[携帯モード] [URL送信]

頂き物の小説
第一話 『戦うだけが物語じゃない!シリアスもいいけどたまには平凡なほのぼのもいいよね?………たぶん』



いつもの生活、いつもと変わらない日々。

変わらない僕の生活を少しだけ変えるちょっとしたきっかけとなるお話です。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

『とある恭文君の日常。第一話、戦うだけが物語じゃない!シリアスもいいけどたまには平凡なほのぼのもいいよね?………たぶん』

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「うわ……」

仕事が終わり、夕飯の買い物帰りの途中、突然の夕立の雨に慌てて走りながら家を目指していた。

《マスター急いで下さい。私の体が濡れてしまうじゃないですか》

「って、自分の心配しかしてないのかい!?」

走りながら余計な事を言い出す僕の相棒アルト。

《当然です。私の珠の肌が台無しじゃないですか》


アルトの言葉にカチンときて言い返そうとすると……。

「…………にゃ〜」

何かの鳴き声が聞こえ足を止めた。

《どうしました?》

「いや、何か聞こえたような気が……」

アルトの言葉に相槌を返しながらキョロキョロと周りを探していると……。

「にゃ〜……」

また鳴き声が聞こえる……僕は鳴き声のする方向に向かって歩くと

「……いた」

ダンボールの中にずぶ濡れになって震えている仔猫を見付けた。

《捨て猫ですかね…》

「そうだね…」

僕は仔猫の前にしゃがみゆっくりと眺めた。

「にゃ〜?」

仔猫は僕の姿に気が付き顔を見上げて見ている。

《警戒してないみたいですね》

「みたいだね…」

よく見るとウルウルとした瞳が僕の姿を写し出していた。この仔猫はジーッと僕を見て逃げ出そうとぜすに何だかなつきそうな感じだ。

「よし」

僕は意を決して仔猫を抱きかかえて家に向かって走り出した。

《早く着いて下さいね》

走りながらの途中でアルトの余計な言葉を聞き流して。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

家に着いた僕は買い物袋をテーブルの上に置き、バスタオル二枚取り出した。
もちろん一枚は僕、そしてもう一枚は仔猫にバスタオルをかぶせて体を拭いあげる。

その間中仔猫は嫌がるところか大人しく僕に身を預けてくれている。

「ずいぶんと大人しいね」

《そうですね。この仔猫は賢いのでしょうね》

一通り拭いてあげた後はドライヤーを取り出して、スイッチON。勿論温風でバスタオルで拭ききれなかった所を乾かす。

《あんまり近寄せるとやけどしてしまいますから一定距離は保って下さい》

「わかってるよ」

アルトのアドバイス通りに仔猫の毛を乾かし終えた。

「へえ〜」

ずぶ濡れだった時には気が付かなかったけどこの仔猫は珍しい金色の毛をしていて、思わずその姿に感嘆してしまう。

「にゃー」

仔猫は僕の事を気に入ったの足にスリスリと頬を寄せている。

《完全にマスターになついてますね》

「そうだね」

「にゃー」

嬉しそうに鳴きながらもスリスリするのを止めなかった。

《どうしましょうかこの仔猫》

「そうだね…」

確かにアルトの言う通り、仔猫を家に連れて来たまで良かったのだけど実際どうするのかまでは考えていなかった。

「どうしょう…」

《どうしましょうか…》

流石に困った。僕の住んでいる所はペットを飼う事は禁止じゃないからそこはいいけど、問題は僕自身。

仔猫と言っても小さいながらも命を持っている。

中途半端な気持ちで飼うのは良くないし、何よりもお世話が大変だ。僕自身も仕事があるので帰りが遅くなる事だってある。

「にゃ〜?……」

どうすればいいのか考えていると仔猫は僕の方を不安そうに見詰めていた。

「僕と一緒に居たいのかな?」

「にゃ!」

何故か僕の言葉がわかっている事がちょっと気になったけど、僕の気持ちは固まった。

「よし。今日はからお前は蒼凪家の一員だ」

僕は仔猫を抱っこしてそう宣言した

《名前は決めたんですか?》

「ああ、名前はもう決めているんだ」

仔猫の特徴で金色の毛のひふわふわが目をひいていたからこの名前を思いついた

「お前の名前は“フェイト”、“フェイト”に決まりだ」

「にゃー」

仔猫はどうやら僕の着けた名前に嬉しそうに応えてくれる。なんか可愛いな〜。

《どうでもいいのですが…》

「何?」

僕がフェイトを撫でて楽しんでいる所にアルトの声が

《猫を飼うならいくつか買い揃えないといけませんん》

「あっ、そうか」

確かにアルトの言う通りこのままではフェイトを飼う事は出来ないよね……。

「買い物行ってくる。アルト留守番は頼んだよ」

僕は財布をズボンのポケットに入れて、再び買い物に出掛ける事にした。

足りなければ卸せばいいしね、僕は足早に近くのホームセンターに向かう事にした。

《私に留守番を頼んでもね……》

「にゃ〜?」

置いてきぼりな声を背後に再び聞き流して。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「ふう…やっと終わった」

ホームセンターから猫用の必要な物を買い揃えて部屋に展開し終えた。

「って、かなり買う物あって大変だったよ」

《仕方がないですね。猫を飼うと言う事はそういう事ですよ》

アルトの言葉の通り、フェイトを飼う為に猫用品がかなりある。

まずは餌皿、次に猫用トイレ、次に爪研ぎ用品と壁や柱を保護するシート、それから猫用ベッドだけで両手一杯になり、一旦家に帰りそしてまたホームセンター行きで今度は猫用の雑誌と餌とオモチャを購入。これだけで結構な額いっちゃうんだよね………。

全てを買い揃えて部屋に展開して今に至るという所になる。

《わからない事があればネットや本を参考にすればいいはずですよ》

「一応、本は買ったよ」

アルトの言葉に応じて買い物の時に買った猫についての本を読んでみた。

ある程度は僕にも出来そう範囲はある。例えば猫に与えてはいけない物や行動などが書かれている。

「猫って随分と寝るんだね……」

《猫は夜行性ですからね昼間はだいたい寝て過ごすんですよ》

ふむふむ…、結構猫の行動って色々あるんだな……。

「にゃ〜」

フェイトは僕に体を寄せてスリスリとして来た。

「どうしたのかな?」

《…多分お腹が空いたのでしょう。家についてから何を口にしてませんからね》

「あっ、そうか」

アルトに言われて僕はフェイトの為にご飯を用意する事にした。

まずは水用の餌皿と猫のご飯を入れる餌皿を綺麗に洗い始める。

このままじゃ、よそう事も出来ないからね。綺麗に洗ってキッチンペーパーで拭き水用の餌皿に水を半分くらい入れる。

そして猫のご飯用の餌皿に猫のご飯をよそうとりあえずカリカリとかキャットフードとかを混ぜて出そう、仔猫だから食べやすい用に工夫して……うん、出来た。

「はい。フェイト、ご飯だよ」

「にゃー!」

僕の言葉に反応して、ててって走りながら僕に近寄って来た。

「はい。お食べ」

僕が餌皿を置いた途端フェイトは勢いよく食べ始めた。

《よっぽどお腹が空いていたのでしょうね》

「そうみたいだね」

僕は嬉しそうに食べているフェイトの姿を眺めていた。

何だかほんわかと和むような感じになる気がした。

「にゃ〜」

勢いよく半分くらい食べ終えた所で食べるの止めたフェイト。

「あれ?量が多かったのかな?」

《違いますよマスター。猫は少しずつ食べていくんですよ》

「そう?」

《そうです。とりあえずはそのままにしておくのがベストですよ》

「まあ、そうだね。そうしょうか」

うーん。まだまだわからない事だらけだな…ってあれ?

「何してるのかな?」

しゃがみこみプルプルと震え出すフェイトに僕は首を傾げた。

《マスター!トイレに連れて行って下さい。掃除が大変になりますよ》

「ええっ!?」

アルトの言われる通りに様子を伺うと今にも用を足しそうな雰囲気に………。

「って、大変!大変!」

慌ててフェイトを抱き上げて直ぐ様に猫トイレに移動間一髪の所で間に合い、部屋の床は何とか無事でした。

「にゃ〜」

フェイトはトイレを済ませてすっきりしたのか安心した表情で毛繕いをしていた。

僕の方はというとやや疲れた感じがするのは気のせいじゃないはずだ…。

《とりあえず猫トイレの場所は覚えたんじゃないですか》

「かもね…」

とは言え、猫はトイレをする場所がわかればその場所に用を足すという事を覚える訳だから、それはそれでいいかもしれない。

色々な所でやらかされたりしたらイヤだよね……。

「にゃ」

何だかんだと言ってあれよあれよと夜が更けていくのでした。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「……んっ、朝」

いつも通りの朝を迎えて目を覚ました。

あの後フェイトと一緒に猫用のオモチャで遊んでたんだっけ……、そのおかげでフェイトは僕の横で丸くなって寝ていた。

《遊び疲れもあるのでしょうね…ぐっすりと寝てますよ》

「そうだね…」

アルトに相槌を返してフェイトをゆっくりと撫でてあげる。ふわふわした感じが癒しを与えてくれる。

「うーん」

これから先の事はわからないけどいつもの生活に僕とアルトだけの日常に新しい家族が増えました。

この小さなきっかけから、僕達の新しい日常が始まるのでした。

「よし」

僕は寝ているフェイトを起こさないようにベッドがら起き出し朝食の準備を開始した。

出来上がる頃にはフェイトも起き出して僕達は一緒に朝食を食べる。

いつもは僕1人で食べてたからな〜。ある意味新鮮さを覚えつつゆっくりと朝食の時間を過ごした。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「ふう…」

僕はお仕事で外出、フェイトの事が心配だけど早く終わらせて帰ればいいだけ何て事はない。―って、こんな事考えるは初めてかも知れない……。

いつもより体が軽く感じる。充実した時間が来たかも知れない。

「さっ、今日も頑張ろうっと」

僕は新しいいつもと違う日常にワクワクさせてながら今日を迎えるのでした。

「……くうん〜」

しかし、このきっかけから蒼凪家に更に新しい家族が増える事になるなんてこの時僕は知らなかった。








(第2話に続く)


ようやく仕上がりました第1話。これは拍手で投稿していたネタを本格的に話にして書いたのですがどうでしょうか?

家に猫五匹飼っているので動物をメインにしたほのぼの話を書いて見たかったので出来やしたと

アルト《ちなみにこの話で不純な方にはモザイクがかかると言う処理がかかります。現に狸部隊長が入ってます》

とりあえず第2話をお楽しみにしてて下さい。

ではでは






1/1ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!