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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第4話 『新しい事に踏み出す前には、なにはともあれ1番最初に身辺整理をするべきだ』



ー緊急特別企画ー











ー蒼凪恭文を偲ぶ会ー





















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



金剛≪・・・さて、本日は番組の予定を一部変更いたしまして、緊急特別企画として、この話の主人公である蒼凪恭文氏の追悼番組をお送りしたいと思います≫

アメイジア≪前回、見事にNice boatしちまったボーイの冥福を祈る意味合いも込めて・・・だな。しかしよ、まさか始まって1クールも立たないうちにこうなるとは思わなかったよな≫

金剛≪あぁ。・・・あまりの惨劇に、言いようのないほどにひどい事になってしまった。蒼凪氏は・・・バックに入れるほどのサイズになり、相打ちな形で中に誰も居ませんよ状態になり・・・だれがこんな結果を予想しただろうか。
なお、余りにヒドイ惨劇の様子に、第4話は永久的に放映禁止が厳命されて、蒼凪氏の最後の様子を皆様に届ける事は不可能となったこと、ご承知いただきたい≫





(勇者特急と超龍神のぬいぐるみが喪服を着ている。そして、背景には『とまと』と大きく書かれた白看板。場の空気が、非常に重い)





金剛≪アメイジア、残念ながらこういう結果になってしまったわけだが、どうだったろうか? とまとSecond Seasonは≫

アメイジア≪俺達の出番、ちょこっとしかなかったけどな。そして、3話しかなかったけどな。
・・・まぁ、やっぱりシンガーガールの処置を間違えたのが失敗だったよな。無理にでも言っておけば、あんなことにはならなかったんだろうけどよ≫

金剛≪確かにそうだな。月村女史やシャマル医務官にメガーヌ・アルピーノ女史に対してはきっちりしていたのだから、やはりそこだろう。・・・主、ヒロリス女史は、どう思われますか?≫





(その傍らには、姉弟子と兄弟子。当然喪服を着て、なんだか涙目になっている)





ヒロリス「なんつうかさ、こう・・・馬鹿馬鹿しく過ぎた時間ってのは、終わっちゃうとあっという間ってのは確かなんだよね。
こうさ、劇場版第2弾とか、しゅごキャラクロスとか、楽しそうな事やり始めた矢先に・・・これだよ? なんか、懐かしいなぁ。やっさんがフェイトちゃんにスルーされていた時代がさ」

サリエル「そのフェイトちゃんも・・・あんなことになっちまったしな。なんつうか、あの二人・・・もしかしたら永久に結ばれない運命だったんじゃないかって、そう思うんだ。もしかしたら、ギンガちゃんルートこそがこの『とまと』という作品の真EDなんじゃないかってさ」





(姉弟子と兄弟子、どこか遠いところを見て・・・涙ぐむ)





アメイジア≪そうかも、知れねぇなぁ。なんかよ、こう・・・あぁもう、だめだ。もう俺はどう表現していいのかわからねぇよ≫

金剛≪とにかく、蒼凪氏やフェイト女史それにリイン女史もアルトアイゼンも・・・あんなことになってしまった以上は仕方有りません。メ
インキャラクターが居なくなってしまった以上、これ以上の作品続行は事実上の不可能とし・・・≫





(超龍神、拳がフルフルと震えている。それはもう、辛そうに。すっごく辛そうに)





金剛≪この特別企画を持って、とまとシリーズ全ての終焉を・・・宣言したいと思います≫




















魔法少女リリカルなのはStrikreS 外伝


とある魔導師と機動六課の日常 Second Season


第4話・・・というか、最終回 『新しい事に踏み出す前には、なにはともあれ1番最初に身辺整理をするべきだ』




















???+???+???【「「そんなわけ、ないからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」】

???≪Icicle Cannon≫

???≪Trident smashar≫





(会場に撃ち込まれたのは、氷と雷の砲撃。それがぬいぐるみ二体と姉弟子と兄弟子を吹き飛ばす。衝撃と吹雪と雷光でスタジオは半壊、看板が砕ける)





サリエル「な・・・な・・・なんじゃこりゃっ!?」

ヒロリス「痛てて・・・! ちょっとちょっと、いったいどこのドイツ・・・じゃなかった、どいつの仕業っ!? 私らにいきなり喧嘩」

???≪Struggle Bind≫





(そんな事を言い出した姉弟子の足元に青いベルカ式魔法陣。それが身体を縛り上げる。そして、他のメンバーの両手と両足にも黄色いリングが付けられ、動きを戒められる)





フェイト「・・・なんですか、これ」

恭文「誰を・・・偲ぶですって? 何が、終焉ですって?」





(なんて言いながら、同田貫サイズの日本刀に青い星の光が降り注ぐ。そして、その横で金色の大剣を構えた女性が居る。なんかバリバリ言ってる)





古鉄≪あなた達、私達に話もなくよくもまぁこんなこと仕掛けましたね≫

バルディッシュ≪彼はまぁ・・・ともかく、Sirまでこんな目に。少々お仕置きが必要ですね≫

リイン【ですですっ! 今頃苦情の電話が殺到ですよっ!? 一体なに考えてるですかっ!!】





(そう、それは・・・青い古き鉄コンビとNice boatデバイスと閃光の女神に青い妖精だった)





ヒロリス「や、やっさん・・・生き返ったんだね。うぅ、よかったよ」

恭文「最初から死んでないっつーのっ! つーか、なんだよこれっ!? なんなんだよこれっ!!
一体どこのとんねる○っ!? こんなネタ、誰もわからないってーのっ!!」





(作者注:今回のネタは、10年以上前『とんねるずの皆さんのおかげです』という番組で、盲腸で入院した木梨氏をネタに、お亡くなりになりましたなんて言うブラックジョークをかました放送回を元にしています。
なお、当然抗議の電話が殺到したかとか。絶対に銀魂のTV版三年目最後の回ではありません。というか、あれはこれが元だと思われます)





アメイジア≪いや、だってよ・・・仕方ねぇじゃないかよ。あれからはこういう続きしか想像出来なかったから、一回でもやってみようって話になってだな≫

金剛≪いや、私は止めたぞっ!? 私は止めたんだっ! だが、主とヒロリス女史とアメイジアがどうしてもと言って聞かなくて≫

サリエル≪金剛っ! お前自分だけ助かろうとかってなしだろうがっ!!
・・・なぁ、やっさん、フェイトちゃん。これは仕方ないことなんだよ。つーか、あれだよ。ちゃんとしてないお前が悪い。だからな、そのスターライトとザンバーブレイカーの詠唱は止めてくれよ≫

バルディッシュ≪本当に反省していますか?≫

サリエル「してるってっ! だからその二人揃ってつや消しな目はやめてくれー!!」





(その言葉に、二人は視線を合わせて・・・頷いた)





サリエル「おぉ、分かってくれたか。さすがは主人公とそのヒロインだ」

ヒロリス「うし、だったらまずはこれを外そうよ。アンタのバインド、無駄にプログラム強固だからキツイんだって」

恭文「えぇ、詠唱は止めますよ。だって・・・ねぇ、フェイト?」

フェイト「うん、もう完成してるから」





(その言葉に、四人は完全に固まる。だけど、そんなことはお構いなしに、二人は遠慮なく最終シークエンスに移行)





恭文「猛撃・・・必壊っ!!」

フェイト「雷光・・・一閃っ!!」

ヒロリス「ちょっ! 二人とも待ってっ!! 話せば分かるっ! 私達は分かり合えるからっ!!」

アメイジア≪ねーちゃんっ! お願いだからやめてくれっ!! 俺達は姉弟だろっ!? こんなこと間違ってるからなっ!!≫

古鉄≪私まで亡き者として扱って何を言いますか。あと、あいにく世界の理を載せた辞書には、この私が間違っているという文字は存在しません≫

アメイジア≪なんだよっ! その聖徳太子張りに自分勝手な辞書はっ!!≫

古鉄≪Starlight Blade≫

アメイジア≪あぁぁぁぁっ! もしかしなくても、なんかすっげー怒ってるっ!?≫

金剛≪は、離してくださいっ! 私は≫

リイン【大丈夫です。破壊はしませんから。ただ・・・ぶっ飛ばすだけです】





(そして、トリガーは引かれた)





恭文・リイン【「スタァァァライトっ!」】

フェイト「プラズマ・ザンバァァァァァァッ!」

恭文・リイン【「ブレェェェェェドォォォォォォォォォォッ!!」】

フェイト「ブレイカァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

ヒロリス・サリエル・アメイジア・金剛≪≪「「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」≫≫





(瞬間、スタジオに青い星の光と雷撃が満ちる。そして・・・爆発。屋根や天井は吹き飛び、バカをやらかした四人もぶっ飛ばされた。それはもう・・・ギャグ的に。
吹き飛んだ屋根から見える青空を見て、二人はなんだかすっきりした顔になる)





恭文「・・・えー、そういうわけなので、本編・・・ちゃんと始まります。なお、最終回なわけがありません」

フェイト「な、なにがそういうわけなのか、きっと誰もわからないと思うんだけど・・・。とにかく、フィアッセさんとの決着・・・つくよね?」

古鉄≪つかなきゃ真面目にナイスボートですよ。というわけで、あなたはしっかり頑張ってください≫

バルディッシュ≪本当です。Sirを泣かせたら、許しませんよ?≫

恭文「は、はい。頑張ります」

リイン「ではでは、改めて・・・第4話、始まるですよー♪」




















魔法少女リリカルなのはStrikreS 外伝


とある魔導師と機動六課の日常 Second Season


第4話(Not最終回) 『新しい事に踏み出す前には、なにはともあれ1番最初に身辺整理をするべきだ』




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・前回のあらすじ。





フィアッセさんがやってきました。そして、フィアッセさんに抱きつかれました。・・・まる。





いやいやっ! これ一体どこの作文っ!? というか、なんでフィアッセさんがここにー!!










「・・・フェイトちゃんもお久しぶり。随分綺麗になっちゃって・・・なんだか感慨深いな。初めて会った時は、まだ中学一年生だったのに」

「きょ、恐縮です」

「えっと・・・お茶、どうぞ。美由希さんも、はい」

「あ、ありがとー」

「ありがと。でも恭文・・・あの、いきなりごめんね。フィアッセが驚かせたいから連絡なしって言って聞かなくてさ」





現在、リビングのテーブルに僕、その右にフェイト。その正面に美由希さん。その右にフィアッセさんという図式で座っております。というか、そうなりました。僕がお茶出し終わって席についたから。

・・・とりあえず、ここまでに簡単に事情を聞いた。フィアッセさんは、新曲のレコーディングが終わった後、ここに直行で来たらしい。この辺り、クロノさん・・・また僕に連絡も無しでとんでもない事を。

とにかく、クロノさんが取り持ってくれて、フィアッセさんは普通にここに足を踏み入れた。美由希さんがついてきたのは、クロノさんとイギリスのイリアさんに、もし暇ならば、フィアッセさんに付いて欲しいと頼まれたからだとか。



この辺り、美由希さんが一度ミッドに来ているからというのが、大きいらしい。まぁ、ここはいい。来ちゃったものは仕方ないんだから。ここで迷惑そうな顔をするのは絶対に違う。



ただ・・・なのですよ、あの・・・えっと・・・どうして次元の海を越えて来ちゃったのっ!? それだけすっごい気になってるんですけどっ!!





「さっき言った通りだよ」



フィアッセさんが、僕が淹れた日本茶をすする。そして、美味しそうに一口飲み、息を吐いてから、僕を見る。

優しい笑顔と、暖かい瞳を向けながら・・・本当に、優しく僕を見てくれる。



「恭文くんとの結婚の約束、もう期限が来てるもの。ううん、むしろ過ぎてる。約束、してくれたよね」



僕は、その言葉にうなづく。・・・うん、約束してる。よく覚えてる。



「でも、あれからもう7年かぁ。ふふ、なんだか不思議だね。恭文くんと私、年が離れてるのに、ずっと友達で、わがまま仲間として繋がっていられる。
あ、でもこれからはそれだけじゃないね。・・・恋人として、私は恭文くんの奥さんとして、もっと深く繋がって、愛し合っていけるんだから」

「あ、あの・・・フィアッセさん」

「うん、なにかな」





・・・7年前、フィアッセさんはある事情からその身を不埒な連中に狙われていた。そんな時、僕は恭也さんと美由希さんに連れられる形で、イギリスのクリステラ・ソング・スクールを訪れ、フィアッセさんと知り合い、仲良くなった。

その時、結婚の約束を交わしたのだ。ただし、それには条件が付いている。

7年後・・・つまり今。僕が18になった時、法律的に結婚が許される年齢になった時、僕にもフィアッセさんにも相手が居なかった場合・・・結婚しようと言う、条件付きの約束なのだ。



だからこそ、フェイトと付き合うようになった時、フィアッセさんに連絡しようとした。ちゃんと話さないといけないから。そうしたら・・・これです。

とは言え、そこを言っても仕方ない。ちゃんと話さないと、ダメなんだ。フィアッセさんは、僕との冗談で済ませられる約束を守ろうとここに来てくれたわけだし。

ま、まぁ・・・それを考えると非常に心苦しいけど。いや、真面目にだよ?



とにかく、一旦息を吐いて・・・フィアッセさんを見据える。フィアッセさんは首をかしげて視線で『なにかな?』と言ってくる。



それをフェイトも美由希さんも、黙って見つめる。・・・だって、二人は約束の事を知ってるから。だから、僕がちゃんと話さなきゃいけないことだって知ってる。だから、何も言わないんだ。





「僕、数日前に連絡したと思うんですけど」

「・・・あ、返事が出来なくてごめんね。イリアから聞いてると思うんだけど、新曲のレコーディングやPRが思いっきり重なっちゃったの。だから、どうしても時間が取れなくて」

「あ、はい。それは聞いてます。それで・・・ですね、用件なんですけど」

「うん、それもイリアから聞いてるよ。フェイトちゃんと付き合うようになったんだよね」





そうなんです、フェイトと付き合うように・・・え?



その言葉に、僕は完全に固まった。いや、僕だけじゃなくてフェイトも。





「あ、あの・・・フィアッセ。今、なんて?」



美由希さんが声を絞り出すようにフィアッセさんに聞く。そして、フィアッセさんは微笑みを絶やさずに答えた。



「だから、恭文くんとフェイトちゃんは付き合うようになったんだよね。恭文くんが大事な用件って言って連絡してきたのは、私への報告」



その言葉に、美由希さんも固まる。

次の瞬間・・・叫んだ



『えぇぇぇぇぇぇっ!?』



し、知ってたのっ!? というか、あの・・・イリアさんなんで教えてるっ! 僕普通にびっくりなんですけどっ!!



「そうだよ、私も聞いてないしっ! というか、だったらなんでミッドにっ!? いやいや、それ以前にさっきまでの『結婚の約束を守ってもらう』って話はどうなったのっ!!」

「あ、ごめんね美由希。知ってるって話したら、こっちに来る理由が作れないと思って・・・ちょっと嘘ついちゃった」

「・・・フィアッセェェェェェェェェッ!!」





美由希さんがなんか泣き崩れてる。というか・・・あの、僕も・・・あの・・・ねぇ?





「・・・あの」

「ヤスフミ、どうしたの? というか、顔色が・・・」

「腰、抜けた」

「・・・・・・しっかりしてぇぇぇぇぇぇっ! あの、大丈夫っ!? あぁ、お願いだから泣かないでっ!!」



だめ、フェイトの声が遠い。あ、あはは・・・さっきまでの無駄な緊張はなんだったんだろう。



「うーん、ちょっとやりすぎちゃったかな」

「いや、フィアッセ。やりすぎたとかそういうレベルじゃないから。でも・・・どういうことなの? 私が思うに、イリアさんが話すとは思えないんだけど。私も恭文がちゃんと話すべきだと思ったから、言わなかったのに」

「あ、うん。それには事情があってね・・・」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・そっか、付き合うようになったんだ」

「はい。・・・あとで恭文さんに謝らなくてはいけなくなりました」





新曲関連の活動が少し一段楽した時、校長室で書類仕事をしていると、イリアが話があると言って・・・話してくれた。

先日、恭文くんから連絡があって、その用件がフェイトちゃんと付き合うようになったということを。



というか、それなら恭文くんの口から直接聞きたかったんだけど。うー、どうしてイリアが喋っちゃうのかなぁ。





「その理由、どうしてもお分かりになりませんか?」

「・・・え、えっとー、もしかしなくても、私が明日ミッドに行くから・・・とか?」

「正解です。恭文さんとフェイトさんは当然あなたが来ることは知りません。しかし、そこにあなたが何も知らずに『結婚の約束を守って』と飛び込めば、どういう状況になるかは火を見るより明らかです」





イリアが若干呆れ気味に行って来た。ため息混じりなのは、きっと気のせいじゃない。



そう、実は恭文くんにどうしても会いたくて・・・というより、結婚の約束を守って欲しくて、ミッドチルダに会いに行こうとしていた。

当然、私のスケジュール管理をしているイリアはそれを知っている。というより、明日からの少しだけの休みのために、ここしばらくの間、必死に仕事を頑張っていた。

うぅ、校長って色々忙しいんだよ? 明日休むからと言って、休めるようなお仕事じゃなかったりするんだよね。



とにかく、話してくれた理由は分かった。私・・・というより、恭文くんとフェイトちゃんのためだね。





「正解です。ですから」

「二人の邪魔をしないように・・・でしょ? 分かってるよ。恭文くんは婚約者だけど、それは・・・条件付きだもの」





私と恭文くん、両方に相手が居ない事が前提。それが絶対条件。



でも、恭文くんにはもうフェイトちゃんが居る。だから、婚約は解消・・・なんだよね。





「でもね、イリア」

「分かっています。・・・あなたの護衛兼案内を、高町美由希さんに依頼しました。彼女は向こうの世界に一度滞在したこともあるそうなので、頼りになるかと」

「・・・もう行く必要がないって、言わないの?」

「なら逆にお聞きしますが、私がそう言って、あなたは予定を取りやめますか?」



私は、その言葉に返事をした。首を横に振るという形で・・・つまり、ノー。

確かに、婚約は解消になった。でも、それでも恭文くんとはちゃんと話したい。ここは絶対。絶対、お話しないとダメなんだ。



「そういうことです。彼によろしくお伝えください。あと、お心残りのないように、しっかりとお話になってきてください」

「うん。ありがとう、イリア」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・というわけなの」





な、なるほど・・・。さすがイリアさん。出来る人は1手先を読んで動いてくれている。うぅ、助かりました。おかげでナイスボートの回避が出来ました。



というか、僕・・・マジで綱渡りだよね。怖いにも程があるって。





「それでね、フェイトちゃん」

「あ・・・はい」

「悪いんだけど、明日一日恭文くんのこと借りていいかな。二人っきりになりたいんだ」



さっきとは打って変わって、真剣な声で、表情で、フィアッセさんはそう言ってきた。

フェイトはそれを見て・・・コクンと、うなづいた。



「いいの? 私もしかしたら、恭文くんのこと取っちゃうかも知れないのに」

「いいんです。・・・私、ヤスフミの事信じていますから。あと・・・多分、恋人でも、フィアッセさんとの間には入り込めないかなって、ちょっと思ってたんです」

「・・・ありがと」



いやいや、ありがとう・・・じゃなくてっ! 僕の意見も聞いて欲しいんですけどっ!!



”フェイトっ! お願いだから勝手に決めないでー!!
さすがにフェイトって恋人が居るのに、フィアッセさんと二人っきりは”

”だめ、ちゃんと話して来て。というより・・・話したいよね”



・・・その言葉に、僕は呼吸が詰まる。言葉が出てこなくなる。

いや、こうとしか返事が出来なくなる。



”・・・うん”

”あのね、大丈夫だよ。フィアッセさんは、ヤスフミにとって本当に特別な人なんだよね”

”・・・・・・うん、そうだよ。でも、だからって恋愛感情とかそういうのじゃなくて”

”慌てなくてもいいよ。ちゃんと分かってるから。フィアッセさんは大事な友達で、ワガママ仲間で・・・色んな事を話せる大事な人。もしかしたら、リインと意味合いが近いかも知れない”



フェイトの言う通りだ。うぅ、やっぱりダメなのかなぁ。こういうの。



”もちろん、恋人はだめ。でも、そのためにヤスフミの交友関係に制限なんて付けたくない。縛りたくなんてない。なによりね、私もフィアッセさんとは一度、ちゃんと話すべきだと思うんだ。浮気はダメだけど、しっかりやっていかなきゃ”

”分かった。あの、フェイト・・・心配かけて、ごめん”

”もう謝るのは無し。・・・大丈夫だから、ね?”

”・・・うん”



フィアッセさんと美由希さんがなんだか雑談している間に、方針は決まった。

フェイトの寛大な心に感謝をしつつ、僕はフィアッセさんを見る。フィアッZさんはその視線に気づいて、優しく微笑む。



「あの、それじゃあ・・・明日、よろしくお願いします」

「うん、よろしくね」

「・・・あの、フィアッセさんも美由希さんも、今日はどこに泊まる予定で?」

「あ、それなら大丈夫だよ。こっちに来る前にヒロリスさんにお願いして、ここの空き部屋使わせてもらうことになったから。お布団とかも運び込んでくれてるんだって」





そ、それはまた用意周到な・・・つか、ヒロさんも知ってたんかいっ! それならそれでちゃんと教えて欲しかったんですけどっ!?




「というわけだから、私と美由希はフェイトちゃんとの時間のお邪魔はしないよ? 気にしなくて大丈夫だからね」

「フィアッセさん何言ってるんですかっ!?」

「そ、そうですよっ! さすがに・・・その、今日は・・・あの・・・!!」










フェイトが顔を真っ赤にして非常に大変な事になっている。いや、僕も真っ赤なんだけど。





・・・とにかく、明日か。ちゃんと話さない・・・あれ? でも、何を話せばいいんだろ。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・フィアッセさんと美由希さんがこっち来てるですかっ!?」

「そうなのよ。フェイトちゃんがやっさんの家ってことは・・・こりゃ、修羅場かな?」

「いやいやヒロ。お前そんな楽しそうに言うけどよ、それそうとうだぞ? だって・・・条件付きでも婚約してるんだしよ」

≪やっぱりよ、Nice boatだって。絶対そうだって≫

≪蒼凪氏・・・惜しい人物を亡くしたものだ≫





現在、リインは隊舎です。はやてちゃん達にただいまの挨拶をして、それからこそこそとしているヒロリスさん達に呼ばれて、談話室へゴーなのです。



そうしたら、驚愕の事実を聞かされました。というか、それは・・・あの、大丈夫なのでしょうか。恭文さん、フィアッセさんとは仲良しさんですし、フェイトさんとはまた違う意味合いで好きですし。



というか・・・あの、恭文さんとフィアッセさんの付き合い方は、リインとの付き合い方と割り合い近いと思うのです。恋愛感情どうこうとはまた違う、心と心・・・もっと言っちゃえば、ソウルパートナー的な感じに。





「うぅ、なんだかすっごい心配です。通信・・・あぁ、でも怖いです。すっごくかけるのが怖いです」

「いやいや、意外と三人で・・・かもよ? 美由希ちゃんはお姉さん的な立ち位置でオーケーと思ってるから参加しないだろうけど」

「サリ、アンタその思考最低だよ。しばらく私に話しかけないで」

「リインも同じくです。リインの半径1000メートル以内に近づかないでください」

「二人とも揃ってひどくねぇかっ!? つーか、冗談だからなっ! マジにするなよっ!!」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



そして、翌日。僕とフィアッセさんは、フェイトと美由希さんに見送られ・・・ミッドの街をぶらつくことになった。





まぁ、フィアッセさんの観光も兼ねて・・・だね。





だけど、その・・・なんでカラオケボックスっ!?










「えっと、久々に恭文君と歌いたいなぁーって。・・・でも、すごいね。地球の曲が沢山入ってる。というか、街も見てると日本語喋る人がほとんどだし、日本語の看板も多いし」

「あぁ、その辺日本文化が大量に入っているせいでして・・・って、違う。そうじゃなくて」





現在、某ご飯の美味しいカラオケボックスにフィアッセさんと二人っきり・・・やばい、いきなりこれとは思わなかった。



というか、あの・・・そんな楽しそうに曲目リストを見ないで。びっくりだから。色々びっくりだから。




「ね、恭文くん」

「は、はい」



フィアッセさんが、分厚いどこの辞書かと言うような曲目リストを見ながら、僕に話しかける。

なお、端末入力も出来るけど、やっぱり常としてこういうのが二冊三冊と置いてあるのだ。人が沢山居たら、端末だけだと捌ききれないしね。



「・・・自分の歌がカラオケに入っているって、ちょっと不思議な感覚だね」

「へ?」

「ほら、ここ」



フィアッセさんが指で指し示すので、僕はそこを見ると・・・あ、本当だ。『歌手:フィアッセ・クリステラ』の項目が確かにある。いや、当然と言えば当然なんだけど。



「あと、ここも」



フィアッセさんがページをパラパラと捲って少し戻ると、SEENAの項目も。それを見て、おかしいのか照れくさいのか、フィアッセさんはクスリと笑う。



「あのね、今・・・すごく不思議なの。ここは地球とは全く違う世界で、でも同じところも沢山あって・・・。そんな中でも、私やゆうひの歌がある。上手く言えないけど、すごいね」

「そうですね、きっとすごいことです」

「もしも・・・」



フィアッセさんが曲目リストから目を離して、白い天井に視線を向ける。でも、きっと天井を見ているわけじゃない。

だって、どこか視線が遠かったから。



「もしも、恭文くんがミッドに暮らすようになってなくて、ずっと海鳴に居たら・・・私達、付き合うようになってたのかな」

「・・・・・フィアッセさん、あの」

「あ、ごめんね。別に、恭文くんのこと責めてるわけじゃないんだ。ただ、あんなに小さな子どもだったあなたが、もうそんな年頃になったんだなって、ちょっと感慨深くて」



そう言って、右手を伸ばし、僕の頭を撫でてくれる。優しく、いつもと変わらないように。だけど、どこか違うようにも感じて・・・。

僕は、その手を受け入れる事しか出来なかった。何も、言えなかった。少しだけ、場が静かになる。



「私が、あの時・・・空港で恭文くんとお別れする時、結婚しようねって言ったのってね、実は理由があるんだ」



そして、その静寂はフィアッセさんの言葉で破られた。だから、僕はそれにしっかりと耳を傾ける。



「理由?」

「うん。・・・恭文くんを見てて、少しだけ怖かったんだ」



言ってる意味が、よく・・・いや、分かった。だって、僕はこれと同じ響きの言葉をこの数ヶ月の間に聞いてるから。

思い出すのはフェイトの言葉。フェイトも言ってた。僕を見ていて怖いと。ふと目を離した瞬間に、どこかへ居なくなってしまいそうだと。だから、局員になって、自分達と同じ道を進んで欲しいと、そう・・・言ったから。



「恭文くんは凄く強くて、優しくて・・・だけど、同時にとても頑な。自分の気持ちのために、何かを無くす事になっても、それがどんなに怖くても、必要なら・・・・それを通す。
というより、通したんだよね? 美由希から少し話を聞いたけど、去年、一ヶ月くらい連絡が取れなくなった時に、凄く大きな事件に巻き込まれて、また重い物を背負ったって」

「背負い・・・ましたね」



美由希さん、またどうして勝手に・・・いや、相当心配かけまくってたから、そのせいだとは思うけど。



「それで、フェイトちゃんやハラオウン家の人達とも少しゴタゴタした。皆から、今までみたいに自由気ままに暴れたりするんじゃなくて、ちゃんと管理局と言う組織の中に入って、普通の局員になって欲しいって言われた」

「・・・しましたね。そして言われました」

「でも、恭文くんは断ったんだよね」



僕はうなづく。フィアッセさんの目を見ながら。

フィアッセさんは、優しくも暖かい視線を僕に向けながら、言葉を続ける。



「私ね、もしかしたら恭文くんは周りの人達から認められずに・・・孤立して、一人になっていくんじゃないかって、ちょっと不安だったんだ。止まれるように、大人になれば問題無いのかも知れないけど、あなたはそれが出来ないんじゃないかって、思ってたの。
だって・・・私自身が大人になれなかったもの。私は、何があっても歌を・・・私自身の魂の声を、止めることは出来なかったから」



それがフィアッセさんと会った時の一件の事だと言うのはすぐに気づいた。・・・まぁ、それだけじゃなかったらしいけど。



「それだけじゃなくて、恭文くんは少しだけお人よしというか、自分の事を軽視する所があるようだったから、心配だったんだ。よく考えてたでしょ? 何か不利益を蒙ったり、傷ついても、自分だけなら大丈夫・・・って」

「そうですね、考えてました。・・・ちょっと、馬鹿だったなって思います。そう言って、傷つけることだってあるのに」



いや、それでも止まれないのが、またダメなんだけど。それなら、大人になればいい。リンディさんやエイミィさんの言うように、忘れて、下ろして、局員として、組織の人間として、そのルールの中で生きればいい。

でも、僕にはそれは無理。そんなの・・・僕じゃないから。そんなことしたら、あの時、あの夢の中であの人に言った言葉、嘘になるから。



「うん、そうだね。傷ついている誰かを痛みから守るために、あなたは自分から痛みをかぶろうとする。身体や、心を盾に使おうとする。放っておくことが出来なくて、見過ごす事も、その言い訳をすることも出来ないから、飛び込む道を選ぶ。
それが悪い事とは・・・言えないな。少なくとも、私はそれに守られたんだから。でも、そう考えた時、気づいたの。目の前の小さな男の子は、凄く刹那的で、消えちゃいそうで、怖いなって。それで、私はそんな子に何が出来るかなって、また改めて考えて・・・」

「考え・・・て?」

「私は、私だけは・・・この子の味方で居ようって決めた。この子が大人になった時、その強さが全く変わってなくて、そのせいで周りの人達から見限られても、私だけは、この子の側に居ようって、そう考えたんだ。
おかしいかも知れないけど、あなたを見ていてそう思ったの。だって、私の今は・・・あなたがあの時守ってくれたから、ここにあるもの。そんなあなたに、私なりの・・・お礼がしたかったの」





その言葉に、鼓動が高鳴る。だって、それは・・・あの、リインがいつも言ってくれていることと同じだから。





「だから、決めたんだ。あなたの強さも、頑ななところも、優しさも、暖かさも、弱いところも、その全てを肯定して、抱きしめられるようになろうって。
あなたがどうしても立ち上がれなくなった時に、傷を癒す場所であろうって。だって、私・・・あなたの事が、大好きだから。そんなあなたを、一人になんてしたくなかったんだ」





リインは、いつも言ってくれている。僕が『約束を守れなかった。重荷を背負わせた』と言う度に、考える度に、小さな手を伸ばして、僕を抱きしめながら言ってくれる。

自分がここに居るのは、笑顔で居られるのは、僕が守ってくれたからだと。



ちゃんと約束を守ってくれたから・・・僕は、自分に命だけではなく、時間をくれたからだと。だから、自分の今は存在出来るのだと。





「あ、もちろんあの時の事は、恭文くんだけじゃなくて、恭也や美由希、エリスやみんなが居てくれたおかげなのは、忘れてないよ? そこは、本当」

「あの、それは分かってますから。つまり、えっと・・・そのために、婚約・・・ですか?」

「うん。なんというか、そういうのがいいかなと。恭文くん、普通に『友達で居ようね』とか言うと遠慮しちゃうんじゃないかと思って。・・・もちろん、条件がクリアされるようだったら、本気でそうなるつもりだったけど」



フィアッセさんが、いたずらっぽくニッコリと笑う。それに僕も笑いで返す。あんまり上手く笑えてないと思ったのは、気のせいじゃない。



「フィアッセさん、あの・・・ありがとうございます。すごく、嬉しいです」

「ううん。・・・恭文くん、もう・・・大丈夫だよね。自分の行きたい場所、やりたいこと、ちゃんと見えるよね。人の未来だけじゃなくて、あなたの未来も、守らなくちゃいけないんだよ?」

「・・・はい。フェイトの事、泣かせたくないですから。ただ・・・まぁ、飛び込む時は、やっぱり飛び込むんだろうなと、思ってたり。というか、フェイトにもそう言われたりしてて」



フィアッセさんがクスリとまた笑う。それが気恥ずかしくて、ちょっとだけ目を逸らす。

でも、すぐにフィアッセさんを見る。フィアッセさんの右手が、頭から頬に移ったから。そのまま、優しく撫でる。



「うん、そうだね。きっとそれは恭文くんのいいところだもの。変わる事も必要だけど、変えちゃいけない事だってあると思うから。・・・恭文くん」

「はい」

「恋人には、夫婦にはなりそこねちゃったけど、これからも私と・・・友達で、わがまま仲間で、居てくれる?」

「・・・僕で、いいなら」










フィアッセさんは、僕がそう返事をすると、微笑みながら小さく『ありがとう』とつぶやいた。





そのすぐ後、注文していたご飯が運ばれてきたのをきっかけに、しばしカラオケタイムとなった。





久々に聞くフィアッセさんの生の歌は、カラオケの音響ではあったけど、すごく素敵で・・・胸の中が、暖かいものでいっぱいになって、とても幸せになれた。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・ねぇ、やっぱりやっさんなりフェイトちゃんなりに連絡取った方がいいのかな」

「でもよ、これで『Nice boat』だったらどうすんだよ。真面目にヤバイだろうが」

≪しかし主、逆にそうなった時のために連絡は取るべきかと≫

≪まぁ、そうだよな。じゃあ・・・誰が連絡するんだ?≫



そうアメイジアが言うと、ヒロが俺を見る。俺もヒロを見る。

・・・よし、分かった。ヒロが連絡で決定だな。



「マテマテっ! なんでそうなるっ!? こういう場合年功序列でアンタでしょうがっ!!」

「どんな理屈だよっ! つーか、お前は俺と同い年だろうがっ!!」

「いや、私は永遠の17歳だから」

「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・現在、夕方。窓から見える景色は茜色で、6階・・・建物の最上階にあるこの部屋から見える景色は、とても綺麗に映っている。





そして、そんなヤスフミの部屋で美由希さんと二人でお茶を飲んでいる・・・のだけど、大丈夫かなぁ。





も、もしかして押し倒されて・・・いやいや、ヤスフミなら大丈夫だよね。抵抗出来るし・・・しなかったらどうしよう。





あぁ、やっぱり不安だよー! フィアッセさんとヤスフミの関係はこう・・・恋人とかそういうのとはまた違うって分かってても、やっぱり不安なのー!!










「まぁまぁフェイトちゃん、落ち着いて? フィアッセは、そんな事をするために恭文を引っ張って行ったんじゃないはずだから・・・多分」

「多分ってなんですかっ!?」

「ごめん、正直私も自信が持てない。恭文、なんだかんだでフィアッセには激弱だし」



あぁぁぁぁぁぁぁぁっ! やっぱり寛容な所なんて見せなきゃよかったぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! これで浮気・・・だけならいいけど、本気になったらどうすればいいのっ!?

よし、今すぐサーチでヤスフミの居場所を調べて・・・って、ダメだよそんなのっ! 恋人だからってそれはだめっ!! あぁ・・・でもでもー!!



「ただいまー!!」

「ごめんねー! 遅くなっちゃったー!!」



私が相反する感情に板ばさみになっていた時、声がした。私は玄関へ駆け出す。

そこには、沢山の手荷物を持ったフィアッセさんとヤスフミが居た。



「あ、二人ともおか・・・その荷物、どうしたの?」

「美由希、ただいま。えっとね、スクールの皆へのお土産。選ぶの、ちょっと時間かかっちゃった」

「ミッド産だって分からないような物をチョイスするのに中々時間がかかりまして・・・。でも、買い物は楽しかったですよね」

「うん。恭文くんといっぱいお話出来たから。・・・フェイトちゃん? あの、どうしたのかな」



私は、へたり込んでいた。というより、崩れ落ちた。



「フェイト、あの・・・大丈夫っ!? あぁ、お願いだから涙目はやめてー!!」



あれ、私どうして・・・泣きたくなるくらいに安心してるんだろ。どうして、こんな・・・。



「・・・大丈夫だよ」



フィアッセさんの右手が、そっと伸びる。そして、私の頭を撫でてくれる。



「恭文くんとは、本当にお話して、少しだけ遊んだだけなんだ。いかがわしい事は何にもないから。というより・・・恭文くんは今も昔も、ずっとフェイトちゃん一筋だったんだよ? 簡単に流されたりはしないから」

「フィアッセさん・・・!!」










私は、その場で少し泣いた。疑った事への申し訳なさと、感じていた不安と、それから開放された安堵によって。





そして、思った。私・・・ヤスフミにずっとこんな思いをさせていたんだと。そう思って、心の中でヤスフミに謝った。ただ一言、ごめん・・・と。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



そして、フェイトをソファーに座らせて、お茶を飲ませて・・・少し落ち着かせた後、フィアッセさんと美由希さんはもうミッドから地球に戻ることになった。





やっぱり、歌手兼校長と言うのは忙しいのだ。というか、そんな過密スケジュールの中これは・・・申し訳なくなってくる。僕のために休み一日使わせたようなもんだし。





うぅ、反省だよ。本当なら僕から行かなきゃいけないのに。










「ううん、大丈夫だよ。元々ミッドにも来たかったしね」

「そう言ってくれるのはありがたいですけど・・・でも、本当に転送ポートまで見送らなくていいんですか?」

「そこは大丈夫。クロノ君が迎えの人を寄こしてくれてるから。・・・ほら」



美由希さんが、マンションの下の車道を指差す。僕はその指し示す方向を見る。

・・・確かに、一目で管理局の使用車両だと分かるそれがあった。



「それじゃあ恭文くん、今日はありがとう。すごく楽しかった」

「いえ・・・。あんまりお構いも出来ませんでしたし」

「大丈夫だよ。あと・・・フェイトちゃん」

「は、はい」



フェイトはようやく復活したので、僕と一緒に当然玄関に出ている。というか、瞳の紅の色が増しているのは気のせいじゃないと思う。



「恭文くんのこと、お願い」



ただ一言、本当にそれだけをフィアッセさんは言った。フェイトの目を見ながら、真っ直ぐに。

それにフェイトは、うなづく。そして、言葉でもそれに返した。



「・・・はい、必ず」

「うん、いいお返事だ。・・・それじゃあ、二人ともまたね」

「恭文、フェイトちゃん。なのはやみんな・・・あと、ヒロリスさんとサリエルさんによろしくね。また組み手しに来ますって言っておいて」

「はい、必ず伝えておきます」










そうして、二人はそのまま手を振りながら、歩いていった。自分達の帰るべき場所へと。





僕とフェイトは、二人が車に乗り込んで、それが発進して・・・見えなくなるまで、手を振って見送っていた。










「・・・行っちゃったね」

「そうだね」





部屋の中に戻って、フェイトと二人・・・ソファーに座る。



隣同士でくっついてるから、なんだか暖かい。





「あの、フェイト」

「うん?」

「ありがと、フィアッセさんと話させてくれて」



僕がそう言うと、フェイトが首を横に振って答えた。



「大丈夫だよ。・・・ちゃんとお話、出来たんだよね」

「うん。まぁ、その・・・友達なのは維持って感じで。あとね」

「うん」

「フィアッセさんが僕と婚約の約束したのって・・・フェイトが僕の事心配してたのと、同じ理由だった。僕が一人にならないように、側に居るために約束したんだって」



それだけ言うと、フェイトには伝わったらしい。表情が少しだけ重くなったから。



「・・・フィアッセさん、すごいね」

「うん、すごいよね。凄くて・・・申し訳なくなる。うぅ、やっぱり心配かけまくってたんだね」

「うん、心配だったよ? それは、今も変わらない。・・・あ、ちょっと変わったかな。今は恋人として、ヤスフミの彼女としての心配だから」

「・・・そっか」





そこから、少しだけ沈黙が訪れる。一応、お休みは今日まで。明日からは普通にお仕事。

だから、その・・・今日が最後のチャンスと言えばそうなる。仕事に戻ると、やっぱりお泊りとかは難しくなるだろうから。

フェイト、分隊長だしね。やらなきゃいけないこと沢山あるもの。



でも、あの・・・今日フィアッセさんとアレで、夜フェイトとそうなるのは、あの・・・えっと・・・ちょっと躊躇うかも。なんか節操なしのような気がする。





「ヤスフミ」

「うん?」

「私、大丈夫だから」



フェイトが僕の目を真っ直ぐに見て言って来る。それだけで、言いたい事が伝わった。

つまり、今日そうなっても・・・いいって、言ってくれてるんだ。



「やましいこととか、そういうのは本当になかったんだよね」

「うん、言った通りだよ。ただ、お話しただけだから。本当に、本当に何もなかったんだ」

「なら、いいよ。それに・・・」



そのまま、フェイトが抱きついてくる。そして、痛いくらいにギュっと僕を抱きしめる。



「今日ね、ヤスフミがフィアッセさんと二人っきりで何してるのかなとか考えたら、すごく・・・不安だったの。いっぱい、ヤキモチ焼いた。
だから、お願い。ヤスフミが私の事好きだって気持ち、確かめさせて。じゃないと・・・すごく苦しいままなの。不安なの、消えない」

「・・・分かった」





そのまま、僕もフェイトを抱き返す。そうして、ソファーの上にフェイトを・・・押し倒した。



身体を少しだけ離す。フェイト、今にも泣きそうな瞳で僕を見ている。安心させるように、右手を伸ばしてフェイトの頬を撫でる。優しく・・・ゆっくりと。





「あのね、ヤスフミ。今日は・・・その、大丈夫な日なんだ。つまり、その・・・私の中にヤスフミが、こう・・・」

「・・・恥ずかしいなら言わなくていいから。意味は分かるから。そして赤くならなくていいから」

「だ、だって・・・頑張らないとだめかなって」



どういう意味合いで頑張るつもりですか、あなた。色々びっくりだよ。

でも、やっぱり男の責任として、明るい家族計画には頼った方がいいと思う。ここはやっぱり・・・。



「初めて、同士・・・だから。そのままで、いいよ。お願い」

「・・・分かった。あ、でもね」

「なに?」

「もし、これで赤ちゃん出来たら・・・隠さないで言ってね? 僕、責任取るから」










フェイトは僕の言葉に、嬉しそうにして、また目に涙を貯めて、コクンとうなづいた。

初めての経験に心臓の鼓動が高鳴る。ドキドキして、苦しくて、嬉しくて、少しだけ恥ずかしくもあって・・・だけど、もう止まらない。

僕を見るフェイトの事が欲しい。フェイトの事、僕だけのものにしたい。





もっともっと、フェイトと深く繋がりたい。だから・・・僕は、瞳を閉じて、フェイトの顔に近づく。

フェイトも目を閉じて、そのまま・・・ゆっくりと、本当にゆっくりとだけど、距離が縮まって・・・。





僕達は、唇を重ねた。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・だめだ、通信繋がらねぇし」

≪どうやら電源から切られている模様ですね。主、これはどうします?≫

「どうするも何も・・・やばいだろ。真面目にこれはやばいだろ。ヒロ、そっちはどうだ?」

「だめ。美由希ちゃんにメールもしたし、電話もかけたんだけど返事ないのよ。で、こっちも同じく電源から切られてる」





さすがに放置はマズイという結論に達した俺らは、やっさんにフェイトちゃん、フィアッセ・クリステラさん・・・は番号わからないから、美由希ちゃんに連絡を取った。だけど、結果は見ての通り。



あぁ、なんだこの悪寒は。やばい、凄まじくやばい感じがビンビンする。まさかやっさん、もうバックの中に詰められてるとかか? フェイトちゃんなりフィアッセ・クリステラなりが『中に誰も居ませんよ?』とかって言ってるんじゃないの?





「・・・うし、サリ。アンタちょっと付き合って」

「どうするつもりだ?」

「忘れた? やっさんの家は、元々私の紹介で貸したんでしょうが」



・・・そう、忘れがちだろうが、コイツはミッドで幅を効かせているクロスフォード財団の分家の娘だ。やっさんが住んでいるマンションは、元々その分家が経営している不動産会社が管理しているもの。

それを利益度外視で格安でやっさんに貸しているのだ。そして、そこまで考えて分かった。つまり・・・。



「そうだよ」

≪まぁ、それしかないな。まずは現状を確かめねぇとどうしようもねぇし。・・・あー、姉御。リトルガールはどうするよ≫

「リインちゃんは連れて行かない。・・・マジで最悪な状態って可能性もあるしね。やっさんがバックに詰められているところを見てトラウマ持っても、私はなんの責任も取れないし」

「いい判断だ。うし、んじゃ・・・行くか」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・キス、しちゃったね」

「・・・うん」


初めての唇へのキス。僕もそうだし、フェイトも。

なんというか、嬉しい。初めてがフェイトって言うのもそうだし、フェイトの初めてをもらったって言うのも。



「あのね、もっと・・・したいな」



フェイトがいきなりそんなことを言ってきた。え、えっと・・・それはなぜに?



「あ、変な意味じゃないの。すごく嬉しくて、幸せだったから。だってヤスフミ、この2週間近く何にもしてくれなかったし」

「それは当然でしょ。・・・手、出したらきっと・・・あの、我慢出来なかったから」

「そう言えば、そうだったね。でも、もう大丈夫だから。続き、して?」

「うん・・・」





そのまま、もう一回顔を近づけて・・・キスをする。触れ合うように、優しく、ゆっくりと。

ただ唇と唇が触れているだけなのに、甘くて、優しい味がする。それに胸がときめいて、泣きそうになるくらいの嬉しさと幸せがこみ上げてくる。



唇を離す。それからフェイトの頬と髪を撫でてから、もう一回。今度は・・・あの、少しだけ大胆にする。

ついばむように、フェイトの唇を吸うようにしてみる。すると、フェイトの身体がピクンと跳ねる。唇の間から吐息が漏れる。

一旦離して、フェイトを見る。潤んだ瞳をしながら、頬を赤く染めながら僕を見るフェイトは・・・あの、いつもとは全然違うか弱さというか、儚さを出していた。





「・・・ダメ、だった? あ、それとも嫌だったとか」

「ううん。あのね、電気が流れるみたいに・・・こう、来ちゃって。だから、その、もっとして欲しい」

「なら、よかった。・・・ね、フェイトもして欲しいな。僕もそういうの、感じてみたい」

「わ、分かった。頑張るよ」





そのまま、もう一度唇を重ねる。

少しずつ、互いに相手の感触や反応を確かめる。そんなたどたどしいキスを繰り返す。

たまに具合が分からなくて歯が当たったりとかする。そんな時は、つい目を開けて視線が合って・・・二人揃って苦笑したりする。



そんな事を繰り返しているうちに、頭の奥がジンと痺れてくる。やばい、これ・・・かなり破壊力がある。というか、ダメ。我慢・・・出来ない。



僕は、一旦唇を離す。そして、先ほどよりも瞳がとろけているフェイトを見る。





「フェイト、あの・・・えっと」

「・・・いいよ」



言いたい事、分かるってどういうことさ。僕びっくりなんだけど。



「分かるよ。その、キスだけじゃなくて、他の事もしたくなっちゃったんだよね。いいよ、して・・・欲しいな」

「分かった。あ、でも・・・嫌とか、怖いとかだったら、すぐに言ってね?」

「うん」





・・・少し身体を起こしてから、僕は手を動かす。その手に触れるのは、フェイトの胸。か、かなり緊張してるけど・・・頑張る。大丈夫、まだ描写出来る。これならまだ描写出来る。

フェイトの身体が震える。瞼が硬く閉じられているけど、嫌・・・とは言わないので、そのまま、ゆっくりと白のYシャツの上から、フェイトの胸を撫でる。優しく、優しく・・・。

や、やばい。本当は他の愛撫もした方がいいんだろうけど、無理。僕・・・なんか今すっごい手一杯。



手から伝わるのは、シャツの生地の感触と、それとは違う素材の感触。多分、フェイトの下着。そして、ふにふにとした柔らかさ。

フェイトの、やっぱり大きい。というか、あの・・・撫でているだけなのにすごく柔らかい。

フェイトはそのまま、緊張を含んだ息を吐いているけど、拒絶の反応は・・・無い。大丈夫、だよね。





「フェイト、大丈夫かな」

「うん、大丈夫。というか、ヤスフミも大丈夫?」

「・・・なんで僕?」

「だって、ヤスフミの手、すごく震えてる」



あ、あはは・・・。さすがに見抜かれるよね。僕も自分で分かってたもの。



「その、やっぱり緊張して」

「・・・そっか。なんだか、嬉しいよ」

「そう言ってくれるのはありがたいけど・・・ごめん、あんまりうまく出来ないかも」

「ううん、それは大丈夫だよ。・・・あ、それなら」



フェイトが、少しもぞもぞと身体を動かして、自分の両手を僕の両手に重ねる。

まだ、自分の胸に乗っている手に。それだけで、震えが止まった。



「・・・よかった、ちゃんと止まってくれた」

「あの、ありがと」

「どういたしまして。それじゃあ・・・続き、だよね」

「うん」





そのまま、僕は一度深呼吸。気持ちを落ち着かせながら、ゆっくりと、本当にたどたどしく指を動かして





「やっさんっ! 無事かっ!?」





ドアが開く音。そしてドタドタと足音。僕もそうだけど、フェイトも驚きながら身体を起こして、そっちの方を見る。

すると・・・出てきたのは二つの影。一つは女性。一つは男性。



ヒロさんと、サリさんだった。そして、二人とも目を見開いている。



そのまま数秒間沈黙。互いに言葉が出てこない。というより、思考そのものがストップしていると思われる。





「・・・え、えっと・・・もしかしなくても、私ら邪魔?」

「そ、そうだな。あー、二人とも無事っぽいし・・・うし、帰るわ。ま、まぁ・・・ごゆっくり」




そのまま、二人は出て行った。ご丁寧に鍵まで閉めたらしい。音がした。



そして、僕とフェイトは顔を見合わせる。



そして・・・。





「「・・・・・・なんなのこれっ!?」」










なお、この後・・・続きなんて出来るわけがないでしょうがっ! 二人して気が抜けちゃったよっ!! これで続きしろって、どんな無茶振りっ!?





あぁ、なんでこんなことにっ!? 僕が一体なにしたって言うのさー!!




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・やばい。やばいよ俺ら。なぁ、ヒロ。俺ちょっと逃げるわ。具体的には解散まで行方くらませるわ」

「なに一人で逃げようとしてんのっ! つーか、私も連れてけよっ!! あぁ、マジで私らやっさんとフェイトちゃんに殺されるんじゃないのっ!?」 

≪姉御、今ボーイやブロンドガールからすげー勢いで通信かかってきてるんだけど、どうする?≫

≪こちらも同じくですね。これは相当お冠でしょう。・・・あの状況、察するにそうなっている時に・・・というところでしょうから≫

「「あぁ、やばいっ! それは絶対にやばいー!! というか、二人ともごめんー!!」」




















(第5話へ続く)




















おまけ:その後の様子




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・せっかくラブラブしてたのに」

「まぁまぁ・・・。ヒロさんもサリさんも、私達のこと心配してくれての事だったみたいだし。それに、その・・・まだ大丈夫ではあったじゃない?」





お布団の中で、パジャマに着替えたフェイトとそんな話をする。なお、メールが来た。そして事情を聞いた。フィアッセさん来訪の事でかなり心配したと。それで合鍵を持ってきて突撃調査したと。



まぁ、事情は分かるので、今回は不問にする。主に、フェイトの今の苦笑を代価に。





「それに、あの・・・ステップアップはしたから、いいと思うんだ。ようやくキス・・・出来たから」

「そ、そうだね。・・・フェイト、ありがと。初めて、僕にくれて」

「うん・・・。あ、でも私もヤスフミの初めてもらってるから、おあいこだね」

「確かにそうだね」



そう言って、笑いあう。・・・さっきまでのエッチな雰囲気はないけど、幸せで、安心する時間。

フェイトと手をつなぎながら布団の中に居て・・・少し思った。



「やっぱり、手放せないな」

「え?」

「フェイトとのこういう時間。エッチな事がなくても、すごく幸せだから」

「・・・うん、私も同じだよ。ヤスフミとこうしていられて、すごく幸せ」



ならよかったと、胸の中で安堵する。その、僕の気持ちはともかく、フェイトの気持ちがどうとかってやっぱり考えちゃうから。

僕は、幸せ。だって、大好きな人と、ずっと想い続けていた人と、ようやく・・・ここまでこれたんだから。



「フェイト、ひとつ質問」

「うん?」

「不安な気持ち、消えてる? 僕、ちゃんと好きの気持ち伝えられたかな」





フェイトは、その言葉にうなづ・・・かずに、僕の頬に両手を添えて、ゆっくりと唇を重ねてきた。

僕はそのまま受け入れる。柔らかくて、甘い感触。・・・うぅ、やっぱり幸せ。



そして数秒後、唇が離れた。そして目を開くと、フェイトが優しい目で僕を見ていた。でも、顔は真っ赤。すっごく真っ赤。




「だ、だって・・・私からキスしたのは初めてだから」



・・・納得しました。



「とにかく、ヤスフミの気持ちは伝わったよ。沢山、伝わった。でも、今日だけじゃなくてもっといっぱい、沢山伝えてくれるとうれしいかな。私、ヤキモチ焼きだから、すぐに不安になるんだ。
もちろん、私も伝える。なりかけで、リインやフィアッセさんに比べたら弱い気持ちかも知れないけど、ヤスフミへの気持ち、ちゃんと伝えるから。・・・というか、私も、伝わってたかな?」

「うん、伝わってたよ。あと・・・ありがと」

「うん、どういたしまして」










少しだけ、本当に少しだけ進展した関係。





キス出来たり、フェイトの胸に触れたり・・・そういう事で気持ちを伝え合って、受け止めあった。





心での繋がりだけじゃなくて、身体での繋がりも頑張りたい・・・か。うん、フェイトの言う通りだよ。





エッチな意味だけじゃなくて、こういうのって、凄く・・・本当に凄く、大事な事なんだ。




















(本当に続く)




















あとがき



古鉄≪えー、この時は空気を読んでスリープモードに入っていた古き鉄・アルトアイゼンです≫

ヒロリス「やっさん、フェイトちゃん、まじごめん。頼むからスターライトとザンバーブレイカーだけはやめて欲しいと心から思うヒロリス・クロスフォードです。
・・・で、今回のOPのネタはこのオチを暗示してたわけね?」

古鉄≪正解です。まぁ、1番の理由は最近うちの馬鹿作者がHTMLのタグの使い方を少し覚えたので、試したかったというのがあるんですが≫

ヒロリス「え、1番の理由そこっ!? そのために私とサリはスターライトやザンバーブレイカーでぶっ飛ばされたり、本編中で死亡フラグ立てたりしたわけですかっ!!」





(JACK POT!!)





ヒロリス「大当たりじゃないよっ! 今回私らマジで感じ悪い人じゃないのさっ!! 作者なに考えてるのっ!?」

古鉄≪大丈夫ですよ。というより・・・ここで最後までいっちゃうのも考えたんですけど、もうちょっと先延ばしにすることにしました。いや、だって・・・ねぇ? 皆さん忘れてるでしょうけど、この後大イベント控えてるじゃないですか≫

ヒロリス「・・・あ、そう言えばそうだね。えっと、やっさんとフェイトちゃんが帰ってきたのが2月の10日。で、今回のお話が2月の11日・・・なわけだから」

古鉄≪どうせなら・・・ということです。まぁ、下手をするとまた寸止めの可能性がありますけど。もちろん、トラブル込みで≫

ヒロリス「いやいや、さすがに四度目だしさ、もう許してあげようよ。さすがにまた乱入とかは無いって」

古鉄≪えー、でもマスターは不幸じゃないと視聴率に影響が≫

ヒロリス「・・・あ、それなら納得だわ。アイツは不幸で何ぼのキャラだしね」





(どこからか抗議の声が聞こえてくるけど、気のせいだ)





ヒロリス「で、それはそれとして次回からはいよいよ六課での日常再開だね。前予告としては危機がどうとか、世界が崩壊するとかって言ってたけど、それどうなるの?」

古鉄≪えー、こちらに予定表が載っております。どうぞ≫





(青いウサギから表紙に『機密事項』と書かれた用紙を渡された最強の姉弟子。それを捲って・・・固まる)





ヒロリス「・・・これ、マジ?」

古鉄≪マジです。元々連載開始当初からこの構想はあったんですよね。まぁ、この辺りは次回のあとがきにでも詳しく話すということで≫

ヒロリス「こ、これが起きて・・・この展開? うわ、マジで世界崩壊の危機だわ。しかも、特にオリジナルの敵組織と戦闘とかでもないのにこれとは・・・どんだけだよ」

古鉄≪まぁ、その辺りは今後のお話で注目していただくとして・・・今回はここまでっ! お相手は古き鉄・アルトアイゼンと≫

ヒロリス「ヒロリス・クロスフォードでしたっ! てゆうか・・・やっさん、フェイトちゃん、マジで初エッチ邪魔してごめんー!!」

古鉄≪そこまで気にするんですか?≫

ヒロリス「気にするさ。やっぱり初めてなんだから、それを邪魔は・・・ねぇ?」










(そんな大人な会話をしつつ、カメラはフェードアウト。
本日のED:Ricky『覚醒』)




















フェイト「というわけで、次回以降の台本が届いたんだけど・・・これ、本当にやるの?」

恭文「やるしかないでしょ。だって、もうネタ振りしてるんだし。それよりも問題は、今後の展開ですよ。あのキャラとかどうやって出すんだろ」

フェイト「あ、あの子だね。最近(2009年7月末現在)拍手でも話が出た子。・・・うーん、なんだか楽しくなりそうだね。ヤスフミ、頑張っていこうね」

恭文「うん、そうだね。あと・・・その、次にエッチするような状況になった時には、邪魔が入らないと助かる」

フェイト「え、そこは重要なのかなっ!?」

恭文「重要だってっ!! ・・・フェイト、よく考えてみて? 一度目はフェイトの体調。二度目はフィアッセさん来訪。三度目はヒロさんとサリさんが部屋の中に突入だよ?
どんどん邪魔の具合がエスカレートしてるじゃないのさ。この調子だと、今日みたいに服着た状態とかじゃなくて、僕達が裸になった時に」

フェイト「・・・絶対に邪魔はやめて欲しい。うん、絶対に。その・・・か、身体での繋がりも頑張りたいんだから、ダメ。そろそろそういう風になってもいいと思うし」

恭文「そう、だよね。あの、エッチしたいとかじゃなくて、フェイトと・・・こう、もっと深く繋がりたいな。キスしてね、そう思った」

フェイト「うん、私も・・・」

サリエル「・・・またイチャつきやがって・・・と言いたい所だけど、今回はなにも言えねぇ」

金剛≪事情込みとは言っても、思いっきり邪魔をしてしまいましたしね。仕方ありません≫










(おしまい)





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