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頂き物の小説
第11話「破壊天使阻止作戦-超然と立つ天使は全てを破壊する-」

勢いよく突入して予想通り介入出来たのはよかった。

だが戦局は良くない。


真横に展開したファンネルからのビームを機体を一気に跳ね上げて回避、すぐに最大出力で垂直上昇して距離を取る。

だが距離を取っても氷の槍が誘導機能でもあるのか、マイクロミサイル張りの機動で殺到する。


フレア撒いても絶対に意味はない。

だから一気に反転してエッジナイフ機動でギリギリで回避。ジェットコースターでもこんなにはならねぇぞ!

というよりファンネルの数が多過ぎて近づけない!化けもんか、あいつは!


そしてファンネルを集合させたカタルシスの全射撃兵装と氷の槍の一斉斉射。

射撃の雨どころか滝の様な砲撃を僅かな隙間を見つけてこれまたナイフエッジ機動でギリギリのところを回避。でも回避しきれず尾翼を吹き飛ばされる。


「どうするんだよ、これ!」

《...お出ましか》


雄介のお出ましの意味を聞こうとしたその時、ビームや実弾の雨がカタルシスを襲う。

やっと来たか、遅いんだよ!




とある家族の異世界冒険記:コラボ編2

Another Century's Episode R編

第11話「破壊天使阻止作戦-超然と立つ天使は全てを破壊する-」




こっちに手を翳してバリアを張ったカタルシスに効果はなかった。


《クソッ、効果なしか!》


使える最大火力を可能な限り注ぎ込んでの攻撃を食い止めるとは...まるで王みたいですね。...気に食わない。


両腕のプラズマバンカーを起動、スラスターを最大にして突貫して殴りつける。

両手で受け止められるけど関係ない。


出力を最大に引き上げる。その証拠にの拳から漏れた電気が放電している。

あれだけの力を有していても所詮は機械。電圧で機体をショートさせれば止まるはず。


そう考えた私の考えは呆気なく裏切られた。

カタルシスはプラズマバンカーを握りながらカメラアイを光らせてこちらを睨みつける。


「効かない!?」


大型ネクロすら焼き切る高電圧ですよ!?それを食らって平然としているとはどんな設計しているんですか!?


そして拳をパワーで握りつぶされて、上に投げ飛ばされた。ご丁寧にその後にコクピット付近にかけられた足で岸壁に叩きつけるオマケ付きで。


《クレア!》


王...申し訳ありません...。

私の意識は悔しいがそこで途切れる事になった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「クレア!答えろ、クレア!」


岩に叩きつけられたを見て自分でもびっくりするくらい慌てて通信を入れる。

クレアからの応答はない。


”クレア!クレア、答えろ!”


念話も駄目...か。


《元の機体が優秀だからな。オマケに電撃はあいつ自身よく食らってたから対策は当然出来てやがるか》

《電撃って...常盤台の?》

《その通り》


そんな話を聞きながら、私の中にフツフツと怒りが湧いてくる。この怒りは仲間を容赦なく傷つけた事だけじゃない。

あいつは自身の信念を捨てている。それが許せなかった。


守るんじゃないのか!守ると決めた者たちを!体だけでなくその心も!

それなのに今のお前はどうだ!新たな妹のトリエの目の前で姉妹とも言える存在を容赦なく破壊して心が守れるわけがないだろうに!


ZRX-1を飛行形態のZRX-ウイングに変形させて全力で突っ込む。


張られる弾幕をギリギリで回避、躱しきれない分は魔力障壁で角度をずらす事で接近して変形、龍牙刀を持った右手を振り上げて...動かない!?

機体の不具合でない事を確認して...気づいた。


「ビットだと!?」


右腕が平たいビットで押さえつけられていた。そして右腕を折られる。

それならばと頭部のバルカンを連射するが効果なし。逆に頭、首回り、胸に搭載されたバルカンの雨を撃ち込まれて各部の機能が次々と失われていく。

そしてカタルシスが腰のビームサーベルを手に取って振り上げてくる。


《龍也様はやらせない!》

《いい加減にして下さいよ、終夜さん!》


リーエのウイングゼロルシファーが鎌を振りかぶって横から強襲、反対側からは四肢や頭部、バックパックなどが展開して内部フレームが光り輝いていてその腕にビームクローを展開しているドットが襲う。


無茶だ!!今の終夜は正気じゃない!


カタルシスの氷の翼が衝撃波と共に射出されてウイングゼロルシファーとドットの頭と肩を貫いて壁に叩きつけられる。

そして別の氷の翼が私を触手の様に弾き飛ばされて岩に叩きつけられる。


《ラグナロクフェイズモードのドットガンダムを一撃で!?》

《兄ちゃん!大丈夫か!?》

「何とかな...」


若干涙声のはやてに答えてレバーを動かすが、ZRX-1はうんともすんともしない。

動力じゃない、伝達系をやられたのか!


《ふざけた事を!シャルナ!》

《分かっています!王を傷つけた事...仲間とはいえ許せません!》

《うちも行く!兄ちゃん傷つけたクソ野郎は許せん!》


シャルナのZRX-2とはやてのゼクス・ベルグバウが正面からカタルシスの迎撃を紙一重でかわしながらそれぞれビームブレードとツインビームブレードで斬りかかる。

カタルシスは2機の攻撃をビームサーベルで迎え撃ち、周囲にスパークが走る。


《貰ったぞ!》


そして少し遅れたアイギナのゼクス・シュナーベルが斧形態のレーヴァティンを振りかぶって突進する。

はやて達は斬り結んだ時に横にずれているから衝突はない。


行けるか!?と思った時、頭の中に若い女性の声が響いた。


”私にここまでさせるとは...”

《消えた!?》


そしてカタルシスが姿を消した。

カタルシスが姿を消した事で3機は衝突、もつれて団子状態になった。


同士討ちにならなかったのが幸いだがそれより今の声は何だ!?


《恭文君!》

《なのはも聞こえたの?》

《俺にも聞こえたぜ!悠木碧ボイスが!》

《あー、ファンだったっけ。...それよりカタルシスは!?》


全員がレーダーやセンサー、カメラをフル活用して探す。だが誰も発見出来なかった。


そして地面に倒れている私からは見えた。

遥か上空に氷の翼を広げているカタルシスの姿が。


「上だ!レイジ!セイ!逃げろォ!!」


その姿に慌てて私は怒鳴りつける。


カタルシスは畳まれた銃身を展開してさらに銃身を横開きにしたビームライフルから砲撃を放つ。

太さはそこまでではないが空気が焼き焦げて炎が舞い上がる事から相当な出力と圧縮率を誇る事が分かる。


《やばっ!》

《直撃する!?》


炎を纏ったビームはビルドMk-Uに襲いかかる。

もう回避は間に合わない。そして私では守れない!


また目の前で失うのか...。手に届く命を...!


《退いて!》

《飛鳥さん!?》


だが飛鳥のアカツキがビルドMk-Uを押しのけた。

そして炎を纏ったビームは刹那のクアンタが張ったビットによるシールドを容易く撃ち抜いてアカツキの腹に直撃する。


《きゃぁぁぁぁぁ!!??》


聞いていた通り、黄金の装甲はビームを跳ね返してる。

跳ね返したビームはカタルシスのライフルを貫いて破壊する。


でも跳ね返した装甲やその周辺が溶けて中身が露出している。

そして炎を叩きつけられた衝撃は殺せない。

アカツキはそのまま地上に落下して動かなくなった。


《飛鳥!》

《クソッ、バスター・スラッシュ!》


オレンジのライガーゼロは敵討ちと言わんばかりに全身のスラスターを全開にしてカタルシスに突っ込む。

しかしカタルシスは左手から虹色のシールドを発生させてさらにシールドから虹色の鎖を出して動きを拘束して攻撃を止める。


あれは...なのはの捕縛盾(バインディングシールド)か!


《あれって私の!?》


当然なのはも自身の魔法と同じ盾に驚いた。

そして右手で動きを封じられたライガーゼロの腹を殴りつけて、さらに繋がれた鎖で投げ飛ばした。


...やはりおかしい。

暴走しているなら何故コクピットに被弾しない?


ずっとそうだ。カタルシスの攻撃はコクピットへの直撃コースは一度もない。

まさか...


「全力...じゃないのか?」

《これで全力じゃないだと!?》


私の声を聞いてシンが驚く。

驚くのは当然だ。今まで私達は手も足も出ず叩きのめされていたのだから。


《いや...多分敵と認識していない。俺達を障害物としてしか見てないんだよ、あいつは...!》


私達を障害物扱い...随分と舐めてくれるな。

これが終わってあいつが無事に戻ってきたら一発殴ってやるか...。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


《ぐぅ...!》

《刹那!》


刹那のクアンタを足裏で押し込む様に弾き飛ばしながら向かう敵全員に射撃をお見舞いするカタルシスは紛れも無い強敵だった。


ただでさえ聞いていたスペックだけでも化け物レベルのカタルシスだけど今はさらに強化されていて手も足も出ないのが現状。


恐らくデストロイモードでも互角に持ち込むのが精一杯。

何か糸口はと考えていた俺はジェナイトのシステムが稼働している事に気づくのが遅れた。


《デストロイモードが!?》

「どうした、ジェナイト!?」


メインモニターにという言葉が表示されてコクピットシートが変形、初期のユニコーンの様にシートに固定される。


恐らく外から見るとユニコーンの装甲がスライドしてサイコフレームを露出させて変形、いや変身している筈だ。

デストロイモード...確かに終夜はニュータイプらしいから有り得なくはない。


でも何でいきなり...。というか操縦が効かない!ユニコーンの意思なのか!?


2機のユニコーンは今までとは比較にならないスピードで突貫。

俺はシートに押し付けられて耐えるだけ。今はコクピットの耐G性能を強化されているから耐えられるけどかなりキツイ。


そしてジェナイトは腕のビームサーベルホルダーを展開してカタルシスに突き立てる。


それでもカタルシスは瞬間移動で後ろに回りこんで腰のレールガンとバルカンを一斉射。

こっちがIフィールド持ちなのを知っての実体弾攻撃か!


だが俺のジェナイトはスラスター全開で右旋回、左腕のアームドアーマーである雪羅から高出力ビームを照射しつつ雪片弐型を模した実体剣...雪片弐型でいいか。それを抜刀、変形して限界まで高められて青くなって刀身が長くなった大型ビームソードを左薙ぎに振るう。


ユニコーンはアームドアーマーBMSからビームマグナム、背負っているアームドアーマーDE2基からメガ・キャノンを連続発射して動きを止めている。


《今だ!便乗して攻撃を加えろ!》


それに合わせて攻撃可能な全員が同時攻撃。

オウミのショックカノンやパルスレーザーにミサイル、そしてアクエリオンの無限拳すらもカタルシスに襲いかかる。


シールドビットがビームの一部を受け止めてファンネルやドラグーンがミサイルを撃ち落とす。

それでも迎撃出来ない分をカタルシスは左手のビームサーベルでジェナイトのビームソードを受け止めながらビームソードに押し込まれる形で移動して射線から逃れる。


それでも避けられない攻撃をビームシールドで弾いたカタルシスだがビームソードの勢いで地面に叩きつけられる。

ここで漸く、コントロールがこっちに戻ってきた。


何だったんだ、今の...。NT-Dだったのか...?


《皆離れろ!月光蝶を使う!》


その恭太郎の声に振り向くと、背中から虹色の蝶のような翼を展開した∀がカタルシスに突撃していた。


《マジで使うのかよ!》

《でもこれしかもう...!》


慌てて退避して距離を取る。

そして∀はカタルシスに肉薄、取っ組み合いに入る。


《この距離ならバリア貼れないよな!》

《恭太郎いつからダディになったのさ》


恭文のツッコミは兎も角、月光蝶は組み合って動けないカタルシスを包もうとする。

だが、カタルシスから虹色の波動が放たれた。

この現象は見覚えがある。これは...


「サイコミュジャックか!?」

《でもファンネルはない...。何する気なの?》


あむの言う通り、この場にいる全ての機体は今はビットを展開していない。


狙いはすぐに分かった。

月光蝶が先端から崩壊していくのを見て。


《馬鹿な!何しやがった!?》

《まさか...ナノマシンをハッキングした!?》



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「ナノマシンのハッキングとか常識外過ぎるだろ...。理屈は通ってるけど」


憲一が月光蝶が崩壊していく様をモニター越しに見て呻く。


そもそも月光蝶は簡単に言うとナノマシンで無機物を分解するシステム。

ならそのナノマシンを無効化してしまえばいいというのは理屈の上では間違ってはいない。


だが何個あると思っている?少なくとも馬鹿馬鹿しい数なのは間違いない。

それに対処して時点でふざけた力を持つ化けもんだ。


そんな事を平然とするカタルシスはエクスストライクとウルティメイトデスティニーの間にワープしてエクスストライクの左腕、デスティニーの頭と右腕を斬り飛ばす。

反撃しようとしても再び瞬間移動して姿を消す。


...ん?そういえば...


「何だ、そのボタン...」

「いや、こんな事があろうかもと渡されたんだよ」


懐から四角い金属製の箱の上に髑髏型のボタン付きのスイッチを取り出す。

これは終夜が何かあった時の為にと渡してきた物だ。


...あいつ、まさかこうなる事を予測していやがったのか?


「...取り敢えず押してみろ。流石にオウミを爆破する事はない筈だ。...多分」


如何にもな形のスイッチだがヅラの言う通り終夜がわざわざそんな事をするわけがない。

...やるか。


「だからヅラって言うな!」

「というわけでポチッとな」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


カタルシスのGNソードと斬り結んだと同時に僕のGNソードをドラグーンの射撃で折られると同時に衝撃波を伴ったレールガンの直撃を受けて岩に叩き込まれる。

そしてカタルシスは後ろからビームサーベルを振るうスタークジェガンの胸を蹴り飛ばしながら右から接近するウイングゼロカスタムの槍をモナカ割りにする。


悔しいけど、カタルシスは今の僕らの手に負える存在じゃない。

もし龍也さんの言っている通りならカタルシスは本気を出していない。


「あんなのどうする気だよ!」

《魔法は実質使えませんからねぇ》


魔法を使ってトリッキーに攻める手もある。

でも魔法を使うには基本サイズが大き過ぎて僕の魔力量だと持たない。


くそっ、八方ふさがりか...!


その時、いきなりカタルシスが大爆発を起こした。

武装を中心にこっちが吹き飛ばされかけるレベルの大爆発。


《カタルシスが...》

《自爆した...の?》


その姿は紛れも無い自爆。

そして爆煙が晴れると、そこには全身の装甲が脱落しかけたカタルシスの姿。武器は外から見る限りほぼ全滅状態だ。


《あいつが自分で仕掛けた爆弾を爆発させた。そして本人含めて現在自己修復で大忙しの筈だ。後は分かるな?》

『...全員で取り押さえろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

《The song today is ”コミカルに追いかけっこ M1”》


全身を爆破されて動きが明らかに鈍ったカタルシスに次々と他の機体に襲いかかる。

同時にアルトがBGMを流し出した。


でもBGMって...こち亀のあれかぁぁぁぁぁ!!??


《案外ピッタリだと思いますけどね》

「ギャグオチに持って行く気か!」

『でもギャグオチなら何とかなるかも(知れない)!』


...僕のツッコミは皆の必死な言葉の前には無力だった。


突撃した皆は次々とカタルシスにのしかかる。

流石に耐えられなかったカタルシスはなす術もなく下敷きになる。


でも内部の修復が終わったのか、僕らを吹き飛ばして立ち上がったカタルシス。


《シャイニング・バンカァァァ!》


その背中をレオスのエクストリームが殴りつけてカタルシスを吹き飛ばす。


《...え?》


その先には参加せず唖然としていたダーグのヴァルヴレイヴ。

避ける間もなくダーグを巻き込んでカタルシスは地面に突っ込む。


だけどそんなダーグにギャグパートは一切の容赦がなかった。


《そこをどくのです!》

《のわぁぁぁぁぁぁ!!??》


サイコガンダムがカタルシスにのしかかる。

ダーグは右のアームストロンガーカノンを失ったけど寸前で脱出したらしい。...ギャグだなぁ、完全に。


《リインちゃん、危ないだろ!?》

《そんな構っている場合じゃぁぁぁぁ!?》


ダーグに怒鳴りつけている最中のリインはサイコガンダムが押しのけられる事で強制的に止められた。

そしてサイコガンダムをハンマー投げで投げ飛ばしたカタルシスはこっちに向き直る。


《何か怒ってるし!オーラ溢れてるんだけど!?》


あむの言う通り、カタルシスの関節が虹色の炎で燃えている様に見える。

ナイトロシステムかよ、と突っ込めれば楽だろうけど、生憎そんな余裕はない。


《怒らせたらもう手のつけようが...!それに再生がもうかなり進んでますよ!?》

《じゃあそこをどけ!巻き込まれるぞ!》


オウミの全主砲と左半分の副砲から大小56発の砲弾が斉射されてカタルシスを襲う。

砲弾は途中で自壊して中から液体が出てきてカタルシスに張り付く。


するとカタルシスが動きを止めた。

いや、関節から鈍い音が聞こえるからもしかして動けないのか?


《接着剤ですか?》

《その通り。元はKrazy Glueだ》


テッサの言葉に真田さんが答える。

うん...アロンアルファの海外ブランド名だよ、それ!


でもビームすら撃たないとは中のシステムは相当壊れている?


《エネルギー吸収拡散効果持ちです》

『御都合主義のつもりか!』


グッと親指を立てる真田さんに一斉に突っ込む。

どんだけだよ...本当に真田さんだよ、あなたは!


《ほら、ぴったりじゃないですか》

「...否定出来ないのが悔しくてしょうがない...」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



あれからしばらくすると、接着剤でカタルシスは諦めたかのように動かなくなった。


《取り敢えずどうするか...》

《まだ暴走が止まったよは限らない》

《...い...》


ブロントさんの言う通り、カタルシス止まったままだけど暴走が止まったかは別。

全員がそれに頭を抱えているのが今の状況。


そんな状況でまず意見を出したのはダイヤだった。


「ダイヤ教に入信させましょう。そうすればキラキラでどうにかなるわよ」

《それならばシオン教もありですね》

《入...する......ド......!》


どうにかなるか!それでどうにかなったらあたし達の苦労は何だったの!?

そもそもアルトアイゼンがこち亀のBGMを流したからどうにかなった様な感じだけど!


「あむちゃん。取り敢えずキャラなりして見る?」


キャラなり?何でこの状況で...?


「オープンハートならもしかするかもしれないよ?」

《......だか...な!魔............女的...の食ら...気な......ら...!?》


そっか、オープンハートなら上手くいけば出来るかも。

考えれば考える程いい方法だと思えてきた!


「じゃああむちゃん!やろう!」

「うん!私の心、アンr」

《お前らは人の話を聞けぇぇぇぇぇ!!!》


私がキャラなりしようとしたら、カタルシスが接着剤を砕いて再び動き出す。

同時に怒鳴り声が響いてきて思わず耳を塞いでしまう。


というか気づいていたなら声をかけろ!


《ずっと喋ってただろうが!》

『............すみませんでした』

《その間はなんだ!?》


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



全く...少しは人の話を聞けってんだ。

でも通信システムが修復しきれていなくて上手くいかなかったらしいからまあ良しとしよう。


にしてもこの力、暴走していた癖に今では随分と制御出来る。

一回制御を取り戻せば案外楽なのか?それとも最大出力じゃないか...か。


それにコクピットらしい視点の割にはやけに反応がいい。

確認のために頭部を回してみて反応速度をざっと算出、誤差はほぼ±0。


そして気づいた。レバー類が全て飾りになっている。ロックがかけられているだけの様だが、ロックを外していない今では動きもしない。

さらに頭の部分に何やらごちゃごちゃして機械が追加されていた。


まさかと思い、カタルシスのメインコンピューターにアクセスして確認する。するとこれは俺の思考をラグなしで読み取るシステムときた。

それが意味する答えは一つ。


「思考制御...か」


少なくとも俺にはそれしか思い当たらない。

ある意味で今まで通り。自らの体を動かす延長線で動かしている感じだ。


つまり、カタルシスとある程度同調した結果って事か。

まあ...悪い事ではないのか。


《取り敢えずこれ戻せよ》

「へーへー」


言われたんでやる。流石に地獄を見せ続けるのはよくないか。

俺の意思一つで醜い地獄は元の荒野に戻った。


取り敢えず俺が暴走してフルボッコにした結果機能停止状態の7枚羽のセンチュリオ・コンスラーレを回収。


さて、何だろうな、この嫌な予感...。

殴り飛ばされる予感か...?それともまたゴーストV9とかふざけたオチじゃないよな?


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


《イレギュラー、再出現しました》

「ほぅ...」


オータムからの報告に私は感心した。

彼らイレギュラーはいきなり何処かへ消えて、そして再び現れた。


一体何が起きていたのかは分からないか。

だがあのイレギュラーは邪魔だ。実験相手には丁度いい。

彼らは招かれざる客だ。ここで消えてもらおう。


《エネルギー充填率90%》


臭い物に蓋をする様な物だけど邪魔者は邪魔者。悪く思わないで欲しいね。


《バルドナ・ペネトレイター、発射準備完了》

「バルドナ・ペネトレイター、発射」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


現実空間に復帰、各艦載機の収容を完了させてオウミとダッグアースラは一路、原作メンバーの予想航路に先回りするべく航行を始めた。


「取り敢えず反省したか?」

「嫌って程...」


まあ他の連中にフルボッコにされて、さらにうちの家のヒエラルキートップの早苗さんに涙目でぶん殴られて壁に埋め込まれたからな。

でも哀れには思えなかったのは当然だ。あれだけこっちの戦力をズタズタにしてくれたからな。


現時点での稼働機は戦闘前の半分以下。

出撃可能なのは自己再生したカタルシスと∀にセンチュリオ、アサルト隊3機に換装で戦闘を継続出来るメシア、そしてそれ程被害がなかったベアッガイ、アクエリオン、サイコガンダム、ヴァルヴレイヴ各機、ウイングゼロカスタムくらいだ。

それ以外は何処かしらがやられて機能不全を起こしていた。とても今の状態では戦闘には耐えられない。


「本艦左舷より高エネルギー反応接近!」

「次元連結反応検知!例の空間転移と思われます!」


その時、オペレーターが警告を発した。

このタイミング...図られたか!?


「間違いない...バルドナ・ペネトレイターか!」

「最大戦速!ビームワイヤー繋げ!」


あっちも咄嗟にこっちの後ろについてくれたお陰でビームアンカーはすぐに接続された。

通常空間で亜光速まで加速する波動エンジンの出力といえども一瞬で到達するわけじゃない。

さらにオウミだけじゃなくダッグアースラもいる為、亜光速まで加速する事が出来ない。


「敵弾は!?」

「駄目です!追尾してきます!回避、不可能!」


やはり間に合わんか!


「全艦対ショック対閃光防御!衝撃に備えろ!!」


マイクに怒鳴りつけると同時に視界が回転する。

間違いない、引き摺り込まれたか...。


あー、ついてないついてない。何で一難さったらまた一難どころじゃないぞ...。


今週のCM
終夜:「どうも、神崎終夜です」

遊梨:「今回は私達がやるんだってね。あ、神崎遊梨です。今回は混沌の魔法使い様の海鳴のお姫様!まあ早いが話し夜天の守護者のTSキャラがほのぼのする話だね」

終夜:「FateとISキャラ忘れるなし。でもほのぼのする話なのは間違いないな」

遊梨:「まあ、魅力はあれだよ。ほのぼの出来る事だよ。後龍也のTSキャラ、龍花が無意識に周りを振り回すのを見て愉悦する事?」

終夜:「愉悦かよ!?まあ振り回してはいるけどなぁ...」

遊梨:「でもあそこまで振り回せるのはある意味才能だよ。ちょっと羨ましい...」

終夜:「...お前には絶対無理だ」

遊梨:「そしてどの作品にもほぼ必ずいる不憫枠、そしてみんな仲良くぶっ飛んでいます。ブラコンやヤンデレ的な方向に」

終夜:「...よく天然でいられるよな、これ...」

遊梨:「天然だからこそでしょ」

「というわけで龍花を中心とした混沌ほのぼの劇場、ご覧になってはいかがでしょうか。興味ある方は下のURLからどうぞ
http://novel.syosetu.org/14104/」

作者:「どうも、堕落天使です。
海鳴のお姫様は...まあ龍也のTSキャラ、龍花が周りを天然で振り回す話ですね。Pixivのタグ的には優しい世界ってタグが付くくらい平和です。
混沌の魔法使い様の作品の中では異色とも言える平和な世界、よければ一度ご覧になって下さい」



後書き
終夜:「というわけであけましておめでとうございます、神崎終夜です」

遊梨:「あけおめことよろ。神崎遊梨です」

終夜:「やっと11話、そして第1章完ってわけだが...」

遊梨:「お兄ちゃん本気じゃなかったよね」

終夜:「...まあな。お前らに振るった力の何割かでしかないし」

遊梨:「うっわぁ...何この最強チートな存在」

終夜:「お前に言われたくはない」

遊梨:「まあ皆どっかしらの方面でチートだしね」

終夜:「俺の様なのに遊梨のようなデュエルチート、理恵の様な技チートに雄介と雄大、進の様なエースパイロットと多才だからな」

遊梨:「今言った面子が全員じゃないのがまた恐ろしいんだよね。各々強くなって集まったら最早敵なし?」

終夜:「面子増える予定だしなぁ...。申し訳ありませんでした、そして今年もよろしくお願いします」

遊梨:「お願いしまーす!」


(というわけで新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
...そばを啜りながら。
今日のED:紅音也『This love never ends』)


終夜:「次回から第2章へ突入...の前に幕間と説明回を挟ませて頂きます」

遊梨:「説明回は必要だよね。主にお兄ちゃんのカタルシスの説明」

終夜:「今言えるのは...カタルシスは本気じゃなかったとしか...」





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