小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説) 2018年年明け記念小説その7 『とまと芸能人格付けチェック2018 〜お前ら本当は何流だ?〜最終チェック』 前回のあらすじ――一体何なんだよ! 今回はよぉ! つーかそこ! 主人公(仮)ですらないってなんだよ! 主人公(そっくり)って意味分からないだろ! ※第四チェック終了時点 美波&卯月:映す価値なし マダマ&リンディ:一流芸能人 ダーグ&魅音:一流芸能人 銀さん&一夏:そっくりさん 恭文&ティアナ:三流芸能人→そっくりさん ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「――さぁ! いよいよ最後のチェックです! こちらを!」 春香の声に合わせ、チョコクリーム指し棒で背後のモニターを指す! ――チェックその六 牛肉―― 「最終チェックは牛肉! 今回御用意いたしましたのは、松阪(まつざか)牛フィレステーキ・一〇〇グラム一八〇〇〇円! それと比べていただくのは、スーパーの牛肉・一〇〇グラム九〇〇円です!」 「こちらのテストは、チーム全員で受けてもらうぞ。……ところでみんな、自信の程は」 「俺さぁ、肉の中だと……マジで松阪(まつざか)牛が好きなんだよ」 おもむろにそう語り出したのは、ダーグだった。その上で、なぜかカメラ目線でどや顔。 「これで間違えたら俺、肉をやめるわ」 「やめる!? え、肉をもう食べないってことですか!」 「そうそう。魅音っちもな」 「なんでだぁ! というか、ちょっと……やめてよ! うちの管轄でちょうど、興宮(おきのみや)肉ってブランド牛の育成を始めたばかりなんだよ!? それで肉が食べられないとか、とんだ営業妨害も甚だしいでしょうが!」 「いや、魅音様……それなら逆に当てていかないと! ね!? 大丈夫! 魅音様ならできるよ!」 「プレッシャーをかけるの、やめてもらえます!?」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 最終チェック――牛肉。 今回御用意したのは、松阪(まつざか)牛フィレミニヨン。お値段は一〇〇グラム一八〇〇〇円。 松阪(まつざか)牛は日本(にほん)三大和牛の一つ。豊かな自然の恵みと伝統の技で生み出される極上の霜降り肉は、肉の芸術品と言われています。 それを調理していただくのは≪鉄板焼き 朱華≫さん。 世界でも有名な繁華街である新宿(しんじゅく)、その中心部に店を構えるここは、各界の著名人も足しげく通う名店。 牛一頭から僅か六〇〇グラムしか取れない最高の部位≪フィレミニヨン≫を、ステーキで焼き上げていただきました。 極上の柔らかさと最高級のうまみが凝縮されたフィレミニヨンは、あのシャトーブリアンをも凌駕(りょうが)する味わいだそうです。 まさに絶品! 松阪(まつざか)牛フィレミニヨンステーキ! この店自家製のおろしポン酢で、是非御堪能ください! ……比べるのは、一〇〇グラム九〇〇円のアメリカ産ステーキ。この違い、みなさんは分かるでしょうか。 2018年年明け記念小説その7 『とまと芸能人格付けチェック2018 〜お前ら本当は何流だ?〜最終チェック』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ スタンバイルームのおもてなしも、当然ながらランクによって変わっています。 一流のみなさんはビール。魅音様はギリギリ未成年なので、口当たり爽やかなスパーリングウォーター。 そっくりさんのお前らには、三日間くらい放置した水でいいよな。ほれ、ワンちゃん用の容器に入れてあるから、ぐいっと飲め ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ござに座って、犬の容器を前にぼう然とする僕達……知ってはいたけど! こういうものだって、知っていたけど! でも酷(ひど)い! 「……凄(すご)い光景だよなぁ」 「もはや人間扱いされているかも怪しいぞ、これは」 そう言いながら一流のダーグとマダマは、微妙な表情でこちらを見ていた。 なおリンディさんは何も言えず、魅音は腹が痛そうに突っ伏していた。そのまま倒れてしまえばいいのに。 「新年早々、またこの屈辱を味わうなんて……!」 「でも、次……次クリアすれば、終わり……!」 「……オレ、千冬姉達になんて顔をすれば」 「それを言えば俺なんて、もう小栗旬なんていえねぇぞ! くそ、全てはライアーのせいだ!」 「なんでですかぁ! 銀さんだっていろいろ間違えてたでしょ!」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ それでは醜い争いがまた始まる前に、チェックをスタートしていきましょう。 まずはそっくりさんだと判明した銀さんと、とまとでの設定を考えると笑えない状況のライアー。 それでも、最後の意地を通して、消えることだけは避けられるか。正念場の試食です。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ いつも通り目隠しをした上で、二人は一切れ分……できたてのステーキを一つ、また一つとほおばっていく。 熱々の肉とそのうまみに酔いしれながら、出した答えは――。 『絶対、外せない……もっと、もっとかみ締めないと』 『えぇ……!』 『気合いだけなら一流。そっくりさんの友達が出した答えは』 『『……よし、AB』』 その優柔不断なハモりで僕達は失笑。 「おもんないぞー!」 「春香、アクセントが違う」 「え!?」 『じゃあ……一夏』 『えぇ。こう、口溶けまでに、しっかり肉だって食感が残っていた……Bにします』 『おう、俺もそっちが美味(うま)いって感じたぞ。やっぱ肉は食べごたえだよなぁ』 『何だかんだで仲のいい二人、味覚もバッチリ一致して、Bの部屋に――』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 続いては、パーフェクトカップル(そっくりさん)。しかしこの二人にはめげずに頑張ってほしい。 特にティアナについてはランクこそアレですが、正解率で言えば歴代最高記録がかかっています。 第三チェックでのミスは停滞としても、成長の証(あか)しは確かに見られているのです。それは何としても死守したいところ……果たしてどうなる! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「さて……ティアナちゃんはともかく、やっさんも食べるのは好きだし、味覚はそこそこいい方……だったんだが」 「アワビとカタツムリを間違えた時点で、もういろいろ台なしになっていますよね。これまでの経歴」 「や、やめて……僕に突き刺さる」 『アワビとカタツムリの違いさえ分からないパーフェクトそっくりさん二人に、フィレミニヨンの味が分かるのか。 八神の恭文君がまたも衝撃に打ち震える中、慎重に試食を続ける二人は……』 というか、それだけじゃないよ……サリさん達から哀れまれているよ! どういうこと!? 春香に至ってはまた閣下アイズだったし! でもね、僕は知ってる! サリさんはともかく、春香は僕とさほど変わらないって……。 『……これは』 『えぇ』 あ、二人がアイマスクを外して、札に手をかける。……そうして鋭く挙手! ――A―― 『げ……!』 『おいおい、マジかよ』 その結果に銀さん達のそっくりさんどもも動揺し、僕達もつい前のめりになる。 「おっと! これは面白くなってきましたよー!」 「あぁ! どっちかが消える……この最終問題で、完全に消える!」 「IS&銀魂対リリカルなのはの図式ですね!」 『Aは口溶けが……肉の線維がほぐれていく感じが、とてもスムーズなのよね。それでジューシーだけど、気持ち悪く感じることもなくて』 『脂もサラサラだったしね。でも……これで、いいのかな。だって、僕達はアワビとカタツムリの違いも』 『落ち着きなさいよ! 大丈夫……落ちるときは私も一緒なんだから』 「ティアナっぽいおっぱい、カッコいい! これでそっくりさんじゃなければまだよかったのに!」 『春閣下の言う通りであります。というわけで主人公(そっくりさん)、ティアナっぽい中原麻衣に引っ張られAの部屋へ』 ――その結果、Bの部屋にいる二人は不安げだった。そうとは知らない二人は、そそくさとAの部屋に。 『あれ……銀さん達、そっち!?』 『あぁ……まぁ頑張れよ。映す価値なしってことは、エロエロしても見えないってことだからな』 『アンタは何言ってんのよ! そんなことするわけないでしょ!』 『ホントですよ! 銀さん、画面で映らないだけですからね!? でもいるんですよ! 卯月さん達とか、完全に死亡してましたけど!』 『……水族館』 『『……………………ぎゃあああああああああ!』』 『何でアンタ達もそこで驚くんだぁ!』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 果たして水族館で何があったのか……それを知るのは、同人版を見ていただいた方だけです。 というわけで、パーフェクトそっくりさんどもが恥ずかしげに身を寄せ合っている間に、続いてはチームターミナルの挑戦。 何だかんだで一流をキープしていますが、魅音様は年若いゆえに経験不足なところも多い模様。 実際第三チェックも、問題傾向を読まなければかなり危うかったです。果たして今回も無事に乗り切ることができるか。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 『……これは』 『あぁ。どうやら肉断ちはしなくて済むようだ』 「お、ダーグ様は強気だなぁ」 「本当に好きなんですよねぇ。終始笑顔でしたし」 「……その笑顔だけで、何をどう思ったか丸わかりってなんだろうね」 『肉との御縁もかけた勝負……果たして二人の結果は!』 二人は鋭く札を挙げ……その答えに目を見開き、お互いを見合う。 『おいおいおいおい!』 ――B―― 『ダーグ、そっちなの!?』 ――A―― 「よし、分かれた! ファイ! ファイファイ! ファイ!」 「いいぞ、やれー! 殴り合い宇宙だー!」 「八神のやっさん、それはセイ君とレイジ君だ」 さぁ、どうするかなー。前歴で言えばダーグ様優勢なんだけど……魅音様が食い下がると楽しいと思う。 『いや、Bの方がジューシーではあったけど、味の広がりではAでしょ』 『そうかぁ? こう、肉の深淵(しんえん)に近づいていたのはBだよ。俺、見えたもの。たこ足見えたもの』 『肉なのに!?』 『ダーグ、違う! その深淵(しんえん)はこう、なんか繋(つな)がっちゃいけないやつだ! アビゲイルがちょくちょく開けてる鍵だ!』 肉を食べてクトゥルフに繋(つな)がるグリード……なんて混沌(こんとん)とした様子なんだろう。 『いや、でも……そうかぁ。おじさんもさ、興宮(おきのみや)牛計画のために最近いろいろ食べてたんだけど、経験値じゃダーグが上だしなぁ』 『まぁそこそこ長く生きてるからな』 『で、肉の中では松阪(まつざか)牛が一番』 『おう!』 『……よし、分かった! ここは信じるよ! でも……肉断ちとか、マジで駄目だから! ね!?』 『最後でものを言うのは経験と、ふだんからの信頼。チームターミナル、ダーグのプライドも賭けつつBの部屋へ』 意気揚々とBの部屋へ入っていく二人……すると当然ながら、その光景にぎょっとするわけで。 『あれ……銀さん達だけ!?』 『つーことは、どっちか消えるのか! おいおいおいおい……すげぇなおい!』 『それを言わないでよ! でも、大丈夫……こっちには、マダマ様達が来るから! きっとくるから!』 『何言ってんだ! その恐竜、前にへたれて間違えただろ! まだ分からねぇぞ!』 『………………そう言えば…………………………やべ、肉断ち決定かも』 『『急にへたれるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』』 『ほんとよ! さっきまでの自信はどうしたの!?』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ というわけで、最後はチーム一流のお二人……が、なかなかに面白い展開となったので、またまた緊急措置を発動。 お二人はチェック終了後、もう一回だけVIPルームの方に入っていただきます。 今回はその回答についても、答え合わせの後に公開という形に……つまり、震えて眠れ。 ――というわけで、これにて最終チェックは終了。みなさん、ここまで大変お疲れ様でした。 支配人が入る部屋が正解ですので、しばらくの間お待ちください。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ いや、正しく波乱のバトルだった。まさかここまで両極端に明暗が分かれるとは……僕も映す価値なしだしね! やっぱ再修行だ……鍛え直しだと決意しながら、二つの部屋を前に深呼吸。 両方のドアノブに手をかけ、がちゃがちゃ……がちゃがちゃ……! 「八神ぃ! もういい! 殺せ……殺してくれぇ!」 「そうよ! すぱっとやればいいじゃない! もう覚悟はできているわよ!」 それは安心……というわけで、Aの部屋をオープン! 「あ…………………………アンタァァァァァァ!」 「おっしゃああああああああああああ!」 蒼凪が立ち上がり、全力ガッツポーズをしたところで……ドアをクローズ! しっかり閉じた上で、Bの部屋をオープン! 「……やったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ダーグ」 「お肉様、これからもよろしくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」 ダーグ様は天に拳を突き出し、昇天しそうなポーズ。その神々しさに……ドアを閉じて、Aの部屋を再度オープン! そのまま春香達と突入! 「「「おめでとうございまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁす!」」」 「「え!?」」 すると、ドアが閉じられてずっこけていた二人が、慌てて起き上がり笑顔の僕達をガン見。 「ぼ、僕達……正解!? 当たってるの!?」 「それはもう!」 「よかった……アンタ! 消えなかった! 私達、ギリギリで踏みとどまれたわよ!」 「うん……うん! お肉様ありがとうー!」 そうして二人は熱烈な抱擁……さらに、感極まってか凄(すご)い勢いで頬ずりし合う。その様子を見守りながら、更に拍手を送る。 「でも……そうなると銀さん達は」 『おい、待て……ちょっと、待てよ。今の、ズルいだろ……』 すると、ダーグと魅音しかいない部屋から声が響く。しかも響いているのは、既に消えた奴の声で。 「銀さん、大丈夫ですよー! 恥ずかしい姿すら映ってませんからー!」 「あぁ。完全に消えているからな」 『………………へごちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!』 『いや、卯月さんは関係ないでしょ! でも、でも……みんなぁ! マジでごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!』 『ちょっと、ダーグ……どうするの』 『………………………………なーんちゃって!』 『そんなんで誤魔化(ごまか)されるかぁ!』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 『はい……というわけで、正解はA! パーフェクトそっくりさんども、おめでとう! では……先ほども申し上げたように、ジェイル様達の答え合わせといきましょう。 同時に今回のチェックにおける模範解答ともなりますので、そっくりさんどもとかはよく見ておくように』 突然の変更で驚いたものの、番組を盛り上げるためならばと快く了承。 お肉を慎重に頂き、出した答えは――。 ――A―― 「これは、すぐに分かっちゃうわよねー」 「だな」 リンディ提督と顔を見合わせ、つい苦笑。いや、本当に……すぐ分かるんだよ、これは。 「これまでいろいろ食べてきて気づいたが、松坂(まつざか)の特徴は……品質のいい脂なんだよなぁ」 「ほとんど運動することのない部位だから、無駄な脂が一切ないのよね。 ……噛(か)んだときの歯ごたえが、ぷつ……ぷつっていう感覚が気持ちいいわ」 リンディ提督の言葉には、つい何度も頷(うなず)いてしまう。……その上で我々は、ほぼ同時にテーブルに突っ伏す。 「でもよかった……! 私断ち、まだいける! まだお肉、いけるわ!」 「あぁ……あぁ! このお肉が美味(おい)しいと思えるうちは、私達は安泰だよ!」 「頑張りましょうね、これからも!」 「お互いにね!」 でもすぐに起き上がり、ついしっかりと握手……何だか、いろんな壁を乗り越えられた瞬間だった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 今回はいろいろと新しい要素を盛り込んでみたのですが……これは酷(ひど)い! 一回多くするだけで、こんなエグいことになるんだね! よし、次回もやっていこう! ※全チェック終了結果 美波&卯月:映す価値なし マダマ&リンディ:一流芸能人 ダーグ&魅音:一流芸能人→三流芸能人 銀さん&一夏:そっくりさん→映す価値なし 恭文&ティアナ:そっくりさん ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「みなさん、長丁場となりましたが……これにて全てのチェックは終了です! お疲れ様でしたー!」 「ただ……残念なことに、ダーグと魅音が三流だと判明してしまって」 そう……あれだけ煌(きら)びやかだった二人は、最後の最後で躓(つまず)き、薄汚い椅子とスリッパ、看板に囲まれてへこみ気味。 特にダーグは、あれだけ愛を語っていた肉で間違えてしまったからか、物すごくしょぼんとしていた。 「ごめん……なんか、ごめん。俺、修行し直してくる」 「へこみすぎでしょうが……! 落ち着きなって!」 「まぁダーグを庇(かば)うわけじゃないけど……今回調理を担当してくださったお店さん、凄(すご)く頑張ってくれてね。 安いお肉だからって馬鹿にせず、同レベルの美味(おい)しさが引き出せるようにって手を尽くしてくれたんだよ」 「柔らかさは重曹へのつけ込みで確保し、脂などの風味は焼く際に松阪(まつざか)牛の脂を使う……とかな。実は俺達もかなり迷った」 そうらしいね……僕、映す価値なしになったから、全然食べてないんだけどさ! ちくしょー! 「それで正解したんだから……ティアナちゃんっぽいツインテールは今回、ほんと頑張ってたと思うぞ? 第三チェックのアレが酷(ひど)すぎるだけでさぁ」 「ですね。正解率で言えば八割、しかも一問増えてなお三流芸能人ですから。成長してるね……よくやった!」 「あ、ありがと……アンタァ!」 「うん……うん! 僕もこれから、もっと頑張るよ!」 そうして二人はまた全力の抱擁……あぁ、とても幸せそうにすりすりしてぇ。いい話だなー。 「それで安定の一流となった、ジェイル様とリンディ様! おめでとうございます!」 「ありがとう! ……今回のチェックで思ったが、我々はまだ……肉がいけるよ」 「えぇ。それが確かめられただけでも有意義よ」 「このチェックを通し、何かを感じ取っていただけたなら幸いです! ――では、今回はここまで!」 ≪The song today is ”サライ”≫ マラソンはないけど、なぜか流れるサライ――ゆっくりフェードアウトしていくカメラに対し、僕達は手を振る。 「お相手はサリエル・エグザと」 「八神恭文と」 「天海春香と、三組のチャレンジャーでしたー! それではみなさん、これからもよろしくお願いしますー!」 『――さて、今回の格付けチェックはいかがだったでしょうか。 新しい要素を盛り込んだ結果、かなり大変なことになりました。スタッフはまたまた反省会議です』 『おい、待てよ! ちょっとはこっちに触れろよ! 三組ってなんだよ! またガン無視ってなんだよ!』 『千冬姉、みんな……マジで、ごめん』 『今回結果が振るわなかった皆さんも、これからの一歩次第でそれは大きく変わります。 毎回言っていることですが……それが! ハートフルコミュニケーションだから! では、今年もとまとをよろしくお願いします! さらばー!』 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 当然ながら、司会者にも事前にチェックを受けていただきました。果たしてこの壮絶な地獄を生き抜くことができたのか。 サリエル:三流芸能人 春香:そっくりさん 恭文(A's・Remix):映す価値なし ……お前らも酷(ひど)い有様ってなんだよぉ! ヤバい、今回も反省会議だ! みんな、パセラに集合するぞー! (とまと芸能人格付けチェック2018 〜お前ら本当は何流だ?〜――おしまい) あとがき 恭文「というわけで、長丁場となりましたけど、無事に終了した格付けチェック。………………つ、疲れた」 (二月はいろいろ忙しかったから……) 恭文「というわけで、お相手は蒼凪恭文と」 ディード「蒼凪ディードです。……恭文さん、卯月さん達が」 恭文「精神の死を迎えたんだよ」 (ショックでずっと打ち震えていました) 恭文「でも構っている暇はない……鍛え直さないと……!」 ディード「なら、私もお付き合いします。……まずはデートですね」 恭文「うん………………デート!?」 ディード「だって、ご飯を食べに行くんですから」 (そう言いつつ、蒼い古き鉄の腕に抱きつく妹分) ディード「では早速行きましょう」 恭文「う、うん……あの、ディード」 ディード「はい」 恭文「当たっている、ようなー」 ディード「……当てているから、大丈夫です」 (春ということで、温かい中二人はのんびりお出かけです。 本日のED:安達垣愛姫(cv.大橋彩香)『雪の華』) 恭文「次は、目の前まで迫ったサイト開設九周年記念……春らしい、お料理の短編がいいなぁ」 フェイト「でもひな祭りは去年にやったし、他には何があるだろう……」 恭文「お花見はまだ早い……でも外で食べる感じも良さそうだなぁ」 白ぱんにゃ「うりゅ!」 恭文「ん……一緒にお散歩したいの?」 白ぱんにゃ「うりゅー♪」(尻尾ふりふり) (おしまい) [*前へ][次へ#] [戻る] |