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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第19話:おまけとあとがき



おまけ:帰ってきた高町・ヴィータ教導官による魔導師解説コーナー!!

今回のお題『JS事件の概要 ガジェットとAMFの説明:2時間目』

(ゲスト:ヒロさんサリさん)




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



(きーんこーんかーんこーんー♪)





海里「起立・・・礼、着席」

師匠「うし、それじゃあ今日も授業を・・・こらそこ。なに食ってんだ」

空海「す、すみません。今日寝坊して朝ごはん抜いてきたもんで」

師匠「そうか。なら早く食べろよ。アタシは5分間だけお前の手に持った弁当箱に関しては見えないことにしといてやる」

空海「ありがとうございますっ!!」





(・・・平和だなぁ)





なのは「平和じゃないからっ! てゆうか、どうして前回とまったく同じなのっ!? これおかしいよねっ!!」

りま「別におかしくないわよ。二回繰り返すはお笑いの基本手段の一つよ?」

なのは「そういうことを言ってるんじゃないんだけどっ!?」

なでしこ「先生」

なのは「あ、なでしこさん・・・なにかな」

なでしこ「あまり叫びすぎると、嫌われますよ?」





(・・・なんかグサっときた。すっごくグサっときた)





ヒロリス「・・・えー、なのはちゃんが軽くヘコんだところで、授業始めようか。なお、当然前回の続きだよ」

やや「よ、待ってましたー!!
えっと、JS事件の概要・・・ですよね」

ヒロリス「そうだね。ただ、主に話す出来事は二つかな」

やや「・・・あれ、少なくないですか?」

サリエル「というのも、理由があるんだよ。前回話したレリック絡みでごたごたこそあったが、基本的に機動六課が起動してから9月の14日までは、ジェイル・スカリエッティは自分からは姿を現して行動していないんだ」

海里「つまり、先日言っていた自分の手ごま・・・ガジェットや戦闘機人にすべての作戦行動を任せていた?」

サリエル「そうだ。しかも、戦闘機人の連中・・・ナンバーズと言われてるんだが、そいつらとレリックを専任で追っかけていた六課がやりあったのは、その間のたった一回だけなんだよ。
そして、JS事件というものが本格的に進展して、解決するまでの間はたった一週間だ。一つ目の出来事から始まり、二つ目の出来事で決着がついた」

ヒロリス「正直、この事件は管理局のトップも絡んでるから、どこから始まったのかって定義がいまだにちゃんとつけられてないんだ。
けど、とりあえず世間一般的には、9月14日に起きた事件と、その一週間後に起きた事件を、JS事件と呼称している。みんなに話すのも、まぁ・・・その辺りのことだね」

唯世「なるほど・・・。なら、まずは」

サリエル「あぁ。9月14日・・・ミッド地上の中央本部で行われた、公開意見陳述会中で起きた中央本部襲撃事件から話そうと思う」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・中央本部襲撃事件について そして、それが起きた原因





サリエル「まず、公開意見陳述会というのは、1年に一回行われる重要会議だ。これに関してはテレビ中継などもされる」

ヒロリス「ミッドチルダの管理局地上本部の運営について話す場なんだけど、そういうわけで、管理局のお偉方や関係者が集まる」

唯世「なので、スカリエッティが何かを仕掛けてくると思った・・・ですか?」

なのは「そうだね。私達が所属していた機動六課は、その警備に当たることになったの」

あむ「・・・あれ? でもおかしいですよね。まず、レリックを集めていたスカリエッティが、どうしていきなりそんなところを襲撃するとかって思ったんですか? というより、六課ってレリックを確保するのが専門のはずなのに」

やや「あー、そうだよ。これはどうしてですか?」

サリエル「もちろん、ここには理由がある。うし、なら予定変更でここから説明するか。・・・これを見てくれ」





(そうしてモニターが開く。そこに映るのは、金色の長い髪の女の人)





唯世「あの、この方は?」

ヒロリス「聖王教会の騎士・カリム・グラシア。・・・あぁ、聖王教会ってのは、管理局と協力体制にある組織でね。聖王っていう大昔に居た王様を信仰している宗教団体なのよ」

師匠「ただな、普通の宗教団体とは違うところがある。1番の違いは、その聖王の遺産の確保のために、固有戦力・・・教会騎士団と呼ばれる魔導師が多数所属している武装組織を保有していることだ」

唯世「・・・それはまたどうして?」

師匠「その遺産の中には、ロストロギアも存在してるからだ。そのために、管理局と有事の際には協力体制をとることもある」

なでしこ「なるほど。管理局の目的と一致している部分があるから・・・ですね」





(その言葉に、先生方はうなづく)





サリエル「まぁ、そんな物騒な話だけじゃなくて、普通に信仰者の聖地巡礼なんかの護衛もしたりすんだけどな。巡礼には、場合によっては未開拓で危ない世界に行くこともあるのが、その理由だ。あと、関係者の警護とか」

あむ「巡礼の護衛・・・あぁ、それならなんとなくわかります。それで、そのカリムさんって人の話ですよね」

サリエル「あぁ。・・・そして、騎士カリムにはひとつ特殊能力がある」

やや「特殊能力?」

サリエル「最短で半年先に起こる出来事を、詩文形式で書き出す能力だ。まぁ、色々な事情で1年に一回しか使えないし、的中率もさほど高くはないが」

あむ「それって・・・未来予知っ!? すごいじゃないですか、それっ!!」





(全員、一様に驚く。だけど、それに首を振る人間が居た)





サリエル「いや、それは少し違う。・・・予知というよりは、予測なんだ」

あむ「・・・予測?」

サリエル「俺らの世界では、こういう珍しい能力をレアスキルって呼んでいるんだが、このレアスキルは現状の世界の情勢やあらゆる情報を収集して、それを元に未来に関する予測を立てているに過ぎないんだ」

海里「・・・なるほど。科学的な部分が多分にあるということですね」

サリエル「そうだ。そして、この騎士カリムのレアスキルに、奇妙な詩文が数年前から少しずつ、元の物に更に書き加えられていく形で、必ず出てくるようになった」

なでしこ「もしかして・・・それが六課が警備につくことになった原因ですか?」

ヒロリス「まぁ、原文を聞けば大体わかるかも知れないね。・・・読むよ」





(いつの間にか、紙を持っている。・・・すばやい)





ヒロリス「・・・旧き結晶と無限の欲望が交わる地。死せる王の下、聖地より彼の翼が蘇る。使者達は踊り、中つ大地の法の塔は、虚しく焼け落ち、それを先駆けに、数多の法の船は砕け落ちる」

やや「・・・・・・あの、ヒロリスさん。わかりにくいです」

あむ「同じく・・・」

空海「つーか、詩文形式って言ってたけど、これはまた・・・」

ヒロリス「そうなのよ。でさ、これを書かれているのが古代ベルカ文字って難解な古代言語で書かれてるのよ」

アメイジア≪古代ベルカ文字は、地域や年代によって意味や解釈がまったく違う場合があるんだよ。
だから、まず内容をしっかり知ろうと思ったら、そこの解読から始めないといけねぇ。それが余計に予報の的中率を下げてんだ≫

海里「つまり、解釈間違いもありえると。ですが・・・これは比較的わかりやすい方ではないでしょうか」

唯世「そうだね」

なでしこ「同感よ。あなたは・・・どう?」

りま「・・・かなりまずいわね」





(あ、なんかわかった方々が居る)





あむ「え、唯世くん達わかったのかったのっ!? 結構わけわかんないのにっ!!」

唯世「うん。・・・多分だけど、古き結晶と言うのは、レリックのことだと思うんだ」

あむ「・・・あ、そっか。赤い宝石で、300年とかそういう大昔の物だもんね。なら、他は?」

唯世「とりあえず僕がわかるのは・・・数多の法の船・・・かな。ほら、次元航行艦だよ」

あむ「あぁ、なる・・・え、それが砕け落ちる?」

やや「それって、かなりやばくない?」

海里「ジョーカー、エース、そのかなりまずいものはまだあります。おそらくですが、中つ大地の方の塔は・・・管理局の陸の何かを指しているのではないかと思います」

なでしこ「塔は焼け落ち、船は砕け落ちる。つまり・・・」

空海「この予測が示してんのは、管理局が、ぶっ壊れるってことか?」

りま「・・・多分」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・六課設立の理由





サリエル「正解だ。そして、六課はこれの阻止のために設立された」

あむ「え? でも、それならレリックは」

ヒロリス「こう言ったらアレだけど、レリック対策は表向きの事情として説明されてたんだよ。今話した世界崩壊の危機を阻止するのが、六課の本当の目的だったんだ。
もちろん、こうして予言に出ている以上、レリックも重要なキーのひとつではあったけど」

なのは「ちなみに・・・これを知っていたのは六課の部隊長であるはやてちゃん。あと、部隊にも後見人というのがいてね。それをしていたクロノ君とリンディさん、騎士カリムと、もっと上の偉い人三人だけだったの」

師匠「アタシやなのは、フェイト辺りは中央本部襲撃前に知ったくらいだ。スバルやティアナ達前線に至っては、まったく知らない」

唯世「余計な混乱を防ぐため・・・ですね」

師匠「正解だ。次元世界はまぁ、いい意味でも悪い意味でも、管理局によって統率されてる。それがぶっ壊れるとなると、どれだけの規模で影響が出るかまったく予測がつかない。
で・・・なんでそんな話が出たことで六課が設立されたかってのには、事情がある。サリエルさん」

サリエル「あぁ」





(そして、モニターの画面にある人が映る。それは・・・レジアス中将)





サリエル「まず、この管理局崩壊の話は、出てきた直後から管理局のお偉方に報告されている」

あむ「そうですよね、さすがにこれは・・・」

サリエル「いや、そうじゃないんだよ」

あむ「え?」

サリエル「もともと、騎士カリムの予言は、的中率云々は抜きにして、有識者の情報提供のひとつとして知らされていた・・・まぁ、簡単に言えば、今後の管理局の運営の参考にしようってことだな。実際に的中することもあるわけだし」

あむ「なら、これだけじゃなくて、予言が出たらその度に・・・と」

ヒロリス「そういうことだね。で、話がでか過ぎてみんな話半分な状態ではあったけど・・・その中でぶっちぎりで信じてなかったのが、レジアス中将だったんだ。
レジアス中将、こういうレアスキルとかも、他の組織からあれこれ言われるのがすっごい嫌いでさ。他の世界の地上本部や本局の方ではあれこれ対策を立てようとしてるのに、自分のとこ・・・要するに、ミッドの地上本部だけは特別な対策は無しって決めたんだよ」

唯世「それは、どうなんですか? というより、本局や他の方々がなにか言うことは」

海里「おそらく無理でしょう。それをやれば、内政干渉か何かの類に取られかねません。結果、余計な火種が生まれます。
なにより・・・レジアス中将は、この予言と関係が深いであろうスカリエッティと繋がりを持っていたわけですから、自分だけは大丈夫という確信があったのかも知れません」





(まぁ、結果的には大丈夫ではなかったわけですが)





ヒロリス「そういうわけで、例えばミッドの地上で事件が起きても、本局やカリム達聖王教会が干渉することはかなり難しい状況だったの。たとえ、ミッドの街が火の海になって、その中で何人死のうとね」

師匠「なにより、無理矢理にそれらの組織が干渉すれば、たちまち組織の内乱に発展しかねない。そうなったら、事件への対処どころの話じゃない。レジアス中将って人は、それだけの影響力を持っていたんだよ。・・・上がこれだから、下も同じくって感じだ。
現に、事件解決まで陸は、頑なに自分達だけで状況をなんとかしようとして、本局の協力申請を思いっきり突っぱねていたくらいだ」

やや「そんな・・・」

あむ「そんなの、絶対間違ってます。そんなの、絶対・・・」

なのは「・・・うん、そうだよ。だから、はやてちゃんや後見人の人たちは裏技を考えたの。そんなことになって、組織のしがらみのために何もできないのなんて、嫌だったから。
まず、六課の隊舎があったのは、ミッドの地上。本来であればミッドの地上にある部隊は、レジアス中将の指揮下にあるんだけど、その六課を作ったのは本局だから、基本的に本局の指示でしか動けないの。逆を言えば・・・」

唯世「ミッドの地上部隊・・・レジアス中将の干渉は受け付けない?」

海里「なるほど。六課をミッドの地上に置くことで、レジアス中将の意思とは関係なく動けるようにしたのですね。
そして、万が一何かが起こり、地上部隊だけでは解決できない時には、六課が前に出て、状況を解決・・・最悪、他の組織の救援まで持たせる」

やや「え、えっと・・・ようするに、六課って部隊があれば、ミッドの人たちも危ない目に遭わずにすむってこと?」

サリエル「まぁ・・・すごく簡単に言えばそうなる」

空海「てゆうか、それすげーじゃないですか。なのはさん達、そんなことしてたとは・・・」

なのは「まぁ・・・管理局の局員としては、放っておけなかったしね。ただし、六課とは別にスカリエッティ一味と戦うことになった人達も出てきた」





(そこに出たのは・・・鉄の三人)





なでしこ「恭文君にヒロリスさん、サリエルさん・・・。あの、これはどういうことですか?」

ヒロリス「あー、手前味噌になるから嫌なんだけど。ねぇ、私らの説明はやめない? ほら、TV原作の話とは関係なくなるしさ」

師匠「いいじゃないですか。・・・三人の師匠はヘイハチ・トウゴウって人でな。これがまたすさまじく強いんだよ。特に特別な能力とか、もともと天才だったとかじゃないのにな。
で、そんなじいちゃんに生命の成長の可能性やらなんやらを見出して、バカ弟子にヒロリスさん達を狙った。わかりやすくいえば、人体実験のモルモットにしようとしたんだよ」

なのは「一番狙われていたのは恭文君なんだ。恭文君は資質がヘイハチさん似だから、一番ヘイハチさんに近い素材として見られていたの」

やや「・・・なんだろう、やや・・・こう、すごくムカつく。こう・・・いらいらとするんですけど。
てゆうか、そのおじいちゃん本人には手出ししなかったんですか? なんで恭文やヒロリスさん達だけなんですか」

なのは「それがね・・・。ヘイハチさん、すさまじく強いから、私やフェイトちゃんが二人がかりでも相手にならないの。まず、戦闘能力の点から言って普通の方法では捕獲が不可能。
その上、完全に消息不明なの。私達はもちろん、恭文君にヒロリスさん達も連絡が取れない。もちろん居場所もわからない」

師匠「まぁ、バカ弟子には結構頻繁に手紙出したりしてるし、1年に一回の頻度で会いに行ったりもしてるんだけどな。
ただ、行方が分からないという点は、スカリエッティやレジアス中将も同じだった。だから、その代わりに・・・」

空海「恭文っすか。なんつうか、腐ってますよね。てゆうか、それで恭文はどうしたんですか?」

なのは「あのね、私達はヒロリスさん達のことはまだ知らなかったんだけど、恭文君は六課で保護しようとしたの。最悪、恭文君に局員権限を与えて、六課の・・・本局の人間として戦ってもらおうとしたんだ。組織の人間になれば、私達が守れるのが、その理由。
恭文君はどこかの部隊に入っているわけでもなければ、一緒に行動している仲間もアルトアイゼン以外にはいなかったから。状況が状況だから、単独行動が相当危険だったの。だけど・・・」





(思い出して、表情が重くなるのは、きっと友達だからだ)





なのは「恭文君、保護はされない。局員としても戦えない。喧嘩を売られた以上は買う。誰でもない、自分として、そんな自分のわがままのために戦って、スカリエッティ達を叩き潰すって言って、それを断ったの」

あむ「ま、また・・・危険なことしてたんですね」

ヒロリス「てゆうか、私らも同じだけどね。呑気にロートル生活してたのに、身辺そうとうかぎ回られてさ。
サリと相談の上、この喧嘩に私らも、陸とか海とか、世界のためとかそういうの関係なしで、個人として参加してやろうって話になった」

サリエル「そこから昔のツテとかそういうのをフルに使いに使いまくって、俺らなりのやり方で、前回説明した真実にたどり着いた・・・ってわけだ」

なでしこ「・・・保護されるというのは、考えなかったんですか?」

唯世「そうですよ。本来ならそちらが正解のはずです。もしくは、局の一員として動くとか。お二人は充分強いんですし、戦力として数えられるはずです」

ヒロリス「なんで? だって、喧嘩売られたら買わなきゃつまらないでしょ。そして、そうやって勝つのは楽しいでしょ。なにより、保護なんてされたら、前に出て戦えなくなる。局の一員として戦うのは、私の道理に反する。そんなの嫌だし」

サリエル「まぁ、こいつは友達が少し絡んでたのも理由だけどな。つーか、俺らもやっさんも、ヘイハチ先生からここで尻尾巻いて逃げるようなやわな鍛えられ方はしてない」





(とてもあっさりと言い切ったので、ガーディアンの面々はかなりびっくりしている。というより・・・アウトロー過ぎる。あんまりにもむちゃくちゃだ)





サリエル「あと、俺らはともかく、やっさんが断ったのは、大きな問題がひとつあるからだ。さっきも言ったが、六課が存在していることは本当に裏技。レジアス中将もおそらくは存在していること自体を忌々しく思っていたはず」

海里「自身の縄張りによそ者が入り込んでいる状態なわけですし、そこは当然かも知れませんね」

サリエル「その場合、やっさんが言われたみたいに局員権限をもらって動く・・・ようするに、本局の人間として動くようになると、六課が動けなくなった時に、それに巻き込まれることを危惧したんだよ」

なのは「まぁ、恭文君はそうなってもきっと六課の皆が止めても、どういう命令をしてもきっと飛び出すだろうから、あんまり関係ないんだけど・・・。それでも、本局の人間として見られるようになるから、嫌だって断られたんだ」

唯世「・・・そこまで、個人として動くことを選ぶのには、理由があるんですか?」

師匠「簡単だ。アイツもヒロリスさんもサリエルさんも、あのじいちゃんの弟子だからだ。そして、じいちゃんと同じ鉄だからだ」

唯世「それだけ・・・ですか?」




(キング、納得できない様子。だけど、鉄の二人は変わらずに話す)





ヒロリス「それだけだね。私ら全員、ヘイハチ先生から命と同じくらい・・・いや、それよりも大事なものをもらっててね。それが私らの心そのものなの。で、それが言うのよ。
組織の都合や世界の都合や不特定多数の人間のためなんざ知らないけど、自分が納得できない事があるなら、ありったけの力と心を使って・・・それをぶった斬れってさ。また厄介なことに、どんだけ耳をふさごうが眼をつぶろうが、その声が止まらないと来てる」

サリエル「俺もヒロも、そしてやっさんも・・・世界の事なんざより、その声の方が大事でな。その声に嘘ついたら、俺らは俺らでいられなくなるんだ。
最後の最後まで、ただの錆びた古臭い鉄で居ること。それがヘイハチ先生を含めた俺ら一門の理念・・・って言うより、プライドだ」

ヒロリス「・・・とにかく、六課がなぜ公開意見陳述会を警備したかって話に戻るけど・・・これが原因なのよ。
中つ大地の塔を、六課や予言の解読チームはミッド中央本部と考えた。そして、どの日にそれが来るかと考えて」

あむ「その陳述会だと思った。理由は、中央本部ってところでそれがあって、局の偉い人やその関係者がたくさん集まるから。だから、六課の人達・・・なのはさんやフェイトさん達が警備に回ったんですね」

ヒロリス「そうだよ。ただ・・・あれもねぇ」

なのは「そうですね。あれも・・・大負けでした」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・中央本部襲撃事件





なのは「まぁ、私達の細かい動きを説明していくと非常に長くなるので、概要だけ説明するね。午後の4時・・・会議も終盤にさしかかってから、異変が起きたの。まず、中央本部のコントロールルームのシステムが乗っ取られたの。そして、そこに催眠型のガスが投げ込まれて、そこは落ちた」

海里「まずは電子戦ですか。基本ですね。そうすると次は・・・電力の類でしょうか」

師匠「そうだな。動力炉がつぶされた。そして、会議会場に完全キャンセル濃度のAMFが張られて、会議室やそこに通じる通路、エレベーターやエスカレーターの類も全部止められた。そこにガジェットだ。大量に飛んできやがった」

なのは「中央本部には、そういう襲撃用にバリアを張っていたんだけど、それが効かなかったんだ。ガジェットのある機能によって、無効化されたの。
中にそのままガジェットが侵入。あと、スカリエッティの手ごま・・・ナンバーズの中に、遠距離砲撃が撃てる子が居てね。その子が中央本部を狙撃。進入口をあけたりしたの」

なでしこ「もしかして・・・AMF?」

やや「てゆうか、バリアまで消せちゃうなんて・・・」

師匠「元々消せるって言われてたんだよ。バリアも魔力で構成してるものだからな。で、地上本部の連中の耳にも、当然その話は入っていた」

空海「AMFでそのバリアの魔力結合を解除した・・・というわけですか。しかし、事前に聞いていてそれとは」

りま「いくらなんでも油断し過ぎよ。ちなみに、その時点で襲撃から何分かかってるの?」

なのは「・・・15分もかかってない」

海里「それはいくらなんでもありません。中央本部とは、それほどもろいのですか?」





(その言葉に、首を横に振って答える先生型。そう、モロくはない。まったくモロくはない)





師匠「その上大きさも相当あるんだけど、その数分の間に完全に制圧されちまった」

サリエル「このあたりは、レジアス中将なり最高評議会の関係者のところから情報を持っていったと考えられている」

海里「つまり、中央本部のライフラインに関しての情報が漏れていた・・・ですね」

サリエル「あぁ。そう考えないと、納得のいかないことが多すぎんだ」

あむ「ちなみに、なのはさん達はその時どうしてたんですか?」

なのは「・・・私とフェイトちゃんは会場の中の方。はやてちゃんは会議に参加してたんだけど、デバイスを持ち込めなかったの。つまり、丸腰」

ヒロリス「でさ、それをスバルちゃん達に預けてたんだけど、なのはちゃんもフェイトちゃんも、エレベーターやら連絡通路やらがふさがれたから、閉じ込められたのよ。
なので、まず二人はそこから出て、そんな二人にデバイスを受け渡すために中に突入したスバルちゃんと合流して・・・無駄なアクション多いよね。なんで無断でも武装持ち込まなかったのさ」

サリエル「そうだな。その上、スバルちゃん達はナンバーズにその道すがら襲撃されていたわけだし」

やや「あ、それはややも同感っ! そうすれば、閉じ込められてもぱぱーっと解決出来たかも知れないのにー!!」

なのは「いや、一応ルールとして・・・あぁ、そうだよね。うん、私もすごく反省した。だって・・・襲撃されていたのは中央本部だけじゃなかったから」

あむ「え?」

なのは「私達の家・・・六課隊舎も襲撃されていたの」





(そして、画面が展開。そこに移ったのは、炎に染まる建物)





空海「これは・・・」

あむ「ひどい。建物・・・ヘリとかも壊れて、怪我してる人も・・・たくさん」

サリエル「ちょうど中央本部が襲撃されていた時、六課隊舎もスカリエッティの手のものに襲撃されて、このありさまだ。なお、目的はある」

なのは「・・・まぁ、みんなには機密事項に引っかかっちゃうから話せないんだけど。ごめんね、これに関してだけは話すというわけにはいかないんだ」

唯世「あ、いえ。そういうのはしかたないです。とにかく、これでたとえば・・・実行犯を逮捕とかは」

なのは「まったく出来なかったの。怪我した人も、死者も出て、それでも・・・誰も捕まえられなかった。
みんな、非戦闘要員の避難誘導と、入り込んだガジェットの対処で精一杯だった。思いっきり、負けたんだ」





(そう、負けた。それはもうすごい勢いで大負け)





サリエル「・・・とにかく、スカリエッティが中央本部や六課隊舎を襲ったのには理由がある。自分の研究に有効と思われる材料の確保。
そして・・・あるものを動かすための鍵を手に入れるためだ。図らずとも六課は、隊舎にそれとなる存在があった」

海里「あるもの?」

サリエル「そうだ。まぁ・・・これを見てくれ。そうすれば納得できると思う」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・ゆりかご浮上。そして決着





唯世「・・・なんですか、これ」

あむ「船・・・? でも、これ・・・周りの山とかと大きさが同じように感じるんですけど」

やや「というか飛んでるよっ!? なんかのアニメの戦艦みたいにっ!!」

ヒロリス「ややちゃん、正解だよ。これは戦艦なんだ」

やや「えぇっ!?」

ヒロリス「正式名称・聖王のゆりかご。ほら、聖王教会の説明を最初にしたでしょ? これは、その聖王が使ってた戦艦なんだよ」

海里「ですが、なんのためにこんなものを?」

ヒロリス「戦争に勝つため・・・だね。聖王が崇められるようになったのは、とても長くて悲惨な戦争を終わらせたのが原因なんだ。
その時に圧倒的とも言うべき兵器を使ったんだけど・・・それが、これ。これね、ある条件・・・まぁ、軌道上のある地点に行くことなんだけど、それが満たされちゃうとだれも手出しできなくなるの」

サリエル「まず、船全体に強力な防御フィールドが張られ、攻撃が通らなくなる。その上、地表へのピンポイントの爆撃が可能となる。
その他にも厨二設定な能力が満載だ。最強の盾と最強の矛を持っていると言ってもいい、超広域制圧兵器・・・それがこれだ」

空海「ま、またなんつうもんを・・・。でも、これをスカリエッティが動かしたんですよね? このゆりかごって戦艦の事をレジアス中将や最高評議会ってのは」

サリエル「最高評議会は・・・多分知ってただろうな。ただ、動かそうとしていたかどうかはともかく、これの研究の成果をミッドの平和のために利用しようとはしていたらしい」

海里「これを利用・・・考えたくはないですね。先生のお話通りなら、これは平和を導くものではない。相手を脅し、恫喝し、屈服させるためのものです」

りま「ようするに、世界中に自分に従えと脅しをかけるわけね。・・・スカリエッティ、世界征服でもしたくなったのかしら」





(ピンポーンっ!!)





サリエル「そうだな、この船を動かしたのはそれが原因だ。スカリエッティは実際、自分を作り出した最高評議会の連中を殺そうとした。もう用済みだというのもあるし、完全に自由を手にして、自分のやりたいようにするためにな」

あむ「でも・・・止めたんですよね。なのはさん達ががんばって、この怖い船も止めたし、スカリエッティも逮捕した」

なでしこ「あと・・・ナンバーズでしたよね? スカリエッティの手ごまの方々。その方々も」

なのは「うん、そのみんな・・・まぁ、約一名。ナンバーズの2番・・・ドゥーエという人は捕まってないんだけど。というより、スカリエッティのところにもほとんどその人の情報が残ってなくて、犯罪行為を立証できそうもないの」





(なんだか、すこしそっぽを向いている人が一人出てきたけど、なぜだろう)





なのは「まぁ、1年経って特に動きも無いから・・・多分大丈夫だとは思う。他の姉妹の話だと、自由気ままに主婦でもやってるんじゃないか・・・ということらしいから」

空海「あはは、マジでやってたらすげーですよ。その人。でも、大変だったんですね」

なのは「うん。大変だった。本当にギリギリだった。でも、私達六課だけじゃないよ? 海や陸、たくさんの人達の力があって、この事件は解決出来たの。
まぁ、組織の運営体制の見直しとか、まだまだこの事件で露見した問題点を解決する・・・事後の仕事は、たくさんあるんだけどね」

唯世「それが、蒼凪君やハラオウン提督が言っていた改革なんですね」

なのは「そうだよ」

あむ「それで、あの・・・最高評議会はともかく、レジアス中将ってどうなったんですか?」

なのは「・・・亡くなったの」

全員『えぇぇぇぇぇぇぇっ!?』










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・レジアス中将の最期





サリエル「まず、何故亡くなったかという説明の前に、レジアス中将に対して、今回の事件で直接的に接触しようとした人間が居たことを話しておこうと思う。それが・・・ゼスト・グランガイツだ」





(画面に映るのは、古き鉄とそのおっちゃんが戦っている場面)





あむ「これ・・・恭文? でも、この姿は見たことが無い」

やや「ヴィンクルムフォームに似てますけど、違いますよね」

ヒロリス「うん、そうだよ。あれは、リーゼフォームにジャケットを変えたから、それにあわせてデザイン変更した姿なんだよ。で、その変更前がそれ」

あむ「うーん、あれもいいけど、これはこれで中々・・・。というか、こういうイケてる服を着れるのに、どうしてセンスがアレなんだろう」

空海「いや、日奈森。まず気にするところはそこかよ。・・・てゆうか、ちょっと待ってくれないか? 今、あのゼストっておっさんと一緒にアギトさんが出てたぞ」

りま「・・・あの赤い子?」

唯世「うん。蒼凪君達の関係者なんだけど・・・あの、どういうことですか? どうしてアギトさんがこの男の人と・・・しかもこれ、ユニゾンですよね?」




(そう、ユニゾンしてスーパーサイヤ人になっている)





サリエル「いや、スーパーサイヤ人って・・・似てるけどよ。とにかく、アギトはJS事件中は、六課の敵側だったんだよ。その男・・・ゼスト・グランガイツに助けられた事が原因で、その手助けをしていたらしい」

ヒロリス「そして、このゼスト・グランガイツは、レジアス・ゲイズ中将の友人だったんだよ。だけど、事件の8年前に死んだんだ。なお、今動いているのは紛れもない本人。レリックの力で蘇生させられたんだ」

海里「レリックはそんなことまで出来るんですか・・・。しかし、なぜそんなことに? というより、それならばもともと局の関係者のはず。それがなぜ蒼凪さんと戦っているんですか」

ヒロリス「・・・スカリエッティのラボを調査中のとこを襲撃されて、仲間ごとね。で、蘇生は、その時スカリエッティ側からされたんだ。
そして、その襲撃事件の真相を教えてもらうことを引き換えに、最高評議会の手ごまのひとつになった」

サリエル「ただ・・・その襲撃、どうやらレジアス中将が最高評議会やスカリエッティにそういう動きがあると報告していたせいで、待ち受けられていた事が原因なんだよ。そして、どこかのタイミングでゼスト・グランガイツはそれを知った」

海里「つまり・・・復讐、ですか?」





(それに、先生方は首を横に振って答える)





やや「え、違うんですか? ややもそうだと思ったのに」

ヒロリス「まぁ、実際に接触したやっさんや、アギトの話なんだけど、ゼスト・グランガイツはただレジアス中将と話したかっただけらしいのよ。
事件のことはもちろんあるけど、基本的にはただレジアス中将の真意を、友人として確かめたかっただけ。復讐なんてしないって、言い切ったんだって。また出来た人だよ」

サリエル「そして、そのゼスト・グランガイツの相手をやっさんがしているのには理由がある。もう説明したと思うが、ユニゾンってのは強力な能力でな。普通にやったんじゃ太刀打ちが出来ない。
その上ゼスト・グランガイツとアギトとのユニゾンはかなり強かった。実際、ヴィータちゃんとリインのユニゾンコンビが一蹴されてる」

あむ「・・・え? あの、ヴィータさんとユニゾンって・・・どういうことですかっ!?」

師匠「あー、そういや話してなかったな。・・・実はな、今でこそバカ弟子がロードみたいになってるけど、元々リインははやてやアタシ達八神家が生み出したデバイス。
その関係で、家族の大半とユニゾン出来るように調整している。もちろん、生み出したのは単純に戦力を増やしたいとか、そういう理由じゃない」

なのは「本来なら、恭文君とリインはユニゾン出来るはずがないんだ。だって、リインが生まれた時恭文君は、八神家の関係者でもなんでもなかったんだから。
だけど、二人は出来るの。それも・・・はやてちゃんやヴィータちゃん達よりも高い能力を発揮出来る」

ヒロリス「まぁ、アレだよ。原作のアニメだと『リインちゃんとユニゾン=負けフラグ』みたいな扱いだけど、ここでは勝ちフラグなのよ」

サリエル「ヒロ、少し自重しろ。メタだよ、それはメタだからな? で、やっさんはそういうわけなので、レジアス中将に向かうであろうゼスト・グランガイツの相手をすることになった。
うん、なったんだが・・・その辺りの事情を知ったやっさんが気を効かせて、こんな形になった」





(そして、画面に映るのは、吹き飛ばされてそのままオフィスに突入するゼスト・グランガイツ)





あむ「・・・いやいやっ! どんな気の利かせ方っ!? おかしいじゃないですかこれっ!!」

やや「というか、普通に通せばいいのになんで攻撃っ!? 恭文むちゃくちゃ過ぎー!!」

空海「いや、やや。今はユニゾンしてる状態だから、リインもだぞ?」

やや「・・・そういえばっ!!」

ヒロリス「まぁ、師匠と大事なパートナーが一度やられちゃってるしね。ただで通そうなんて考えるわけがないって。ゼスト・グランガイツとやりあったのだって、そのツケを払わせるためだし」

唯世「蒼凪君・・・やっぱり個人的感情なんだ。あの、それでこのあとは」

ヒロリス「まぁ・・・亡くなる前に話だけは出来たんだけど、途中で襲撃が入って、そいつの攻撃を受けて、二人とも・・・だね。アギトはお別れも言えなかったそうだよ」

なでしこ「そう・・・ですか」

やや「アギトさん、かわいそう・・・あれ? でも、六課の動き方や、JS事件の結末はわかりましたけど、ヒロリスさん達はどうなったんですか? あと、この後の恭文も」





(・・・やっぱりそこ、説明しないとだめ?)





りま「だめよ」

海里「確かに、気になるところではありますね」

師匠「・・・ヒロリスさん」

ヒロリス「まぁ、しゃあないでしょ。まず、私らは独自の調査でレジアス中将がクロだと分かってから、別行動を取った。私は、スカリエッティのアジトに乗り込んだ。・・・実はさ、私の友達がスカリエッティに捕まってたのよ」

やや「そうなんですかっ!?」

ヒロリス「うん。まぁ、今はもう元気なんだけど。それを助け出すために、現場に乗り込んでたフェイトちゃんには絶対にバレないように」

やや「それはまたどうし・・・あぁ、わかりました。内緒で乗り込んだんですね」

ヒロリス「うん。バレたらすっげー怒られるよ? ここは一種の異次元空間だから許されるだけであって」





(・・・すごいね、あとがき方式)





サリエル「で、俺は・・・レジアス中将の身辺をもう一度洗っていたら、奇妙な点を見つけてな。そこを必死に調べたら、例の最高評議会のところに行き着いたんだよ」

空海「それはまた・・・すげーじゃないですか。それで、どうしたんです?」

サリエル「まぁ・・・局どうこうはまったく関係なく、俺達ヘイハチ一門に喧嘩を売ったことに対するケジメはつけさせた・・・とだけ言っておこうか。女の子も居るし、あんまり楽しい話でもないからこれくらいで勘弁してくれ」

空海「あ、はい。わかりました。つーか、なんとなく分かりました。・・・てゆうか、恭文もそうだけど二人ともマジで個人的感情で戦ってたんっすね。さっきから世界平和のためと局員だからとか、そういうのを聞かないんですけど」

サリエル「それが俺達一門の愚かなところであり、また・・・愛すべきところだ。まぁ、局員な方々には理解されにくいがな。で、やっさんだが・・・」

あむ「あ、そういえば恭文が残ってますよね。どうなったんですか?」

サリエル「・・・実はな、この事件の裏でもうひとつ・・・スカリエッティとは別の類の欲望がうずまいてたんだよ。やっさんは、それと対峙することになった」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・ゼスト・グランガイツとレジアス・ゲイズ。そして、フォン・レイメイ





ヒロリス「やっさんも、中央本部襲撃事件の時、現場に居たのよ」

あむ「理由は・・・あぁ、もうわかります。スカリエッティの一味と喧嘩をするために」

ヒロリス「そうだよ。いや、あむちゃんはだいぶやっさんのことが理解できてきたようだね」

あむ「正直、あんまりに無軌道過ぎて怖いですけど。それで・・・どうなったんですか?」

ヒロリス「やっさんは結局スカリエッティと直で喧嘩は出来なかった。代わりに・・・この男と対峙することになったのよ」





(そうして出てきたのは、40前後の綺麗な顔立ちの男性。髪は、長い銀色)





あむ「・・・この人は?」

なのは「スカリエッティと同じ広域次元犯罪者で指名手配されていたフォン・レイメイだよ。なお、罪状は・・・これまた多数」

師匠「こいつは違法研究なんかもやってたりする・・・まぁ、スカリエッティの同業者でもあるんだが、スカリエッティはバカ弟子の確保のためにこいつを雇って仕向けた。ただ、問題が三つ」

空海「問題?」

サリエル「ひとつ、こいつはやっさんと同じ瞬間詠唱・処理能力持ちだった」





(そうして画面が開く。そこに映るのは・・・青い古き鉄の戦闘映像)





やや「瞬間詠唱・処理能力? なんですか、それ」

ヒロリス「簡単に言えば、大抵の魔法は即時発動を可能とするスキルだよ。まぁ、諸事情でレアスキルには認定されてないんだけど、やっさんはこの能力の先天的な保持者なんだ」

やや「それってすごいじゃないですかっ! ・・・え、つまりこの人もその能力持ちっ!?」

ヒロリス「そうだよ。しかも、魔力資質は相当。やっさんでは資質上の問題で出来ない、誘導弾の即時大量発射とか、広域攻撃魔法の即時発射なんて危ない真似が出来る。
そして・・・ここが二つ目。同じ能力持ちであるやっさんを殺そうとしていた」

海里「いや、殺してはだめなのでは? スカリエッティが蒼凪さんを狙っていたのは、あくまでも実験材料とするためなのですから」

ヒロリス「でも、殺そうとした。理由は簡単。自分の能力に自信を持っていてね、自分より資質が下なのに同じ能力を持っているやっさんを粗悪品と思ったのよ。だから、粗悪品にはご退場願おうとしたわけ」

あむ「・・・なんですか、それ。恭文ぜんぜん悪くないじゃないですか。そんなの、勝手ですよ」

ヒロリス「勝手だけなら・・・まだよかったんだけどねぇ」





(全員が顔を見合わせて、ため息をはく。それにガーディアンメンバー、顔をしかめる)





ヒロリス「最後の三つ目が問題なんだよ。コイツ、とんでもなく性根が腐りきった奴だったの」

唯世「どういう・・・ことでしょうか」

ヒロリス「自分の欲望と快楽のために、人を笑いながら殺せるタイプってこと。事実、ほかにもみんなには教育上の問題で話すのが躊躇われるような胸糞悪いことも相当している。
そのため、表でも裏でもコイツは相当な要注意人物として、チェックされていた。表では広域次元犯罪者として指名手配され、裏では出来るならかかわりを持ちたくない人間として認識されていた」

やや「そ、そんな危ない人だったんだ・・・。でもでも、そんな悪い人がどうして捕まえられないんですか?」

ヒロリス「もちろん捕まえようとした。裏の世界の人間に至っては、殺そうともしていた。だけど無理だった。戦闘能力がむちゃくちゃ高いんだよ。誰を仕向けても返り討ちに遭うだけ。
後でわかったことなんだけど、自分の体を魔法技術で弄くって、自分から人間の能力の枠を超えてた。腕吹き飛ばされたら、それが一瞬で再生・・・なんて能力まで保有してたんだよ」

空海「・・・それ、なんかの漫画のキャラクターでありませんでした?」

サリエル「あるな。なお、やっさんとアルトアイゼンも全く同じ事を思った。まぁ、スカリエッティとしては万が一捕獲が無理だった場合の保険として雇ったんだろうが・・・いい迷惑なのはやっさんだ」





(そうして映るのは、その時の現場映像)





あむ「ひどい・・・。地面が焼け焦げて、壁が吹き飛んでて・・・」

サリエル「これが中央本部襲撃の時に襲われて戦った時の現場写真だ。なお、その巻き添えで何人か死んでる。
・・・いや、フォン・レイメイが殺したんだ。やっさんが周りの人間を気にして全力で戦えないとつまらないからという理由で、まるで埃を払うようしてな」

なのは「恭文君、顔には出してなかったみたいだけど、落ち込んでたと思う。自分が近くに居なければって、責めてもいたんじゃないかな」

あむ「そんな・・・」

やや「でもでも、それはこのおじさんが悪いのであって、恭文は悪くないじゃないですかっ!!」

海里「ですが、蒼凪さんを狙って来たためにそうなったのも事実です」

あむ「いいんちょっ!!」

海里「少なくとも、蒼凪さんはそう思っています。そこで自分が悪くないなどとは言えない人だと言うのは、付き合いの浅い俺でもわかります」

サリエル「・・・そうだな。やっさんはそういう奴だ。気にするな、忘れろっていっても、結局それも出来ずに前に進むしか出来ないバカだ」





(その言葉に、魔導師組は全員頷く。どうやら、バカという認識は全員同じらしい)





ヒロリス「とにかく、そんなバカは事件中コイツにほぼずっと狙われていた。まぁ、途中で行方くらませてしばらく身を隠してたから、中央本部襲撃まで襲われたり・・・とかは、一回しかなかったけどさ」

サリエル「そして、このフォン・レイメイにはJS事件中に容疑がいくつか付いた。ひとつは、局の重要施設への不法侵入に関して。ひとつは、局員殺しにその未遂。ひとつは・・・レジアス中将とゼスト・グランガイツ殺害だ」

空海「じゃあ、襲撃をかけてきたのは、コイツっ!?」

海里「しかも、犯罪に手を染めたとは言え、管理局高官を・・・」

やや「それでそれで、この悪い人はどうなったんですか?」

ヒロリス「・・・やっさんが始末した」

あむ「始末したって・・・あの、それって」





(ジョーカー、それ以上言葉を続けられなくなる。というか、顔が青い)





サリエル「あんまりな能力のために、誰も捕縛という手を取れなかった。そして、その手はダメだった。コイツは・・・イカレてるからな。多分、捕まえてもまたやっさんを狙ってくる。
今度は直接的にじゃない。陰湿に・・・フェイトちゃんやリインちゃん、そういう周りの連中を狙って、壊し、やっさんを苦しめる」

ヒロリス「現に、レジアス中将達を殺してから、ギンガちゃんって言うやっさんの知り合いの女の子に襲撃をかけて、さらおうとした。やっさんの救援が間に合ったから無傷で済んだけど、捕まってたら身も心も壊されてたよ」

唯世「だから・・・なんですね。でも、法を信じるというのは、無かったんでしょうか。法の裁きに委れば・・・いえ、それが正しい手だと思うんです」

師匠「ムリだ。アタシも話を聞いて思ったが、これは始末するしか手がねぇと思った。人を殺して、それに苦しみではなく、快楽・・・楽しい何かを見出した奴は狂うって言うけどな、これはその典型例だ。
例え捕まえても、サリエルさんの言うように脱獄して、周りの連中を壊すに決まってる。そうなったら、もう取り返しがつかねぇ」

ヒロリス「まぁ、その後にまたゴタゴタしたのよ。・・・みんなは、非殺傷設定って言うのがあるのは知ってるよね?」





(ガーディアンのメンバーは、それに頷く)





ヒロリス「現在の局の魔導師は、基本的にそれを使用しての戦闘がほとんど。というより、それを解除・・・人を殺せる状態で魔法を撃つ人間はほとんど居ない。
そんなのは、犯罪者のすることだと言い切るバカな連中も居る。私らは魔法至上主義って呼んでるんだけど、これが局に蔓延している問題の一つ。力ってのは、非殺傷設定とかそういうのでその是非が決まるわけでもないってのにさ」

あむ「まさか、それで恭文・・・すごい責められたんじゃ」

ヒロリス「責められたね。まぁ、それは局員連中というより、一部の身内にだけど。・・・自分一人で重いものを背負う必要なんてきっとなかった。なぜ法を、組織を・・・自分達を信じてくれなかったのかってさ。
全く、勝手な話だよ。そうしてまたコイツが出てきたらどうしろって言うのさ。世の中奇麗事だけでどうにもならないってのに」

あむ「そんな・・・。そんなの、あんまりです。だって、それだと本当にどうしようもなかったじゃないですか。なんで、身内が・・・仲間がそんなこと言って、恭文のこと責めるんですか?
だってアイツ・・・何かを壊して、なんとも思わないような奴じゃないのに。見せなかっただけで、きっとすごく傷ついてたのに。それなのに、どうして、責めるんですか」





(ジョーカー、すごい涙目。というか、今にも泣きそう)





サリエル「身内だから・・・だろうな。一人で無茶するやっさんを見て、自分達を信用していないからそうなるんだと思ってたんだろ。そして、まだそれだけでは終わらない。フェイトちゃん絡みでもまた追い討ちがあった」

空海「フェイトさん絡み? なんですか、それ」

サリエル「・・・実はフェイトちゃん、子どもの頃・・・丁度みんなと同じくらいの時に、親とゴタゴタがあってな。
その辺りの事をスカリエッティに突かれて、戦えなくなりそうになった。いや、捕まりかけたんだ」

ヒロリス「結果的にはなんとかスカリエッティの捕縛は出来たけど、やっさん、その事も含めて事件後かなりヘコんでてさ。自分は・・・守りたいもの、大切なもの、何も守れてないって言ってたんだよ。
フェイトちゃんがスカリエッティに捕まりそうになった時、助けになれなかった。リインちゃんヴィータちゃんと一緒に戦ってた時、近くに居たのに助けに行けなかった。始末するしか・・・殺すという手しか取れなくて、周りの人達を傷つけた。守れずに、壊すだけだった・・・ってさ」

海里「・・・それは違うのでは? 確かに、守れていないものもあるでしょうが、先ほど話に出たギンガという方は守れたはずです。
それに、蒼凪さんの配慮でレジアス中将とゼスト・グランガイツは話を出来た。守れたものは、少ないでしょうけどきっとあると、俺は思います」





(その言葉に、先生方驚く。というか、すっごい饒舌)





なのは「委員長・・・ありがと。そう言ってもらえると私達も嬉しいよ。というより、恭文君・・・どうしてここまでトラブル体質なんだろ。普通に事後もその状態で大量の書類片付けてたのに」

あむ「てゆうか、あの・・・その後恭文って」

なのは「あむさんの知っての通りだよ。忘れる事も、下ろす事も出来ないから、全部背負って・・・ううん、持って行って、進んでいくって決めてる。だから、あなたやガーディアンのみんなに出会えた」

あむ「そう、ですか。なら、よかったです」





(なんだか嬉しそうなジョーカー見て、全員が思う。やっぱりフラグ立ってると。だからリリカルなのはのキャラじゃないのにIF要望なんて来るんだと)





サリエル「とにかく、話をまとめるか。まず、スカリエッティ一味はスカリエッティ本人もそうだし、次女のドゥーエを除いて全員確保。ガジェットは全機活動を停止、または破壊。ゆりかごも、無敵モードになる前に沈めた。
最高評議会とレジアス中将は・・・死亡。ゼスト・グランガイツも同じく。なお、レジアス中将とゼスト・グランガイツ、それに多数の局員を殺害したフォン・レイメイは、排除」

ヒロリス「あと、ここでは話から省いたけど、スカリエッティに小さい頃にさらわれて、そのまま利用されていた特殊能力持ちの女の子も居るのよ」

なでしこ「なんというか、スカリエッティって最悪ですね」

ヒロリス「そう、最悪よ? まぁ、悪党としては三流だけどね。とにかく、一切の捜査協力を拒み、更正の意思を見せないスカリエッティ本人とナンバーズの長女と三女、四女に七女は、それぞれ別々の軌道拘置所・・・まぁ、刑務所なんだけど、そこに入れられた」

りま「犯罪者なんだから当然よね。でも、他のナンバーズは? あと、アギトって子や、さっき話していた女の子」

ヒロリス「それなんだけど、更正プログラムというものを受講することになったんだ」

あむ「更正プログラム?」










◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・JS事件のその後の様子





ヒロリス「更正プログラムというのは、自分の犯した罪を反省している犯罪者に行われるものなんだけど、これを受けるのは、海上隔離施設って言う・・・刑務所よりは縛りが緩いところなんだけど、さっきりまちゃんが言ってた人達は、全員そこに入って、これを受けている」

サリエル「アギトは元々今回の事件への関与が薄くてな。八神家の一人の補佐官になって、バリバリに働いている。で、ヒロがさっき言っていた女の子もそこに出て、自分の親と一緒に暮らしてる。まぁ、一種の島流し状態ではあるけどな」

海里「まさしく更正というわけですか。ですが、なぜそれが許されるのですか?」

空海「おいおい、いいじゃねぇか。反省していることが条件なんだしよ」

なでしこ「相馬君、そうはいかないわよ? 最初に先生方が話していたじゃない。これは大規模テロ事件だって。
実際に管理局と言う組織が崩壊して、世界に影響が出るところだった。普通であれば、それに関与した人間が更正など出来るとは思えないのだけど」

空海「・・・なるほど、言われてみれば確かに」

ヒロリス「もちろん、ここには理由があるよ。まず、ナンバーズの長女から六女より下は、ちゃんとした正規の教育を受ける機会がなかった。つまり、世界やら何やらの常識関係は、最低限なレベルで後はさっぱり。
その上、スカリエッティはその子達を戦うための手段として生み出している。つまり・・・本人は娘とは言っているけど、実際は戦力以外ではどうこうするつもりはなかった。それだけじゃなくて、娘達にとってスカリエッティに従う事は正しい事と、他の選択肢が無いようにも仕向けていた」

海里「つまり、親の責任でこうなった部分が多分にあると判断されたわけですね? スカリエッティに従い、戦う以外に道はないと」

なのは「そうだよ。そうして勝たないと、生まれてきた意味がない・・・とまで言う子も居たんだ。自分達はスカリエッティのやりたい事を成し遂げるための手札であり、人形・・・とね。だから、更正プログラムの適用が認められたの。
世界の事、そこに住む人達の事、今まで知らなかった色んな選択肢・・・そういうものを知っていって、戦うための機械じゃない、人形じゃない、一人の意思を持った存在として生きていこう。それは必ず出来るはずだからと、教えるために」

サリエル「この辺りは、なのはちゃん達が所属していて、事件中に実際にやりあって事情を良く知っていた機動六課や、それと連携を組んでいた部隊・・・108部隊って言うんだけどな。そこの人達が相当力を貸してくれたんだ。あと、ヒロもな」





(見ると、最強の姉弟子、なんかそっぽを向いている)





唯世「そうなんですか? でも、元々は敵同士だったのに」

ヒロリス「もちろん、実際にそこのみんなと話をさせてもらった上でだよ。なのはちゃんやフェイトちゃん達はともかく、私はそこまでお人よしじゃないから」

アメイジア≪・・・よく言うぜ。ものの数分でポジティブコンビと意気投合してたくせによ≫

ヒロリス「う、うっさいうっさいっ! いいんだよっ!! 話していい感じだったからいいんだよっ!!」

サリエル「・・・ヒロ、お前ツンデレはやめろよ。てゆうか、さすがに年齢が」





(バキッ!!)





空海「おぉ、見事なハイキック。てゆうか、人中に入ったし」

やや「サリエルさん、痛そう・・・。あ、そう言えば、やや質問ー!!」

なのは「うん、なにかな」

やや「あの、その更正って・・・上手く行ったんですか? アギトさんやその女の子は別にして」

あむ「あ、それは私も気になる。どうなったんですか?」

なのは「実は、まだ進行中なんだ。やっぱり事件が事件だったから、それほど簡単にというわけにはいかなくて・・・。
ただね、もうすぐ事件への関与が薄かった子が二人と、そうではないんだけど、人柄よしということで認められた子が一人、ちゃんとした保護者がつくのを条件に、外の世界に出るんだ」

あむ「つまり・・・更正、出来た・・・かな」

なのは「一応は。もちろん、しばらくはそれほど自由はないし、定期的に局に近況報告したりもしなきゃいけないんだけど。
でも、最初の一歩を踏み出すの。外の世界で、新しい生活を送る。今までとは違う、一人の人間として。あー、でも・・・もしかしたら、みんなとも会うかも知れないね」

あむ「え?」

なのは「そこはまぁ、お楽しみということで。それでは先生方、今回はこんな感じで・・・いいでしょうか?」





(その言葉に、他の三人は頷く)





サリエル「まぁ、少し話が長くなったが、JS事件の概要はこんなところだ。あ、ここはテストに出すから、しっかり復習しておくように」

やや「・・・あ、ややノート取るの忘れてたー! あむちー、ノート写させてー!!」

あむ「アンタは一体何しにここに来たっ!? てゆうか、これってテストするんですかっ!!」

なのは「そうですよっ! というか、サリエルさんゲストですよねっ!? 私はなにも聞いてないんですけどっ!!」

サリエル「ごめん、ちょっと遊びたかったから。なお、反省はしてない」

なのは「してくださいよっ!!」

師匠「・・・とりあえず、委員長、終わりの挨拶頼むわ。てゆうか、アタシはちょっと疲れた」

海里「はい、それでは・・・起立、礼」

全員『ありがとうございましたー!!』










(きーんこーんかーんこーんー♪ きーんこーんかーんこーんー♪)




















(本当に続く)




















あとがき



古鉄≪・・・というわけで、なぜか大好評なおまけのコーナー、いかがだったでしょうか≫

咲耶「古鉄さま、違います。私とおじいさまのユニゾン形態の初登場ですわ」

古鉄≪あぁ、アクセルフォームですね。・・・とにかく、そんなわけでしゅごキャラクロス第19話、いかがだったでしょうか。お相手は古き鉄・アルトアイゼンと≫

咲耶「雷鳴の鉄姫・咲耶です。今回は、TVであった幽霊騒ぎですわね。しかし、ガーディアンのみなさんは自由ですね」





(なぜだろう、この人にだけは絶対に言われたくない)





古鉄≪ゆとり世代直撃ですから、仕方ありませんよ≫

咲耶「それもそうですわね」





(なぜだろう、この二人にだけは絶対に言われたくない)





咲耶「しかり、真城りまさん。ここに来て人気急上昇ですわね。一時期にブーイングぶりが嘘のようです」

古鉄≪ギャップ萌えで固有結界だしてる人もいましたね。しかし・・・そこまで好きですか? 一種のツンデレキャラ≫

咲耶「好きなのでしょうね。・・・というわけで、本日はここまででしょうか。古鉄さま、次回はどうなります?」

古鉄≪次回は、買出しのお話です。なお、当然何か起きます。もう当然のように起きます≫

咲耶「そこに期待・・・ですね。では、本日はここまで。お相手は雷鳴の鉄姫・咲耶と」

古鉄≪古き鉄・アルトアイゼンでした。それでは・・・またっ!!≫










(なんだろう。異様にピッタリな二人を映しつつカメラはフェードアウト。
本日のED:SCANDAL『少女S』)




















りま「・・・恭文」

恭文「なに?」

りま「今って、変えられるのかな。私達、あの子に嘘を教えたんじゃ」

恭文「・・・そうかもね」

りま「そこ、認めるんだ」

恭文「だからさ、嘘にしないようにしようよ」

りま「え?」

恭文「僕達も今を変えて・・・ううん、今を覆していくの。言うだけじゃなくて、自分達の手でそれが出来るんだって、証明していこうよ。そうすれば、嘘にならないよ?」

りま「そっか。・・・たまには、いい事言うのね」

恭文「でしょ? 僕だって・・・たまにはってなにっ!?」

リイン「・・・危ないです。危険です。レッドゾーンです。フラグレベルが上がってるです」

あむ「いや、大丈夫。フェイトさんが本命だって言いまくってるんだし、きっと大丈夫・・・なはず」










(おしまい)





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