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頂き物の小説
その11.北沢家のビフォー・クリスマス


とあるガンプラビルダーと彼女たちの星輝く日々の記録


「その11.北沢家のビフォー・クリスマス」






挙動不審で街を歩いている少年に出くわしたら、あなたはどうするだろうか

どうかしたの?と声をかけるだろうか。

それとも誘拐犯と間違われるのも嫌だからと、スルーするだろうか。


正直、どちらの気持ちも分かる。分かるのだけど。


「クリスマス…クリスマス…」と虚ろな目でつぶやき、靴からたくさん砂をこぼして下向きながら歩いていたら。


しかも赤信号に気づかず横断歩道に踏み出そうとしていたら、車が来てなくてもとりあえず叫ぶのではないだろうか



『アカシンゴウだぞー!』


と。その時その子を含め交差点にいた人たちがビクって震えて尻もちついてたけど、必要なことだったのだ。


「大丈夫カナ?下向いて歩いてたら危ないヨ!」


俺とエレナは尻もちついてたその子の傍まで駆け寄った。

直接話すと問題発生の恐れがあったが、エレナはそういうのに頓着しないのでストレートに問いかけたのだ。


「あ、あう、うう?」


呂律が回っていない。パチクリした目で俺を見上げてくる。これは俺のせいだろうか。


「ワタシ、エレナ。こっちはジオー。キミは?」


こら、無闇に個人情報をばらすな。そんな俺の心情に気づいていないのか、エレナはその子の胸元の名札に気づいた。


「きたざわ、りく?あれ、もしかしてシホの弟かナ?」


その子はミリオンシアター所属のプロガーことキタザワ先輩の弟と、同じ名前だった。


◆◆◆◆


その日は"ニャイスタ"のシアター外稼働試験の為に散歩に出てた。たまたま時間が空いたエレナも同行した。

その途中で挙動不審な男の子を見かけて、しかもその子はキタザワ先輩の弟らしいときたもんだ。


少し落ち着いてから、俺らの名前を知ってたらしいその子も自己紹介してくれた。
自分のお姉ちゃんの名前は確かにシホで、765プロのアイドルだとも名乗ってくれた。


が、自己申告だけでは信用できない。彼が赤の他人で、俺を誘導してキタザワ先輩の住所を知ろうとしてる可能性もあるからね。
保育園児にそんなことできるわけがない?残念ながら世の中には1万年生きたショタジジイと言う人種もいるので疑わざるを得ないのだ。


それにそもそも園児が一人で、それも名札を付けたまま歩いて帰ろうとしてるのがおかしい。
今時は個人情報流出の観点から、学校でも保育園でも名札つけたまま外を歩かせない筈なのだ。


なので、こっそり撮った写真を送ってキタザワ先輩に確認をお願いする。

残念ながら俺は先輩のアドレスは知らないので、写真をツダP経由で送ってもらうことにした。
エレナなら知ってたかもしれないが、この状況では言い出せない。

とりあえずどうしても歩いてお家に帰りたいらしいので、連れ立って歩く。
車道側から俺、エレナ、りく君の順番。帰り道を先導するのはもちろん彼だ。



「一人で保育園から帰ろうとしてたノ?」

「それってお迎えに来たお義母さんや保育園の先生たちが心配してるんじゃないのか?」


一般的な保育園は園児を一人で家に帰したりしない。保護者が迎えに来るまで預かるか、大きい所ならバスで家の前まで送り迎えするはず。


「……お姉ちゃんの時間を取るのヤダから、だからボク一人で帰ろうと思って」

「へー、えらいネ!」


ほうほう。お姉ちゃんを気遣ったんだね。


「だけどそれ、事前にお母さんお姉さんに言っておかないと意味ない奴じゃないか?
知らずに迎えに来てたら二度手間だし、みんなに心配かけるし、きっと怒られるぞ」


「…大丈夫だよ。一人でちゃんと帰れたら、わかってくれるよ」


うん、全然わかってない。


「いや、怒られるのはキミじゃなくて保育園の先生だから。下手すりゃ責任問題で保育園なくなっちゃうぞ」

「…え!?」


そんなことになったら保育園の先生たちは勿論、通ってるお友達やみんなのお母さんたちも困るし。

それどころかお母さんやキタザワ先輩の仕事にまで影響するかもな。


「……お姉ちゃん、アイドル出来なくなるの!?」

「まぁ状況次第だけど」

「ええっ、シホアイドル辞めちゃうノ!?そんなのダメだよ」


顔を青くするリク少年と慌てるエレナ、「そんなことはないよ!」なんて無責任なことも言えない。
この子がどうやって保育園を抜け出してきたのか明らかにしないといけないし、他にも気になることはあるし。


「……ねぇお兄ちゃん」

「うん」

「お姉ちゃんがアイドル辞めたら、ガンプラしなくてよくなるかな」

「「はぁ?」」


そこへさらに斜め上発言が飛び出して、おいおいって感じだった。


「え、なんデ。リク、お姉ちゃんの力になりたかったんじゃないノ?」


そうだよな。だから一人で帰って負担を減らしてあげたいって言ってたよな。
なのにアイドル…て言うかガンプラを止めさせたいってのはいったいなんでだ?


「だって、戦争したら人が死んじゃうんだよ」

「それは、そうだね」


そして確かにガンプラバトルは戦闘であり、戦争だ。


「お姉ちゃんが死んだら、やだよ」

「それも、そうだね」


だけどガンプラ、あるいはガンプラバトルをすることで死にそうになる人は一般的じゃないと思う
……死にそうになった人間なら、二代目のおじさんと言う前例があるけどね。


ただPPSEもガンプラ警察もヤジマ商事もその辺は公にしてない。
少なくとも俺は二代目の病因をシアターメンバーには話してない。アオナギかナターリアから漏れたって線もないはずだ。


「確認するけど、ガンプラバトルをしたらお姉ちゃん死んじゃうのか?」

「だってガンプラって戦争なんだよ」

「そうだけど、お姉ちゃんはコックピットに乗り込むわけじゃないぞ」

ぶっちゃけガンプラが全損しても大多数のファイターは死んだりしない。


「でもアシムレイトってあるんでしょ?」


少年がその言葉を知っていたことにギクリとする。
二代目が衰弱した原因はアシムレイトを繰り返した結果、一部内臓や神経の機能に支障をきたしたからだ

それは、失われた四肢に対する痛みの錯覚であるファントム・ペインとの逆の現象。
ガンプラの破損と共に自分のカラダを喪失したと、脳が錯覚したことが原因だった。


だがこの件はそうそう再現されるような症例でもなく、ガンプラバトルへの印象操作の点から公言することを止められている。
従って、キタザワ先輩がそれを知ってる筈はなく、話したとも思えないのだが。


「アシムレイトって言うのをすると、ガンプラが攻撃されたら痛くなるんだよね?
バルカンを撃たれてお腹にいっぱい穴をあけられたり、ビームサーベルで刺されたりしたら、お姉ちゃん」


死んじゃうんじゃないか、と心配したと。納得した、そっちか。

それくらいならファンサイトでもさらっと載ってるし、知っててもおかしくない。



「このままじゃお姉ちゃん……クリスマスが来たら、死んじゃうかも」


と思ったらまた話が変わった?目つきも虚ろになるし、不安定すぎだろこの姉弟!


「クリスマスに何かあるノ?クリスマスって、とっても楽しいよネ?」


この状況でも笑顔を絶やさないエレナは流石だったけど、相手が悪かった。


「だってクリスマスって…クリスマスって…色んな人が死ぬんだよ」


リク少年はガタガタ震え始め、それを見たエレナも慌てだした。


「ゴメン、無理しないデ!」

「そうだぞ!ほら、深呼吸してみようか!」


2人して落ち着かせながら聞きだした話には、最近アオナギに勧められてキタザワ姉弟は「ポケットの中の戦争」を見たらしい。

他にも日本の特撮の、クリスマスに人が死ぬ回ばかり立て続けに。

……実は俺、アナザー派なこともあってあの話ダイジェストでしか知らないんだけど。それでもその悲惨さと皮肉さは俺だって伝え聞いてる。


そりゃあ戦争がトラウマになるし、ガンプラバトルと実際の戦争を混同して家族を心配もするわと納得した。

納得したが、今一つ筋が通ってない気もする。


「それで、どうして一人で帰ってお姉ちゃんの負担を減らそうと思ったのかな」


アイドルごとガンプラバトル止めさせたいなら、むしろ迎えに来てもらった方が邪魔できるだろうに。


「だってボクがしっかりしないとお姉ちゃんが、クリスマスに死んじゃうから」


その考え方は変だ。何故自分がしっかりしさえすれば解決すると思うのか。


「うん、でもキミがしっかりして一人でいろいろできるようになったら、
お姉ちゃんは安心してますます外に出るようになって、アイドルやガンプラを頑張るかもしれないぞ」


そうなったら、ますます死にやすくなるんじゃないのか?


「それも、僕がしっかりすれば分かってくれるよ」


虚ろな目で彼はそう言った。これはそう思ってるんじゃなくて、思おうとしてるんだな。
そう思いこまなければ怖くて堪らなくて、立つことも出来ない状態なんだ。


「シホは死んだりしないよ」


どうしたものかと思っていたら、エレナが何故か自信満々に言った。


「どんなにガンプラが壊れても、ジオーが絶対治すヨ♪
ガンプラが生きていればアシムレイトで繋がるシホもみんなも死なないヨ!」


信頼が熱すぎた。そしてこそばゆい。


「無理だよ。お兄ちゃんて、やすふみさんより弱いんでしょ」


だけど初対面のリク少年にはそんなの関係ないわけで、説得される余地が無い。
これが得意げなドヤ顔で言われたらムカつきもするんだが、虚ろな目で言われると居たたまれない気分だった。


……これはとりあえず、元気にするところからだな。


「むー!そんなことないよ、ジオーならヤスフミにも勝てるヨー!」


「やめとけって」


この流れでこっちの意見を押し付けたって無理だよ。北風と太陽の話を知ってるだろ?
そう、今必要なのは決して押し付けず、しかし彼の不安に凍える心を温める太陽だ

俺はカバンの中から実験用に持ってきたサッカーボールを取り出して宙に放り投げる。
回転しながら落ちてきたボールを右足で柔らかく弾き、リフティング開始。


足で、膝で、胸で、肩でボールを弾き続ける俺の姿を見て、ずっと暗かった少年の目に僅かに光がともる


「エレナっ」

「うん♪」


そのボールをエレナにパス。エレナも年季の入ったリフティングを披露。
それどころかリフティングしたまま踊り出す姿を、少年は明らかに見惚れてた。

その間に俺は次の手を準備をすべく、左手の指を鳴らす。


≪ニャー♪≫


すると俺の周り半径5mくらいにある物陰や茂みから、ゾクゾクと"猫"が姿を現した


≪ニャー♪≫≪ニャー♪≫≪ニャー♪≫≪ニャー♪≫≪ニャー♪≫


正確には猫の姿をしたガンプラだった。その数11体。


「な、なにコレ?」

「シアターのみんなのガンプラの余剰パーツで作ったニャイア風猫型レイスタ、通称”ニャイスタ”だよ」


レイスタと言うのはガンダムSEEDの世界でM1アストレイのジャンクパーツで作られて販売されたモビルスーツだ。
それに倣ってジャンクパーツを集め、シアター外で動かすためのRG処理と同時に可愛らしく猫型に変形するよう仕込んだ。

寄せ集めパーツで作ったものなのでカラーリングはブチ猫よりも統一感がないが、その仕草はとてもかわいい。

最初のほうでちょこっと言ったように、今日は元々こいつらの稼働試験で外に出てきてた。
人の家の敷地内に入るなーとか、勝手に遠くへ行くなーとか色々テストすることがあった訳だ。


「みんな、パスだヨ♪」

俺の意図を読んでくれたエレナがニャイスタたちに向かってボールをパス


≪ニャー♪≫


その中の1体がヘディングでボールを弾き、次のニャイスタにパス。
あるニャイはしっぽで、背中でボールを押してパスを繋いでいく。

その様子にリク少年は瞳を輝かせた。この瞬間、彼はさっきまでの悩みをコロっと忘れたんだ。


「リク、パスだヨ♪」


それを察したエレナも自分の所に帰ってきたボールを少年の前に放る。


「へい、こっちだ」

≪ニャー♪≫≪ニャー♪≫≪ニャー♪≫




若干の戸惑いはあったものの、間髪入れずに俺からパス要求。つまんないこと考える時間は与えない。

ニャイスタ達もそれに乗ってパスくれーって鳴き出した。


そんな声に押された少年は右足を思い切り振りあげてボールを蹴った。

残念ながらチカラ一杯蹴ったボールも園児のパワーではコロコロと転がるだけ―――だと思ったんだが。


≪ニャー!?≫


少年に蹴られたボールは、大きな破裂音と共に木っ端微塵になった


「……え?」

「……ほえ?」


少年もエレナも何が起きたか理解できてない。俺はすぐさま少年に駆け寄り声をかける


「少年、足は痛くないか!?」

「え、あ、うん」

「そうか。もしかしたら、この辺にガラスの破片とか落ちてるのかもしれないから動かないで」


そう言い含めて少年の足と、その周りを調べるけど、それらしい危険物は無し。

少年の足にも痛めた様子もなければ靴の破損も無かった。


ただ、さっきも見た白い砂が変わらず靴に付いていた。それどころかズボンにまでいつの間にか付いていた。


俺はスマホを取り出しエレナにメッセージを送る。
この近距離で何をと思うかもしれないけど、少年に聞かれたくなかったんで。

それから念のためアオナギにも送って、スマホをポケットに戻す。

少年は俺がちょっと探し物やらなにやらに集中してる間に泣きそうになっていた。
当然と言えば当然だ。せっかく少し前向きになったのにいきなりコレなんだもん。


が、今はそれより問いたださなきゃいけないことがある。


「少年、今日保育園から出てくるときのこと覚えてるか?」

「え?」

「一人で帰ろうとして、保育園の先生に止められたりしなかったか?」


プルプルと首を横に振る。


「じゃあ少年が帰ろうとしたとき、先生たちは何してた?」

「わ」

「わ?」

「わかんない。ボク、いつの間にか保育園の外にいて」


それで、これ幸いと家に帰ろうとしたと。

あるいは、怖くて考えないようにしたと。


「ならもう一つ質問。今日、誰かにこう言われなかったか」


少年の瞳の動揺が大きくなる。そして。


「"お前の願いを言え"って」


滝のような冷や汗の代わりに、彼の服から大量の砂がこぼれだした。


『余計なこと言うんじゃねえよぉぉぉぉぉ』


その砂が集まる中心から、引き剥がすべく少年のカラダを抱き上げる。
その砂はやがて人型となり、長く鋭い爪を持つ黒猫型の怪人に姿を変えた。


「おのれがこの子と契約してた"イマジン"か」


『そうだよ。コイツの邪魔してんじゃぁねえぞ』


そいつは威嚇のように右手の爪を振りかざした。


「確認するぞ。この子の願いは"一人で家に帰る"であってるか」

『あぁそうさ。簡単なお仕事だっつーのに、いちいち時間とらせやがって』

「さっきボールが破裂したのもお前の仕業か」

『そうだっつってんだろ!これ以上邪魔すんならお前もボールみてえに潰すぞ
それともぶっ飛ばされてぇぇか。あのババアどもみてえによぉぉぉぉ』


そのイマジンは今にも爆発しそうだったが、俺はあえてもったいつけて考察を晒した。


「……つまりこういう事か?

リク少年はトラウマから逃れるために、自分がしっかりしなきゃいけない
その為にはひとりで家に帰って見せなければならないと思い込んだ。

それを先生たちが許すわけもなかったが、運悪くお前に目をつけられて契約してしまった。
お前は彼の願いを叶えるために邪魔な先生たちを排除。

さらに彼のカラダを乗っ取って外に出て、適当なところで意識を少年に返した。
元々トラウマのせいで意識混濁していた少年は状況を不思議に思いつつも家に帰ろうとした。

あとは少年が一人で自分の家まで辿り着けば契約完了するはずだった。
だが俺たちと出会って寄り道を始めたから、手っ取り早くお開きにしようとボールを壊したと」


『分かってんなら邪魔するなぁぁぁぁぁ』


爪を振り上げたまま襲い掛かってくる黒猫イマジン。
その爪が振り下ろされる前に、俺は抱えていた少年を降ろして。

イマジンに向かって踏み込み懐に入って、逆にその腕を掴んで一本背負いした。
それも背中じゃなく、頭から地面にぶつかるように叩きつけた。


『ぐはぁぁっ!』


人間なら首の骨が折れる危険行為だが、イマジンは大量の砂をまき散らしただけだった。
それでもノーダメージと言うわけじゃないらしく、立ち上がるまでに少し時間がかかりそうだ

俺はその間に少年の手を引き、エレナの下へと走る。


「エレナ、あいつの自白はちゃんと撮影できたか」

「う、うん」


今の一部始終はエレナにスマホで動画撮影してもらっていた。俺がさっきメールした用件がこれだ。

彼のボールを破裂させた異常なパワーとカラダからこぼれる砂からイマジン案件だとアタリをつけていた
同時に彼のカラダを使って悪事を働いた可能性も考えていた。となると彼の身の潔白を証明するものが後々必要になる。

もちろん契約内容もすぐに確認しないと、いつ完了して過去を乗っ取られるかわからない。
そんな諸々を考えた結果が、さっきの追求劇だったわけだ。


「お、お兄ちゃん」

「少年、おまえはエレナと一緒にここから逃げろ。でも家にはまだ帰っちゃダメだ。保育園の方向へ走れ」


家に帰らなきゃ契約は完了しないし、契約者が死ねばイマジンも一緒に死んでしまう。
だからある意味では、この少年が今は一番安全だ。


「心配するな、逃げるのは俺がアイツを倒すまでだから」

「そんなの無理だよ!」

「できるよ。俺はアオナギより弱いかもしれないけど。それでもコイツくらいならどうとでもなる」


泣きそうな顔で止めようとする少年を、俺はニヤって笑い飛ばしエレナに預ける。


「駄目だよジオ、一緒に逃げヨー!」


ッてお前もか!早く逃げろ、でないとヤバイ!
なんて言ってる間にクロネコが頭押さえながら立ち上がってきた。


『やってくれんじゃぁねえか…だがてめーにはこれ以上何もできやしねぇ。お前に俺は殺せねーよぉぉぉ!」


奴の言う通り、イマジンに物理的な攻撃は効かない。痛くはあるんだろうし、変形させて砂をかき出すこともできる、
だけど砂をかき集めればまた元通りだ。どれほど体を削っても、いわゆるHPは減らない。

それが出来るなら「電王」のハナ少女は単身でイマジンを倒しまくってたはずだ。
イマジンを倒す方法は彼らと同種のフリーエネルギーをぶつけるか、もしくは―――。


『俺を殺したかったら電王でも連れてきてみろぉぉぉぉ』


クロネコは俺に向かって走ってきた。その勢いのまま肩の高さに構えた右手の爪を突き出してくる。
俺を貫こうとするその爪を側面から裏拳で打ち払い、逆にその手首を取って軌道を変える。


「ぐえぇっ!?」


結果、軌道の変わった奴の爪は奴自身の腹に深々と突き刺さった。

そう、俺の攻撃が効かなくても同じイマジンのカラダや武器による攻撃なら通用する。
だからアイツ自身に自分を攻撃させればいい。昔からよくある手だよ。


『ふざけんじゃぁねえぞ、てめぇぇ!』

「お前ほどじゃねーよ」


腹に突き刺さったままの右手にさらにキック。ついでに靴底でグリグリ。


『ぐえぇぇぇ!て、てめぇ何度も蹴りやがってぇぇぇ』


激昂するイマジンは残った左手を掲げて俺に襲い掛かってきた。


「蹴るのは飽きたか?じゃぁ別の手で行こうか」


俺は奴の左手を取り、腕絡みから腕ひしぎ十字固めに持っていく。


人間ならこの時点で捕縛完了だが、相手は人間より遥かにパワーのあるイマジン。
しがみついたままの俺ごと持ち上げて立ち上がることだって出来るかもしれない。

だから落ち着きを取り戻す前に間髪入れずに次の手を打つ。


「ニャイスタ!」


≪ニャー♪≫


俺が捕まえて伸ばした奴の左肘の裏にニャイスタ達が飛びつき、その爪で引っかきまくった。



『痛っ、くねぇ!』


元々非武装で非力なガンプラだ。内蔵粒子も最低限の動きが出来る程度しかない

だからその爪で人間の肌を切り裂くような真似は出来ない。


『こんなことしても無駄だっての』

「てめーの砂をかき出してくれれば十分なんだよ」


ただし、相手が砂のカラダを持つイマジンなら話が変わる。爪で引っかくたびに砂がかき出されるのだから。

たとえ不死身のカラダでも短時間に一点集中して砂をかき出されたらどうなるか。
当然細く脆くなっていく。例えば、人間のチカラでもネジ切れるくらいに。


「よいしょぉっ!」

『あぁぁぁ!俺の腕がぁぁぁ』


こうして俺は奴の左前腕と言う、とてもよく切れそうな爪の付いた武器を手に入れた。

俺は痛みにもがき苦しむ奴の首を掴んで無理やり立たせる。


『ま、待て』

「無駄だ」


待ってる間に腹に刺さってる爪が使えるようになったら困る。
そうじゃなくてもこの状況で待つバカはいない。

俺はゲットした左手の手首を握って、自慢の爪で奴自身の顔を袈裟切りに切り裂いてやる。


『ぎゃああ!』

「無駄」


さらに逆袈裟で一撃。それから何度も何度も爪を振るう。


「無駄無駄無駄!」


袈裟斬りと逆袈裟を繰り返し、イマジンを刻み削る。


「無駄無駄無駄無駄!」


既に頭部は形を失い首なしになってもまだ奴は立っている。だから俺も爪を振るう手を止めない。


「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」


奴のカラダを構築する砂を全部かき崩すか。奴がHP全損になって息絶えるその瞬間まで。


『ぎゃああああああああああああああああああああっ!!』


口もないのに断末魔を上げながら奴のカラダは崩れ、後には大量の白い砂だけが残った。


「……グレート、デスクロー」


全部終わって、復活も巨大化もないことを確認して、今更のように技の名前なんか言ってみる。

うん、誤魔化せてないな。法的にイマジンが人と認められてなくても、結局これは残虐な殺人だ。


「ジオー!」


エレナの呼ぶ声に振り向くと、俺めがけて走ってきたエレナがその勢いのまま抱き着いてきた。
内心ドン引きされるか怖がられるんじゃないかと怯えていたんだが、エレナの顔には涙ぐんだ瞳といっぱいの喜色が浮かんでいた。


「お兄ちゃん、凄い!」


一歩遅れてくる少年は流石に怯えて―――なかった。

少年は何故かキラキラする目で赤い顔して見上げてきた。
しかも両手の拳を今にもぶんぶん振り回しそうなくらい興奮してる模様。

……キミ、人が死ぬことにショック受けてトラウマ入ってたんじゃなかったっけ?


◆◆◆◆◆◆◆


その後の話。


それから間もなく、アオナギと号泣するキタザワ先輩が駆け付けた。



先輩が少年を迎えに保育園に行ったら、先生たちが傷付き園児たちは泣きわめいていたそうだ。

そして大事な弟の姿は見えず、慌てた先輩はアオナギに連絡。

闇雲に探し回らずその場で待機していたのは脱プロガーポイントだったのだが、やはり動揺は隠せなかった。
時間的にほぼ直後に俺からツダP経由で送った画像が着信していることに気づかず、少年の居場所を掴むのが遅れた。

そのせいでまたプロガーポイントが加算されたらしい……哀れな。

そしてアオナギは俺が送ったGPS情報付きのメッセージを見て駆け付けてくれた。内容は。


『プロガー先輩の弟らしきリク少年にイマジン契約の疑いあり、確認する。5分以内に再度連絡できなければ救援頼む』


と言うもの。アオナギの場合は本人が気づかなくてもアルトアイゼンが絶対に気づくからね、心配はしてなかったよ。



俺とエレナも今日は稼働実験しながら直帰の予定だったのだが、色々事情聴取やら何やらを受けることになった。
エレナの撮った動画で少年の無実を証明しなきゃいけなかったし、イマジンを俺が倒したことについても説明した。

なお戦闘シーンも逃げなかったエレナが撮影してたんだが、とりあえず過剰防衛で取っ捕まることは無かったとだけ言っておく。

まぁ危険行為を注意はされたけどさ。


で、諸々の事情聴取が終わって帰宅して。


「ジオー、苦しいよー」

俺はエレナにお仕置きしてた。それはもうギューッと。ギューーーーっと!


「逃げろって言ったのに逃げなかったこと、怒ってるからな」

「でもー!」

「俺なら誰も死なせないから大丈夫ーって言ったの、嘘だったのか」

「それはー!」


慌てるエレナを可愛いと思いながら、拘束していた手を離した。


「ジオー?」

「俺の方こそ、ごめん

「え、なんでジオーが謝るの?」


俺がどうして謝るのか分からないらしく、エレナはきょとんとした


「お前が俺は誰も死なせないって言ってくれたのに、俺はあのイマジンを殺した。
あいつに壊されたサッカーボールも直してやれない。俺が、お前の言葉を嘘にした」


それが悔しい。だからゴメンと、そう改めて謝める。


「ジオー…」

「さぁ、お前を嘘つきにした俺にお仕置きするがよい!」


俺は両手を広げてお仕置きを受け止める迎撃準備の構え。そう、これは必要なケジメなのだよ!


「ジオー、落ち込んでる?」


なのに、エレナは乗ってくれなかった。


「ジオー、リクが元気になったのイヤ?」

「なんでさ、あの子が元気になるのは良いことじゃないか」


赤信号に気づかないくらい危なっかしいかった子が元気と希望を取り戻したんだ。それを拒む理由があろうか、いや無い。


「でもイマジンが死んで元気になったの、イヤなんじゃなイ?」

「………そりゃまぁ」


クリスマスに人が死ぬーって怯えていた子が、悪人だ怪人だ命を狙ってきた敵だとは言え、誰かが死んで喜んでる

でもそれは、この世界ではごく当たり前のことだ。

誰だって身内とそれ以外では、同じ状況になっても感じるものが違う。
身内が死ねば辛くて悲しくて許せない、だけど無関係な誰かの死や苦しみは面白おかしい娯楽にもなる。

戦争はいけないことだと言いながら、アニメの中で戦争で起きて人々が死に惑い苦しむ姿を楽しむのが当たり前の人間なんだ。


だからリク少年がイマジンをやっつけた俺に興奮するのは当然で、それで元気になったのは喜ばしいことで。


だけど兄や特撮の死を我がことのように考えていた彼が、特別優しい人間ではなく普通の男の子だったことを。

俺は、確かに寂しいと思った。でも。


「まぁ別にそれは良いんだ。今までいくらでもあったことだし」

「そうなノ?」

「うん」


何度も言うけどこれは普通のことで、ありふれたことだ。

だから俺がもし落ち込んでるんだとしたら。


「俺を信じてくれたお前が嘘つきって呼ばれるんじゃないかって、それは怖いなって思うのに」


それでも怪人がまた現れたら、それがイマジンでもヤミーでも躊躇いなく殺して排除するに違いない自分がイヤだ。

自分の意思でそうする癖に、そうしてエレナを嘘つきにして、エレナが離れて行ったらどうしようって怯えてる自分がキライだ。


「ジオー」

「なに?―――ふぐっ!?」


テンションと一緒に視線も下げてた俺が顔を上げると――エレナに押し倒されました


「んぐっ……んんっ」

「ん…」

「んんんんんっ――ぷはっ!いきなり何すんだよ」

「えへ♪おバカなジオーに元気注入のオシオキだヨー♪」


窒息寸前になったのは、オシオキだったらしい。


「ワタシがジオーから離れるなんてゼェェェェェッタイ無いんダヨ!」


だからオシオキするのだと、また何かを注入されて。

そのまま夜遅くまで、いっぱいいっぱいオシオキされました。




◆◆◆◆◆


さらに翌日、シホ先輩がシアターで仕事してた俺のところにあいさつに来た。


「あの、ありがとうございました主任。主任が気付いてくれなかったら」


そう言って頭を下げられた。


「遭遇したのは本当に偶然だし、そんな畏まらないでくれ。それより弟さんの様子は?」


一晩立って、また恐怖が蘇る。そんなケースも十分考えられた


「大丈夫です。すっかり元気で、昨夜も遅くまで主任とエレナさんの話をしていました」

「そっか。それは良かった」


うん、本当に良かった。保育園児が赤信号の歩道に突入する心配をしなくてよくなるのは、誰にとっても良いことだ。


「でも念のため、しばらくは気にかけてあげたほうがいいと思う。突然ブリ返しでもしたら大変だし」

「そう、ですね。母とも相談して、なるべく一緒に過ごすようにしたいと思ってます」

「そうしてあげて」


人様の過程に首突っ込み過ぎかとは思うけど、弟を思う先輩の顔はとても苦しそうで、だからこそ美しくもあった。

ここだけ見れば、儚げな美少女だと言ってもいいだろう。


「ソレもコレも全部恭文さんのせいです!これはもう責任を取ってもらうしか」

「待て待て待て!一度止まれ!ストップ!ステイ!!」


直後にこんな情緒不安定な調理論を展開しなかったら、だけど。


「なんですか、私を弄んだ責任をあの人にとってもらわないと」

「アンタの純潔も大事だけど、まず弟さんの話をしようとしてたよね!」


本当になんなんだよこの姉弟!情緒不安定にも程があるだろ!


「それとも弟さんのことなんて本当はどうでも良いってのか!?
ただアンタがアイツに難癖つけるきっかけに利用するだけの存在なのか!?」


そう指摘すると、まるでこの世の終わりのような落ち込んだ表情を見せた。


「………いえ、すみませんでした」

「いや俺に謝るようなことじゃ……あるのか?」


少なくともこの場にいない少年に謝ることじゃないよな。かえって話がややこしくなるし


「最近ずっとこうなんです。自分でもよくないと思ってるんです、だけど止められなくて」

「その辺は、プロデューサーたちも含めてじっくり話そうか」


本来そこまでして所属アイドルの事情に付き合う義理は、アイドル事務所には無いんだろう。
でも彼女がこうなった原因の1つが所属プロデューサーの対応によるものだって疑いは無視できない。

この子の不安定さが一緒に暮らしてる少年に伝播してるんじゃないかと言う危惧もある。
だとするとある日突然トラウマ復活なんてことも、全く冗談じゃ済まないわけで。


「とりあえず俺の方もいくつか考えてきたんだけど…これ見せてみるか?」


と言ってDVDケースを渡す。


「なんですか、これ?」

「劇場版グレンラガンの紅蓮編」


要は、トラウマを別の作品で上書きしてみようって話
この場合はクリスマス=人が死ぬってことで固定された思考を、人の死=乗り越える姿がカッコイイで上書きするの。

ガンダム作品は「ポケットの中の戦争」に限らず味方サイドの人間がバカスカ死ぬ。
大事な人が死んだことに打ちのめされて戦えなくなってしまう奴だって当然いる。

でもそれでも生きていなくちゃいけなくて、そのどん底から立ち上がっていく主人公たちもたくさんいた。
その点で言えば「ポケットの中の戦争」は立ち上がり方の描写には重きを置いてない。。

むしろ立ち上がることも取り返すことも出来ないからこそ一流の悲劇であり反戦の物語なんだが、この場合はそれじゃ駄目な訳で。


「その点、紅蓮編は復活のしかたがめっちゃ熱いからね。ちょうどいいと思う」


まぁ続けて螺巌編に入るとまた凹む可能性が出てくるんで、そこは前編だけでいいと思う。
いや螺巌編もめっちゃ熱いし尊いんだけど、バーニィとの別れで凹みきったのを見ると勧めるのはちょっと怖い。


「それと、小説版のポケ戦。先輩が読んでみて大丈夫そうなら、少年にも読ませてあげて」


小説版とOVA版では結末が少しだけ違う。それを希望と取るか茶番と取るかは人それぞれだけど。


「そんな、助けてもらった上にこんなに貰うわけには」

「気にすんな、経費で落とせたから」


研修用資料の費用としてね。いやぁガンプラアイドルさまさまだよ、本当。

これで万事解決とはいかないだろうがやってみる価値はあるからとアレコレ渡すと、先輩は急に表情の消えた顔になった。


「…………主任」

「おう」

「私は恭文さんに身も心も汚されてるので、主任に好意を向けられるにはふさわしくありません」

「おいっ!」

「ですから、どうか私なんか忘れて、エレナさん達とお幸せに」

「それじゃ俺がお前の気を引くために少年に親切したみたいじゃねーか!」


つい反射的に叫んでしまった。

それじゃあ何も変わらないどころか調子に乗せかねないと分かっていたのに。

やっぱりメンタルケアって素人には難しい。それによっぽどの覚悟がいるらしい。



「……とにかく。先輩も少年もどっちもエレナの大事な友達なんだし、機嫌よく笑っていて貰いたいだけだよ俺は」

「私が笑わないのは、生まれつきです」

「?何言ってんだ。先輩、弟さんには凄く優しい顔で笑い掛けてたじゃないか」


正直もったいないなーと思ってた。あれがステージでも出せたら仕事の幅も広がるのにってさ。

思ってたことを告げると、先輩は顔を真っ赤にして…やばい、また地雷踏んだ?


「と、とにかく今日は失礼します。レッスンの時間ですので」

「あぁ、気を付けて」


慌ただしく退室する先輩を見届けて……これはもっと他の皆にも相談しなきゃ駄目だなぁって改めて思った。

あぁ、本当に。傷つけられた誰かの運命を変えるのは、イマジンを倒すより難しい。










(あとがき)



ジオ「と言うわけで2019年最後の投稿です。今年もお世話になりました」


志保「お世話になりました……今年もあと2日な今頃になって、何でクリスマスなんですか」


ジオ「大丈夫、ロシアのクリスマスは新年1月7日だから」


(「シャスリーワヴァ・ラジェストラ!」)


ジオ「ついでに言うと作中で季節が分かるような描写は意図的に省いてる。
なのでこの話の時期が夏なのか冬なのか、俺にもわかんない」


(シドニーとリオデジャネイロのクリスマスは…夏なんだよ!)


志保「なんでまた、そんな誤魔化しまでして」


ジオ「まぁぶっちゃけますと、書き始めたのがクリスマス直前のTOP記事見てからだったんで間に合わなかった。
……こういう話を聞かされたら何とか手を伸ばしたくなったんだけど、結局あまりカッコつかなかったなぁ」




(12/20

※拍手のお返事:1105(12/20分)掲載


志保「みなさんは覚えているでしょうか。恭文さんがうちの弟(りっくん)や私に≪ポケットの中の戦争≫を進めて、トラウマを刻み込んだことを……。
そのためか最近りっくんは、あと四日……あと四日と呟き、うつろな顔で……!」

恭文「おのれのリクエストでもあったよね! ”子どもでも分かりやすいガンダム話はないですか”って!
だから分かりやすかったでしょうが! なにせ主人公は小学生だよ!?」

志保「それだけじゃないですよね! 仮面ライダーエグゼイドとかも見せて……りっくん、すっかりクリスマスには人が死ぬって怯えるようになったんですから!
というか特撮ってどうしてクリスマス近辺は重い話を……いえ、そこはいいです!
とにかく責任を取ってください……あなたは! 私を弄んで楽しんだ責任を取る必要があります!」

恭文「人聞きの悪いことを言うなぁ!」)



志保「と言うわけで、またあの人に汚された私です」

ジオ「うん、先輩はいい加減自分の将来を大事にした方がいいと思うぞ」


(恭文に責任を取らせるなんて………無理だよぉ)


ジオ「それから、今回のお話の内容でひとつご連絡があります

漫画「Blooming Clover」に合わせてこの話ではシホ先輩の弟のリク少年を保育園児としています。
ですが、とまとでは「輝きの向こう側へ」で先行配属された面々はシアター開始の時点で1〜2年成長してます」


(映画には出てませんが最上静香もそう。なので春日未来と同い年設定ではなくなるかと考え、
このシリーズでは同い年キャラの中から木下ひなたと接点を持たせていました)


ジオ「よって家族との歳の差が同じだとすると、リク少年が本家とまとで
登場する際にはもしかすると小学生に上がっているかもしれません」


(書いてる途中で気づきました)


ジオ「その場合、この話と合わなくなるかもしれませんがパラレルと言うことでご了承ください」


志保「よろしくお願いします……ところで主任。私の出番回はこれで終わりですか?」


ジオ「別に1人1回と決めてる訳ではないので、ネタとオチが思いついたらまた書くぞ。

ただこのシリーズはそもそもガンプラのアイデアが拍手で出すには量が多くなりすぎたから、
いっそバトローグみたいな短編形式でバトってる所だけ書こうとしたことから始まったんだよね。

でもキタザワ先輩の場合は手持ちのガンプラがあまり印象に残ってないので、チョット難しいかな」


(とまとオリジナルのガンプラでは『初代ガンキャノンマッスル』の存在感が偉大過ぎました)


ジオ「やるとしたら、猫好きを活かして今回みたいにニャイアシリーズと絡ませたいけど、そこはミス・フーカと被るし」


(豊川風花は猫カフェの常連です)


志保「……やっぱり男の人は女性をバストで判断するんですね」

ジオ「なんでそうなる。先輩だって発育は悪くないだろ」

志保「そうやって、主任まで私を汚そうとするんですか!」

ジオ「なんでだぁぁぁぁっ!」


(と言うわけで2020年もよろしくお願いいたします。byDIO)





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あきゅろす。
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