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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第39話 『W(ダブル)で超・クライマックスッ!! 中編』



ラン・ミキ・スゥ『しゅごしゅごー♪』

ミキ「さて、超・電王編も決戦突入っ! 今日は、フェイトさん達の話だよっ!!」

スゥ「でもでも、苦戦は必死なのですぅ。というか、大苦戦なのですぅ」





(大量のゾンビ達に響く尺八の音。身体を震わせ崩れ落ち、瞳を閉じかける金色の女神)





ラン「うぅ、みんな頑張れー! モウリョウ団なんかに、負けるなー!!」

ミキ「そんな思いも込めて、今日もいくよ。せーの」





(そして、当然のように三人であのポーズ)





ラン・ミキ・スゥ『どっきどき♪』





















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・良太郎、行くよ」

【うん】

「変身」





ウラタロスさんが、ベルトにパスをセタッチ。その瞬間、バックルから青い光がはじける。

それがスーツとなり、その上に青い装甲が装着される。それは・・・・・・青い電王の姿。

とにかく、次は私の番。私は、胸元の柄型のアクセサリーを両手で握り締める。



柔らかく、抱擁するようにも、祈るようにも思える体勢のまま、私は・・・・・・呟く。





「ツインブレイズ、力を・・・・・・貸して」

≪Set Up≫





身体を包むのは、赤い光。その中で今まで身に着けていた着物が無くなり、私は裸になる。

一瞬で身を包むのは、赤いロングスカートと一体成型のワンピース。なお、長袖。

両手に銀色の手甲。腰の両側に装甲。胸元にも、同じ色のプレストプレートが装着される。



腕を開き、両手を伸ばす。柄型のアクセサリー二つが回転し、大きくなった。

それを両手で掴み、上段から振るう。その瞬間、柄から赤い刃が生まれる。

そのまま私は身体を起こし、左のツインブレイズの切っ先を、前面に向ける。



・・・・・・これが、私のジャケット。そして、ツインブレイズの戦闘状態。



なお、ジャケットデザインはヒロリスさんがしてくれた。結構、気に入っている。





「お前達・・・・・・僕に、釣られてみる?」

「ウラタロスさん、それは言うんですね」



私がセットアップしている間に、ウラタロスさんも変身を終えていた。

・・・・・・やっぱり、電王だ。どこに居ても、いつも通りに戦う。



「当然。でも、ディードちゃん・・・・・・恭文のこと、追いかけなくてよかったの?」



フェイトお嬢様とスバルさんは、街の中を駆け回り、住人の救助を始めている。

私は、電王と一緒に行動。あと、ハナさんも同じく。



「そうよ、心配なんでしょ?」

「大丈夫です。・・・・・・恭文さんは、良太郎さんに負けないくらいに、強いですから」

「そっか、それなら納得だ。ディードちゃんも、釣られてるわけですか」

「さぁ、どうでしょう」



心配なのは、心配。恭文さんは、私の大事な人だから。今は、兄なのだから。

でも、その前にやるべきことがある。それは、私として私なりの現実との関わり方を通すこと。



「そろそろ、出てきてはどうですか?」

「ディードちゃん?」





あの街で住むようになってから、恭文さんの夜の訓練に付き合うことがある。

恭文さんが、なのはさんのお兄さん達ともしていた訓練。

夜の闇の中、人様にご迷惑をかけないようにしつつ斬り合うというもの。



その訓練に付き合い始めて、分かるようになったことがある。

それは、私が自分自身の身体の強さや便利さに、頼り切っていたということ。

私の身体は、普通に強い。強化骨格に人工筋肉、色々な機能の付いた目。



だけど、同時にそれは弱くもする。ヘイハチ・トウゴウ氏の言い方を借りるなら、伸びシロを殺す。

人は、どこまででも強くなれる。自分の強さの上に、胡坐をかかなければ。

それを実感した時、とても大きな喜びを感じた。私はまだ、進化出来ると。



そうだ、私は進化出来る。だから、分かる。私達の背後から、覗き見ていた存在が居ることを。





「・・・・・・ほう、よく気づいたな」



私とウラタロスさんは、振り返る。振り返って見据えるのは・・・・・・黒き狼。

顔だけ狼で、身体は2メートル近くある。見るからにパワーファイター。



「私の兄との訓練の成果です。・・・・・・キュウビという女の、手下ですね?」

「あぁ。だが、手下というのは違うな」



そのまま、そいつは地面に降り立つ。次の瞬間、『ズドン』という音がした。



「キュウビ様の配下の一人、カクロウだ。
電王、そして女・・・・・・悪いが、死んでもらうぞ」



そして、私達を緑色のゾンビもどきが取り囲む。・・・・・・完全に、目を付けられているらしい。

ここまで戦力を送ってくるなんて、相当だわ。



「それは、無理な相談かな」



ウラタロスさんが、両肩にロッドモードのデンガッシャーを担いで、そう言い切る。



「その通りです。私も、ウラタロスさん達も、ここで死ぬつもりはありません。・・・・・・叩き潰します」

「だったら・・・・・・やってみろよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」



男が踏み込んでくる。それに私達が構えていると・・・・・・雷と炎と氷と白い羽が、降り注いだ。



「ブレネン・クリューガーッ!!」

「フリジットダガー・スペシャルッ!!」

「サンダーレイジッ!!」



降り注いだ攻撃達が、緑色のゾンビ達の4割を吹き飛ばす。

それだけではなく、飛び込もうとしていたカクロウの足を止めさせた。



【・・・・・・この声。というか、この攻撃。というか、この音楽は】

「・・・・・・全く、恭文さん放置でこっち来るとは、思わなかったのです」

「小さき娘、奇遇だな。私もお前と同じ気分だ。全く、何たる混沌だ。私には相応しくない」



その少し不満そうな声は、空から降りてきていた。・・・・・・間に合った、ようです。



「しゃあないだろうが。あっちは歌唄とりまに任せるのがいいって話になったんだしよ。
なにより、こっちにはマジで何も関係のない人達が居る。救助に人員を割くのは、常識だろ」

「その通りです。たまごのことは、やはりキャラ持ちですから。
まぁ、連中をあっという間に片付ければ、問題はないでしょう」





白いバリアジャケットを着た女の子と、赤い恭文さんのインナーに似たジャケットを着ている赤い髪の女の子。

そして、最近私が色々と家事のコツを教わっている女性まで居た。

・・・・・・そう、リインさんとアギトさん、それに咲耶さんだ。あとは、白い白鳥のイマジン。



確か、本当に一度しか会った事がないけど・・・・・・ジークさんだ。電王に変身できるイマジンの一人。





「よお。ディードに亀にハナさん、あと中の良太郎も、久しぶりだな。てか、苦戦中ってとこか?」

【ア、アギトちゃんっ! というか、リインちゃんに咲耶もっ!!】

「てゆうか、ジークまで」

「姫、随分と久しぶりだ。・・・・・・あぁ、和服姿も、とても美しい」



言いながら、ジークさんがお辞儀をする。・・・・・・そうだ、思い出した。こういうキャラだったわ。



「というか、四人とも、どうしてここに・・・・・・って、そっか」

「そうなのです。あ、フェイトさん達の方には、二人が向かってるのです」

「あちらの方が包囲が厚そうでしたので、勝手に戦力を分けさせていただきました」

「さて、こちらはこちらで始めるとするか。・・・・・・今こそ、姫のために」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・スバルっ! フェイトさんっ!!」



緑色のゾンビのようなのを倒しつつ、スバルと二人で街の人達を救助したり、火災の延焼を止めたりしていると、声がかかる。

それは、後ろから。走り寄ってくるのは・・・・・・うそ、ティアっ! というか、幸太郎と侑斗さんまでっ!!



「ティアっ!!」

「幸太郎に、侑斗さんっ! あ、テディとデネブさんもっ!!」



・・・・・・そっか、私達のSOS、ちゃんと届いたんだ。だから、ここに来れた。



「フェイトさーんっ! スバルちゃんも久しぶりー!!」

「デネブさんっ! わわ、来てくれたんですねっ!? というか、ティアー!!」

「バカ、二人揃って抱きつくのやめなさいっ! 状況分かってんのっ!? てーか、デネブは一緒に来たでしょうがっ!!」

「「いや、こういうのはノリだから」」

「んなわけないでしょっ! あぁもう、マジでアンタらは空気を読まないわねっ!!」



とりあえず、抱擁し合って喜ぶ三人を他所に、私は幸太郎と侑斗さんと、テディを見る。



「おい姉ちゃん、今の状況は・・・・・・まぁ、大体分かった。で、俺達は」

「この気味悪い連中を叩き潰して、街の連中の救助だな」

「うん、お願い。・・・・・・久しぶりの再会なのに、挨拶もゆっくり出来ないね。それは、ちょっと残念」

「仕方ありません。挨拶は、この連中を片してからにしましょう」



そうだね、そうしよう。・・・・・・きっと、ヤスフミも喜ぶな。ヤスフミ、侑斗さんとは通じ合えるみたいだから。

あ、デネブさんにヤスフミのトマト嫌いが克服出来始めてること、あとで教えようっと。



「んじゃま、いきますか」



幸太郎は、言いながらシャンパンゴールドの電王ベルトを腰に巻く。



「あぁ。・・・・・・デネブ、お前も遊んでないで、来い」

「分かったっ!!」





そして、侑斗さんは黄色と緑のラインが入ったゼロノスベルト。

それを見て、私とスバルは止めようとする。でも、ティアが首を横に振った。

ティアも止めたらしいのは、すぐに分かった。・・・・・・そうだね、分かってた。



この人は、ヤスフミや良太郎さんと同じで、言い訳が出来ない人だから。

・・・・・・幸太郎のベルトから、ポップな音楽が鳴り響く。

侑斗さんのベルトからも、笛の音のような音楽が鳴る。



その二つの音が混じり合う空間の中で、二人は・・・・・・声をあげた。





「「変身」」



侑斗さんが錆びた色の面を表にして、カードをベルトに挿入する。



≪Charge and Up≫



幸太郎が、その右横でパスをベルトにセタッチする。



≪Strike Form≫





二色の光がはじけて、二人の身体を包む。そうして生まれたのは、未来の電王とゼロノス。

赤く、錆びたような色合いのアーマーをつけた侑斗さんが、両手であるものを持つ。

それは、デネブさんが変化したガトリングガン。えっと・・・・・・デネビックバスターだっけ?



そして、赤い鋭角的な仮面に、青いボディ。胸元のターンテーブルに、線路のような肩アーマー。

幸太郎も、変身を終えた。その姿は、未来の時間の電王。良太郎さんの時間が、未来に繋がっている証拠。

幸太郎は左足で片足立ちしながら、右手の指を二回鳴らす。テディも、デネブさんと同じように武器になる。



その姿は、青い銃剣。鍔元に、デフォルメされたテディの顔があった。





「・・・・・・最初に言っておくっ!!」



あぁ、やっぱり言うんだっ!! ・・・・・・というか、私達いつの間にか、囲まれてるっ!?



「俺達はかーなーり・・・・・・強いっ!!」

≪その通りっ!!≫

「さぁ、行くぞ。俺達は・・・・・・カウントが0になってからが、本当の戦いだ」

≪恭太郎の分まで、しっかりやらないとな≫



緑色のゾンビ達が、少しずつ迫って来る。・・・・・・その奥に、黒笠をかぶった影を見つけた。

確か、ヤシロウ。昨日ヤスフミやリュウタロスさんとやり合った相手。



「で、スバル。アンタの方針としては?」

「・・・・・・良太郎さんね、言ってくれたんだ。戦うんじゃなくて、助けて守って欲しいって」



ティアが、クロスミラージュを構えながら聞く。そして、スバルは・・・・・・うん、そうだったね。

スバルの目を見て、良太郎さんは真っ直ぐに言ってくれた。



「だから、突っ切ってこの街の人達を・・・・・・助ける。戦うんじゃなくて、守る。
ようするに、レスキューだね。私の力は、そのためのものだから」

「そう。だったら・・・・・・フェイトさん」



私は、ティアの目を見て頷く。



「ティアは、スバルと一緒にレスキューをお願い。道は、私達が切り開くから」

「はい。・・・・・・それじゃあスバル」

「うん。機動六課・スターズコンビの、復活だね」

「えぇ」



言いながら、ティアの周りに10数発の魔力弾が生成される。

スバルも、足元にベルカ式魔法陣。・・・・・・どこか、嬉しそうだ。



「気合い入れていくわよ」

「了解っ!!」



私も、少しだけ瞳を閉じる。閉じて・・・・・・目を見開く。

そして見据える。私達が、変えるべき今を。それを生み出す根源を。



「・・・・・・みんな、行くよ。こんな人達に、時間は・・・・・・一秒だって、消させない」

『おうっ!!』










私達は、モウリョウ団の連中の方に踏み込んだ。





ここの人達の時間を、私達の時間を、その全てを守るために。




















『とまとシリーズ』×『しゅごキャラ』 クロス小説


とある魔導師と古き鉄とドキドキな夢のたまご


第39話 『W(ダブル)で超・クライマックスッ!! 中編』




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・やはり」



ジークが、殴りかかってくるゾンビ達の拳を右手で払いながら、その中を進む。

進みながら、手刀と拳を打ち込み倒す。



「このような混沌、私には相応しくない」

「言ってる場合じゃ」



で、ハナさんはなんか普通にゾンビの腹とか殴って、殴って、殴って、倒れて胸元を踏みつぶす。



「ないでしょっ!?」



・・・・・・なぁ、もうあの人一人でいいんじゃないのかな。変身もしてないのにアレだけ強いって、おかしいだろ。



「おぉ、姫はなんと強い。このような無粋な連中に囲まれていても、自分を見失わないとは」



自分に蹴りかかってきたゾンビの攻撃を、回転するように避ける。

で、相手の側面に回り込んで、後頭部に向かって裏拳。



「だが、出来るなら下がっていて欲しい。姫の強さは重々承知しているが、私は姫を危険な目には」



で、ハナさんを見ながらジークは言葉を続ける。そこに、後ろから羽交い締めにしようと一体近づく。

そいつの右手を払って、ジークは振り向きながら後ろに向かって右足で蹴りを叩き込む。



「遭わせたない」



アイツ、器用だよな。てーか、アイツだけでもなんとかなるんじゃないだろうか。



「てゆうか、これどうなってるですかっ!?」

「リインさま、簡単です。倒せど倒せど、ゾンビ兵が居なくならないのですよ」

「お前、この状況でもやっぱマイペースだなっ! てーか、いくらなんでも混沌過ぎだろうがっ!!」



なんだよこれっ! なんで、コイツら全然数が減らないわけっ!? 待て待て、どういうことだよっ!!

さっき、デルタアタックもどき使ったよなっ!? なのになんで数がまた元に戻ってんだよっ!!



【・・・・・・アギトちゃん、リインちゃんと咲耶は、恭文君の方に行ってっ!!】



聞こえるのは、良太郎の声。それに、アタシ達名前を呼ばれた三人は、そちらを見る。

空を飛びつつ、ジークとかハナさんとかに当てないように、射撃しつつだ。



「そうだね、その方が・・・・・・いいかもっ!!」



突撃してきたカクロウの右拳を、亀が左側に滑り込むように避ける。

そこから、カクロウは振り向き間合いを測る。亀も、同じく。



【もしかしたらこれ、キュウビって人を止めないとだめなのかも。だから、行って】

「がはははははははっ! お前ら、中々いい読みするなっ!!」



満足そうに、カクロウが笑う。そして、その瞬間に飛び上がった。・・・・・・アタシ達に向かって。



「だが、簡単に行かせると」



そいつは、拳をアタシ達に向かって振りかざしていた。力任せで、強引な加速と射出。

それにより、距離は零に縮まっていた。アタシ達は、防御魔法を展開・・・・・・する必要、なかった。




「よっとっ!!」



亀が、ロッドモードにしたデンガッシャーの先から出した釣り糸を、カクロウの右足に絡ませたから。

そして、亀は竿を時計回りに振り回して、アタシらからカクロウを引き離す。



「大・・・・・・漁っとっ!!」



そして、そのままカクロウは近くの民家に叩きつけられた。



【ウラタロス、ダメだよ。建物を壊しちゃ】



そして、カクロウはゆっくりと立ち上がる。そこを狙うように、ディードが飛び込んだ。

飛び込んで、右の刃を袈裟に振るう。カクロウは、それを左手を盾にして防いだ。



「あー、ごめんね。でもさ、あんまりに大物過ぎて、跳ねた先が僕にも分からないんだよ」

【確かに重そうだけど・・・・・・とにかく、三人とも早くっ!!】

「・・・・・・分かったですっ! 咲耶、アギトちゃんも行くですよっ!!」

「分かりました」

「おうよっ! ・・・・・・って、お前が仕切るなっ!!」










そして、アタシ達三人はこの隙に全速力で恭文の所に向かった。





でも、やばいぞ。あの中ボスっぽいのより、ゾンビの方が厄介だ。





あの調子でどんどん数を増やされたら・・・・・・! マジで京都大火やられちまうじゃねぇかよっ!!




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「我らを止めるつもりか。・・・・・・ふん、させると思うか?」



飛び出そうとした瞬間、音が聞こえた。これは・・・・・・尺八っ!?

咄嗟に、耳を塞ごうとする。だけど、だめ。身体が動かない。



「な・・・・・・なによ、これ」



ティアの周囲から、魔力弾が揺らぎながら消えていく。一つ、また一つと・・・・・・確実に。



「これ、催眠術? あ、あれ・・・・・・なんか、身体が」



スバルとティア、侑斗さんと幸太郎も崩れ落ちる。というか、私も・・・・・・だめ。

力が、入らない。痺れと眠気が一気に襲ってくる。崩れ落ちて、バルディッシュを手放した。



『・・・・・・人間ごときが、我々に勝てると思っていたのか?
どうやらお前達には、あのチビと電王のような能力が無いと見える』



頭に直接響いてくるような声。うぅ、あり得ない。飛び出そうとしていきなりこれなんて、絶対ありえない。

でも、確かにその通りだ。ヤスフミ達が居なかったら・・・・・・もしかして、だから良太郎さん達の方じゃなくて、こっちに来たのっ!?



『それならばお前達など、雑魚同然だ。我の音色は、キュウビ様から賜りしもの』



地面に落ちたバルディッシュを、手に取る。そして、身体を震わせながら立ち上がろうとする。



『死角など・・・・・・存在しない』





ゆっくり・・・・・・本当にゆっくりと身体を起こす。みんなも、同じ。でも、だめ。



身体が痺れて、上手く動かせない。眠気が、どんどん強くなる。





『全ては、キュウビ様のご意志の元に。・・・・・・やれ』



緑色のゾンビ達が、ゆっくりとこちらに迫ってくる。



≪侑斗・・・・・・しっかり、してくれ≫

≪幸・・・・・・太郎≫



・・・・・・しっかり、して。私。ヤスフミは、頑張ってる。あの子なら、これくらい吹き飛ばせる。

私だって、きっと・・・・・・やれる。プラズマ・・・・・・!



「ラン、サー」





発生したのは、金色の雷光の槍。ただし、数は一つ。

それでも私は、それを放つ。迫り来るゾンビの数体を、貫いた。

貫いたけど、まだ来る。諦めずに、バルディッシュの切っ先を向ける。



諦めない。絶対・・・・・・絶対に、諦め、ない。諦め・・・・・・!!





≪Bats≫



絶対の、絶対に・・・・・・!!



≪Maximum Drive≫



シュピィィィィィィィィィッ!!



「諦めないっ!!」



言葉が、すんなり出た。さっきまで、口を動かすのも辛かったの・・・・・・あ、あれ?



「・・・・・・あれれ?」





突然に私達の耳に飛び込んできたのは、甲高い音。

それに一瞬だけ頭が痛くなる感覚がしたけど、すぐに消えた。

試しに、左手をバルディッシュから離して握ったり開いたりしてみる。



身体の感覚が、戻ってる。眠気も、痺れも・・・・・・もう、全くない。





「・・・・・・おい、幸太郎」



侑斗さんが、起き上がりながら武器化したデネブさんを両手にしっかりと持つ。



「あぁ。なんか知らないけど」



そして、幸太郎も動く。侑斗さんは前に。幸太郎は後ろにそれぞれ銃口を向けて、放つ。

放たれる弾丸達は、的確に害悪を貫き、火花を上げる。・・・・・・私達も、止まっていられない。



「クロスファイア・・・・・・!!」



ティアは即座に立ち上がり、周囲に20数発の弾丸を生成。



「リボルバァァァァァァッ!!」



スバルの右手のリボルバーナックルから、カートリッジが1発ロード。

手首にあるタービンが高速回転して、渦を巻く。



「プラズマ・・・・・・!!」



私も、同じく。街中だからあまり派手な攻撃は出来ないので、これ。

8発の槍を生成して、バルディッシュの切っ先を・・・・・・背後に向ける。



「ランサー!!」



放たれた雷撃の槍は、こちらへと走りよってきたゾンビ達を撃ち貫く。

一発それぞれが3体ほど貫通して、相手を倒す。



「「シュゥゥゥゥゥゥゥゥトッ!!」」





ティアの弾丸と、スバルの衝撃波が、連中の前方の包囲網の一角に放たれる。

ゾンビ達が右往左往して逃げようとするけど、無駄だよ。

密集してるから、避け辛い。普通に、両側に建物もある。



そのまま、ゾンビ達は後方に下がる。でも、途中で躓いて雪崩のようにコケた。

そこに弾丸は上から雨のように降り注ぎ、前方からは衝撃波が襲う。

そして、爆発が起こる。それにより、連中の一角に穴が空いた。





「スバル、ティア、行ってっ!!」



右手で持ったバルディッシュを後方に向けながら、再びランサーを生成。

幸太郎は、掃射するようにテディで射撃を行っている。だから、ダメ押し。



「プラズマスマッシャー・・・・・・!!」



威力を絞り、貫通力も低めにして、左手で砲弾を生成。もちろん、相手の防御能力も考慮の上。

貫通して、向こう側の民家なんかに届かないように、慎重に・・・・・・撃つ。



「ファイアッ!!」





放たれた金色の砲撃は、放電しながら二人の前の敵を薙ぎ払った。

すかさず、そこにスバルとティアが飛び込む。飛び込んで、走り抜ける。

というか、スバルがティアをおんぶ・・・・・・最初の頃みたいにしてる。



スバルはそのまま最高速で突き抜けて、直進して行く。





「フェイトさんっ! 侑斗さんと幸太郎も・・・・・・行ってきますっ!!」

「あと、よろしくお願いしますねっ!!」



そのまま、二人は曲がり角を右に入って、視界から消えた。

とりあえず・・・・・・今のでそこそこ数は削れた。



≪フェイトさん、侑斗に幸太郎も、大丈夫?≫

「なんとかな」

「俺も。フェイトさんもオーケーっぽいね」

「うん。私も大丈夫。・・・・・・バルディッシュ、ライオット行くよ」

≪Yes Sir≫



私は、バルディッシュの先を地面に向ける。そして、バルディッシュが変形を始めた。



≪Riot Form≫





生まれるのは、あの子との絆。あの子が居たから、出会えたから生まれた力。

片刃の雷光の剣・・・・・・ライオット。私は、自然とその柄を握り締めてしまう。

やっぱりだ。さっきまでの違和感が、全部吹き飛んでる。だから、魔法もちゃんと行使出来る。



でも、どうして? 私達がヤスフミみたいに跳ね除けたと言う感じでは、ないし。





≪Sir、答えは上にあります≫

「上?」

「・・・・・・おい、なんだよあれ」



侑斗さんが私達の上を指差す。そこには・・・・・・青い、コウモリ?

ただし、自然なものじゃなくて機械的な物。それが、私達の頭上で羽ばたいている。



≪Sir、あのコウモリから超音波が発生しています≫

「超音波? ・・・・・・あ、そっか」

≪えぇ。それにより、Sir達への催眠術を無効化しているようです。
恐らくは、相殺する周波数の音波を流しているのでしょう≫





そっか、今回はキャラ持ちの子しか聴けないという類のものじゃないしね。だから出来たんだ。

現に、ヤシロウは尺八を必死に吹き続けているけど、私達はもう平気。

だけど・・・・・・あれは、何? 私達のものじゃないし。というか、変だな。



アレ・・・・・・どっかで見た覚えがあるんだけど。





「・・・・・・おい、なんか音しないか?」

≪そうだな。何か・・・・・・巨大なものが走ってくるような≫

「というか、音がこっちに近づいてる?」

≪Sir、未確認の反応が二つ。注意してください≫

「今度は、何かな」



その音と共に、私達の後ろに現れた物が有る。それは、車。

赤いキャノビーに黒い車体。後部に丸い何かを背負っている車。



『・・・・・・これ、なにっ!?』





ただし、大きい。普通に四メートルとかそれくらいはある車が、凄い勢いで走ってきた。

それに、私達の後方に居たゾンビ達が跳ねられる。というか、逃げる。

車は、本当にアッサリと私達の前に来た。・・・・・・でも、それだけじゃない。



その横から、前方が黒で、後方が緑色のカラーリングのバイクが来た。

バイクに乗っているのは、男の人・・・・・・らしい。体型からそれが分かった。

そして、車のキャノビーが開く。そこから、男の人が出てくる。



髪を左に流して、どこか可愛らしい感じの顔立ち。

縞々の長袖のシャツに、白系統の短パンに黒のブーツ。

その上から、緑色のノースリーブのコートを着てる。



バイクから降りてきた男性も、オレンジと白の縞模様のジェット型ヘルメットを脱ぐ。

バイクの男性の方は、黒のズボンに白のYシャツに黒のネクタイを締めている。

そして、これまた黒のノースリーブの薄手の上着着用。



どこからともなく、同じ色のハットを取り出し、頭に被る。






「・・・・・・危ないところだったね」



キャノビーから地面に飛び降りながら、言葉をかけてくる。

もちろん、私達に対して。でも、私達の知り合いじゃないから、正直困惑してる。



「フィリップ、お前、よく咄嗟にこんなことを思いついたな」

「まぁ、ぶっつけ本番ではあったけどね。ただ、確信はあった。
バットの超音波なら、必ずあの怪人の攻撃を無効化出来ると思ったから」

「なるほど、音には音ってわけか?」

「そういうこと」



バット? バット・・・・・・コウモリ、超音波。もしかして、あのコウモリはこの人達が?



「・・・・・・さてお嬢さん、大丈夫ですか? どこか、おケガなどは」



優しく、紳士的に私の方に駆け寄りながら、バイクの男の人が声をかけてくる。



「あ、はい。大丈夫です。・・・・・・あとすみません。私は彼氏が居るので」



そして、ズッコケた。・・・・・・やっぱり、ナンパだったんだ。

ヤスフミから教えてもらったやり口だったから、すぐ気づいたよ。



「ちっがーうっ! なんでいきなりナンパ野郎に認定っ!? さすがにこの状況でそんなことしねぇよっ!!」

「あ、ごめんなさい。それであの、あなた達は」

「あ、お前・・・・・・あの時の探偵っ!? お前ら、なんでこんなとこ居るんだよっ!!」

「あー、そっちの青いのは・・・・・・あれか、あのオレンジ髪の嬢ちゃんと一緒に居た奴か」



え、幸太郎の知り合いなのっ!?



≪幸太郎、知り合いか?≫

「ちょっとだけな。で、なんでお前らがここに居るわけ? ありえないだろ」

「なに、ちょっとした用事だ」



言いながら、コケた時にずれた帽子を、その人は右手で正す。



「なるほど。君達が電王と・・・・・・魔導師、だね」



車から降りてきた男性の言葉に、私達は耳を疑う。

この人達、電王とかはともかくとして・・・・・・魔導師の存在を知ってるっ!?



「確か、あなたはフェイト・T・ハラオウン・・・・・・ですよね?」

「ど、どうして私の事までっ!!」

「『蒼凪恭文』の関連データに、あなたの事がありました。
相当な天然で、彼の好意を8年間スルーしてたとか」



どうしてそこまでっ!? あの、本当に私はこの人達と知り合いでも何でもないんですけどっ!!



「それで、『蒼凪恭文』はどこですか。僕は、彼に会いに来たんです。
あぁ、実に興味深い。是非ともキャラなりやユニゾンを見せてもらいたいと思って」

「ちょ、ちょっと待ってください。あの、どういうことでしょうか」

「・・・・・・・・・・・・待てっ!!」



その声に、私達はそちらを見る。すると・・・・・・なんか怒ってる集団が居た。

普通にゾンビ達が地面を蹴りながら、怒りを発散している。



「極々自然に我らを無視するなっ! それになにより貴様ら・・・・・・何者だっ!!」



そして、モウリョウ団も正体が分からないらしい。普通に、ゾンビ達も含めて驚いている。



「おいフィリップ、とりあえず話は後だ。・・・・・・おい、お前らがモウリョウ団か」

「そうだっ! ・・・・・・って、私の質問に答えろっ!!」

「うるせぇっ!!」



怒り混じりに、バイクの人が地面を蹴る。どうやら、この人も相当怒ってるらしい。



「てめぇらのせいでな、こっちはいきなりこんなとこに跳ばされて迷惑してんだよっ!!
その上・・・・・・街を焼こうとしてるらしいじゃねぇかっ! いい加減アッタマきたっ!!」

「まぁ、要約すると・・・・・・僕達は君達の敵で」



車から降りてきた人が、私と幸太郎、侑斗さんを見る。



「彼女達の味方ということかな」





そして、二人は私達の脇を通り過ぎながら、前に出る。

前に出て、バイクの人があるものを取り出した。

それは、赤い・・・・・・え? あれ、なにかな。



何かのスロットのような物が付いていて、こう・・・・・・あれ?





「そういや、自己紹介が遅れたな」



やっぱり、見覚えがある。なんだろう、私はこの人達の事を知ってる。



「俺の名前は、左翔太郎。コイツはフィリップ」





翔太郎と名乗ったバイクの男の人が、腰の前面にその赤い何かを当てる。

すると、その両側から黒いベルトが生まれて、腰に装着された。

どうやら、あれはバックルだったらしい。でも、驚くべきことがまだある。



そのベルトが、フィリップという人の腰にも、装着・・・・・・あれ? ちょっと待って。





「僕達は、二人で一人の探偵さ。そして、またの名を」



えっと、ちょっと待って。・・・・・・私、この人達知ってる。



「「仮面ライダー・・・・・・W(ダブル)」」



か、仮面ライダー!? そうだ、思い出したよっ!!



「じゃあ、アンタ達・・・・・・じいちゃんや俺達と同じっ!!」

「一応、そうなるね」



そうだよっ! この人達・・・・・・私はあんまり見れてないんだけど、今放映している仮面ライダーだっ!!

確か、探偵で、ハードボイルドで、それでそれで・・・・・・二人で一人のライダーに変身するって言うのっ!!



「つーわけで、俺達も手伝うわ。いいよな」



ま、まぁ電王やディケイドが実在してるくらいだし、他のライダーが居ても・・・・・・って、ちょっと待って。



「あの、でもあなた達は今回の事とは無関係で」



そうだよ。私達や唯世君の事とは、基本無関係なんだよ?

あの、助けられてこう言うのもアレなんだけど・・・・・・関わる理由が、分からない。



「確か、フェイトさんっつったよな。・・・・・・それは違うぜ」





だけど、それは無意味な疑問だった。二人は、一歩足りとも引かない。

というか、私は知ってたはず。この状況で飛び込む人間の気持ちを。

だって、私の大切で、大好きな男の子だったら、この二人と同じ選択をするから。



その人は、言いながら上着の左の内ポケットから、あるものを取り出す。





「確かにここは、俺達の住んでる街でも、時間でもない。
俺達は、単純に巻き込まれただけで無関係なのかも知れない」



取り出しながら、見据えるのはきっと私達と同じもの。絶対に変えなくちゃいけない・・・・・・今。



「でもな・・・・・・それは誰かが泣いてるのを見過ごす理由には、ならない」



それは、黒い長方形型のUSBメモリ。



「俺達の目の前で、こんなに哀しい風が吹き荒れるのを見過ごす理由には、決してならない」



その差し込み部分にあるボタンを、右手の親指で押す。



「だから、戦う。哀しい風を、誰かの涙を止めるために」

≪Joker!!≫

「それが、俺達・・・・・・仮面ライダーってやつなんだよ」

「フェイトさん、もしあなたが僕達を巻き込む事を気に病むなら、今すぐ僕達に依頼してくれればいい」



もう一人の人も、左手で同じようにメモリを取り出す。その色は・・・・・・緑色。



「え?」

「さっきも言ったように、僕達は探偵だ。だから、必ず依頼人あなたの力になる。・・・・・・だったよね、翔太郎?」



言いながら、同じようにメモリのスイッチを押す。



≪Cyclone≫

「あぁ。報酬は・・・・・・そうだな、『蒼凪恭文』って奴を、コイツに会わせてやってくれ。
事情は後で話すが、コイツがすっげー話したがってんだよ」





そう言えば、さっきからずっとヤスフミの名前を出していた。・・・・・・あ、待てよ。

確か、フィリップ・・・・・・さんは、星の本棚って言う色んな情報を持ってるデータベースの保有者だって言ってたっけ。

あ、もしかしてそれで私や電王、魔導師の事やヤスフミの事を知った? それで、興味を持っているのかも。



この人の目には、悪意のようなものは感じないから。あるのは、純粋な興味。





「出来れば、依頼してもらえると助かるな。このままだとうちの事務所が非常に大変な事になって、俺も困るんだよ」



その人は、少し振り返って私を見る。だから私は、みんなを見る。みんなは、頷いた。

それを見て・・・・・・私は、気持ちを決めた。私はもう一度その人を見て、頷く。



「分かりました。なら、私からあなた達に依頼します。
・・・・・・私達と一緒に戦って、この街とここに住む人達を守ってください」



その人は満足そうに笑うと、前に視線を戻した。

フィリップさんと並んで、二人でWを描いているように腕でポーズを決める。



「あ、でもヤスフミにひどいこととかはだめですよ? それは、絶対ダメ」

「大丈夫だ。そこは俺も監督して厳守させる。んじゃ、行くぜ・・・・・・フィリップ」

「了解」



二人で一人の探偵を名乗ったあの人達は、同時に・・・・・・あの言葉を口にした。



「「・・・・・・変身」」





そして、緑の人が自分のベルトの右側に、メモリを挿入する。

すると、メモリが・・・・・・えっと、翔太郎さんのバックルに転送された。

その人は右手で緑のメモリを押し込む。



フィリップさんは瞳を閉じて、そのまま左にバタリと倒れた。



・・・・・・えぇっ!? どうして倒れちゃうのかなっ!!





「ほい、キャッチっ!!」



そう言って、倒れたフィリップさんをキャッチした女の子が居る。

黒髪の一部を結わえて、サイドポニーにしている子。そして、その子と目が合った。



「・・・・・・あ、どうもー」



言いながら、そのままフィリップさんの身体を引きずっていく。後ろの方に、ズルズルと。



「いやいや、お前誰っ!?」

「あ、気にしないでいいですから。どうぞどうぞ続けちゃってください」

『気にするからっ!!』





そんな私達の動揺を他所に、翔太郎さんは左手で自分のメモリを差す。

左右に、緑と黒のメモリが挿入された。

翔太郎さんが両手をバックルにかける。かけて、バックルを開いた。



バックルのメモリが入った部分が、開いてWを形取ったような形状になる。





≪Cyclone・・・・・・Joker!!≫





生まれたのは、光。翔太郎さんは両手を広げながら、紫色と緑色で構築された球体に包まれた。

その中で、下から上へと姿が変わっていく。右が緑色で、左が黒色の姿に。

瞳は赤く、額から銀色の二本の角。首の左側から、同じ色のマフラー。



全身にWを模してると思われる装飾が・・・・・・って、間違いない。私がちょっとだけ見た通りだ。



変身を完了した瞬間に、風が吹き荒れる。その風に、私達もモウリョウ団も押されて、たたらを踏む。





【「・・・・・・さぁ」】



右手でモウリョウ団を指差したかと思うと、すぐに右手を引きながら、左手を動かす。

動かしながら、左手で連中をまた指差す。そのまま、言葉を続ける。



【「お前の罪を数えろ」】



・・・・・・それは、ヤスフミが魔導師になった頃からたまに言うセリフ。同じセリフを、その人達は口にした。

そうなんだよね。どういうわけか、Wが放送されるずっと前から言ってる。それは、正直不思議。



「んじゃま」



翔太郎さん・・・・・・ううん、Wは左手を肩くらいまで上げて、一回スナップさせる。



「行きますか」

【翔太郎、狙うはあの黒い怪人だ。奴さえ倒せば、催眠攻撃で悩まされる心配はない】



左目が点滅する度に、フィリップさんの声が聞こえる。・・・・・・そうだそうだ、こういう感じだった。

というか、私さっきまでどうして忘れてたのっ!? なんか、色々だめだと思うのにっ!!



【バットの超音波の効果範囲外の人間を操られると、厄介だ。一気に決めよう】

「了解。アンタらも、それでいいな」

「勝手に仕切ってんじゃねぇよ」



侑斗さんが、言いながらもWと並ぶ。というか、私と幸太郎も。



「んじゃ、ここは素敵なレディに任せた方がいいか?」

「・・・・・・ですから、私は彼氏が」

「そういう意味じゃねぇよっ! あぁもういい、行くぞっ!!」





私達は、前へと四人で踏み込む。狙うは・・・・・・ヤシロウ。

まず私達を追い抜く形で、侑斗さんと幸太郎が前方に出て、そのまま直進する。

走りながら、二人はデネブさんとテディを構えた。



構えて、二人はそれぞれに引き金を引く。もちろん、前へと進みながら。





「「いけっ!!」」



再び、弾丸達が放たれる。弾幕と言うのに相応しい量の弾丸達が、こちらへ走ってきたゾンビ達を襲う。

それを食らい、ゾンビ達の足が止まる。私とWは、跳んだ。



「「はぁっ!!」」



私は幸太郎の左肩に。Wは侑斗さんの右肩に足をかけて、跳び上がる。

飛び上がって、まずWが先に降り立つ。ヤシロウの前へと着地し、走る。



「えぇい、邪魔をするなっ!!」



ヤシロウは尺八の一部分を引き抜いて、短剣を構える。その短剣を、逆手で袈裟から打ち込んだ。



「やかましいっ!!」



それを、Wは少し後ろに下がって避けた。ヤシロウは短剣を、今度は順手に持ち帰る。

持ち替えてから、右切上に撃ち込む。Wはそれも避けた。避けて、踏み込む。



「うりゃっ!!」





右足でミドルキックを叩き込んだ。それに、ヤシロウは怯む。だけど、すぐにまた前へ走る。

Wはゆっくりと歩きながら、右足で後ろ回し蹴り。ヤシロウの突きを、それで払う。

足に纏うのは、緑色の風。その風は、まだ吹き荒れる。そして、攻撃も続く。



払われて、Wの右サイドに回り込む形となったヤシロウは、右薙に短剣を打ち付ける。

Wは右手で手首を受け止め、そのまま掴む。そして、風を纏った右足を、何度もヤシロウの腹に叩きつけた。

1発、2発、3発と叩きつけ、手首を離しながらヤシロウの頭に向かって、右足で回し蹴り。



ヤシロウは、それにより地面を転がりながら後ろに下がる。

私はと言うと、ゾンビ達とヤシロウ、Wを跳び越えて、ようやく着地。

振り向きながら、ライオット状態のバルディッシュをしっかりと握しめる。



そして、ちょうど吹き飛んだヤシロウの背後を取った私は踏み込む。





「バルディッシュ、行くよっ!!」

≪Yes Sir≫



距離は、一瞬で零になる。ヤシロウは、尺八を構えて私に弾丸を放つ。

ヤスフミと良太郎さんから聞いてた攻撃。だから、すぐに対応出来た。



≪Sonic Move≫





生まれたのは、雷光。攻撃してきたヤシロウの背後に回り込む。そのまま、逆袈裟に一閃。

バルディッシュの刃はヤシロウの背中を叩き、火花を上げる。ヤシロウは、たたらを踏んで前のめりに倒れかける。

そこを狙って返す刃で袈裟に撃ち込む。ヤシロウは、短剣を備えて私の刃を受け止めた。




でも、構わずに振り切る。銀色の刃と金色の刃が交差し、火花を散らせる。

次は、右薙、袈裟、逆袈裟と前へ踏み込みながらも攻撃していく。

ヤシロウは後ろに下がりながらもそれを受け止める。そして、私は力を込めて、左薙で一撃入れる。



逆手に持った刃を盾にしながら、それを受け止めようとする。でも、もうだめ。



打ち込みながら、カートリッジを2発ロード。ライオットの刃が、強く輝いた。





「はぁっ!!」





放たれた斬撃は空間を薙ぎ、短剣を真っ二つにして、ヤシロウの身体を斬り裂いた。

また、後ろにたたらを踏む。だから、続けて行く。袈裟、右切上、唐竹・・・・・・次々とライオットを撃ち込む。

そのたびに火花が上がり、ヤシロウが圧されていく。・・・・・・よし、いい感じ。



刃を返して、左切上で打ち込んだ。でも、その瞬間ヤシロウが素早く動いた。

それを、ヤシロウは宙返りしながらも跳んで回避。私の後ろに着地した。

私が振り向く前に、短剣を尺八に戻してまた射撃体勢に入る。



というか、後ろにも弾丸が数発生成された。・・・・・・狙うは、W。



私がフォローするかどうか迷っている間に、弾丸は放たれた。





≪Defensor≫





黒い、針のような弾丸を、私はディフェンサーで全て防ぐ。

防ぐけど、Wには盾のような物が・・・・・・え?

弾丸が迫る中、Wは緑色のメモリをバックルから抜き出した。



メモリのスロットの展開を、一旦閉まった上で。





≪Luna≫





そして、右のスロットに金色のメモリを入れた。・・・・・・黒のメモリには『J』を象ったロゴ。

緑のメモリには多分・・・・・・風をイメージしたロゴが入ってた。

そして、金色のメモリには、三日月を象ったロゴ。それを挿入して、スロットをまた展開する。



その瞬間、Wの右半身が金色に変わった。変わりながら、変身音らしきものが鳴り響く。





≪Luna・・・・・・Joker!!≫





そして、Wが右腕を振るった。それに私は驚いた。

だ、だって・・・・・・右腕が2メートルくらいに伸びて、それで弾丸を払ったの。

まるで鞭のように右腕がしなり、弾丸の全てを撃墜。



そして、腕を振るうのをやめると腕が元の長さに戻った。





「何だとっ!? 待て待て、そんなのアリなのかっ!!」

「アリだよっ!!」










そして、Wが跳び上がる。飛び上がって、右足を『伸ばす』。





伸びた右足は、そのまま鞭か何かのようにしなって、ヤシロウを攻撃する。





というか、あの・・・・・・これって、いわゆるチートなんじゃっ!!




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「いい加減、釣られてよっ!!」



私と入れ替わる形で、ウラタロスさんが踏み込む。そして、竿を突き出す。

なお、槍ではないらしい。そこは、確定。



「ふんっ!!」



突き出される竿の切っ先を、カクロウは両手を使って叩き落としていく。後ろに下がりながら、子どもの手をあしらうように。

ウラタロスさんは変わらずに、前進しながら突き出していく。そして、その間に私は・・・・・・。



「ジークさん、ハナさんを連れて下がってくださいっ!!」

「・・・・・・分かったっ!!」





ゾンビの一体の顔面を、手の甲で殴っていたジークさんが、すぐに走る。

そして・・・・・・普通にゾンビの腹を殴ったりして戦っていたハナさんを抱き上げて、一気に上に飛ぶ。

・・・・・・ハナさん、変身しなくてもお強いとは聞いていましたけど、まさかここまでとは。



二人が屋根の上に乗ったのを確認してから私は、行動を開始。

ツインブレイズを伸ばして、背後から迫っているゾンビ達に向かって振りかぶった。

・・・・・・私のIS、ツインブレイズというのは、元々私のエネルギーを剣状に固めたもの。



JS事件当時は、時間的な都合で実装されなかった機能がある。それは、刃の伸縮機能。

そう、ツインブレイズは長さを調整することが出来る。そして、しなりを私の意志でコントロールも出来る。

なお、この機能はヒロリスさんの協力の元、追加実装させてもらった。そして、これらを組み合わせるとどうなるか。



簡単だ。シグナム二尉のレヴァンティンのシュランゲフォルムや、ヒロリスさんのアメイジアのサーペントフォルムと同じになる。

ゾンビ達を斬り裂き、払いのけるのは赤き刃。それが私の腕の動きに合わせて鞭のようにしなり、その侵攻を食い止める。

それから、右のツインブレイズを元の長さに戻す。戻して、私はカクロウに向かって踏み込む。



ウラタロスさんは数度突いた後、顔面を狙って、また突きを放つ。だけど、寸前で止めた。

止めて、その穂先を足元に向ける。そして、左から竿で足払い。

でも、それは失敗に終わった。火花が散るだけで、カクロウをこけさせることは出来なかった。



それに、驚いた様子でウラタロスが顔をあげる。カクロウは鼻を鳴らしながら、左拳を振りかぶった。





「させないっ!!」





私は踏み込みながらも左のツインブレイズを突き出す。そして、伸ばす。

切っ先は、青い電王の胸元に迫っていた左拳を貫き、逸らした。

僅かに左肩のアーマーが叩かれて、ウラタロスさんが少し体勢を崩す。



でも、すぐに後ろに下がった。そして、私は驚いていた。

ツインブレイズの刃・・・・・・貫いたと思っていたのに、貫通してない。

ただ、小さな傷が付いただけ。そして、カクロウは伸びた刃を右手で握った。





「中々面白いことするじゃねぇか、女。だが」



右拳を、握り締める。刃のついた私の力を、そのままだ。そして・・・・・・刀身を、砕いた。



「温いなっ!!」





『バキン』と、音を立ててツインブレイズの刀身が途中から砕けた。

私は、一瞬だけ動きが止まってしまった。刃は、すぐに再生出来るのに。

でも、その間にカクロウは踏み込んだ。踏み込んで・・・・・・私に拳を突きつける。



私はISを発動させて、後ろに回り込む。そして、左の刃をエネルギーを注ぎこんで修復。





「IS・・・・・・ツインブレイズッ!!」










そのまま両手を振り上げて、二刀を上段から叩き込んだ。カクロウは、それに即座に反応した。

右手をまた、盾にした。盾にして、私の二刀を受け止めた。黒い装甲と赤い刃が衝突し、火花を上げる。

その間に、カクロウは右足を上げた。上げて、私の腹目がけてそれを打ち込んだ。





乱暴な、いわゆるケンカキック。私は後ろに下がりながら、ツインブレイズを逆手に持って盾にした。

刃で足を受け止めるけど、そのまま吹き飛ばされる。・・・・・・なんて、バカ力。

吹き飛ばされながら、地面を滑るようにして着地。とりあえず、ダメージはない。





でも、カクロウはまた鼻を鳴らしながら、突進してきた。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



”わわわ、ディードちゃんやばいよー!!”

”亀の字、俺に変われっ! 一気に決めたるっ!!”



確かに、僕や先輩の苦手なタイプだし・・・・・・ここは、金ちゃんかな。良太郎、それでいいよね。



”うん。というか、早くして”



ディードちゃんは、突進を何とか避けた。避けたけど、民家がまた・・・・・・とにかく、金ちゃんよろしく。

僕は、金色のボタンを押してから、左手でパスをバックルにセタッチする。



≪Ax Form≫




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「お前、人間のくせに強いな。殺すのが惜しいくらいだ」





・・・・・・突撃という部分だけなら、スピードはある。でも、全体的に言えば私の方が上。

だけど、パワーが圧倒的過ぎる。多分、1発でもマトモに食らったら、沈む。

私に足りないのは、火力。ツインブレイズさえも受け止められるほどの装甲・・・・・・どうすれば。



迷う時間は、そんなにないらしい。また、カクロウは飛び込もうとする。でも、すぐに取りやめた。



後ろから、金色で斧の付いた仮面と、それと同じ色と黒の色合いの分厚い装甲を装着した電王が、突撃してきたから。





「俺の強さは・・・・・・!!」





突撃しながら、右手を突き出す。それは、いわゆる張り手というもの。



それをマトモに食らって、カクロウは前のめりに『ズシーン』と音を立てて倒れる。





「泣けるでっ!!」



これは・・・・・・キンタロスさん。そうか、入れ替わったんだ。



「お前・・・・・・!!」



カクロウは、立ち上がりながらキンタロスさんに振り向く。

反時計回りに振り向いて、そのまま右手で殴りかかる。



「邪魔してんじゃねぇよっ!!」





それを、キンタロスさんは胸の分厚い装甲で受け止める。だけど、少し圧されてしまう。

圧されてしまうけど、それでも足をしっかりと踏ん張り、攻撃を受け止める。

そして、右手でカクロウの胸元に向かって張り手。カクロウはたたらを踏んで、後ろに下がる。・・・・・・効いてる?



そのようすを見て、キンタロスさんは右手の親指を顎に当て、そのまま押し込んで首を鳴らした。





「何言うとるんや。女子どもいじめて楽しむような奴、放っておけるわけないやろ」

「ほう、言うじゃねぇか。・・・・・・なら、お前をいじめるとしようかっ!!」










・・・・・・私は、呼吸を整えて踏み込んだ。あの分厚い装甲を貫く手段を、考えながら。

私の火力は、実は相当だと思う。でも、それでアレというのは、実戦では初めての経験。

だから、戸惑ってる。でも・・・・・・それでも、踏み込む。私は、引くことなんて出来ないから。





守りたい人がいる。守りたい時間がある。だから、引けない。私は・・・・・・今を戦って、それらを守る。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



≪見てみて侑斗っ! なんか伸びてるっ!!≫



あぁ、そうだな。すっげー伸びてるよな。まるでゴムか鞭みたいに・・・・・・って、違うだろっ!!



「バカっ! アレはいいからこっちに集中しろっ!!」





迫り来るゾンビ達に、一気に突っ込む。もちろん、幸太郎と二人で。

そして、走りながらも互いのパートナーを構え、また弾丸を撃ち込む。

それに構わずに連中は突っ込んでくる。仲間がどんだけやられても、同じだ。



そして、俺達は接触。手の届く距離まで来た。ゾンビの一体が、右拳で殴りかかってくる。

それを、身を伏せながらも進みつつ回避。次は、横から両腕を広げて一体飛び込んできた。

左足を伸ばして蹴り。それで距離を取る。そして、他の連中もこっちに来る。



俺はジャンプして、手近な所に居た奴の肩に足をかけて、更に上に跳ぶ。

目指すは、左側の2階建ての屋根の上。俺は着地してから、すぐに振り返る。

そして、幸太郎に当たらないように・・・・・・デネブの引き金を引いた。










「いけっ!!」





放たれる弾丸は、雨のように降り注ぎ、連中を撃ち抜く。

幸太郎は・・・・・・近づいてくる奴を下がりながら斬り払ってる。

斬り払いながら、俺の射線軸から外れてる。・・・・・・マジで、安心出来るわ。



そして、連中もバカじゃなかった。何体かが身を伏せたかと思うと、一気に飛び上がってきた。

俺は左右に挟まれる形になる。左側の奴が、殴りかかるように飛び込んでくる。

相手の右サイドに回りこむようにそれを避け、蹴り飛ばす。その隙に近づいてきたのには、こうだ。



デネブの銃口を向けて、零距離で弾丸をばら撒く。胴体から火花を散らし、後退りしながらもそれを食らい続け、爆発した。

その隙に後ろから殴りかかって来るのが、二体。俺は跳びつつ振り返り、その二体を狙い撃つ。

弾丸が屋根を砕き、連中も砕く。連中はたまらず地面に落ちた。





≪侑斗、あんまり街を壊しちゃだめだ。後で、修理するのは大変なんだぞ?≫

「バカっ! この状況でそんなこと」



言いかけて・・・・・・俺が壊した屋根を見る。



「まぁ、極力気を付けるか」

【うん、それが一番だ】




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



≪幸太郎、右だ≫

「分かってるよっ!!」



右側から来てた奴を、足にテディを打ち込んでこけさせる。

で、峰に手を添えて俺はそいつの胴にテディを突き刺した。これで、また一体。



「しっかし」



侑斗さんは、フェイトさん達の方へ走りながらデネブで攻撃をしかけてる。なお、屋根の上から。

俺も、そっちに進みつつ来た奴を斬っていく。袈裟に、横薙ぎに刃を打ち込みつつ、徐々にだ。



「ホント」



左から殴りかかってきた奴の攻撃を、テディの刃で受け止める。そして、後ろからまた一体。



「はぁっ!!」



そのまま拳を斬るようにテディを袈裟に振り抜く。振り抜いて、回転しながらこれまた袈裟に後ろの奴を斬る。

テディをくるりと逆手で持って、さっき斬った奴に向かって、切っ先を突き出し、銃口を向ける。



「数多いよなっ!!」



そして、零距離から弾丸が掃射されて、そいつは俺の後ろで爆発した。



≪というより、倒す側から補充されていないか?≫



そのまま順手にテディを持ち帰る。なお、左手にはパス。



≪Full Charge≫



ベルトから赤いエネルギーが、バチバチと火花のようにテディに流れて行く。

そして、テディの刀身が赤く染まった。俺は、そのまま左薙に身体を回転させる。



「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」



そうして俺は、周辺に迫っていた10数体のゾンビを斬った。ゾンビ達は、そのまま爆発する。



「・・・・・・もしかして、ボスキャラ止めないとコイツら全滅しない仕様とか?」



周辺のゾンビが、俺と距離を取る。こっちの間合いじゃないけど、すぐ踏み込める距離に居る。

それを見ながら、俺は少しだけ息を整える。そして、テディと作戦会議。



≪あり得るな。この場合、あの虚無僧か≫

「モウリョウ団のボス、だよな」



2時方向から迫っていた奴を、逆袈裟にテディを打ち込んで斬る。



「試す価値、あるかな」

≪あぁ。だが、万が一だめな場合は≫

「じいちゃんと恭太郎、歌唄達頼みってワケか。ま、そこはいいだろ」

≪それもそうだな≫










俺は、屋根の上の侑斗さんを見る。侑斗さんは、当然交戦中。

殴りかかってきたゾンビの右拳をデネブの砲門で払いながら、至近距離で弾丸を撃ち込んでいた。

そして、左足で回し蹴り。ゾンビを一体叩き落とした。後ろから迫ってきていた奴は、左手を広げてラリアット。





倒れて、起き上がろうとしているに弾丸をばら撒いて、蜂の巣にする。そいつも、爆発して倒れた。

で、俺の視線に気が付いて、頷いてフェイトさん達の方に走った。どうやら、同じことを考えてたらしい。

だから俺も、両手でテディをしっかりと握り直して・・・・・・踏み込んだ。





邪魔する奴を、袈裟、逆袈裟と刃を打ち込んで斬り払いながら。そして、前に立ちはだかる奴が一体。

俺は殴りかかるそいつの攻撃を跳んで避けて、頭を踏んづける。そこから、また飛ぶ。

跳んで、宙返りしながらテディの銃口を向ける。そのまま、弾丸をばらまく。





それに、ゾンビ達はひるんで動きを止めた。その間に、俺は着地。また、前に走り出した。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



【・・・・・・翔太郎、フェイトさん、とりあえずその尺八を壊してしまおう。
仕込み短剣の破壊だけでは、足りないらしい】

「了解。アンタも、それでいいか?」

「分かりました」



とりあえず、私の疑問はあんまり意味がないらしい。普通に流されたもの。

・・・・・・Wの左腕が動く。そこに持たれていたのは、銀色のメモリ。というか、また新しいメモリ?



≪Metal!!≫



そして、先ほどと同じようにメモリを挿入。今度は、左側が銀色に変わった。

言うなれば、鉄。そう、正しく『メタル』という印象だった。



≪Luna・・・・・・Metal!!≫

「この・・・・・・ころころと早変わりしおってっ!!」



ヤシロウが振り向きながら、Wに向かって弾丸を放った。

Wは、左半身を盾にするようにそれを受け止める。というか、弾いた。



「はぁっ!?」

≪・・・・・・なるほど。アレが彼らの戦い方ですか≫

「うん、そうだね」



そうだ、テレビでもあんな感じだった。特性の違うメモリを組み合わせて、戦闘スタイルを変える。

確か、腕が伸びたのも・・・・・・あ、私見てる。それで、確かこれもヴィヴィオと一緒に見てた。



「・・・・・・効かねぇなっ!!」



金と銀の二色になったWが、左手を背中に伸ばす。すると、そこに棍が現れた。

その棍は、取り出した瞬間に両端から金色をした裾部分が生まれる。それをWは、両手で持つ。



「うぉりゃあっ!!」



それも、また鞭のようにしなった。ヤシロウは当然のように避けようとする。だから、止める。



≪Plasma Lancer≫



私の頭上に、5発生成。あんまり攻撃しちゃうと、Wの攻撃を邪魔しちゃうから、これくらいにしておく。



「ファイアっ!!」





しなり、ヤシロウの身体を叩く棍・・・・・・ううん、鞭の動きを見ながら、一発ずつランサーを発射する。

ヤシロウの逃走経路を叩き潰すような形で、頭上から撃ち込む。

それに、ヤシロウは攻撃を食らいながら右往左往する。・・・・・・私は、4発目を撃ち込んだ。



右に逃げようとしていたヤシロウの目前に落ちるようにランサーは降り注ぎ、地面を貫く。

それに、ヤシロウの足が止まった。そこを狙って、鞭がしなる。狙うは、ヤシロウの右手。

しなって、その手の甲を激しく叩く。ヤシロウの手の平から尺八が放り出される。



ヤシロウは、すぐに取ろうとする。だから、それに向かって最後の一発を叩き込んだ。



私のプラズマランサーは、尺八を砕き爆散させた。・・・・・・これで、よし。





「へぇ、魔導師ってなんかすげーな」



言いながらも、鞭をしならせてヤシロウの胴を叩き、吹き飛ばす。



「というか、それはあなたもですよ」



いや、そこは比喩無しで思うの。だって、腕が伸びたりなんて電王でも無理だし。



【翔太郎、フェイトさん、ここで一気に】



フェイリップさんの言葉と共に、Wの右目がまた点滅する。その声に、私とWは頷く。

Wの右手が頷きながらも動く。金色のメモリが、そこで抜かれた。



「あぁ、分かってるよ。・・・・・・さぁ、お熱いのをカマしてやるぜ」

≪Heat≫



赤いメモリが、右側のスロットに挿入される。そして、バックルが展開された。



≪Heat・・・・・・Metal!!≫



右半身は赤色になり、銀色と赤色の二色になった。立ち上がりかけたヤシロウに向かって、Wが右拳を振りかぶる。

拳に赤い炎が宿り、拳を振り抜くとそれが弾丸になってヤシロウに襲ってきた。



「ちょっとジッとしてろっ!!」

「ぐあっ!!」



ヤシロウは、それに吹き飛ばされる。・・・・・・私は、バルディッシュを身体の右側面に構えた。

そしてWは、棍の中央に備え付けられているスロットに、銀色のメモリを差し込む。



≪Metal!!≫



ヤシロウは、身体の一部を焼かれながらもよろよろと立ち上がる。

Wはそれを見ながら棍を地面と平行になるように、身体の前へ突き出す。



≪Maximum Drive≫



棍の両端から炎が吹き出す。そして、炎は棍を包み燃え上がる。

棍を右手でしっかりと握り、まるで抑えこむようにして、Wは構えを崩さない。



「・・・・・・これで」

「決まりだっ!!」



私達は、同時に飛び出した。バルディッシュから、カートリッジを3発ロード。

先程よりも強い形で、雷撃をほとばしらせながらライオットの刃が輝く。



「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁlっ!!」



左薙での一閃を打ち込みながら、私は斬り抜ける。



【「メタル」】



そして、Wは地面を滑りながらヤシロウに一気に接近。

炎はまるで、ブースターか何かのように吹き出す勢いを強くする。



【「ブランディングッ!!」】





棍を振りかぶり、Wはそれを私と同じように左薙に叩きつけた。そして、振り抜く。



雷撃と炎、二つの力にその身を焼かれながら、ヤシロウが震える。



震えて、私達を睨む。まだ、倒れない。これは、もう一撃かな。





「悪いけど」

≪Full Charge≫



聞こえてきたのは、聞き慣れた声。一つは、私の視界の中から。

そしてもう一つは、屋根の上から。なお、左側。



「それは俺と幸太郎でやる」

≪Full Charge≫



いつの間にか私達の近くに居たのはは、幸太郎と侑斗さん。

侑斗さんはデネブさんを構えて、しっかりとヤシロウを狙う。



「・・・・・・行けっ!!」



放たれるのは、オレンジ色のエネルギーの奔流。それが、震えるヤシロウに直撃する。

両腕を組んで、それにヤシロウは耐えるように力を込める。込めるけど・・・・・・圧される。



「ぐ・・・・・・ぐぅぅぅぅぅぅぅっ!!」



そして、右手でテディを持ちながらしゃがんでいた幸太郎が高く飛ぶ。

飛んで、赤いエネルギーに包まれた右足を突き出し、蹴りを放つ。



「うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」



そして、蹴りがヤシロウに叩きつけられる。そのまま、ヤシロウは吹き飛ばされて、地面を転がった。

転がって、ふらふらと立ち上がる。立ち上がって・・・・・・右腕を、天へと伸ばす。



「・・・・・・キュウビ、様・・・・・・もうしわけ、ありま・・・・・・せ」





言い終わる前に、ヤシロウは前のめりに倒れて、爆発した。赤い炎が燃え上がり、地面を焦がす。



・・・・・・なんとか、なったね。というか、真面目にWが来てくれなかったら危なかったかも。





【よし、これで蒼凪恭文に会いに行けるね】

「・・・・・・ったく、お前いい加減にしろよっ! まだ連中が残ってんだぞっ!?」

「そうです。すみませんけど、このまま協力してもらえると助かります」

【・・・・・・だめ?】

「「だめだ(です)」」



なるほど、好奇心がとっても強い人なんだよね。うん、だんだん分かってきたよ。

侑斗さんが、屋根の上から飛び降りて、私達の方に来る。来ながら、ある方向を見る。



「というかフェイトさん・・・・・・あれ」



幸太郎が、私に近づきながら視線で指す。それは、雑魚兵と思われるゾンビ達。

・・・・・・さっきより、数が増えてるっ!? そんなっ! 侑斗さんや幸太郎が、相当数倒してるのはちらちらと見てるのにっ!!



「おい、フィリップ。どうなってんだよ、アレ。冗談抜きで、このままじゃ蒼凪恭文には会いに行けねぇぞ?」

【・・・・・・どうやら、アレはさっき僕達が倒した怪人が出したものじゃないらしいね】



それは、分かる。というか、多分普通の出し方じゃない。それなら、数が自然と増えて行くなんて、ありえな・・・・・・いや、違う。

今、ようやく分かった。私達から見えないようにはしていたけど、それぞれが分裂して補充していってる。



【翔太郎、フェイトさん。こうなってくると非常にマズい。
増殖の原因を叩かないと、このままではこの街は連中で埋め尽くされる】

「なぁ、姉ちゃんの魔法で一気に殲滅ってのは・・・・・・出来るわけないよな」

「はい。それは、絶対にだめです」



確かに、リミットブレイクでプラズマザンバーブレイカーでも撃てば、一気に殲滅は可能だと思う。

でも、それだけは絶対にだめ。だって、ここは街中なんだよ? 火力があまりに出過ぎるよ。



≪フェイトさんの魔法には、確かにそういう手札があります≫



え、テディどうして・・・・・・あ、未来の時間の私と顔見知りなんだものね。知っていて当然か。



≪ですが、それではあまりに火力が出過ぎて、街に被害が出かねないです≫

「なら、同じ理由でデンライナーやゼロライナーも使えない。
あんなもん使ったら、俺達が京都大火の主犯になっちまう」





侑斗さんの言う通り、最大火力での排除は却下。このために街の人達に被害を出したら、本末転倒だもの。

この場合・・・・・・原因は、なんだろう。あのヤシロウという怪人ではなかったのは、確か。

なら、キュウビ? 首領を止めれば、もしかしたら・・・・・・そうなると、やっぱりヤスフミ達頼みだね。



そして、そんな状況で私達に出来る事。私達がやれることは、ひとつだけ。





「フィリップ、気合い入れろよ。蒼凪恭文に会いたかったら、連中の数を減らすしかねぇ」

【そうだね。フェイトさん、モウリョウ団の首領は】

「ヤスフミが対処してくれています。だから、ヤスフミが勝てば」



でも、ヤスフミとリースだけで・・・・・・ううん、あむも居るんだ。たまごの事なら、二人は専門だもの。

私は、やれることをやろう。今の私がやらなきゃいけないことを、しっかりとだ。



≪それじゃあ、侑斗≫

「あぁ」

「テディ、行くぞ」

≪了解だ≫



Wも、左手をスナップさせて、こちらへ来る。私も、バルディッシュをしっかりと握り締める。



「行くよ、バルディッシュ。もう一頑張り・・・・・・行けるよね」

≪Yes Sir≫

「うん、いいお返事だ」










ヤスフミ、お願い。急いで。この増殖ペースじゃ・・・・・・真面目に私達だけじゃ、そんなに持たないかも知れない。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



『童の世界を、童の大事なものをあざ笑い、壊そうとする貴様ら人間など・・・・・・全て殺してやるっ!!』





キュウビの声に応えるように、9本の尻尾が三度目の再生をする。それを見て、少し呆然としてしまった。

なに、これ? この寒気が走るくらいの負の感情の塊は。こんなの、一人の人間が持ちえるものなの?

名称を思いつく限りの負の感情が、ここにある。人間が生み出せるネガティブさの全てが、詰め込まれてる。



あむだけじゃない。僕も、歌唄もりまも、恭太郎を支えるかえでも唯之介と知らないしゅごキャラも、呆然としていた。





【私には・・・・・・ううん、私達しゅごキャラには分かる。
あの子はもう、目覚めることはないわ。彼女がその可能性を、壊してしまった】



へ? あの、ダイヤ・・・・・・それ、どういうことさ。



【あまりにも多くの×たまのマイナスエネルギーを、注入し過ぎてるのよ。そして、ダメ押しは彼女自身の気持ち。
もう、あの子はもうしゅごたまじゃなくなってる。言うなら、ただのマイナスエネルギーの塊として、存在しているだけ】

【それが、あの人の心に反応して、暴走してるんだ。・・・・・・あの人、本当に辛い目に遭って来たんだね。
自分ではどうしようもないくらいに強い悲しみと怒りと、理解されない寂しさと絶望で、心が壊れかけてる】

「じゃあ、浄化は・・・・・・無理、なの?」



あむが、少し戸惑うように呟く。右肩の上に、半透明のダイヤが現れて、コクンと頷いた。



【・・・・・・×を取っても、元の子が目覚める可能性は、かなり低いと思う】

「そんな・・・・・・」



とりあえず、僕は・・・・・・キャラなり解除。リイン達も来てくれたし、ミキにはあむに付いていて欲しい。

僕の肩くらいの高さに出てきたミキを、見る。ミキは・・・・・・僕の目を見返してる。



「ミキ、あむの方お願いね」

「分かった」

「あと、ありがとね。ここまで付き合ってくれてさ」

「・・・・・・ううん、大丈夫」



僕達全員に対して、殺気を向けてくる黒き獣を前に、ちょっとだけ準備。

ミキとのキャラなりを解除して、あむの方に付かせる。・・・・・・ミキ、ホントにありがと。



「・・・・・・おい、恭文。アレやべーだろ。てーか、普通に急がねぇとまずいぞ」



ゆっくりと、一歩ずつ歩み寄ってくる。アギトに言われるまでもなく、ヤバいのはビンビンに感じてる。



「あの、アギトさん。京都の方・・・・・・相当大変なんですか? さっき大丈夫って、言ってたのに」



あむの質問に、アギトはキュウビから視線を逸らさずに答える。



「悪い、『今のところは』ってのが、上に付くわ。あのままゾンビ達が数を増やしていけば、確実にマズい」

【その原因は、彼女なのね】

「あくまでも可能性の話なのです。でも、あり得ない事ではないのですよ」



というか、話を聞く限りは黒でしょ? それもブッチギリだ。



「・・・・・・というか、どうしてダイヤが目覚めてるですか」

【色々あったの。状況を見て、大体で良いから分かってもらえると、嬉しいわ】

「分かるわけないですよ、それっ!!」





リイン、良いこと言った。さすがは僕のパートナー。僕の言いたい事を、代わりに言ってくれたよ。

とにかく・・・・・・アギト達から簡潔に聞いた話を鑑みるなら、時間はない。

街中じゃあ、フェイト達は広範囲・高火力な殲滅魔法なんて、絶対使えない。



当然、良太郎さんや侑斗さん達もデンライナーやゼロライナー使用は無理。

なら、ここで速攻でアレを止めるしかない。・・・・・・僕はアルトを鞘に納めて、右手でパスを取り出す。

そして、左手で青いデンオウベルトを持って、いつも通りに腰に1発装着。





「リイン、アギト、咲耶」



言いながら、パスを開く。開いて、カードスロットも展開。それから、カードを取り出す。

それは、リインとアギトと咲耶のユニゾンカード。そして三枚は光を放ち。



「待ってくださいっ!!」



それは、リース。息を切らせながらもこちらへ走ってきた。すると、そこに声がかかった。



「おじいさん、これを」



そう言って差し出してきたのは、紫色の風のエフェクトが・・・・・・これ、リースのユニゾンカードっ!?

とにかく、リースは僕の左手を取って、リイン達のカードと一緒に自分のカードを持たせた。



「オーナーから特例として、作っていただきました。・・・・・・私も、一緒に」

「出来るの?」



リースの目を見る。リースは、力強く頷いてくれる。



「やれます。私も、一緒に戦わせてください。あの人を倒すためではなく・・・・・・止めるために。哀しい今を、覆すために」



・・・・・・迷う時間は、ない。だから僕は、リースの言葉に頷いた。

なにより、これは超・クライマックスだもの。だったら、やるしかない。



「分かった。じゃあ、リイン、アギト、咲耶・・・・・・リース」



僕は、後ろを振り返り名前を呼んだ四人を見る。四人も、力強く頷いてくれた。



「行くよっ!!」

『はい(おう)っ!!』





そして、カードに意識を集中させる。すると、四枚のカードは一枚に融合した。



蒼・赤・金・紫が時計回りに配色されていて、その上に氷と火、雷と風のエンブレムが刻まれる。



そのカードを、そのままパスのカードスロットに挿入。





≪Fusion Ride 超・Climax Set up≫



そのまま、パスを閉じる。・・・・・・フェイトに、心配かけちゃうなぁ。

でも、ごめん。これは、やらなきゃいけないことだから。全力で通して、約束・・・・・・守るよ。



『無駄だ・・・・・・何をしようと、無駄だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

「無駄かどうかは、これを見てから言いやがれっ!!」



僕は、左手で変身ボタンを押していく。順序は、上から蒼・赤・金・紫の順。

そして、ベルトの待機音がいつもより豪勢というか、激しい音になる。



「これが、僕達の超・てんこ盛りだっ!!」



そのまま、右手に持ったパスをベルトにセタッチ。その瞬間、四色の光がベルトから溢れた。



≪超・Climax Form≫










クライマックスフォーム。それは、リインとアギト、咲耶との同時ユニゾン。

青いライダーパスの力を借りる事で可能となる、今と未来が一つになった僕達の最強形態。

そして、そこにリースが今回加わる事で、超・クライマックスフォームとなる。





・・・・・・・・・・・・やばい、状況を弁えてないのは承知で、楽しい。普通に楽しい。





とにかく、これで一気に勝負を付けるっ! さぁ・・・・・・行くぜ行くぜ行くぜぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!




















(第40話へ続く)




















あとがき



あむ「えー、しゅごキャラクロス第39話、いかがだったでしょうか。本日のあとがきは今回ほとんど出番がなかった日奈森あむと」

恭文「同じく、ほとんど出番が無かった蒼凪恭文です。・・・・・・というわけで、W参戦です」





(色々悩んで、結局参戦させてしまった。というか、ヤシロウの能力が中ボスにしてはチート過ぎた)





恭文「まぁ、劇場版的な顔見せ参戦ですね。なお、決め技がメタルブランディングなのは、作者の趣味です」

あむ「でも、しゅごキャラ分0だよね。普通に電王だよね」

恭文「うん。というか、アレだよ? もしかしたら三部作じゃ収まらないかも」

あむ「あぁ、カクロウでしょ? また強い感じだけど・・・・・・いいの?」

恭文「いいの。アレを出すための前振りだから。なお、カクロウとヤシロウ、あと恭太郎が戦ったスケロウを強さで言うと」





(カクロウ>>>>スケロウ>ヤシロウ)





恭文「という感じ? なお、モチーフはみなさんお気づきのあの印籠出す人ですよ。
カクロウは、今シンケンジャーに出ているの伊吹吾郎バージョンですよ」

あむ「え、なによこの差はっ! 普通にカクロウ最強だしっ!!」

恭文「ヤシロウは、どっちかって言うと特殊能力使って戦うタイプだから。それ含めると、スケロウより強い」

あむ「なるほど・・・・・・。確かに、催眠攻撃でドバーンだったしね」

恭文「ドバーンだしね。でもさ、Wの戦闘は書いてて楽しいよねー。トリガーとかも、出したかったもの」





(まぁ、余裕がないのでアレなのですが)





あむ「というかさ、普通に・・・・・・出るんだね。超・てんこ盛り」

恭文「うん。だから、ジャックフォームで最終決戦してた次回のお話は、徹底修正だよ」

あむ「それ、ダメじゃんっ! というか、デザインどうするの?」

恭文「そりゃあもう、素晴らしくハイセンスで」





(注:青い古き鉄的にはです)





恭文「そして背中はビラビラですよ。というか、あむもやるのよ?」

あむ「え? なにを?」

恭文「キラキラのラブマジック。それで、キュウビフラグを立てて百合キャラ化だよ」

あむ「そんなの嫌だよっ! というか、公式のなのはさんやフェイトさんじゃないんだからっ!!」





(現・魔法少女、何気にひどいことを言う。でも、ある意味事実)





恭文「とにかく、次回が超・電王編最後です。・・・・・・その、はずです」

あむ「恭文、落ち着いて? 加筆修正だけでも相当量で、もう1話追加かも知れないのは分かるけど、落ち着いて?」

恭文「そして、超・てんこ盛りの出番っ! いや、楽しみだなー!!」

あむ「そうだね。うん、あたしも楽しみだ。・・・・・・というわけで、本日はここまで。お相手は日奈森あむと」

恭文「蒼凪恭文でした。それでは、また次回にー」










(そして、二人はなんだか楽しそう。というか、青い古き鉄のテンションが、若干おかしい。
本日のED:日奈森あむ(伊藤かな恵)『カラフル・ハート・ビート』)




















あむ「ちょ、超・てんこ盛りっ!? なにそれっ!!」

スゥ「というか、あの・・・・・・もしかしてリインさんやアギトさん、咲耶さんとリースとの・・・・・・同時ユニ」










(おしまい)



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