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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第23話:おまけとあとがき



おまけその1:段々とさざなみ寮化してきた我が家の風景




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・というわけで、うちに居候がまた増えました」

「あの、よろしく」

『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!』



はい、お前らうるさいっ! もう夜なんだから静かにしなよっ!!



「・・・でも恭文、いいの? それにフェイトさんも」



なんだか早速りまを可愛がり出した魔導師組を見ながら、あむが話しかけてきた。



「なにがよ」

「だって、こんな大所帯なのに」

「・・・あぁ、それなら心配いらないよ。事情が事情だし、部屋も・・・まぁ、相部屋にはなっちゃうけど一応あるから」



うん、フェイトの言うように問題無い。それに、世の中には『娘が二人居るのも六人居るのも同じ事だ』って言って、養子を一度に四人貰うおっちゃんも居るんだから。

それに比べりゃまだこっちは常識的だって。



「そ、そんな人居るんだ」

「居るよ。スバルのお父さんなんだけどね、また豪快な人でさ。・・・で、サリさんはなんでまだ居るんですか?」

「そうですよ、お仕事の方はどうされたんですか?」

「お前ら俺の扱いヒドすぎだろっ! つーか、俺が来たのはりまちゃんの事じゃなくて、やっさんとミキちゃんのキャラなりの問題を解決するためだからなっ!?」



・・・あぁ、そう言えばそんな設定もあったような。いけないいけない、忘れてたよ。



「忘れんなよっ! お前、やっぱ段々ヒロに似てきてるぞっ!? ・・・とにかく、俺もこっちに居るわ」

「「「え?」」」

「乗りかかった船だ、りまちゃんのメンタル面、少し見てやる」



あぁ、ようするにカウンセリングと。戦闘要員とかじゃないと。



「そうだ。まぁ、居るっつっても2、3日くらいだけどな。俺だって本業があるから、それは疎かに出来ない。・・・で、やっさん。解決法だが、いい手を思いついた」



ふむ、あの体力問題が解決出来る方法か・・・。なんだろ、一体。

とにかく、なんかりまを弄り出した魔導師組は放っておくとして、僕とあむはサリさんの話を効くことにした。



「俺が思うに、アレだ。『○○のこころ・・・アンロック』ってのがいけないんだよ」



ふむ。



「ようするに、ミキちゃんはともかくやっさんには合わない。だから、体力が消耗するという問題が不具合として出てくるんだ」



・・・ふむ。



「というわけで、俺が変身シークエンスを考えてきた」



・・・・・・ふむ?



「それが・・・これだっ!!」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・ミキがスペードのたまごに包まれて、僕の胸元に吸い込まれる。そして、それと同時に左手にスペードの1・・・エースのカード。絵柄はカブトムシ。右手にはバックル。





そのカードをバックルに挿入。そのまま腰の正面に当てる。すると・・・トランプのカードのようなものが大量に出て、ベルトを形成。腰に装着された。





ベルトは銀色となり、バックルをしっかりと装着される。左手を引き腰の辺りで溜め、右手を前に出し、手の甲を正面に向ける。そして、そのまま手首と腕を回転させ、手の平を正面に向けた。










「変身っ!!」










そう叫んだ瞬間、右手を引く。そして、左手を先ほどの右手と同じような感じで突き出す。そうしながら、僕はバックルについているレバーを引く。





すると、バックルのカードを収納した部分が回転して、スペードのマークが出てきた。










≪Turn Up≫










バックルから青い光が正面に出てくる。それはあのエースのカード。ただし、その絵柄を構築しているのは青い光のエネルギー。そして、その大きさも僕の身長より少し大きいくらい。

それが僕へと迫り、走っていた×キャラ達を弾き飛ばす。エネルギー上のがゆっくりと僕の方へと迫る。

だけど、僕はそのまま走り・・・その障壁を突き破った。



瞬間、僕は青い剣士となる。そう・・・アレだ。










【「キャラなりっ! スペードフォームっ!!」】




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・混ざりまくりじゃボケがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」





ゲシっ!!





「ひでぶっ!?」





とりあえず、蹴撃でサリさんとぶっ飛ばす。なんか床を転がってるけど気のせいだ。





「気のせいじゃねぇよっ!!」



あ、なんか復活した。速度速いなぁ。



「お前なにっ!? 俺が仕事をさておき考えたシークエンスになんか不満でもあんのかっ!!」

「不満だらけ過ぎてツッコみ切れませんよっ! それに仕事さておくレベルじゃないでしょうがこれはっ!! 普通にブレイドの変身シークエンスを持ってきただけでしょっ!? つーか、普通にPV作るなぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「・・・サリエルさん、さすがにこれは・・・その、節操無さ過ぎです。というより、ボクが嫌です」

≪混ざり過ぎてて若干テンポも悪くなってますしね。最後の名乗りはカットでいいんじゃないでしょうか≫



なお、うちのテレビで放映されました。しかもブルーレイだから無駄に画質がいい。でもこれ・・・なんのMAD?



「てゆうか、これのためにわざわざミッドチルダから来たんですか? 正直ありえないと思うんですけど」

「なにより、ヤスフミとミキちゃんのキャラなりの名称です。スペードフォームは却下されて、ハイセンスブレードで決定したんですよ?」

「「まだ決定してないよっ!!(してないですからっ!!)」」



いや、もう二人ともこのネタ疲れてきてるから、『ハイセンスブレードでよくね?』って空気が出てるのは確かなんだけど。



「え、まじっ!? 俺は絶対これだと思って作ってきたのにっ!!」



・・・なんでだろう、たまにこの人が信じられない時がある。特に今。具体的には今。

この人は本当にJS事件話とかで『輝いてる。影が濃い』・・・なんて言われたお兄さんなんだろうか。正直僕には信じられない。



「あ、安心しろ。こんなこともあろうかと思って、まだまだ考えて」

≪どうせ今度はレンゲルとかカリスとかギャレンとかでしょ?≫

「いやいや、まさかそれは」



言いかけて気づいた。サリさんがなんか蹲ってシクシク泣き出したのを。

・・・え、マジ? マジでそれ?



≪さすがに私は冗談のつもりだったんですけど・・・≫

「ね、あの人って本当にあの時模擬戦してたサリエルさん? あたしはマジで信じられないんだけど」

「なんていうか・・・たまにこうなるの。本当にごくタマにこうなるの。あれだよ、鬼の霍乱というか、夏風邪と言うか流行病というか・・・そんな感じだと思って?」

「うん、そうする」



とりあえず、そろそろ魔導師組は止めた方がいいかも知れない。なんかりまを胴上げし出したし。

でも、りまも楽しそうだからいいのかな?



「よくないわよっ! お願いだから・・・あぁぁぁぁ、落ちるー!!」

≪だが断るー≫

「それは嬉しいけど・・・あぁぁぁぁ、また上がるー!!」



・・・とりあえず放置。でも、体力問題どうしよう。この状況だと、ミキとのキャラなりは普通に使えるとありがたいんだけど。

せめて、二人揃ってぶっ倒れるような状態にならないと助かる。



「・・・あ、それならいい方法がありますぅ」

「スゥ、それほんとに?」

「はい。というわけで、スゥにお任せです〜」



そのままスゥは台所に行って・・・。



「ちっぷしろっぷほいっぷ〜♪」



・・・なんだろう、すっごく不思議な呪文を唱えている。なんだか不安だ。



「出来ました〜。スゥ特製の、パワーアップルジュースですぅ」



早っ!! てゆうか・・・。



『パワーアップルジュース?』

「はい。これを飲めば、他の人のしゅごキャラとキャラなりしても、問題なく動けるようになります。24時間どころか、72時間は戦えますぅ」

「それすごいじゃん。・・・あたしも飲んでみようかな」



スゥ、年齢ごまかしてない? スゥの生まれた時期を考えると、それ知ってるのはおかしいんだけど。

まぁ、そこはいい。料理上手なしゅごキャラであるスゥのことだし、このジュースも・・・。



≪・・・おかしいですね、視覚センサーの誤作動でしょうか。ジュースの色が幾何学色に見えるんですが≫

「奇遇だね。ボクにもそう見えるよ」

≪そうですか、なら誤作動じゃないですね≫



可愛いしゅごキャラサイズに僕達サイズのティーカップに入っているのが・・・こう、ひどい。

とりあえず色がひどい。アルトじゃないけど、一瞬目が悪くなったのかって思ったもの。



「とりあえず・・・飲んでみようか」

「そ、そうだね。スゥが作ってくれたんだし」

「なら、あたしも。エルとキャラなりすることもあるしさ」

「なら、私も・・・」



そうだね、フェイトも・・・え、フェイトもっ!?



「だ、だってその・・・いいよねっ!? 私もランちゃんとかとキャラなり出来るかも知れないしっ! というか、そういう要望が来てるしっ!!」

「一体誰に対して何の話をしてるんですかっ!? ・・・あぁもう、落ち着いてくださいっ! その座った目はやめてー!!」

「・・・スゥ、悪いけどフェイトの分もお願い」

「了解です〜」



で、皆で覚悟を決めてグイっと飲む。そして・・・固まった。



『ま・・・まずい』



だめだ、これはだめだ。もう一杯なんて言えない。というか、ヒドイ。

すっぱかったり辛かったり甘かったりしょっぱかったり苦かったり・・・いろんな味が絡みに絡み合って不協和音を起こしてる。だめ、二杯目を飲もうという気になれない。



「スゥ・・・アンタ、これ何入れたのっ!? いくらなんでもこれはヒド過ぎっ!!」

「そうだよっ! ボク、一瞬魂抜けるかと思ったよっ!!」

「えっとぉ・・・レシピはこんな感じになりますぅ」



そう言ってスゥが自分サイズのクリップボードを出してきた。・・・えっと、なになに?



「にんにく汁、しょうが汁、高麗人参」

「それにうめぼしにガラムマサラにオクラに納豆・・・待ってスゥちゃんっ! この材料でどうしてあれになるのかなっ!? しかもアップル入ってないよね、これっ!!」

「スゥのマジックですぅ」

「納得できないよ、それっ!!」



というか・・・なんか、ダメ。力が・・・。



「あぁ、ヤスフミしっかりしてー!!」

「あ、あたしも・・・だめ」

「恭文だけじゃなくてあむちゃんも致命傷っ!?」

「がんばれーがんばれー!!」

≪ランさん、応援だけでなんとかなるほど、世の中は甘くありませんよ?≫




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



とにかく、少し休ませてもらった上で・・・あむを家まで送る。なお、僕が送る。





うー、なんか口の中にまだ味が残ってる。もうすっごい勢いでなんか残ってる。










「でもでも、これでもうミキとキャラなりしても問題なく動けますよぉ?」

「・・・そうなの?」

「さ、さぁ・・・」



視線であむに聞くけど、どうやらあむにも分からないらしい。なんか苦笑いで首を傾げられたし。

しかし・・・どうしてこう立て続けに色々来るのか。だめだ、やっぱもう一回お祓いする必要あるのかも知れない。・・・神咲家に連絡取ろうかな。



「でもりま・・・大丈夫、だよね」

「どうだろうね」

「なんでいきなりそんな暗いコメントするわけっ!?」

「りま本人はともかく、両親の方だよ。・・・世の中って、やっぱり優しくないことの方が多いしさ」



夜空を見上げる。見えるのは近くの建物のネオンライトの光だけで、星は見えない。

でも、例え星が見えなくても、星の光はそこにある。・・・なんか、こう言うとすごく哲学的だよ。



「そっか。そう言えば・・・アンタもそんな感じだったんだよね。だから、そう思っちゃうの?」

「まぁね。ただ、りまの場合はまだ救いようがあるよ。だって、互いに好き合ってるんだから」

「喧嘩ばっかりだって言うのに?」

「・・・好きの反対は、無関心だからね。りまの事で喧嘩するのも、それが何度も続いちゃうのも、口ではどう言っても、ちゃんと家族のことが心の中にあるからだよ」



そう、だから・・・まだ救いようがある。時間はかかるかも知れないけど、それでもちゃんと出来るはず。

無関心にされるよりは、りまはまだ・・・幸せだよ。僕は、喧嘩とかもなかったから。



「あー、とりあえず向こうの親御さんへの挨拶ついでに、りまの着替えやら何やらも預かってこないとダメかな。しばらくはリインの服でなんとかなるだろうけど、さすがにずっとは無理だろうし」

「そう考えると、りまを預かることでやらなきゃいけないこと、沢山だね」

「うん、沢山だよ。大人ってのも大変でさ・・・」

「そっか。・・・あのさ、恭文」



・・・・・・なに? てゆうかあむ、なんでそんないきなし表情が重くなるのよ。

歩道を歩きながら、僕は疑問に思う。なぜこれなのかと。どうしていきなりこれなのかと。



「・・・ごめん」



ただ一言。本当にそれだけだった。

でも、言いたい事は・・・なんとなく伝わった。



「マジごめん。あたし・・・言い過ぎた。恭文が1番いいんちょと仲良かったのに、そういうの忘れて責めてばかりで・・・」

「いいよ。最低なのは事実だし」

「いや、あの・・・その・・ごめん」



そんな謝らなくていいのに。あむの言う事は事実だし、特に気にしてないし。



「・・・それ、余計にグサリと刺さるよ。怒ってるとか許さないとか言われた方がまだ楽。言ってたじゃん、好きの反対は無関心だって」

「うん、だから言ってるんだよ?」

「あーもうっ! アンタやっぱり最低・・・つーか、最悪っ!! なんか謝って損したしっ!!」



おー、いつもの調子でプンスカしだした。・・・うん、やっぱり面白い。



「・・・でもさ」



あ、またなんかシリアスキャラになったし。なんつうか、忙しい子だ。



「いいんちょ・・・今頃どうしてるのかな」

「さぁね、学校にも来てなかったみたいだけど・・・。でも、遠くない内に会えるよ」



イースターの指示に従って動くなら、確実に会える。・・・その時がチャンスだ。



「だけど、どういう動き方をするかさっぱりなんだよ? フェイトさんの話だと、今日までの段階であの黒い車も出現してない様子だし、それだとどこでどうなるか分からないよ」

「いや、予想は出来てる」

「えっ!?」

「恭文さん、そうなんですかぁ?」

「そうなんですよ?」



・・・デビュー前のPR活動ということで、CDを配布していた。つまり、この後の展開としては・・・デビューだ。このままフェードアウトはありえない。



「そして、これだけ派手にPR活動をして世間の注目を集めようとしているってことは、ただ単にデビューCDを発売するだけに留まるとは思えないのよ。
前段階に見合うだけのド派手な方法でこのブラックダイヤモンズという一つの商品を世間にアピールすると思う」



そして、そのバンドのボーカルがほしな歌唄だと分かれば、ブラックダイヤモンズの注目度はかなり上がるだろう。

歌唄自身がソロ活動で相当有名なのだ。それがボーカルを務めるバンドというだけでも、商品価値はかなりある。



「そして、そのために例えば・・・」

「例えば?」

「デビュー記念のライブとか」



僕の言葉に、あむとキャンディーズのみんなの目が見開く。見開いて・・・納得した顔になった。



「・・・そっか、確かにユニットの一人がソロでデビューする時とかに、そういうイベントがあるよね。だったら、そう言うデビュー記念で何かやるところを押さえれば」

「ブッチギリで法律違反ではあるけどね。普通に考えて違約金物ですよ」

「でもでも、何もしないわけにはいかないよっ! このままだとまたあのCDが・・・!!」

「そうだね、やるしかないか。ボク達がなんとかしないと」

「頑張るですよぉー!!」










問題は山積み。外も中も沢山だよ。





まぁ、愚痴ってもしかたない。少しずつ、ちょっとずつ片付けていくことにしますか。





・・・って、この締め方。前にもやったような気がする。




















(おまけその1:おしまい)




















おまけその2:帰ってきた高町・ヴィータ教導官による魔導師解説コーナー!!

今回のテーマ 『魔導師ランクについて』

(本日のゲスト:蒼凪恭文)




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



(きーんこーんかーんこーん♪)





唯世「起立・・・礼、着席」

師匠「うし、今日も授業・・・アレ、委員長居ないな」

あむ「あ、本当だね。どうしたんだろ」

なでしこ「三条君は、家の用事で一時的に実家の山口の方に帰っているそうよ」

なのは「うん、そうなんだ。というわけで、本日の授業を」

歌唄「そうね、始めましょ」





(・・・・・・え?)





あむ「歌唄っ!? 待って待ってっ! なんでアンタが居るのっ!! しかもいいんちょの代わりみたいに平然とっ!!」

歌唄「読者の力よ。要望が多かったから、レギュラーになるから」

あむ「勝手に決めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

歌唄「あと、私は今までの内容は見ているから、話にはついていけるわよ?」

あむ「あたしの話を無視するなぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

なのは「と・・・とにかく、歌唄さんも含めて本日の授業だね。今日の授業内容は・・・魔導師ランクとその定義についてだね」

やや「で・・・また恭文がゲストに来てるんだね」

恭文「そーだよ。というか、なんかレギュラーみたいになりそうで怖いよ」

唯世「それは説得力があるね・・・」





(全員納得するのが、きっとこの世界のクオリティ)





恭文「とにかく・・・今日は僕中心で話を進めて行くから。えっと、今日は魔導師ランクについてだね。
魔導師には実力を表すランクが存在しているんだ。それが魔導師ランク。魔導師の総合的な技量を示すランクで、これが高いと出世とかにもいい影響を与えたりする」

あむ「ようするに・・・高ければ強い・・・ってこと?」

恭文「簡単に言えばそうなる。ただ、そうは簡単じゃないけど」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・魔導師ランクの種別とその定義について



恭文「まず、魔導師ランクはSSS・SS・S・AAA・AA・A・B・C・D・・・という形で存在する。Aから上には、0.5ランクを現す『+』や『−』の記号もあるの。そして、その三つの種別があるんだ」

唯世「種別?」

恭文「うん。空戦と陸戦、そして総合の三種類。例えば僕だったら・・・空戦魔導師ランクAAA+・・・って言う感じになってる。ティアナなら陸戦魔導師ランクAAだね」

やや「恭文、それはあの・・・言葉通りに考えていいの? 空戦は、恭文やヒロリスさん、サリエルさんにフェイトさんみたいな空を飛べる魔導師さん用で、陸戦は、ティアナさんみたいに空を飛べない魔導師さん用」

恭文「そうだよ」

空海「ならよ、総合ってのはどういうのなんだ?」

恭文「総合は、例えばはやてにリイン、あと授業で来てくれたキャロが取ってるんだけど・・・この三人に共通しているのは、単独での戦闘能力が低いってことなんだ。総合の種別は、そういう人用にあるの」

あむ「そうなんだ・・・。え、でも戦闘能力が低いだけなら、必要ないと思うんだけど」

恭文「ところが、そうはいかない」





(青い古き鉄、その言葉に右の人差し指を振りつつ答える)





恭文「例えばはやて。はやては単独での戦闘能力なら僕には絶対に勝てない。いや、もしかしたら・・・あむや唯世、空海にも勝てないかも知れない」

あむ「あたし達にもっ!? いやいや、あたし達は素人だよっ! それはないでしょっ!!」

師匠「いや、あるんだよ」

あむ「えっ!?」

師匠「はやては格闘術が使えるわけでもなんでもないし、動きが特別早いとかでもねぇ。単独での戦闘能力はマジで低いんだ」

なのは「その代わり・・・はやてちゃんはこれが得意なの」





(空間モニターが開く。そこに映るのは・・・大量のガジェット。それが白い光に打ち抜かれて、一瞬で消えた)





恭文「なお、映像は12話から頂いております」

唯世「あ、あの・・・これは?」

なでしこ「なんというか、これも魔法なのかしら」

恭文「そうだよ。はやては広域殲滅魔法・・・分かりやすく言うと、マップ兵器みたいな魔法を使うのが得意なんだ。敵の攻撃が届かない距離から、これみたいな魔法をぶっ放して、敵機を一気に殲滅するの」

師匠「ただ、詠唱やプログラム処理も遅いから、単独でこれはちょっと難しいんだよ。はやては優秀な前衛や中衛に守られて、じっと詠唱を行って・・・そうしてこういう強力な魔法をぶっ放して状況を覆す、大型固定砲台なんだ」

空海「マップ兵器・・・いや、コレ見たら納得だけどよ。・・・あ、でも俺は納得。ようするに、単独での戦闘能力が低いってだけで、単独じゃなければ強い人用の種別が総合ってことか?」

なのは「そうだね、その考え方で合ってると思う。例えばリインは、どちらかと言えば補助や回復、あとユニゾンでのサポートが主で、単独戦闘用のスキルはあまり持ってないんだ。
そしてキャロはフルバック・・・この間説明したブーストデバイスを使っての味方の補助がお仕事だから」

歌唄「だから単独での戦闘能力は恭文とかよりも低い。その辺りを考慮して、総合の種別で魔導師ランクを取っている・・・ということね。ねぇ、ちなみに今上げた三人は、ランクとしてはどれくらいの位置に居るの?」

恭文「はやてが総合のSS。リインとキャロがA+だね」

空海「SSって・・・2番目かよっ! つーか、なんでそうなるっ!?」

やや「というかというか、あとの二人も高い・・・それに、プラス付いてるし」

恭文「はやての場合、レアスキルを保有しているというのと、魔力量が飛びぬけて多いって事でこのランクになったんだ。
キャロにプラスが付いているのは、召喚魔法・・・竜召喚が使えるおかげ。それもレアスキル認定されてるんだ。リインは、ユニゾンデバイスという点でこのランクなの」

あむ「なるほど・・・。あ、そう言えば一つ質問」

恭文「なに?」

あむ「とりあえず、ランクの種別とかそういうのは分かったんだけど・・・ぶっちゃけ、どうやって決まるの?」

恭文「それには試験をクリアする必要があるんだ」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・魔導師ランク試験と局の平均的なランクの割り合い





やや「え、試験しなきゃだめなのっ!?」

恭文「だめなの。・・・そうだな、一例としてこれを見てもらおう」





(モニターの中に映るのは・・・ぶっちゃけStSの第1話)





唯世「これ・・・ナカジマさんとランスターさん?」

歌唄「恭文、これなに?」

恭文「今映っているのは、二人が陸戦魔導師ランクB試験を受けている時の様子。これの試験内容は・・・ほら、二人が殴ったり蹴ったり撃ったりしている丸いのがあるでしょ? これが敵役。で、これを全部潰して指定されたゴールに時間内に飛び込めれば合格・・・ってやつなの」

空海「あ、それなんかおもしろそーだな。うし、俺達もやってみるか?」

あむ「いやいや、さすがにそれは・・・てゆうか、あたしちょっと以外だったんだけど、こういうので決めるの?」

恭文「そうだね、試験内容は様々だけど、こういうので決めるの。与えられた課題をしっかりクリアして、その内容を試験官が見て・・・オーケーならランクが与えられる。なので、しっかりとした魔法技能があれば、魔力量とかレアスキルがどうとか、そういう先天的な資質は特に関係ないんだ」

なでしこ「あら、それはなんだかいいわね。生まれ持った才能だけで決まらないのは公平な気がするわ」

りま「その前に、魔法自体が先天資質に頼りっぱなしという考え方はあるけどね」

なでしこ「ふふ、確かにそうね」





(やはりQ同士なのか、気が合っている。でも、きっとここだけだろう。ほら・・・爆弾あるし)





唯世「・・・あ、僕も質問いいかな」

恭文「いいよ。なにかな」

唯世「例えば・・・八神さんや先生方、蒼凪君はSSとかAAAとかSとか・・・ランクとしてはかなり上の方だと思うんだ。そうじゃなくて、何回かこの授業でも話が出てきた武装隊なんかの一般的な魔導師の局員の人達のランクって、平均するとどれくらいなのかな」

恭文「なるほど、確かにそこは気になるところだ。・・・えっと、平均するとCからDが一般的な人達の保有ランクなんだ」

やや「え、そうなの? やや、BとかAなのかなって思ってたのに」

恭文「実を言うと、その辺りが魔導師としての最初の壁って言われてるんだ。Bより上に行けると、局員としては武装隊の隊長になってもよし・・・とか言われたりする。
TV本編だと優秀な人間ばかり出てるから、あんまこういう話は出てきてないんだけど。普通に魔導師になった直後からAAAとかある奴も居るし」





(そう言いながらなんか厳しい視線である人間を見る。そう、生けるチートだ)





なのは「チートじゃないもんっ! 私はレアスキルもないし基本的に普通だよっ!?」

恭文「魔力量は僕の2倍近くあるでしょうが。どんだけ才能豊かだよ。・・・あー、そういや忘れるとこだった。魔導師ランクに関して、ちょっと注意しなきゃいけないことがあるんだ」

あむ「え?」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・部隊の人材制限





恭文「魔導師ランクは確かに高い方がいい。局員で考えると出世にも響くから。ただ、一つの部隊に魔導師ランクの高い人間ばかりを集めるわけにはいかないんだ」

やや「えっと・・・どういうこと?」

恭文「部隊には人材制限って言って、例えば・・・僕や師匠みたいなAAAランクとかは、部隊の中では二人まで・・・とか、そういう風に数が決まってるの。
ほら、一つのところに強い人達が沢山居たら、少々まずいのよ。管理局は何回か説明した通りカツカツなところがあるから」

唯世「なるほど、要するに戦力が一極化しないための処置ということだね。・・・あれ? でもそれなら機動六課はどうなるのかな。SSの八神さんやSクラスの高町さんにフェイトさん、AAAのヴィータさんと言った具合に、強い人が沢山いるのに」

なでしこ「でも、予言に対抗するために組織された部隊なわけだから、その辺りは特例・・・だったのかもしれないわよ?」

恭文「残念ながら、そこまで甘くなかった。なので、なのは達は能力リミッターをつけたの」

なでしこ「能力・・・リミッター?」

恭文「まぁ、昔から犯罪者相手に魔法が使えなくするように封印の術式を施したり・・・って言うのが処置の一つとしてあったんだけど、これはその変化形なんだ。
外部的な術式で、魔力量とかそういう部分でなのは達にリミッターをかけたの。で、ランクを落とした状態でお仕事してたってわけ」

なのは「例えば私やヴィータちゃんにフェイトちゃんだと、2ランクダウンでAAまで落とされたの。はやてちゃんに至っては、SSってとても高いランクだから4ランクダウンでAまで落とされたの」

空海「そうやってその制限に収まるようにしたってわけっすね。でも、そのままの状態って辛くないっすか?」

恭文「辛いね。ぶっちゃけ、これは屁理屈をこねた裏技もいいところだもの。なので、部隊長のはやてと後見人であるクロノさんやカリムさんには、そのリミッターを解除する権限が与えられたんだ。もしもリミッターがかかった状態で、今の状況がどうにもできないなら・・・」

唯世「そのリミッターを解除して、事態の解決に当たる・・・だね」

恭文「そうだよ。ただ、これもまた裏技でさ、基本的に解除出来るのは一人一回だけ。しかも、一回解除を使っちゃったらもう一回その権限を保有するための申請をしないとそれが出来ないのよ」

やや「な・・・なんかめんどくさいね」





(そう、めんどくさい。すっごくめんどくさい。なので・・・それに巻き込まれたくない人もいるのだ)





恭文「あ、ちなみに僕とフェイト、ティアナにリインが一緒に仕事出来るのは、僕が基本嘱託扱いで、リインはその僕の保有戦力扱いになっているからなんだ」

唯世「それだと、部隊制限とかには引っかからないということかな。正式な局員だと、SランクのフェイトさんとAAAランクの蒼凪君にAAランクのランスターさんとAランクのリインさんが一緒に仕事をするのはかなり難しいから」

恭文「そうだよ。・・・そのせいでフェイトの側に居られないの、嫌だしね。僕のやりたい事、通せないもの」

唯世「そっか・・・。そのために嘱託、なんだね」

恭文「そういうこと。まぁ、魔導師ランクに関してのお話は以上だけど・・・みんな、大丈夫?」





(その言葉に、全員が頷く・・・あれ、一人頷かない)





歌唄「ね、私疑問があるんだけど・・・レアスキルって、なに? あと、よく考えたら前衛中衛とか、そういう説明もされてないと思うの」

恭文「あー、そう言えばそうだね。それなら・・・どうする? 先生方」

なのは「なら、次回からはその辺りについて説明していこうか。それも含めつつ、今までの話だと不明瞭になっているところの補足」

師匠「だな。・・・つーわけで、納得してくれるとありがたいな。もう授業時間も終わりだしよ」

歌唄「そうね、それなら・・・納得するわ」

師匠「うし、話もまとまったところで・・・本日はここまで。んじゃ、委員長は居ないけど頼むぞー」

唯世「はい。・・・起立、礼」

全員『ありがとうございましたー』










(きーんこーんかーんこーん♪ きーんこーんかーんこーん♪)



















(おまけその2:おしまい)




















あとがき



古鉄≪さて、なんだかんだでりまさん問題はまだまだ続き・・・って、これだけゴタゴタするのおかしいでしょ≫

恭文「というか、僕が交渉役って・・・いや、頑張らなきゃいけなくなったんだけど」

古鉄≪とにかく、事態が好転するのを祈りつつ本日のあとがきです。お相手は古き鉄・アルトアイゼンと≫

恭文「蒼凪恭文です。でもさ・・・家族って難しいよね」





(いきなりそんな入り。だけど、そうも言いたくなる)





古鉄≪しゅごキャラはそういう部分リアルですしね。りまさんの問題だって、誘拐とかそういうのはリアルじゃないとしても、実際ありえることですから≫

恭文「いわゆる家庭崩壊・・・だね。現実だとさ、もうここまで来ると離婚の二文字がちらつくと思うのよ。いや、真面目にさ」

古鉄≪現実って、優しくありませんから。優しくないからこそ・・・物語の中だけは優しくあるべきなのかも知れません≫

恭文「そうだね。お話って、そういう部分がないとだめなのかも知れないね・・・。だから、原作だってなんとか持ち直してりまもギャグ顔したりするし」





(どこからかそんなことないからという声が聞こえるけど、気のせいだ)





古鉄≪で・・・また、立てましたよね。あなた、どれだけいくつもりなんですか?≫

恭文「・・・ごめんなさい。と、とにかく次回だよ次回」

古鉄≪はい。・・・次回、山口に帰ったという海里さんが何故かこっちに居たりします≫

恭文「おまけと本編を混ぜるなぁぁぁぁぁぁぁぁっ! つーか、普通に居るからねっ!? おまけはおまけじゃないのさっ!!」

古鉄≪とにかく、次回はついに対決です。いや、楽しみですねー≫

恭文「僕はそうとう辛いけどね。とにかく、本日はここまで。お相手は蒼凪恭文と」

古鉄≪古き鉄・アルトアイゼンでした。それでは・・・またっ!!≫










(家族の難しさとか、フラグ立て過ぎとか、そういうことを色々と考えながらカメラはフェードアウト。
本日のED:『優しい右手』)




















リイン「というわけで、りまさんはリインと一緒に寝るですよー」

りま「・・・よろしくね。そう言えば、恭文は? あの恭太郎って人とは違うみたいだし」

リイン「あぁ、恭文さんは基本的にフェイトさんと一緒ですから」

りま「はぁっ!? なんでそうなるのよっ! まさか・・・マジで逆光源氏なわけっ!!」

リイン「いや、なんというか・・・色々あるんです」

りま「そんなんじゃ納得出来ないわよっ! てゆうか引くわっ!! 真面目に引くわよそれっ!?」

シャーリー「ねぇ、なぎ君。こうなった以上、やっぱりりまちゃんにはちゃんと説明した方がいいって。魔法の事とか年齢のこととかさ」

咲耶「そうですわね。そこをしっかりしないと風紀の問題もありますし」

シャーリー「そう言いつつ恭太郎の寝室に行こうとする咲耶に言われたくない。そして言っちゃだめだから」

咲耶「あぁ・・・恭さまがあんなに遠く〜」

ティアナ「なんつうか・・・平和だわ。いや、マジで平和だわ」










(おしまい)





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あきゅろす。
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