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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第20話:おまけとあとがき



おまけ:帰ってきた高町・ヴィータ教導官による魔導師解説コーナー!!

今回のお題 『魔法の種類(ミッド式・ベルカ式併せて)・初級編 バリアジャケットと騎士甲冑の違い、3大防御魔法(フィールド・シールド・バリア)について』




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



(きーんこーんかーんこーんー♪)





海里「起立、礼・・・着席」

師匠「うし、だいぶ慣れて来た。・・・えー、今回の授業だが、魔法形態に関しての講義だ。ここ、次のテストの範囲だから、しっかりメモしとけよー!!」

全員『はーい』

なのは「というか、テストするのっ!?」

師匠「いや、とりあえず乗っかってみた」

なのは「な、なるほど・・・。えっと、ではミッド式とベルカ式についてなんだけど・・・もうみんなはミッド式とベルカ式に関しては、フェイトちゃんと恭文君から説明は受けてるんだよね?」

あむ「はい。あと、模擬戦を見学させてもらった時にも解説してもらっています」





(全員がその言葉に頷く。白の砲撃手、なんかすっごくうれしそう)





なのは「じゃあ、簡単にでいいから答えてね。今から質問するから。えっと・・・ややさん」

やや「は、はいっ!? いきなりややですかっ!!」

なのは「そうだよ。えー、それではミッド式の特徴を簡単にでいいから説明してください」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・ミッド式の基礎知識(初級編)





やや「えー・・・と、まずミッド式というのは、オールマイティーな魔法です」

なのは「うん」

やや「遠・中・近と言ったあらゆるレンジで戦闘が出来る魔法で、えっと・・・あ、そうだ。魔法陣が丸いんです。あと、こう・・・雷をバリバリーって落としたり、恭文が前に使った地面を操作して手とか作ったり・・・とか、そういうのもミッド式の魔法。
あと・・・えっと、なにがあったかなぁ・・・。あ、そだそだ。恭文が使ったバインドとか、結界魔法とか、そういういわゆる補助・・・サポート系が得意・・・とかだったっけ」

なのは「うん、そうだよ。ややさんすごい。それだけ覚えていれば一般常識としては十分だよ」

やや「あはは・・・ありがとうございます」





(とりあえず、合格点はもらえたようなので、話を先生が引き継ぐ)





なのは「今ややさんが説明してくれたように、ミッド式の売りはそのオールマイティーさ。特に目を引くのがサポート系だね。みんなが知っているもので特徴的なのがバインドや結界魔法。
まぁ、ベルカ式にもあるんだけど、こっちのほうが種類は豊富かな。あと・・・ティアが使っている幻術。あれはベルカ式にはないものなんだ」

海里「自身の幻影を操作して、敵の目をくらませる・・・という魔法ですね。ですが、デメリットが多いとか」

師匠「そうだ。まず、幻術って魔法は消費魔力がバカでかい。その上コントロールが難しいから、姿を消す・・・とか言うのはともかく、幻術出して、それを操作しつつ自分も動いて・・・とかは無理。つまり、幻術を発動している間は動けなくなるってことだ」

りま「なにそれ、あんま役に立ちそうにないじゃない」

師匠「そうだな。ぶっちゃけ、単独戦闘では使い時が相当絞られる。姿を隠せる場所が多い・・・とか、そういう状況でも無い限りは、あくまでも仲間の行動を支援するための魔法だ。
ま、攻撃魔法や防御魔法って言う基本的なもの以外でも、そういう魔法が多いのがミッド式・・・だな。現時点でも大半の魔導師がこれだ。で、次はベルカ式だが・・・うし、そこのキング。答えてみろ」










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・ベルカ式の基礎知識(初級編)





唯世「は、はい。・・・ベルカ式は、ミッド式とは違い近距離戦闘・・・それも、対人戦に特化した魔法。
サポート系統の魔法はほとんどないけど、その分魔力を使った身体能力の強化や武器の強化などを得意とする魔法・・・ですよね」

師匠「正解だ。ただ、だからって遠距離攻撃系統の魔法が全く無いってわけじゃない。現にはやては、その辺りの広域殲滅魔法・・・平たく言えば、遠距離使用のマップ兵器持ちだしな。うし、ほかにはあるか?」

唯世「魔法陣の形は、三角形の角に丸が付いた独特なもの・・・で、あと・・・えっと、そうだ。ベルカ式には二種類あるって、はやてさんが言ってました」

師匠「あ、そこまで話してんのか。・・・そうだ、ベルカ式には古代ベルカ式と近代ベルカ式ってのがある」










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・古代ベルカ式と近代ベルカ式の違い





なのは「まず、古代ベルカ式は、ずーっと昔に一度途絶えちゃった魔法なんだ。あまりにも特化しすぎていて、状況に対応できないこともあったから。
・・・戦闘の進化の基本は、より強力な攻撃を、敵の攻撃が届かないような安全な位置から放ち、確実に当てる事。ベルカ式のコンセプトは、そこと逆行してたんだ」

やや「・・・えっと、どういうことですか?」

海里「エース、例えばですが・・・昔の戦国時代などでは刀や槍などで戦っていたのですが、それはわかりますか?」

やや「あ、うん。時代劇で見たことあるから」

海里「それと同じことです。刀よりも遠距離から撃てる銃が戦場の主流となり、それよりも遠くから撃て、より火力の高い大砲・・・と言うように、先生がおっしゃった事が俺達の世界の戦術の歴史でも行われているんです」

やや「えっと、よくわかんないけど・・・ベルカ式はいいんちょの話の中で言うと刀の位置だったから、なのはさんの言うように逆行してたってこと? 他の大砲や銃みたいな遠くから撃てる魔法の方がいいってことになった」

海里「そうですね、そういうことで・・・よろしいでしょうか?」





(委員長、先生その一を見る。そして・・・頷いた)





なのは「うん。まぁ・・・その認識で7割方合ってるかな。そして、それがベルカ式よりも確実に出来るミッド式にとって代わられちゃったの。ミッド式はそういう遠距離攻撃のバリエーションが多かったから」

師匠「まぁ、相当に珍しいってだけで完全に絶滅したってわけじゃねぇけどな。現に、八神家の人間はほとんどが古代ベルカ式使いだ」

なのは「そういうわけで、現代では古代ベルカ式そのものが一つのレアスキルとして認識されてるんだ。それを使えるはやてちゃん達は、その保全と研究に協力してるの。あ、この辺りは前回お話した聖王教会が主に行ってるんだ」

なでしこ「なるほど・・・。では、近代ベルカ式と言うのは?」

師匠「その古代ベルカ式にミッド式を掛け合わせて作った、ここ10年前後の間に急激に一般に広まった新しい術式形態だ。そのため、遠距離攻撃や補助関係の魔法が古代のそれより豊富で、そういう魔法との相性もよくなってる。
まぁ、個人レベルで術式組んで使っている人間は、その前からちらほらとは居たけどな。ヒロリスさんがその典型例だ。あの人、斬り込んでくタイプだから、ミッド式だと近接用の火力がちと足りなかったそうなんだよ」





(その言葉に全員納得。どうやらあの模擬戦闘を思い出している様子らしい)





師匠「一応補足しておくと、この間説明したカートリッジシステムはベルカ式のものだ。こっちも近代ベルカ式と一緒に、ここ10年前後の間に一気に広まった」

あむ「えっと・・・恭文は確か近代ベルカ式・・・でしたよね」

師匠「そうだ」

あむ「じゃあ、あの・・・バインドとか、傷を治したりする魔法とか、結界を張ったりって言うのは、近代ベルカ式・・・だからなんですね」

なのは「そうだよ。・・・恭文君、運が無いでしょ? そのせいで単独で格上とやりあう事が昔から多くて・・・それで手札を増やしていったんだ。少しずつ、時間をかけて、いっぱい訓練してね。
あと・・・これが大きな理由。フェイトちゃんの力になりたかったんだって。沢山手札があったら、どんな状況でも助けになれるはずだからって言って、一生懸命頑張ったらしいの」

あむ「あはは・・・。やっぱりそこなんですね」

師匠「そこだな。で、次に攻撃魔法と補助魔法の違い・・・なんだが、補助魔法ってのはさっきややとあむが言ってくれたようにバインドとか回復魔法とか結界魔法とかがそれになる。あと、ティアナの幻術もだな」

空海「攻撃魔法ってのが・・・そのままですよね」

師匠「あぁ」










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・攻撃魔法と補助魔法の簡単な説明





「だが、種類はいろいろあるんだ」





(そして、黒板になにやら色々書き出した。なお、足元の台にはツッコまないのが優しさである)





師匠「あー、バカ弟子の攻撃魔法に照らし合わせていく方がわかりやすいよな。なんだかんだでアイツ、その辺りの半分以上は網羅してたりするし」

なのは「そうだね。・・・まず、射撃魔法と誘導弾。これは恭文君のスティンガーを思い出してもらえれば分かると思うな」

りま「・・・あの青い弾丸ね」

なのは「そうだよ。あのスティンガーは貫通力と弾速を重視したセッティングになってるけど、他にも色々種類がある。ティアナとサリエルさんとの射撃戦がいい見本かな。次に砲撃。恭文君のアイシクルキャノンがそれだね。魔力をチャージして砲弾を形成して、それを放つ」

あむ「でも、砲弾状じゃないときもありますよね。こう・・・かめはめ破みたいなのが」

なのは「そうだね。その時々の状況次第・・・かな。恭文君は発射したらすぐに動きたい時とかは、砲弾形成にしたりしてるんだ。あと、近接用の攻撃魔法。デバイスに魔力を込めて、威力を増幅して斬る・・・だね」

師匠「ちなみに、ベルカ式で近接戦闘やるんだったら、これがしっかり出来てねぇとどうにもならねぇ。基本中の基本ってわけだ」

あむ「なるほど・・・」

なのは「ただ、恭文君の鉄輝一閃はそれから外れてるんだよね」

あむ「え?」





(先生二人、顔を見合わせつつ苦笑する)





唯世「外れてるというのは、どういうことでしょうか」

師匠「簡単に言えば、あの攻撃はそれとは全く違うんだよ。どちらかといえば、魔力で刃を作る・・・ミッド式とかでも珍しい斬撃魔法なんだ。
武器そのものを強化するんじゃなくて、刀身を軸に、纏わせた魔力を圧縮、一気に打ち上げて、鋭い魔力の刃を形成するんだよ」

なのは「最初は私もみんなもそんなことをする意味が分からなかったんだけど、理由はすぐにわかった。日本刀の作りがね、それになってるんだ。芯があって、それに纏わせるように刃となる金属を打ち上げる。芯と外側の刃は硬さがそれぞれ違っているの」

やや「えっと・・・どういうことー!? ややわかんないー!!」

海里「日本刀というのは、一種類の金属で出来ているわけではないということです。柔らかく粘りのある金属と、きわめて硬い金属の二種類を混ぜて作られているんです。芯と外側の刃と言う形で」

やや「・・・なんで? だって、武器なんだから硬ければいいじゃん」

海里「そうはいきません。西洋の太く分厚いブロードソードなどと違って、日本刀は薄く、鋭い刀身を持っています。それゆえに鋭い切れ味を見せ、達人が使えば鉄のカブトさえも両断出来ると言われています。それゆえに、脆いつくりになりやすい。
ただ硬いだけならば、衝撃ですぐに折れてしまいます。逆に柔らかいと、今度は曲がってしまいます。両方を上手く組み合わせる事で、日本刀は硬くもあり、柔らかさも備える事で簡単には折れず、また曲がることもない武器となります」





(委員長がそう言うと、先生方から感嘆の声。主に先生方から)





師匠「・・・お前すごいな。アタシ達はじいちゃんから説明を受けるまで分からなかったってのに」

海里「いえ、俺も剣の心得がある故なので・・・。とにかく、それで分かりました。蒼凪さんは魔力とアルトアイゼンをそれらに見立てて、より精度の高い武器を作り上げているわけですね」

師匠「そういうこった。実際、あれは何でも斬れる。お前らが見たように砲撃魔法もそうだし、防御魔法やバリアジャケットもな。
でもよ、ぶっちゃけあれのコントロールはキツいんだよ。瞬間的にさっきなのはが言ったような作業を行って、バカ弟子レベルで刃を構成するのは、中々難しい」

なのは「恭文君が魔力運用の技術に長けていること。そして、瞬間的な詠唱と処理がこなせるというのが、大きな要因だね。・・・とにかく、次回以降は他の話も間に挟みつつ、魔法に関してもう少し詳しく説明かな」

師匠「一つ一つだけでもかなり細かい説明が入るから、結構時間かかるだろうな。まぁ、分かりやすく簡単に説明していくから、着いてこいよ。あとやや、ノートは取れ。基本だ」

やや「はい、大丈夫ですっ! 今日はちゃんと取りましたっ!!」

師匠「うん、ならいい。んじゃま、まだ時間もあるし・・・次はタイトルにもある通り、バリアジャケットと騎士甲冑の違いと、基本的な防御魔法について、これまたサクっとした感じで説明だ」











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・バリアジャケットと騎士甲冑の違いについて。





なのは「まず、おさらいだね。バリアジャケットというのは、魔導師が使う防護服の総称。これ自体は後で説明するフィールド魔法の一種として分類されるの。術者の魔力を消費して構築・維持する、魔導師が戦闘する上では必須とも言うべき装備だね」

師匠「服ではあるが、防御力の向上と環境への適応化、空戦魔導師に関しては飛行魔法のサポート・・・など、かなり色々と機能が詰め込まれている。その防御力や機動性の関係は、この話の第10話冒頭で説明したとおりだ」

やや「えっと、装甲が厚いと動きが重くなって、薄いと逆に速くなる・・・でしたよね」

なでしこ「これだけ聞くと、魔法関係の用語とは思えませんよね」





(それはきっと誰もが思った疑問。間違いなくロボットアニメの方向性だし)





なのは「それで、バリアジャケットと騎士甲冑なんだけど・・・実は具体的な違いは無いの」

空海「そうなんっスか?」

なのは「うん。少なくともどっちがすごくてどっちが劣っている・・・という話にはならないかな。・・・さっき説明したベルカ式を使う魔導師の中でも優秀な人間が騎士と呼ばれているんだけど、騎士甲冑はそれに合わせたバリアジャケットの呼び方なんだ」

師匠「つまりだ、ベルカ式使ってて騎士の称号を持っている魔導師が着ているジャケットが、騎士甲冑ってわけだ。
まぁ、アタシらのコミュニティの中でそういう呼び方してんのは、はやてを含めたアタシの家族全員と、バカ弟子くらいか。なのはやフェイトとかは普通にバリアジャケットだ」

あむ「なるほど・・・」

なのは「あと、バリアジャケットにはモードチェンジ・・・一種の性能変化の機能もあるけど、これも機会があればかな。とにかく、次は防御魔法の説明だよ」










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・防御魔法のあれこれ





なのは「防御魔法は、魔導師にとって重要なスキルの一つなんだ。敵の攻撃を、的確な方法で防ぐことで、生存率を高めるの。
でも、弱点もある。防御魔法を破壊されると、その分の魔力を丸々消費しちゃうんだ。魔力がエンプティになると、気絶しちゃうから、ここは注意が必要」

師匠「それだけじゃないぞ。アタシやバカ弟子は前衛・・・フロントアタッカーって言うポジションになるんだけどな。この場合、生存率を高めることは、味方のサポート無しでの単独攻撃持続時間の延長にも繋がる。三種ある防御魔法の使い分けは、相当大事なんだ」

やや「たんどくこうげき・・・じぞくじかんって、なんですか?」

海里「簡単に言えば、どれだけ連続で攻撃を仕掛けられるか・・・ということですね。長く攻撃する時間が取れれば、その分相手にダメージを多く与えることが出来ます。上に単独が付くのは、味方の手を煩わせることがなくなることが理想系だから」

りま「そのために、攻撃を防ぐ防御魔法が重要なのね。ダメージを減らすことのイコールが、それだから」

やや「・・・なんとなくだけど、わかった。でも、どうしてこういう魔法が必要になったんですか? バリアジャケットって言うものがあるのに」

師匠「攻撃魔法ってのはな、そういう物を抜いた上でダメージを与えられるように構築されているの原因だ。
こうなってくると、それを防ぐための魔法も必要だったってことだ。そして、その中で基本とされているのが今から説明するバリア系だ」

なのは「みんなは多分何回か見たことがあると思うんだ。・・・というわけで、映像を出すね」





(そうして出てきたのは・・・しゅごキャラクロス15話の1シーン)





空海「あ、これはフェイトさんと恭文が×キャラの攻撃を防いだ時のだ」

なでしこ「あと、コンサートの時もね。先生方、これがバリア系・・・でしょうか」

師匠「そうだ。この術式の特徴は、防御範囲の拡大が可能な部分だな。映像とかだと正面に展開して盾みたいにする形だが、ドーム上にして全方位からの攻撃を防ぐことも可能だ」

なのは「あとは局所展開して、面や線ではなくて、点を突いてい来る鋭い攻撃を防ぐというやり方もある。みんなが見た模擬戦で、ヒロリスさんと恭文君が互いの斬撃を受け止めあった時にも、そうやって防いでいるの」

あむ「そう言えば、いいんちょとりまに恭文達がやりあった時に、それらしい・・・こう、ドーム的な魔法を見たような・・・」

唯世「あれがそのバリア系の防御魔法だったんだね」

師匠「多分それだな」

なのは「そうそう、それと忘れてはいけないのが、デバイスのオートバリアに多く使われるのも、このタイプの防御魔法なんだ」

あむ「オートバリア?」

なのは「名前の通りなんだけど、術者が攻撃を受けた時に反応出来なかった場合、デバイスの方で自動的に発動する防御障壁の事なんだ。バリア系は汎用性が高くて、防御力もそこそこあるから、よく利用されるの」

師匠「で、次がシールド系だ」





(また映像が変わる。そこに映るのは、しゅごキャラクロス19話のシーン)





りま「これ・・・恭文が使ってたのだ」

やや「先生、この魔法陣を前にバーンと出すのが、シールド系なんですか?」

師匠「そうだ。バリア系が攻撃を受け止めるものとすると、シールド系はそれよりも硬く、攻撃を弾いて逸らす特性がある」

なのは「ようするに、バリア系よりも防御力に優れた術式なんだ」

やや「でもでも、それならみんなシールド系を使えばいいじゃないですか。防御力が高いなら、バリア系使う必要ないですよー」

なのは「それがそうもいかないの。防御力が高い分、シールド系は防御面積が限定されちゃうんだ」

空海「限定ってことは・・・」





(旧J、頭を捻って・・・思いついた)





空海「バリア系みたいに、こう、全方位の攻撃を防ぐ・・・とかはダメなんっすね」

なのは「そうだよ。まぁ、技量の高い術者なら、複数展開してそれで自分を囲む・・・という真似も出来るんだけど」

師匠「なんにしても高等技術だから、普通はやらねぇ。基本的にこの魔法の使い方は、近接攻撃や砲撃なんかの高火力攻撃を防ぐ・・・とかだな。防御力が高い分、そういうのが得意なんだ」

なのは「そして、次がフィールド系。バリアジャケットもさっき言ったように、一応この魔法になるの。これは・・・こんな感じかな」





(その瞬間、桜色の光が先生その1の身体を包み込む。それを見て、ガーディアンの面々は驚く)





あむ「わぁ・・・綺麗。それがなのはさんの魔力の色なんですね」

なのは「そうだよ。それで、フィールド系は他の二つと違って、身を包んで守るものなの。攻撃を受けた時に発動・・・もしくは効果を強めて、ダメージを軽減するのが使用目的の一つ」

唯世「使用目的の一つということは・・・他にも利用方法が?」

なのは「うん。フィールド系魔法は、環境の適応に使う場合が多いの。防御力強化は、緊急用だね。空を飛ぶ時に、身体やデバイスを防御フィールドで包んで、空気抵抗を無くしたりも出来る。
あと、催眠ガスとかそういう類の成分を分析して、無効化するためのフィールドを構築したりとか。・・・そうそう、AMFも、ちょっと特殊だけど分類としてはこのフィールド系魔法になるんだ」

唯世「防御範囲の魔力結合を解除する・・・という感じでしょうか」

師匠「正解だ。あとフィールド系でよく使うのは、温度変化への対応だな。フィールド系を操作すれば、暑いところでも平気になる」

空海「あ、それはうらやましいっすね。夏をすごすのが楽そうだ」





(その瞬間、笑いが起こる。でも、先生その2がなんか苦い顔をしている)





師匠「・・・お前、なんでアタシがそういう使い方してるって知ってるんだ?」

なのは「ヴィータちゃんそんなことしてたの!?」

師匠「いや、暑くてどうしようもない時だけだぞ? 暑さを楽しむのも、大人の生き方なんだからな」

なのは「ならいいけど・・・。あのね、こういう温度変化への対応は、そうだな・・・火山の近くとか雪山のど真ん中とかそういうのじゃなければ、救助活動で使ったりするんだ」

なでしこ「魔導師の方が救助活動を?」

なのは「そうだよ。と言うか、魔導師の防御や機動性に攻撃力は、危険な現場での活動に適しているの。現に、スバルがその能力を生かしてレスキューの仕事をしているから」

師匠「とにかく、魔導師はこれら三種の防御魔法を的確に使いこなして、行動しているんだ。攻撃も大事だが、それだけじゃあどうしようもないってことだな」

海里「先生。では・・・魔導師にダメージを与えると考えた場合、前述のバリアジャケットと、この防御魔法を抜かなければならないということですね」





(委員長の言葉に、先生方が頷く)





師匠「あと、ここでは省いたが防御には物理防御・・・盾とかそういうのを使って防ぐのもある。それを含めると、シールド・バリア系とフィールド系、そこに物理装甲で、全部で四つだ」

海里「隙を突けなければ、最大で4層ないし3層・・・ですか」

師匠「そうなるな。例えシールド系やバリア系が展開出来なくても、今度はジャケットやフィールド系がある。最低でも2層だ。・・・やや、ノート取ってるな?」

やや「はいっ! バッチリですっ!!」

師匠「ならよかった。うし、良く頑張ったな。今日はここまでだから、もう遊んでいいぞー」

やや「やったー! てゆうか、先生に誉められたー!!」

師匠「でも、一応予習と復習はしておけよー。次回は管理局の中の仕事について説明するからよ。ほんじゃ委員長、頼むわ」

海里「はい。・・・起立、礼」

全員「ありがとうございましたー!!」










(きーんこーんかーんこーんー♪ きーんこーんかーんこーんー♪)




















(本当に続く)




















あとがき



古鉄≪さて、とりあえずレジアス中将は予言の的中する可能性を一切考慮しなかった事が問題だと言うのと、スカリエッティは親の責任を全く果たしてないので、喪失を悼む権利などどこにも存在していないと思う、私・・・古き鉄・アルトアイゼンです≫

恭文「・・・いきなりキツイ挨拶するね。スカリエッティがなんかヘコんでるよ?」

古鉄≪あぁ、あなたは最近仲いいんでしたよね。拍手の世界で≫

恭文「うん。拍手の世界限定でね。・・・あ、蒼凪恭文です。で、なぜにそんないきなりな挨拶なのよ」

古鉄≪いえ、前回の授業に関して、レジアス中将スカリエッティと更正プログラム関連の説明でツッコミが来たので、答えたくなったんです。えっと、簡潔に言うと・・・≫

恭文「言うと?」

古鉄≪レジアス中将が予言を信じられなかったのは中世ならまだしも魔法という名の科学が発達したミッドでは預言を信じろと言われても胡散臭い目で見られるというご意見ですね≫

恭文「まぁ・・・言ってることは間違ってないよね」

古鉄≪あと、それが論理的に破綻しているとしても子供が親に協力するのに理由がいるのかというのもありました。なので答えましょう。えぇ、答えましょう。エンジンがかかったので≫




(え、というか・・・このまま継続っ!?)





古鉄≪まず、予言の的中する可能性も有ったわけですし、その前歴も劇中の描写からすると思いっきり外れることばかりというわけではないでしょう。
それ以前の問題として、あれは予言と言われますが、データ解析による予測情報です≫

恭文「この辺りはJS事件話や前回の授業で言ってたよね。世界の情勢など様々なデータを集めて、それを元に立てるって。つまり、これも魔法とは形式が違うだけで科学的なものだと」

古鉄≪そうです。それを個人として信用するしないは勝手ですよ。ただ、組織のトップとして、一応でも最低限の警戒の姿勢を示すのが道理ではないでしょうか。
まぁ、この辺りは海や聖王教会への付き合い・・・と言いましょうか、合わせておけば面倒は少なくなるじゃないですか≫

恭文「あ、なるほど。つまり・・・実際にどうなるか、対処出来るか、どこまでやれるかはともかくとして、そういう組織同士の協力関係をうまくいかせる意味でも、レジアス中将はミッド地上部隊が予言を聞き入れたという姿勢を示すべきだったと」

古鉄≪そうです。実際にトップがこれだと、現場でも軋轢が生まれるに決まっています。現に、生まれているから六課じゃないですか。実質ミッドの地上部隊のトップとしては、レアスキルが嫌いだからとか、信憑性が薄いとか、そんな理由でこういう行動に出るべきではないと思います。
おそらくですが、本局などが予言の事を参考程度に聞いているのは、実際に的中するというのと、こういう組織同士の付き合いの中で必要だったからではないでしょうか。警備組織と言っても基本的には人と人の付き合いです。うまくやるためには、こういう手も必要と考えます≫

恭文「まぁ、ありえない話ではないよね。実際に劇中で描写こそされてないからアレだけど。ただ、レジアス中将が他の組織の干渉を嫌うのはちゃんとした理由が・・・あぁ、だめだね。
理由は何であれ、それでレジアス中将だけの話じゃなくて、陸全体で突っぱねてきたから、海と陸との関係はすぐに解決ってレベルじゃすまなくなったわけだし」

古鉄≪そうですね。関係改善は・・・まぁ、過干渉はだめでしょうけど、こういうところからやっていくものではないでしょうか。さっきも言いましたが、基本は人付き合いなわけですし≫

恭文「なら・・・スカリエッティは? 一応親としての感情もあるみたいだけど」

古鉄≪感情出す前にその親としての責任を全く果たしてないじゃないですか。・・・親というのは、基本的には子どもの健康的な成長を助けるというのが役目のひとつとしてあります。
親からの暴力などが問題視されるのは、こういう部分を妨げていると考えているからです。この辺り、無印を見ていただければわかるかと≫





(・・・あの親子ですか)





古鉄≪その親子ですね。・・・そして、スカリエッティの行動はその責任を全く果たしていません。稼動暦が長くて自己でしっかりとした判断が出来る人間も居ますが、そうではない人間も居ます。
そんな人間に親を慕う感情だけで犯罪に加担させる。これは間違いなく罪ですよ。健全な親子関係とは認められません。なにより、認めてはいけません≫

恭文「・・・まぁ、そうだよね。子どもに当たり屋させてる親と程度は変わらないと思うし。もっと言えば、子が親を慕う感情を利用していたとも言える」

古鉄≪親と言うなら、すべての娘にその辺りの責任を果たすべきでしょ。健全かつ健康な成長を子に促す事が、親の責任です。
でも、劇中ではその辺りを全く果たせていない。むしろ自分の欲望に自らが『娘』と言う存在を巻き込んで、そのために犯罪に加担させている。その責任を果たせていない人間に、ワインで喪失を悼む権利など存在しません≫

恭文「・・・キツイボール投げるね。でも、それってあくまでも対外的・・・まぁ、法律とか常識関係に基づいて・・・だよね。もっと言うと、当人同士がどう思っているかという部分を抜いて話してる。
それはよろしくないんじゃないの? それを言えば、フェイトとエリキャロも劇中でスカリエッティが言ったようにアウトゾーンに入るって」

古鉄≪そこを言われると辛いですね。親子関係が幸せかどうかなんて、結局当人にしかわかりませんから。ただ・・・更正プログラムなどに関しては、こういう理由で前回説明した理由になったと、納得していただけるとうれしいです≫





(というか、前回ここを説明しておけばよかったんじゃ・・・)





古鉄≪過去を振り返ってはいけません。自覚はすれど反省はしないが、私のポリシーですから≫

恭文「いやいやっ! それはどこのリナ・インバースっ!?
とにかく・・・次回、いこうか」

古鉄≪そうですね。・・・えー、次回は今回落としに落としまくった唯世さんの人気回復話です。そう、原作を知っている方ならきっと待ち望んでいたであろうあの話です≫

恭文「あー、そう言えば色々落ちてるよね。んじゃ・・・今回はここまで?」

古鉄≪はい。お相手は古き鉄・アルトアイゼンと≫

恭文「蒼凪恭文でしたっ! それでは・・・またっ!!」










(そんなこんなで、カメラ・フェードアウト。しかし・・・ここから回復って可能なの?
本日のED: 片霧烈火『Answer』)




















恭文「・・・親って、難しいね。なんか、あとがきで少し考えてしまった」

フェイト「そうだね、すごく難しい。私もエリオとキャロのことで色々考えたから。でも、ヤスフミも親になるんだよ? まぁ、あの子は妹みたいな感じになるんだろうけど」

恭文「だね。うん、頑張らないといけない。たくさん、荷物が増えるから。でも・・・」

フェイト「でも?」

恭文「それがね、その重さが加わるのが、なんだかうれしいんだ。・・・おかしいかな」

フェイト「・・・おかしくないよ。きっと、おかしくなんてない」

恭文「そっか、そうだと・・・うれしいな」

ミキ「・・・・・・あの、盛り上がっているところ悪いんですけど」

フェイト「ミキちゃん、どうしたの?」

ミキ「いや、今回の恭文とフェイトさんって・・・あむちゃんのデートのサポート、全く出来てないんじゃ」

恭文・フェイト「「・・・・・・・・・・・・そう言えばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

ミキ「だよねぇ・・・」

スゥ「あむちゃん、前途多難ですぅ」

ラン「えっと・・・頑張れー♪ 頑張れー♪」










(おしまい)





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あきゅろす。
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