小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説) 第10話 『全力全開 ハラハラドキドキな模擬戦』:2 そのまま、地上・・・歩道に下りていくヒロさんを追いかける。僕が降り立った途端に、右のアメイジアから袈裟の斬撃。 それに僕はアルトを袈裟に打ち込んで対抗する。その場で火花が散り、闇を照らす。 刃を返し、左からの一閃。ヒロさんはしゃがんで避けて、身を捻って下から両手で斬り上げてきた。それを下がって避ける。 そのまま刃を返し、また両手で袈裟からの一撃。同じように見切って身体を左に捻って避ける。ヒロさんの右手が僅かに動いた。僕は、大きく後ろに飛ぶ。 いや、飛べなかった。そうしようとした瞬間、鋭い突きが繰り出された。右腕からまず一突き。これを右に僅かに動いて回避。 そして、左から突き。アルトで弾いてその突きの軌道を逸らす。そして、右・・・って、しつこいっ!! 右の突きをしゃがんで回避する。いや、僅かに肩口がかすった。マントとジャケットが突きの衝撃と鋭さによって裂ける。そこからヒロさんは当然・・・雷の如く右の刃を打ち下ろす。辺りに轟音が響き、衝撃が空気を震わせる。 ・・・でも、それを僕はジガンで受け止める。なお、局所的なプロテクション付き。 そこから僕も左からの一閃を打ち込んでいた。ヒロさんはそれを咄嗟に左のナックルガードで受け止める。こちらも局所的なプロテクション付き。 そのままの体勢で・・・互いに押し込む。でも、ビクともしない。 どちらともなく後ろに飛ぶ。少しの間にらみ合った後・・・飛び込んだ。僕はアルトを右から両手持ちで袈裟に打ち込む。それをヒロさんは左のアメイジアで受け止め・・・踏み込む。刃と刃がすべり、火花を上げる。 それから、右での斬り上げが襲ってきた。後ろに引いて回避。だけど・・・剣先がジャケットを僅かに。あと、下がった時に前の方に出たマントの裾を斬り裂いた。 そこから、ヒロさんは更に踏み込んで左のアメイジアで突き。僕は右に動いて回避。 いや、突きじゃなかった。そこからすぐに薙ぎ払いが来たから。僕はまた左手を上げ、ジガンでそれを受け止める。だけど・・・衝撃が凄かった。 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 ヒロさんは、そのままアメイジアを振りぬく。その斬撃に圧されて、僕は近くのコンクリの壁に叩きつけられた。コンクリの壁が砕けて、衝撃と痛みが身体を襲う。でもでも・・・それでも休めない。 ヒロさんがこの隙を逃がすはずがない。すぐに突撃してアメイジアを袈裟に打ち込む。僕が叩きつけられた事でヒビが入っていた壁は、その鋭い一閃で完全に砕けた。 そこから刃を返し、僕にまた両手の刃を使った、横から打ち込みが来る。大きく踏み込みながらの打ち込み。そこに向かって、アルトの刃を叩き込む。 互いに攻撃に構わず振り抜かれた一撃は・・・再び火花を散らし、闇を照らす。 「・・・へぇ、やるじゃん。弛んでると思ってたのに」 「そりゃあこっちのセリフですよ。ロートルに戻ったから、すっかりなまくらになってるもんだと思ってました」 ヒロさんと一瞬・・・本当に一瞬だけそんな事を言いながら、左の刃で真一文字に打ち込む。僕は飛んで・・・空中に魔法陣の足場を生成。 宙返りするように身を捻ってから、その足場に足を乗せて、そこからまた一気にヒロさんに飛び込む。 ヒロさんはそれを右の・・・いや、両手のアメイジアを交差させて、受け止める。 それから、腹に衝撃。・・・ヒロさんはそのまま右足を上げて、僕に蹴りを叩き込んでいた。身体がくの字に折れて、少し吹き飛ばされる。 「アンタ、随分・・・言ってくれるねっ!!」 ヒロさんの姿が視界の目の前から消える。・・・左に殺気。空中を踏みしめるように動きを止めて、右手でアルトを打ち込む。そこには、右のアメイジアで突きを放っていたヒロさんが居た。切っ先には、白い魔力光。 それをアルトの刃が弾いて、軌道を逸らす。・・・だけど、僅かに左肩・・・二の腕の方をかすった。そこのマントとジャケットがまた裂ける。 そこに左のアメイジアから袈裟の斬撃。それを刃を返して、受け止める。そして、左足を動かす。狙うは・・・わき腹。 がら空きだったわき腹に向かって回し蹴りを放つ。そのまま強引に振りぬいて・・・ヒロさんを吹き飛ばした。 そのままヒロさんは歩道の路面に叩きつけ・・・られない。飛行魔法で軌道を制御して、左のアメイジアに魔力を宿し、そのまま振るう。それはいわゆる斬撃刃になって僕へと直撃した。爆煙が広がり、僕はその中に飲み込まれる。 「・・・何を言いますか。これくらいの挑発は、僕達にとっては普通でしょうが」 「あぁ、そうだったね。つーか・・・アレを咄嗟に防御かい。直撃したと思ったのに」 ・・・そう、防御した。アルトの刃を前に当てて、それで防いだ。僕は爆煙の中から姿を現す。 たった10数分・・・その間に、ジャケットが随分ボロくなった。全く、これお気に入りだって言うのにさ。マントルックもだいぶ慣れたって言うのに。 「私のセイバージャケットをボロくしたんだ、これくらいは許して欲しいね。・・・ねぇ、やっさん」 ヒロさんが構えながら、そう話しかけてきた。僕も・・・正眼にアルトを構える。 「なんですか?」 「さっきから一つ変化が起きてるんだけど、なにか分かる?」 変化? ・・・知らない。とにかく僕はそれに構わず・・・待って。 さっきから、僕達の周りで騒がしいくらいに起きていたサリさんとティアナの誘導弾合戦が・・・全く無い。というか、ティアナの幻影も姿を消してる。 あ、まさかっ!! ”ティアナっ! 聞こえるっ!?” ”・・・やられたわ” ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ・・・よし、幻影のコントロールはオーケー。射撃も・・・対応出来てる。 というか、結構綱渡りな感じがビンビンだけどね。・・・相手は現役のオーバーSを一蹴するような相手だ。油断してたら、一瞬で潰される。 六課時代に何度も模擬戦してるけど、最後の模擬戦はともかく、訓練の中で勝った事・・・一度も無いし。まぁ、ここはいいか。 ≪しかしSir、このままではあくまでも互角・・・それだけです≫ 「確かにね。このままの状態をあの二人が見過ごすわけが・・・」 瞬間、私は右に大きく飛んだ。寒気がしたから。そう、本当にそんな理由で、私はそれまで行っていた幻影のコントロールを全てやめて、回避行動に移った。 そして、それは正解だった。・・・背中に当てていた壁が、私の居た空間が、白い×の閃光で斬り裂かれたから。 ≪Sir!!≫ 「大丈夫。・・・逃げるわよっ!!」 私は、目の前のドアを蹴飛ばし、外に出る。・・・ここは、結界内の住宅の一つ。勝手に侵入して、隠れさせてもらってた。 こういうところがアイツの影響を受けてるとかなんとか言われる要因なのかな。ちょっとだけ思った。 だけど、逃げられるわけがなかった。私を覆う影。それを私は地面に映るそれを見て気づいた。 大きく前に跳ぶ。その瞬間、私の居た位置に白い魔力に包まれた槍が突きたてられた。 それを見ながら受身を取り、クロスミラージュの銃口を向け・・・数発発射。誘導弾じゃなくて、スピード重視の弾丸。その影も周りに白い魔力弾が生成されて、発射される。 それらは私と影の間で激突し、爆発した。だけど、私は構わず再び魔力弾を乱射する。 その影は・・・その爆煙の中を、弾丸の中を突っ切って、槍の切っ先を私に向ける。 その白い刃はあっという間に私に迫って・・・突きたてられた。 「・・・へぇ、いい見切りするようになったな」 その影・・・サリエルさんは、私に向かって槍を押し込む。それを私はなんとか受け止めてる。 ・・・両手のクロスミラージュをダガーモードにして、ギリギリ。 「おかげさまで、色々鍛えられましたので」 「うん、いいことだ。・・・しかし、苦労したよ。動きや配置の仕方も洗練されてきてるから、確証が持てなかったが。ま・・・この賭けは俺の勝ちだな」 そう言いながら、その人は一旦槍を弾く。そしてそのまま今度は柄の先を左から叩き込んできた。私は後ろに飛んで回避・・・し切れなかった。 そのまま柄の先が突き込まれたから。それを右のクロスミラージュの刃で弾いて、何とか逸らす。そのまま左のクロスミラージュを元の銃形態に戻して、サリエルさんに向ける。もちろん、そのまま発射。 サリエルさんは大きく跳んで・・・私に向かって槍を頭上から叩き込んできた。右に跳んで、近くの家の屋根の上に着地。サリエルさんの槍・・・金剛の刃は、地面を砕き、穿つ。 それに寒気を覚えつつ、私はまた左のクロスミラージュを向けて、撃つ。 発射された弾丸は、真っ直ぐにサリエルさんに向かって行って・・・当たらなかった。サリエルさんの姿が消えたから。 そして、私の周り・・・丁度四方を囲むようにして、白い魔力弾が放たれた。私は咄嗟に同じ数の魔力弾を生成。それらに向かって撃つ。 「シュートッ!!」 白い魔力弾はそれを回避しようとするけど、私の弾丸は的確にそれを全て撃ち落す。それから左のクロスミラージュを上に上げ、スピード重視の弾丸を1発だけ発射。そのまま・・・また大きく後ろに飛んだ。 頭上から白い砲撃が放たれたようとしていたからだ。その砲撃を構成する魔力の砲弾目掛けて放たれた私の弾丸は、それを貫き・・・その場で爆発した。そして、その爆煙の中を突っ切るようにして・・・私の前に、あの人が着地した。 そのまま、私に金剛の切っ先を向けて、数発の魔力弾を生成する。表情は・・・どこか不敵で、楽しげ。そんな表情をしながら、自分の周りの魔力の弾丸の1発を、自分の後ろに放った。 私もクロスミラージュを構えて、魔力弾を生成する。・・・どうやら、もう幻影でサポートする余裕はないらしい。 あと・・・ノックダウンも無理だった。後ろから迫っていた私が作った魔力弾・・・撃ち落されたし。 「・・・反応炸裂弾による爆発ダメージか。ラグ無しの砲撃だったのに撃ち抜かれるとは・・・やっぱ腕上げたな」 「・・・ありがとうございます」 誉めてはくれたけど・・・正直、素直に受け取れない。というか、どうやって接近を・・・あぁ、もう分かった。この人はアイツと同じく、魔法とかに頼らないで戦える人だ。 多分、魔力や生体サーチに引っかからないように処置をした上で、ここに一直線で来たんだ。どうやって? そんなの、さっきのあの人の言葉でもう丸分かりよ。 「つーかティアナちゃん、やっさんの影響受けまくってるだろ」 「さぁ、どうでしょ。・・・出来れば、見逃して欲しいんですけど」 「悪いがそれは無理だ」 「でしょうね」 そのまま・・・始まった。あまりに分の悪い戦いが。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ”現在、サリさんと交戦中。つーか・・・きつい” 待て待て、どうやってこっちの位置を探ったってのっ!? 幻影と本物の区別なんて、普通はつかないのにっ!! ≪サリのスキルを甘く見てたな。確かに本物と幻影の見分けはつかねぇが・・・出てくる反応の動き方を注意深く見てれば、これくらいは出来るさ≫ つまり、幻影と本物をサーチでの動き方で見抜いたっ!? な・・・なんじゃそりゃっ!! 「あの男、無駄にそういうの得意だからねぇ。とにかく、そういうことだよ」 目前に迫っていたヒロさんが両手のアメイジアを上段から打ち込む。それを僕はアルトを真一文字に抜き放って迎撃する。 そして、二条の銀色の線と、斬撃がぶつかり合った。 「さぁ、ここからアンタは私だけで相手だ。で、サリとティアナちゃんは、まぁ・・・すぐに勝負がつくだろうね」 「・・・やってくれましたね」 ≪あなた、珍しく頭使ってますね≫ そのまま刃を返し、再び右袈裟で斬撃を打ち込む。それにヒロさんは両手のアメイジアを右から打ち込み、再び斬撃同士が激突。 そこから鍔迫り合いになった。 「アンタ達が立ててくる作戦なんざ、頭使わなくてもお見通しにしなくてどうすんのよ」 ・・・今回の模擬戦のルールは『相手タッグを一人でもノックアウトした方が勝ち』・・・というルールである。もっと言うと、自分のチームの人間のどちらかが倒されたら負けなのだ。 この場合・・・ヒロさんとサリさんから見て倒しやすいのは誰? 二人は、それをティアナと断定した。理由は、現在模擬戦を行っている四人の中で1番近接戦闘のスキルが低いと思われるから。 そして、その相手としてサリさんが適任とした。理由は、サリさんは砲撃や誘導弾・・・遠距離攻撃にも長けていて、ティアナの射撃との撃ち合いにも対応出来るから。つまり、距離さえ詰めれば勝てると踏んだ。 ≪なるほど、つまり本能的にと≫ 「ヒロさん、それは原始人レベルです」 「うっさいよっ! つーか、頭どうこうの話をやっさんから・・・」 アメイジアからすごい力が伝わってくる。そのままヒロさんは強引にアメイジアを振りぬき、僕達を吹き飛ばした。 そして、左手のアメイジアが形を変える。剣の刃が分割され、その間にワイヤーが繋がれる。いわゆる蛇腹剣。 「言われたくないのよっ!!」 刃の鞭と化したアメイジアを、ヒロさんは振るう。蛇腹剣の切っ先が白い魔力を纏い、僕達に迫る。 だから僕は、魔力を込める。青い・・・全てを斬り裂く刃を叩き上げる。 「鉄輝・・・!!」 刃を上段から・・・蛇腹剣の切っ先に向かって、打ち下ろすっ!! 「一閃っ!!」 その斬撃を食らった刃は地面に叩きつけられて、その場でバウンドする。コンクリートの歩道が砕け、欠片が宙に舞う。 そこから僕は・・・一気に踏み込む。アクセルが羽ばたき、風を・・・空気を切りながらの突撃。青い羽を撒き散らしながらも、僕はヒロさんの懐に入る。アルトの刃を返し、左から横薙ぎの一閃。それをヒロさんは右のアメイジアで受け止める。 「つまり・・・僕がヒロさんを瞬殺すれば問題無いわけですよね」 「ほう、面白いこと言うね。確かに理屈としてはその通りだけど・・・やらせると思う?」 「やりますよ。・・・つーか、甘く見てるのは・・・そっちだ」 そのまま、強引に僕はアルトを振りぬき、ヒロさんを吹き飛ばす。そのまま身体を回転させて・・・後ろからまた迫っていた蛇腹剣の切っ先を斬り払う。 そこからまた刃を返し、再び上段から一閃。動きを止めようとしなかった蛇腹剣を地面に叩きつける。僕は大きく後ろに飛んで、ヒロさんとの距離を開ける。 ≪なぁボーイ、頼むから俺の扱いは丁重にして・・・だめか≫ 「だね」 そんな言葉には耳を傾けず、僕は鎖を・・・解く。そうして心の奥に縛り上げている獣を開放する。 そのイメージだけで、体中に力が溢れてくる。自然と、笑いがこみ上げてくる。 「・・・なに、久々に修羅モード発動?」 「当然でしょ」 ・・・それくらいしないと、この状況で勝つのなんて・・・無理だし。 ”・・・ね、アンタ、聞こえる?” 届いた念話は・・・ティアナからだった。 聞こえるよ。そっちはどう? ”かなりやばい。ま・・・アンタとの訓練のおかげで、簡単には近接戦闘でも倒されなくなったけどね。 槍も捌いて、流して・・・なんとか対処してるって感じ。で、ここからなんだけど・・・” ”なにか手が?” ”ある” ティアナが言って来たのは・・・かなり博打だった。つーか、それなら普通に僕が神速使ってヒロさん潰した方が早いんじゃ。 ”なに言ってるの。二人の近接戦闘のスキルを甘く見たらだめよ。現にアンタだって、神速のスピード・・・感じ取れるんでしょ?” ”・・・まぁね” 士郎さんや美由希さん曰く、そうとう高いという僕の反射速度と危険察知能力・・・それのおかげで神速のスピードの攻撃も・・・あの、防ぐだけならなんとか。 ただし、そうとう確立低いけど。 ”二人だってその辺りは絶対に読んでるに決まってるし、神速は体力の消耗も激しいし連発も出来ない。この状況で使うにはちょっとリスクが高いわよ。 なにより・・・これはタッグ戦。アンタ一人が頑張って勝ちましたじゃ、意味ないでしょ。私にだって・・・意地があんのよ” ”・・・わかった。んじゃ、それに乗っかるわ” ”うん、お願いね。・・・背中、任せるから。だから・・・アンタも私に背中、任せて。一応、パートナーなんだしね” ・・・はいっ!? ”変な意味じゃないわよ。友達・・・ヒロリスさんとサリエルさんみたいな感じ。リインさんやフェイトさんとはまた違う意味で、アンタとはそんな感じになれたらいいなって・・・ちょっと思ってたの。 だから、頼める? 私は任された以上・・・後悔なんて、絶対にさせないから” ”・・・とっくに任せてるつもりだけど?” ティアナと・・・ヒロさんとサリさんみたいな感じ・・・か。うん、悪くないかも。恋愛とかそういうの抜きでいいなら、僕の方はなんの問題もない。 なんというか、やっぱりティアナとは気が合うしね。だから、なんかリインやフェイトと一緒に戦ってる時と同じくらいに・・・安心出来る。 ”・・・そっか、ありがと” それだけティアナが言うと、念話は終わった。 僕は、アルトを鞘に納めた。んじゃま・・・行きますか。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ・・・え、えっと・・・どういうこと? さっきからあたし達、状況についていけてないんですけど。 「えっと、つまり・・・ヒロさんがヤスフミを足止めしている間に、サリさんが接近戦を挑んでティアに攻撃・・・ということだね」 「今回の模擬戦は、どっちか一人でも相手に倒されたら負け・・・いうルールやからな。ガンナーで接近戦が苦手なティアナ潰すんが早いって判断したんやろ。 サリエルさんは後方支援や射撃戦が得意やけど、金剛使うての近接戦闘も相当やから。普通に恭文も負け越してるしな」 負け越すって・・・恭文がっ!? そんな、どうしてっ!! 「あむちゃん、忘れたの? あのお二人は恭文くんの兄弟子に当たる人達なのよ?」 「・・・あ、そっか。魔導師としても先輩で、すっごく強いんだっけ」 「そうやな。ぶっちゃけ、もう魔導師として現場に出たりはしてへんけど、それでも恭文やティアより格上や。 現に、フェイトちゃんもヒロさんと模擬戦して、1発でぶっ飛ばされたことあるし」 「うぅ・・・思い出させないで。あれは色々と反省なんだから」 ・・・なんだか、あたしの中で魔導師として戦ってるの恭文だけだから、すっごく強いって印象があるんだけど・・・そうじゃないんだよね。 恭文より強い魔導師の人も居るんだ。当たり前のことかも知れないけど、あたし全然考えてなかった。 「なるほど・・・。というかというか、それって卑怯じゃないですかー? アンフェアアンフェアー」 「ややちゃん、そないなことないよ? 戦いに置いて敵の急所や弱みにつけ込むんは常套手段や。それ言うたら、ティアナが隠れて幻影出すのかて卑怯言うことになるよ?」 「・・・た、確かに」 「まぁ、サッカーでも敵の陣地の弱いところを狙ったりするからな。これは卑怯とかじゃねぇよ」 始まってほんの十数分。だけど、その間あたし達はずっと目が離せなかった。前で斬りあっている恭文とヒロリスさんもそうだし、少し離れた場所で槍を持って襲い掛かるサリエルさんに、それにクロスミラージュを剣みたいにして応戦しているティアナさんにも。 というか、魔導師同士の戦いって・・・こんなに激しいんだ。恭文のジャケット、なんかボロっちくなってるし。あたしもそうだけどガーディアンの皆もこれには驚いてる。だって、恭文があんな風になるのなんて、今まで見た事ないし。 「それだけ、恭文君の姉弟子という方が強いのね。・・・どれも寸前ですれすれの攻撃ばかりだもの」 「そうだね。というか・・・これ、下手をすると蒼凪君もクロスフォードさんも大怪我するんじゃ」 「ヒロリスさん達もそうやけど、恭文も加減せぇへんからなぁ。見ててヒヤヒヤするわ」 そ、そうだよね。首とか肩とかわき腹とか・・・そういう斬られたら絶対に危ないところばかり。それを互いにすれすれで避けて、攻撃をしている。 「魔導師同士の戦い、まさかここまでとは思わなかったわ」 「だな。・・・こりゃ日奈森、アイツから信用してもらうのは相当大変だぞ?」 ・・・そうだね、なんかあたし、あの時『信用しろ』って言ったのがどれだけ無茶だったのかを痛感・・・ってあれ? なんでその話知ってるの? 「いや・・・その・・・なぁ」 そう言って空海がダイチを見る。ダイチは・・・ラン達を見る。・・・ほほう、そうですかそうですか。ラン達が喋ったんだ。 後でお仕置きだね、これは。今はしゅごキャラが見えない人が大半だから、何も出来ないけど。とりあえず、視線で『覚えておきなさい』と威圧してみたりする。 「・・・あの、八神さん」 「なんや?」 「蒼凪君・・・なんか雰囲気変わったんですけど」 そう、恭文が鞘にアルトアイゼンを納めてから・・・いや、その少し前から雰囲気が変わった。 あの時見た怖い瞳と怖い雰囲気、全開にしてる。 「あぁ、あの子・・・本気になったみたいだから」 「本気・・・ですか?」 「えぇ。あぁなると完全にお話出来なくなっちゃうから、私達はやめるようにって言ってるんだけどね」 そのまま・・・恭文はヒロリスさんとにらみ合う。そうしながら、変形した鞘を操作する。 あたし達はそれを息を呑んで見守る。あと・・・もう一方もだね。突いてくる槍をオレンジ色の刃が出ている・・・ダガーモードだっけ。そういうので受け止めて、流して、ティアナさんもサリエルさんと戦ってる。 だけど・・・こっちは逆に距離を詰められて、離して、また詰められて・・・を繰り返している。射撃を打ち込んで距離を取ろうとしても、サリエルさんが同じ数の魔力の弾丸を生成して、それらをすぐに撃墜しちゃうから、全く出来ない。 え、えっと・・・もしかしなくても苦戦してる? 「うん、やっぱりあの距離での戦闘は、ティアの得意レンジじゃないから。でもフェイトさん。ティア・・・随分クロスレンジでの戦闘、上手くなりましたね。六課解散の時から比べると見違えるようです」 「うん。この辺り、ヤスフミと相当訓練してたんだ。魔法無しでの戦闘も視野に入れてね」 「なるほど・・・。でも、ティアと恭文のコンビ・・・やっぱり相性良さげだなぁ。うぅ、ティアの隣は私のものなのにー」 「スバルさん、それはそうとう危ない発言だと思うんですけど・・・。でも、ティアナさんも恭文も狙ってますよね。もしかしたら、ヒロリスさんとサリエルさんも」 ヴィヴィオちゃんがふとつぶやいた。それに魔導師組は全員うなづく。 え、えっと・・・狙ってるって、なにを? 「あぁ、みんなは分からんわな。あんな、今画面に出すからよう見て欲しいんよ」 八神さんがそう言って、また画面を出す。そこに映るのは・・・あ、もしかして地図? 「正解や。でな、まずこの赤く光ってるんが、ティアがサリエルさんに見つかった所。で、青く光ってるんが、恭文とヒロリスさんが対峙してる所」 その言葉に、全員が画面に注目する。・・・結構離れてるよね。えっと、町の地形は同じなんだから・・・そう考えるとティアナさんの魔力弾ってすごいんだ。こんな距離が離れてても戦えるんだから。 「それで、これから赤い光が移動していくけど・・・それが今まで交戦しながらティアとサリエルさんがどう動いたかと言うものやから」 そうして、赤い光点が動いていく。・・・え、えっと・・・これってどういうことですか? ティアナさんとサリエルさん、もしかして・・・戦いながら恭文に近づいてる? 「そうだよ、多分・・・近づこうとしてるのはティアナだね。目的は、自分達の連携強化のために」 「でもフェイト。ティアナさんの能力では・・・この状況で恭文君へのサポートはキツイのではなくて? 現状で互いに手一杯ですもの。近づかれれば、逆に不利になると思うのだけど」 た、確かに・・・必死に襲ってくる槍を捌いて、そこから逃げて・・・だし。これで恭文と連携なんて無理なんじゃ。 「母さん、そんなことないよ? だって、ティアもそうだしヤスフミも・・・まだ、切り札を切ってないんだから」 「切り札・・・?」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 私は両手のクロスミラージュを待機状態に戻す。屋根の上を飛びながら、襲い来る槍をかいくぐりながら。 そして、それを右手に持ち、左手に取り出す物がある。それは・・・カード型のデバイス。クロスミラージュより一回り大きく、裏面にそのサイズのカードを差し込めるようになっている。 色は私の魔力と同じオレンジ色。その表面に描かれているのは、銃を持った女神の像。名前は・・・セブンヴィーナス。なお、アイツが『メガタロス』という名前をつけようとしてたのは、拳と共に全力で却下した。 いくらなんでもありえないから。そして、女神なのになぜタロスなのかを聞きたい。あと、この名前をつけた時・・・。 『・・・ね、ティアナ。それは自分が女神だって言いたいの? 残念ながらそれは間違いだよ。ティアナは女神じゃなくて、ツンデレだから』 なんてアホな事を言っていたので、もう1発ぶん殴ってやったのは罪じゃない。・・・つーか、何時までアイツは私をツンデレって言うつもりっ!? そのためにまずツンデレの象徴とも言えるツインテールをやめたのにっ! おかげでみんなから『大人っぽくなった』とか『綺麗になった』とか言われまくってるのに・・・なんでアイツだけ『ツンデレはやっぱりツインテールだよ』って言う意見なわけっ!? マジでおかしいんじゃないのアイツっ!! 「・・・悪いけど、俺はヒロと違ってそこ見逃すほどバカじゃないんでなっ!!」 思考を元に戻す。サリエルさんがそう言いながら、槍を私に向かって正面から突きたててくる。だから私は・・・魔力弾を3つ生成。 「アイツじゃありませんけど・・・変身やフォームチェンジの隙を突くのは、空気読めてませんよっ!?」 そう言いながら、その場で軽く跳んでから、足場に向かってまず一つを射出。それまで踏みしめていた足場を抜いた。 そのまま私はそこに落下。下は・・・二階建ての民家。屋根に空いた穴を潜って、サリエルさんの槍の一撃を回避。そうしながら、クロスミラージュの待機状態をそのデバイスに挿入する。 すると、一枚の大きなカードに変化した。一面には元のクロスミラージュ。もう一面は・・・女神の絵。 残していた1発を落下しながら足元に射出。それで二階部分の床を抜く。そこから・・・着地。 最後の魔力弾を射出する。それは・・・あの場に残していた最後の一つ。 それを、攻撃直後のサリエルさんに向かって発射。・・・上の方から爆発音が聞こえる。 そのまま私は外を目指して走り出す。 「行くわよ、クロスミラージュ」 ≪Yes Sir≫ 「・・・コードドライブッ!!」 そう言いながら・・・目の前にカードを放り投げる ≪ZGun Mode Ignition≫ クロスミラージュから光が放たれて・・・その光が二つに分かれる。その内の一つはまた四つに別れて、私の太ももと背中に当たる。 まず、太ももの光はそのまま形を変えて、ホルスターとなる。入っているものは・・・沢山のカートリッジ。なお、いわゆる四次元ポケット方式。 そして、背中の光は大型の皮状のホルスター。それが私の背中へ装着される。ベルトは私の身体の前を通り、腰の部分にも元のベルトと融合するようにベルトが通る。そして、身体の前の部分と腰の部分にもホルスターがある。 そして、残った光が先ほどと同じように・・・いや、それよりも多く分裂して、そのホルスターに装着される。 身体の前の部分の二つのホルスターに、クロスミラージュの通常形態が二丁。 右から挿入されるのは両手用のマシンガン。左から挿入されるのは同じく両手用のショットガン。・・・まぁ、私なら片手でも扱えるんだけど。 腰にぶら下げられる形でついているホルスターに挿入されるのは、二丁の銃。ただし・・・銃身の下の方に、ナックルガードのような感じで刃がついている。いわゆる銃剣。まぁ、片手で扱えるサイズだけど。 右はガトリングの銃口。左はショットガン。完全な近接戦闘用の武装。なお、私のお気に入りで、1番出番が多かったりする。 そして、背中に斜めに右から挿入されたのは、この中で1番大きいロングライフル。ちょっとだけ仕込みで銃身が折れて三連マシンガンに早変わりする優れもの。接近されても対応出来るってのは素晴らしい。 これで、完成。これが・・・セブンガンモード。私の単独戦闘能力を極限に高めるために作られたクロスミラージュの4つ目の形態。 なお、アイツとお揃いとか、なんか似てるとかそういう話は聞かないから。・・・もうウンザリなのよ。特にフェイトさんが気にしてるし。 とにかく、私はそのまま外に飛び出す。その瞬間、四方八方から白い弾丸が襲ってくるけど、その中の一角に飛び込む。腰の両側から、銃剣を取り出して・・・左の銃剣の引き金を引く。 放たれたのはオレンジ色の散弾。それが私の目の前に迫っていた弾丸達を打ち抜き、爆散する。その中を突っ切って、近くの屋根に着地。 右のガトリングを向け、引き金を引くと普段使う弾丸よりも小さめなものがばら撒かれる。それで、迫り来る弾丸達を一掃した。 「・・・やられたな」 「えぇ、やりました。まぁ、そういうわけなので・・・」 私は、そのまま銃剣を構え、その銃口を向ける。見据えるのは・・・煙の向こうに居る敵。 「ここからは、全力全開・・・アイツ風に言うならクライマックスで行きますので。勝ち、取らせてもらいます」 ≪Sir・・・やはり彼の影響を大きく受けていますよね。もしかして、好きですか?≫ 「うっさいっ! 余計なこと言わないのっ!! てゆうか、アンタもアルトアイゼンの影響受けまくってるでしょっ!!」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ そして、そのまま腰から鞘を抜いて、声をあげる。 「ナナタロス・・・セットアップ」 青と白のラインの入った金属の鞘は形を変える。より太く・・・分厚い形に。 そして、鞘の側面・・・鯉口近くにナックルガードのような形のカードスロットが出来上がる。これで・・・完成。 ナナタロス・・・アルトの拡張用デバイス。大事な友達が協力してくれて出来上がった僕の力の一つ。 そして、僕はカードスロットを展開。右手から一枚のカードを取り出す。それはトランプサイズで、大剣を掲げる巨人の絵が描かれている。それをそのまま・・・スロットに挿入。それを閉じた。 「アルト・・・行くよ」 ≪はい≫ 「コード・ドライブ」 ≪Z Mode Ignition≫ アルトはナナタロスと共に青い光に包まれた瞬間、姿を変えた。 その光は二つに分かれる。そのうちの一つは黒い大型のホルダーへと姿を変えて、舞い上がるマントの下を潜るように、僕の背中に装着。 そこに、もう一つの青い光は更に6つに分かれ、それらは全て剣へと姿を変えていく。そして、その6降りの剣が収められていく。 二本の片刃の短剣。・・・六鉄に五鉄。 同じく二本の片刃の直剣。・・・四鉄に三鉄。 片刃で、持ち手が刃に埋め込まれている形の直刀。・・・二鉄。 そして、両刃で二股のようになっている剣。四角い唾の部分には大きめの青い宝石が埋め込まれている。・・・一鉄。つーか、アルト本体。 ・・・セブンモードっ! 久々に参上っ!! 「・・・また、随分気張るね」 「当然でしょ。これくらいしなきゃ・・・楽しくないですし」 ≪では、派手に行きますよ。そしてこのままフィナーレまでクライマックスです≫ 「つーわけで、倒すけどいいよね?」 そして、僕はその場でクルリと回り、まだなお背中から生えている翼と少しだけボロくなったマントを靡かせながら、左手でヒロさんを・・・倒すべき障害を指差す。 「・・・答えは聞いてないっ!!」 ・・・さぁ、行くよっ!! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「え、えっと・・・なんかクロスミラージュやこてつちゃんが増えたんですけどっ!?」 「そうだよ、アレが恭文とティアの切り札っ! セブンモードにセブンガンモードっ!!」 「あ、一応説明しておくと、アルトアイゼンとクロスミラージュが、形状変換で形を変えたんだよ。 あの形態は・・・なぎ君は七つの剣、ティアは七つの銃を同時に扱うことで、二人の単独での戦闘能力を高めるための切り札なんだ」 「な、なるほど・・・」 スバルとシャーリーの説明に、ガーディアンの皆は一応納得した様子を見せる。 そして、画面の中のヤスフミは一鉄形態・・・両刃の剣となったアルトアイゼンを腰のホルダーから抜いて、両手に持って・・・構える。ティアも銃剣の銃口をサリエルさんに向ける。 「・・・やっぱり、ヤキモチ焼いちゃうな」 「フェイトさん?」 「えっと・・・あむさん、聞こえた?」 その言葉にあむさんがうなづく。・・・うぅ、ちょっとダメだったかも。 「あのね、銃と剣って違いはあっても、同じようなモード使ってるし・・・なんだか、ヤキモチ焼いちゃうの」 息もピッタリだし、話も合うし、なんだかヤスフミもティアも友達ではあるけど、互いにパートナーとして認め合ってもいる感じみたいだし。 ・・・やっぱり、恋人ってだけで油断してちゃだめだね。ちゃんと捕まえておかないと、ヤスフミ逃げちゃうよ。逃げられないように、浮気されないように、私・・・頑張ろう。 もっと素敵な女の子になって、ヤスフミが余所見しないようにしなきゃ。ずっと・・・ずっと私だけを見てくれるように。 「いやいや、フェイトさんだって恭文とペアルックなんですから、妬く必要ないんじゃ」 「だから、ペアルックじゃないよっ! 普通に似てるだけなんだからっ!!」 私がそう否定の声を上げると、みんながこちらを見て・・・うぅ、失敗した。声を大きかった。なんだかニヤニヤしてるし。 というか、今日はこんなことばっかりのような気がするよっ! どうしてこんなことにっ!? (第11話へ続く) あとがき 古鉄≪さて、こうして次に続くわけです。本邦初公開なセブンガンモード、どうなるか楽しみですね。というわけで、本日のあとがきのお相手は私、古き鉄・アルトアイゼンと≫ ストラーダ≪ピーカピカっ! ピカチュウっ!!≫ (瞬間、太いビームが黄色いねずみを吹き飛ばした。そして・・・そのまま消えた) レイジングハート(みなさまご存知、例のボディで降臨)≪全く、『ピカチュウ』しか喋れないんですから、出ても意味がありませんよ。そうは思いませんか、マスター?≫ なのは「な・・・な・・・何やってるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!? レイジングハートっ! なんでいきなりバスターライフルで砲撃なんてかますのかなっ!!」 レイジングハート≪いえ、私はただマスターと共に戦うだけですから。・・・初めまして、今回のお相手であるレイジングハートと≫ なのは「それは要するに砲撃したのは私のせいっていいたいのかなっ!? ・・・と、とにかく、高町なのはですっ!!」 古鉄≪さて、今回のあとがき・・・作品の内容には一切触れずに、ある点について議論したいと思います。題して・・・『なのはさんっ! 素直になろうよっ!!』スペシャルっ!!≫ (そこからファンファーレが鳴り響く。その様子に、白の砲撃手、びっくりした様子を見せる) なのは「な・・・なにこれっ!?」 レイジングハート≪簡単です。・・・マスター、そろそろ素直になりませんか?≫ なのは「だからなにがっ!?」 古鉄≪だって、あなたはマスターが好きですよね≫ (その言葉に白の砲撃手、ずっこける。それはもう盛大に。そして、すぐに起き上がる) なのは「だ、だから・・・私は別に恭文君の事はなんとも思ってないんだからっ!!」 レイジングハート≪・・・あぁ、そうですよね。だから、最近(2009年7月現在)追加された拍手画面でのミニコントでも『本編を見ていただいた人達ならちゃんとそれが分かる』とコメントしているわけですし≫ なのは「そうだよ。だから、問題ないの」 古鉄≪・・・この、バカちんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!≫ (そうして、白の砲撃手に激を飛ばす。白の砲撃手、驚いてまたずっこける) なのは「な、なんでそうなるのっ!?」 レイジングハート≪・・・アレを見て、マスターがガチだという意見がさらに強まったからですよ≫ なのは「嘘だよっ!!」 レイジングハート≪嘘ではありません。・・・マスターがガチなのは間違いないとか、もう完全無欠に異性として惹かれているとか。極めつけは彼女に見せたら『この子は素直にならないと絶対に後悔すると思う』・・・という意見まで出てくる始末です≫ 古鉄≪あなた、真面目になんとかしてくださいよ。この調子じゃあギンガさんだけじゃなくて、あなたのイベントも本編で書かないとだめじゃないですか≫ なのは「そ、そんな・・・。どうして? もしかしてもうマルクス主義は死んだのかな。だからみんなには真実が見えなくて・・・いや、もしかしたら世界の全てがおかしくて・・・おかしいのは私? もう、なにが・・・なにがどうなっているのか・・・」 (よっぽどショックだったのか、なにやらわけのわからないことを言い出すドMツンデレは放っておくことにしたアーリーモデルとストフリは、台本に目をやる) 古鉄≪・・・さて、全ては作者が悪いという話は完全無欠にスルーして、本日はここまでとなります。なお、高町教導官へのクレームは随時受け付けております。それでは、本日のお相手は古き鉄・アルトアイゼンと≫ レイジングハート≪不屈の心、レイジングハートでした。・・・さて、アルトアイゼン。そろそろ始めますか? あなた、最近バルディッシュに馴れ馴れしいと思うんですよね≫ 古鉄≪愛があるから大丈夫です≫ レイジングハート≪それが単なる勘違いだと、教えてあげましょう≫ (なんていいながら、互いに構え・・・戦闘開始。そんな様子を映しつつ、巻き込まれて叫んでいる白の砲撃手に手を合わせつつ、カメラ・フェードアウト。 本日のED:『悲しみの向こう側』) フェイト「・・・セブンザンバーモード・・・作ろうかな」 恭文「・・・ねぇ、フェイト。色々それは台無しだと思うのは気のせい?」 フェイト「だ、だって・・・」 恭文「なら・・・あのさ、僕がフェイトとちゃんと繋がってるって・・・証明しようか?」 フェイト「え?」 恭文「行動じゃなくて、形で。それも、フェイトにだけにしか渡さないもので。・・・どうかな」 フェイト「・・・うん、欲しい。どんなものでも、ヤスフミがくれるなら・・・うれしいから」 恭文「ありがと。・・・よし、さっそく考えないと」 フェイト「まだ何も決めてなかったのっ!?」 (おしまい) [*前へ][次へ#] [戻る] |