ!?」
ついに回避しきれず、クラークがガードする。
金属の擦れる不快な音が響き渡った。

突然の乱入者に、クラークは大きく退かされた。




(今の、声って……?)
ぼんやりとする意識の中で、スバルは声の主を必死に思い出そうとする。
「まったく、一人で何やってるんだよ!?」
「……ッ!?や、ヤスフミ……!?」

戻った意識が、目の前に立つ人物を認識する。
「やっと意識戻った?ったく…間に合わなかったら、どうする気だったのさ?」
「え…?何でヤスフミがここに……?」
「助けに来たに決まってるでしょ?で、他の皆は?」


「―――その話は、ひとまず後よ、ヤッちゃん?」
スバルの肩にポン、と手が置かれる。
その声にハッとして振り合えれば、そこに在ったのは見慣れた上官の姿。
「ふぇ、フェイト隊長……!良かった、無事だったんですね……!?」
「えっと、その辺りも含めて………今は」

恭文が刃をクラークに突きつけた。

「お前、僕の友達をこんなにして………無事に済むと思うなよ?こういうのは倍返しが基本だからね?」
《ちなみにキャンセルは利きませんので、ありがたく受け取って下さい。私達は既にクライマックスですから》



古き鉄の剣士が、ついに戦場に降り立った。





















後書き。という名の三次創作













アリシア「という事で第二話、如何でしたでしょうか?アリシア・テスタロッサです!」

連音「辰守連音です」

古鉄《ばっちりレギュラーを確保。アルトアイゼンです》


(青いウサギ、すっかり居ついている。本当にマスターを置いて何をしているのだろうか?)


連音「今回は謎の生物との戦いと、スバル対クラークがメインだったな」

古鉄《というか、ディバインバスター正面から相殺して更に連発って……どんだけですか?》

連音「世界には、それ位出来る奴はゴロゴロいるさ」

古鉄《あなたが言うと……説得力在り過ぎですね》

アリシア「このクラークって人は、某アームストロングさん的な人を想像してくれれば分かり易いって」

古鉄《しかし、うちのマスター……ちょっと、カッコ良過ぎませんか?》

連音「ま、良いんじゃないか?」





アリシア「さてさて!早速、今回のゲストを呼んでみたいと思います!」


(そういうや否や、不思議な光が発せられる。そしてスタジオを包み込んだ)


???「あ、あれ?ここ何処!?」


(現れたのはアリシアそっくりの女性。もう言わずとも分かりますね?)


アリシア「という事で今回のゲストは私の妹、フェイトでーす!!」

フェイト「え?あれ!?姉さん!?何で!?私、捕まってたんじゃ……?」


(閃光の女神、キョロキョロと辺りを見回す。状況が把握できていないようだ)


連音「おいおい、どんだけ自由なんだよ此処は?」

アリシア「何を言っているの、ツラネ?この世界は、アリシアちゃんを中心に回っているのよ!!」


(金色の女神、ズバーン!と、宣言する)


フェイト「そういうのって……良いの?」

アリシア「大丈夫。影とまとパッチがある以上、全ては私の自由のままになるから。

具体的にはヤッちゃんの身長が低いのも、恭太郎ちゃんの身長が低いのも、恭太郎ちゃんの髪の色も、アルトアイゼンの究極体も、なのはちゃんが自分に素直になれないのも、ギンガって子がヤッちゃんにデレデレなのも、ティアナちゃんがツンデレなのも、そしてこの流れだと劇場版第二段が出来ないのも!!

―――全ては、私の仕業なのよっ!!」

連音「色々問題ありまくりだろ!?そして最後のは直球だよな!?」

アリシア「良い事?もう一度言うけど……この世界はアリシアちゃんの為に回っているのよッ!!」
古鉄《そして私の為にも回っているんですよ!?》



(金色の女神、青いウサギ、ズババーンッ!!と、宣言する)



フェイト「か、勝てない………流石姉さん…………!」


(閃光の女神、ガックリとうな垂れる)


連音「信じるな、信じるな」



(元ネタが分からない方は、ニ○動で【特別法廷】と、検索してみて下さい)




アリシア「ではここで、拍手を頂きましたので、読ませて頂きたいと思います!」

連音「流石にコルタタさんの様に多くは無いけど、こういうのを貰うと、作者のやる気が高まるようだな」

アリシア「では早速、行ってみましょ〜!」




犬吉様宛
おぉ、連音と恭文のクロス始まりーーー!!どうも、「生まれたての風」でも犬吉様の小説を読ませて頂いていますコルタタ様を信仰している者です。
ここのはやては連音が絡んでいるから「とまと」本編より目立って見えますね。シャドウブレイカーも楽しみにしていますので頑張ってください〜(^O^)ノシ

by コルタタ様崇拝者



アリシア「はい、ありがとうございます!作者に代わりまして、お礼申し上げます!」

連音「拍手ありがとうございます。闇の書事件か……今思い出すと、良く生きていたなと……俺が」

アリシア「あぁ〜、ねぇ〜?あれは……うん、ネタバレになるから」

連音「そうだな……ところでアルトアイゼン?」

古鉄《何でしょうか?》

連音「はやては、その…そんなに影が薄いのか?」

古鉄《では、ちょっと本編を読んでみて下さい》


(竜魔の忍と金色の女神、本編を読んでみる。見る間に表情が変わっていく)


連音「………さて、次の拍手へ行こうか」

アリシア「………そうだね♪」

フェイト「えぇっ!?何事も無かったかのように!?」




ここでいいのかと不安になりつつ、感想投下。 犬吉さんのクロス3次読みました! 大人バージョンの連音カッコよすぎる……!
予想通りフェイトには振られたけど、そのせいでフラグ乱立とか……やってくれるな!
今後、どんな熱血バトルが繰り広げられるのか、楽しみにしています! しかし、犬吉さんのアリシアさんマジで萌える!!!鼻血吹いた!
シャドウシリーズで彼女がどうなるのかも超期待!! てか、名字的に……本妻!!??

by 志之司 琳




アリシア「やだもう!次元世界のスーパーアイドルだなんて、そんな御世辞言っても何も出ませんよ!?」

フェイト「姉さん、誰もそんな事言ってないよ!?」



連音「―――いつも感想を下さり、有難うございます。作者に代わって、お礼申し上げます」

古鉄《見事にスルーしましたね?》

連音「しばらくほっとけ。で、成長した俺は……まぁ、やっと忍姉の呪縛から逃れられたかな…と」

古鉄《でも、やっぱり似てますよね?雫さんにも間違われましたし。髪伸ばしたら、まだまだ……》

連音「大丈夫。絶対に髪を伸ばさないから。で、恭文とフェイトはどうなるんだ?」

古鉄《フェイトさんのIFルートがありますので、まだ大丈夫です。本編と同じにはなりませんが、チャンスは継続中です》

連音「前回のあれを、大奥と例えたのは絶妙だと思ったよ。凄い奴だよ、うん」

古鉄《もし、このまましゅごキャラクロスまで行ったら……止めましょう、収拾が本気でつきませんから》

連音「そうだな。正直、何処まで行くのか………ま、良いか」

古鉄《マスターの自業自得、ですからね。ところで、アリシアさんが辰守を名乗っていますが……?》

連音「あぁ、これはあれだ。そのままテスタロッサを名乗れないからな。だから辰守を名乗ってるんだ」

古鉄《では、嫁入りした訳でも輿入れした訳でも降嫁した訳でもないと?》

連音「それ、全部一緒の意味だろ。まぁ、そういう事」




アリシア「私、スーパーアイドルを辞めて!普通の女神に戻りますッ!!」

フェイト「姉さん、逆にグレードアップしてるよーッ!?」



古鉄《………そろそろ止めません?》

連音「いや、もう一寸ほっとこう」









(EDの曲が流れ始める)



アリシア「さて、もうお別れのお時間ですね〜」

連音「次回は、更にバトル全開になるのか?」

古鉄《そのようですね。強敵相手にどう戦うのか、その辺りも期待して欲しいですね》

連音「………無意味に作者にプレッシャーを与えるな」

アリシア「ゲストのフェイトも、ありがとうね。ちゃんと元の場所に返してあげるから」

フェイト「あの、出来たらそのままにして欲しいんだけど……」

アリシア「――却下♪」

フェイト「えぇ〜ッ!?」


アリシア「ではこちらでのお相手は、通りすがりの女神アリシア・テスタロッサと」

連音「最後のシーンに俺が居ないな?辰守連音と」

古鉄《古き鉄こと、アルトアイゼンと》

フェイト「うぅ……フェイト・テスタロッサでした………」




古鉄 アリシア「ばいば〜い!!」






フェイト「うぅ〜…姉さんって結構、意地悪だよね?」

連音「まぁ、本編でちゃんと助けてやるから、ちょっとだけ待ってろ。な?」

フェイト「うん。ありがとう……レン」




(ED曲 二人は冒険者)



















オマケ



とまと本編なお話。


アリシア「ところでフェイト?」

フェイト「何?」

アリシア「いい加減、バカップルは止めなさい?」

フェイト「ち、違うよ!?普通に恋人で、うん、全然おかしくないし、バカップルなんかじゃないから!!」

アリシア「オーケー。今日はとことん、お姉ちゃんと話合おっか?大丈夫、時間なら幾らでもあるから」

フェイト「え?え??え???えぇ〜〜〜〜〜っ!?」


(襟を捕まれ、ズルズルと引き摺られていく閃光の女神)


連音「さしものフェイトも、アリシアには勝てないな」

古鉄《ですが、アリシアさんの努力をもってしても、糖尿率は下がらないんでしょうねぇ……》

連音「あれは………文字通り、神でも無理だ」









おしまい。



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あきゅろす。
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