[携帯モード] [URL送信]

頂き物の小説
第9話「重巡航管制機鹵獲-赤き巨霊は亡霊と共に-」




「無線封止解除、作戦目標視認」

《了解だ。現在第1波がそちらに接近中。敵の推定レーダー範囲まで後2000》


今回の目標を視認、無線封止を解除してオウミに通信を入れる。

あちらは即座に答えた。にしても発艦タイミングはドンピシャか。相変わらずいいタイミングだ。


「カウント合わせるぞ。3、2、1!」


俺のカウントでスロットを前に叩き込みアフターバーナー全開、天井スレスレの高度38000フィートから一気に反転急降下する。

重力の恩恵を受けた爆発的な加速により目の前が脳の貧血によって灰色に...グレイアウトになるが慣れている為あまり気にせずに全兵装のセーフティを解除、主翼下に懸架された計4発の06式囮弾(ゼロシックスフレア)の発射用意をする。


「06式囮弾発射!」


そして操縦桿のカバーに包まれた発射ボタンをカバーを跳ね上げてから押した。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


私は味方だと思っていたあの人達に捕まって牢屋のベットに座っている。


一緒に捕まった彼女は別の場所に隔離された。


今、私に分かる事は殆どない。

精々雲も上を飛んでいるという事か。後、空を飛んでいるとても大きい何かっての中にいる事位しか...。


何も出来ず、外をぼんやり眺めていたら突然緑色の雲が現れて直後に振動が襲いかかる。そして警報が赤い警告灯と共に鳴り響く。


な、何なのよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!




無数の勇者が集いし時、1つの真実が明かされる。


異界を切り裂け、エースの翼。


とある家族の異世界冒険記:コラボ編2

Another Century's Episode R編

第9話「重巡航管制機鹵獲-赤き巨霊は亡霊と共に-」



《状況を説明する》


オウミ艦長、桂憲一のその言葉でブリーフィングは始まった。オウミとダッグアースラの艦橋でそれぞれ僕らはモニターに目を向けた。


《今から1時間前、うちで出していた無人偵察機がイコンの編隊を捉えた。奇妙なお客さん連れでな》


そこに映っていたのは艦体の中央にカタパルトを装備、多数の翼のエンジンで優雅に空を飛行している上半分が赤、下が灰色の巨大なエイみたいな空母。


「これってエスコン6のアイガイオンじゃねぇか!」

《でも上半分赤いよ?それに随伴艦がいないし》


ダーグがその正体に驚き憐が自分の知っているのとの違いを口にする。

正直僕も知らない。確かアイガイオンは灰色のカラーリングで他に電子支援機コットス2機、近接防空機キュゲス2機とで空中艦隊を形成していたはず。

その答えは終夜が出した。


《U型か》

「U型?」


U型とは初めて聞く。僕の知っている限りではエストバキアのあれしか知らない。となると...


《通称赤鯨。アイガイオンの第2世代型に当たる改修機だ。単体で空中艦隊を上回る能力を持たせようとして開発されたタイプになる》


やっぱりそっちの世界独自の機体か。そりゃ知る余地もない。


「成る程、だから随伴艦がいないわけだ」


イビツも納得した様にうんうんと首を縦に振る。


《いや、それでも随伴艦はいたんだがいないという事は恐らく単体で迷い込んで来たと考えていい》


でも終夜の説明でそれは否定された。やっぱりあって損はないという事か。


「それよりアイガイオンって何ですか?」

《形式番号P-1112、コードネーム白鯨。エストバキアによって空中艦隊構想、又の名をP/F-X計画の元開発された全幅963.77m、全長433.3m、全高102.39mの巨体を誇る巨大飛行艇型の重巡航管制機だ。
推定搭載機数50機以上、さらに長距離攻撃用散弾巡航ミサイル、ニンバスを搭載、そして全体を強固な装甲と対空武装で固めた空飛ぶ要塞とでも思えばいい。それの改良機にあたるのが今回の相手》


エースコンバットシリーズを知らないヴィヴィオの問いに終夜が答えた。

確かにあっているけど...ちょっと細か過ぎでしょ。


《最後に簡単な説明挟んだだけマシでしょ》


でもアルト、あれは知らない人、しかも子供相手にする説明じゃないって。


「つまり聖王のゆりかごみたいな物ですか?」

「ヴィヴィオ達の世界のゆりかごがどういった代物かは知らないけど下手したらあれよりヤバイと思う。大気圏を脱出しない、月から魔力を受け取ってチートバリアの展開はないけど対空砲火の雨で落とされなねないし戦略巡航ミサイルで正確に都市を破壊出来る」

《魔法的な物が関わっていないから安定しているんだよ、その辺り。
てかU型は運用していた奴ら...財団Xによる改修で一応大気圏離脱が37分で可能な出力はあるし一応大気圏外での運用も可能である。オマケに高出力のIフィールドと強力なジャミング付きだ》


まあジャミングはこっちでどうにかなるがな。と言い残すあたりやっぱり彼らはチートなのを改めて認識する。

でもヒロ達が凄く緊張した顔だ。そこまでやばかったっけ?確かにAMFで魔法使えなかったりガジェットの数が面倒だとは思ったけどそこまでは...。


僕は僕の知っている聖王のゆりかごとアイガイオン、どっちを相手にしたくないかというと間違いなくアイガイオンを選ぶ。

理由はまず巡航ミサイル。あれは僕ならともかくそう簡単に避けられる物じゃないし、ゆりかごと同じ状況だと間違いなくクラナガンに撃たれてクラナガンは壊滅する。

それに加えて音速を叩き出せる戦闘機も搭載している。ヒットアンドアウェイで攻めて来られたら流石にキツイ。

さらに接近しても凄まじい対空砲火。下手に転移して躱すのは転移した先でやられる可能性があるから中に強行突入以外では使えない。

内側に入ってしまえば後は楽だろうけど、それまでの難易度が桁違いだからね。全く終夜の世界は恐ろしい。


まあそんな話はここまで。僕らはアイガイオンの近くを飛行している紫色の4つのエンジンが特徴的な戦闘機を見る。


「それにVF-27...そのカラーだと確定だな」

「だとするとあのアイガイオンの中には...」

「彼女らがいる可能性が高い」


恭太郎、イビツと来て最後はダーグが締めくくる。

彼女らの正体は分かる人には分かる。でもやってしまうと彼女らの仲間の行動の大半が無駄に終わるからなぁ...。何かそれはそれで申し訳ないけど最終的には重要だからやる事になるだろうなぁ...。


《...実は偵察機にはタイムレーダー、24時間前までのその宙域であった事を周辺環境からかなり高い確率で算出するシステムが積んである。
航路を逆算して確認した結果がこれだ》


タイムレーダーまであるんかい!マジで宇宙戦艦ヤマトの技術網羅しているね、おい!

でもそれは今更だ。兎も角、新たに画像を映したモニターに目を通すとアイガイオンに着艦するVF-27とコードギアスのトリスタン、モルドレッドの姿があった。

その周りにはイコンが警戒に当たっていて厳重な警戒網が敷かれているのが分かる。


《んでこの画像が約17時間前。さらに予測される機動コースを辿ったらある廃棄都市についた。そこでギリギリ24時間前のデータが拾えてな。そのデータがこれになる》


そして映ったのはVF-25やランスロット、Zガンダムにストライクフリーダム等様々な機体がイコンと交戦している画像だった。

これは...原作組か。元のACE:Rに出ていたキャラの乗機だ。有名なのが多いから見間違えない。


《これは...まさか神話型アクエリオン!?》

「...確定ですね。この場面は見覚えがありますよ」


アマタが驚き、リインは確信を持った声で呟く。

...ここで原作が一つ...いや、最低二つは狂うんだろうな。神話型なんてかなり先だし。


《早速原作ブレイクの始まりだ。んで今回の作戦は作戦参加機を2つに分ける》


それを憲一は不敵に笑って作戦の解説を始めた。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆
◆◆



まずは俺達があーだこうだで考えた編成表だ。


第1波
・υガンダム
・センチュリオ・トライア
・ガンダムエクシアカスタム
・∀ガンダム
・ガンダムX魔王
・ヴァルヴレイヴ1号機
・ヴァルヴレイヴ3号機
・ヴァルヴレイヴ5号機
・ガンダムAGE-FX
・ZRX-1
・ZRX-2
・ZRX-3
・ダブルオークアンタ
・エクスストライク
・YF-29
・エクストリームガンダムType-レオス
・メシアガンダム
・ウルティメイトデスティニーガンダム
・ブレイブガンダム
・ドットガンダム
・フルアーマーナイトガンダム


第2波
・ビルドガンダムMk-U
・アカツキ
・ゼクス・ベルグバウ
・ゼクス・シュナーベル
・ウイングガンダムゼロルシファー
・アクエリオンEVOL
・エールストライク
・ヒュッケバイン009
・ユニコーンガンダム
・ユニコーンガンダム4号機ジェナイト
・ウイングガンダムゼロカスタム
・カイゼルガンダム


第1波21機、第2波16機の合計37機である。

一応言っておくがウイングガンダムゼロルシファーとはリーエのウイングゼロの事で正式名称が決まってなかった為、取り敢えず見た目も考慮してこういう名前になった。


「以上になるが編成について質問は?」

《待ちなさいよ、私達は!?》


やはりと言うべきか。ヒナギクに突っ込まれた。

まあそう来るよな。だって自分達がいないんだから。寧ろ聞かなかったらビックリだ。


「お前らは万が一の為、ここの直衛に回す。こう言っちゃなんだが機動力の問題だ。
何しろ高度12000フィートに奴は滞空しているからな。飛べる機体でさらに自由に飛べるのが必然的に前提になる」

「でも俺のライガーゼロ、ウイングロード使えるから飛べるぞ?」


俺の意見に隣にいた達哉が反応した。

ウイングロード...あれか。あの鉢巻女の使ってた道か。


「駄目だ。ウイングロードは性質上ルートが丸見えだ。機動力で大幅に上回るYF-27に喰われる。もしいなくても回避制限はかかるしもし踏み外したらライガーゼロごとあの世行きしかねん」

「...分かった」


というわけであちらの同意を得たので直衛はこうなる。

・ベアッガイ
・スタークジェガン
・サイコガンダム
・ライガーゼロ


「既に雄介、雄大が先行発艦、目標の上空を目指して飛行中だ。
そいつらの仕込みとタイミングを合わせて俺達は強襲を掛けて敵をアイガイオンから引き離す。そしてブロントさんと恭文、ダーグ、龍也が強行突入して人質の救助、救助終了後は殲滅戦に移行する」


俺達が考えた作戦は上の通り。実にシンプルな作戦だ。仕込みの中身はお楽しみに。


《その面子である理由は?》

「ブロントさん以外はMSよりもそっちの方が効率がいいと判断したからだ。
ブロントさんは...まあ居ればどうにかなるんじゃないかと思った」

『あー...』


龍也の疑問に答えたら全員納得した。

だってそうだろ?あのチートがいれば安心だと思わないか?他の面子もチートだけどさ。


「でもアイガイオンは武装だけに破壊を留めてコントロールを奪取、近くの海の着水させろ」

《理由を聞かせてくれ》

「鹵獲して資材にする。予備部品や弾薬で資源がないんだよ...!」


父さんの悲鳴に対して恭文やダーグが目を覆う。こいつら提督か?


「それはさておき飛燕」

《何でしょうか?》


俺はそんな嘆きを無視して飛燕を呼び出した。

ダーグの一歩後ろにいた飛燕が俺の呼びかけに前に出て来た。


「お前が機体の性質上かなり重要なポジションになる。
...出来るか?」

《やります》


...即答かい。まあいいや。余計な手間が省けた。

にしてもまた奴らか。余程俺達と奴らの因縁は深いのか。異世界にまで飛び火するほどに。


「そうだ、パイロットスーツをそれぞれの部屋に置いてあるからちゃんと着ろよ?」

『いつの間に!?』


そうだ、そう言えばパイロットスーツ持っているのが想像以上に少なかったんだよな。

だから希望を聞いてから作っていたらしいんだが全然音沙汰なしだったからどうなっているかと思えば...。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


《第一次攻撃隊、υ、センチュリオ、スーパーデュランダル発艦スタンバイ》

《準備の整った機体から順次発艦。上空で編隊を組んでから目標へ迎え》

《第二次攻撃隊は第一次攻撃隊の10分後に発艦予定。搭乗員各員はコクピットで待機せよ》


俺は第1艦橋の艦長席で第2格納庫に隣接された管制室からの指示を聞きながら頬杖をついていた。


今回俺達はやる事が無い。あるとすれば奇襲への警戒くらいだ。

今回の作戦はスピードが命。如何に素早くこちらの今回の仕込み、06囮弾が有効な間に敵の攻撃オプションを破壊出来るかどうかだ。

そもそも06囮弾とは何か。その正体は葉緑素をベースとした妨害粒子を使用したフレアだ。

元々葉緑素は一部電波を通しにくい特性を持ち、それを元に妨害効果範囲を拡大した妨害粒子で発射後3回分裂して空中にレーダーが無効化される回廊を作り出す。

その緑色の雲の中はレーダーは一切使えない。そして視界も悪いといった装備だ。こっちの世界では日本軍も使用している物ではある。あっちはただの葉緑素だったがな。


最初はそれをオウミから発射して突撃する案もあったのだが却下された。

こいつはスピードはあるがでか過ぎる。つまり奇襲には役に立たない。

敵をただ破壊するなら見つかるのを覚悟で最大戦速で突撃、艦砲射撃もしくは波動防壁で特攻というのもありなんだが今回は救出と鹵獲だ。こいつでは破壊力が大き過ぎる。

つまりそういう事だ。管制は空中管制機が自動でやるから問題ないし、機械故の見落としがあってもデータは随時送られているから気づくだろう。


オウミの舷側、下部から発艦していった各機は上空でダッグアースラから発艦した機体と編隊を組んで空の彼方に消えていった。


だが妙な胸騒ぎがする。何か起こらなければいいが...。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


オウミ上空で編隊を組み、第1次攻撃隊は一路アイガイオンへと飛行。

俺は複葉翼の可変MSであるこのυで変形して編隊の少し上を飛んでいる。


υガンダム、何年か前にうちで設計されたデルタ系列の可変MS。VFに採用されている熱核タービンエンジンを搭載、大気圏内では無限の航続距離を誇り超音速飛行時のソニックウェーブを打ち消す事が出来る複葉翼はそれ自体が光波推進システムになっている。

お陰で機動力はかなりの物なのだが当時では装甲材質の問題があり開発不可能だった。

だがカタルシスが使えなくなった今、こうして日の目を見た機体ってわけだ。


《で、終夜》

「何だよ」


ノンビリ遊覧飛行している気分な俺に恭文が質問してきた。言いたい事は分かるけど確認の為に聞き返す。


《...何それ》

「...まあ新しい機体だ」

《カタルシスはどうした?あれほどの性能なら乗らない理由はないだろ》


当然聞くよなぁ...。あれだけ圧倒的な出力を誇っていたんだ、アテにしたいに決まってる。


「あいつはもう寿命だよ。丁度今日...な」


今日は俺達がこの世界に来た日から丁度一週間。

そしてカタルシスの材質、ガンダニュウム複合装甲の耐久時間も一週間。そういう事だ...。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


俺とライガーゼロはオウミ艦内で待機中。現在は第2次攻撃隊が発艦準備に入っていた。

正直暇だ。あいつらが少し羨ましいな...。


《な、何あれ!?》


ミコノの驚きの声に振り向くとカタルシスから砂が溢れ出していた。

だがよく見ると徐々に中身が見えてきている。まさか...砂になっているのか?


やがてカタルシスは全てが砂になり、カタパルト兼用のハンガーの上で砂の山になった。

一体何がどうなってるんだ...。


「カタルシスが...崩壊した...だと...」

《嘘...どうなってんのよ!?》

《カタルシスは...もう限界だ》


俺達の疑問に答えたのはこのオウミの整備主任、真田だった。


《カタルシスの装甲、ガンダニュウム複合合金は一週間しか持たない代物だ。そしてカタルシスが終夜から分離して今日は丁度一週間なんだよ》

《つまり終夜はこれを分かっていてあれに...》


納得した。戦っている真っ最中にハイになるなんてシャレにならないしな。

それにあいつが少しかなしそうな顔をしていた理由も...。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



《俺としてはもっと一緒にいたかったんだがな。
あいつとは進化前から長い付き合いだ。これからも末長くと思った矢先にこれじゃあな...》


鼻を啜る音も聞こえている事からあいつの悲しみは結構なものだと思う。

そんなあいつに声をかける事は誰も出来なかった。


き、気まずい...気まず過ぎるぞ、この空気!


《それにしても無茶苦茶だよねぇ。アイガイオンを鹵獲するなんて》


この暗い空気を変えるためか、やすっちが話題を変えて来た。

これは乗るしかない。この気まずい空気を帰るにはそれしかない!


「仕方ないだろ、資材ないのは察してやれ。にしてもあのアイガイオン、空中補給の弱点がないんだろ?」

《ないな。確か原子力が動力源だった筈だ。破壊し過ぎて被爆しました、なんてオチはやめろよ?》


嫌なオチだな、おい。

グリードの俺には関係ないがやすっちや龍也、ブロントさんは被爆したら...案外大丈夫そうだな。


そして緑色の雲が僕らの前に見えてきた。その両端から赤と灰色の翼が見え隠れする。

あれがアイガイオンか...。実際に見るとかなりデカイ。

デンライナーやガオウライナーよりは当然大きい。それに俺達グリードの暴走体よりもデカイ。ったく終夜の世界の財団Xはとんでもない物を作りやがったな。


《敵艦ニンバス発射!》

《各機散開。どうせ06の効果で無誘導だ。作戦通りに敵艦に強行突入するぞ!》


エクストリームにレオスと共に乗っているセシアから警告が来たがミサイルの軌道からして無誘導。取り敢えず侵入方向に撃ってきたらしい。

周囲でニンバスが炸裂、大きな火球を作り出す。その間を俺達は潜り抜ける。


まさかアイガイオンとマジで殴り合う羽目になるとは人生何が起こるか分かったもんじゃないな。だからこそ楽しいんだがな!


《イビツ!周辺の対空火器は任せた!俺はニンバスを潰す!》

《任せろ!AGEの力、見せてやる!》


上空の雄大からの通信にイビツは意気揚々と答えた。


生憎この中だとイビツのAGE-FXが一番やり易いという結論に至った。

あいつのAGE-FXにはCファンネルがある。それなら複数の火器を同時に破壊出来るという寸法だ。


下手に取り付くと対空火器を至近から喰らうリスクがあるからな。そしてミサイルも期待出来ずビームも弾かれる。そういう事だ。


《アイガイオンから敵艦載機発艦中。機種判別...NMF2機、トリスタン及びモルドレッド!》


この機械音声の情報はアイガイオンの真上、高度36000フィートに滞空して光学迷彩を展開したオウミの艦載機、100式改型空間偵察機とやらから送られている。

こいつは電子戦機としてのありとあらゆる機能を詰め込んだ機体でその中の一つ、赤外線センサーがアイガイオンや発進する敵機を正確に捉えていてそのデータは常時俺達の機体に送信されている。それで敵機やアイガイオンの武装の位置が正確に捉えられる訳だ。


さらにジャミングを限定的にせよ無効にしてくれているからこうして通信が出来る。さらっと当たり前の様にチートを見せてくるよな、こいつら...。


《何者だ貴様ら!》


おーおー、あっちから通信がかかってくるか。この声はコードギアスのジノか。


《何者...ねぇ。こう言えばいいか?ちょっと帰りたいんで邪魔者と遺恨をぶっ飛ばしに来た。...イコンじゃないぞ?》

《お前達も...!ならば私達と来い!元の世界に戻るにはシーズンと手を組むのが最善の方法だ!》


終夜の言葉にスザクが自分達と共に来いと提案してくる。

まあそう言うよな。こいつは決して悪い奴じゃない。この前にだってスザクに同じ事言ってたし。


《あの俺達を駒にしか思っていない連中の味方なんか出来るかよ!》

《そんな事百も承知だ!だが帰る手段は他にはないんだ!》


どうやらスザクにも分かってはいるらしい。

そうやって怒鳴りあいつつも、トリスタンはそのサイズと機動力を活かして懐に飛び込もうとする。


だが俺も硬質残光で障害物を形成しながら必死に距離を取りつつアームストロンガー・カノンを分離、背部コンテナから取り出された分離時に使用する射撃兵装ダイ・ベータと右手に持っている追加装備、エッジド・ガトリングに肩のチェーン・ソーサーで弾幕を張る。そして隙を見てアリアと飛燕も支援射撃をしてくれている。

故に奴は俺達に近づけていない。そして俺達に集中している。つまり他にかまっている暇はないという事だ。


「お前は見落としている。俺達は囮だ!」

《何...!?しまった!》


ジノがようやく気づいた様だがもう遅い。

アイガイオンの上から接近していた雄大のF-22は既に腹に収められた爆弾にニンバス発射口に投下していた。それは発射直前のニンバスに直撃、アイガイオンの上部に大爆発が起こる。


《ニンバス射出口に直撃弾!ニンバス発射不能!誘爆が...うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!》

《逃がさない...!》


悠然と飛行機雲を引いて飛び去るF-22に対してアーニャのKMF、モルドレッドが逃がすまいと全身のミサイルハッチを開く。

てか混戦してやがる。敵の声も聞こえているぞ。


《させるか!》


だが終夜のυがモルドレッドに向けてメガバスターからビームを照射して妨害する。

モルドレッドはそれを発射体制を解きながら回避する。


そこからさらに刹那のクアンタがGNソードXからビームを放って牽制する。

よし、上手く抑え込めている。後は突入待ちか。早く壊してくれよ...!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


私の右前方にはサイファーのF-15C改が悠然と飛んでいる。

カラーリングは勿論、灰色ベースで主翼と垂直尾翼の端を青く染めたそとあおカラー。その垂直尾翼には鎖に繋がれた犬のエンブレム。

そしてそんなF-15C改から発せられる覇気。これがエース...。


何と言うか...こうして間近に見ると実感が湧く。まさにゲームの中のプレイヤーがどれ程信頼を置かれていたのかが理屈抜きで分かる。

彼がいればきっと生き残れる、そう保証する安心感が私の中にあった。


《大丈夫か?》

「大丈夫、やってみる。機体性能なら負けてない!」

《そうか...来るぞ!》


その声で咄嗟に左右に散開した私のYF-29とサイファーのF-15C改の間を紫色のビームが貫く。


そしてそのビームの来た方向から紫色のVFが紫色の残光と共に突進して来る。

特徴的な4発のエンジン、キャノピーは装甲でパイロットの姿は見えない。機体の下部には大きめの可変出力型のガンポッド。

やっぱりVF-27γ!紫なら間違いない、ブレラ・スターン!


《予想通りこっちに喰らいついたか...。やるぞ!アサルト4!》

《了解!》


サイファー...隊長の言葉に復唱する。アサルト4、そしてヴィーナス。これが今の私のコールサインとTACネーム。

私はあの日からアサルト隊に編入された。理由はVFなら同じくVFを有するアサルトに編入させてしまった方がいいという単純な理由。


そして歴戦のエース2人に徹底的に鍛え上げられた。

オウミ艦内を皆と一緒に何周もしたり、シミュレーターで嘗て彼らが戦ったエース達と戦ったり、実機で彼らとの模擬戦をしたりととても厳しいハードなトレーニングだった。でも私は懸命に喰らいついた。


私にはそれを拒否する道もあった。でも私はあえて厳しい道を選んだ。

皆を守りたい。というより守られるだけは嫌だ。それに自分はYF-29を手足の様に扱えないのが悔しかった。

そしてYF-29に勝るとも劣らない性能を持つADF-02、YF-35の機体性能を完全に発揮する彼らに憧れた。


そうした甲斐もあってこうして今、空を飛んで戦っている。

多分私は一生忘れない。このYF-29と共に歩んだ軌跡を...。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


私達はニンバスが破壊された事での敵の混乱に乗じて敵艦への強行着艦を敢行する事になっている。

現在の位置はアイガイオンの後方だ。全速力で突っ込めば充分に届く。


対空砲火も最初に比べれば随分と落ち着いた。突入するなら今か!


「もういいだろう。行くぞ、ついてこい!」

《わーってるよ!》

《問題なう》

《問題あるの!?》


私の声にブロントが問題があったらしい。ふむ、何だろうな?機体の不調か?だが煙を吐いている様子はない。ううむ...。


《そんなことはどうでもよく重要じゃない。俺はソロで狩るよりも仲間がいることにより本気を出せるメイン盾を自負したナイト。
問題とは100%自分で打ち砕く物である》

『ややこしいんだよ!てか意味分かんないんだけど!?』


ブロントの言葉にダーグと恭文がすぐに突っ込む。問題はないらしい。

やれやれ、なのは達と共に戦う時と別の意味で大変だな。個性的過ぎる面子だ。


そう思いつつ私は火花を脚部から散らしながら胴体中央の滑走路に強行着艦、周りの機械兵士や係留されている敵機を頭部バルカンで薙ぎ払ってコクピットハッチを開ける。

見ると恭文も両腕のバルカンで一掃した後、腹にあるコクピットから飛び降りてスティンガースナイプで敵機のカメラや兵士を撃ち抜く。

ダーグは巨大な腕を発着艦管制室らしき場所に突き刺して強引に減速して敵機を踏み潰して着艦。

周りの対人用と思われる機関砲がこっちを狙ってくるがそれは飛燕の機体の両腕に搭載されたクロスボウ状の武器からビーム弾が発射されて次々と蹴散らしていく。

相手もこちらに向けて撃ち返すが大型シールドできっちり守ってくれる。


順調に制圧していくその時だった。


「何だ、あいつ!?」

「CFA-44!?」


私達のいる反対側のシャッターが内側から破壊されてそこから1機の戦闘機が姿を表す。

そいつは飛燕にレーザー機銃を撃ちながら強引に突破して外に躍り出る。

あの動き...有人機か!


私は咄嗟にヘルズキャノンを放って撃墜を図るが当たる直前に人間離れした機動で急上昇して躱された。


「あれ、本当に有人機か?」

《どういう事だ、旦那?》


あいつから人の気配を全く感じなかった。だがあの動きは間違いなく有人機だろう。無人ならそもそも隔壁を破るかが怪しい。


「...まさかZ.O.E?」


恭文の言葉に私は首を傾げてしまう。

Z.O.E?何だそれは。


「簡単に言えば人工知能。エースコンバットシリーズに出ていたからあり得るとは思うけど...」

「んであいつは?」


ダーグがブロントがいない事に気づいた。

一体どこにいった...?


「呼んだのか?」

『いつの間に...』


気づいたらブロントは扉の前にいた。扉が壊されている事から中も粗方殲滅したのだろう。

中々やるな...。対ネクロプログラムも渡してあるからネクロ相手でも充分に戦えそうだ。


「何笑ってんだ?行くぞ」

「ああ、今行く」


そんな頼もしい仲間達についつい笑いながらも私は彼らの後について行った。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



アイガイオンから垂直上昇して砲撃を回避して現れたのは蝶のエンブレムのCFA-44...間違いない。


「...蝶使いか」

《そう、久しぶりね。猟犬ちゃんにリボンちゃん♪》


こっちの呟きにCFA-44...QFA-44のパイロットである少女から返信が来た。

相変わらずの馬鹿にした様な言い方だ。その辺りは全く変わっていないと見た。いや、あれからまだ一週間と少しだから妥当なのか。


「お前は確かあの時、叩き落とした筈だ。何故生きて...いや、何故存在する?」


そう、奴はあの時叩き落とした筈。

今でも鮮明に覚えている。俺のADF-02から放たれた赤いレーザーが俺を追い越した奴の機体を真っ二つに引き裂いたあの時を。


《確かにあの時、私は貴方に落とされた。
で・も・ね♪》


奴は大きく旋回して...ミサイル!?


《蘇っちゃったのよ、私!》

「ッ!?全機ブレイク!」


奴は胴体下のミサイルコンテナからミサイルの雨を降らせた。

ADMM...全方位多目的ミサイルシステムからVLSの様に放たれたミサイルはこっちに一直線に向かってくる。ロックオンアラートが鳴ってない事から指定座標に飛んでいくタイプか?となると...まさか!?


「全機ミサイルから距離を取れ!」

《遅い遅い♪》


予想通りそれは空中で炸裂して巨大な火球を大量に生み出す。

運悪く、X魔王はその雨あられに飲み込まれて爆炎の中に消えていく。

やはり散弾ミサイルだった。まさかADMMの弾頭をそれにするとはな。確かに効果的だがいつの間に...。前はあんなの積んでいなかったぞ?


《《なのはさん!?》》

《だ、大丈夫!でも左腕とバックパックが...!》


ヴィヴィオとヒロの呼びかけに答えて爆炎の中からX魔王が飛び出してくるが酷い有り様だった。

頭部のブレードアンテナの右側は折れておりバックパックの中央部の装甲がめくれ上がっている。

さらに左腕は盾にしたのか、シールド諸共消し飛び全身のリフレクトスラスターが全滅、飛行出来ず落下していく。

そんなX魔王に機首を向けてELS、レールガンユニットを展開する蝶使い。

俺はそれを見て急いで急旋回。奴に機首を向けてロックオン、中距離ミサイルを発射する。間に合うか!?


《まずひっとり〜》

《させるかぁ!》


そこに割り込んだのはウルティメイトデスティニー。

腕から機体を覆う程に大きなビームシールドを発生させてビーム弾を防ぎつつビームシールドを貫通するレールガンはVPS装甲で耐える。


《落ちなさい!》


その隙に真下からシャルナのZRX-2が俺の中距離ミサイルに合わせるように頭部バルカン、アブソリュート、レールガン共に2門ずつ、そしてビームライフル2丁で一斉射をかけるが奴は鼻歌を歌いながら機体を右に90°ロールさせて被弾面積を最小限にする事で回避した。


《この機体は私そのもの。あなた達の様に操縦桿を介しての操縦とはダンチなのよ!》


それがあの超機動の正体だ。奴にとっては機体を動かす事は体を動かすと同じ。相変わらず厄介だな、ああいうのは。


《くそったれ!せめてVFさえ使えれば...!》

《戦闘機乗りが機体のせいにしたらもう終わりだと思うけど?》


それは正論だな。雄大、気持ちは分かるが正論で負けては駄目だろ...。


《うぐ......。
だがあんな事を躊躇なくしておいて...反省も後悔もないお前に戦闘機乗りを語る資格はない!》

《なになに?脱出したパイロット殺したこと?》


平然と言ってのけた奴の言葉に全員が絶句。特に年端のいかない子供達には大きかったらしい。

通信は開いているから後続の部隊にも丸聞こえ状態だ。


《何でそんな事を!?》

《あんなのただのいい的よ。敵は殺してナンボだもの。
殺さなければまた新しい武器を持って殺しに来る。生きる力と生きる力のぶつかり合い、それが戦争よ?ボウヤ。でしょ?ガルム1》

「...否定出来ないな。ベルカ戦争や環太平洋戦争はそうだったからな」


確かにそうだった。ベルカ戦争や環太平洋戦争でそういう場面は何度もあった。

だが相棒の言葉を使っているのが俺にとっては気に入らない。


《何でですか!?それがいけない事だってくらい分かるでしょう!?》

「ならヒロ。戦争はどうすれば終わるんだ?」

《それは...》


そんなの即答出来るわけがない。出来る奴がいるとしたら戦場を見たことがない余程の馬鹿だ。


「答えはな...勝つ方の上の連中がが満足までさ」


答えは人それぞれ、というより明確な答えはないのだが俺はそう思っている。

つまり上の連中が相手から搾り取れるだけ搾り取ったら終わり、そんなものだろう。


「俺がガルム1として飛んでいた頃の戦争、ベルカ戦争もそうだった」


俺はYF-27とドッグファイトを繰り広げながら自然と喋り始めた。

あのクソッタレな戦争の事を。


「俺が傭兵として参戦した時はウスティオを始めとした国の解放の為の戦争だった。
だが次第にそれは資源権益の為の侵略戦争に変わっていった」


俺の脳裏には戦術爆撃機によって焼かれる工業都市。そして防衛出来ないと分かるや否や、自国の都市に焦土作戦すら行う戦争の汚い一面。

そして起こってしまったベルカの手による自国内での7つの核の起爆。そこからのベルカの狂気の突撃による凄絶な消耗戦。そこには大義も理想もなくただ凄まじい生存競争が繰り広げられていた、と当時その地に兵士として居たハーリング大統領から聞いている。


「だから相棒の言葉を借りて言わせてもらう。戦争に理想はない。生きるか死ぬか、それだけだ」

《そうそう。これが戦争の真理よ?戦争で兵士に求められるのは生きる事、そして敵をより多く殺す事》


奴の言っている言葉は決して間違えているわけではない。

寧ろ正しいだろうな。だがだからこそ気に食わない。

そういう事を当たり前の様に喋る時点でこいつは狂っている。それは俺もだがな。同族嫌悪...か。


《落ちろ!》

《落とす!》

《甘い甘い♪》


アリアと刹那がそれぞれボルク・アームとGNソードXからビームを放つが奴は鋭い機動で一瞬でバレルロールして回避、同時にレールガンを放つ。

アリアは兎も角真のイノベイターの刹那の射撃さえも躱すか...。相変わらずキレは鈍っていないか。


《行け、Cファンネル!》

《大っきい板かぁ》

《なっ...!?》


イビツのAGE-FXから大型のCファンネル4基が放たれて切り裂きにかかるが、奴は事もあろうかタイミングを合わせてすれすれを回避、そして4基目に機体をぶつけて強引に機体の姿勢制御という神業をやってのけた。

これも機体そのものであるが故の神業。こればかりは俺にも出来るか怪しいぞ、おい。


《なんつーバケモンだよ!》

《そりゃ、ガチプレイヤーだし?》

《ならばこれはどう避ける?》


そこに砲撃を加えたのはレオスのエクストリームガンダムTypeレオスのエクリプスフェース。

両手に持ったウイングゼロのツインバスターライフル型のライフル、ヴァリアブルサイコライフル、肩に搭載されたブラスターカノン2基、腰のランチャーからミサイル計6発、そして投射したコンテナ、エクリプス・クラスターの側面から多数の小型ミサイルを一斉射して面への制圧射撃で叩き落とそうとする。


《弾幕で落とそうなんて芸がないわねぇ》


奴はフレアをばら撒きながら無人機ならではの超機動で回避する。

簡単に言えばマクロスプラスのリミッター解除状態のYF-21だ。Gで潰れる様な事はないし理には叶っている。


だがその時だった。


《...全機に通達。奴は俺は引き受ける》


雄大が全員に通信をかけた。

万全なコンディションの蝶使いを昔の機体であるあいつが引き受けるときたか。


《へぇ〜。貴方が私を?》

《そうだ、ついて来い!》


F-22はアフターバーナーを全開にパワーダイブ、QFA-44もそれに追従する。そして2機の姿は渓谷の中に消えて行った。

これで一応あっちは大丈夫な筈だ。後は...。


《ッ!?敵が来る!》


刹那が警告の直後に超高速でミサイルの雨が飛来、全機が咄嗟にブレイクする。

それを放ったのはステルス機特有の滑らかなボディでエアインテークの前方には可動ストレーキが取り付けられた灰色のステルス戦闘機T-50だった。


「T-50...アイガイオンの艦載機か!」

《T-50...ですか?》


T-50はユークトバニアが開発した最新鋭機だ。Su-37やSu-47をも上回る高機動性を持っており総合性能ではF-22をも凌ぐ機体だ。

ユークトバニアの一部では配備が進められている採用されている最新鋭機なんだが実は設計データが財団Xに流出、その工業力で量産、主力として運用されていた。


「ユークトバニアが開発した最新鋭機。財団Xの連中も運用していた機体だ。しかも灰色となると...」

《我らの悲願を妨げるか!鬼神め!》


やはりベルカの亡霊か!つくづく縁がある様だな、こいつらとは...!




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


舞い降りた渓谷には海へと繋がる緩やかな川がありその両脇を高い岩壁が塞いでいる。道は一本。何処かでオーバーシュートさせないとやられるのは俺。


《わざわざ前のポジションを取ってくれるなんてねぇ》

「じゃあこうだ!」


余裕の声を上げる奴に対して俺は左のスロットを勢い良く引いて機体を急減速させる。

その上でぶつける覚悟で機首を左上方に翻す。このままなら空中衝突確定だ。だから奴は必ず躱す。


《ちょ!?》


奴は俺の機体の下をくぐって躱した。狙い通りだ。

俺は各部のロケットモーターで姿勢を立て直して奴の後ろについた。同時にコクピット脇のレーザー機銃を乱射、ビームの弾丸が奴のQFA-44を襲うが奴の機体に決定打を与えられない。速過ぎるんだよ!こんな狭い渓谷をギリギリまで使っての回避運動なんてされたらそうそう当たらないぞ、これ。


「そういえばUAVはどうした!?」

《あんたらが前の世界で根こそぎぶっ飛ばしてくれたお陰で全滅よ!》

「そいつはいい事を聞いた!」


それは僥倖だ。あの厄介な連中がいないだけで奴の戦力は半減する。


《じゃあ付いて来なさいよ!》


奴はアフターバーナーに点火して一気に加速する。そして音速を突破した証、水蒸気のドレスを着飾る。

加速して振り切る気か!奴は当然Gに縛られていないが俺は違う。

幾らISCでGを打ち消しているとはいえ瞬間で打ち消せるGには限界がある。さらに一定時間経過で俺にGが戻ってくる。それまでに仕留められたらいいんだがな...!


景色が流れて行くのを見つつ速度計を確認すると現在M3.7そしてM3.8、3.9...4を超えたか。

予め渓谷のデータを受け取ってるとはいえこれはキツイ。もう高Gの影響で腕が自由に動かないがそれはYF-24から実装されていてこいつにも搭載されている操縦システム、EXギアシステムのパワーアシストでサポート。


そして大きく右に旋回するコーナーに差し掛かる。

機体を大きくバンクさせて抜けた先にはとんでもない光景があった。

奴は水平旋回中に進行方向と高度を変えずに機体姿勢のみを90度近く跳ね上げて機首を旋回円中心方向に向けたあと、そのまま水平旋回に戻る機動、フックをやってのけた。

奴は咄嗟にラダーペダルを蹴っ飛ばしつつ左側のロケットモーターを最大噴射して下に横滑りする事で空中接触を回避した俺の機体の上を通り抜けて姿勢制御、立て直してこっちに機首を向ける。クソッタレが!


《ほらほら踊りなさいよ!》


奴はレーザー機銃からビームの弾丸をばら撒く。

それをバレルロールで回避しながらスロットルを一気に前に叩き込んでアフターバーナーで逃げの手に出る。

奴も当然ビームの弾丸をばら撒きながら追いかけてくる。

その時ビームの弾丸が消え去り代わりに死神の笑い声、ロックオンアラートが鳴り響く。


《もう落ちちゃえ!》


そして奴は短距離ミサイルを発射、こっちを叩き落としにかかる。

俺は恐怖心を押さえつけてギリギリまで引きつける。そしてバレルロールと同時にフレア....マグネシウムの塊を放出、面状にばら撒かれたマグネシウムの発する熱と赤外線にミサイルは食いつき信管が作動、爆発した。

このままでは俺はやられる...どうする!?



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「Cファンネル!」


俺は小型のCファンネルをアイガイオンと敵機に、大型を防御に回す。

大型は敵の攻撃をただひたすら防ぎ続ける。その間にアイガイオンの対空火器を根元から切り裂く。装甲ごと切り裂きたいがそんな暇はない。機銃は銃身さえ切ってしまえば使い物にならないしSAMは発射機を叩き斬ればミサイルは撃てない。


これこそ...これこそがAGE-FX!俺の愛し続けたAGEの集大成!AGEの軌跡の先のMS!


《クソッ!機械人形風情が!》


コクピットに警告が鳴り響く。後方からのミサイル...甘いな、その程度どうという事ない。

小型のCファンネルを飛ばしてミサイルの弾頭とロケットを分離、そしてミサイルを撃った戦闘機にそのままCファンネルを飛ばす。


だが流石というべきかそいつは鋭い機動で垂直上昇、そのまま一気に降下して距離を稼ぐ事でやり過ごそうとしていた。

だが反転降下した先には終夜のυが左手にビームサーベルを持って待ち構えていた。


《なっ...!?》

《ベルカ独特の戦闘機動は見慣れているからな、予測は難しくないんだよ》

《その声、死g》


υの蒼いビーム刃に自ら突っ込んでいく形になり、T-50はパイロットの言葉と共に真っ二つになり空中で爆発する。


「流石だな。同じ世界出身だけはある」

《ゲーム知識と一緒にすんな。実際やり合って始めて分かる物もあるんだよ》


終夜と俺はお互いファンネルを回収して背中合わせになって周囲をハエの如く飛び回るイコンを撃ち落として行く。

終夜はシールドを飛ばして装備されている2連装のマシンキャノンから放たれた弾丸が敵を......ん?


「何でシールド飛んでんだよ!?」

《えっと...サイコフレームの応用?》


そういえばサラッとやってたな。当たり前の様にやってたから忘れてたぞ...。というか疑問型かよ。


《いや、もう感覚だし...そこは許せ》



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


その後も超高速でのシザース、お互いにスピードを落とすタイミングを窺い隙あらば後ろを取り合う激しいドッグファイトを繰り広げていると、両岸を繋いでいる橋の様な形状の場所に達した。

現在のポジションは俺が前で奴が後ろ。幅は極端に狭いが...行けるか!?


奴のミサイルはさっきのADMM乱射で恐らく弾切れ、代わりにレーザー機銃でこっちを執拗に狙ってくる。やるならここしかない。


俺は機体を少し傾けて橋の下を通過、そして即座に立て直すと同時にメインエンジンに搭載された推力偏向ノズルを上に向けてさらに機首下部にあるロケットモーターに点火、横から見れば丁度橋っぽい場所を中心にクルリと一回転。

橋はそれ程太いわけでもないが結構頑丈でそれを奴が機銃を撃ちまくってそれの盾にした橋はボロボロになったからエアインテークのシャッターを閉じて強引にぶち抜く形になったがエネルギー転換装甲の硬度でこっちは損傷なし。ただ塗装が少し剥げただけ。それと肝を冷やしたくらい。


《クルビット!?》


でもその甲斐もあってヤツの真後ろを取った。エアインテークを再び開くと同時にミサイル発射スイッチのカバーを開く。

さぁ、落ちろ!


「FOX2!」


至近距離から短距離ミサイルが発射され、フレアをばら撒く隙も与えずそれは吸い込まれる様に左エンジンに直撃した。

ちなみにFOX2は赤外線ホーミングミサイル発射時のコール。FOX1はセミアクティブレーダーホーミングミサイル、FOX3はアクティブレーダーホーミングミサイルとなっている。

FOX4?あれは正式じゃないが自爆特攻に使われる。あんまりいい言葉じゃないけどな...。


兎も角俺は爆発するQFA-44の横を潜り抜けてから渓谷の上に脱出する。


《無事か!?》

「何とか奴を叩き落としはしたが...まあ死んでるとは思い難いな」

《ありゃま、やられちゃった〜。流石リボン付きの死神。まさか強引にクルビット仕掛けてくるなんて》


やっぱり生きてやがったか!相変わらずしぶとい奴だ...。

でも奴の機体は左の後ろ半分が根こそぎ消し飛び主翼も右だけ。

仕留めるなら今しかない!そう思いつつ機体を一気に反転させつつ中距離空対空ミサイルの発射準備をする。


《残念、逃げるが勝ち〜♪》

《06式囮弾...!》


だが奴はこっちが反転しきる前に06式囮弾特有の緑色の煙幕を撒き散らしてアフターバーナー全開、強引に推力で機体を空に浮かべて逃げた。

逃げに徹されたら流石に...無理か。こっちも少なからず損傷は負っているからな。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


YF-27とYF-29のドッグファイトは熾烈だった。お互いに敵の後方を奪う為に変形を交えて何度もポジションを入れ替えるて撃ち合う。

にしても本当に成長したな、あいつ。俺達でしごいたかいがあったもんだ。


YF-29が宙返りの頂点で変形、バトロイドのYF-27に向けて抜刀で斬りかかる。

YF-27はそれを左腕のシールドから伸ばしたブレードで受け止めるが勢いで勝るYF-29に押し込まれる。


だが流石と言うべきか、YF-27は押し込まれつつも右足でYF-29を蹴り飛ばしてガウォークに変形、右手に持ったビームガンポッドでYF-29を撃つ。


それに対してYF-29はファイターに変形して離脱しつつ背部の連装MDEビーム砲で反撃する。

あのシチュエーションは実戦訓練で何回もあったからな。こう言ってはなんだが対応出来ない方がおかしい。

だがYF-27の機動に焦りが見え始めている。サイボーグだった筈なんだが好機だ。仕留めさせてもらおうか。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


正直、誤算だった。素人だからと手を抜いたつもりはない。

だがあのVF-24の系列に位置するであろうアンノウンは想像以上の機動力を発揮して食らいついてくる。


キャノピーを確認したから分かったがあれは有人機、それも俺達の様にサイボーグ化した機械兵士ではない。

となると自然と絞られてくる。恐らくは未来の機体。


アンノウンは上から太陽を背にガンポッドを放ちながら真っ直ぐ向かってくる。

それに正対しファイターですれ違うと同時にガウォークに変形、一気に反転しながら左斜めしたに滑りながらガンポッドを重力子ビームモードに設定。


横滑りした先には同じく反転するガウォーク形態のアンノウンの横姿。

そしてコクピットに照準を合わせたその時だった。この機体の右の主翼が吹き飛ばされたのは。そして俺のすぐ後ろを1機の戦闘機が飛び去って行くのを。

機体照合...F-15。交戦時にアンノウンの前にいた機体と推測。


まさか統合戦争時代の機体にやられるとは...撤退信号?


発信元はグレイス・ゴドゥヌワ大佐...命令は絶対。それに傷ついたこの機体ではアンノウンを撃墜するのは難しい。

やむなく俺は最大推力でこの戦場から離脱した。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「ったく...キリがねぇな。大き過ぎる」

「でもこれ以上人員は割けない...でしょ!」


マスターが私の蒼い刀身で敵の機械兵士を切り裂く。

この程度、私達の敵ではありませんよ。お互いの実力把握の為に出会った次の日から模擬戦をしていましたから。

何回も自分の力を喋るより一回戦った方がいいじゃないですか。百聞は一見に如かずです。


「ふむ...二手に別れよう。片方は管制室を、もう片方は人質の救助だ」


やっぱりそうするしかないですよね。伊達に別の世界の時空管理局の大将やっているだけありますよ。

にしてもFate技を自由自在に操っているのが転生者だと勘繰られていましたけどそれが全て自身の力と聞いて全員呆れましたよ。


「私は管制しるへ」

「管制室な...。じゃあ俺もそっち行くか」


...すぐに決定した様ですね。ダーグとブロントさんが管制室、マスターと龍也さんが捕虜の強奪ですか。


「というわけだ。終わったら...そっちはスピーカーから適当に何か頼む。こちらは...特大の魔力を打ち上げよう」


敵は機械ですから遠慮なくぶちのめせますから遠慮なくやりましょうか。


《そっちも気をつけろよ?何があるか分からないからな》

《ありがとうございます。そちらも気をつけて》

「...いつの間に仲が良くなってる...」

「まあ悪い事ではないだろう。問題ない筈だ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


というわけでこちらは恭文様が船内のコンピュータをハッキング、それにより判明した捕虜の元に向かっています。道中で敵の機械兵士を薙ぎ払いながら。


戦局は一方的でした。

機械兵士は量産性重視なのか性能はそこそこでしたしこちらは二人とはいえお互いの世界でトップクラスの戦闘者。どちらが勝つかは自明の理。

主は銃型デバイスのベレンの正確な射撃で壁に配置された機銃を撃ち抜き、近づいた機械兵士を私で一刀両断。

恭文様も両手に持ったアルトアイゼンとヴァイスリッターで斬り裂きつつ、時折左腕のジガンスクードから射出されたワイヤーで敵を両断する。

ちなみに彼のしゅごキャラは現在退避しています。確か...不思議空間でしたっけ?一体どうなっているのでしょうか...。


そうして敵を撃破して進むと立派で頑丈そうな扉が進路上に現れた。頂いた内部データと照合して...この先ですね。


「これはまたご大層な...」

「ふむ、私がやろう。ベレン!」

《オーライ!カートリッジロード!》


主の意思を汲み取りベレンがカートリッジロード、フルドライブに突入。そして私は待機状態に戻る。

解放された魔力が主の右手に集中、腰を落とし構えを取る。余分な魔力が体から放出されて辺りを金色の光が満たし、右手が圧縮された魔力を帯びて太陽の様に輝く。


「ヘブンス...ナックル!!」


そして圧縮しきれなかった魔力を背中で爆発させる事でブースターとして加速すると同時に右腕に溜まっていた魔力を一気に放出する。

その魔力の奔流は立派な扉を跡形もなく消し飛ばす。


《これは凄まじい...》

《流石は神王様なのー》


アルトアイゼンとジガンスクードはその光景に感心の声を流すだけでした。


ただ、これはまだ全力ではありません。

全力で放つとアイガイオンの外部装甲を内側から破壊しかねませんからね。その辺りを手加減したのでしょう。


「だ、誰かいるの!?」


そして扉の奥から恭文様に似た声が聞こえて来た。間違いなく今回の救出対象でしょう。


「恐らくな。早く済ませよう」

「てかこの声...やっぱりかい」

《よかったですね。同志が出来て》

《同志...ねぇ。ツンデレか?》


恭文様はツンデレなのですか?全然そんな感じは...そもそもツンデレがよく分かりませんけど。


「それは僕の事をツンデレって言いたいのかな!?」

《あれ?違いましたか?》

《いい加減認めるの。主様はツンデレだって》

「うるさい!」

《あ...えっと......うぅ...》


アルトアイゼンとジガンスクードに恭文様が反論、ヴァイスリッターがフォローしようとしてダウン。

...カオスですね、なかなか。


「仲が良さそうで何よりだ、うん」


それは流石にないですよ、主...。普段があれだからヤンデレを個性で捉えてしまうこの人独特の感性ならあり得ますけど。

でもこういう事を言い合えるのは仲がいい証拠なのかもしれませんけどね。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「現在の状況は!?」

「敵兵留置場前まで進出!このままでは捕虜が敵の手に落ちます!機械兵士では相手になりません!」

「右舷第4砲座に直撃弾!迎撃能力60%を切りました!」

「航空戦力も80%がやられています!YF-27とモルドレッド、トリスタンも敵に拘束されています!」


私の声にそれぞれの担当は絶望的な状況を伝えてくる。

侵入者め...忌々しい連中だ。我ら誇り高きベルカの再建を妨げるとは何とも愚かしい。

だが感謝しろ。誇り高きベルカ再建の為の礎程度にはしてくr


「どっせーい!」


我らの後方の扉が吹き飛ばされてそれが副長を下敷きにする。

扉を吹き飛ばして入って来たのは恐竜の様な姿の化け物と白い鎧を身に纏った騎士。

もう片方の連中か!あまりにも来るのが速過ぎるぞ!?


「お前らが遅すぎるのがわえうい」

「その通りだな!」


化け物は口から放った咆哮でマスカレイドドーパントとなった同志を打ち砕き、変な言葉を使う騎士はその禍々しい剣で薙ぎ払う。


「貴様らは何者だ!」

「...まさかグリードいなかったのか?」


私の問いかけに化け物は首を捻った。

あの化け物はどうやらグリードというらしい。確かに我らのデータにはその様な存在はいない。となると異世界の怪物ということか。

だがこの状況は一体なんだ!?これでは奴らの撃破どころか我らが破滅だ!


「取り敢えずお前も寝ていろ!」


私は常に携帯している銃を引き抜いて撃とうとしたがその前にストレートパンチを受けて吹き飛ばされる。

駄目...だ。もう我...のベル...再建は為...れ...な......ピー............。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


龍也様達が突入して15分が経つ。

敵はほぼ壊滅してYF-27やトリスタン達は既に戦域を離脱。そして中で龍也様の魔力が解き放たれたのを感じる事から恐らく無事。

後は時間の問題と思ったその時だった。


《何だ?アイガイオンが爆発して落ちていく...いや、違う!》

《粒子になって集まっている?でも一体...》


イビツさんの声に慌ててメインカメラを向けるとアイガイオンがその巨体から火を吹き出して煙を纏いながら落下していた。

そして恭太郎さんの言葉で破片が粒子化しているのにも気づいた。粒子化?一体何故?

それよりもあれだと龍也様達が!


《放して下さい!王を助けなければ!》

《あほか!今突入したって意味ないのは分かってるやろ!兄ちゃんは無事に決まってる!》


アイギナさんを羽交い締めにして食い止めるはやてさん。

正直私も今すぐに突入したい。でも突入した所で何も出来ない。この消滅スピードから考えても絶対に間に合わないし、向かったら破片でやられる可能性が高い。

あの時、龍也様は手を伸ばしてくれたのに今の私は手を伸ばせないのが堪らなく悔しかった。


《...来た》

《来た?誰の事?》


トリエの声にが聞き返したしたその時爆発の炎と煙を引き裂く5つの影。IFF確認、龍也様!?


「龍也様!無事ですか!?」

《ああ、何とかな。だが...》

《な、何なのよ、あれ!?》


龍也様のZRX-1の姿を見てすぐに駆けつけながら通信を開く。

帰って来る無事な声を聞いて安心したが、青く長い髪の女性が龍也の後席にいた。その声は恭文さんによく似ていたのは気のせいだと思う。


あの人が恐らく龍也様達が救助した人。正直龍也様の肩を掴んでいるのはあまりいい気分はしないけどしょうがないと割り切る。

粒子は集まって腕がなく周囲に翼を2枚浮かせた一つ目の人型に形成されていく。

その数、58。そのうち、11機は翼の数が4枚、5機は翼の数が7枚だった。


その姿は見覚えがあり、全員の目が自然とトリエのセンチュリオ・トライアに向く。


《レギオン...私の...姉妹達》



今週のCM
サリエル:「皆さん、始めましての方は始めまして。どうもな方はどうも、支配人のサリエル・エグザです!」(とまと世界より)

春香:「使用人その二の天海春香です!
今週はバイドですよ!バイド!」(同じくとまと世界より)

サリエル:「目を琥珀色にするなよ!カラコンだと分かってても怖えよ!」

春香:「支配人はだらしないですねぇ。では!今回は生物兵器の転生者をご紹介!」

サリエル:「まずはストーリー。R-Type世界で新型のフォースの起動実験で死んだ葉月が主人公」

春香:「そして何者かに手によりバイド化した状態でリリカルなのは世界に転移、バイドの大艦隊を率いて暴れる物語です」

サリエル:「特徴はまあ...チートだよな。転生者いるけどバイド相手はなぁ...」

春香:「ですよね。設定確認しましたけどチートじゃないですか。ウルトラマンレベルじゃないとどうにもなりませんよ」

サリエル:「この話の恭文達だと...どうにか出来るのか?」

春香:「作者曰くカタルシスはチート中の超絶チートだから大丈夫だろうと...」

サリエル:「いいのかよ、そんなんで。しかも崩壊したじゃねぇか」

春香:「そこから先は期待という事で...。では天海春香と!」

サリエル:「サリエル・エグザでお届けしました。では機会があったらまた会いましょう。さようなら」


「というわけで生物兵器の転生者、興味のあるお方はこちらからどうぞ。
http://novel.syosetu.org/32966/」

作者:「どうも、堕落天使です。この話、実はリメイクVerでしてそっちの反省点も踏まえて書かれているので結構読みやすいです。何よりも片手間で読めるコンパクトサイズなのが嬉しい。ほら、俺のは長いし...ね?それに更新も早いのも嬉しい。
注意点としては原作キャラ、現段階でははやてがバイド化しております。そういうのが好みではない人はあまりお勧め出来ないですね。まあ好みは人それぞれ、自分は気にしない派です。
そんな手軽に読める生物兵器の転生者、是非一度ご覧になっては如何でしょうか」





後書き
終夜:「というわけでとまとよりご出張のお二人、ありがとうございましたー。どうも、神崎終夜です」

遊梨:「はいどうもー!神崎遊梨です!...おっせぇ...」

終夜:「失踪よりましという事にしておけ。ましてや風邪としゃっくりの地獄コンボの中から投稿しているだけマシだろ」

遊梨:「それは自爆な気もするけど...。
今回はエースコンバットインフィニティより蝶使いのQFA-44と既にイベント登場が終わったアイガイオンUが登場!」

終夜:「設定上誰もエースコンバットインフィニティは知らない事になっているので悪しからず。
まあ蝶使いやアイガイオンUとかはこっちの世界にいたって話だが」

遊梨:「エースコンバット世界だからいてもいい存在だからね。ついでにエスコン6的にはミッション9、つまり今回の話数と同じなんだよね。作者もびっくり」

終夜:「それはとんでもない偶然だな。
んで近況か...。そうだ、12月にRGでウイングゼロのEW版が出るんだっけか」

遊梨:「後ビルドファイターズ関連で11月にベアッガイF(ファミリー)、ガンダムEz-SR、12月にR・ギャギャが出るとか」

終夜:「それで作者はガンダムEz-SRに注目しているらしい。白兵戦、砲撃戦、情報戦で3つの形態を有したガンプラでどこのドラグナーだよおいって突っ込んでた」

遊梨:「作者が好きそうなガンプラだこと。R・ギャギャはどうもあのギャン使いのネタキャラ、サザキが絡んでいるらしいよ?」

終夜:「...使う奴が負けたら叫ぶのか。またネタキャラが増えるな...」


(作者的にはオールOK。寧ろ面白くなりそうで大万歳。レイジやセイも出て来ると嬉しいな〜。
今日のED:小林啓樹『A BRAND NEW DAY』)


遊梨:「次回はお兄ちゃんが大暴れ!乞うご期待!」

終夜:「...マジで?いいの?やっちゃうよ?」

遊梨:「やっちまえ!遠慮なんて欠片もいらないから蹂躙してしまえ!」




[*前へ][次へ#]

10/22ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!