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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第24話:おまけとあとがき



おまけその1:眠りに入る硬き盾 そして目覚める大きく硬き盾




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・リメイクハニーってすげーな。完全に治ってるし。これなら、一晩休めば明日はフルで動けるぞ」

「ホントですか?」

「あぁ。・・・海里君、だったな」

「はい」



とりあえず、会場をすたこらさっさと逃げて・・・もとい、戦地から戻ってきて、すぐにサリさんに傷を見てもらった。帰る直前だったので、ギリなタイミングだったけど。

で、結果は・・・聞いての通り。でも、結果にかなり安心してる。だって、フェイトが涙目だったから。



「映像を見せてもらったが、また若い上に戦闘訓練してるわけでもなんでもないのに、いい腕してるな。やっさんがこのクロスでこんな深い手傷を負うとは思わなかったぞ」

「え、えっと・・・蒼凪さんの戦闘データの検証をかなり行っていたので、恐らくそのためかと。そうでなければ、俺の腕で蒼凪さんの相手は無理ですし。いや、なんというか・・・すみません」



サリさん、そんな意地悪く言わないでくださいよ。ほら、海里がなんか戸惑ってるし。



「あぁ、サリさんは誉めてるから大丈夫だよ。でも海里」

「はい」

「今度は、こういう形じゃなくて・・・最初の時みたいにやり合いたいな。互いに本気でさ」

「・・・はい、必ず。そして次こそは、一本取って見せます」

「うん、楽しみにしてるね」



安心させるように笑うと・・・海里も戸惑いながらも笑みで返してくれた。

・・・よかった。いつもの海里だわ。つか、なんかもっと素直になった?



「ただ、こっちの方は無事じゃないな」



そうして視線で指すのは、ジガンスクード。こっちもリメイクハニーで直してもらってる。なので、サリさんが言っているのは物質的な話じゃない。



「相当強度にも拘ってる作りだってのに、それを貫ける矛が出てきた。こりゃ、対策考えないと存在意義がなくなるって。
やっさん的にも、これから同じように盾代わりに使うのはちょっと躊躇うだろ?」

「そうですね。思いっきり腕をグサ・・・でしたから」

「・・・すみません」



やばい、失言だった。海里がすごいまた暗い空気を出してるし。

デバイスの事とか分からなくても、壊したってのは理解したらしい。あぁ、辛いよー。仕方ないとは思うけど辛いよー。



「そういや、体力問題の方はどうだ?」

「それが・・・あのパワーアップルジュースのおかげか、まったく問題ないんですよ。僕とミキももう体が軽くて軽くて」

「・・・くそ、変身シークエンス考え直してやる。そしてニコ動にアップだ」



するなぁぁぁぁぁっ! アンタマジで何考えてるっ!?



「とにかく、やっさん。ジガンは俺が預かる。つーか、改修するぞ」



・・・へ? 改修ってなにっ! つーかいきなりなんでそんな話になるっ!!



「いやよ、こうして損傷を受けたのも何かの節目ってことで、ちょっと俺に弄らせて欲しいんだよ。元々暇つぶし程度に改修案は考えてたんだ」

「そんなこと考えてたんですか。てゆうか、暇つぶし程度って・・・」

「そこは気にするな。それでフレームから弄り直すから結構かかるが、やっさんの訓練データや海里君との戦闘のデータなんかも含めて・・・最新式にも負けないものに仕上げてやる。
俺も予定を変えて今のヤマが片付くまでは居るから、ジガン無しで戦闘って言う心配もない。・・・どうだ?」



つまり、歌唄やらブラックダイヤモンズの一件が解決して、それから近日中にって感じか。なら、特に問題無いか。サリさんなら安心して任せられるし。

だって・・・あれだよ? ヒロさんを超えた感じのバカになるのは、たまにだもの。大丈夫、ちゃんとやってくれる・・・はず。



「サリさん、ジガンの改修お願い出来ますか?」

「あぁ、任せてくれ。一応名前も決めてんだよ」



いや、だから本人に何の許可も無く・・・あぁもういいや。で、名前はなんですか?



「ジガンスクード・ドゥロだ」

「イタリア語で『大きく硬い盾』・・・ですか」

「あぁ。もう海里君の攻撃で穴が開くような事にはならないから、安心してくれ」

「そ、それはその・・・あぁ、俺はどうすればっ!?」

「海里、お願いだから落ち着いてー! 大丈夫、僕も腕は大丈夫だしジガンも新しい形になるんだからー!!」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



で、現在は色々な事後。もっと言うと、次回とか次々回とかの後。俺はミッドに帰ってきて、本局の食堂でメシを奢りつつヒロに事情を話した。





そうすると・・・にやりと笑い出した。いやぁ、コイツは俺の考えていることが理解できるらしい。それがとても嬉しいよ。










「いやぁ、それはまた・・・面白そうだね。確かに設計自体から弄り直すのは楽しそうだ」

「だろ? でよ、色々案を考えてんだよ」

≪お前・・・姉御より仕事しながらよく考えられるよな。で、どうするつもりなんだ?≫



まず・・・そうだな。とりあえずモニターを立ち上げて、見せることにした。



「・・・ふむ、形状はそんな変わんないんだね」

≪そうだな。あ、カートリッジの搭載方式は変わってるな。カートリッジのリボルバー・・・というより、リングだな。それが手首を囲むようになってるし。つーか、カートリッジの経口も大型化するのか?≫

「あぁ。で、搭載方式も見た通りに変える。もち、誘爆に関しても防護策を何重にも張った上でな。そうじゃないと危ないだろ」



まぁ、ジガン自体の強度が相当だから今までは気にならなかったんだが・・・せっかくだから変えていくことにした。

この方式だと、経口も大型化出来るのがミソだったりする。高町教導官のレイジングハートのエクシードモード状態と同じくらいには出来る。



≪そうして火力アップってことか。でもよ、アクセルはどうすんだ? アレだってカートリッジ使ってるだろ≫

「当然、ガンドロ用に調整し直して使う。その辺りは空戦出来るフェイトちゃんやディードちゃんに恭太郎も居るし、問題ないだろ」

「なるほどね・・・。でもさ、形状をそんなに変えないで防御力強化って限界があると思うんだけど。材質やフレーム構造から変えるっつっても、それだってそこまで劇的ってわけじゃないでしょ」

≪その通りです。ですが、本来ジガンスクードはガントレットとしての使用が主です。形状自体はさほど変えない方向で行きたいと思います。
大きすぎても今度は取り回しの問題が出てきますから。ただ、ヒロリス女史の言うように限界は存在します。そこで・・・≫

「形状変換や対AMF用の新装備各種を搭載しようと思う」



で、画面を切り替えてヒロとアメイジアに見せる。



≪こりゃまた、てんこ盛りだな。改修つーかほとんど新規作成じゃねぇか≫

「そうだよね。アンタ、どんだけ頑張るつもりさ」



・・・ため息交じりにそんなことを言ってくれた。ありがとう、最高の誉め言葉だ。



「えっと、射出型のワイヤーアンカーに接近戦用のショートブレード。そいでどっちも収納型・・・って、これが対AMF用の装備?」

「まだあるけどな。とにかく新しいジガンは、AMFの完全キャンセル化でも動くようにしようと思っている。ほら、ジン坊のレオーと同じ仕組みだよ」

「あぁ、魔力結合させないで、やっさんから直接魔力を吸い上げる仕様にするんだね」

「そういうことだ」





俺らの親友の愛弟子であるジン坊が足に装着して使っているアンカージャッキ型のデバイス・レオーは、完全キャンセル化でも動ける仕様になっている。

この辺りはさっきヒロが言った通りだ。AMFは魔力結合を完全に無効化するけど、魔力そのものを消し去れるわけじゃない。直接的に魔力をデバイスに送る仕様にすることで、稼働状態に置くことが出来るってわけだ。

やっさんは執務官補佐で前線に出るという少々危険が伴う仕事柄、こういうのはこれから必要になって来ると思う。確かに魔法無しでもアイツはやれるが、それでも手札は多いに越した事はない。



出来れば、完全キャンセル化でもセットアップ出来るようにしておきたいところだ。まぁ、かなり難易度高いが、だからこそチャレンジし甲斐はある。そう、これは半分俺の趣味でもあるんだ(断言)。





≪それで次は形状変換だな。シールド兼用のパンツァーモード。で、近距離戦闘用のロッドモード≫

「最後に支援用のビットモードか。・・・ねぇサリ。これ、やっさんとアルトアイゼンだけに使いこなせるの? 特にビットモードだよ。データを見る限りそうとう操作複雑だよね」

「そこが今回のミソだ。新しいジガンにはAIを搭載しようと思う」

≪「AIっ!?」≫



で、そのAIが形状変換を含めた行動をアルトアイゼンと協力して取るんだ。

これでやっさんとアルトアイゼンの負担は相当減るだろ。



「いやいや、ちょっと待ってよ。AIってアンタ・・・マジ?」

「マジだ」

≪でもよ、そうするとボーイとジガンのAIもそうだし、ねーちゃんとジガンのAI同士でもシンパレートの問題が出てくるぜ? さすがにそりゃ無茶だって≫

≪普通にやれば確かにそうだな。だが、普通じゃなければどうする?≫



俺だってそこは考えた。下手に新規でAIを1から育てていくことから始めたら、年単位で時間がかかるし、絶対にとんでもない事になる。

やっさんは現在任務に従事中だ。その状況でそれはマズイ。なので・・・。



「やっさんとアルトアイゼンのよく知っている人物の思考データをそのままコピーさせてもらって、それを基にAIを構築するんだ」

「そうして連携を取りやすくする・・・ってわけ? つーか、どこのゴルディーマークだよ、それは」

≪まぁ、俺だってねーちゃんのAIを元に構築されてるわけだし、あんま言えねぇけどよ。で、誰にするつもりなんだ?≫



それなんだよなぁ。実は現在そこをかなり悩んでいる。



「俺としては高町教導官を考えてたんだよ。ほら、戦闘経験とかも思考の一つとしていけるかなーと」

「・・・ね、それはやめた方がよくない? なんかさ、すっごいMなのが出てきそうだよ。『主様・・・ジガンをもっと盾代わりに使ってなの。ジガンは主様を守るというのと、痛みを与えられるのとで二重に悦びを』・・・とか言い出しそうだよ」

≪この話、一応魔法少女物とのクロスだぜ? さすがにそれでそのキャラはねぇだろ。普通にガーディアンのボーイ&ガールは引くって。ついでに言うと、その逆ですっごいSで魔王キャラが出てきてもまずいな。もっと引くぜ≫

「やっぱりか? なんか俺もそんな究極ドMなAIが出来そうで頼むのを躊躇するんだよ。いや、高町教導官ならきっと笑顔で応じてくれるだろうけどさ」



というより・・・嬉しそう、だな。実質、高町教導官は既成事実が無いだけで、やっさんの第三夫人みたいに納まってるし。

・・・なんだろ、アイツ。マジでモゲてしまえばいいのに。



≪高町教導官・・・やはりそういう認識なのですね。では主、ランスター執務官補佐はどうでしょうか。相性もいいでしょうし、アルトアイゼンがアレなのでブレーキ役にもなると思うのですが≫

「あ、それいいんじゃないの? ティアナちゃんは元々タクティカルガンナーだしさ」



でも、そうするとなぁ・・・。今度はまた別の問題が出てくるんだよ。



≪あぁ、出てくるな。ただでさえ本人とパーフェクトカップルだぜ? 付き合ってないのに付き合ってるって思わせるような説得力溢れる何かがあるんだぜ? 絶対ブロンドガールがヤキモチ焼くって≫

≪蒼凪氏・・・また面倒な。ならばルシエ嬢・・・はだめですね≫

「ダメだね。ただでさえ少年が魔王化してるってビビッてるんだよ? そんな状態でアルトアイゼンと絡ませてみなよ。外見では楽しいだろうけどやっさんは常時地獄に居るのと同じだって」

「キャロちゃん・・・なんであんな強くなったんだろうなぁ。もう俺勝てる気がしねーし」



そうして、二人顔を見合わせてため息を吐く。・・・シスター・シオン・・・はダメだよなぁ。やっさんが絶対に嫌がるだろう。それ以前の問題としてまず、データを取らないとAI構築出来ないわけだから。

ならいっそ俺・・・ヒロ・・・あぁ、だめだ。なんかピンと来ない。



「ね、ヴィータちゃんは? ヴィータちゃんは戦技教導官でもあるんだしさ」

≪なるほど・・・。今までで1番いいアイディアですね。では、候補に加えるということにして≫

≪いっそブロンドガールでいいんじゃねぇか? そうすりゃボーイもブロンドガールも納得だしよ≫

「いやいや、意外とそういうので揉める可能性があるぞ?」



そうして、俺達は頭を抱える。抱えて・・・思った。



「いっそ全部作るか? もう多重人格設定でさ」

「凄まじく手間がかかるけどね。んなことやってたら普通に年が暮れるって。そして一体どこの厨二設定だよ」



正直、そんなの作って上手く行ったらガチにスカリエッティ超えられる。そこは間違いないな。

んじゃ・・・こういうのはどうだ?



「状況から効果的な戦略を計算して、それをやっさんの脳内にフィードバックするんだよ。で、やっさんはその膨大なデータからより効果的な機動と攻撃を選択するんだよ」



どうだ、これなら文句ないだろ。・・・あれ、ヒロ。なんでそんな不満そうなんだ?



「もうそれAIじゃないじゃんっ! つーかどこのゼロシステムっ!? サリ、アンタしっかりしてっ! なんかこれだけで無茶苦茶大変なのは分かるけど落ち着けー!!」

「じゃあどうしろって言うんだよっ! もういいじゃねぇか、ゼロシステムでよっ!!」

「よくないでしょそれはさっ! 絶対フェイトちゃんが泣くからっ!! つーか、どうやって作るのさそんなのっ!!」

≪いや、ボーイならゼロシステム付けても使いこなせるだろうけどさ。リアルエピオンになれるって。・・・てゆうかさ、なんで俺ら人間関係とか考慮しながらAI構築しようとしてんだろうな。
どう考えたっておかしいだろ。ぶっちゃけ俺、AI搭載するよりゼロシステム搭載の方がまだ波風立たねぇと思うんだ。つーか、ゼロシステムでいいんじゃねぇのかな。こう・・・『Nice boat』的なアレで≫

≪アメイジア、そこは私も同感だ。まぁ、ヒロリス女史の言うようにゼロシステムを構築出来るかどうかという問題こそ残っているが、逆を言えば問題はそれだけではある。
蒼凪氏がフェイト執務官にリイン女史との三人体制の上に無自覚にフラグを立てまくっている以上、人間関係が複雑になるのは本当に仕方ない。現に・・・≫





あぁ、そうだった。忘れたかったけどそうだったよ。





「あのさ、俺地球の方に行ってビックリしたんだよ。あむちゃんとスゥちゃんのフラグがまた進行しててさ」

「またなのっ!? ・・・で、レベル的に・・・どれくらい?」



あー、言いたくない。言ったら思い出すから言いたくない。

でも、言わないとどうしようもないよなぁ。うし、頑張って言うか。



「あむちゃんは前は2のちょっと手前だったが、今は3の手前だ。スゥちゃんに至ってはぶっちぎりで4だよ4。
ギンガちゃんや高町教導官達の幼馴染と同じレベルなんだよ。もうシャマル先生辺りが見たら現地妻ズへの勧誘が来るぞ」

≪というより、勧誘していたな。リイン女史から存在を聞いて入りたいと言っているそうだ。日奈森女史が頭を抱えておられた≫

≪マジかよ。なぁ、しゅごキャラだぞ? ガチで妖精だぞ? なんでそうなんだよ≫

「・・・知らね」



やばいよあれ。マジでやばいよあれ。

しかもそれだけじゃないんだよ。



「・・・ほら、この間遊びに行った時のなでしこって子が留学したから、ガーディアンに空きが出来たんだよ。
そのQの席に真城りまってまた小さくて可愛らしい女の子が収まってるんだけどよ、ヤバイんだよ。会って三ヶ月経ってないはずなのに、もうフラグ3に到達しそうなんだよ」

≪ボーイ・・・どうすんだよ。リリカルなのはキャラはともかく、別作品のキャラとのIFエンドはないだろ。普通にないだろ。つーか、そんな要望が出たSSなんて聞いたことねぇし≫

「アイツ、なんでそうなの? 別にフェイトちゃんと付き合ってることとか、好きな事とか隠してるわけじゃないんでしょ?」

≪むしろ言いまくっています。なのにコレなんですよ。もうあれですね、歩く度にフラグの種を蒔いているという方がいましたけど、その通りですよ≫










とりあえず、人間関係のどうこうはやっさんの自業自得として、AIを構築することにした。





それが誰かは、後日をお楽しみに・・・ということで。




















(おまけその1:おしまい)




















おまけその2:帰ってきた高町・ヴィータ教導官による魔導師解説コーナー!!

今回のお題『魔導師のポジションについて』

(ゲスト・元六課フォワードメンバーな方々)




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



(きーんこーんかーんこーんー♪)





唯世「起立・・・礼、着席」

師匠「ほい、キングお疲れ様。うし、んじゃ今日の授業始めるぞー。なお、委員長は次の回に帰ってくるそうだ。なんでも旧友達と同窓会で予定が延びたんだってよ」

あむ「あはは・・・。まぁ、しかたないですよね。向こうの学校にだって友達居るんでしょうし」

歌唄「むしろ、居なかったら寂しいわよね。それで先生、今回の授業はなんですか?」

なのは「今回の授業は、魔導師のポジションについてだね。まぁ、本当に簡単になんだけど」

唯世「それでナカジマさん達が来ているんですね」





(全員納得である。いや、色々とね)





ティアナ「まぁ、アンタ達も聞いてはいるだろうけど、私達四人は六課でチームを組んでてね。・・・あ、後半からはアイツも含めて五人チームか」

やや「恭文もですか?」

スバル「そうだよー。まぁ、五人で現場に出動・・・なんて、本当に1度や2度だけなんだけど」

エリオ「ただ、その二つとも・・・なんですよね」

キャロ「どうなってるんでしょ、あれ」





(ガーディアンの面々がなんだか不思議そうだけど、そこはまぁ置いておくことにしよう)





スバル「とにかく、早速説明に入るね。まずは私やヴィータさんにヒロリスさん、それに恭文のポジションである、フロントアタッカーからだよ」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・フロントアタッカーのお仕事





スバル「まず、フロントアタッカーというのはチームの中で前衛を受け持つんだ。そうだなぁ・・・みんなにも分かりやすく説明すると、RPGで言うと戦士とか剣士の位置って感じかな」

空海「あぁ、なんとなく想像出来ました。で、それって具体的にはなにするんですか?」

スバル「フロントアタッカーの役割は、前に出て相手への攻撃。そして、各種防御魔法や戦闘スキルを駆使しての前線防衛ラインの維持だね。
求められる能力は、高い防御能力に一撃必倒の攻撃力。まずこの2点なんだ。まぁ、あとは色々個人差が出てくるんだけど」

なでしこ「防御力・・・それなら、辺里君はかなりありますよ。防御力なら定評がありますから」

唯世「防御力だけならね。僕、攻撃能力はあんまりないよ? えっと、前線防衛ラインというのは、簡単に言えば・・・敵の攻撃から味方を守るというのも含まれるんでしょうか」





(先生方、頷きで肯定する。そう、攻撃を受けるのもお仕事の一つだったりする)





なでしこ「そのために、以前の授業でもあった防御魔法の使い分けが重要と言うわけですね」

スバル「そうだよ。それだけじゃなくて、防御能力が高いと言う事は、攻撃維持時間も持続出来るようになるから、味方の援護無しでより長く前線で戦えるようになるの」

師匠「攻撃魔法だけじゃどうにもならないってことだな。で、その防御スキルを高めるために・・・これだ」





(モニターが開き、映像が流れる。小さい師匠が、ハンマーでプロテクションを張ったKY犬っ子を殴っている)





あむ「え、えっと・・・これはなんでしょうか?」

師匠「防御訓練っつってな、相手から攻撃を受けた事を想定した訓練だ。防御魔法でしっかりと防ぐ練習・・・ってとこだな」

スバル「こういうので、どういう風に受けたら防げるとか、どういう風に受けちゃったら防げないで怪我をする・・・とか、そういうのを実地で覚えていくんだ。あと、足や腰・・・身体の使い方も同時にだね」

なでしこ「なるほど・・・。ただ単に殴っているだけではないと」

師匠「そうだ。つーか、アタシも今のスバルの立場で訓練する事があるしな。別にアタシがいじめてるとかじゃないから、そこはちゃんと覚えとけよ?」





(先生の言葉に、全員元気よく返事をする。まぁ・・・いい感じで話がまとまった?)





なのは「まとまったね。それじゃあ次に行こうか。次は私やティアナのポジション、センターガードだよ」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・センターガードについて





ティアナ「センターガードは簡単に言えば中衛。人によりけりではあるけど、大体私やなのはさんみたいな中距離攻撃が出来る人間が付くポジションよ。その仕事は、射撃戦闘による中距離の制覇。そして、前線への援護」

唯世「この間やった、クロスフォードさんとエグザさんとの模擬戦での動き方がそれ・・・でしょうか? エグザさんの弾丸を撃ち落としたり、逆に攻撃して蒼凪君の攻撃のチャンスを増やしたり」

ティアナ「そうよ。このポジションで求められるのは、相手の行動に対して的確な弾丸をセレクト。それを素早く撃って当てる事の出来る判断力と射撃の命中精度」

なのは「そのためには、足を止めて視野を広く持って、敵の攻撃に対してはスバルやヴィータちゃん、恭文君みたいに防御魔法で防いだりとか、避けたりとかは基本的にしない方向で教えるんだ」

やや「防御したり避けたりしないって・・・じゃあ、本当に射撃だけで何とかしちゃうってことですよね。・・・あれ? でも後半だとそれやりまくってたような」

ティアナ「あれはサリエルさんに見つかっちゃったから。あの人相手にそんなこと言ってたら、一瞬で意識持ってかれるもの。あくまでも、味方の援護もあるチーム戦での理想的な動き方の一つって考えてもらえると、正解かな」

やや「なるほど・・・。やや、納得しました」

なのは「そして、そんな動き方の練習が・・・これ」





(そうして、また映像が流れる)





あむ「えっと、なのはさんがいろんな色の弾丸を撃って・・・あ、ティアナさんツインテールだ」

歌唄「・・・被るわね。てゆうか、ツンデレじゃない」

ティアナ「それアンタにだけは言われたくないんだけどっ!? てゆうか、アイツみたいなこと言わないでよっ!!
・・・とにかく、これがその動き方のための訓練。なのはさんが撃ってきた弾丸には色んな種類があってね、それを迎撃できる弾丸を私とクロスミラージュで一瞬で判断して、撃ち落すの」

なのは「迎撃出来ないとだめ・・・って言う趣旨の訓練だね。映像で流れてるのは色や動き方が違うから分かりやすいけど、訓練が進んでいくとみんな同じ色と動き方になるんだ」

あむ「あの、それで分かるんですか?」

ティアナ「クロスミラージュも力を貸してくれるし、なんとかね。でも、これキツイのよ。やっぱり・・・こう、ガンカタみたいな方がやってて楽しいしさ」

なのは「・・・うん、それかなり言うようになったよね。特に恭文君と絡み出してからはすっごく。やっぱり好き?」

ティアナ「えぇ」





(なんか臆面もなくスパっと言い切ったので、全員ビックリ。それはもうビックリ)





なのは「・・・と、とにかく、センターガードのお仕事はこんな感じなんだけど、大丈夫かな?」

空海「はい、分かりました。とりあえずティアナさんがすげー頑張ってるってのは」

ティアナ「ありがと。で、次は・・・エリオか」

エリオ「はい。次は僕やフェイトさんのポジション、ガードウィングです」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・ガードウィングのお仕事





エリオ「ガードウィングは、前衛と中衛を兼任したポジション・・・とでも言いましょうか、前衛と同じように前に出て敵と交戦したり、遊撃手として戦場を駆け抜け、味方の援護に回ったり・・・という、割と忙しいポジションです」

なのは「このポジションを一言で言うなら、今エリオが言ったみたいな遊撃手という言葉が1番しっくりくるかな。恭文君もスバルとの五人チームの中では、状況に応じてこのポジショニングになるの」

あむ「え、でも恭文ってフロントアタッカーじゃ・・・」

エリオ「恭文、戦闘経験も豊富ですし、なによりアクセルやソニックムーブと言った高速移動の魔法を多数保有しているんです。その関係で・・・ですね」

師匠「ちなみに、今言ったみたいに戦闘中の状況にあわせたポジショニングの変化ってのはよくあることなんだ。実際、ティアナもセンターガードではある。
けど、幻術って言うサポート向きの魔法を使ってる時は、この後説明するフルバックの位置になるんだ。まぁ、イチイチそれで通知したりはしないけどな。やってる間にぶっ飛ばされるって」





(その説明に、全員一応納得。まぁ、状況によりけりという感じで)





エリオ「このポジションに求められるのは、戦場を縦横無尽に駆け抜け、どこに居てもすぐに味方のサポートに回れる高い機動性です」

空海「足が遅いと、前に出て戦ってる時に後ろが危なくなっても助けにいけないってことか?」

エリオ「簡単に言えばそうなります。そして、まぁ、人それぞれではあるんですけど・・・僕がそのためにしていた訓練が、これです」





(またまた映像が流れる。なお、映像の全てはStS第6話から拝借しています)





あむ「えっと、宙に浮かんだ丸いのから光線が出て・・・あ、フェイトさんが避けてる」

やや「そうだよね、撃ち落したりとか防いだりとかじゃないし」

エリオ「僕やフェイトさんはジャケットの装甲を薄めにして、機動力重視の作りにしています。一応防御魔法も構築はしているんですけど、敵の攻撃に対してイチイチ足を止めていたら、ガードウィングの仕事が成り立ちません。
そこで、敵の攻撃に対しての素早く安全な回避アクションの訓練をしているんです。基本は・・・一つ所に止まらずに相手に狙わせない。動き回って狙いを定めさせない・・・でしょうか」

唯世「・・・もしかして、僕達もこういう訓練した方がいいのかな。ほら、防御訓練とかも含めて」

なでしこ「そうね。基本私達、攻撃が来たら必死になって避ける・・・というパターンが多いもの」

空海「恭文が戦ってもあんま慌てた感じしないのは、やっぱりこういうところからだろうな。サッカーやバスケとかでも、攻撃だけじゃ勝てないのは当たり前だしよ」

師匠「・・・お前らも色々大変だな。まぁ、ガードウィングに関してはこんなところだ。次は」

キャロ「いよいよ私です」

師匠「だな」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・フルバックについて





キャロ「さて、私のポジション・・・フルバックは、後衛。味方の後ろについて、各種魔法で援護をするのがお仕事です。あ、RPGで言うと僧侶や賢者みたいな感じですね」

あむ「・・・キャロちゃん、もしかしてドラクエ好き?」

キャロ「はい。今ちょうどハマってます。なぎさんが送ってきてくれたんで」





(なお、作者はDS無いのでドラクエ出来ません。あしからず)





キャロ「これも人によりけりなんですけど、私の場合は支援魔法による味方へのブーストが主なお仕事です。あと、私のレアスキルの召喚を用いた援護・・・ですね」

なのは「まぁ、レアスキルに関しては次回説明するけど、とりあえずこのポジションで求められるのは、味方が戦いやすいように的確なタイミングで的確な魔法をいち早く届けることなんだ。その関係で、キャロもさっき映像で見せた回避訓練をやっているの」

キャロ「あと、私の場合は防御訓練・・・もですね」

唯世「最初に説明されたフロントアタッカーの訓練だよね。あの、それはどうして?」

師匠「なのはの教導方針だ。キャロにも高いレベルでの防御スキルを与える事で、攻撃が当たり難く、なおかつ当たっても倒されにくいフルバックに育てあげたんだよ」

なのは「敵からすると、支援魔法でのブーストはかなり厄介だし、後衛は1番狙われるポジションでもあるんだ。それで、六課の時にキャロをどう育てようかな・・・と考えて」

なでしこ「せっかくだから回避だけではなく、防御力にも定評のある子になってもらおうと」

なのは「うん。そんな感じかな。・・・それでみんな、一応ポジションの説明はこれで終わりなんだけど、大丈夫かな?」





(先生の言葉に、生徒のみんなは頷く。どうやら、大分理解出来たらしい)





なのは「基本的にチーム戦闘での魔導師は、今説明したポジションで動くんだ。もちろん、個人の特性やスキルによって回避や防御の方法は変わってくるから、これが正解ではない。あくまでもこういう方向性が基本だという程度に留めておいてくれると助かるな」

スバル「恭文やサリエルさん辺りはかなり特殊ですしねー。恭文は砲撃とか斬って防御出来ちゃうし、サリエルさんは全部のポジション出来ちゃうし」

師匠「あの人はふつうにすげーよな。まぁ、たまにバカになるけど」

あむ「あはは・・・。すみません、それすっごいわかります。丁度前の話でそういうの見たところなんで」

なのは「とにかく、今回の授業はこれでおしまい。次回は・・・そうだね、キャロには引き続き来てもらって、レアスキルに関しての授業を行います。ややさん、ノート取ってる?」

やや「はい、取ってますっ! ややは・・・赤ちゃんフルバックということがわかりましたっ!!」

なのは「そう、ならよか・・・・・・あ、赤ちゃんフルバックっ!?」

りま「私はセンターガードかしら」





(どうやら、全員自分のキャラなりした状態でのポジションを考えているらしい)





空海「俺はガードウィングだな。唯世は・・・フロントアタッカーでいいか」

唯世「だから僕は攻撃能力は無いってばっ!!」

あむ「あたしは・・・なんだろ」

なでしこ「サリエルさんと同じでオールラウンダーだと思うわよ? ほら、キャラなりする相手を変えればいろいろ出来るわけだし」

師匠「まー、そこは各自考えとけ。で、思いついたら話は聞いてやる。つーわけで王様、頼む」

唯世「はい。起立、礼」

全員『ありがとうございましたー』










(きーんこーんかーんこーん♪ きーんこーんかーんこーん♪)




















(おまけその2:おしまい)




















あとがき



古鉄≪えー、すみません。とりあえずゼロシステムは絶対やらないというのを声に大にして言いたい古き鉄・アルトアイゼンと≫

恭文「あんなのどうやって構築するんだと言ってやりたい蒼凪恭文でお送りしたいと思います。・・・いや、真面目によ?」





(青い古き鉄、そこは本気で言いたいらしい。まぁ、そうだよね。さすがにそうなるよね)





恭文「とにかく、海里の事は決着が付いた。あとは歌唄の」

ディード「そうはいきません」

フェイト「そうだよ」

恭文「フェイトにディードっ!? え、なんでここにっ!!」

ディード「恭文さんに少しお話があるからです。さ、こんなところにいないで早く来てください」

フェイト「そうだよ。海里君との戦いについて色々とね、あるの」

恭文「え、いや・・・いま後書きのとちゅ・・・いやぁぁぁっ! 離してぇぇぇぇぇぇっ!!」





(そうして、なんか連れ去られた。ブースの中にはウサギが一人。あ、なんか耳をくしくしし出した)





古鉄≪・・・・・・えー、では、私の自慢の小話を一つ。ある日私がこのボディで優雅に街を飛んでいたら、赤い洗面器一杯に水を張った物を頭に乗せた男の人が歩いていたんですよ。
だから、私は当然のようにビームライフルの銃口を向けて聞いたんですよね。なぜ、そんなことをしているのかと。そうすると、その人はとても流暢な広東語で答えてくれました。それは≫










(あ、なんか電波の問題で映像が切れた。そしてそのまま復旧せず・・・終わり。
本日のED:ほしな歌唄『BLACK DIAMOND』)




















ディード「・・・無茶、し過ぎです。私は話を聞いた時、心臓が止まるかと思いました」

フェイト「ヤスフミ、まさかわざと斬られたんじゃないよね? 海里君を説得するためにあんな危ない事したんじゃないよね?」

恭文「そんなことないから。それで大怪我なんて僕は嫌だよ?」

ディード「フェイトお嬢様、どう思われますか?」

フェイト「ディード、一緒にヤスフミとお話しようか。ほら、第三夫人ならディードにも関係ないとは言えないし。・・・その、ヤスフミが本気なら私は大丈夫だから」

恭文「だからそんなことないからっ! 僕はフェイト一筋だよっ!? 第三夫人なんてもらわないからっ!!」

あむ「・・・恭文、大変そうだなぁ。まぁ、あたし達だってアレはそうとうびっくりしたから、これくらいは当然だと思うけど」

ティアナ「あむ、大変な事はまだ残ってるわよ? ・・・アルトアイゼン、これマジ?」

古鉄≪マジです≫

シャーリー「やっぱり、恭太郎も居るから二乗化されてるのかな」

恭太郎「俺のせいかよっ!!」

ビルトビルガー≪これは荒れますね。間違いなく大時化です≫










(おしまい)





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