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頂き物の小説
第1話 『魔法少女と仮面ライダー』













・・・・・・これは・・・・・・夢・・・・・・?












・・・目の前では、なのはママや恭文達が、恭文に見せてもらった『仮面ライダー』達と一緒に、なにかと戦っている・・・








・・・・・・その戦っている相手は、やっぱり『仮面ライダー』に出てきた敵・・・・・・でも、なのはママ達はボロボロで、今にも倒れそう・・・・・・








空には・・・・・・巨大な鳥のような怪物が浮かんでいて・・・・・・その鳥が口から放った光が、なのはママ達を飲み込んでいく・・・・・・


そして、なのはママ達は・・・・・・地面に倒れこんだ。





























「・・・まだ・・・やられたわけじゃねぇ・・・」









よろよろと立ち上がるのは・・・・・・見たことのない、ピンクの身体にの緑の目を輝かせる仮面ライダー・・・・・・




そして、そのライダーの胸には大きな十字が刻まれている・・・・・・



≪---FINAL-ATTACKRIDE---DE-DE-DE-DECADE---≫




見たことのない仮面ライダーがベルトにカードを入れ、鳥の怪物に向かって金色の光で出来た10枚の障壁が現れる・・・・・・













「はあああああああああああああぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!」














そして、空中に飛び上がった仮面ライダーと光に包まれながら、鳥の怪物にキックを放った・・・・・・





















































「・・・・・・ヴィヴィオ、大丈夫?なんだか、うなされていたよ?」

「なのはママ・・・・・・」



私が眼を覚ますと、そこにはなのはママの笑顔があった。私は思わず、なのはママに抱きついた。



「ヴィヴィオ?」

「あのね、なのはママ・・・・・・とっても変で、怖い夢を見たの・・・・・・」

「そうなんだ・・・・・・じゃあ、どんな夢だったのか・・・話してくれるかな?ママが、怖い夢を吹き飛ばしてあげるから。」

「うん・・・あのね・・・・・・」








そして、私はなのはママに夢の事を話した・・・・・・













・・・・・・・・・その時、私は知らなかった。この夢が、ただの夢じゃなかった事を。










・・・・・・そして、始まりだったという事を。















『とある魔導師と機動六課の日常・外典』×『仮面ライダーディケイド』 クロス小説



とある魔導師達と仮面の英雄達の物語



















第1話 『魔法少女と仮面ライダー』













◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









「・・・見たことのない、仮面ライダーですか・・・・・ヴィヴィオ、その仮面ライダー、描けるか?」

「うん・・・・・・えっとね・・・・・・」







季節は2月も中旬に入ろうとしている頃。六課に出勤した俺を待っていたのは、なのはさんとヴィヴィオ、それにザフィーラさんだった。



なんでも、ヴィヴィオが今朝見た夢が妙に気になるので、それなりに仮面ライダーに詳しい俺に聞くことにしたのだそうだ・・・


・・・なのはさん達はまだ電王しか見ていないそうだし、こんな時に役に立つヤスフミはというと・・・・・・フェイトさん、それにリインさんと一緒に旅行中だしな・・・・・・修行も順調なようだし、そろそろ帰ってくるとは思うけど。





「出来たっ!!こんな感じ!!」



それで、ヴィヴィオは一生懸命画用紙に描いていた仮面ライダーの絵を俺に見せる・・・うん、この年代にしては上手いほうだな。


≪・・・マスター、それには同感だが・・・もっと突っ込むべき所があるぞ?≫




・・・・・・そうなんだよね・・・・・・




「・・・ヴィヴィオ・・・・・・最近、電王以外の仮面ライダーを見たりした?」

「ううん・・・・・・どうして?」

「ジン君・・・・・・なにか、問題があるの?」



そう訊ねてくるなのはさんに、俺は頭をかきながら答えた。














「ヴィヴィオが今描いてくれた仮面ライダー・・・・・・確か、日本で始まったばかりの『仮面ライダーディケイド』って奴なんですよ。」

≪当然、ミッドチルダではまだ放送されていないからな・・・シャーリーやヤスフミ等のオタクなら情報を持っていてもおかしくないが、ヴィヴィオがこいつを夢で見るのはおかしい。≫

「うぅ・・・・・・」

「・・・ヴィヴィオ、そんなに心配すんなって。確かに不思議だけど、きっとただの夢さ。」



ヴィヴィオが泣きそうな顔になるので、俺はとっさにしゃがんでヴィヴィオの頭を撫でる・・・・・・うん、あんまりヴィヴィオが不安になる事は言わないでおこう・・・



「で、でも・・・」

「大丈夫。ヴィヴィオの隣にはなのはさんがいるだろ?何も心配する事はないよ。」

「・・・・・・・・・・・・うんっ!!それじゃ、私メイルお姉ちゃんと遊んでくるね〜!!ザッフィー、行こっ!!」



俺の言葉に不安がなくなったのか、ヴィヴィオはザフィーラさんと一緒に外へと出て行く・・・・・・それを見送りながら、俺はなのはさんの方へ向き直った。



「・・・ヴィヴィオにはああ言いましたけど・・・・・・正直、ただの夢で片付けるには、ヴィヴィオが見た夢はおかしすぎます。」

≪ここ最近、我々が巻き込まれた事件を考えれば・・・何が起こってもおかしくはないな。≫

「そっか・・・・・・」


そして、なのはさんは首にかけているレイジングハートを握り締める・・・・・・俺はなのはさんの肩に手を置くと、笑みを浮かべた。


「大丈夫ですって!!俺達はイマジンとも渡り合ったんですよ?何が起きても・・・きっと乗り越えられます。」

≪それに、その不安そうな顔を止めたほうがいい・・・・・・ヴィヴィオはあれで聡い子だからな。すぐに気づかれるぞ?≫

「そうだね・・・・・・私がしっかりしなくちゃ、ヴィヴィオに安心させられないもんね。」

≪マスター、私も一緒ですからね。≫

「レイジングハートもありがとう・・・・・・それじゃ、今日も訓練張り切っていこうかっ!!ほら、ジン君も行くよ?」



元気を取り戻したなのはさんは、意気揚々と演習場へ向かっていく・・・・・・うん、これなら大丈夫そうだな。


≪それではマスター、我々も行こうか。≫

「あぁ・・・けど、厄介だよなぁシグナムさん・・・試験が終わったからって、毎日のように模擬戦吹っかけられるのはなぁ・・・」




俺は今後の事を想像して、肩を落としながら演習場へと行く・・・・・・案の定、演習場にはもっのすごい笑顔のシグナムさんがいて、本日で連続三日目の模擬戦が始まった・・・・・・




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・ミッドの各地で・・・・・・銀色のオーロラやて?」


『えぇ、そうなの。ミッドでオーロラなんて今まで見たことないわ・・・何か、未知のロストロギアが関係しているかもしれない・・・』



部隊長室で、うちはカリムからの通信に耳を傾けていた・・・・・・たしかに、その可能性はあるわな・・・・・・



「・・・わかった。万が一の時は、うちらも出撃してええんやな?」

『えぇ、クロノ提督やリンディ提督にも許可は貰ったし、有事の際にはお願いするわ・・・・・・それと、身体のほうはどう?』

「元気いっぱい、幸せ満載や・・・・・・もう少ししたら・・・カリムの本当の妹になるんやなぁ・・・・・・」

『えぇ・・・・・・私も楽しみよ?・・・はやて・・・こんな事私が言うのもおかしいのかもしれないけど・・・・・・身体を、大事にしてね。』

「わかってる。もう、うちの身体はうちだけのものやない・・・・・・この子の為にも、無茶はせぇへん。」


心配そうな眼差しを向けるカリムに、うちはお腹をさすりながら答える・・・・・・まだ大きくなってへんけど、ここには新しい命が宿ってる・・・・・・無茶なんかする訳にはいかないんよ。


『そう・・・それじゃ、また今度ね。』

「ほな、またなぁ・・・・・・・・・・・・はぁ〜、カリムにはあぁ言ったものの・・・・・・恭文とフェイトちゃん、リインがいないのは痛いなぁ・・・・・・」



カリムとの通信が切れると、うちは机にもたれてため息をつく・・・・・・今六課が動くような事態になったら、なのはちゃんが無茶しかねんし・・・なんも起きんとええけどな・・・





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「待て待て〜っ!!」

「逃げるなぁ〜っ!!」

「ワゥンッ!?」



私とメイルお姉ちゃんは、お庭で一緒にザッフィーを追い掛け回している・・・・・・理由?なんとなくっ♪



なのはママ達がお仕事の最中は、邪魔になるといけないのでいつもここで遊んでいますっ!!


今日は、メイルお姉ちゃんも一緒なのでいつもより楽しいかもっ!!




「えへへ〜、ザッフィーもふもふ〜♪」

「ほんとだね〜♪」



逃げ回るのに疲れたのかな?ザッフィーが木陰でしゃがみこんだので、私とメイルお姉ちゃんは一緒にザッフィーに抱きつきます♪もふもふ〜♪




























「・・・・・・オ、ヴィヴィオッ!!起きて〜!!」

「・・・んみゅ?メイルお姉ちゃんおはよう・・・」



気が付くと、私とメイルお姉ちゃんは眠っちゃってたみたい・・・・・・まだお外は寒いけど、ザッフィーのおかげで身体は冷たくないです♪



「も〜、ヴィヴィオはお寝坊さんだなぁ・・・ヴィヴィオ、今度は『電王』見ようよっ!!」

「電王っ!?うんっ!!見る見る〜♪ザッフィーはどうする?」



私は立ち上がると、ザッフィーの方を見る・・・ザッフィーも尻尾を振っているから、見たいんだね♪


「それじゃ、アタシは先にいってるね♪ほら、ザッフィーも行こっ?」

「あ、待ってよ〜!!」



メイルお姉ちゃんとザッフィーが先に行っちゃうので、私も後を追いかける・・・・・・













“・・・・・・ちょっと待って・・・・・・くれるかな・・・・・・?”













・・・・・・その時、私の頭に声が響く・・・・・・・・・・・・誰、なの?












そして、私の目の前に銀色のオーロラが現れて・・・・・・そこから、優しそうなお兄さんが出てきて、私の前にしゃがんだ。

・・・どこかで見た覚えがあるんだけど・・・誰だっけ?






「・・・・・・はじめまして。僕は、紅渡って言います。」

「あ・・・はじめまして。高町ヴィヴィオ、6歳です。」

「ちゃんと挨拶できるんだ・・・・・・えらいね。」




そう言って、渡さんは私の頭を撫でる・・・だけど、その眼はなんだか・・・悲しそうだった。






「・・・ヴィヴィオちゃん・・・今、君の世界には・・・大変な事が起きようとしているんだ・・・そして、このままだと・・・・・・この世界だけじゃなく、すべての世界が無くなっちゃうんだ。」

「・・・・・・・・・え?」

「本当は僕達の手で止めなくちゃいけないんだけど、僕達の仲間でこの世界に関われる人は少ない・・・・・・だから、コレを君に預ける。」



そう言って、渡さんは私に一枚のカードを手渡す・・・・・・そこには、夢で見た・・・・・・『ディケイド』の絵が描かれていた。




「コレは、君が大切な人を守りたいと思った時に力を貸してくれる・・・・・・そして、君の周りにいる人の中にも・・・・・・僕達の力を借りて戦う人が出るかもしれない・・・・・・」



渡さんの言っている事はよく分からないけど・・・・・・とても、大事な事なんだと思った。



「・・・本当は、君みたいな女の子を巻き込みたくなかったんだ・・・・・・でも、『彼』だけじゃこの危機は救えないし・・・・・・」



・・・そういう渡さんに私は笑みを浮かべた。だって、渡さん・・・・・・今にも泣きそうな顔をしているもん。



「・・・ヴィヴィオの周りには・・・強い人がたくさんいるから、心配しないで・・・きっと、この世界の平和は大丈夫だよ。」

「そっか・・・そうだね・・・君達の事を信じなくちゃ・・・そうじゃなきゃ、その力を託す意味が無い・・・」



渡さんは笑みを浮かべると、立ち上がって私の頭を撫でてくれた。そして、私に背を向けて歩き始める・・・その後姿に、この前見た『クライマックス刑事』に出てる『仮面ライダーキバ』が重なった・・・



“・・・ヴィヴィオちゃん・・・彼を・・・『本当のディケイド』を助けてあげて・・・それが、僕・・・いや、僕達からのお願い・・・”

「本当のディケイド・・・?渡さん、待ってっ!!」


私は渡さんを追いかけようとするけど、渡さんはまた現れた銀色のオーロラの中に消えていく・・・そして、その姿はどこにもなかった。





「ヴィヴィオ〜、どうしたの〜?」

「ううん、なんでもないよ?それじゃメイルお姉ちゃん、今日は何見る〜?」

「そうだね〜・・・またクライマックス刑事見よっかっ!!」



いつまでも来ない私を心配したのか、メイルお姉ちゃんとザッフィーが中庭に来る・・・・・・私は、メイルお姉ちゃんとそんな話をしながら、中庭から戻っていった・・・・・・





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「はぁ・・・シグナムさんの相手はきついぜ・・・」

「まぁ・・・確かにアレはきついわね・・・でも、あそこまで生き生きしているシグナム副隊長は初めて見たわ・・・」





今日の訓練が終わって、俺とティアナは一緒に買い物をしていた・・・・・・なんでかって?最近ティアナがしょっちゅう泊まりに来るんだよ・・・それで、今日は一緒に夕飯をつくろうって訳。


・・・・・・最初は危なっかしかったけど、最近はましな物が出来ている・・・味もそこそこ、まだまだ精進が足りないな。


「・・・やっぱ、食べてくれる人がいるってのはいいわね・・・・・・アイツの気持ちがなんとなく分かるわ・・・・・・って、どうしたのよ?」

「いや・・・最近、ティアナがやけにデレてるなぁって・・・・・・なんで抓るんだよっ!?」

「うるっさいっ!!私はツンデレなんかじゃないわよっ!?」

「誰がツンデレって言ったよ!?それに、そんな事言ったら自分で認めているようなもんじゃねぇかっ!!」

「なんですってぇぇっっ!!」

「だから抓るなってっ!!」

≪二人とも、夫婦漫才は止めてくれ・・・見てるこっちが恥ずかしい・・・≫








・・・・・・とまぁこんな感じでじゃれあいながら、俺達は買い物を続けていく・・・途中、通り過ぎていく人達に温かい目で見られていたのは秘密だ。
















・・・・・・異変が起きたのはそのすぐ後だった。ふと気が付くと、前から大急ぎで走ってくる人がたくさん出てくる・・・それはまるで、何かから逃げているみたいだった。


「・・・ティアナ。」

「えぇ・・・・・・何かおかしいわ。行くわよっ!!」




俺達が走り出すと、そこには・・・・・・人々を襲っている、化け物の姿があった。片方は蜘蛛のような姿をした怪人で、もう片方はステンドグラスのような色彩の・・・やはり蜘蛛のような姿・・・・・・おいおいおいおい、なんでこいつらがミッドにいるんだよっ!?




「何よあれっ!?まさか・・・・・・イマジン!?」

「いんや、あれは・・・ファンガイアとグロンギだ・・・ティアナ、六課に連絡しろっ!!バルゴラ、セットアップ!!」

≪分かったっ!!≫

「ちょっと待ちなさいよっ!!クロスミラージュ、セットアップッ!!」


俺とティアナはバリアジャケットを纏いそれぞれの武器を手に取ると、人々を襲っている怪人・・・『ズ・グムン・バ』と『スパイダーファンガイア』に魔力弾を放った。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




『ヴィヴィオ、すぐに戻ってくるから・・・いい子にしてて待っててねっ!!』


「なのはママ・・・・・・」



お部屋の中で、私はザッフィーに抱きつきながら呟く・・・・・・なのはママはああ言っていたけど、なんだか・・・行かなくちゃ駄目な気がする・・・


今行かなくちゃ・・・・・・なのはママが、遠いところへ行っちゃうような・・・・・・そんな気がする。



「・・・そうだ・・・あのカード・・・」



私はポケットから『ディケイド』の絵が描かれたカードを取り出すと、それを両手で握り締めて祈った。










「お願い・・・・・・力を・・・貸して・・・・・・」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




なん・・・だと・・・?











目の前に広がる光景に、我は驚きを隠せなかった。





ヴィヴィオがポケットから取り出したカードを握り締めたかと思うと、ヴィヴィオの身体が光に包まれ・・・・・・主達と同じくらいの年齢にまで変化した。


服装も、高町のバリアジャケットを模したものになっており、その腰には白いバックルをつけたベルトが付けられている。





「・・・それじゃ、ザッフィー・・・・・・行ってくるね。」




ヴィヴィオは我の頭を撫でると、光に包まれて・・・・・・部屋の中から消えてしまった。





転移魔法だと!?・・・いかん、主はやてに連絡しなくてはっ!!





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「うぁ・・・悪い予感、的中やな・・・イマジンの次は、グロンギとファンガイアとは・・・」




うちは頭を抱えながら、モニターに映る映像を眺める・・・いや、なんでこうもフィクションの中にしか居ない存在がわんさかでてくるんやっ!?アレかっ!!恭文の運の無さが伝染したんかいなっ!?



「あ〜、ちょっとは落ち着きなよ・・・・・・上がそんなんじゃ、下も不安になるよ?」

「ヒロの言う通りだ・・・・・・大丈夫だって、やっさんは居ないけど・・・なんとかなるって。」



・・・ヒロさんとサリさんの言葉で、うちは少しだけ落ち着きを取り戻す・・・・・・そうや、うちは部隊長なんや・・・・・・冷静に冷静に・・・・・・





“・・・・・・主はやて、少々よろしいですか?”





すると、ザフィーラから念話が繋がる・・・どことなく、慌てているように聞こえるのは気のせいなんかな・・・・・・






“・・・・・・申し訳ありません・・・・・・ヴィヴィオが、突然光に包まれて・・・・・・姿を消しました。”












・・・・・・・・・・・・・・・はぁっ!?!?な、何やってぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっ!?!?!?








「戦闘区域に謎のオーロラが出現っ!!敵の増援ですっ!!その数、およそ120!!・・・・・・え?ウソ・・・・・・」

「シャーリー、どないしたんやっ!?」





ザフィーラからの念話に気を取られていると、シャーリーが驚きの声を上げる・・・・・・今度は何なんやっ!?














「そ、それが・・・・・・戦闘区域に・・・・・・何者かが転移してきますっ!!」
















・・・・・・な、なんやこれ・・・・・・もう、泣いてもええかな・・・・・・?





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「くそっ、次から次へと沸いて出てきやがって・・・テメエらは○キブリかってぇのっ!!」

「そんな事言っている場合っ!?このままじゃジリ貧よっ!!・・・キャロッ!!」

「分かりましたっ!!フリード、ブラストレイッ!!」


俺達が飛びのくと、フリードの放った火炎が怪人達を飲み込んでいく・・・あの後、六課のフォワード陣が到着したと共に銀色のオーロラが現れて・・・グロンギやらファンガイアやらミラーモンスターやらがたくさん出てきやがった。


つか、ふざけんなよっ!?どこの劇場版だこれっ!?


上空では、なのはさんにヴィータさん、シグナムさんが必死にミラーモンスターを撃墜していく・・・・・・俺らは、地上のファンガイアたちを撃破していった。




「紫電・・・一閃っ!!」

「リボルバーキャノンッ!!」

「ソニックエッジッ!!」


スバルとエリオ、メイルが突っ込んでいって、またグロンギの何体かが爆発に飲み込まれていく・・・・・・けど、まだまだ数は多い・・・・・・マジでなんだよコレ。



『皆気をつけてっ!!何者かが戦闘区域に転移してくるっ!!』




シャーリーさんの声に、俺達は反応して警戒する・・・・・・こんな状況で転移だとっ!?・・・味方だといいな・・・




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




『皆気をつけてっ!!何者かが戦闘区域に転移してくるっ!!』




「なのはぁっ、気をつけろっ!!」

「分かってるよヴィータちゃんっ!!」

「・・・来るぞっ!!」



シグナムさんの声で、私達は目の前に現れた光を警戒する・・・その光はやがて人の形になり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?







現れた人物は、私のと似たデザインのバリアジャケットを身につけ、栗色の髪をサイドポニーに・・・・・・そして見開かれた瞳は、翠と朱のオッドアイ・・・・・・






それは、ゆりかごの中で見た・・・・・・聖王の姿になったヴィヴィオだった。





「・・・・・・ヴィ・・・・・・ヴィ・・・・・・オ?ど、どうしてこんなところにっ!?それに、その姿は・・・・・・」



混乱する私に、ヴィヴィオは優しい笑みを浮かべる。



「・・・・・・私も、戦わなくちゃいけないんだよなのはママ・・・・・・きっと、その為にもらった力だから・・・・・・」



そして、ヴィヴィオはどこからか取り出したカードをかざすと、腰に巻いていたベルトのバックルに入れてバックルを操作した。


「変身っ!!」

≪---KAMENRIDE---DECADE---≫


バックルから流れた音声と共に、ヴィヴィオの身体に9つの影が重なり、頭部に7枚の板が突き刺さる・・・



・・・そしてそこには、胸に白い十字が刻まれ、翠の複眼を輝かせた・・・ピンクと白色の装甲に包まれた戦士が現れた。






これって・・・・・・ヴィヴィオが夢で見たっていう仮面ライダー・・・・・・でも、どうしてヴィヴィオが!?









「・・・うん、やっぱり仮面ライダーになったんなら・・・コレはやらないとね・・・私っ!!」



そして、仮面ライダーに変身したヴィヴィオは、自分を右の親指で指すと、歌舞伎役者が見栄を張るように左手を前に出し、右手を後ろに下げてポーズを決めた。




「参上っ!!」







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヴィヴィオ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とってもかっこいいよっ!!






・・・・・・・・・・・あれ?なんで私涙が出てるんだろう・・・・・・・?








「・・・・・・・・・なのは、それ・・・・・・・親バカって言うんじゃねぇか?」



・・・・・・・・・・・・ヴィータちゃんの言う通りかも・・・・・・これ、記録に残っているのかなぁ・・・・・・ちゃんと永久保存版を作って、フェイトちゃんが帰ってきたら見せてあげよっと。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「ヴィ〜ヴィ〜オ〜ずぅるぅ〜いっ!!私も仮面ライダーになりたいよ〜っ!!」




・・・・・・メイルの発言は置いておくとして、俺達は目の前の光景についていけなかった。だって、光から現れたのはヴィヴィオ(?)だったし、そのヴィヴィオ(?)がいきなり変身してディケイドになるし・・・挙句の果てには、電王の名乗りをやりやがったっ!!



「・・・ねぇ、何がどうなっているのよ?」

「俺に聞くなよ・・・・・・俺だって訳が分からないんだから・・・・・・」

「すっご〜いっっ!!ヴィヴィオが、仮面ライダーになっちゃったよっ!!」

「ホントですっ!!」

「・・・・・・スバルさん、エリオ君・・・・・・どうして眼を輝かせているの?」





スバルとエリオは動きを止めてディケイドに魅入っていて・・・・・・その後ろに、ファンガイアが迫っていた。






・・・・・・・・・ってぇっ!?お前ら前を向け前ぇっっ!!



「スバルッ、エリオッ!!」


ティアナが声をかけるが、振り上げられたファンガイアの剣が、スバル達に振り下ろされ・・・・・・










≪---ATTACKRIDE---BLAST---≫









その時、虹色の光弾がスバルとエリオの前に降り注ぎ、スバル達の前に居たファンガイア達を打ち抜いていく・・・そして、空中に居たディケイドが、俺達の前に降り立った。



「・・・ヴィ、ヴィヴィオ・・・なのか?」

「うん、ジンお兄ちゃん・・・・・・すぐに終わらせるから、ちょっと待っててね。」



そう言うと、ディケイドは左腰にしまっていたホルダーのようなものからフェイトさんの姿が描かれたカードを取り出し、ベルトに装填した。



・・・・・・え?フェイトさんの・・・・・・カード!?




≪---MAGICAL-KAMENRIDE---FATE---≫



その音声と共に、ピンクと白色だったディケイドの装甲が金と黒色に、複眼の色が赤く変化し、ベルトからバルディッシュが現れハーケンフォームに変化する・・・・・・って、えぇぇぇっっ!?




≪---MAGICAL-ATTACKRIDE---SONIC-MOVE---≫




「はああぁぁぁっっっっ!!」



そして、高速で移動を始めたディケイドは次々とファンガイアやグロンギ達を切り裂いていく・・・・・・ま、まじか・・・・・・?



「あの動き・・・・・・フェイトさんにそっくりだ・・・・・・」


エリオが思わず呟いているが、俺が驚きたいのはそこじゃねぇ・・・・・・なんでフェイトさんのカードがあるんだ?ディケイドって確か、他の平成仮面ライダーに変身するはずじゃ・・・・・・




地上に居たファンガイアとグロンギの連合軍が全部ディケイドに切り伏せられると、ディケイドの装甲が元の色に戻る。



≪---MAGICAL-KAMENRIDE---NANOHA---≫



ディケイドが再びベルトにカードを挿入すると、今度はピンク色の部分が白くなり、腕部と脚部の黒い部分と複眼が青く染まる・・・そして、ベルトからはバスターモードのレイジングハートが現れる・・・・・・今度はなのはさんかよ・・・・・・



そして、空中に飛び上がったディケイドは、砲撃を放ちながらなのはさんの元に近づいていった・・・・・・





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





「あれは・・・・・・フェイトちゃんの動き・・・・・・」



私は上空の怪物達を倒しながら、ヴィヴィオの動きを眺める・・・・・・ヴィヴィオが変身する仮面ライダーの色が変わったかと思うと、フェイトちゃんのような動きで地上の怪人達を一掃した・・・・・・



そして、ヴィヴィオの変身する仮面ライダーは、白と青が基調になった姿に変わる・・・・・・レイジングハートを持っているし、今度は私・・・・・・かな?




「なのはママァァァァッッッッ!!」



ヴィヴィオはレイジングハートを握り締めると、砲撃を放ちながら私の元に来る・・・・・・そして私の隣に浮かぶと、一枚のカードを取り出した。そのカードには、レイジングハートをイメージしたマークが描かれている・・・


「なのはママ、一気に行こうよっ!!」

「・・・・・・分かったよ、ヴィヴィオッ!!」

“ヴィータちゃん、シグナムさんっ!!ディバインバスターで一気に片付けます!!”



ヴィータちゃんとシグナムさんが射線から離れたのを確認すると、ヴィヴィオはカードをベルトに装填した。





≪---MAGICAL-FINAL-ATTACKRIDE---NA-NA-NA-NANOHA---≫



ベルトからそんな音声が聞こえると、私とヴィヴィオはレイジングハートを怪物の群れに向ける・・・・・・





「「ディバイィィィィィィンバスタァァァァァァァァッッッッッッ!!」」




そして、二つのレイジングハートから放たれた桃色と虹色の奔流が、怪物の群れを飲み込み・・・・・・視界が開けると、怪物達は跡形もなく消え去っていた。




「やったね、なのはママっ♪」



変身をといたヴィヴィオは、純真無垢な笑みを私に向ける・・・私はゆっくりと近づくと、ヴィヴィオを優しく抱きしめた。



「うん・・・お疲れ様、ヴィヴィオ。」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆








「・・・・・・仮面ライダーの名を継ぐ者達め・・・・・・まさか、ディケイドのまがい物を生み出すとは・・・・・・」



我は玉座からミッドチルダの光景を眺めていた・・・・・・やはり、こうでなくては面白くない・・・・・・我々と奴らの因縁は深いのだから・・・・・・



「・・・・・・死神博士・・・・・・手はずはどうなっている・・・・・・」

『・・・既に、アンデッドやオルフェノクの怪人化は進みました・・・・・・オリジナルより劣化しているとはいえ、魔導師ごときでは太刀打ちできないでしょう・・・・・・』

「そうか・・・・・・引き続き、他の怪人達も製作にかかれ・・・・・・地獄大使、貴様はミッドチルダの前線基地の開発を急げ・・・・・・それと、ジェイル・スカリエッティを・・・我らの障害にならぬ内に排除せよ・・・・・・」

『了解しましたっ!!』



空間に浮かんでいるモニターが消えると、我は静かに目を閉じる・・・・・・全次元世界を手にするのは・・・・・・もうすぐだ・・・・・・



「さぁ・・・・・・貴様らはどう出る?仮面ライダー、そして機動六課よ・・・・・・フフフフフフフ、ハァッッッッハッハッハッハッハ!!!」



玉座に座り、高笑いを上げる我・・・・・・その頭上には、双頭の大鷲が描かれたエンブレムが輝いていた・・・・・・









『次回、仮面ライダーディケイドッ!!』








【モモタロス、いくよっ!!】

「あぁ・・・せっかく面白い事になってんだ・・・めいいっぱい暴れるぜっ!!」





「ある存在が、すべての世界を支配しようとしています・・・その名は・・・『大ショッカー』・・・」

「私決めたんだ・・・『ディケイド』として・・・戦うって。」





「ちょっと、ジンっ!?」

≪・・・どうなっているというんだ・・・≫

「俺が・・・・・・アギトに!?」




「「「俺達(私達)、参上っ!!」」」



第2話『目覚める魂、再会の電王』


すべてを繋ぎ・・・未来をつかめっ!!





あとがき


ジン「・・・・・・お久しぶりです。今回の『とある魔導師達と仮面の英雄達の物語』第1話、いかがだったでしょうか?お相手は、ジン・フレイホークと・・・」

バルゴラ≪今回は少ししか会話がなかったバルゴラでお送りするぞ!!≫

ジン「・・・・・・しかしなぁ・・・・・・今回の話、いろいろとまずくねえか?ディケイドクロスって、コルタタさんもやる予定なんだろ?」

バルゴラ≪確かにな・・・・・・だが、コルタタ殿の方はディケイド本編に近くなると思うし、このクロスはどちらかというと劇場版に近いからな・・・・・≫

ジン「そこもだよ。なんで大ショッカーが出てるんだよっ!?映画なんてあと2ヶ月近く先じゃねぇかっ!!」


(このお話は、6月中旬ごろに書かれています。)



バルゴラ≪あぁ・・・・・・作者のノリだ。大丈夫だ、たぶんネタバレには・・・・・・ならないはずだから。オリジナル解釈もふんだんに入るようだしな・・・・・・≫

ジン「いや、大ショッカーが出てる時点でネタバレじゃね?・・・・・・でよ、もう一つあるんだわ・・・たしか作者の奴、ウソ予告を本当にするって公言してたよな・・・それはどうなったんだ?」

バルゴラ≪あぁ・・・・・・作者の奴、ウソ予告を書ききれる自信が無くなったから、ディケイドクロスで書きたい要素を一気に纏めるそうだ。その証拠に・・・・・・≫


(そういって、バルゴラが見せるのは・・・・・・このお話の先までの予定表)


ジン「何々・・・・・・・・・・・・・・・なぁ、これは・・・・・・・・・ほとんどオリジナルライダーって言ったほうがいいんじゃないか?」

バルゴラ≪そうだな・・・だが、こうでもしないとディケイドクロスを扱う上では変化が無いぞ?事実、最近はディケイドクロスのSSも増えてきている事だしな・・・・・・≫

ジン「そう言われると・・・・・・まぁとにかくっ!!次回を楽しみにしていてくれよ!!」


(こんな感じでフェードアウト。
本日のED、『Jouney through the DECADE』)



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