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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第26話:おまけとあとがき



おまけ:帰ってきた高町・ヴィータ教導官による魔導師解説コーナー!!

今回のお題:『闇の書事件について』

(ゲスト:蒼凪恭文)




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



(きーんこーんかーんこーん♪)





海里「起立・・・礼、着席」

師匠「うし、つーわけで授業始めるぞー。今回は闇の書事件についてだ」

なのは「私もそうだし、ヴィータちゃんにここには居ないけどはやてちゃんやフェイトちゃんにとっても関係が深い事件なんだ」

恭文「一応、僕も関係者みたいなものなの。まぁ、事後の話なんだけどね。あ、今回は僕は解説役ね。本編と違って、事件の事は知っているということで」

あむ「いや、その補足はなによ。・・・ということは、なのはさん達のコミュニティの大半の人が関わってるということなんですか?」

恭文「そうだよ。・・・まず、闇の書というのはロストロギアの名称。その能力は・・・蒐集」





(画面が開く。そこに出てきたのは、剣十字の紋章が付いた一冊の本)





やや「これが闇の書なの?」

りま「なんて言うか・・・本よね」

恭文「そうだよ。闇の書というのは、本型の大容量ストレージデバイスで、その中に膨大な魔力と魔法知識を内包しているの。その原因が、さっき言った蒐集能力なんだ。
闇の書は、他者のリンカーコアを吸収する事で、その人が使える魔法を蓄える事が出来る。そして、そのマスター・・・持ち主は、その魔法が無条件で使えるようになるんだ」

なのは「ただ、それはあくまでも闇の書の能力の一部。本当に怖いのは、その蒐集によってページが埋まって行くことなの。リンカーコアを吸収すると、その魔力も一緒に闇の書に吸収される。すると、その魔力を元に全666ページの闇の書のページが少しずつ埋まっていく。
そうして全部埋まると、マスターは闇の書から真のマスターとして認証されて、その全能力を解放出来る。・・・ううん、暴走する。結局その膨大な能力をコントロール出来ずに、マスターは死に至るの。それだけじゃなくて、その暴走の折には周辺を巻き込んだ大災害が起きる」

恭文「でも、みんな強大な力が欲しい。自分なら大丈夫とタカをくくって、蒐集を始めて・・・自滅だよ」

唯世「え、リンカーコアを吸収って・・・それだと、その人は魔法が使えなくなるんじゃ」

なのは「そこは大丈夫。リンカーコアを奪われても、それ自体がほんとになくなるというわけじゃないんだ。まぁ・・・命を奪われてしまえばそれまでなんだけど」





(ガーディアンの面々、いきなりハードな話でちょっと怯えてる。いきなりこう来るかという空気も出てる)





恭文「そして、局ではこの闇の書の問題に、管理局発足当初からずっと悩まされ続けてた。
闇の書絡みで何か起きた場合、マスターをどうにかして・・・そして数年後にまた同じ事件が起きてってパターンが、数年間隔でずっと続いていたから」

りま「ちょっとまって。それおかしくない? だって、デバイスなら、壊すなりマスターから奪えばすればいいだけじゃないの」

歌唄「それもそうよね。原因が分からないとかならともかく、そこまで分かってるなら対処はいくらでもやりようがあるはずなのに」

恭文「それがそうもいかなかったの。ここが、闇の書事件の1番厄介なところだったんだ」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・闇の書の本当の能力





恭文「闇の書には蒐集機能と同じく、再生機能と転生機能というものが備わっている」

空海「再生と転生?」

恭文「まず、闇の書には強固な防衛プログラムが存在する。それが自身への損傷を修復するの。それもすごい速度で。
ようするに、壊そうと思ってもそのプログラムをどうにかしない限り、闇の書本体は壊せないんだよ」

海里「またそれは厄介な機能ですね。では、転生機能というのは?」

恭文「まず、闇の書のマスターは闇の書が決めるの。ランダムで自分の主足る資質を持った人間を選んで、その人間の下に飛ぶ。
で、もしもその人間が死んだら・・・また別の資質を持った人間の所へ行く。で、その人間が死んだらまた別の人間を探して」

あむ「ちょ、ちょっとまってっ! それじゃあ堂々巡りじゃんっ!!」

唯世「まさか転生って・・・それを差すの?」





(先生方が頷く)





歌唄「しかもそれだけじゃないわよね。マスターが力を求めて、蒐集を始めて、暴走して、結局被害をそこらじゅうに撒き散らした挙句に死んで」

海里「そうして次のマスターも同じ事をして・・・それで管理局はずっとこの問題に悩まされ続けていたということですか」

なのは「うん。闇の書本体は壊せない。マスターが死亡したらその瞬間に新しいマスターの所へ飛んでしまう。闇の書の封印や破壊は、不可能とまで言われていたの」

恭文「無限の再生能力と捕縛すら不可能な転生能力。これが闇の書を闇の書足らしめる所以だったんだ。あとりま、マスターから奪うって言ったよね?」

りま「えぇ」

恭文「実際、本当にギリな状況でそれをやったことがあるの。でも・・・」

なのは「結局は暴走して、それを搭載した船ごと、アルカンシェルで沈めることになったの」

あむ「アルカンシェル?」





(映像が切り替わった。そこに映るのは、船の下に搭載された巨大な装備)





恭文「これがアルカンシェル。次元航行艦に緊急時にのみ搭載される戦略兵器なの。今回の話でやったみたいな封印処理が出来ないロストロギアがあった場合、それを破壊するための兵器・・・って感じかな。一応、これも魔法技術で作られた代物だよ」

空海「戦略って・・・どんなのなんだ?」

恭文「えっと、着弾地点から約百数十キロの範囲を、対象ごとその空間を湾曲させながらねじり潰す・・・って言えば、わかる?」

やや「ごめん、全然わかんない」

なでしこ「私も同じく。ただ、それの効果範囲が凄まじいという事だけかしら」

海里「ですが、これを撃たれたその船は・・・」

なのは「うん、さっきも言ったけど、沈んだんだ。その船の艦長を務めていた人は、船から暴走した闇の書を出さないように処理をするために残って・・・」

あむ「まさか、そのままっ!?」

なのは「うん。それが・・・もう20年も前の話かな」





(詳しくはA's'本編をご覧ください)





恭文「でも、それから数年後・・・今からで言うと11年前に、結局闇の書は復活した。新しい主の下に転生して、目覚めの時を迎えた」

歌唄「結局、問題をまた先送りにしただけだった・・・ということね」

唯世「なんだか、やりきれないね」

恭文「だね。遺族や関係者からすると、溜まったもんじゃない。ただ・・・」

あむ「ただ?」

恭文「そんな連鎖に風穴を開けた人間が居た。それが、闇の書事件解決の糸口になったんだ」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・解決までの道筋





師匠「まず、そのきっかけは11年前。闇の書がはやてのところに転生したのが原因だ」

あむ「はやてさんの所に・・・って、じゃあ、はやてさんは闇の書のマスターッ!?」

師匠「元・・・が付くけどな。そして、その時にアタシ達ははやてのところで暮らすようになった」





(映像が出てくる。そこには四人の男女)





やや「ええと、先生に・・・あれ、見たことない人もいる」

恭文「現在、八神家の一員となっているシグナムさんにシャマルさん、ザフィーラさんだよ。まぁ・・・四人は闇の書の一部というべき存在だったんだ」

りま「一部?」

恭文「さっき話した防衛プログラムの一環として、四つのプログラムが存在した。それはマスターの意思の元、闇の書の蒐集にマスターや闇の書の防衛行動に手を貸す、古代ベルカの騎士。それが元々の師匠達だったんだ。
師匠達も、闇の書と同じくずーっと転生し続けていたの。闇の書と一緒に、永遠の時間を生きてた。師匠達が古代ベルカの技を持っているのも、この辺りが要因なんだ。そして、この四人のエース級の騎士達が、闇の書の対処を困難にさせる要因になっていた」

あむ「あの、それじゃあヴィータさんって・・・」

師匠「まぁ、厳密に言えば人間じゃねぇな。だから、お前らみたいに背も伸びねぇし年も取らねぇ。この姿だって、ずーっと変わらねぇ。
だから、アタシ達はいつも通りにはやてにかしづいた。はやてはマスター。だから、また蒐集が行われて、そして・・・って流れだと思ってな。ただ、はやては違ったんだよ」





(映像が変わる。そこに映るのは、幸せな家族の図。具体的には、A’s’の7話)





なでしこ「・・・あの、これは普通の日常ですよね。もっと言うと、生活風景」

恭文「はやては、蒐集を望まなかったんだよ。闇の書のこととか魔法のこととか、全ページを蒐集行動で埋めることで膨大な力が手に入ると言っても、それに耳を傾けなかった。はやてが望んだ事は一つだけ。
みんなに・・・師匠達に、自分が生きている間だけは家族として生きていて欲しい。それだけ。・・・はやて、小さい頃に両親を亡くしててね、この段階まで天涯孤独だったんだよ」

やや「だからなんだ。でも、先生も他の人達も楽しそう」

りま「そうね。ちょっと・・・うらやましい」

師匠「あぁ、楽しかった。はやてはアタシ達を本当に家族として接してくれて、たくさんの人間に迷惑をかける蒐集なんてしなくていい。
たくさんの人に迷惑をかけてまで力なんて欲しくないって言ってな。・・・蒐集すれば足が治るって言ったのに、それでもだ」

あむ「そう言えばはやてさん、ずっと車椅子ですよね」

師匠「あぁ。子どもの頃から足を悪くしてたんだよ。・・・だから、なんだ」

あむ「え?」

恭文「だから、師匠にシグナムさん達は、蒐集行動を始めた。はやてに内緒で」





(また映像が変わる。映るのは・・・一般局員や巨大生物を襲う騎士の姿)





あむ「そんな・・・どうしてですか? だって、蒐集で全ページが埋まったら」

やや「なにより、はやてさんが蒐集しないって言ってたんですよねっ!? どうしてこうなるんですかっ!!」

師匠「実はな、アタシもそうだしシグナム達も全ページが集まって暴走する瞬間ってのに遭遇したことがあんまりなかったんだよ。しかも、その直後や直前の記憶が飛んだりもしてた。
だから、全ページを埋めたら闇の書が暴走して、マスターが確実に死ぬなんて、この時は知らなかったし考えてもなかった。考えてなかったから、必死でページを集めてたんだ」

なのは「ここには事情があるんだ。闇の書はマスターであるはやてちゃんと深くリンクしていた。その影響は、まだ9歳という成長途中のはやてちゃんの身体を蝕んだの。闇の書の膨大な魔力は、その持ち主であるはやてちゃんに悪影響しか与えなかった。
例えば・・・足の麻痺。そして、その麻痺は闇の書が覚醒してヴィータちゃんが外に出てきてから、徐々に身体の上へと進行を始めた。私やフェイトちゃんが関わったのは、このためにヴィータちゃん達の蒐集行動に遭遇したせいなんだ。そのまま、この事件を追うことになった」

海里「なるほど。つまり、八神さんの足の障害は闇の書のマスターとなってしまったのが原因なのですね。それを直すために、先生とこちらの方々は蒐集を始めた。しかも、徐々に麻痺が上へと進行を始めたということは・・・」

師匠「そのままだと、はやてが死んじまうって言われたんだよ。治療の方法も全く無くてさ。でも、アタシ達、もうこの段階だとはやての事が大好きでさ。
闇の書のプログラムとして生まれてきて、ずーっと長い時間、戦いの中でしか生きてなくて、ようやく・・・ようやく幸せって言えるもんに触れられてさ。失いたくなかったんだ」

なでしこ「だから、蒐集行動を開始したんですね。はやてさんに内緒の上で。全ページを埋めれば、はやてさんの足が治ると信じて。結果、命も救えると信じて」

唯世「でも、暴走したら・・・あぁ、そうか。結果的にどうなってマスターが死に至るかという記憶は、無くなっていたんですよね。
もしくは、暴走する瞬間に遭遇する事が無かった。でも・・・それはどうしてですか?」

恭文「簡単だよ」





(映像が切り替わる。そこに映るのは、リンカーコアを奪われて消滅していく騎士達)





あむ「恭文・・・これ、なに? なんで、みんな消えちゃうの?」

恭文「歴代のマスターは、最後のページを埋めるために師匠達のリンカーコアを使ってた。それがこれだよ」

師匠「それをやられちまうと、アタシ達は消滅・・・というより、闇の書の中に戻っちまうんだよ。で、また転生して、目覚めの時が来たら外に・・・を、ずっと繰り返してた。もう数え切れないくらいにな」

恭文「結局、これにより暴走。そしてマスターは死ぬ。はやての時も、諸事情でそうなりかけたんだ」

やや「そんな・・・」

恭文「ただ、さっきも言ったけどはやてがこの状況に風穴を開けたの」





(映像がまた切り替わる。そこに映るのは・・・銀色の髪に赤い瞳をした女性)





唯世「・・・綺麗な人だね。この人は?」

恭文「闇の書の管制プログラム。闇の書の意思との呼ばれてる人だよ。この人も、師匠達と同じく闇の書の一部で、プログラム。そして、防衛プログラム」

あむ「えっと、再生機能とかそういうのだよね。
・・・え、この人がそれ自体って言うことっ!?」

恭文「細かい説明をすると違うんだけど、それでかまわないと思う。・・・全ページが埋まって、はやては暴走を始めた。闇の書はストレージデバイスだけど、同時にユニゾン機能も持っているデバイスなんだ。
ユニゾンして、暴走事故・・・だね。以前話したとても危険な状態に置かれて、はやては完全に身体の自由を奪われた。そんな中で、やっとこの人と対話出来たの」

なのは「この人は、400ページの蒐集を終える事で目覚めて、全ページを蒐集することでようやく姿を現せる。そして、はやてちゃんはこの人と話して、暴走を止めたいって必死に声を上げて、協力してもらえることになったんだ。
二人で協力して、中から防衛プログラムを闇の書から切り離したの。それが・・・これ。高い再生能力に防御能力を持った巨大な魔力の塊」





(映像で出てきたのは、でっかい・・・怪物)





あむ「・・・え、これ倒したの?」

恭文「あむ、僕を見ないで。倒したのはなのはだから。師匠にフェイトにシグナムさん達にその他色んな人達だから」

やや「な、なんて言うか・・・すごいですね」

空海「なのはさん、マジで地球とか割れるんじゃ」

なでしこ「ZでGTな方と戦えると思うんですけど」

なのは「割れないよっ!? そんなこと出来ないからっ! 普通に協力があったからなんだからねっ!!」

りま「でも、どうしたの? こんなデビルガンダムもどき」

恭文「・・・まぁ、そこが魔王を魔王とした所以でさ」





(映像が切り替わる。というか、フルボッコ)





恭文「まず、闇の書の対処は二つの方法があったんだ。一つは強力な凍結魔法でマスターごと凍らせて、永久的に封印」

あむ「・・・でも、そんなことしてないよね? 普通に攻撃してるよね」

恭文「この段階だと、マスターであるはやてと防衛プログラムが別になってたからね。で、凍結させても、魔力の塊で暴走しまくってるこれには対処出来ないって結論がでたの。そしてもう一つは・・・アルカンシェル」

やや「あ、そっか。それで吹き飛ばせば・・・って、だめじゃん。ここ海だよね?」

なのは「というより、海鳴の沖合いなの。ここでアルカンシェルを使うと、海鳴の街ごと・・・どかん」

なでしこ「そう言えば、百数十キロと言ってたわよね。それなら、街一つは簡単に飲み込めるわ。・・・ね、結界魔法というのはだめなの?」

なのは「あんまりに高火力過ぎて、それごと壊しかねなかったの。元々そういうのの併用を考えていない兵器だったから。ただ、何もしないのも絶対にアウトだった。
闇の書は触れたもの全てを侵食していくから、放っておけば被害はアルカンシェルで海鳴の街が吹き飛ぶよりも大きくなる」

空海「えっと、ようするに凍らせるのもだめで、ぶっ飛ばすのもだめだったってことですよね。それで・・・どうしたんですか?」

恭文「まず、今皆が見ている通りに防御フィールドを砕いて、本体にダメージを与える。それで、防衛プログラムのコア部分以外のものを全部吹き飛ばすことにしたの。コアはどっちにしろ、再生機能のせいで通常魔法じゃ潰せないから」

師匠「で・・・これだ」





(画面が切り替わった。そこは・・・宇宙)





恭文「この時、なのはにフェイト、闇の書事件に関わった局員の人達が本部にしていたアースラという次元航行艦があるんだけど、ちょうど地球の軌道上に待機してたんだ。で、コア部分を捕まえて、そのまま宇宙に転送。
宇宙空間の比較的安全なところにアースラを待機させて、その目前に転送させて・・・アルカンシェルを発動。コア部分を完全に消滅と」

あむ「またすごいことするね。宇宙空間って・・・」

恭文「一応補足しておくと、これは当時9歳のなのはとフェイト、はやてのアイディアだから。9歳児がこれだから。ね? おかしいでしょ。特に魔王だよ魔王」

なのは「なんでそうなるのっ!? というか、私は魔王じゃないもんっ!!
・・・とにかく、この防衛プログラムが闇の書の転生機能や再生機能を持っていた。それを本体から切り離して、今説明したみたいにみんなで協力して消滅させたの」

歌唄「結果、どうなったの?」

なのは「暴走は当然停止。はやてちゃんも助かった。転生機能や再生機能も防衛プログラムと一緒になくなったから、闇の書はほぼ無害になった・・・はず、だったんだけど」





(表情が重くなった。それはまぁ・・・やっぱり、ねぇ)





なのは「ただね、これでも完全に防衛プログラムを消滅させられなかった」

あむ「えぇっ!?」

なのは「防衛プログラムがあまりに元々の書のシステムに食い込みすぎてて、完全というのは無理だったの。
ただ、その大半がそぎ落とされたのと同じだから、この直後なら闇の書本体の消滅は通常処理でも可能だった」

師匠「でよ、アタシもシグナム達も消えるのは覚悟してたんだよ。でも・・・管制プログラム・・・あ、リインフォースってはやてが名前付けたんだけどさ」

やや「あ、リインちゃんと同じ名前。・・・てゆうか、よく考えたら似てますよね」

師匠「あぁ。はやてとアタシ達がアイツの妹みたいなイメージで生み出したからな。・・・で、リインフォースが、アタシやシグナム達の本体というか、管制権限を本当のマスターになったはやてのリンカーコアに移したんだよ。
それによって、アタシ達は闇の書が消滅しても、一緒に消滅って事態だけは免れた。アタシも今こうやってお前らに授業が出来るってわけだ」

空海「あー、なんかよくわかんねぇっすけど、大丈夫だったってことっすよね。でも、それならそのリインのお姉さんは?」

なのは「・・・闇の書と一緒に、消滅したんだ」

あむ「そんな・・・どうしてっ!? だって、ヴィータさんが大丈夫なら」

恭文「そういうわけにはいかなかったんだよ。師匠達と違って、お姉さんの方はあんまりに本体のシステムに食い込み過ぎてて、防衛プログラムと完全におさらばできなかったんだって。
もし、そのまま放置してたら防衛プログラムは時間を経たずに再生。結果、また元サヤ。それを知ったお姉さんは、自分から言い出したんだ。はやてを本当に助けるために、自分を、闇の書を消滅させてくれって・・・」

なでしこ「・・・そう。それで、はやてさんは」

師匠「相当だった。自分が抑えるし、暴走なんてさせないって言ったんだけどな。アイツ・・・強情だから。自分のかけらだけ残して、そのまま空に上っていったんだよ」





(小さな師匠、そう言いながら空を見上げる。見上げて・・・何を見ているかは、きっと本人にしかわからない)





恭文「とにかく、こうして闇の書事件は終わりを告げたんだ。まぁ、事情込みとは言え管理局員襲ったりしてたから、師匠達は管理局任務への従事という形での罰が待ってたけど、それではやて達が離れ離れになるということはなかった」

なのは「それがきっかけで、はやてちゃんやヴィータちゃんもそうだし、私やフェイトちゃんも管理局の仕事に本格的に入ることにしたんだ。
世界にはこんな事件がたくさんあって、それをなんとかしていきたいなと思って」

海里「なるほど・・・。そう言えば、先生。先ほど話の中で『元々の書のプログラム』と言っていましたが」

なのは「あぁ、そこを説明してなかったね。あのね、闇の書というのは、本当の名前じゃないの」

唯世「本当の名前じゃ、ない?」

なのは「本当の名前は夜天の書。本当に無害なデバイスだったんだ」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・夜天の書が闇の書になった理由





恭文「まず、夜天の書というのは、以前話した聖王のゆりかごとかが出てくる、先史ベルカ時代に作られたデバイスなんだ。その目的は、珍しい魔法の蒐集」

やや「え、闇の書と変わってないよね」

恭文「その目的が違うの。元々夜天の書は、さっきも言ったけど珍しい魔法の蒐集して、それを保存。そうやってその保存した魔法を後世に伝えるために作られたんだ。
それの保護のためにある程度の自己修復機能を備えて、色んな魔法を保存するために、あっちこっちへ旅する機能を付けられた」

なでしこ「・・・あれ、それって」

りま「やっぱり今まで話してくれた闇の書の動き方と変わってないわよね。中に入っている魔法の保全のための修復機能は、自己修復機能に置き換えられるし」

なでしこ「あっちこっちへ旅する機能というのも、転生機能よね?」

なのは「うん、そうだよ。目的とその趣旨が違うだけで、闇の書と動き方は変わってないんだ。まぁ、蒐集に関してはその術者さんの許可を貰った上で、安全な方法で行ってたそうだけど。ただ、長い時間の中で変わった」





(ここが本日のお話のキモだったりする。まぁ、大事なことなので)





なのは「夜天の書には、本当に珍しい魔法も入っていた。その中には、単純にとても強い力を持った魔法もある。
そういう力を有効利用しようとするマスターも、中には居た。そんな歴代のマスターが、闇の書を強化・・・ううん、改悪していったの」

恭文「その結果が、さっきみんなが見たあの防衛プログラムだよ。より自分達の利益になるように、強い形に変えていった。修復機能は増大して、手に負えないほどの再生能力に変わった。
あっちこっちへ旅する機能は、転生機能という形になった。蒐集も、魔法の保全という本来の目的なんて消え去って、ただ力を手にするための行動に成り下がった。そうして、夜天の書は闇の書という名前で呼ばれるようになった」

歌唄「・・・なによ、それ。結局人間の勝手で無害なデバイスがそんなデビルガンダムもどきになったってわけ?」

恭文「そうだよ。そして、なのにも関わらず歴代のマスターは力を求めた。・・・まぁ、そうじゃないマスターも居たかも知れないけどね。
はやてがお姉さんに協力を取り付けられたのは、この辺りの事を全ページを蒐集したことで得られた管理者権限で知ったからなんだよ。それで、説得した」

あむ「でも、可哀想だよ。本当に最初の時は普通に先の人達のために生まれたのに、勝手な理屈で作り変えられて、怖がられて、結局消滅して・・・」





(ジョーカーがまた泣きそうになってる。どうやら、そうとう涙もろいらしい)





恭文「ただ・・・それだけで片付けられない問題も出てきた」

あむ「え?」

恭文「さっきも少し話したけど、闇の書事件は数年間隔でずっと起こり続けていた。闇の書がマスターの元に転生、そこで闇の書が覚醒、蒐集を開始して全ページを集めて、結果暴走してマスターは死亡。そしてまた転生・・・という流れをずっと繰り返してた」

師匠「そして、アタシもシグナム達も、そんな中で罪を犯し続けていた。だから・・・当然、恨むやつも出てくるんだ」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・闇の書事件のその後





恭文「まず、事件の最終局面で闇の書の本当のマスターとなったはやてには、闇の書が持っていた膨大な魔力と、レアスキルを受け取った」

あむ「レアスキル?」

恭文「蒐集行使だよ。リンカーコアを蒐集することで、その術式を使えるようになる。そして、その術式を詠唱・コントロールした上で発動することで、そのままその魔法を使う事が出来る能力。これにより、名実共にはやては闇の書の最後のマスターとして認識されるようになった。
まぁ、事件自体の内容や深い部分は、プライバシーの観点や機密事項に当たる事から、ほとんどの人間は知らないけどね。知っているのは、局の上層部の人間の中でも一握りだよ。そして、その上層部の人間ははやての事があんまり好きじゃない」

唯世「それはまた、どうして?」

恭文「はやては闇の書事件の被害者ではあるんだ。闇の書がはやてのところに来たのは、それを扱う資質があったというだけで、はやて自身が選んだ事じゃない。むしろ、そのせいで命の危険に晒されていたから。
ただ、上層部の間ではそういう認識じゃない。はやては自分の命惜しさに騎士達・・・つまり、師匠達に蒐集をさせ、また大規模な災害を引き起こしかけた重犯罪者と認識されてる。だから、はやてが局に居る事自体にいい顔をしない人間も多い」

なでしこ「それはまた・・・随分と勝手な理屈ね。お話を聞く限り、はやてさんは本当に最後の局面まで蒐集のことや事件の事はご存知なかったのでしょう?」

やや「そうだよっ! それなのにそんなこと言うなんてどういうことっ!? うー、理不尽ー!!」

恭文「まぁ、はやて本人はそういうのも全部しょってく覚悟みたいだけどね。・・・全く、なんつうか面倒な女だよ。つーか一人で背負うんじゃないっての」





(なんか言ってるけど、それに説得力がないのは全員が知っている。だって、同じ穴の狢だし)





恭文「そして、これは実際にあった事件なんだけど、はやてと師匠達はそのせいで命を狙われたことがある」

空海「はぁっ!? どういうことだよそれっ!!」

師匠「アタシ達がバカ弟子と会ってから丁度2年とかそれくらい経つか・・・ってところか? バカ弟子も含めて旅行に行ったんだよ。その時に、はやて・・・というより、闇の書事件での被害者の遺族や関係者に、命を狙われて、襲撃された事がある」

恭文「で、僕は巻き込まれてやった」

なでしこ「あなたの性格から察するに・・・放っておけないので自分から飛び込んだ、かしら」

恭文「正解」

なのは「ただ、みんなにも話した通り、はやてちゃんは自分から蒐集しろとは命令してないし、力を悪用もしていないんだ。襲ってきた人達は、前に闇の書が覚醒した時に親しい人達を亡くした人達。
狙った理由は、はやてちゃんが闇の書・・・夜天の書の力を受け継いだ最後のマスターだから。前のマスターはもう死んでしまって居ない。だからはやてちゃん、そして闇の書のプログラムで蒐集行動を手伝っていたヴィータちゃん達を・・・」

空海「また、それも勝手だよな。なんでそうなるんだよ。半分八つ当たりもいいところじゃねぇか」

海里「やはり、遺族の感情というのは理屈ではないのでしょう。例え八つ当たりに等しくても、そうしなければ納得がいかない部分はあるのでしょう。
俺だって、近しい人間がそうなれば、たとえ間違っていたとしても矛を収めきれるかどうか。正直、自信が有りません」





(なんて言いながら誰かを見てる。だけど、全員気づかない振りをした。それが優しさだから)





恭文「まぁ、ここで話が終わればまだ八つ当たりで済んだんだけど・・・」

歌唄「まだなにかあるの?」

恭文「ある。この襲撃をけしかけたの、その時の局の上層部や聖王教会の高官だったんだ」

全員『えぇぇぇぇぇっ!?』





(詳しくは、幕間そのきゅう〜じゅうにをごらんください)





恭文「前にも説明したけど、局の魔導師は魔導師ランクが高かったり、レアスキルなんかがあると出世しやすい。で、はやては高い魔力資質とレアスキルを持っている。僕達のコミュニティの中では1番の出世頭なんだよ。
ただ、上層部の人間からすると、それが非常に面白くない。犯罪者と認識しているのが自分達と同じところに来ようとするんだもの。だから、はやてを謀殺しようと考えた。それであれこれ考えて・・・その時にはやてに師匠達を襲った人間に、事件の真実を教えた」

なのは「襲った人達はね、私達と同じ局員で魔導師の人達だったんだけど、事件の真相や決着がどう着いたのかとかを、知らなかったの。
ずっと、どこにもぶつけようのない憤りを抱えていた。事件は解決して、もう同じ事は起こらないというだけでは、それは消えなかった。そこに、いけにえの羊がここにいるって、教えてあげたの」





(生徒全員、あんまりな事情に言葉をなくす。というより、どうコメントしていいかわからない)





空海「なんだよ、それ。マジで最低じゃねぇか」

唯世「そうだよ。それなら、実行犯の人達だって被害者だよね? 大切な人を事件の中で亡くして、その上一部の人間の勝手な理屈で利用されて・・・」

恭文「まぁ、それで襲った罪が消えるわけでもなんでもないけどね。あ、この一件の影響で、上層部がスッキリした。考え方を変えると、はやての反対派がしょっ引かれたわけだから」

あむ「でも、それは喜べないよね。事情が事情だし」

恭文「そうだね。はやても苦笑いしてたよ」

師匠「とにかくだ、強い力、珍しい力ってのは、往々にして心を狂わせるものだ。ただ強ければいいってもんじゃねぇんだ」






(小さな師匠、締めに入るのか、纏めようとしている)





師匠「強さは、自分が本当に必要とするものを手にしたり、守ったりするための力だ。少なくともアタシは、それが強さの大前提だと思ってる」

なのは「大事なのは、何を守りたくて、それをどうして行きたいか、本当に何が欲しいのかを考えて行くこと・・・かな。力が強いなら、それに負けないくらい心が強くないといけないんだ。はやてちゃんの選択がいい例だね。
はやてちゃんは、強い力や健康な足より、誰かに迷惑をかけたくないという気持ちと、ヴィータちゃん達という家族を選んだんだから。もしも麻痺の進行の事が無かったら、ずっとあのままだったよ。死ぬまで、蒐集はしなかったと思う」

恭文「結果的にとんでもなく迷惑かけちゃったのがアレではあるけど、そういうことだと僕も思うな。結局は自分が納得出来るかどうかなんだよ。他人様どうこうで考えているようじゃマダマダだね」

歌唄「・・・・・・なんだか私、反省だわ。私は思いっきりいろんなものを見失ったから」





(・・・そうだよね。原作からして若干危なかったよね)





やや「あれ、でもやや一つ疑問。・・・なんで恭文が今日来てるの? てゆうか、恭文が魔導師になる前の事件なのに」

恭文「あ、それは次の授業で少し話してあげるよ。・・・まぁ、一応言っておくと、僕、そのお姉さんに会った事があるかも知れないのよ」

やや「あぁ、それならなっと」





(全員が固まる。そして、叫ぶ)





生徒全員『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!』

師匠「あ、ちょうど時間だ」

なのは「そうだね。それでは、きょうはこれまで」










(きーんこーんかーんこーん♪ きーんこーんかーんこーん♪)




















(本当に続く)




















あとがき



古鉄≪というわけで、ようやく決着が着いたほしな歌唄編。みなさん、いかがだったでしょうか。本日のお相手は古き鉄・アルトアイゼンと≫

フェイト「フェイト・T・ハラオウンです。まぁ、次回は事後話も踏まえつつ・・・だね」





(JACK POT!!)





古鉄≪とりあえず、原作の流れは崩さずに・・・ですね。ここであむさんが頑張ってもらわないと、ダイヤの×が取れませんから≫

フェイト「ダイヤの×は浄化どうこうって言うのとは違うよね。原作読ませてもらったけど、あの子だけはあむのしゅごキャラの中で立ち位置が違うし」

古鉄≪それゆえに出番も・・・なんですよ。なので多少性格がアレになりましたけど≫

フェイト「・・・なってたね」





(でも、全員どこか諦めモード。おれがとまとクオリティだと認識する事にしたらしい。なお、苦情は受け付けません)





古鉄≪まぁ、そこはともかく・・・あなた、マスターは気をつけておいた方がいいですよ?≫

フェイト「うん、そうだよね。その・・・ずーっと愛し合えるように頑張りたいんだ」

古鉄≪そこではありません≫

フェイト「え?」

古鉄≪あの人、×が付きそうですから≫

フェイト「えぇぇぇぇぇぇっ!?」





(閃光の女神、驚きの声を上げる。そして、そのまま青いウサギに詰め寄る)





古鉄≪いえ、最近どうもあの人に対して勝手なイメージを押し付けている輩が増えているようでして≫

フェイト「そうなの?」

古鉄≪はい。・・・・・・ほら、あの人主人公らしからぬ過激行動が多いじゃないですか。このクロスで言うならシティーハンターの我慢大会もどきを拷問代わりにやったりとか、味方内を調べまわったりとか、小学生相手に大人気なかったりとか≫

フェイト「あぁ、多いね。色々と」

古鉄≪どうもその辺りの事をダメだしされて気にしてるようなんですよ。気にする必要ないんですけどね。アレですよ、ほしな歌唄編の初めにあむさんに『らしくない』って男子が言ったのと同じ理屈ですよ?
そんなのイチイチ気にして、それに媚びて無理に主人公キャラやってたら意味ないでしょ。そもそも、あの人らしさってなんですか? 少なくとも明瞭快活なジャンプ主人公キャラではないでしょ≫

フェイト「・・・・・・そうなの?」





(そうなのです)





フェイト「でも、私もそう思うかな。勝手なイメージの押し付けって、正直嫌だし。らしさとかそういうのは、結局外見のイメージだもの。誰にも確定的なことはわからないよ」

古鉄≪劇中でも空海さんが言ってますしね。というよりですね、小説に限らず、どんな創作物でも気に食わなければ文句は言わずにスルーして触れなくていいんですよ。なんでそれでイチイチクレームつけるんですか。
それでなんで作り手が話の展開そのものからイチイチ修正しないといけないんですか。文句あるなら自分で書いた自分の話の中でなんとかしてください≫

フェイト「え、えっと・・・アルトアイゼン? その発言はかなり大問題だと思うんだけど。というか、また何かあったの?」

古鉄≪いや、実はですね。最近そういう絡みの話をよく聞くんですよ。例えば・・・どこかの劇団では、舞台の公演中に毎日アンケートを取るらしいんです≫

フェイト「でも、そこは普通じゃないかな。アンケートで次回の公演をよりよくしたりするのは大事って言うし」

古鉄≪次回の別の演目の公演で・・・ならいいんですよ。ただ、そこだと翌日の同じ演目の公演までに、アンケートを参考に台本やら舞台構成やらを直したりするらしいです。だから、初日と最終日では全く違う舞台になってることがあるとか≫

フェイト「そ、それってすごく大変なんじゃ・・・」





(大変に決まっています。セリフ変わったら覚えなきゃいけないし、動き方変わったらそれも覚えなきゃいけないし。なにより舞台やってる間は裏は凄まじく忙しいです。
役者さんは衣装を着替えるのも必要だし、裏方さんは音楽とかそういうのちゃんとしなきゃいけないし。話の流れが変わると、その工程だって変更しなきゃいけません)





古鉄≪さすがにこれはどうかと思うんですよ。作り手として自分の作品に対してこう・・・プライドというんですか? そういうものはないのかと。いや、自主的にこうしようあぁしようと作り手がどんどん修正するならいいんですよ。
ただ、自分が作ったものを、あんまりに人の意見を参考に修正しまくるのはどうなのかと。いや、修正が必要な場合もありますし、修正するなとはあんまり言えませんけど≫

フェイト「まぁ、そうだよね。誤字とか誤字とか誤字とか」

古鉄≪基本作者は勢いだけですし、そこはなんとか改善していきたいですね。でも、今話したのはお金が発生するようなものですけど、二次創作の場合だとそうじゃないじゃないですか。普通に同人誌作るとかならともかく、そうじゃなければ本当に個人の趣味です」

フェイト「小説家になろうとかそういう目的が無ければ、そうなると思う。・・・あ、わかった。それでどこまで修正とかそういうのに折り合いをつけるのか・・・ってことだね?
個人の趣味、ようするに自分の勝手や好きで書いてるんだから、結局のところ自分が楽しめるかどうか。お金が発生するような商売に絡むことなら、需要に合わせた修正は必要だけど、そうじゃないなら必要、ないかも知れないという事だよね」

古鉄≪書く事自体が好きという場合もありますし。なにより、作者だって最初はそんな感じですよ。
普通に細々と呑気に書ければいいなと思ってたんですし。1年やそこらでこんなことになるとは本当に予想はしてませんでした≫





(まぁ、予想は無理だと思う。アレとかコレとか)






古鉄≪ただ、こういう話をし出したのにはきっかけがありまして、最近それ絡みでまた拍手を頂いたんですよ。あんまりに読者に媚びすぎるのもダメだと。
意見や要望を聞くのは大事だけど、それをやり過ぎて、もっと媚びて欲しい派と媚びないで欲しい派が衝突してサイトが消滅したことなど山のようにあると≫

フェイト「そこは大丈夫・・・じゃないかな。このサイトだと、拍手への返信形式で、その辺りの衝突が起きないようにしてるし」

古鉄≪掲示板とかだと平気で起きますけどね。あと、コメントが認証製じゃないブログとか≫

フェイト「あ、そうだね。ネットで炎上・・・だっけ? そういうのがあるって、ヤスフミから聞いたことはある」





(閃光の女神は、あんまりネットの闇に詳しくないのです。あしからず)





古鉄≪あの人も作者もその辺りの事で相当イライラした経験がありますしね。しかもリアルが忙しくてネットが繋げない時にですよ。もう、アレですよ? 特に≫

フェイト「それ以上はダメだからっ! 確実に人名出すつもりだよねっ!?
と、とにかく・・・え、えっと・・・あれ?」

古鉄≪それもありますし、あとまぁ・・・あの人の大好きな声優さん関連でですよ。あなたがヤキモチ焼いたあの人ですよ。前はともかく、これは名前出すと色々大変ですから出しませんけど≫

フェイト「でも、そういうのって難しいよね。大体そう言ってくる人は、作品がよりよくなれば・・・って言う人が多いじゃない?」

古鉄≪ただ、そのよくなる方向が作り手の目指す方向と違う場合もあるんです。それを無視されて言われたら、ぶっちゃけ押し付けもいいところですよ?
例えば、前にテレビを見ていた時に、その局のドラマへの感想やダメ出しのはがきを読むコーナーがあったんですよ≫





(日曜の朝とかにやってる番組です)





古鉄≪それで丁度その局で小学生の子どもが、同じ小学生の子どもを殺害するというプロットのドラマがやってたんですよね。被害者の側と加害者の側の親の視点から、事件の進展具合や心情の変化を描くわけです。
で、そのドラマの感想で『内容が過激過ぎて、だめだと思う。もっと落ち着いた話にするべき』というような手紙が来ていたわけですよ≫

フェイト「まぁ・・・そこはわかるかも。確かに内容は過激だから。ただ、もしそのドラマをやるのにちゃんとした理由があるなら、その意見は聞くべきではないよね? 聞いて路線変更したら、それが出来なくなっちゃう可能性が出てくる」

古鉄≪そこなんですよ。実際、それに近い事件も起きている中で、ある意味ではリアルに来る可能性のある話ではありませんか。当然製作者もそういう意図で作っているわけです。
つまり、報道や世間の反応、そういう世の中への問題提起の意味も含めて・・・ですね。その話だと、加害者の親が事件をきっかけに、改めて距離が開きがちだった我が子と理解し合っていくという展開でしたけど≫

フェイト「うーん、やっぱり難しいね。聞く事は大事だけど、全部を聞くと自分の方向性が分からなくなっちゃう可能性がある。でも、聞かないと今度は暴走と言われる」

古鉄≪もう正直ぶっちゃけたいんですけどね。具体的には≫

フェイト「具体的にはだめー!!」

古鉄≪名前も出して≫

フェイト「それはもっとだめー! 個人攻撃になっちゃうよっ!?」





(正解の効果音。まぁ、さすがにそれは不味いと判断したらしい)





古鉄≪とりあえず、この話はやめておきましょうか。もう言いたい事が山のように出てきます≫

フェイト「そうだね。・・・それじゃあ、今回はおしまい?」

古鉄≪はい。さて、次回からはこのお話も3クール目。オープニングテーマもアニメもガラっと変わって、エンジンをかけていきたいと思います。それでは、本日のお相手は古き鉄・アルトアイゼンと≫

フェイト「フェイト・T・ハラオウンでした。・・・3クール目、楽しみだね。でも、OPって何になるの?」

古鉄≪リトルバスターズのバージョン違いでしょうか≫

フェイト「それもまた新鮮味がないね・・・」










(そんな話をしつつ、カメラはフェードアウトする。ここは、いつも通り。
本日のED:ほしな歌唄『ゆめのつぼみ』)




















フェイト「・・・あのね、気にすることなんて無いよ。他のキャラは他のキャラで、ヤスフミはヤスフミなんだから」

恭文「ホントに、そう思う?」

フェイト「うん。それともヤスフミは、そういう・・・こう、普通の主人公キャラってなりたいの?」

恭文「それが不思議なことに全く興味がない。僕はこういう路線が合ってるみたいだし」

フェイト「それならそれでいいよ。その、私は・・・ヤスフミの一番の味方で居るから。ヤスフミは、私にそうしてくれるから、私も、そうするね」

恭文「フェイト・・・あの、ありがと。すごく嬉しい」

歌唄「・・・・・・アイツ、マジで心狭いわよね」

あむ「あははは・・・。確かにそうかも」

歌唄「あの人、ちょっとうらやましいな」

あむ「恭文に好きだって思われるのが?」

歌唄「違うわよ。大好きな人の心を独り占めに出来ることがよ。そして、心が狭くて自分だけで一杯だから、余所見されない」

あむ「なるほど、それは確かに羨ましいかも。あたしも・・・唯世くんに」

歌唄「アンタは逆に心がとても広いみたいだけどね」

あむ「そうそう・・・ってっ! それどういう意味かなっ!?」










(おしまい)





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あきゅろす。
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