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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第9話 『よくよく考えたら、仕事の描写なんて映さなくても話は書けるのかも知れない』



新暦の76年。2月の16日。僕とリインは、特にトラブルもなく、なんだかんだで楽しく休日を過ごした。いや、半分仕事だったけど。





まぁ、そういうわけなので、現在・・・・・・とっても気まずいです。










「なんというか奇遇ですね。まさかサリさんも来てたなんて。・・・・・・というか、あのまたお会いするとは思っていませんでした」

「そ、そうね。というかあの、私はお邪魔だと思うから家に」

「いえ、大丈夫です。あ、せっかくですしドゥーエさんもこのまま隊舎で過ごしませんか?」

「あ、それは楽しいかも知れませんね。局員じゃないですけど、ヴィヴィオやメイルも家族として暮らしてますし、問題ないですよ」



帰りのレールウェイ・・・・・・というか、職場に向かうレールウェイの中。僕とリイン、フェイトの組は、ある人達と遭遇した。

・・・・・・それは、サリさんと同棲相手のドゥーエさん。ぜんざい・・・・・・じゃなかった、現在、向かい合ってお話してます。だけど、フェイトとリイン以外は全員綱渡り気分です。



「さ、さすがにそれは」

「でも、寂しくありませんか? サリさん単身赴任も同然ですし」

「好きな人と離れ離れは寂しいです。リインもたくさんたくさん覚えがあるのです」

「そうね、確かにそこは・・・・・・」





現在、窓から差し込む陽の光と空と海の青の心地よさを堪能する事も出来ない、こんな辛い状況になっているのには理由がある。

えーと、簡潔に言うと・・・・・・チェックアウトする時に鉢合わせしました。うん、すっごい狙ったように。

サリさんはもう堂々と『俺の彼女だ』とか紹介して、非常に株を上げた。ドゥーエさんも嬉しそうだったし。



ただ・・・・・・問題はある。それもでっかいのが。



それは、ドゥーエさんの存在。というか、出自。





”サリさん、ドゥーエさん、一応もう一回確認しますね? ドゥーエさんって・・・・・・”

”あぁ、ナンバーズだ”





そう、まぁ『そんなわけないですよね』的な感じで思念通話で確認したら・・・・・・ビンゴだった。言ってみたら普通に二人が硬直した。それが決め手になってしまった。

目の前の栗色の長い髪を靡かせて、どこか憂いを秘めた女性は、ナンバーズの次女。つまり戦闘機人でチンクさんやディードのお姉さん。

そして、現在行方が掴めずに一応の指名手配状態ではあるものの、証拠不十分のために立件は不可能と言われているナンバーズの一匹狼。



で、二人がこうなった経緯も聞いた。しかし、またそんなベタなことでくっつくとは・・・・・・恐ろしいよ。運命って。





”だから出来る限りあなた達に関わらないようにしようとしてたのに、これって・・・・・・・ありえない。
そう、一言で言うならありえないわよ。おチビちゃん、あなた運が悪いのはいいけど、私を巻き込まないでもらえる?”

”僕のせいにしないでっ!? てゆうか、誰がミジンコレベルで人間の器が小さいだっ!!”

”やっさんっ! 誰もそこまで言ってねぇからっ!! てゆうか、なんかすっげー悪化してないかっ!?”

”とにかく、彼女達はあなたの恋人なんだから、なんとかして”



フェイトとリインと雑談しながら、結構必死な声で僕に助けを求めてくる。うん、分かる。すっごい分かる。ただ・・・・・・ごめん、無理。二人ともなんかすっごい楽しそうだし。

あー、とにかくこのまま隊舎行きコースはやめないと。この天然二人フェイトとリインはともかく、他の奴は絶対気づく。よし、なんとかしないと。



「フェイト、リインも無理言っちゃだめだよ。ドゥーエさんだってサリさんから家預かってるんだし、都合があるんだし」

「あ、それもそうだね。あの、すみません。なんだか偶然あんな出会い方をしたので、ちょっと嬉しくなっちゃって」

「うー、ごめんなさいです」



やっぱりなんだかんだで良識派。二人はペコリと頭を下げて引いてくれた。・・・・・・よし、結構ギリだったけどオーケーだ。

それを見て、ドゥーエさんが僕に視線を向けてニコリと笑った後で、二人を見る。



「いえ、いいの。気遣ってもらったのは嬉しいから。まぁ、私は専業主婦みたいなものだし、これから接点は無いかも知れないけど、何かあった時には仲良くして欲しいわ。一応サリエルとはしばらく関係維持ですし」

「はい、こちらこそよろしくお願いします」

「よろしくですー」










・・・・・・うし、結構ギリだったけどなんとかなった。このまま戻ってもなんの問題も無い。





というか、実際問題はなかった。ドゥーエさんは家の近くの駅で途中下車。素敵な笑顔と共に去って行った。





そして、僕達は普通に隊舎に行って仕事です。いや、楽しいねぇ。というか、頑張って働こう。










”あー、そういややっさん”

”はい?”

”ドゥーエの奴、お前が妹にフラグ立てまくってるのを相当気にしてるから・・・・・・頑張れ?”

”それは一体どう言う意味っ!? てゆうか、フラグなんて立ててないからー!!”




















魔法少女リリカルなのはStrikerS 外伝


とある魔導師と機動六課の日常 Second Season


第9話 『よくよく考えたら、仕事の描写なんて映さなくても話は書けるのかも知れない』




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・・・・隊舎に定時より少し遅い時間に到着して、そのまま私達は仕事に突入。まぁ、通常営業だから。





そして、ヤスフミに書類仕事を手伝ってもらいつつ、午前中はあっと言う間に過ぎて・・・・・・休憩時間になった。





私は、結局六課入りすることが決定したフレイホーク君の事でヒロさんとサリさんに呼び出されて、会議室を借り切ってある話をされることになった。










「・・・・・・じゃあ、バルゴラの形状変換の起動プログラムがあるかも知れないんですか?」

「あぁ。ただ、あくまでも可能性のレベルで、もしかしたらどうにもならないかも知れないんだけどな」



なお、フレイホーク君も同席してる。内容は、バルゴラの形状変換について。ざっと説明を受けて状況は把握した。

でも、それでどうして私に? 私はフレイホーク君の先生とは面識は無いですし。



「いやね、あんまりにもヒントが少なすぎてさ。私らやジン坊だけで分かるかどうかわかんないのよ。
フェイトちゃんは現役の執務官で、捜査とか推理関係強いしさ、ちょっとその辺りで力を貸して欲しくて」

「納得しました。・・・・・・とにかく、プログラムはお二人やフレイホーク君が知っている場所にあるということですよね。ね、フレイホーク君。その辺り先生から何か聞いてないのかな」



私が聞いた話によると、フィーネ・スノウレイドさんは病死だそうだから、戦闘中の不慮の事故などと違って、そういう話は出来るはず。

というか、そうじゃなかったら私だってお手上げだよ。



「・・・・・・正直、それらしい覚えがないんです。結構お見舞いには行ってたんですけど」

≪私も同じくだ。ハラオウン執務官、申し訳ない≫

「ううん、謝る必要ないよ。うーん、じゃあまずはその当時の記憶を思い出して行く所からだね。・・・・・・ただ、辛いならやる必要はないよ?」



隣の席に座る男の子の目を見ながらそう言った。

・・・・・・親も同然の人が亡くなった時の記憶なんて、思い出したくないに決まってる。

だから、無理は言えない。これでダメなら、この話は無かったことにしてもいいと思った。



でも、フレイホーク君はそうじゃないらしい。首を横に振って、私の目を見返して来たから。





「大丈夫です。先生が遺してくれたものがあるなら、探してみたいんです」

「そっか。じゃあ、ここに居る間にゆっくり考えてみようか。その間に色々思い出せるかも知れないから」

「はい。あー、ヒロさんサリさん、すみませんけど」

「あぁ、大丈夫だ。てゆうか、俺達もちょっと考えてみるよ」

「まったく、ベリーハードにも程がある謎解きだよ。ね、フェイトちゃん。さすがにこういうのは実際の事件でもそんなないよね。私は経験ないのよ」










・・・・・・私はヒロさんの言葉に苦笑で返すしかなかった。だって、私も覚えないもの。





うーん、こういうのは本で読んだ名探偵とかの領域だと思うんだけどなぁ。うぅ、私は自信無いかも。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



お昼、仕事の都合で端末とにらめっこしながら食べてる横馬に頼まれて、僕はヴィヴィオとメイルと一緒に、海を見ながらサンドイッチを食べていた。あ、リインも一緒だね。





しかし・・・・・・いい天気だなぁ。昨日一昨日のアレが嘘みたいだよ。










「・・・・・・じゃあ、メイルは先生から剣術を習ってたの?」

「うん。ちょこちょこーって感じだけど、これからの時代の出来る女は、強くなくちゃいけないって言われて、頑張ってたのー」

「へー、メイルすごいねー」

「えへへー」



照れたように笑うメイルを見ながら、僕はサンドイッチをパクリ。・・・・・・しかし、メイルが先生から剣術を教わってたとは。

ということは、メイルって・・・・・・え、僕の妹弟子っ!?



「あー、そう言えばそうなるですよね。ヘイハチさんから剣術を教わってたなら・・・・・・」

「えー、でも恭文お兄ちゃんヘタレっぽいし嫌だー」

「・・・・・・そうだね、きっとジンも嫌だと思うよ。そんなこと言う子は」

「なんでいきなりお兄ちゃんの話になるのっ!?」



ふ、分かってないな幼児よ。なるのよ、ならないはずがないのよ。

というか、そういう風に思わせるために、口先をフル回転させる。対象は、目の前の不満そうな女の子。



「いい? ジンは僕とかと違って、上下関係を基本的にはしっかり守る方なのよ。てゆうか、基本的にそういうのうるさい方」

「恭文、フレイホークさんって、そうなの?」

「そうだよ」



僕と同じアウトローではあるけど、ジンは少し毛色が違う感じ。ま、だから相性いいのかも知れない。

で、そんなジンから今のこの子メイルの態度を見たらどう思うだろうか。



≪『ヘタレだから』なんて理由で年上を敬わないメイルさんは嫌われるかも知れませんね≫

「そ、そうなのっ!?」

「そこまではいかないかも知れないけど、好感度は下がるね。もう間違い無く下がるね。
あれだよ、今は『妹キャラっていいかも』とか思ってるのが『・・・・・・ウザ』になるね。底辺になるよ」

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」



お兄ちゃんジンに普通にそう言われてる図を想像したのか、メイルの表情が重くなる。手に持ったチキンサンドを落としそうになるくらいに狼狽してる。

なので、糸を出してあげよう。そう、希望の糸だ。・・・・・・僕はニッコリと笑って、メイルを安心させるように優しく言葉をかける。



「でも、メイルがこれから少しずつそういうのを直していけば、わからないよ?」

「・・・・・・そう、かな?」

「そうだよ。てゆうか、僕だけに限ったことじゃないよ。六課の中だけでも、メイルより目上の人達が沢山居る。あ、フェイトやなのは、ヒロさんサリさんだけじゃないよ? 普通に働いている一般的な職員の人達の大半もそれ。
それなのに、そのみんなにメイルが今みたいな態度を取ったら、『お兄ちゃん』であるジンが困っちゃうよ。ジン、まるで自分のことのようにその人達に謝ると思うな」

「お兄ちゃんが・・・・・・」



というわけで、もう一押し。



「メイルは、そういう風になった方がいいの?」

「嫌。よく・・・・・・ない。それ、嫌」

「なら、今みたいな態度は改めないとだめだよ。僕は慣れてるからいいけど、人によっては怒る人だって居るんだから。いい?」

「うん、わかった。というかあの・・・・・・ごめんなさい」



いやいや、いいのよいいのよ? これで確信できたから。



「いいんだよ。それじゃあ、お説教はここまでにして、ご飯食べちゃおうか。で、その後は僕特製のキャラメルミルクだよー」

「「はーい」」










ジンを持ち出すとこの子はいい具合にコントロール出来ると確信出来た。





くくくく・・・・・・かつるっ! これで色々かつるっ!!




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・という感じに話したから、今までよりは素直になるはずだよ?」

「お前幼女に対して何吹き込んでるっ!?」



お昼休みが終り、今日一日の仕事が終った後、俺は家に帰る直前のヤスフミに通路で呼び止められ、そんな話をされた。そして、当然頭を抱える。

あぁ、分かってた。コイツはこういう奴だって俺すっげー分かってた。てゆうか、容赦無さ過ぎるだろ。どんだけえげつないんだよ。



「失礼な。言ってる事は間違ってないでしょ?」

≪そうだな、言ってる事は間違ってはない。ただ、話の持って行き方を激しく間違えているな≫

「バルゴラ、気のせいだよ」



俺、そんな風にあっさり『気のせい』なんて言い切れる神経が信じられないよ。

あぁ、やばい。アレがコレの影響を受けまくったらなんか色々責任を感じてしまう。きっと俺はそれに苛まれてしまう。



「特に変な事するつもりはないよ。だって、妹弟子だし」

「・・・・・・ホントか?」

「ホントホント。先生に怒られるの嫌だし」



・・・・・・まぁ、それなら安心ではある。あるけど、やっぱり不安だな。いや、色々とさ。



「てゆうか、模擬戦の約束したんだー。いや、楽しみだなー」

「おいっ! なに早速バトルマニアな空気出してんだよっ!!」



てゆうか、アイツ戦えるのか? 見た所デバイスとかも無いしよ。



「なんか、マリエルさんのところでデバイス整備してもらってる最中なんだって。その子ももうすぐ動けるようになるとか」

「・・・・・・納得した。まぁ、適度に可愛がってくれ」

「りょーかーい」










そうして、アイツヤスフミは軽く手を振って帰って行った。





・・・・・・・・・まぁ、色々気にかけてはくれてるんだろ。メイルが他の人達に礼儀を弁えない態度を取らないように、釘を刺してくれてたわけだし。そこは感謝しておこう。










≪マスター、私が思うにヤスフミはただ単に自分に歯向かわないように≫

「言うな。俺もすっげーそこは考えたけど言うな。いいんだ、言ってる事は間違いじゃないんだから」





まぁ、なんだかんだで弄られるのは間違いないからここはいいだろ。



さて、俺も自室に戻るか。・・・・・・なお、隊舎の空き部屋を普通に借りてる。そして、そこで今日やっと・・・・・・ウィハンのログインだ。アカウント作るぞー。





「あ、フレイホーク君」





そうして、気持ちを浮き浮きとさせながら歩き出すと、声がかかった。それは・・・・・・俺の知っている声。



そちらを振り向くと、教導隊制服を着た女性が一人。栗色の髪をサイドポニーにして、人懐っこい笑顔で俺を見る。





「高町教導官、どうしたんっすか?」

「うん、ちょっと相談があって。少し、いいかな」

「あ、はい」










・・・・・・この相談というのは、端的に言えば俺も訓練に参加しないかというもの。まぁ、腕が鈍らないようにってことだな。





そして、もう一つある。そう、高町教導官にとっては、こっちの方が重要だった。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・・・・自宅に帰りつき、出前で取ったピザ・・・・・・そう、今日は珍しく出前なのだ。





理由は簡単。今日は徹夜覚悟なのだ。










「・・・・・・うし、キャラクターはこれでよしっと」





据え置き端末の前で、ようやく安堵の息を吐く。・・・・・・やっと、アカウントが作れた。そして、キャラクターが完成した。ウィハンでのPCプレイヤーキャラクターが。



いやぁ、大変だった大変だった。使えるパーツが増えてるから、あれこれ考えちゃったよ。今回も、僕の外見そのままに作った。

ウィハンを始める前、はやてに『仮想世界で大きくなるとかそういう事せんでな?』なんて冗談半分で言われて、やけになって完全再現したキャラを使ってたので、今回も同じノリでやった。

あ、はやてはそれを見てすごい謝り倒してたっけ。作り直していいとも言ってたっけ。でも、作り直さなかった。理由? そっちの方がおもしろいからですがなにか(鬼)。





≪しかし、あなたも好きですね。わざわざ宅配会社に出向いて荷物受け取るなんて≫

「いいのよ、帰り道だったんだから」










・・・・・・ウィハンのキャラクターメイキングは、結構複雑。

完全3Dのキャラクターに目の輪郭や鼻や口、声など、かなり細かいところまで作れるのだ。まぁ、ここが人気の一つだったりする。

あと、顔や髪型以外の外見もだね。ようするに、装備関係。どんな服を着てるのかとか、そういうのもかなり弄れる。

あ、ゲームを始めてからもその辺りは変更可能。だから、普通に床屋さんとかブティックとかがあるのだ。有料のアバターパーツもあったりする。





だから、ゴテゴテの鎧をつけたのが実はすっごい後方支援キャラだったというのも、結構あったりする。なお、キャラクターの成長要素は、レベルアップ制が基本。

ただし、レベルアップ時にスキルポイントというものがもらえる。それを使って、キャラクターを自分好みに育てる事が出来るのだ。しかもこのポイント、条件付きで対価は必要だけど、割り振った分を戻して別の所に利用なんて言うのも出来る。

この辺りが育成の自由度に拍車をかけている。まぁ、賛否両論あったりするんだけど。でも、僕は好き。あれこれ試行錯誤出来るから。





武器や魔法は、基本的に他のRPGと同じ感じ。あ、魔法はデータを入手して覚えないとダメなんだけど。この辺りは街の中の本筋の話とは関係無いクエストをやって、魔法のデータをもらったり・・・・・・とか。

そういや、3からはデータを組み合わせてオリジナル魔法作れるとかなんとか言ってたけど、バランスどうなってるんだろ。よし、プレイしたら試してみようっと。

ちなみに、ゲーム内では競売所というのがあり、そこでアイテムを自分や他のPCプレイヤーキャラが出品・落札して取引なんてしてる。これを活用すると、デフォで店売りの物を買うより安く済むのだ。





あと、初期装備は刀。外見デザインはリーゼフォーム基準。それで、名前はえっと・・・・・・。










「かなめ・・・・・・と」

≪またですか?≫

「またですよ」




なーんとなしに本名でやるのはちと気が引けたので、始めた頃から使ってる名前。なお、元ネタはフルメタから。丁度その時にアニメをはやてから勧められて見出したから。



うし、これでオーケーと。・・・・・・あー、OPムービーが流れるー。





「よし、これでフェイトが初めてでもサポート出来る」

≪でも、やるかどうかわかりませんよ?≫



まぁ、それはね。フェイト忙しいもの。ただ、それは出来たらって感じだから、そこまでこだわってない。

おー、綺麗だなぁ。ゲーム中とは差がないと嬉しい。



「いいのよ。念には念を入れないと」

≪言葉の使い方間違えてますよ。というより、フェイトさんを理由にしてるでしょ≫




・・・・・・実は。

そんな時、机の上に置いた携帯端末にメールが来た。端末の画面を開くと、それは師匠とリイン、ヒロさんとサリさんから。



「・・・・・・みんなも丁度始めたって。うし、これでみんなで暴れられる」

≪そうですね。というか、普通にリアルタイムですか≫

「みんなで前々から一緒に出来るならやりたいなーって言ってたしね」



単純に、僕はこの時間を数ヶ月待ってたんだ。だから、今日くらいは廃人になったっていいのだ。



「というわけで、OPムービーも終ったから・・・・・・早速ゲームスタートー!!」





その瞬間、携帯端末から着信音が鳴り響いた。すっごい勢いで鳴り響いた。



・・・・・・居留守にしようかと思うけど、重要な連絡だったらと考えて、仕方なく・・・・・・通信を取る。





「もしもし?」

『・・・・・・あ、なぎ君。あの、ギンガです』





声はギンガさんだった。というか、車が通る音が聞こえる。そして、ギンガさんの後ろを見ると、そこは道路。車がもうバシバシと通ってる。



えっと、もしかして外かな。あ、お仕事中とか。





『今首都に居るんだ。仕事ちょうど終った所なんだ。・・・・・・あのね、明日なんだけど、仕事が終ったら出てきてもらって、いいかな。
突然で悪いと思うんだけど、とても大事な話があるの。あの、すっごく大事な話。もし特に用事が無いなら、付き合って欲しいの』

「・・・・・・明日じゃなきゃだめって感じ?」

『うん』



・・・・・・ゲームは大事。趣味の時間は心を豊かにしてくれるのだ。大事じゃないわけがない。

明日もきっと徹夜な感じでウィハンやるだろうとは思ってたり。



「しかも出てきてってことは、直接会って話すべきこと・・・・・・かな」

『うん』



ただ・・・・・・なのだ。



「分かった。あ、でも急ぎなら今から出るよ?」

『それは大丈夫。あの、ありがと』

「いいよ」










ただ、ギンガさんの方が大事だったりする。





ギンガさんは、大事な友達。僕の暗い部分も見せられる大切な友達。





だから、そのギンガさんの呼び出しなら、応じたいのである。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・えっと、なのはさん」

「うん」

「ちょっと待ってください? 話をまとめますよ」





談話室で俺は右手で頭を抱える。あんまりになのはさんから投げられた爆弾が大きすぎて、すぐに処理が出来ないから。



と、とにかく考えろ。俺冷静になれ。大丈夫、俺には基本的に関係無い話なんだ。だからこそなのはさんだって相談・・・・・・あ、なんか俺普通に名前で呼んでるや。いけないいけない。





「えっと、ヤスフミとハラオウン執務官が付き合う様になってから、なんか変だと」

「うん」

「胸の中がモヤモヤして、胸が痛むと」

「・・・・・・うん」



それがどうしても分からなくて、あのシャーリーさんに言われて気づいた。



「ヤスフミが好きだったのかも知れないと」

「うん、そうかも知れないの。だからこう・・・・・・もやもやするの」



ただ、この部隊の大半はなのはさんと付き合いが深い人間ばかり。なので、ほとんど初対面な俺なら第三者に割り合い近い判断が出来るのではないかと思って、相談したと。

・・・・・・そうとう思い詰めてた? 俺に相談してる時点で末期だろ。てゆうか、あのバカヤスフミはまたどうしてフラグを・・・・・・。しかもあの『エース・オブ・エース』にだぞ? 局の人間がどんだけこの人狙ってると思ってんだよ。



「あのね、やっぱりこれって・・・・・・そう、なのかな」

「・・・・・・バルゴラ先生、どう思いますか?」

≪間違いなくそうだろう≫



即答で認めやがったしっ! ・・・・・・あぁ、なんでいきなり赤くなるんですかっ!? 頼むからそれやめてくださいっ! まるで俺が悪い事したみたいじゃないですかっ!!



「そ、そうなの?」

≪まぁ、ヤスフミがアレなせいでずっとそんなことを考えていたのではないか? 特に今泣きたいというわけでなければ、ほのかな想いが砕けてちょっとショック・・・・・・という感じだと思う≫

「そ、そっか。じゃあ、私どうすれば、いいのかな」



なのはさんに真っ直ぐに見られて、俺は思わず後ずさる。てゆうか、この人はまた人を真っ直ぐに見るな。

うーん、こういう場合やっぱり・・・・・・気持ちに区切りを付けるのがいいんだろうか。どっちにしろヤスフミはハラオウン執務官一直線だろうし。



≪ここはやはり、告白だろう≫

「そうなる、よね」

≪ならないはずがない。まぁ、時期を見た上で、今の自分の気持ちをぶつけるくらいでいいのではないか? 言ってどうと言うよりは、『これからもよろしくね』的なあれだ≫



・・・・・・普通に、我らがバルゴラ大先生が天下の高町なのは教導官のお悩みに乗っている。というか、すっごいてきぱきとアドバイスを送っている。

俺、ジン・フレイホーク。ぶっちゃけ現在空気です。



≪よく『言ってどうするの?』的な事を求める輩も居るが、世の中の大半の事には、実は答えなど必要ない≫



あ、そこは俺も分かる。ただ伝えたいだけ、知って欲しいだけというのも、あることはある。

・・・・・・ヤバイ、俺なんか寂しい人だ。普通に心の中で相槌打ってるし。



≪大事なのは、今までの関係に一区切りをつけることだと、私は思う。・・・・・・ハイ・マスターにもそういう時があったので、よくわかる≫

「そっか。バルゴラ、ありがと。フレイホーク君もありがとね。聞いてくれて少しすっきりした」



そして、今度は笑う。・・・・・・というか、居心地悪い。だって俺、何もしてねぇし。むしろバルゴラ先生が頑張ってばかりだし。

マジで話を聞くだけしか出来なかった身としては、何も言えない。



「今話してもまたゴタゴタするだけだと思うし、様子を見て恭文君と話してみるよ。その、このままは何か嫌だなーと」

「そうですか。高町教導官、まぁ頑張ってください」

「うん。・・・・・・あ、そうだ」



少し安心させるように目の前の女性高町教導官がニコリと笑う。その対象は俺。

俺は当然首をかしげる。いったいどう言う事かと。



「『なのはさん』でいいよ?」

「へ?」

「だって、さっきはそう呼んでくれた」



・・・・・・はい、そう呼びました。ただ、失礼かなーとかちょっと考えたのですよ。

変わらない優しい視線を受け止めつつ、俺はそう説明した。こっちは一介の嘱託。そちらさまは一尉で六課の分隊長。けじめは必要かと。



「大丈夫だよ、スバルだってそう呼ぶ。あと、恭文君なんかアレだし。私、普通に魔王とか冥王呼ばわりだもの。名前で呼ぶくらいは問題無いよ」

「・・・・・・スバルやヤスフミはなんだかんだで付き合い長い方じゃないですか。俺、会って数日ですよ?」



てゆうか、ヤスフミのアレは真似出来ねぇ。絶対無理。俺には絶対無理。



≪冥王≫

「お前も言うなぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 普通に俺はびっくりだぞっ!?」

≪そうだな。・・・・・・ついでに言っておく、これは自分でもビックリだ≫

「だったらやるなよっ! そして一体何のついでっ!?」



やばい、心臓に悪い。なのはさんは何がおかしいのかニコニコし出した。

やばい、なんか可愛い。てゆうか、やっぱり心臓に悪い。普通に笑ってるだけで怒ってるんじゃないかとか思ってしまう。



「あ、怒ってないよ? 大丈夫」



なぜ俺の考えている事が分かるっ!?



「表情を見れば分かるよ。うーん、それなら私もジン君って名前で呼ぶよ。それならおあいこだよ?」

「ま、まぁ・・・・・・それなら」



いいのだろうか。・・・・・・高町教導官・・・・・・じゃなかった、なのはさんの表情は普通だから、大丈夫な、はず。



「とにかく、二人共ありがと。うん、本当に助かったよ」

「あ、いえ・・・・・・」










というわけで、普通に互いに名前で呼び会う事が決定した。バルゴラは『恋愛フラグだ、恋愛フラグだ』と騒いでいたが、それはないと思う。





だって、なる要素ないって。いや、真面目にだぞ? 俺、基本プータローみたいなもんだし。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



ちょこちょこウサギを追いかけるー。そうして刀でぶった斬るー。





アクション要素が強いからー。ついついジャンプをしたくなるー。ついついジャンプで斬りたくなるー。












「・・・・・・やっさん、通常会話で普通に変な歌歌いながら攻撃するのやめて? なんか他の人の視線集めてるしさ」

「普通に俺はビックリだよ。てゆうか、その無駄なアクション抜かせばもうちょいレベル上げの効率上がるぞ? ジャンプだけじゃなくて、前転とか後転とか横への緊急回避とかさ」





画面の中のチャットログに新しいのが出てくる。近くのプレイヤー・・・・・・小さい小柄な女の子と、もう主人公キャラ的な鎧を纏った男性からの通常会話。小さい白い髪をボブロングにした子はヒロリーヌ。主人公キャラの男性はサリエル。そう、ヒロさんとサリさんのPC。

なお、ゲーム上ウィハンの会話にはいくつか種類がある。tellテルと呼ばれる特定の相手に対する、マンツーマン用のモード。

partyパーティーと呼ばれるパーティーを組んだ人間とだけ話せるモード。guildギルドと呼ばれる、特定のアイテムを持った人間同士で出来る会話。



これらのモードを使って、他のPCとチャットしたりするのも、ウィハンの楽しみだったりする。





「えー、いいじゃないですか。楽しいんですから。あー、やっぱり戦闘アクションっていいなぁ。寝落ちする率も下がるし」



ウィハンの戦闘は基本的にアクションである。まぁ、この辺りは普通のゲームと同じ感じ。ただ、苦手な人用にオートやセミオートみたいなモードもある。うん、親切設計だ。



「まぁ、それはな。しかし、今回はグリグリ動くな」

「前回以上だよね。私のPCなんて少女なのに、普通に戦えるもの。まぁ、リーチが若干あれだけどさ」



なんて言いながら、手に持ったロングソードでウサギを切る。・・・・・・これだけ見ると、動物虐待だ。



「だから普通に大きめなキャラにすればよかったじゃないか。お前くらいの身長でよ」

「うー、それは言わないでよ。今回は後衛キャラ育ててみようかなって考えてるんだから」

「いや、その前にその剣を捨てましょうよ。なんで普通に肉体言語でレベル上げしてるんですか」

「だって、こっちの方が要領分かるし」



だめだ、この人だめだ。きっと今回も普通に前衛だ。まず前衛極めてから、後衛スキル鍛えるんだ。そうして廃人への道を歩くんだ。

とにかく、三人でそんな話をしながらウサギをどつく。ひたすらにどつく。

ここは草原。スタート地点の都市の一つから出ると、このフィールドに出る。天気は快晴で、晴れ渡る青い空に雲がゆっくりと流れている。





「グラフィック、すごい向上してますね」

「そうだねー。まぁ、推奨スペック高くなったんだから当然なんだけど」

「でも、古参プレイヤーである俺達からすると嬉しいよな。うーん、時代もここまで来たのか」





すると、サリさんのPCが槍を振るってウサギを倒す。ウサギは草原の上に断末魔の叫びを上げながら倒れ、そのまま消える。



・・・・・・あ、レベルアップした。





「おめー」

「おめー」



二人して拍手のモーションなんてする。特定のコマンドを打ち込む事で、キャラクターにこういう演技をさせることが出来る。



「ありー」





そんな話をしつつ、ひたすらにウサギを斬る。・・・・・・そう、ウサギだ。基本的に最初の段階ではこういうウサギとかデカイ蜂とかを倒してレベルを上げる。パーティーは組まずに一人で。

パーティーを組むと経験地ボーナスが付くし、自分達より強い相手と戦うことで経験地もがっぽりもらえる。

もらえるんだけど、それはもうちょっとレベルが上がってからの話。まぁ、このゲームは普通にソロでもやれるからいいんだけど。



・・・・・・HPが減ってきた。こうなると、回復する必要がある。その場合、ぺタリと座るといいのだ。そうすると、HPとMPが徐々に回復する。



というわけで





「・・・・・・祝福の風、あなたに届けっ!!」





座ろうとした瞬間、HPのゲージが回復する。身体を包むのは白いキラキラとした光。



だけど、一回じゃない。数瞬の間を置いて連続で3回ほどかかる。で、ログを見ると・・・・・・。



覚えたての初級回復魔法をかけてくれた女の子が居る。空色の髪でスタイルはボンキュッボン。白いローブを纏う大人の女性。





「リインありがとー」

「はいですー」





そう、リインだ。なお、リインは普通にリインを名前にしてる。まぁ、ここもいつも通りだね。





「てゆうかリインちゃん、自分のレベル上げをしなよレベル上げを。なにやっさんとPT組んでるわけでもなんでもないのに普通にサポしてんの?」

「うぅ、恭文さんの危機を見過ごせないのです。愛故の行動なのです」



というかこいつら・・・・・・普通にキャラクター名を無視して本名呼びなのさ。かなめって出てるのに。ちゃんとPCネームで呼べと言ってやりたい。



「そういややっさん、ヴィータちゃんはどうした?」

「いや、だからちゃんと名前で・・・・・・」



とりあえず、呆れたようにお手上げするモーションで意思表示しつつ、サリさんの疑問に答える。



「師匠なら、この先のフィールドです」



とりあえず回復は済んだので、近くの蜂に袈裟に斬りかかる。



「・・・・・・はぁ? 待て待て、普通に俺らと同時タイミングで始めてそれはないだろ」

「あ、ホントだ。サーチしたけど、ヴィータちゃん居る。え、しかもレベルがなんか10行ってるんだけど」

「ヒロ、まじか? ・・・・・・あ、ホントだ。それらしいのが・・・・・・って、ヴィータン?」



そう、それが師匠のPCネーム。なお、はやてにこれしかないと決められた。師匠も最初はボヤきつつも、はやてが決めてくれたことがなんか嬉しいのか、継続してこの名前を使ってる。



「はいです」

「待て待て、ヴィータンって俺すっげー聞いたことあるぞっ!? PvPのランキングでいっつも上位に居たPCじゃねぇかっ!!」



なお、このゲームは一応PvP・・・・・・プレイヤー同士の戦闘も可能だったりする。で、師匠はそこで名を売ってる有名プレイヤーだったのだ。



「あ、そう言えば私も前のバージョンでパーティー組んだことあるっ! もうすっごい礼儀正しくてマナーもよくていい人で・・・・・・なになに、あれヴィータちゃんだったんだっ!!」

「そうなんですよ。師匠、忙しいくせになんでか僕よりレベル上なんですよね。恐ろしいったらありゃあしない」










・・・・・・うーん、もしかしたら仕事が忙しいからストレス解消も兼ねてるのかなぁ。だから集中して一気にハマリこんじゃうとか。





とにかく、蜂の胴に突き。すると、蜂が地面に落ちて・・・・・・あ、レベルが上がった。










「おめー」

「おめでとうですー」

「ありがとー」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・・・・轟くのは雷鳴。前のフィールドから続いているような草原を歩きつつ、獲物を探す。このレベルだと・・・・・・やっぱ羊か?





まぁ、仕方ないって言えば仕方ないけど、もうちょい頑張ってレベルあげねーとまずいな。早くドラゴンとかスケルトンとかRPGっぽいのと戦いたいしよ。










「・・・・・・ま、いいか。これもまた楽しーしよ」










ついつい打ち込んだそんなメッセージに、苦笑する。・・・・・・外見はヒロリスさんと同じくらいの身長。赤くて長い髪にウェーブがかかって、フェイト並みにボンキュッボン。

で、服装は皮のマントの下に赤のローブ。で、武器は・・・・・・鉄制のハンマー。形状は割りかしアイゼンに近い。このゲームウィハン、低レベルから色々武器の種類があるから楽しーんだよ。普通に刀もあるしよ。

とにかく、ゲームの中だろうとなんだろうと、アタシのハンマー使いに変わりはねー。誰が相手だろうが、ぶっ壊すだけだ。





つーわけで、今日中にレベル15目指すぞー!!




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・でさ、やっさんもサリもリインちゃんも、ギルドどうする?」





狩りは一旦中断して、街に戻ってきた。なお、僕達のスタート地点の街はアレですよ、昔懐かしき騎士の王国。FF11で言うとサンドリア王国的な感じ。



で、そこの街の酒場の椅子に座って、PT会話でぐだーっと会話。これもまた、ネットゲームの楽しみだったりする。





「あれ、僕達は固定のがあるんじゃ」



ギルドというのは、有志を集って結成するプレイヤー同士の集まり。デカイとこはギルド戦と称して領地争いしたりするけど、僕とヒロさんにサリさんが元々前のバージョンから入っているギルドは、特にそういうのはない。

普通にのんびりまったり、適当にゲームを楽しもうというギルドなのだ。一応、建てる準備が出来たらみんなで協力して建てちゃおうという風に、前バージョン終了前に話してたりした。



「いやさ、ヴィータちゃんやリインちゃんに八神部隊長と高町教導官を誘おうかとも考えたんだけど、逆に皆に気を使わせちゃうんじゃないかと」

「ほら、私らはまだいいけど、みんな現役の局員さんだし。特になのはちゃんなんて無駄に有名だしさ」

「あー、そういやそうですね」



画面のログを見ながら少し考える。考えて・・・・・・だめだ、分からない。てゆうか、それならどうするの?



「はやてちゃんは、リイン達はリイン達でぶっちゃけトークや定時連絡なんかが出来るギルドを作るとか言ってました」



なるほど、それは一つの手だよね。というか、はやてはそれだと安心じゃないの?

通信とかそういうこと以外でも、リインと遊んだり出来る機会が増えるし。



「でも、まだ肝心のウィハンのソフトが戻ってきてないのです。グリフィスさんに二本目を没収されたままなのです」

「・・・・・・そういや、二本ソフト買ってたんだっけ。だからあんな私らを恨めしそうに見てたんだ」

「なのです」



はやて、もうちょっとうまくやればよかったのに。どうしてそんなに初日に拘っちゃったの? 意味ないって。



「でも、ギルド設立か・・・・・・。3ではどうするんでしたっけ?」

「えっと、ちょっと待ってろよ。今ネットで調べてるから」



むむ、サリさんはやっぱりこういうところしっかりしてる。おかげで僕は楽が出来るよ。

前回までだと、ある一定以上のレベルのPCがNPCに申請して、ギルドの名前やマスターを決めれば簡単に出来ちゃうんだよね。今回もそれだとありがたい。



「・・・・・・うお、マジかよ」

「サリ、どうしたの?」

「いやよ、ギルドに申請してって流れは変わらないんだけど、なんかクエストクリアしないとまずいらしいぞ」

「「「クエスト?」」」



クエストというのは、NPCに話しかけると『○○を持ってきて』とか『○○を何体倒して』なんて言われることがある。で、それがクエスト。それを達成すると、アイテムとかお金とかがもらえるというサブイベント的なものなのだ。

クエストの報酬の中には、その中でしか手に入らない魔法やアイテムというのもあり、過去の実例だとそれは競売所などでは結構高値になったりする。



「ということは、アイテムの取り合いでしょうか」



・・・・・・そのクエストをクリアするのにアイテムが必要な場合、実装直後はすごいことになる。その中で1番ありがちなのが、アイテム・・・・・・またはそれを落とすモンスターの取り合いだ。

つまり『当然のようにみんながクリアしようとする→落とす敵は決まってくる→ゲームバランス上の問題で、どうしても一度に出てくる数が決まってくる→みんなが我先にとその敵に群がる→結果、敵の取り合い』・・・・・・と、なるのだ。



「うわ、それ嫌だなぁ。私どうもそういう荒れた雰囲気は苦手だし」




ヒロさんの言うように、みんながそれに群がるので当然のように競争になる。その敵が全て一蹴されてから、再出現するまでの時間や、出現ポイントの割り出しなどした上で。なお、これは常識の範疇。

僕も何回か別口でやったことがあるけど、あれは辛い。普通に取れなかったらイラってくるし、たまに取ると妙な恨みを買うこともある。



「そうなのですか? ヒロリスさんなら遠慮なく挑んで行きそうなのに」

「ちょっとそれどういう意味っ!? 私は普通にゲームではフェアプレイで行きたいのよっ! でも、取り合いならそれは無理じゃんっ!!」




言ってることは間違いではない。ただ、ヒロさんの場合普段の行動が普段の行動だから、あんまりに説得力が無いのがアレだと思った。

まぁ、そこはともかくクエストの内容だ。・・・・・・サリさん。



「アイテム自体は100%ドロップらしい。要するにイベントアイテム扱いってことだな。敵も自然ドロップとかじゃなくて、イベント戦闘だ。ただ・・・・・・」

「ただ?」

「戦力が足りない。今の俺達が×10位居てもだめだ」



・・・・・・なるほど、つまり



「もっとレベルを上げるのですね」

「そうだな。適正が25とか出てるから、まずそれくらいだ。まー、よかったな。これで取り合いはしなくて済む」

「あー、そうだね。それは助かるかも」










まぁ、あれだ。明日グリフィスさんにちょっと話そう。





これは少しまずいかも知れない。




















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というわけで、翌日。現実世界に戻ってきて・・・・・・あぁ、結局徹夜してしまった。でも、2時間寝たから問題無いや。





とにかく、ロングアーチのオフィスでグリフィスさんに相談。そう、だってこの人は今のタヌキが喉から手が出るほど欲しいアレを持ってるから。










「・・・・・・・・・・・・というわけで、今のタヌキにアレを渡すと若干まずいかも知れないんですよ」

「下手をすれば適正レベルまで仕事をすっ飛ばしてレベル上げですか。ちなみに、昨日君は目の下にクマを作るくらいに頑張ってどれだけレベルが上がったんですか?」

「あははは・・・・・・13まではなんとか。途中からみんなで即席PT組みましたから」



10前後である程度方向性が固まってきたら、これくらいはなんとかなる。まぁ、ここからが大変なんだけど。

オンラインRPGなんて、そんな一気にカンスト出来る仕様になってないし、やるならじっくり行くべきなのだ。



「まぁ、今は特に仕事が立て込んでいるとかではないので、適度にやってくれる分には問題はないんですよ。
個人の趣味どうこうに首を突っ込む程野暮ではありません。ただ・・・・・・少なくとも一日、二日は、適度ではありませんよね」

「それだけで済めばいいんですけどね」





正直、僕もそこをちょっと危惧した。だって、ギルド作るギルド作るって言いまくってたし。というか、僕は前に聞いた事がある。

あのタヌキが『うちな、現実は出稼ぎでリアルはネットの中やと思うんよ。いや、マジでよ? だって、ネットの中やとうち詠唱遅くないし、管理局の事とかでイライラせぇへんし』・・・・・・と結構真顔で言ってたのを聞いた事がある。

あれは怖かった。さすがにダメだと思って、師匠達に話して必死にリアルに引き戻したのは言うまでもない。なお、それを言った時はウィハン第1作目の発売から3日後の事だった。



なんて言うか、師匠のやりこみ癖ははやてからの遺伝だと思うのよ。あれもすっごい集中してやるし。





「というか、現に適度にやってない人間がここに居ますし。あと・・・・・・」

「あぁ、そうですね」



僕とグリフィスさんは、ある場所を見る。目の下にクマを作って、それでも書類をポチポチと幸せそうに打つメガネっ子を。そう、シャーリーだ。

なお、シャーリーもウィハンをやってる。僕達より早く始めたので、普通にレベル上だけど。



「なのは隊長とフェイト隊長、それにフレイホーク君も買っていると言いますし、我が部隊六課のウィハン人口の密度は高いですね」

「まぁ、みんな大人だからその辺りはきっちりしますよ。現に僕は今日はプレイしないですし」

「そうなのですか?」

「はい。ちょっと予定が入ってるんで。とにかく、グリフィスさん」

「はい。八神部隊長にソフトを返す時は、その辺りのことに釘を刺しておくことにします」










メガネをキラリと輝かせながら、グリフィスさんが力強く言った。まぁ・・・・・・大丈夫、だよね?





どうもあのタヌキとは付き合いが長いせいか、色々不安になるのよ。バカやる時は徹底的にやるしさ。




















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・・・・・・えっと、キャラクターを作るんだよね。





な、なんかすっごいパーツが出てきたっ!? ・・・・・・うわ、最近のゲームってこんなことまで出来るんだ。すごい。

というか、声の感じや服装のデザインまで細かく決められるんだ。うーん、これは予想外だった。

ゲームって言うから、普通に昔やったクロノトリガーな感じを予想してたのに。・・・・・・うぅ、ロボ。ロボ。










「・・・・・・フェイトちゃん、なに悲しげに呟いてるの?」

「というか・・・・・・わー、ウィハンだ。フェイトママも始めるの?」





後ろから声がかかった。それにビクっとして振り向くと・・・・・・なのはにヴィヴィオが居た。



どうして二人ともそんなにニヤニヤしてるの? あの、何かおかしいかな。というか、どうしてここに。





「どうしてって・・・・・・もう仕事終わりだよ? ヴィヴィオと夕飯も食べてきたし」

「そうそう。それに、ここはママ達とヴィヴィオのお部屋だもん。居てもおかしくないでしょ?」

「そ、そうだね」

「でも、フェイトちゃんがウィハンデビューかぁ。うーん、嬉しいなぁ。時間ある時に一緒に遊んだり出来るしね」



なのはにそう言われて、ふと思った。そっか、スペックが足りてれば携帯端末からアクセスして、外でもプレイ出来るってヤスフミが言ってたよね。

それで、昔みたいになのはとゲームで遊んで・・・・・・ってことも出来るんだ。それはそれで楽しいかも。



「でも、いきなりどうしたの? もしかして、恭文君の影響かな」

「どうしてわかるのっ!?」

「だって、恭文君古参プレイヤーだし。というか、私もよく一緒にやるし。・・・・・・あ、そうだ。せっかくだから一緒にキャラクター作ろうよ。ね? それで一緒にスタート」



嬉しそうに話すなのはを見て、私は・・・・・・その言葉に頷いた。

あの、いつまでやるかは分からないけど、せっかくの機会なんだし楽しめるところまで楽しみたいなと思ったから。



「うん、それなら一緒に頑張ろうか」

「うんっ!!」

「なのはママも、フェイトママも、頑張ってー。うー、ヴィヴィオはソフトないから無理ー」

「あ、ごめんねヴィヴィオ。うーん、じゃあヴィヴィオもママ達のPC作りに強力してもらおうかな」

「うんっ!!」










そして、キャラを作り終わるのに数時間かかった。・・・・・・あれ、おかしいな。普通に作るはずだったのに。





な、なんだかこだわり出したら止まらなくなっちゃって。でも、なのはと一緒にこうやって遊ぶのは結構久しぶりだから、楽しかったかな。





・・・・・・ヤスフミと一緒にやるようになったら、もっと楽しいのかなとかちょっと考えてしまったのは、私だけの秘密だけど。




















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・・・・・・フェイトが横馬とヴィヴィオと必死にキャラクターを作ってる頃。僕はと言うと・・・・・・ミッドの首都にある某ファーストフード店に居た。





そう、ここが待ち合わせ場所なのだ。










「・・・・・・ギンガさんごめん、遅くなった」



声をかけるのは、その店の隅の方で座っていた一人の女性。いつもは制服姿なのに、今日は紺のワンピース。胸元には髪の色と同じリボン。

脇には白いコートがかけてあり、それを見て思った。なんだか、少し新鮮だと。うん、普段は制服姿ばかりだしね。



「ううん、大丈夫。ごめんね、お仕事終わりに来てもらっちゃって」

「ううん。それで、用件ってなに?」



ギンガさんの正面の席に座りながら、そう言うと、真剣な表情で話を始めた。

まぁ、予想は出来てた。すっごく出来てた所から。



「あのね、解散後の進路なんだけど」

「・・・・・・うん」



やっぱりこう来るかと思った。ギンガさん、108に入って欲しいって何回も誘ってくれてたから。



うち108部隊に来るのは、無理っぽいかな」

「・・・・・・ごめん。フェイトの補佐官やるって決めたから」

「うん、そうだったね。でも、それだって嘱託扱いだし、正式な局員じゃない」



少しだけ、寂しそうな顔でギンガさんが呟く。なんだろう、胸が締め付けられる感じを覚えた。



「まー、僕のランク上がっちゃったしね。それくらいしないと、フェイトの側にずっと居るとかって難しいのよ」

「なぎ君、そのためになぎ君の将来のことをないがしろにしていいのかな。局員になれば、出世だって見込めるし、やれることも増える。
ね、ダメならダメで仕方ないと思うの。ただ、一度頑張ってみようよ。局のためどうこうじゃなくて、世界やそこに住む人達の幸せを守るために」

「僕、そんなのどうでもいい。そのために守りたい物が守れないのは嫌だし」



JS事件の時みたいなの、やっぱり嫌だから。それに、フェイトの騎士になるって約束したから、今の所離れる選択はない。

僕も、リインと同じ。離れても変わらないもの、出来るものもある。だけど、同じように変わるもの、出来ないこともある。僕は、それが嫌だ。嫌だから、側に居たい。



「なにより、僕は局が嫌いだもの。局員という立場も同じく。そんな柵にしばられるのは絶対に嫌だ」

「・・・・・・それは、出来るなら言わないで欲しいな。ちょっと突き刺さる」



それでも、事実だから。てゆうか、ギンガさんは勘違いをしてる。

目を真っ直ぐに見て、それを伝える想いを持ちながら、ちゃんと話す事にした。



「僕のやりたいことは、フェイトの今と笑顔を守る事だから。フェイトが笑ってくれていないのも、泣いているのも、壊れて、ここから居なくなるのも、絶対に認められない。
側に居て、僕にあるありったけで守るって決めた。だから、それが1番やりやすい補佐官という仕事を、側にずっと居られる嘱託という道を選んだ。だから、ごめん」



頭を、下げる。何度も誘ってくれた。一応選択の一つとして考えもした。だけど、やっぱりダメだった。

僕は・・・・・・ギンガさんと同じ所には居られない。



「108へは行けない。局員にもなれない。世界やそこに住む人達のためになんて、僕は絶対に戦えない。ぶっちゃけちゃえば、そんなのどうでもいいの」

「・・・・・・あの、頭を上げて? 私、もう分かってた。ちゃんと分かってたから」



頭を、少しだけ上げる。ギンガさんが少し困ったように笑っていた。安心させるように、自分を納得させるように。



「うん、分かってた。私となぎ君は違う。なぎ君は局の中でやりたいことや通したい事があるわけじゃない。だから、そうなる。分かってた。ただね・・・・・・」

「ただ?」

「・・・・・・ここだとアレだから、外に出ようか。あの、ここからが本題なんだ」




















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・・・・・・近くのライトアップされている噴水がある公園へ行く。というか、デートスポットで紹介されてるようなところ。





ギンガさんがそこに入った。僕は、後を追う感じ。










「・・・・・・私ね、なぎ君に嘘・・・・・・ついてた」





静かに、ギンガさんが光に照らされている噴水の方へ歩きながらそう話す。





「嘘?」

「108に入って欲しいの、なぎ君の将来の事とか、能力の事とか、それで沢山の物が守れるはずだからとか言ってたけど、違うの。
そんなの、理由じゃなかった。それが嘘。なぎ君に・・・・・・そして、誰より私自身についていた嘘。だから今、すごく後悔してる」



ギンガさんが振り向く。振り向いて・・・・・・僕を見る。その表情に、驚き、胸が締め付けられた。

目に涙を溜めて、頬を赤く染めて・・・・・・普段とは違う、女の子としてのギンガさんが、そこに居た。



「私、ただなぎ君に側に居て欲しかっただけだった。なぎ君が側に居ると、楽しかったから。幸せだったから。そうして私を見て欲しかった。
地上に居れば、本局で執務官をしているフェイトさんと接点が減って、私を見てくれると思ってた。最低、だよね。でもね、それでもそうして欲しかった」



一歩ずつ、歩いてくる。そして、腕を伸ばして僕を抱き締めた。

強く、求めるように。それに心臓の鼓動が早まる。



「・・・・・・ギンガ、さん?」

「好きなの」





・・・・・・え?





「なぎ君の事が、好き。友達としてじゃない、仲間としてじゃない。一人の男の子として、好きなの。・・・・・・大好き、だよ。世界中の誰よりも、なによりも」










だ、大好き・・・・・・男の子として・・・・・・。





えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?




















(第10話へ続く)




















おまけ:なんか楽しそうにゲームをしている方々




















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・・・・・・今日も楽しくウィハンプレイ。まぁ、明日は訓練あるから適度な感じだけど。仕事がある社会人としては、中々難しい部分があるんだね。





まぁ、そこはともかく・・・・・・ジン坊の造ったガンナー系キャラと一緒にレベル上げをしてると、妙なアナウンスがログに流れた。










「・・・・・・サービス開始記念イベント?」



そう、ログに流れたのはそんな話。ジン坊がロングソードでミミズを斬りながら・・・・・・なんで剣かって? それはね、ジン坊が某アーチャーを目指してるからだよ。



「違いますよっ! 普通に弾丸の価格が高くてソロ上げだと使いたくないってだけですっ!!」

「あぁ、お前金ないもんな。てーかよ、ガンナーなんて銭投げと同じだって。なんで序盤からそれ行くんだよ」

「いや、こう・・・・・・本能がそうしろと」



ジン坊、それ意味わかんない。とにかく、狩りを一旦中断してログを見る。

・・・・・・なんですとっ!?



「イベントクリアの暁には、記念アイテムもらえるですかっ!!」

「てゆうか、賞金出るのかっ!? うし、これで金欠から脱出出来るっ!!」

「まー、アイテムっつっても対したモンじゃないんだろうけどな。そんなチートアイテムが出るわけないし」



でもサリ、レアなアバターパーツとかもあるみたいだけど。あと、槍とか。



「よし、お前ら気合い入れていくぞっ!!」



アンタいきなり気合い入るねっ! てゆうか、そんなにレアって言葉に弱いっ!?



「恭文さんとおそろい、恭文さんとおそろい。ふふふ、フェイトさんには負けないのです」



リインちゃんがなんか燃え出したー! あぁ、ここでまともなのは私とジン坊だけ



「賞金、賞金。そして弾丸買って、一気にレベルを上げて」

「お前もかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」










・・・・・・こうして、当面の私達の目標はこの記念イベントクリアとなった。まぁ、低レベルでもクリアできる感じらしいのでここは安心。





普通に楽しいイベントになればいいなと思っていた私は、きっとボケていたんだと思う。





そう、まさかこれが六課の主要メンバーを巻き込んだ騒動に発展するとは、この時誰も予想していなかった。










「ヒロリスさん、本当にそうなるですか?」

「・・・・・・わかんない」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・・・・草原を抜けた先に広がるのは、砂浜。というか砂丘。





アタシがここに到着した時にはもう夜。そして、さっそくお出迎えだ。ふふふ、やっと会ったぜ。スケルトン。





当然アタシは、そのままハンマーを持って・・・・・・突撃した。










「ぶち抜けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」










・・・・・・でも、そろそろパーティー組みたい。なんでアタシ、誘われないんだろ。パーティー参加希望、ずっと出してるのに。




















(おしまい)




















あとがき



古鉄≪というわけで、色々あった第9話です。みなさん、いかがだったでしょうか。お相手は古き鉄・アルトアイゼンと≫

スバル「えっと、ウィハン3編に絡むかどうかが微妙なスバル・ナカジマです。うーん、ギン姉がついに告白したよね。というか、ハグだよハグ」





(妹だからだろうか、なんだかとっても嬉しそうだ)





古鉄≪さて、一度やってみたかったネットゲーム話ですよ。作者、FF11を開始当初からやってましたので、多分設定的には似通った感じになると思います。てゆうか、普通にフィールドやダンジョンの名称考えないとまずいでしょ≫

スバル「あー、だからこれなんだね。でもさ、今回の話のキモは、それよりギン姉だよギン姉。あー、いいなぁ。てゆうか、私のIF話もして欲しいなぁ。ドロドロじゃないの」

古鉄≪・・・・・・ドロドロ嫌ですか?≫

スバル「うん。もうちょっとさっぱりした感じがいい。前にアルトアイゼンが言ってたような、ギン姉と三角関係って重たいしさ」





(まぁ、それは分かる。作者も同じ事を思ったから)





古鉄≪なら、王道的な感じはどうでしょう≫

スバル「王道?」

古鉄≪はい。・・・・・・FS19話直後から始めて、あなたがヒロインっぽくなる雰囲気に持って行くんですよ。というか、フェイトさんの位置をあなたにします。こうすれば、簡単に構築は可能です≫

スバル「いや、それだと焼き増し・・・・・・あ、でもそういうのならいいかも。てゆうか、私だってヒロイン出来るんだよ? バストは力なんだから」





(そう言って胸を張る。・・・・・・何が言いたいんだろう)





古鉄≪とにかく、ここからウィハン3編に突入するセカンドシーズンにご期待ください。お相手は古き鉄・アルトアイゼンと≫

スバル「あ、ウィハン3編でアイディアの有った魔法とかを試したいそうなので、そこもご期待ください。スバル・ナカジマでした。
次のIF話は、私と恭文がラブラブするんだー! 私だってフェイトさんやギン姉やティアに負けて無いんだからー!!」

古鉄≪・・・・・・エンジンかかってますね≫










(なんでだろう、良太郎さん居るのに。
本日のED:タイナカサチ『code』)




















スバル「というわけで、次のIFは私とだから」

恭文「なんでそうなるっ!?」

スバル「私じゃ、嫌? 私、女の子として魅力ないかな。胸はティアよりもあると思うんだけど」

恭文「だから胸の話はやめーいっ!! ・・・・・・別に嫌とかじゃない。てゆうか、前に言ったじゃないのさ。スバルはフェイトやなのはとは方向性ペクトルが違うだけで、魅力的なのは変わらないって」

スバル「ホントに? うん、それならよかった」

ティアナ「スバル、また嬉しそうに・・・・・・」

ギンガ「というか、私の告白・・・・・・」

古鉄≪当然次回です。さて、どうなりますか≫










(おしまい)





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