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頂き物の小説
第9話「再臨、満を持して……」



「ぴぃっ!」

「ぴーっ! ぴーっ!」

「フフフ、あわてないの。
 ちゃんとご飯あげるからね」

「ほらほら、あわてたらダメでござるよ」



 こういうのも、久しぶりだなぁ。

 ウミもカイも、“JS事件”の後ちょっと戻ってきただけで、またしばらく聖王教会に行ってたから、こうしてわたしやシャープエッジがご飯をあげるのも久しぶりなんだよね。



「はーい、ヴェル、ご飯だよー」



 向こうでは、つかささんもヴェルにご飯をあげてる――つかささんも久しぶりだし、すごくうれしそう。

 暖かい気持ちのまま、わたしはウミにお肉を差し出して――



「あ、いたいた!
 ウミーっ! カイーっ! ヴェルーっ!」



 あ、リュウタロスさん。



「みんなに聞いたらここだって!
 ねぇねぇ、キャロちゃん! ボクもウミ達にご飯あげたい!」

「きゅくーっ!」

「うん、もちろんフリードにもね!」



 リュウタロスさん、もうすっかりフリードやウミ達と打ち解けて……



「あ、つかさちゃーん! ボクもヴェルにご飯あげた〜いっ!」



 ……ちょっと、移り気なところはあるけれど。







「……待ってよ〜、リュウタロス……」







 ……って、良太郎さん?

 そんなに息を切らせて……リュウタロスさんを追いかけてきたんですか?



「あ、良太郎も誘ってたの忘れてた」



 ……リュウタロスさん……



「あぁ、ボクなら大丈夫だから。
 だからキャロちゃん、リュウタロスを怒らないであげて」



 でも良太郎さん、ここでちゃんと言って聞かせないと、いつまでもこのままで――











「うっ!?」











 良太郎さん……?

 いきなり動きを止めて、何かあったんでs――







「降、臨っ!」







 ぅわっ、ビックリした!

 顔を上げた良太郎さんの前髪には銀のメッシュが入って、瞳も銀色に染まる。

 これ……イマジンが良太郎さんについた? けど……



「基本カラーが銀色のイマジンって……誰かデンライナー署にいたっけ……?」

「モモタロス殿が赤、ウラタロス殿が青、キンタロス殿が金、リュウタロス殿が紫……いないでござるな」



 シャープエッジと二人で首をかしげていると、







「あーっ! 鳥さん!」







 上がった声はリュウタロスさんのもの……って、



『知り合い(でござるか)……?』











 ――時の列車、デンライナー。次の停車駅は、過去か未来か――











『とある魔導師と古き鉄と時の電車の彼らの時間』・『とまコン』バージョン



とある魔導師と守護者と時の電車と仮面の戦士達



第9話「再臨、満を持して……」







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 ……ぶったまげた。

 今日もいつものようにイマジン関係の聞き込み。

 で、戻ってきたら……なんかえてる!?



「ふむ、やはり美味い。
 給仕、お前の淹れてくれるコーヒーはやはり格別だ」

「ありがとうございまーすっ!」



 良太郎さんの言葉に、ナオミさんが喜んでる――そう、良太郎さんだ。

 けど、その髪は逆立って――モモタロスさんの時のようにまっすぐじゃなくて、ふんわりと浮き上がってる感じ――銀のメッシュが入って、瞳の色も銀。

 で、ドラマとかでお金持ちがよくしてるフワフワのえり飾り。それでこんな偉そうな態度をとっていれば、『電王』をよく知っている子はすぐわかる。



「お前……ジークか!?」

「いかにも」



 モモタロスさんに答えて、コーヒーを飲み終えた彼は良太郎さんの“中”から出てきた。

 全身白に近い銀色で、あちこちに鳥の羽根の装飾。



 やっぱり、この人か……



「我が名はジーク。
 呼ぶ時は気軽に『王子プリンス』でいいぞ」

「ねぇ、ヤスフミ。
 このイマジンは……?」

「安心して。味方だから。
 フリーのイマジンの、ジークさん」



 耳打ちするように尋ねてくるフェイトに答える。

 元々ついた人は別だったんだけど、いろいろあった結果良太郎さん達の仲間になってくれたイマジン。

 これまたいろいろあって、2007年に“生まれた”、ちょっとだけ特別なイマジンなんだけど……



「でも、ジーク……どうしてお前がここに?
 元々デンライナーとは別行動のお前が、どうやってこのミッドチルダに来たのさ?」

「そんなことは決まってる」



 眉をひそめて、僕も思っていた疑問を口にしたジュンイチさんに対して、ジークさんはそれが当然とばかりに胸を張って、







「この私に不可能なことなどないからだっ!」







「……聞いたオレが悪かった」



 うん、悪かった。いろんな意味で悪かった。

 会話が成立してくれないので、ちょっと良太郎さんにケータロスでデンライナーのデカ長に連絡を取ってもらって――



〈あぁ、我々がご案内しましたよ〉



 ……やっぱりあなたの仕業でしたかっ!



〈味方はひとりでも多い方がいいと思いまして〉

「だとしてもよぉ、呼んでいいヤツと悪いヤツがいるだろ。
 コイツを呼んだところで、役に立つのかよ? 偉そうにふんぞり返るだけのヤツが」

「フンッ、何を言う。
 この上なく役に立つではないか」



 デカ長さんに言い返すモモタロスさんだけど、ジークさんも自信タップリに――







「この私がいるおかげで、癒しの空気がこの場に満ち満ちているではないかっ!」







 おバカなことを言い切ってくれた。

 あの、それ愛玩動物と変わらないんですけど。それでいいのか“おうぢさま”。

 と――



「ジーク!」



 開かれた扉の向こう、時の砂漠の向こうのデンライナーから姿を現したのはハナさん。今のデカ長とのやり取りを聞いて来てくれたんだな、きっと。

 だって、ジークは……



「おぉっ! これはこれは!
 久しぶりだな、我が姫よ!」

「あいさつはいいから!
 アンタ、何こっちに来るなり迷惑かけてるのよ!?」



 予想通り、ジークさんはハナさんの姿に大喜び……まぁ、普段から『姫』って呼んで慕ってるからねー、not恋愛な意味で。

 まぁ、ジークさんはハナさんに任せておけば、上手いこと転がしてくれるかな……







「……ちょっと待つでござるよ」







 ……この人がいたよ。



「『姫』とは誰のことでござるか?
 この六課に姫はただひとり……我が主、キャロ・ル・ルシエ嬢をおいて他にはいないでござるよ!」



 あー、なんか前にもこんなことがあった気が。

 なまじキャロへの忠誠心が強い分、キャロ以外の子が『姫』って呼ばれると過剰に反応するんだよね、シャープエッジって。



「何を言う。姫は姫だ。
 さぁ、お前も我が姫と私に忠義を尽くせ」

「なんでそうなるでござるかっ!?
 ハナ殿だけ、というならまだわからないこともないでござるが、何故お主にまで忠義を尽くさなければならないのでござるか!?」

「当然のことではないか。
 私はプリンス。世界は私と姫を中心に回っているのだから」



 ツッコむシャープエッジに対して、ジークさんは自信タップリにそう答える。



「働きを期待しているぞ、新しき我がお供達」

「誰がお主のためになどっ!」



 ……あかん。あらゆる意味で歯車がかみ合ってないわ、この二人。



「ジークの場合、まず歯車のかみ合う相手がいないだろ」



 そう言うジュンイチさんとは、合いそうな気がしますけど。アンタもじゅーぶんに『オレ様』だし。



「安心しろ。
 お前が我が臣下になったことを素直に言葉にできないような、世に言う“つんでれ”とか言う種類の人物であったとしても、寛大な私は受け入れてやるぞ」

「純粋に嫌われているのがわからぬでござるか!?
 いったい何なのでござるか、そのムダに前向きなポジティブシンキング!?」



 なおもぎゃーぎゃー騒いでいるジークさんとシャープエッジの姿に、さてどうしたものかと考えていると、



「おーい、今度は何の騒ぎだー?」



 言ってやってきたのは、アームバレットと二人でパトロールから戻ってきたガスケット。



「あー、実は……」







「お主のような者は姫の教育上好ましくないっ!
 どこへなりとも失せるでござるよっ!」

「なぜだ?
 どうして私が消えなければならない? そんな必要がどこにある?
 世界は私を中心に動いているのだ。私がわざわざ動かずとも、世界の方がなんとかしてくれる」

「ムキ――ッ!」







「……あー、いい。なんとなくわかった」



 僕の説明の声をかき消す勢いで、向こうの口論はさらにヒートアップ。けど、その光景だけでガスケットは何が起きたか理解してくれたらしい。



「ジークのオレ様キャラにシャープエッジがキレてつっかかっていってんだろ?
 やれやれ。困ったもんだね」

「ガスケットにそれを言う資格はないと思う。
 それに、ジークさんのあの性格は筋金入りだし、気にしたところで……」

「あー、いや、そっちじゃなくて」

「………………?」

「シャープエッジの方だよ。
 普段は他のメンツに隠れて目立たないけどさ……何気に、トランスデバイス組の中ではアイツが一番悶着起こしてるからなー」



 ……そういえば。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「なんか、また濃いのが出てきたわねー」



 ……うん、かがみ、気持ちはわかるけど、その辺はツッコまない方がいいと思う。



「何でよ?」

「イマジンのみんなを相手にその辺ツッコみ始めたらキリないから」



 モモタロス達はもちろん、悪さをしてる連中だって……イマジンって敵も味方も濃いキャラばっかりだからねー。

 電王の各フォームの名乗りにツッコミを返したイマジンもひとりや二人じゃきかないし……基本的にノリのよさでは他の追随を許さない。

 言ってみれば“下ネタに走らない『銀魂』キャラ”って感じ? ツッコむのなら、新八くんのポジションに収まるのを覚悟してからでないと。



「かがみのアイデンティティはツッコミじゃなくてツンデレなんだからさ。ぱっつぁん化はやめとこうよ、ぱっつぁん化は」

「……それ以上はうちの作者チキンハートが空知先生に謝り倒しに電話かけかねないからやめときなさい。
 あと、私のアイデンティティはツンデレでもないから」

「えぇっ!?」

「どうしてそんなに驚くのよ!?」



 ま、それはそれとして……



「ひよりん達にも声かけといたよー。
 期末テストが終わって、自由登校期間に入ったら、ゆーちゃん連れてこっちミッドに来るってさ」

「あー、そうよね。
 岩崎さんはともかく、田村さんは嬉々として介入してくるわね。
 日下部や峰岸は?」

「一応、話はしておいたよ。
 けど、あっちの二人は『電王』に執着ないからねー。私が誘うより、かがみが素直に頼んだ方が早いと思うよ」

「はいはい。誘えばいいんでしょ、誘えば」



 うなずきはしたけど、かがみはこっちに視線を向けたまま……えっと、何?



「いや、あの四人まで呼んで、いったいどうするつもりなのよ?
 カイザーズが常駐状態で全員集合なんて“JS事件”以来じゃない――今回の事件、そこまで戦力かき集めなきゃならないようなことになるっていうの?」

「最悪の場合はね」



 本気でそう思ってる――だからあっさりとそう答える。



「ただ……『頭数的な意味で』って前提はつくけど。
 知ってる? 最近はね、仮面ライダーもラストバトルでは物量作戦かまされることが多いんだよ。
 もしそうなれば、強さは足りても手が足りない、なんとこともあるかもだからね。強さはもちろん、頭数もそろえておかないといけないんだよ」



 まぁ、そうならないで済んでくれるのが一番だけど……そういう事態ほど起こっちゃうのがお約束。

 だったら、きちんと備えておかないと……

 天井を……この六課隊舎そのものを見ながら、ちょっとだけマジメに考える。



 “JS事件”で……私達、ここを守りきれなかった。

 さすがに、あの時はゆーちゃんが行方不明になったりしたこともあってすっごく凹んだ……あんな思いは、もうしたくない。



 今度こそ……ちゃんと、守るんだ……







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「ふむ。ここが私の城か。
 悪くない。いい部屋だ」

「そりゃどーも」



 宿舎の男子棟。ジークのヤツを部屋に通し、オレは満足げなジークに適当にあいづちを返す。



「なんと言うか……あっさりと受け入れているな。
 『王子プリンス』などと自称しているから、てっきりもっと豪華な部屋を要求してくるかと思ったが」

「心配しなくても、コイツが自分で勝手にリフォームするさ」



 不思議そうに首をかしげるマスターコンボイにそう答える――実際コイツ、初登場時、つまりリュウタロスにデンライナーに連れ込まれた時も、誰にも気づかれないまま貨物室にプライベートエリアを作り上げてやがったし。そういうことにはムダに行動力ありやがるんだよ。



「ご苦労であった、お供達よ。
 何か用があれば呼ぶ。下がってよいぞ」

「誰がおとm――」

「Yes,sir.
 ほら、いくぞ、マスターコンボイ」

「お、おい、こらっ!?」



 反論しかけたマスターコンボイの首根っこを捕まえて外に出る。



「どういうつもりだ、柾木ジュンイチ!
 あの物言いをそのまま放置するつもりか!?」

「お前なぁ……
 いい加減、相手の物言いをスルーすることも覚えろよ。ジーク相手にそんな四六時中キレてたら身がもたないぞ」



 つっかかってくるマスターコンボイをそう言ってなだめる。



「トランスフォーマーっつってもその姿ヒューマンフォームの時は生身の人間と変わらないんだ。キレて血管弾けても知らないぞ」

「むぅ……」



 まだむくれてやがる。こりゃ、別の話題を振って気を紛らわせるのが一番か。



「ところで……お前はどう見る? 今回の事件」

「というと?」

「イマジンどもの目的が、ちっとも見えてこないだろ」



 話を切り替えるために振った話題だけど……その点についてはマジメに気になる。



「ヤツらはいったい何をしたい?
 ミッドまで出向いてきて何をやるかと思えば、TVシリーズ序盤のようにただ暴れ回るばっかり……
 何をするためにミッドまで来て、さらに過去にまで跳んでいるのか……その辺の思惑がちっとも見えてこない」

「その“TVシリーズの序盤”は、何を目的に動いていたんだ?」

「ある人物の抹殺だよ」



 そう。あの頃のイマジン達も、適当に契約者を見つけて過去に跳んで、考えなしに暴れて、過去を変えているだけ……そう、思われていた。

 けど、実際には違った。物語の中である重要な役割を担って、時の流れをあっちこっちへ逃げ回っていた“ある人物”を殺すこと……それが連中の真の目的だった。



 もっとも、それが明らかになるのもシリーズの終盤になってからなんだけど。



「……要するに貴様は、今回も連中は無計画に時間を書き換えているように見えて、裏では何かしらの目的を持って動いている……と?」

「可能性は高いと思う」



 迷うことなく断言する。



三人一組スリーマンセルの例を見ても、今回ヤツらがハナから群れてんのは明白だ。
 全体として進むべき方向が定まらないままじゃ、集団はいずれ空中分解する。連中をまとめ上げるに足る“何か”があることは間違いない」



 とは言っても、ヤツらに聞いたところで答えてくれるとも思えないしなぁ……

 後手に回ってばっかりの状況は、正直言って焦れったい。何か……状況を動かす“何か”があれば……







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「うーん……」
 今日も特にイマジンについての有効な情報はなし、か……」

「焦ることないよ、ギンガお姉ちゃん」

《そうそう。
 元からアレな連中が相手なんだ。すんなりいかないのは当たり前だって》

「それはそうだけど……」



 シロくんやクロくんの言う通りだ。すんなり対処できるような相手じゃない。じっくりやっていくべきなんだろうけど……

 でも、じっくりやっている間に、またイマジンが事件を起こしたら……そう考えると、どうしても焦りを抑えきれない。



「気を落とさないの。
 またイマジンが出てきても大丈夫なように、こうして外回りに出てるんだもん。
 イマジンが出てきたら出てきた時。みんなをいじめる前にボクらでやっつけちゃおうよっ!」

「ふふふ、そうね。
 頼りにしてるね、シロくん」



 励ましてくれる気遣いがうれしくて、となりに立つシロくんの足の装甲を軽くなでてあげて――











「キャアァァァァァッ!」











 ――悲鳴!?



「ギンガお姉ちゃん!」

《事件みたいだな!》

「私達の出番ね。
 行くわよ、二人とも!」

「うん!」

《おぅっ!》



 二人の返事を聞きながら、私は悲鳴の聞こえた方へと走って――



「――――っ!?
 ひどい……!」



 そこは、一言で言うなら、交通事故現場だった。

 大型の運送トラックが、歩道に倒れ込むように横転している。もし、歩行者の人を巻き込んでいたら……っ!



「大丈夫ですか!?」

「ケガした人いない!? 誰かケガするのを見た人も、いたら教えてくれないかな!?」



 すぐに状況の把握に取りかかる。運転手はもちろん助け出さなくちゃいけないし、他にもケガした人がいたら……



「――――――っ!?」

「ギンガお姉ちゃん!」



 気づいて、横っ飛びに跳躍。

 私よりも一瞬遅れて気づいたらしいシロくんの声が響く中、私が一瞬前までいた場所に、上空から何かが落下――ううん、突っ込んだ。

 もうもうと立ち込める土煙の中、姿を見せたのは――



「イマジン!?」



 そう、イマジンだ――全身真っ黒な、鳥をモチーフにしていることがわかる飛行型。

 一瞬カラスがモチーフかと思ったけど……うん。すごく言いづらいんだけど……







「…………ハゲタカ?」



 いや、だって……頭がものすごく寂しいから。







「チッ、仕留め損ねたか……だがっ!」



 私がそんな感想を抱いていることに気づいているのかいないのか、イマジンは再び上空に舞い上がり、上空から私達をにらみつけてくる。

 まさか……狙い、私達にシフトしてる!?



「契約遂行の――ジャマをするな!」



 叫んで、イマジンが私に向けて突っ込んでくるけど――



「させるもんか!」



 一撃を受けて吹っ飛ばされたのはイマジンの方だった。

 横から飛び込んできたシロくんが、突っ込んできたイマジンを殴り飛ばしたんだ。



「大丈夫!? ギンガお姉ちゃん!?」

「うん!
 ありがとう、シロくん!」



 答えて、私はウィングロードを展開。体勢を立て直して、空中に逃れたイマジンを追う。

 けど――



「はっ、さらばっ!」



 今度は一転、イマジンは私に背を向けて逃げて――って!?



「逃がさないっ!」



 すぐに、ウィングロードを延長して追いかけるけど――ダメ。スピードは向こうが上みたい。あっけなく逃げられちゃった。

 それにしても……襲ってきたり逃げ出したり、あのイマジン、いったい何がしたかったの……?







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「結論から言うと、ギンガの出くわしたっちゅう事故は、そのハゲタカだかハゲワシだかのイマジンの仕業やね」

「おそらくはハゲタカだろう。
 『ライオンとイノシシ』というイソップ童話に登場している」



 モモタロスさんがイマジンの臭いをかぎつけ、その直後にギンガさんからのイマジン出現の知らせ――けど、いざ飛び出そうとしていたら、駐車場から車を出している間に逃げられたらしい。

 仕方がないので、ギンガさんには六課に戻ってきてもらって、情報の整理をすることに……で、今のはやてとビッグコンボイのやり取りにつながるワケです、ハイ。



「ギンガが遭遇したのとは別に、今日に入ってもう三件、大型の運送トラックが事故を起こしとる。
 しかも……そのすべてで、問題のイマジンが目撃されとる」

「大型トラックばかりを狙うイマジン……
 ギンガにも『契約を果たすジャマをするな』って言ってたらしいし、間違いなく契約に基づいての行動だね」

「契約者は大型トラックに恨みを持つ人間……?」



 はやての言葉にフェイトやジャックプライムがつぶやいて、その場にイヤな沈黙が落ちる。

 いや、だって……ねぇ? 『大型トラックに恨み』ってフレーズだけで、もうヤな感じしかしないもの。



 だって……



「今、ここ最近のものからさかのぼっていく形で、クラナガンで起きた大型トラックが絡んだ死亡事故を調べてもらっとる。
 その被害者の遺族が今回の契約者である可能性は極めて高い」



 ……とまぁ、そういうこと。



「う〜ん……」



 ……って、ジュンイチさん?

 ひとりで難しい顔しちゃって……どうしたんですか?



「いやな……ちょっと気になることが」

「『気になること』……?」



 思わず聞き返す良太郎さんには答えず、ジュンイチさんはギンガさんに尋ねる。



「なぁ……ギンガ。
 イマジンは、向こうからお前に向けていきなり襲いかかってきたんだよな?」

「え…………?
 あ、はい。いきなり……」

「つまり……ギンガはイマジンに気づいてなかったけど、イマジンの方はギンガに気づいてた」



 まぁ……でしょうね。



「…………あ、ジュンイチさんの言いたいことわかった」



 なのは……?



「『契約を果たすジャマをするな』って言うなら……」







「どうして、わざわざギンガに襲いかかってきたの?」







 …………あ。



「そういうこと。
 そのまま姿を消していれば、少なくともあの場でイマジンの仕業だとわかることはなかった……最終的にはバレるとしても、それはもっと後だったはずだ。
 けど……アイツは自らギンガに仕掛けたことで、自分達の仕業だって自分からバラしちまった」

「はっ、アイツがそんなこともわかんねぇようなバカだったんじゃねぇか?」

「おかしい点はもうひとつ」



 口をはさむモモタロスさんに対して、人さし指をピッ、と立ててジュンイチさんが答える。



「なんで、ギンガが自分達のジャマをする……って思ったんだろうな?」

「え……?
 そりゃ、ギン姉が事故現場に現れたからで……」

「それだけで、どうして『自分達のジャマをする』って思うのさ?」



 スバルの言葉にもジュンイチさんはあっさり返す。



「実際、その時のギンガは純粋に事故だと思って、救助しなきゃと思って現場に現れた。イマジンの仕業だっていうのは、イマジン本人に襲われて初めてわかったくらいなんだ。
 そんなギンガを見て、イマジンはどうして『自分達のジャマをする』って思ったのさ? 連想がちょっと飛び越しすぎだろ」

「なら……お前はどう考える?」



 ビッグコンボイに返されて……ジュンイチさんは答えた。



「オレも、仮説の域を出ないんだけどさ。
 今回のイマジン……」







「ギンガがイマジンの事件を追ってるって、知ってたんじゃないのか……?」







『え…………?』

「繰り返しになるけど、オレだって確証があって言ってるワケじゃない。
 けど……そういう前提で考えると、イマジンがいきなりピンポイントでギンガを襲った理由にも説明がつくんだよ」

「自分達を追っているギン姉が現れたことで、自分達の仕業だってバレてると思った……?」

「まぁ、それにしたって『そのまま逃げればよかったのになんでわざわざ出てきたのか』って疑問は残るんだけどな」



 確かに。

 今の仮説で、イマジンがギンガさんを襲った理由は説明がつく。



 けど……この段階ではまだ“襲う理由がある”っていうだけの話だ。“襲わなければならない理由”にはならない。

 仮にそういう理由があったとしても、それにしては退き際があっさりしすぎてる気がする。



 このイマジン、何考えてる……? これじゃただ、ギンガさんの前に姿をさらすためだけに出てきたようなものじゃないか。



「だから気になるんだよ。
 そんなことにも考えの及ばない単なるバカか、それとも……」

「何か別に、明確な目的があって……そのために“意図的に”姿をさらしたか」



 師匠のつぶやきにジュンイチさんがうなずく。



「とにかく、だ……
 イマジンの狙いが大型トラック、っていうのは間違いないな」

「それも、走行中のものばかりだ。
 停まっているものには見向きもしていない。走っていた方がより倒しやすいとでも思っているのか……?」

「じゃあ、トラック会社の方に連絡して、大型トラックを使うのを控えてもらえば……」

「何言ってんのよ?
 クラナガンで毎日どれだけの物品が動いてると思ってるのよ? 運行を止めたりしたら、もって数日、最悪今日中にも物資のいくつかが不足し始めるわよ」

「それに、走っているトラックを見つけられなくなったら、妥協案として今度は停まっている大型トラックも狙い始めてるかも……」



 ジュンイチさんとシグナムさんが話している傍らで、かがみと高良さんがつかさにツッコんでる。



「かがみとみゆきちゃんの言う通りや。
 イマジンの真意が見抜けへん以上、具体的な対策立てるんはリスクが大きい。肩すかしくらった時、埋め合わせがきかん。
 当面は相手が飛行型ということで空を中心に警戒。他にも動いてるイマジンがおらへんか、聞き込みも入念にな。
 ほな、解散!」



 はやての言葉に一同が動き出す――まぁ、警戒しながら聞き込みする、くらいしかすることないんだけど。



「恭文くん、これからどうする?」

「とりあえず、僕は聞きこみに行こうかと」

「そうなんだ。
 ボク達もなんだよ。一緒に行かない?」

「もちろん、大歓迎ですよ」



 良太郎さんに答えて、二人でミーティングルームを出る。

 さて、今はとにかく“待ち”の時だ。ウラタロスさんじゃないけれど、イマジンが糸にかかるまでじっくりやろうか。







 ……ただ。

 ミーティングルームを出る際に軽く振り返ったところ、ジュンイチさんがまた資料を見て渋い顔してるのが気になった。

 まさか、他にも何か気になってる……?

 けど、一体何が……?







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「……ジュンイチさん?」

「どうかしたんですか?」



 資料を見ていた顔を上げると、そこには不安そうな顔のなのはとギンガ。

 えっと……何?



「『何?』じゃないですよ。
 ずっとデータを見たまま考え込んで……」

「いつも涼しい顔で事件に対しているジュンイチさんがそんなだと、気になっちゃいますよ」



 答えるギンガになのはが補足する――不安にさせちまったか。いかんいかん。



「気にするな。
 今のところ、それほど重要視する必要があるとも思えない話だ」



 軽く答えて、プリントアウトしてもらっていたそのリストを二人に見せる。



「これは……?」

「襲われたトラックのデータだよ。所属とかナンバーとか、積荷とかのな」



 オレの答えを聞きながら、なのはは資料に目を通して、ギンガもそれを横からのぞき込む。



「このトラックは食料品ですね……こっちは衣類……」

「航空機部品……特に気になりそうなものは……あ」

「ギンガ……?」

「なのはさん、見てください。
 局のトラックが一台襲われています」

「え……?
 ホントだ。積荷は……」



 気づいて、確認した二人の動きが止まる……“見つけた”みたいだな。



「ジュンイチさん、これ……」

「あぁ。
 と言っても、それひとつだけだからな……単なる偶然ってことも十分考えられる。
 でも、ものがモノだからな……ちょっと気になった」



 なのはに答えてため息をひとつ。



 うん……気になる。気になるよな。

 問題のトラックは地上本部から郊外の研究所に向かっていたもの。

 そして、その積荷は、研究用に貸し出された……







 “レリック”。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 さて、当面の方針にしたがって、僕らはクラナガンで聞き込み。

 ……なんだけど……



「どうして……貴様が野上良太郎についている?」

「何か問題でもあるか?」



 うん、あるね。聞き込みの人手が減っている的な意味で。

 そう。良太郎さんには現在ジークさんがついてます。偉そうに僕らの後についてくるだけで何もしてません、この人。

 マスターコンボイがツッコんでもどこ吹く風だし……



「当然だ。
 お供のがんばりを認め、労ってやるのが主の務めだからな」

「誰がお供でござるか、誰が……」

「まぁまぁ、そうむくれないでよね、めんどくさいから」



 毒づくシャープエッジをなだめているのはアイゼンアンカー。と、いうワケでエリキャロもいます。さっきそこで出くわしたの。



「恭文殿、やはりこ奴は叩き出すべきでござるよ。
 聞き込みであれば、こ奴よりもウラタロス殿の方がよほど頼りになる」

「はいはい、シャープエッジもそんなにジークさんを毛嫌いしないの」



 初対面からこっち、完全にジークさんを敵視してるなぁ。



「大丈夫だから。ジークさんも十分強いから。戦いになればちゃんと役に立ってくれるから」

いくさ以外では?」

「………………」

「あ、黙った」

「何もないのかな?」



 うん、エリオもキャロもちょっと黙ろうか。



「とにかく今はイマジンだよ。
 今のところ死者とかは出てないみたいだけど、走行中のトラックをブッ飛ばすようなムチャをしてるんだ。いつ死者が出てもおかしくない。特に運転手がヤバイ。
 そうなる前にイマジンを見つけないと……」

《では、さっそく探して歩きましょうか。
 マスターのことですから、きっとそれだけで当たりを引き当てますよ》

「大きなお世話だよ――」











 ガシャーンッ!











 ………………



《……ウワサをすれば、ですね》

「あー、もうっ!
 なんで否定しようとした矢先にこうなっちゃうかなっ!? 現実リアルのバカっ!」



 愚痴っていても始まらない。すぐにアルトをセットアップして、向こうの通りで横転した大型トラックのもとに向かう。

 運転手はまだ中――ならっ!



「せいっ!」



 アルトを一閃、トラックの前面を斬り裂いて、そこから運転手を助け出す。



「キャロ、その人の手当てお願い! エリオはその直衛っ!」

「はいっ!」

「うん!」



 運転手をキャロに任せて、エリオにその守りを頼むと、周囲を探る。



 イマジンは……いたっ!

 上空に黒い人影……上昇を終え、ちょうど僕らの方へ振り向いたところ。



 ……うん、なるほど。



「こっち見てるね」

「というか……にらんできてるなぁ」



 僕のつぶやきにキンタロスさんが答える――ジュンイチさんの読み通り、こっちを正しくジャマ者として認識してるってことか……



「――来るぞっ!」



 マスターコンボイが声を上げたのと同時、イマジンが空中でまるでバネの力をためるように身を縮めて……



「――っ、とっ!?」



 半ば反射的にバックステップ――気がついた時には、地面に突撃かましたイマジンの体当たりによって、目の前のアスファルト舗装の道路にでっかいクレーターができていた。



 つか、なんつー加速。静止状態からトップスピードへの加速力がハンパじゃない。

 おかげで完全に回避に入るのが遅れた。今かわせたのも、ほとんど反射神経に助けられてのこと……と言った方がいい。



「……フェイトよりは遅いみたいだけど……」

《加速力ではフェイトさん以上ですね。
 最高速よりもスタートダッシュで速さを得るタイプです。体感速度はフェイトさん以上と思っておくべきです》

「また厄介なっ!」



 うめく僕に対して、クレーターから出てきたイマジンがもう一度僕に向けて身を縮めて――







《Accel Dash!
 Double》








 飛び込んできた影がイマジンに斬りかかる――飛びのいて、イマジンは一撃の主を見返した。



「相手は恭文だけじゃないんだがな」



 加速魔法で高速機動を行いながら、オメガで一閃かましたマスターコンボイを。



「動じるなよ、恭文。
 二倍のアクセルダッシュで追いつけた。捉えられない速さじゃない」

「りょーかい」



 答えて、僕はアルトをかまえ直して――











「下がっていろ、お前達」











 そんな僕らの前に出てきたのは良太郎さん……じゃなくて、良太郎さんについたジークさん。



「あの不敬の輩は、この私が相手をしよう」



 言って、ジークさんはパスを取り出してベルトを腰に巻く。いつものデンオウベルトじゃなくて、金色の翼の装飾のついたヤツ。

 って……なんか、やけにやる気っぽい?



「あー……たぶん、原因アレだな」



 言って、マスターコンボイが指さしたのは、ジークさんの、というか良太郎さんの後頭部でぷっくりふくれた……



「…………こぶ?」

「さっきの攻撃で散ったガレキでも当たったんだろうな」



 あぁ、それでガレキを飛び散らせた張本人たるイマジン相手にキレた、と。

 とにかく、ジークさんはベルトにセタッチ――











「変身」



《Wing Form》











 瞬間、ジークさんがベルト以外はいつも通りのプラットフォームに変身。その身に装着されるのは、ソードフォームと同じデザインの、けれど真っ白に染め抜かれたアーマー。

 最後に頭に現れるのは白鳥のオブジェ……形が形だけに少し複雑に組み替わって、マスク――電仮面となって装着される。











「降臨! 満を持して……」











 優雅に右手を天にかざして、ジークさんが……電王・ウィングフォームが高らかに名乗る。







「すぐにあの世に降臨させてやるっ!」







 そんなジークさんに言い返して、イマジンが上空から襲いかかってくる――けど、ジークさんは両手を後ろに組んだままそれをひょいとかわす。







「何だと!?
 このぉっ!」







 かわされるとは思ってなかったのか、イマジンは再び上昇、もう一度突撃――やっぱりかわれる。ジークさんが一歩その場を動いただけで。

 元々ジークさん、紙一重の回避からのカウンターが得意だからなぁ。いくら速くても、あんな全身で突っ込んでくるような大掛かりな攻撃はお見通しなんだろうな。

 そうやってイマジンの突撃を何度もかわしながら、ジークさんはデンガッシャーを組み上げて――







「はぁっ!」







 得意のカウンターがついに炸裂。ブーメランとショートアックスに組み上げたデンガッシャー、そのショートアックスの方で、突っ込んできたイマジンをかわしながら一撃。







「ぐわぁっ!?」







 バランスを崩してイマジンが転倒、すぐに立ち上がろうとするけど、







「なっ!?」







 すでにその目の前にはジークさんがいたりする。

 とっさにイマジンが右ストレートを放つけど、あっさりかわされてもう一撃。

 続けてブーメランで二撃目、仕上げとばかりにショートアックスをもう一度打ち込み、イマジンをブッ飛ばす。











「我が華麗なる技の前にひれ伏せ!」



《Full Charge》











 もうこれで決めるつもりらしい。ジークさんがベルトにパスをセタッチ。両手のデンガッシャーにフルチャージ。







「フンッ!」







 そして、ジークさんがブーメラン側のデンガッシャーを投げつけて――







「――――っ!?
 いかん、伏せろ!」







 マスターコンボイ!?







「いったいどうしたっ――





















 …………いたた……

 気がつくと、僕はうつ伏せの状態で地面に転がっていた。



 マスターコンボイは……無事。エリオとキャロ、あとトラックの運転手をかばって地面に伏せてる。



 でも、いったい何が……?







《イマジンが吹っ飛ばしたトラックが爆発したんですよ。
 どうやら、積んでいたのは可燃性の燃料だったようで……》







 エネルギー消費の無公害化を推進してるミッドチルダだけど、そのすべてが完了したワケじゃない。

 たとえば航空機。たとえば重機のような馬力の求められる作業車両……この辺はまだ可燃性燃料が使われてる。もちろん地球より低公害化は進んでるけど。

 で、あのトラックにはその手の燃料を運んでて……イマジンの攻撃でトラックのどこかがショートしたのが引火して、爆発したらしい。

 あー、くそっ、油断した。ジークさん達の戦いに気を取られて……







 ――って、ジークさんは!?







《待ってください。
 ……いました、あそこです》







 アルトが位置情報を示してくれる――僕から見て左、吹っ飛んできた乗用車に下半身が押さえ込まれて動けなくなってる。

 イマジンは!?







「……運はオレに味方したらしいな!」







 ――上!?

 イマジンは上空。もう突撃態勢に入ってる!

 この状況で狙うのはもちろん――







「死ね、電王!」







 叫んで、イマジンがジークさんに突っ込んで――







(第9話に続く)





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



次回、とコ電っ!



「キャロ、しっかりして、キャロ!」



「プリンスたる私が、このような醜態をさらすとは……」



「悔しくねぇのかよ、やられたままでよ!」



「アイツ……タブー中のタブーに触れやがった」



第10話「王子のサムライスピリッツ」



「王子と侍!」
「気高きコラボの前にひれ伏せ!」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



あとがき



Mコンボイ「電王の基本イマジン四人全員のエピソードをやり終えない内からいきなり新メンバーが乱入してきた第9話だ」

オメガ《ミス・スバルとミスタ・モモタロス。
 ミス・ティアナとミスタ・リュウタロス。
 ミスタ・エリオとミスタ・ウラタロス。
 当然、残るは消去法でミス・キャロとミスタ・キンタロスかと読者のみなさんは思われていたと思いますが》

Mコンボイ「その予想を見事に裏切ってのジーク登場、というワケだ」

オメガ《作者曰く、『ミス・キャロが似合うのはミスタ・キンタロスよりこっちだろう』と》

Mコンボイ「確かに似合うが、相方が大モメしてるんだが」

オメガ《まぁ、ミス・キャロ至上主義のシャープエッジとミスタ・ジークは元々相性の悪い相手ですしね》

Mコンボイ「唯一の救いは、戦いに支障が出るほどの亀裂には至らなかったことか……」

オメガ《対立についても次回解決の模様ですし、ここは二人のタッグに期待しましょうか。
 ……っと。さて、そんなこんなで、そろそろお開きの時間ですね。
 みなさん、今回も読んでくださって、本当にありがとうございました》

Mコンボイ「次回も必ず読むがいい」





(おしまい)





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