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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第1話 『モノホン魔法少女との遭遇。とりあえず・・・・・・魔王は見習え』:2



そうして、その日の夜。僕はようやく当面の自宅に帰りついた。

なお、この街のマンションを借りた。いや、結構広めで部屋もいい感じですよ。

いや、なんつうか・・・・・・ちかれた。だけど、そこで話が終わらないのが悲しいところ。





とりあえず、見たもの聞いた話を報告する必要があるのだ。










「・・・・・・シャーリー、それで・・・・・・結果はどう?」



その言葉に一人の女の子が首を横に振る。髪は長くストレートな栗色で、メガネをかけた女の子。

そして隣のオレンジの髪をストレートにした女の子も、なんか苦い顔してる。いや、そんな顔されても・・・・・・ねぇ?



「ダメです。アルトアイゼンが撮影してくれた映像データを解析したんですけど、その×キャラ・・・・・・ですか?
それが暴れてる光景というか影響は映ってるんですけど、×キャラ自体と女の子の側に居たって言う小さい子達、全然映ってないんです」

「一応その時のサーチャーの反応なんかも探ってみましたけど・・・・・・こっちもダメでした。
あとはその白いたまごもですね。もう全然ですよ。アンタ、あの時なに握ってたのよ?」



疑わしそうに僕を見るのは、ツンデレ・オブ・ツンデレ。でも、その視線はやめて欲しい。僕は嘘言ってないし。



「とにかくコイツがいきなりセットアップしたのと、その×キャラとやらが暴れた反応だけしか捕まえられてません」



困ったような顔でそう言って来たのはシャーリーと、苦いというか呆れた顔で僕を見ているティアナ。

なお、ツインテールをやめてロングストレートだったりします。



「ね、ヤスフミ、リイン、アルトアイゼン。もう一度だけ確認するね」



で、フェイトもどう判断していいのか分からないと言うような顔をしている。



「本当に・・・・・・見たの? その小さな子達。あとはたまご」

「はいです。リイン、お話も少しだけしました」

≪私も同じくです。・・・・・・マスター、詰めを誤りましたね≫

「言うな。自分でも痛感してんだから」





・・・・・・女の子と小さな子が『自分達の事は内緒にして。今日見た事も内緒にして』と頭を下げてお願いして来た。

なので、僕達は了承した。アルトに映像取ってもらってたから、証拠は掴んでるわけだしいいかなと。。

で、特に名前とかも聞いたりしないでその場を見送った上で、こっちに戻ってきたんだけど・・・・・・まさか映ってないとは。



音声すら取れてないってどういう事? だって僕、ガチにそういうの見たのにさぁ。





「・・・・・・アルト」

≪はい≫

「那美さんに連絡とって、相談しようか。これは簡単に手の出せる領域じゃないって。
普通は見えないもの見えちゃったって・・・・・・いや、経験あるけどさ」



さざなみ寮に初めて関わった一件の時に仲良くなった、優しい笑顔の女性。それが那美さん。

なお、普通に友達です。えぇ、本当ですよ?



≪そうですね、そうしましょうか。少なくとも、これは私達の常識外。
もしかしたら、なにか取っ掛かりが掴めるかも知れません≫

「・・・・・・ヤスフミ、アルトアイゼン、那美さんって?」

「ほら、美由希さんの友達で鹿児島に居る巫女さん。フェイト前に一度会ってるじゃないのさ、
覚えてない? こう栗色の髪をセミロングにしてて、小さな狐を連れて歩いてる」



フェイトがそう言うと、思い出したようで納得してくれた。ただ、シャーリーとティアナはさっぱり顔。

・・・・・・そう言えば、二人は知らないんだったよね。うん、ここは理解したわ。だから二人にも説明しておく。



「えっとね、美由希さんは分かるよね」

「分かるもなにも、会った事あるもの」



美由希さんというのは、フェイトと僕の友達で魔王が居るのだけど、その魔王のお姉さん。

なお、喫茶店の二代目店長やってます。



「さっきも言ったけど、美由希さんの友達で神咲那美さんって言う人が居るんだ。
その人の実家って、退魔師の家系なんだ。それもこっちの世界だとすごく有名」

「たいま・・・・・・し? なによそれ」

「簡単に言えば、オカルト関係」





世の中には、霊的なものが存在している。それらが起こす事象を一括して『霊障(れいしょう)』と呼ぶ。

例えば不慮の事故で無くなった人が、未練があってその場に成仏せずにずっと残ってたりとか。

そういう現象によってなんらかの不利益が起こった時、それに対処していく人達が居る。



なお、こっちの警察はこの21世紀に入った今なお、その退魔師の力を借りる事も多いとか。

そして、那美さんの実家である神咲家は、その退魔師の中でも有名であり実力者揃いの家系。

神咲一灯流という退魔用の剣術の流派まで創ってたりするすごいところなのだ。



あ、那美さんも自身もとても腕のいい退魔師だったりするの。





「・・・・・・いや、ちょっと待ちなさいよ。いきなりそれっておかしくない?
まさか、アンタやリインさんが見た小さな子が幽霊の類とでも言いたいわけ?」

「そうだよ、さすがにそれは・・・・・・え、待って。ヤスフミはなんで那美さんが退魔師だって知ってるの?」



フェイトが疑問の顔を僕に向ける。とりあえず・・・・・・話を逸らす事にした。



「いや、大した事じゃないんだ。うん、本当に」

「ダメ、ちゃんと教えて。・・・・・・なにか隠してるよね」



お仕事中だけど、恋人モードで頬を膨らませるフェイトに迫られて、思わず後ろに下がる。

というか圧される。なので・・・・・・もう正直に話しました。



「じ、実は・・・・・・初めて会った時に霊障絡みの事件に巻き込まれて」

「・・・・・・もしかして、夏休みにさざなみ寮のお手伝いした時?」

「・・・・・・それ」

「ヤスフミ、あとでお話しようね。・・・・・・また危ない目に遭ってたの隠してた」



そう言って、フェイトが俯いてなんだか悲しそうな顔を・・・・・・え、なんですかこれっ!?

というか、なぜこうなるっ! あぁ、やっぱり今日は最悪ゾーン突入してるんだー!!



「・・・・・・まぁ、後でちゃんと話してね? で、なぎ君の見解としてはつまり・・・・・・アレか。
これはその霊障というか、退魔師の人の力が必要かも知れないって事?」

「それは聞いてみないと分かんない。分かんないけど」



実は、とってもとっても不思議な事がもう一つある。・・・・・・僕とアルトとリインは見えてるのよ。

映像に映っている×キャラも、手に持っているたまごも。



「・・・・・・ただ、なんにしてもあの子達が普通では見る事も話す事も出来ない、なにか特殊な存在である事は変わりないと思う」

「確かに・・・・・・私達は見えてなくて、なぎ君達は映像越しでも見えてるわけでしょ?
つまり、何かしらの条件というかそういうのが必要で、私達はそれを満たしていない」

「そういう事。餅は餅屋、特殊な物はその専門家に聞くべし・・・・・・ってね。
フェイト、そういうわけだから早速那美さんに連絡取っていい?」

「うん、それは大丈夫だけど・・・・・・ただ、局の仕事の事とかはあんまり話しちゃだめだよ? 
一応今回の事は機密事項なんだし、その人達は管理局とは何の関係もないんだから」



そう言われて、少し心臓が嫌な意味で高鳴る。・・・・・・まさか那美さんがその辺りの事を知ってるとは言えない。



「りょーかい」



早速、電話をかける。かけるのは神崎の実家。こっちなら那美さんが不在なり電話に出れないなりしても大丈夫。

家族の誰かしらが出て、問題なくすぐに話せるはず。でも・・・・・・結構久々だから、ちょっとドキドキ。



『はい、もしもし。神崎です』



あ、繋がった。でも・・・・・・あれ、この声って・・・・・・薫さん?



「あの、夜分遅くすみません。蒼凪恭文です。薫さん、お久しぶりです」

『・・・・・・あぁ、恭文君か。うんうん、久しぶり、元気してたかな?』



電話越しで嬉しそうに話しかけてくれたのは、那美さんのお姉さんである神咲薫さん。

この方も退魔師で、剣術の腕も相当。恭也さんとタメが張れるくらいに強い。



「はい、おかげさまで。すみません、ご無沙汰しちゃって」

『いや、それはかまわんよ。あぁ、あれからうちの那美や久遠と仲良くしてくれてるみたいでありがと。・・・・・・あ、そうだ。ちょっと待ってて』



薫さんが電話口から離れて、誰かを呼ぶ。・・・そして、トタトタと足音がする。



『もしもし、やすふみ?』

「・・・・・・あ、もしかして久遠?」

『うんっ! くおんだよ、ひさしぶりー!!』



その柔らかくて舌っ足らずな声に、つい頬が緩む。



「うん、久しぶり」



・・・・・・電話越しに話してきたのは、神咲の家の子、久遠。まぁ・・・・・・ちょっと特殊な子なんだけど。

那美さんと知り合った時にこの子とも仲良くなったのだ。でも、話すのは久しぶりだなぁ。



『やすふみ、やすふみ、やすふみー♪』

「そんな何回も呼ばなくても、ちゃんと僕は居るって」

『でもでも、うれしいからいいのー。あ、こてつも居る?』

≪居ますよ、久しぶりですね。久遠さん≫

『うん』



あー、きっと尻尾ぶんぶん振ってるな。だって、なんか空気を切る音が聞こえるもん。

・・・・・・と、そうだ。そろそろ用件にいかないと。



「・・・・・・恭文さん、本当にモテモテですね」

「フェイトさん、いいんですかアレ?」

「あ、あの・・・・・・いいの。ヤスフミはちゃんと私の事見てくれるし。
それに・・・・・・その、偶数日には頑張っていっぱい愛情伝えてくれるし」

「そんな事誰も聞いてませんからっ! てゆうか、話さないでもらえますっ!?
恥ずかしいっ! すっごく恥ずかしいからっ!!」



・・・・・・よし、気にしない。顔を赤くしたフェイトとかは気にしない。



「久遠、今那美さんって居る?」

『ううん、いない。なみね、みゆきとりょこうにいったから』

「旅行? あ、じゃあ久遠はお留守番なんだ」

『うん、ちょっとつれていけないから・・・・・・だって。くおん、さびしい』



あ、尻尾と耳がうな垂れてるな。分かるよ。音が止んだし。



≪そうですか。では久遠さん、すみませんが一度薫さんに電話を戻していただけますか? 少々神咲家のお力を借りたくなりまして≫

『いいけど・・・・・・なにかあったの? やすふみ、まほうつかいなのに。
それでもなみやかおるのちからがひつよう?』

「そうなるかも知れないの。久遠、申し訳ないんだけど」

『ううん、いいよ。そのかわり、またあとでおはなししようね』

「うん、もちろん」



久遠はそう言うと、うれしそうに電話を変わってくれた。そして、薫さんに電話が変わる。

・・・・・・ちょっと予定が変わったけど、問題はない。薫さんは那美さんの先輩でもあるわけだし。



『もしもし、電話変わりました。・・・・・・それで、少し話は聞いた。
だが私や那美の力を借りたいというのは・・・・・・退魔関係か?』

「そういうのとはちょっと違うかも知れないんです。ただ、少しだけ退魔師としてのお知恵を拝借したくて。実はですね」





僕は今日起こった事の全てを薫さんに話した。

映像にも映らず、反応もなく、だけど確かにそこに存在しているあの子達を。

その上、僕と一部の人間だけが見えたりしている。そこが引っかかると。



薫さんは話を全て聞き終わると・・・・・・少しだけ考えるような唸り声を上げて、話を始めた。





『・・・・・・私は実際に見たわけではないからどうとも判断出来ないけど・・・・・・そうだな。
その子達が何か特殊な存在である事は間違いないと思う。まず、映像には映ったりしていない』

「はい」

『だけど君やリインちゃん、それに古鉄はそれを見れた。実際に会話も出来た。
というか、君達だけは映像の中に映っているその子やたまごを見る事が出来る』

「そうです」



だから最初、フェイトやティアナに頭の心配されたもの。最悪ゾーンのせいで、頭打ったと思われたみたい。



『その子達と行動を共にしていた女の子も、その子達と話したりする事も出来た。なら』

「・・・・・・なら?」

『もしかしたら、その子達を見るにはなにかこう・・・・・・特殊な資格が必要かも知れない』

「特殊な資格・・・・・・ですか」



さっきシャーリーと話してた辺りだね。あー、やっぱそっちの方向なんだ。



『うん。例えば、私や那美が霊を感じ取ったり、能力を通してそれに干渉できるように、その子達と話したり声を聞く資格。
言い方を変えれば、存在とそれが発する現象を認識したり、自らもそれに干渉するための能力なりキーになりえる何か』

「それを僕達が持っていた?」

『恐らくはな』





なるほど、そう考えれば映像の中のたまご達をフェイト達が見えないのも納得出来る。



少なくとも僕達が持ってる管理局印の情報収集機材・・・・・・いや、フェイト達ではそこがさっぱりと。



問題は僕達自身の中にあったのよ。映像を通してでも、認識出来るかどうかは僕達次第。





≪ですが、なぜデバイス・・・・・・機械である私まで?≫

『そこは私にも分からない。ただ、恭文君もそうだが古鉄も私や那美と会った一件で、霊障の存在を感じ取れただろ?
そこを考えても、古鉄がその子達を見れた事は特に不思議は無いと思う。単純な機械というわけでもないしな』

「・・・・・・なるほど」



どっちにしろ、僕とアルト、リインが鍵と。フェイトとシャーリーとティアナはどうなるか分かんないわけだし。



『実際、昔の文献にもそういう類のものがある。まぁ、こちらは霊障を起こすような霊ではなく・・・・・・精霊だな』

「精霊?」

『そうだ。自然や物・・・・・・場合によっては人そのものに宿る霊験新たかな大いなる意思とされている』



それは心が清いものやある一定の高さの霊力を持った人間にしか、触れる事が出来ない。

普通の人間では存在を感じ取る事も、話す事も触れる事も無理だとか。



『話を聞く限りだが私は霊の類というよりは、そちらの方に近い印象を受けた』



・・・・・・そう考えればいろいろ納得かも。いや、精霊って言うにはあれらのデザインはファンシー過ぎたけどさ。



『とまぁ、私が今の段階で言える事はこれくらいだが・・・・・・すまない。
やはり実際に見てみないとどうとも判断がつかない』

「いえ、十分過ぎるくらいです。おかげで取っ掛かりが掴めました。
・・・・・・薫さん、ありがとうございました」

『いや、お役に立てたなら嬉しい。・・・・・・あぁ、分かった分かった』



あ、なんか尻尾の音がまた聞こえるぞ。これは・・・・・・うん、久遠だね。



『恭文君、すまないけど少しだけ久遠と話してもらえるかな? 君の声が聞けたのが相当嬉しいらしい』

「はい、もちろんです」



・・・・・・そのまま最近の事とか色んな事を久遠と話してから、電話を切った。

またねと付け加えた上で。でも・・・・・・長電話しちゃった。楽しかったからよくはあるんだけどさ。



「フェイト、お待たせ。・・・・・・ある程度予測は立ったよ」

「うん、聞いてた。つまりヤスフミ達が話したその子達は精霊・・・・・・というか、特殊な存在なんだよね」

「フェイトさん、それだけ言うとあんまり進展してないように感じるんですけど、それって私だけですか?」



ティアナ、大丈夫。僕もそう感じてるから。あとはシャーリーもだね。凄い頷いてるし。



「つーか、アンタもアレで分かるの? いや、それ以前にこんなオカルトめいた話を信じて捜査に持ち込む気? いくらなんでもありえないでしょ」

「言ったでしょ? 十分過ぎるくらいだって。あと、ティアナ。それは非常にナンセンスだよ」

「なんでよ」

「それは自分が以前、時の電車とかに乗って過去に行ったりしたのを踏まえた上での発言?」



僕がそう言うと、ティアナが押し黙った。・・・・・・アレだって常識で言えば十分ありえない。

僕だって話を聞いただけだったら信じられないと思うもの。憧れはするだろうけどさ。



「・・・・・・そこ言われると確かに辛いわね。実際過去に行ってスバルのお母さんに会ったりもした。
未来から来たアンタや良太郎さんの孫に会ったりもした」



うん、会ったね。でも・・・・・・NEW電王、カッコ良かったなぁ。



「それ以前に良太郎さんやモモタロスや亀達だって同じくらいにありえないレベルの存在。
あぁもう、ありえないなんて言葉こそありえないじゃないのよ、この状況はさ」





でも、僕達はティアナの言うように、僕は実際にデンライナーにも乗ってる。

良太郎さんや侑斗さんにモモタロスさん達やデネブさん、あと、未来の僕や良太郎さんの孫にも会ってる。

ありえないもの、もう何度も見てる。もっと言えば、次元世界という概念や魔法が実在してる事もだよ。



これだって見る人から見れば十分ありえない。僕とアルトだけで言うなら、実際に霊障の現場にも立ち会った事がある。

それだけじゃなくて、霊剣と呼ばれる人格を宿した剣とも話したりした事がある。

その他にも色々とやんなるくらいに色々見てる。だから正直、ありえないなんてありえないとしか言うしかない。



それでも驚いてるけどさ。だって・・・・・・相手は魔法少女だよ? そりゃびっくりするって。





「とにかく、現時点でそれが見えるのが確定なのは、リインと恭文さんとアルトアイゼンだけですね。フェイトさん、この場合どうなるですか?」

「こうなってくると、まずは三人に動いてもらうしかないと思う」

「ですよねー」



フェイト達も動くという手もあるけど、もし実際に見てもあの子達を見れなかったら、アウトだもの。



「なにより・・・・・・この、あむちゃんだったよね?」



フェイトが画面の中の女の子を指差すので、僕は頷く。・・・・・・小さな子達はそう言っていた。



「いきなり捕まえて尋問というのはダメだしね。なにより私達は普通に捜査出来ない」



管理外世界だから、当然だけど管理局の名前は出せないしね。

そして現時点で、魔法やロストロギア絡みが確定というわけじゃないんだもの。



「それ以前にヤスフミ達と違って私達は面識が無いから、いきなりそんな話をするのはダメ。
絶対に警戒されるし、私達がその子達を見る事が出来なかったらシラを切られて終わり」

「私達がコイツとリインさんの仲間だって言っても・・・・・・あぁ、ダメですね。
内緒にして欲しいって約束を破ったと思われて、警戒される。そうなったらもう情報も何もない」

「うん。だから、ヤスフミ」



フェイトが僕の方に視線を戻す。それに対して僕は頷いて『大丈夫』と答えた。

まずフェイトが言うように僕達が動く。具体的にはもう一度この子に会って、今度は詳しく話を聞く。



「でもなぎ君、具体的にはどうするつもり?」

「方法ならある。・・・・・・ま、ちょっと荒っぽいけどね」

「・・・・・・あぁ、なるほど。確かにそこからつつくしかないか」










そうして僕達は見る。画面の中に映った『制服姿』の女の子を。





顔は割れてるし、あとはちょっと時間をかければ・・・・・・すぐにカードが引けるはず。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・・・・そして、それから時間は飛び・・・・・・夜の11時。

捜査会議を終えた僕は、フェイトとお話していました。

というか、那美さんやら霊障と関わった時の事を吐かされていました。





宛がわれた部屋はフェイトの部屋と僕とリインの部屋とシャーリーとティアナの部屋の三部屋。

なお、三部屋ともお隣同士。なお、フェイトは自分だけ一人なのがご不満だったけど、上は立てるものという思考によりこうなった。

ただ・・・・・・シャーリーがこそっと『ここ、防音設備はしっかりしてるから、少しくらい頑張っても大丈夫だよ?』と言ってきた。





もっと言うと『私とティアも空気読むから。あと、リインさんも読ませるから』・・・・・・などと言ってきた。

そこは非常にびっくりした。いや、ありがたいよ? うん、色々と。

とにかく、そんなフェイトの部屋のベッドに腰掛けて、二人でお話タイム。





部屋には机が一つと服が数着。もともと出張みたいなものだから、荷物は少なめなの。机もここの備え付けだし。










「・・・・・・・事情は分かった。確かに状況が状況だから仕方ないと思うし、昔の事だからもう何も言わない」

「分かっていただけて嬉しいです。いや、よかったよかった」

「よくない」



フェイトは両手を僕の頬に伸ばし・・・むにーっと引っ張ってくる。・・・・・・い、いひゃい。



「ヤスフミ、内緒な事が多いよ。・・・・・・全部知らなきゃいけないなんて言うつもりないけど、彼女としてはちょっと嫌だ」

「ひょ、ひょんひゃほほひはへへほー」

「だから、今日は寝かさないよ」





・・・・・・そのまま、フェイトは引っ張っていた手を離して・・・・・・顔を近づけてくる。

両手はそのまま僕の頬に添えられる。そのまま互いに目を瞑り、唇が重なり合う。

この1年で・・・・・・その、何度もキスしてるけど、それでもドキドキと幸せな感覚は消えない。



今もずっと更新され続けている好きの気持ち、それを認識する。





「・・・・・・ん」



少しだけ深く・・・・・・長い口づけ。それで唇が離れる。すぐ目の前にはフェイトの顔。

頬が赤く染まって・・・・・・可愛い。右手を伸ばして、そのまま頬と髪を撫でる。フェイトは抵抗せずに受け入れてくれてる。



「ふぁ・・・・・・フェイト」

「隠し事してたから、朝までお仕置きするね。今日は、あの・・・・・・私がいじめるから」



そのまま、そう宣言したフェイトに僕は押し倒される。



「・・・・・・僕がまるで毎回いじめてるみたいに言わないでよ」

「いじめてるよ。私、すごく恥ずかしい事毎回言わされる。
どこがどんな風になってるから気持ちいいとか、どういう風にして欲しいとか」



まぁ、言葉でいじめたりとか結構多いかも。フェイトの反応が可愛くてついつい。



「ね、フェイト。もしかしてそういうの嫌かな。あの、それならもうしないけど」

「嫌では、ないかな。私、ヤスフミの前ではすごくエッチな女の子になるって決めてるから。だって、恋人だもの。
それくらいは頑張りたい。心だけじゃなくて、身体もちゃんと繋がりたい。ただ、私だけがされるのはちょっと嫌」



フェイトの瞳が潤んで、少し息を吐き出す。それが顔に当たって・・・・・・くすぐったくて、身を軽く捩る。



「だから、今日はヤスフミの番だよ。ヤスフミが私にいじめられるの。
いつもは私の事沢山いじめて、沢山優しくしてくれるから、今日は私がそうするの。いい?」

「・・・・・・・・・・・・うん、いじめて・・・・・・いいよ」

「うん、いじめるね。それでいっぱい・・・・・・コミュニケーションしようね」



フェイトが頬を赤く染めながら、にっこりと笑う。それでちょっとだけ恥ずかしそう。

それは少し無理して、お姉さんキャラをしているせい・・・・・・だからだね。



「というかあの、今日は最悪ゾーンだから・・・・・・抱きしめて守ってあげたいんだ」

「あ、もしかしてそっちが本命?」

「・・・・・・うん」

「・・・・・・ありがと」

「ううん」










・・・・・・さすがにこれからやる事があるから朝までじゃなかったけど、結構遅くまでいじめられた。





というか、途中からいじめたりもして・・・・・・コミュニケーションした。





え、そのシーン? あはははは、書けるわけがないじゃないのさ。無理無理。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・刀に変わる宝石を持った、私達と同い年くらいの男の子?」

「え、その子があむちの代わりに、×キャラやっつけちゃったのっ!?」

「うん。でもさ、あたしマジ意味分かんなくて」



紅茶を飲みながら思い出すのは、昨日会ったあの子。そして、喋る宝石に空色の髪の女の子。

全く正体不明でワケ分かんない子達。特に・・・・・・あの男の子。



「というかやや、『やっつけた』は正確じゃないから」

「え? でもでも、あむちー以外でそんな真似したらたまごは」

「・・・・・・まずね、キャラなりしたりキャラチェンジした様子も無かったの。
だけど、×たまが壊れたりする様子もなく普通に元のたまごに戻ったんだ」

『えぇっ!?』



あたしの言葉に、みんなが腕を組み唸り出す。かく言うあたしの周りに居る三人も同じく。



「なら日奈森、そいつがキャラなりしなかっただけで、キャラ持ちってのは考えられないか?」

「それは無いと思うな。ね、ミキとスゥも同じくだよね?
私、あの子達からしゅごキャラの気配は感じなかったんだけど」

「うん、ボク達その子の近くまで行ったけど、たまごを持ってる気配は無かったから」

「謎が謎を呼ぶ、新キャラ登場ですぅ」



三人とも、腕を組んでうーんと同じように唸ってる。あたしと同い年くらいの子だと思うけど、やっぱり謎だよ。



「セクハラするし、おちょくられるし、ワケ分かんない名乗りするし」

「ワケわかんない名乗りって?」

「『通りすがりの古き鉄だ』・・・とか、『最初に言っておく、僕はかーなーり強い』とか。
『本家本元から使用許可はもらってる』とか『私が主人公です』とか『僕が主人公だよ』とか」

「・・・・・・なんだそりゃ、本当にワケ分かんねぇし。てーか電王なのは分かるけど、本家本元ってなんだよ」

「というか、特に後半だよね。僕が聞く限りただの普通に会話になってるし」



あぁもう、なんであたしこんないらいらしてるの? ・・・・・・そうだね、原因なら分かってる。体型の事言われたからだ。

成長するからって言われたから問題なしってわけじゃないよっ! あぁもう、改めて考えるとムカつくっ!!



「それでね、その子・・・・・・ラン達が見えてたの」

「じゃあ、やっぱりキャラ持ちなんじゃ」

「でも、さっきラン達が言った通りなんだ。なにより、たまごの事何にも知らない様子だった。
それなのにたまごをあっさり浄化しちゃうでしょ? だから余計ワケ分かんなくて」





いや、あの刀というか宝石が喋ったりしてたけど・・・・・・でもなぁ。



宝石になってそれが武器になるキャラなんて聞いた事がないし。



うぅ、なんなのあの子っ!? マジで謎が謎呼ぶ新キャラだしっ!!





「でも辺里君、ちょっと気になるわね。キャラ持ちでもないのにキャラが見えてるのは別として」



なでしこがそう言ったのを聞いて、あたしは思い出してた。

そう言えば、見える人は見えるんだよね。大人でも見える人は見えるって言うし。



「キャラなりもキャラチェンジもしてないのに、いきなり刀を取り出して姿を変えた。
その上で×キャラを一刀両断して浄化・・・・・・普通の子が出来る技じゃないわよ」

「確かにそうだね、という事は、やっぱりキャラ持ち・・・・・・でもしゅごキャラの気配はない。うーん」





でも・・・・・・なんだろ、悪い子とは思えないんだよね。

散々あたしを挑発するような事言ってたけど、結局はたまご普通に返してくれたし。

もしかして、あたしと同じで外キャラがキツい子なのかな。



それに『仕事』がどうとかって言ってたし、もしかしたらそれであんな感じだったのかも。





「日奈森さん、その子の名前とかって分かる?」

「あ、うん。教えてもらったから。えっと、蒼凪・・・・・・恭文君」



栗色の髪に、宝石みたいに見える黒い瞳が印象的だった。あと、顔立ちが結構カワイイ感じ。



「それで、その子が連れてた子がリインフォースUちゃんって言ってた。
あと宝石が・・・・・・アルトだかアルトアイゼンだか」

「呼び方バラバラだったですねぇ」

「ただ、すっごいよく喋るの。それで自己主張が強いんだ」



ミキがそう言ったのを聞いて思い出した。あの宝石、何回自分を主人公って言ったんだっけ?

それで男の子と口喧嘩して・・・・・・あれ、普通なのかな。



「ツヴァイ・・・・・・確かドイツ語で2って意味だよ。それで、アルトアイゼンが同じ言葉で『古き鉄』」

「・・・・・・あ、だからその子もそういう名乗りをしたのかなっ! 『古き鉄だー』ってっ!!」



ややが納得した顔で両手をポンと叩く。というか、あたしもちょっと納得。それなら意味が分かるから。



「唯世、考えても仕方なかろう。その正体不明な輩はとっとと捕まえて、知ってる事は全部吐かせれば」

「キセキ・・・・・・僕達は警察でも何でもないんだから、さすがにそれは」

「・・・・・・いえ、もしかしたらそれが1番手っ取り早いかも知れないわよ?」



・・・・・・なんて言いながら、なでしこがある方向に視線を向ける。そしてそこに向かって優しく笑いかけた。



「ね、そこの君。・・・・・・こそこそ隠れてないで、こっち来ない?
今出てくれば、美味しい紅茶をご馳走してあげるけど」



なでしこがそう声をかけると・・・・・・マジで出てきた。



「・・・・・・お菓子も付く?」

「付くわよ。それもとっても美味しいガトーショコラが」

「ならよかった」



ここ・・・・・・ロイヤルガーデンの入り口近くの柱の影から、一人の男の子が。



「でもまいったね、まさか見抜かれてるとは思わなかった」



そう言いながらその子はドアを開く。見えるのは栗色の髪と黒い瞳。

細くて柔らか味のある顔立ちと体型。服装はジーンズの上下に黒のインナー。そして、胸元には青い宝石。



「それ、ほんとに? 私には『見抜かれるようにしている』ように見えたんだけど。
それも・・・・・・そうね。ある程度のワードが出揃ってから急に」

「さぁ、どうでしょ」



あたしはただただ驚いて、口を開ける事しか出来なかった。



「・・・・・・あの、君は・・・・・・誰かな?」

「初めまして、さっき名前の出てた蒼凪恭文だよ」










だって、そこに居たのは・・・・・・昨日会ったばかりの・・・・・・あの子だった。





そしてあたしの方を見て、軽く右手を振ってきた。あたしは・・・・・・そのまま頷く程度の返ししか出来なかった。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



この街には、聖夜小学園という学校がある。中等部もあるけっこう規模の大きな学校。

そして、普通に考えて学校の敷地内にあるとは思えないほどに豪華な建物。ガラス製の透明な屋根に花壇がぎっしり。

そして、その真ん中にテーブルと椅子。そこに座ってるのは・・・・・・二人の男の子に三人の女の子。





だけどその周りに・・・・・・おぉ、居る居る。例の小さい子達の仲間と思われるのが沢山。

赤ちゃんみたいなのとか、僕をふん捕まえるとか発言してくれた奴とか。

あとはスポーツウェア着てスケボー持ったのとか、着物着てる奴とか・・・・・・結構多いな。




で、僕は椅子を一つ借りて紅茶を飲む。・・・・・・あ、美味しい。カップも中々だし、いい茶葉使ってるわ。










「・・・・・・さて、まず君はどうやってここに来たのかな。君は僕達と違ってここの生徒じゃないよね?」

「あ、忍び込んできたの」



僕の正面に座っている金色の髪を真ん中分けにしてる僕と同じくらいの身長の男の子の言葉に、そう答える。



『何のためらいもなく言い切ったっ!?』




その子は制服の上に、チェックのケープなんてつけてる。あ、それは昨日会った子以外は全員か。



「でも、よくここが分かったわね」



僕を苦笑気味に見ながら、長いストレートの髪をポニーテールにした女の子がそう言った。

・・・・・・ん? なんで僕ちょっと違和感感じたんだろ。まぁいいや。



「そんなの簡単だよ。制服でどこの人間かなんて1発だし」



昨日会ったあの子に視線を向けながらお手上げポーズで言うと、あの子がハッとした顔になった。



「で、ちょこっと聞き込みしたら、どういうわけかみーんなおたくらの事知ってたもの」

「・・・・・・そっか、あむちゃん昨日制服姿だったから」

「ガーディアン自体も有名ですしねぇ」



なぜだろう、僕の気配を嗅ぎ取った女の子・・・・・・は別として、全員が僕の言葉に驚いてるけど。



「あの、驚いてるのは私達の事が分かったからじゃないわ。どうして忍び込めたのかという事」

「言ったら悪いけど、もうちょい腕の立つのを雇った方がいいね。
もうあっちこっちに仕掛けてあるカメラの配置に気をつけるだけで、楽々だもの」

≪そのカメラ自体も入り口以外は少なめ。これではザルもいいところでしょ≫



なお、そのためにリインは連れてこなかった。居てもちょっと邪魔になるから。

本人が聞いたら怒りそうだけどさ、スニーキングミッションなんて、手勢連れてやるもんじゃないのよ。



「もしかして、そういうの慣れっこ?」

「かなりね。僕、これでも悪人の側だから」



にっこり笑ってそう言うと、長い髪の女の子も笑顔で返してきた。



「確かに・・・・・・そんな感じがするわ。あなた、とっても悪い人っぽい」



なんか、この子には普通に軽口が通用しない感じがするのはどうしてだろ。



「それで・・・・・・君は何者?」

「あ、秘密」

「・・・・・・それはどうしてかな」

「当然でしょ。人の事を聞きたいなら、まず自分の事から説明するもんだって先生から教わらなかった?
僕は名前を名乗った。いわゆる『普通』とは違う部分があるという情報も晒した。その力でその子も助けた」



僕がそう言うと、あの子が不満そうな顔をし出した。まぁ確かに色々説明がおかしいけど、そこはいいじゃないのさ。



「ちょっ! 何それっ!? 助けてあげたのはあたしの方でしょっ!?」

「なに言ってるの。あんなの秒殺出来たのに、そっちが邪魔したんでしょ?
現に出来たじゃないのさ。それになにより、弾丸を避けてる時も必死な顔だったし」

「ム、ムカつくー!!」

「とにかく、僕はそっちより多く手札を晒してる。これは対等じゃない。なら・・・・・・次はそっちの番でしょ」



僕がにっこり言うと、何故かポニーテールの女の子が苦笑した。



「・・・・・・なるほど、昨日あむちゃんの前で自分の力を晒したのは、情報を得るための捨て札と」

「正解。いや、話が早くて助かるよー。というわけで・・・・・・早速話して。
これはいわゆる一つの等価交換だよ。あ、知られたくない事なら秘密は守るから」

「ずいぶん強引ね。・・・・・・もし、私達が話さないと言ったら?」

「簡単」



少しだけ声のトーンを落とす。それから、言葉を続ける。



「・・・・・・喋りたくないなら、喋りたいようになってもらうだけだよ。
具体的には・・・・・・昨日の魔法少女っぷりをバラすとか」

≪映像は私の方で撮影しているので、普通に流すだけでも楽しくなるでしょうねぇ≫

「待ってよっ! あの、内緒にしてくれるって約束してくれたよねっ!!」

「あ、ごめん。交換条件を言うのを忘れてたよ。内緒にしてもいいけど、事情をちゃんと説明してーって」

「はぁっ!?」



いや、ダメだね。やっぱ最悪ゾーンのせいで頭働いてなかったかも。いやぁ、これは失敗だ。



「・・・・・・まぁ、問題ないか。今言ったんだし」

「問題大有りだよっ! そういう事は昨日言ってっ!!」



というか、他の子達が全員苦い顔をする。いや、ちょっと違う。警戒したような目で見る。

・・・・・・あれ、おかしい事は言ってないんだけどな。なんでそんな表情になるんだろ。



「貴様・・・・・・ふざけるなっ! 自分の立場を分かってるのかっ!?」

「ほう、なら聞こうか。僕は今どういう立場なのさ」

「お前はわざわざ我らの手の内に捕まりに来た身っ! つまり、貴様が生きるも死ぬも我らの」

≪Stinger Snipe≫



魔法を発動して、そんなふざけた事を言ったミニマムキャラの横に弾丸を一発叩き込む。

その弾丸はそのキャラがかぶっている王冠を射抜き、軽く上に弾き飛ばした。



「・・・・・・ま、別にいいのよ? 実力行使でそういう手に出ようって言うならさぁ」



それから弾丸が急カーブ。落ちてくる王冠をもう一度射抜く。そして・・・・・・王冠がそのキャラの頭の上に戻った。



「どうせ最悪ゾーンに突入してるし、まぁまぁ妙なケンカ吹っかけられる覚悟もしてたし。
でも、出来れば暴力はやめない? ほら、力では何も解決しないんだから」



僕は左手を軽く上に上げる。その左手の人差し指の先で弾丸は動きを止めた。

なお、王様の王冠は頭に乗ったまま変化なし。うん、極小で物理破壊も無しだもの。壊れるわけがない。



「わわ、凄い凄いっ! ねね、それ何っ!? やや初めて見たー!!」

「まるでミサイルみたいにバーって・・・・・・真面目になんでちか、それは」

「僕の持ってる特殊能力だよ。そのうちの使い方の一つ」



とにかく指先の超極小スティンがーはそのまま消す。そうして交渉タイムスタート。



「・・・・・・というわけで、ぜひ話して欲しいんだけど。もう一度言うけど、知られたくないなら秘密は守るよ」

「き、貴様・・・・・・! 今のは『いつでもやれる』という警告のつもりかっ!? 話さなければ撃つという事かっ!!」

「あははは、バカを言っちゃあいけないね。『いつでもやれる』じゃなくて・・・・・・『今すぐ始める?』なんだけど。
大体、勘違いはやめて欲しいなぁ。先にこんないたいけな一般市民を拘束しようなんて言い出したのはそっちでしょうが」



ほら、ちゃんと読み直して。それっぽい事をその口で言ってるでしょうが。



「そっちがそういうつもりなら今すぐ始めるって事だよ。そんな僕が脅してるみたいに言わないでよ」

「ぐぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ! 貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「あぁもう、キセキもやめてっ! 君もその物騒な弾丸は仕舞って・・・・・・るよね」



うん、仕舞ってるよ。もちろん、なんかされるようなら遠慮なくまた撃つけど。



「まー、アレだ。少々・・・・・・いや、かなり無茶苦茶だが、確かに言ってる事は間違ってないよな」

「空海、それいいのかよ。相当強引だぞ?」



そこのミニマムスポーツキャラ、失礼な事を言うな。僕は常に効率良く話を進めたいだけだし。



「いいんだよ。ようするにお前は俺達の事や、俺達の周りに居る小さい連中の事が知りたいんだよな。
それで俺達が話せば、それも含めて知った事は秘密にすると。ただ、俺達が乱暴な手を使うようなら」

「もちろん、問答無用で全員地獄を見てもらう♪」

≪なので、協力してもらえませんか? その方が話が早いでしょ≫

「確かにな。それなら・・・・・・まず俺達からだ。
俺はガーディアンのJ(ジャックス)チェアで相馬空海。もうすぐ中学生だ。で、コイツはダイチ」

「よろしくなー」



オレンジ髪の男の子が親しげにそう言ってきた。側に居るのは、バンダナを巻いた小さい子。

そして、全員一応それに乗っかる事にしたらしい。顔を見合わせて頷いてから、続けて来た。



「A(エース)チェアの結木ややっ! もうすぐ五年生っ!! で、この子がぺぺちゃんっ!!」

「でちっ!!」



続いたのは、ツインテールの女の子。若干幼い印象。だけど、それよりも気になる事が出てきた。



「・・・・・・赤ちゃん?」

「うんっ!!」



Aの隣に居る小さな子が・・・・・・赤ちゃんだった。それも、おしゃぶりまでしてる。

また、自信満々に・・・・・・これはどう受け取ればいいの?



「Q(クイーンズ)チェアの藤咲なでしこよ。この子は・・・・・・てまり」



で、さっきから話し易い感じを受けていた黒髪のポニーテールの女の子。



「はいな」





・・・・・・あれ、なんで僕はこの子に対してこう、おかしいな。



あとてまりというのは、この子の隣に居るのは和服姿の女の子。あ、この小さい子は可愛い。



とにかく、ジャックス、エース、クイーン・・・・・・次は予想出来た。





「それで、僕がK(キングス)チェアの辺里唯世(ほとりただせ)。それで、この子が」

「キセキだっ! よーく覚えておけ愚か者っ!!」

「・・・・・ね、もう一回撃っていい? 大丈夫、今度は王冠トス100回制覇するから」

「あぁぁぁぁぁっ! それはやめてっ!! というか、君そんな事出来るのっ!?」

「うん。能力コントロールのために、空き缶とか小石とかでよくやってたから」



こういう地道な訓練が、いざという時に役に立つのよ。はい、納得したね?



「あー、それ面白そうっ! やや見たい見たいー!!」

≪見物料は1000円になります≫

「お金取るのっ!? しかも高いしっ!!」

「と、とにかく・・・・・・もう日奈森さんとは会ってるよね」

「名前は聞いてないけどね」



右手でお茶を飲みながら言うと、何故かまた場が固まった。

・・・・・・あれ、おかしいな。今度こそ僕は何も言ってないんだけど。



「あ、そう言えば自己紹介とか全くしてなかったような」

「そう言えば・・・・・・私達も」

「してなかったような」

「それじゃあ、改めて・・・・・・ですねぇ」



女の子と周りの小さい子三人が、こほんと咳払いをしてから僕の方を見る。



「えっと、あたしはガーディアンでジョーカーをやってる日奈森あむ。もうすぐ小6」

「私はあむちゃんのしゅごキャラのランだよー」



そう言ったのは、ピンクというか赤色でハートの髪飾りをサンバイザーにつけたポニーテールの子。



「・・・・・・ミキ。同じくあむちゃんのしゅごキャラ」



続いたのは、青くてスペードの飾りを帽子につけたショートカットの子。

紺色のベストに白のシャツ、そして青の短パンに黒のブーツ。何気にお洒落に見える。



「スゥですぅ、よろしくですよぉ」




緑色でこの子は・・・・・・クローバーだね。あ、この日奈森あむって子だけ、三人も居るんだ。



「うん、よろしく〜」



・・・・・・さて、次は僕の番かな。一応自己紹介は大事なのですよ。



「ま、改めまして・・・・・・僕は蒼凪恭文って言うの。で、こっちが」

≪初めまして、私は古き鉄・アルトアイゼンと言います≫

「やっぱり、古き鉄だったのね」

≪正解です、なでしこさん≫



とりあえず、初対面はいい感じかな。さて・・・・・・ここからどうやって情報を引き出すか。

やっぱりもうちょっと僕も手札を晒す必要、あるかな。



「うわぁ、本当に宝石が喋ってる。ねね、アルト」

≪ややさん、すみませんがアルトアイゼンでお願いします≫

「え、なんでっ!? アルトアイゼンって呼びにくいからこっちの方がいいじゃんー!!」

≪『アルト』は、私がマスターと認めた人間だけの呼び名なんですよ。
もっと言うと、私を首からかけてるこの人と、あと一人だけに呼ぶ事を許した呼び名です≫



・・・・・・どうやら、そこは譲れないらしい。ここだけは誰が相手だろうと譲らないのよ。



「うー、付き合い悪いー! ノリが悪いー!!」

≪なに言ってるんですか、私はノリがいいですよ? それはもうすごい勢いで≫

「だったらややにも『アルト』って呼ばせてよー! それでややが三人目っ!!」

≪だが断る≫



そうして、Aがなんか赤ん坊みたいに暴れ出した。というか、駄々をこねだした。

・・・・・・ね、来年小5の女の子がそれはまずいんじゃないかな。



「まぁまぁ、そういう事なら仕方ないわよ。それであなたとあなたのマスターである彼は、どうしてここに来たの?」



聞いて来たのは、Q。・・・・・・こりゃ、やっぱりただでは話聞けそうも無いなぁ。



「あ、もちろんこれも等価交換ね。聞いた分、私達もちゃんと話すから」



だって僕がここですっとぼけたら、さっき自分で言った事を嘘にするし。



「簡単だよ、そこのジョーカーにお話を聞きたくってさ」

「それは・・・・・・×キャラについて?」

「さっきも少し言ったけど、それも含めた上でだね。例えば、みんなが連れてるその小さな子達についてとか」



だけど、一番交渉役としてやりやすい。どうもKは搦め手がやり辛い感じがするんだよね。

多分、ある程度手札を晒せば・・・・・・いけるはず。



「理由はなに? ううん、それ以前に・・・・・・どうしてそのためにここまでするの? 興味があるとかかしら」

「うーん、そういうのじゃない。一応お仕事なんだ。これ」

「・・・・・・お仕事?」

「あ、そう言えば君・・・・・・昨日もそんな事言ってたよね? ね、どういう事かな。あたし意味分からないんだけど」



まぁ、問題ない範囲で・・・・・・晒しますか。



「まぁ、守秘義務ってやつがあるからあんまり詳しくは話せないんだけどさ。
僕、ある警備会社というか、治安維持の会社に勤めてるの。お仕事ってのはそこの事」

「はぁっ!? おいおい、ちょっと待てよっ! お前俺達と同い年くらいなのにもう働いてるのかっ!!」



・・・・・・いいもん、突き刺さったけどいいもん。

昨日フェイトといっぱいコミュニケーションしたから、平気だもん。絶対・・・・・・泣かない。



「実力主義だからさ。戦うための技能と覚悟と度胸があれば、僕みたいなのでも問題なく出来るの。というか」



左の人差し指を立てて、そこにまた蒼い光を灯す。なお、今度はスティンガーとかじゃない。



「こういう能力を持ってるとね、色々あるのよ。その関係でそこの嘱託みたいになってる。
例えば・・・・・・妙なのとやり合ったり、妙なのとやり合ったり、妙なのとやり合ったり」

「いや、お前・・・・・・ほとんど『やり合ったり』ばっかりじゃないかよ。てゆうか、そんな戦ってんのか」

「・・・・・・何かこう、複雑な事情がおありなんですかぁ?」

「それなりにね。まぁアレだよ、その職場は僕みたいな『能力者』が沢山居ると思ってくれれば大体合ってるから。
そういうのが人目につかないところでこそこそしてるのを、これまた人目につかないところでぶっ飛ばしてるわけですよ」



指から魔力光を消して、みんなの方を見ると・・・・・・うん、概ね納得してくれたみたい。これで話を続けられる。



「で、ちょっと小耳に挟んだの。この街で最近黒いたまごが空を飛んでたり、そのたまごが暴れたりしてるーって」

「・・・・・・×たまだな、それ」

「気をつけてたのに、気づかれてたんだ」

「じゃあ、君はそれを調べに来たの?」



僕はQの言葉に頷く。それでみんなは、更に納得した顔になった。

確かにアレは普通じゃないしなぁ。こういう流れにしておけば、一般常識があれば大体は納得する。



「で、そこのジョーカーから聞いたと思うけど、僕が連れてたあの子もそこの人間。というか、僕のパートナー」

「あんな小さな子もっ!? ちょっとちょっと、それすごいおかしいってっ!!」

「おかしくても事実なんだから仕方ないでしょうが。というか」

「あ、ボク分かった。あの子も君と同じ『能力者』なんだね」

「そうだよ。・・・・・・で、ここに到着した途端に昨日の一件だよ」



最悪ゾーンのおかげとは言え、こんなすぐに関わる事になるとは思ってなかった。・・・・・・なんだか複雑。



「いや、まさか生で魔法少女が見られるとは」

「だからっ! 魔法少女じゃないってばー!!」



いやぁ、いい反応を返してくれるねー。僕は楽しいよ。



「・・・・・・うん、君がどういう性格か、私は段々と分かってきたわ。じゃあ、その青い宝石は・・・・・・なに?」

≪真・主人公ですが何か?≫



その言葉に、全員がずっこけた。あ、僕も同じくなのであしからず。



「アホかぁぁぁぁぁぁっ! そういう事を聞いてるんじゃないよっ!!
誰もそんな事聞いてないよっ! つーか、主人公は僕だからねっ!?」

≪いや、ちゃんとそれは認めてるじゃないですか。ただ私が真・主人公だと≫

「なんでおのれが立場上なんだよっ! おかしいからね、それはっ!!」



あぁもう、なんでこんな・・・・・・と、とにかく話だ。いろいろ話だ。



「と、とにかく・・・・・・僕の相棒と思って。いつもはこの形態だけど、戦闘の時にはそこのジョーカーが見たみたいに日本刀になるの。
で、姿が変わったのも一種の戦闘服。アルトもその戦闘服も、僕やあの子の能力に合わせて調整されたものなの」



ただ、それだけじゃなくて公私ともに支えてくれる大事なパートナーでもあると、付け加えておく。

うん、ここは・・・・・・僕の勝手なこだわりだね。だってアルトを物扱いはやっぱり嫌だもの。



「でも、キャラ持ちじゃない」

「そうだね、少なくともそれじゃない。・・・・・・まず、そのキャラ持ちってなに?」



僕がそう聞くと、QがKを見る。そして・・・・・・Kが頷き、僕に視線を向ける。



「それは僕から説明するよ。まず、この子達はしゅごキャラって言うんだ」

≪・・・・・・しゅごキャラ?≫

「うん。・・・・・・人はね、誰でも心の中にたまごを持ってるんだ。
僕達みたいな子ども・・・・・・あれ、なんで机に突っ伏すの? あの、話の途中なんだけど」

≪あー、すみません。ちょっと傷に触れたもので。
話はそのまま続けていただいていいですよ、キング≫



・・・・・・子ども・・・・・・同い年くらいだと絶対思われてる。それも全員に。

僕、今年で19歳なのに・・・・・・! てゆうか、普通にまだ最悪ゾーンの真っ最中っ!?



「とにかく、僕達みたいな子どもはみんな、目に見えないこころのたまごを持っているんだ。
大人になるとそのたまごは消えちゃうんだけど・・・・・・君も昨日見たんだよね」

「・・・・・・え、まさかアレ?」

「うん、そのアレだよ」



なるほど、あれがそのこころのたまご・・・・・・と。アレ、じゃあちょっと待って。なんか話がおかしくなってるような。



「そして、そのたまご達の中でも、本当に一部にちょっとだけ普通と違うたまごがあるんだ。
『なりたい自分』や夢、未来への可能性が一つの形になって、そのたまごから生まれてくる」

「それが・・・・・・しゅごキャラ?」

「そうだよ。この子達は、もう一人の自分と言ってもいい存在なんだ」

「・・・・・・え、という事は赤ちゃんもそれなの?」



言いながら僕は、あの赤ちゃんキャラな子を見る。・・・・・・アレ?



「ちょっとっ! ぺぺちゃんの何がいけないのっ!?」



いや、色々まずいでしょ。その年でアダルトチルドレン化は・・・・・・ねぇ?



≪まぁ、そこはもう手遅れでしょうから気にしなくてもいいでしょ≫

「ちょっとっ!?」

≪それではキング。あの黒いたまごは、やはりそのこころのたまごが変化したものですか?≫

「そうだよ、あれは×たま。たまごの持ち主がトラブルを抱えて心を病んでしまうと、あれに変化する。
そして、それから生まれるのが・・・・・・×キャラ。君が昨日見た黒いのがそれだよ」



・・・・・・つまり、アレとふわふわ僕達の目の前で浮かんでるちっこいのは同一の存在と。

とりあえずこころのたまごとやらの中にある存在だと言うのは、理解出来たよ。



「で、僕達が掴んだのはその×たまなり、×キャラが起こしたトラブル・・・・・・と」

「そういう事になるね。・・・・・・というか、信じてくれるの?」

「へ?」

「いや、だって・・・・・・正直突飛だと思うんだ。普通はしゅごキャラが見えたらびっくりするものだから。
あとはいきなり攻撃なんてされたら怯えもすると思う。なのに、君はすごく普通にしてるから」



・・・・・・そりゃあ・・・・・・ねぇ? 昨日言った通りだもの。それらに比べれば、この辺りはまだまだ理解の範疇だって。

なお、ちょっとだけ人生の歩み方を間違えたんじゃないかと思ったけど、気にしない事にする。



「僕、昔から結構こういう不思議な事に触れる機会が多かったんだ。
だから特に問題ない。てゆうか、あの程度で怖い? 無い無い」



僕は右手を軽く顔の前で振って、その言葉を笑い飛ばす。



「『怖い』って言うのは、周辺の人間十数人一気に吹き飛ばしてミンチにするような衝撃波とかの事だって。
あとは無機物を吸収して、自分の武器にしたり傷を回復したりとか? これも怖いね」

「・・・・・・なぁ、お前それどこのサイヤ人だ? 普通にそれはありえないだろ」

≪ありえないですよね。でも、全部実際にこの人が戦った相手の事ですから≫

「おいおいマジかよっ! お前、どんだけハードな生き方してんだっ!?」



J、気にしないで。なお、僕は深く気にしない事にした。だってしたら泣きたくなるから。



「まぁとにかく、話に特に疑問もなければたまご達に恐怖もない。・・・・・・むしろ」

「むしろ?」

「面白い子達に会えて、ワクワクしてる。だって面白いじゃないのさ」



僕が笑ってそう言うと、なぜかKが安心したような表情を浮かべた。・・・・・・なんでだろ。



「てゆうか、それは僕のセリフだよ。いきなり僕みたいなのが出てきて、怖くないの?」

「一応警戒はしてるよ。ただ、日奈森さんの話や今の君からの説明を聞く限りでは、大丈夫だと思ってる。
君はたまごを悪用しようとしてたりはしていない・・・・・・というか、本当に何も知らないみたいだから」

「まぁそれはね?」



こころのたまご・・・・・・そんな物が有るなんて、今まで知らなかったから。



「それに僕はキング・・・・・・王様だもの。これでも、人を見る目はあるんだ。
なによりいきなりここに一人で乗り込んできた君に、少しだけ興味がある」

「いやいや、一人じゃないよ。ちゃーんとアルトが居るし。
なにより・・・・・・そこのジョーカーには言ったけど、僕は強いもの」

「・・・・・・そっか。なら余計に納得だ」



なんでもそういう事らしい。僕にはよく分かんないけど、普通にKが納得した顔になった。



「えっと、それじゃあもう一つ質問、いい?」

「うん、いいよ」

「・・・・・・ガーディアンって、なに? いや、一応みんながそういうのだってのは分かるの。
聞き込みしてた時に聞いたから。だけど、細かいとこが今ひとつ分からなくて」



僕がそう言うと・・・・・・なぜだろう、全員がテーブルに突っ伏した。あれ、なんでこの反応?



「え、えっと・・・・・・もしかして本当にこの学校の事とか知らないの?」

「もちろんっ!!」

「あ、あはは・・・・・・なんつうか、面白い奴だな。
ワケわかんないの通り越して、俺はもう笑うしかねぇよ」



Jがなんか微妙な事言ってるけど、きっと気のせいだ。だって僕は自分に正直であっただけなのに。



「じゃあ、それも説明するね。まず」





ガーディアンというのは、簡単に言えばこの聖夜小学園の生徒会。

ただし・・・・・・ありとあらゆる特権が与えられているスーパー生徒会。

そのおかげで、先生とも対等に話せるとか。・・・・・・最近の小学生は。



つーか、なんだよこれ。ゆとり教育の最も足る例じゃないの?

ただ、ここには理由がある。・・・・・・しゅごキャラだ。

この学校でガーディアンになるために求められる要素はたった一つ。



それはしゅごキャラを産んでいる人間・・・・・・キャラ持ちである事らしい。

だからガーディアンのメンバーは見ての通り、全員キャラ持ち。

で、さっき話した×たまや×キャラが出てきた時にはそれに対処するのがお仕事だとか。



あと、重要な事を一つ。・・・・・・・いや、二つ聞いた。





「とりあえず、ガーディアンが実は対×キャラ・×たま対策の総本部なのは分かった。
で、あれらは基本的に見えている人間だったり、キャラもちにしか対処できないんだよね?」



だから、昨日もそこのジョーカーは自分のキャラと一つになった。恐らくあれは、その対処のために必要な何か。



「そうだよ。×のついたたまごを元に戻すのを封印、または浄化って言うんだ。
だけど・・・・・・日奈森さんの話通りなら、なぜか君は出来ちゃったんだよね」

「うん、出来たね。・・・・・・ちなみに、出来なかったらどうなってたの?」

「たまごが壊れてたよ。こころのたまごには、その子の夢や希望も詰まってるから」



え、それももしかして一緒に粉々? ・・・・・・出来れば否定して欲しかった結論。だけど・・・・・・頷かれた。

・・・・・・怖ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ! 今更だけど怖ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!



「え、もしかしなくても僕すっごい早計な行動してたっ!? うわ、まじめに怖いってそれっ!!」

「そうだよ。だからあたしが下がっててって言ったのに、一気に突っ込んじゃうんだもん」

「・・・・・・あなた、もしかしなくてもちょっと単純? というか、猪突猛進なキャラ?」

≪正解です、なでしこさん。この人ちょっと脳筋なところがあるんですよ。
まったく、だから私は常々『KOOLになれ。さぁちあんどですとろいはやめろ』と言っているのに≫



アルトの言葉に、僕は苦い顔になる。いや・・・・・・あの・・・・・・ねぇ?



「く・・・・・・まったく反論出来ないのが悔しい」

≪反論出来る要素があると思ったんですか?≫



・・・・・・ありません。今回に至っては僕が全面的に悪いです。



「ごめんなさい、やり過ぎました。バカでした。まじめに反省しております」

「あら、なんだか素直ね」

≪さすがにやり過ぎましたしね。これくらいは当然です≫



でも、色々事情があったんです。もっと言うと、モノホン魔法少女に出会って一種のコンフュ状態だったんです。



「でもさ、生魔法少女を見たら普通にビビらない?」

≪あぁ、それなら分かりますよ。私もまさかモノホン魔法少女に会えるとは思ってませんでしたし≫

「分からないでよっ! というか、あたしを魔法少女って言うのはやめてっ!!」

≪「だが断る」≫

「なんでよっ! あぁもう、アンタ達マジムカつくー!!」



と、とにかくここはフェイト達に重要報告だ。理由は分からないけど、僕の魔法は×キャラや×たまに通用するらしい。

でも、もしもフェイトやティアナのがそうじゃなくて、あれらを撃ったら・・・・・・まじめにやばい。



「で、しゅごキャラやら×キャラが見えるのって・・・・・・何か特殊な資格とか要素って必要なの?」

「なんだお前、そこも分かんなかったのか。マジで何にも知らなかったんだな」



その通りだから、僕はJの言葉に何にも言えなかった。だからここに聞きに来たくらいなんだし。



「まず、しゅごキャラはもう君も気づいてるかも知れないけど、普通の人には見えないんだ。
たまごの状態なら普通の人でも触れたりも出来るんだけど」

「ただ、それとて×たまや僕達が生まれたしゅごたまのように、何かしらの変化を起こした場合のみだ。
本来こころのたまごは、普通の人間には触れる事も見る事も出来ん。こころの中で静かに息づいている物だからな」



Kとキセキが言いたい事は分かった。何にしても殻はともかく、中身は触れられないって事だね。



「でも、しゅごキャラは誰でも見えるわけじゃない。キャラ持ちなら問題なく見えるんだけどな。
それ以外だと・・・・・・霊感が強い人だったり、本当に小さな子どもだな。ちなみに俺のじいちゃんが前者だ」

「空海のおじいさん、お寺さんの住職なんだー。やや達が合宿で泊まりに行った時にみんなの声が聴こえてたの」



後者で言うと、まだこころのたまごが自分の中に生まれてないくらいに小さな子どもは例外なく見えるらしい。

とりあえず・・・・・・この辺りにフェイト達は入らないので、ここは置いておく事にする。で、引っかかってる事が一つ。



「・・・・・・霊感」

「なにか覚えがあるのか?」

≪空海さん、正解です。実はかなり覚えがあります。
私達・・・・・・以前幽霊というか、妖怪の類と斬り合った事がありますから≫



那美さん達と会った一件・・・なんだけど、あれもなぁ。まさかそんなのとやりあう事になるとは思わなかったよ。

まぁ、あの時はなんとかなったんだけどさ。しかし・・・・・・まさかこんなところでそれが来るとは。



「・・・・・・あなたそれホント?」

「ホント。仕事とは関係のないバイトしてる時に、人を乗っ取って辻斬りかまして、斬った人間の霊力を吸い取る妖刀に関わってさぁ。
もう大変だったんだよ。僕の知り合いが乗っ取られて、その知り合いがまた剣術の達人だから始末に負えなくて」

「お前・・・・・・やっぱすげーハードな人生送ってんだな。てゆうか、それはマジヤバいだろ」

「よ、よ・・・・・・嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」



アルトの言葉に、魔法少女が両手で頭を抱えて顔を青くし出した。・・・・・・え、アレなに?



「あの・・・・・・どうした?」

「あぁ、気にしなくていいよ? あむちん、妖怪とか霊とか怖いの全然駄目なの」

「あなたの話を聞いて、一気に恐怖が吹き上がったみたいね」

「そ・・・・・・そうなんだ。それはまた、悪い事したなぁ」



とにかく話は分かった。さて、これはどうする?

まさか『何にも掴めませんでした』とか言うわけにもいかないし。



「ねね、アルトっち」

≪アルトアイゼンです。・・・・・・というよりややさん、あなたそこまで私を『アルト』って呼びたいんですか≫

「だってー、そっちの方が可愛いもん。それにこれなら『っち』って付いてるから、いいでしょー?」

≪だが断る≫

「なんでー!?」



あぁ、また赤ちゃんキャラだよ。しゅごキャラじゃなくて駄々キャラだよ。

なんつうか、この子は本当に大丈夫ですか?



「とにかく・・・・・・恭文君」

「ん、なに?」

「この事ってあなたのお仕事場に報告・・・・・・するのよね」



Qが真剣な顔でそう聞いて来た。やっぱり、そこは気にするらしい。いや、当然だけどさ。



「一応それが仕事だから。ただ・・・・・・嘘の報告書作る事にはなるんだろうなぁ」

「え?」

「だって、本当に一部の人間しか見えないものと、その人間以外が対処したら大事になるものだよ?
まずどうやってそれがあるってのを証明するのさ。僕とリインだけじゃ、証言者としては足りないもの」

「・・・・・・いいの?」



いいも悪いもない。まぁ、この辺りはフェイトと要相談だろうけどさ。



「とにかく、僕はしばらくその関係でこっちに居るから、また相談させてもらっていいかな。
嘘の報告書作るにしても、色々やらなきゃいけない事があるしさ」

「それは大丈夫だけど・・・・・・でもあの」

「いいから。『秘密は守る』って言ったでしょ? だから問題ないよ。
何より誰かの『夢』が変な形で利用されるのは、僕だって嫌だ」

「・・・・・・・・・・・・分かった。あの、本当にありがと。感謝するよ」










それからみんなの連絡先なんかも教えてもらった上で、そこを後にした。





しゅごキャラ・・・・・・ガーディアンか。なんだろうね、状況はともかくとして、なんか楽しい。





世界って、不思議な事、面白い事、沢山あるんだね。やっぱりそれに触れられるのは、楽しいのよ。














 





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・というわけ」



・・・・・・マンションに戻って、全員に今日聞いた話を全部話した。すると、失礼な事に全員が全員机に突っ伏した。



「・・・・・・よし、アンタ病院行ってきなさい。今すぐ見てもらった方がいいから。
てゆうか今度は何があった? ビルの上から看板でも落ちて頭直撃したとかかしら」

「なんでそうなるっ!? てーか、それはさすがに命に関わるからっ!!」

「あの・・・・・・もしかして、私昨日いじめ過ぎたかな?
で、でもあの、ヤスフミだって途中からいっぱいいじめてきて」

「フェイトさんも何の話してるんですかっ!? あと、その顔真っ赤なのはやめてくださいっ!!
てーかアンタ、まさかそのバカ話を信じろって言うんじゃないでしょうねっ!!」



ティアナが机をドンと叩いて声を上げる。どうやら、僕が必死の潜入で掴んだ情報がご不満らしい。



≪信じろもなにも・・・・・・私もマスターも昨日の方が連れていた子以外のしゅごキャラも見ました。
そして話もしました。もう信じるしかないでしょう。それに、真実は小説より奇なりって言うでしょ?≫

「奇過ぎるわよっ! いくらなんでもありえないっ!! マジありえないからっ!!」

「ティアナ、それは自分が時の電車に乗ったり」

「それで何でも済ませられるわけがないでしょっ!?」



きゃー! ティアナがご乱心だー!! てゆうか、なんで僕はこんな怒られてるのっ!?



「つーか、良太郎さんとかその孫とか赤鬼に亀の方がまだ納得出来るわよっ! それありえないからっ!!」



うーん、そこを言われると辛いなぁ。正直、僕もあの子達が見えてなかったら信じられないと思うもん。



「・・・・・・でも、このままクロノ提督はともかく、局の上に報告はなぁ。
ちょっと考えますよね。ティアの言うように、ありえませんから」

「そうだね、実際問題として私達はその子達が見えるか分からないわけだし。なにより、たまごへの対処だよ」

「キャラ持ちって言うある種の適正が無い人間が×たまに対処はだめ。
そんな事をすればたまごが壊れる・・・・・・ですよね。それも、そのたまごの持ち主の夢や願いまで」

「どういうわけかヤスフミは大丈夫だったみたいだけど・・・・・・そこは怖いね。
仮にたまご絡みで何かが起こったとしても、私達は下手に手出し出来ないよ」



それは同感。だって・・・・・・僕は下手したらたまごと一緒にあの女の子の大事なものまで壊してたわけだから。

でも、なんでだろう。ガーディアンの子達もキャラ持ちじゃないのになんで出来るのかって、頭にはてなマーク出してたし。



「フェイト、一回クロノさんに相談してみようよ。僕達だけであれこれ考えててもしかたないって」

「そうだね」



というわけで、早速通信を繋いだ。そして、現状つかめてる情報を洗いざらい喋った。そしてクロノんさんは頭を抱えた。



『・・・・・・フェイト執務官、まさか・・・・・・その話を僕に信じろというのか?』

「私だって正直信じられません」



むむ、頭硬いなぁ。普通にどうしてこういうのにワクワク出来ないんだろ。僕はちょっと疑問だよ。



「でも、この街とここに住む子ども達にそういう特殊な要素が絡んでるのは事実なんです。あと・・・・・・ヤスフミも」

『だがしかし・・・・・・うむぅ』



でもそうだよね。普通になんの事前情報もなしでこの話聞いたら、僕も含めて普通はクロノさんと同じ反応を起こすわ。



『ダメだな、やはりこれだけでは判断出来ない。恭文』

「はい?」

『お前とアルトアイゼン、それにリイン曹長は見えてるんだな? その・・・・・・しゅごキャラがだ。
お前達はそのキャラ持ちではないが、見える人間の条件に当てはまっている』



僕とリインは画面の中のクロノさんの言葉に頷きで返す。もちろん、その通りだという意味で。



「でも、それだけじゃないです。どういうわけか知りませんけど、僕の魔法はその×たまに通用するみたいなんです」

『らしいな。そして、その理由は不明と』

≪まぁ、その辺りはどうしようもありませんね。なんにしても現状では推測でしか物を言えませんよ≫



そうだよねぇ。まさか今度×たまが出てきた時に、試しにフェイトやティアナが魔法ぶっ放すわけにはいかないし。



『というより物は試しでたまごが壊れても、僕達は何の責任も取れないぞ。つまり』

「現状、アレに対処出来るのはコイツだけと」

『そうなるな。もちろん中にある夢や『なりたい自分』を無視すれば問題ないが』



でも、当然それはだめ。しかし・・・・・・なんでだろうね。僕はこういうキャラじゃなかったはずなんだけど。



「ただ、対処出来るのはなんとなく分かります。恭文さんだと、夢とかなりたい自分とかちゃんとありますしね。・・・・・・ねぇ?」



なんて言いながら、リインが僕とフェイトをニヤニヤとしながら見る。



「あ、あの・・・・・・リイン。というか、ティアもシャーリーもクロノも」



なお、リインだけではなく・・・・・・って、コイツらウザっ! 普通にウザいしっ!!



「どうして私とヤスフミを見るのかな?」

「いえ、それは・・・・・・色々とあるよね。ティア」

「そうですよ、色々あるんですよ。フェイトさん」

『そうだな、色々あるんだ』



は、恥ずかしい。なんというか、恥ずかしいよ。フェイトと二人で顔真っ赤にしてるし。



「それでクロノ提督、私今ちょっと思ったんですけど・・・・・・よくここまで話してくれましたよね。
だって、なぎ君って向こうから見たら謎が謎呼ぶ新キャラのはずなのに」

『恐らくくだが、初回で手札を色々と晒した事が大きかったのではないだろうか。
あと、恭文が浄化したたまごを普通に返したのも要因だ』



そこはあの子の勢いというか頑固さに圧されて・・・・・・だったけど、結果的には良かったのかも。



『恭文も自分達と同じように普通とは違う部分がある。
そして決して悪意を持っているわけではないという事で、信用してくれたのだろう』

≪ご都合主義的ではありますが、色々いい方に動いてるみたいですね。出だしとしては上出来かと≫

『そうだな。だが、このままというわけにもいかない。フェイト』

「うん」

『すまないがしばらくそこに恭文やランスター補佐官達と一緒に滞在してくれ。
それでしゅごキャラやたまごについて調査してもらえないか? もっと言えば、危険性が無いかどうか』



危険性・・・・・・まぁ今のところは大丈夫だけど、この調子だとミッドでも×たまとか出てそうだしなぁ。

クロノさんとしては、それ絡みで何かあった時に備えて、最低限のデータは欲しいってとこかな。



「それはかまわないけど」





とにかくある程度調査した上で、結論を出すって事だね。・・・・・・確かにその方がいいかな。



現時点だと、僕やリインしかそのたまごやガーディアンの子達と接触していない。



それだけじゃあ、危険性無しとは判断出来ないもの。まずは、入念な調査。その上で・・・・・・だね。





「でもクロノさん、それでなにかあってもとりあえず僕しか対処出来ませんよ?
フェイトやティアナが魔法ぶっ放してたまご壊しましたーじゃ、目も当てられない」

≪そんな事をすれば、上手く行きかけてるのが全部パーですよ≫

『その通りだ、さすがに夢や希望にまでは僕達は責任が取れない。
かと言って、お前だけでは何かあった場合手が足りない可能性もある。・・・・・・そこで恭文』

「ほい?」



クロノさんが少し黙る。というか、普通に僕に対して申し訳なさそうな顔をする。・・・・・・いやいや、意味分からないから。



『あとリインもだな。二人には一つ仕事をしてもらう』

「仕事?」

『そうだ。まぁ、これに関して結論を出すのはフェイト達がそのしゅごキャラを見れるかどうかを確かめてからだな』




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



とりあえず、これからの方針は決まった。でも、真面目にありえないわ。

そしてなんだか頭の痛くなった私は、外の空気を吸わせてもらいに外に出た。

あぁもう、どうして六課に絡んでから、こんな理解できない事ばっか起こるの?





いや、別に悪くは無いんだけどさ。そのおかげで、楽しい事や素敵な出会いもあったから。

・・・・・・別に亀の事じゃないわよ? えぇ、絶対違うから。

ただ・・・・・・ねぇ、今回は極めつけよ。なによ、しゅごキャラって。





もうちょっと、マトモな方向で話を進め・・・・・・空をふと見上げた。

するとそこに・・・・・・猫が居た。ただし、姿は人。青い薄手の服、そして猫耳に尻尾。あれ・・・・・・なに?

そいつは、そのまま私の目の前に着地した。そして、私を少し驚いたような表情で見る。





どうやら気づかなかったらしい。というか、私もあんまり過ぎてどう声をかけるべきかとか色々考えてしまう。










「・・・・・・なんだ、お前」

「はぁっ!? それはこっちのセリフだか」



続きを言おうとした瞬間、そいつはまた高く跳んだ。とても・・・・・・高く。



「・・・・・・なんなのよ」



呟いて出てきた言葉は、そんなありふれた言葉。だけど、それしか出てこない。



「なんでこうワケの分かんない事ばっか続くのよっ!!」










・・・・・・でも、これで終わりじゃなかった。ワケのわかんない事は、ここからが本番だった。





私はこれから、それに遠慮なく振り回されていく事になる。




















(第2話へ続く)



















あとがき



古鉄≪ついにやってしまいました。ついに始めてしまいました。単行本を買った勢いで書いてしまった第1話、みなさんいかがだったでしょうか。
謎が謎呼ぶ長編しゅごキャラクロス、初回のあとがきのお相手は古き鉄・アルトアイゼンと≫

恭文「えー、僕が×たま封印出来る理由はちゃんとあるとの事です。なお、そんな特別な感じではありません。・
・・と、補足を入れたりしてる蒼凪恭文です。しかしさ・・・ついにやっちゃったね。とまとクロスの第二段っ!!」

古鉄≪はい。・・・えー、今回のお話は原作単行本で言うと2巻の段階からの絡みとなります。
時間軸は六課解散からもう少しで一年経とうかと言う時期≫

恭文「そこからまたまた僕達が大暴れしちゃうわけですよ」

古鉄≪なお、結構オリジナル話やオリジナル要素多めな予定ですし、他のリリカルキャラも登場予定です。
いや、そのまま進行だと時系列が凄い事になるんですよ。原作が月刊誌という事もあるんですけど≫





(しゅごキャラの連載誌は、あのなかよしです)





恭文「・・・で、アルト」

古鉄≪はい≫

恭文「ぶっちゃけしゅごキャラって何・・・って人も居ると思うのよ」

古鉄≪そうですね、説明しておきましょうか。・・・えー、しゅごキャラとは、先ほども言いましたがなかよしで連載されている・・・少女漫画ですっ!!≫

恭文「現在アニメなんかもやってたりするんだけどね。ただ、普通の少女漫画とは思う事なかれ。
なんと・・・これを書いているのはあのPEACH-PIT(ピーチ・ピット)先生だったりしますっ!!」





(代表作『ローゼンメイデン』や『ディアーズ』などを手がける、二人一組の作家さんです)





恭文「なので、意外とリアルな話があったりドロドロがあったり、うーんと唸らせられる話があったで、現在人気だったりします。
なお、作者のリアル友人も好きだったり。で、今回そんなリアル友人だったり、読者さんのクロスのリクエストだったりがありまして」

古鉄≪長期連載という形で、書くことになりました。なお、予定を早めてセカンドシーズンと同時進行だったりします。まぁ、のんびり行くって感じで≫

恭文「そーだね、長編なにおいぷんぷんだし。でも・・・原作が終わらなかったらどうしよう」





(一応原作終了までやる予定です。いや、もうそろそろ終わりそうな感じだから、やっちゃおうかなぁと・・・)





古鉄≪そこは頑張るしかありませんよ。まさか作家さんに聞くわけにもいかないですし、なにより教えてくれるわけがありません。オリジナル話を作って、それで間を繋いで・・・≫

恭文「・・・ね、それはどこの週間漫画? というより、どこのドラゴンボールやNARUTO? いや、しゅごキャラもアニメと原作見比べて、オリジナル話やオリジナルのしゅごキャラ多いってのはよく分かったけどさ」

古鉄≪ただ、しゅごキャラはオリジナル話のクオリティ高いんですよね。私、あむさんが歌唄さんの一日マネージャーをする話とか好きなんですよ≫

恭文「あ、僕も好き。あれいいよねー。出来ればさ、アニメでやったそういう原作にないオリジナル話もやりたいよね」

古鉄≪そうですね。とにかく・・・さっそく始まった新連載、皆さんに楽しんでいただけるように頑張っていきたいと思いますっ!!≫

恭文「というわけで、本日はここまでっ! お相手は蒼凪恭文と」

古鉄≪古き鉄・アルトアイゼンでしたっ! それでは・・・また次回にっ!!≫










(二人、手を振る様子を映しつつカメラ・フェードアウト。
本日のED:水樹奈々『アオイイロ』)






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