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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
Tips 『新しい風』




とまとシリーズ×『ひぐらしのなく頃に』クロス小説。

とある魔導師と古き鉄の戦い〜澪尽し編〜

Tips 『新しい風』




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


――非常に困った。


私こと前原伊知郎(いちろう)は今、極めて絶好調にすばらしく……困っている。

ここ雛見沢(ひなみざわ)には、別荘地分譲の見学ツアーでやって来た。それで不動産屋さんの説明が終わり。


――みなさん、お時間までどうか散策を楽しまれてください――


なんて言われて……余りに美しい新緑の景色と、美味(おい)しい空気。

そしてとめどなく湧き上がるインスピレーションに誘われるまま、ふらふらと歩いていたら………………その……!


…………ここは、どこだろう。


集合の時間までまだ余裕はある。適当に歩いていれば、誰かに会えるし道だって開ける。焦らない焦らない……はははははは!

……ちょっと怖いのは、新幹線の時間くらいだし。


しかし今、その楽観が過ぎていたと反省しているところだ。

だって、さっきから誰にも会わない……!


私は都会人特有の不用心さで、いつの間にか人里を離れ、遭難直前なのでは……もはやそんな疑いすら出てきた。

土地勘というのが、どれだけ重要なものかを今更思い知る羽目となっていた。都会にいた頃は思いもしなかったよ。

私は、都会に生きる人間は、文明に頼りすぎて人として劣化しているのでは。


文明社会への警鐘すら頭の中で鳴り響いていたから……本当に、とてもホッとした。


人の声が聞こえてきたときには、本当に……。

それは小さな子達が遊ぶような声。子ども達が遊んでいる場所なら、安全な場所に違いない。

自然と、そこへ足を誘われた。


――手入れもされていない生え放題のススキ、その茂みを回り込むと、そこはとても美しい野原だった。

そこには二人の少女が戯れていた。一人は群青色の長い髪をした、ノースリーブのワンピース。

一人は紫の長い髪に、袖を改造した巫女(みこ)服? 脇が出ているぞ、おい! しかも……外見年齢不相応に成熟した体型だった。


女性らしいボディラインを小さな体にしっかりと刻み込み、踊るたびに豊かな胸と盛り上がったお尻が揺れる。

無垢(むく)な野草の花々が祝福する中で、くるくると踊るように遊ぶ二人。

巫女(みこ)服少女の角……もとい、角型アクセサリーが太陽の光を浴びて、きらきらと輝く。


彼女達は……私がそれまで見てきたどんな絵画よりも美しく……そう言ってはオーバーかもしれないが、どんな宗教画よりも神々しく見えた。

どうして、無垢(むく)な少女がこうして踊っているだけで、私達は神々しい気持ちになれるのか。

それはきっと、我々が罪に穢(けが)れているからだ。生きることは美しいだけではなく、ただそれだけで必ず罪を被っていく。


だから私達は穢(けが)れを知らぬ幼い姿に、幻想的な神々しさを見いだす。

生きるために成長を余儀なくされたのに、それによって失った清らかさを知る。

それを未(いま)だ持つ少女達に、あこがれと尊敬の念を抱くのだ。


「……みー。とか何とか小難しいことを言いながら、変な不審者がボク達をジッと見ていますのです」

「あぅあぅあぅ……梨花、あれは不審者ではありませんのです」


……え? ぉわ! わわわわ……も、申し訳ない! 決して不審者じゃないんだよ! あはははははははは!


「とか言いながら、ボクの美しさから目が離せないのです。にぱ〜」


あああああ……みみ、見てないよ見てないよー! 見ていないから、駅員さんに突き出すのはやめてー!

この鏡は、人よりクセっ毛なこの頭を治すためのものなんだ! 天パーって大変なんだよ! 常に注意が必要なんだよ!


「あははははは! 何を言っているのか分からないのですが、とっても面白いことを言っている気がしますのです」

「……何というか、血は争えない気がしますです」


少女達は不意に現れた私を散々からかうと……いや、私が一人で動揺していたような気もするが。

やがてそれにも飽きて、私が来る前からそうしていたように、再び二人で踊るように遊び始めた。

私はそれ以上、どんな言葉をかけても無粋になると思い、少女達をそっとしておく。


近くの切り株に腰を下ろして、その様子を見守った。


……彼女達は幾つくらいだろう。

幼そうに見えるが、圭一と幾つしか変わらないかもしれない。

もしここに引っ越してくることがあれば、圭一が学校で出会うかもしれない子達だ。


学校に通っている子達ということは、その土地で出会う子達ということだ。

もし雛見沢(ひなみざわ)の学校に通っているのが、彼女達のような子達ばかりなのだとしたら……。

たとえ田舎での暮らしがどれだけ困難でも、今の我が家には引っ越す価値があるのではないか。


私達は駄目な親だった。圭一のことを何も理解せず、その心の悩みを何もくみ取れず、最後の最後まで放置してしまった。

教育書によるならば、不良行為も最初のそれは、家族へ送る何らかのSOSなのだと言う。

行為そのものが何かではない。その行為を起こすことで、コミュニケーションを得たいという、子どものもっともも原始的なアピール。


人はなまじ言葉を話せてしまうから、かえってそれを読み取り辛(づら)い。言葉しか耳にできず、息子が発する心のサインに耳を傾けられない。

圭一は……自分が全て悪いと思っているのだろう。もちろん圭一は悪い。やっていいことと悪いことの区別は付く年だ。

でも……親である私達も悪い。そこまでしなければ、分かってもらえないと思わせてしまった。


いや、そもそも分かるわけがない……話しても無駄だと諦めさせてしまった、親のふがいなさが、本当に情けない。

私達が圭一のことを真に理解し、追い詰めるようなことをしなかったなら……圭一はあのようなことを無意識に行い、アピールなどしなかっただろう。

だから、あれらの事件は圭一だけが悪いんじゃない。……私達、前原家全員が悪い。


……圭一にそれを説明したかったが、理解させるには圭一はまだ幼く、直情的だ。今は罪の意識に潰されながら、生きる気力さえ失っている。

妻も同じだ。自分が成績偏重の教育を強いたため、こんな事件を引き起こしてしまったと……自分を責め続けている。

それは私もだ。子どもの教育に無関心だったから、こんな事件を引き起こしてしまったのだと、自分を責めている。


その十字架は怪我(けが)をした方に許してもらい、退院した後でも……私達の肩から降りることはない。

人の目がある。忘れることを許さず、背負い続け……いつか十字架に潰れて死んでしまえと突きつける声がある。

世間だけではない。対応した警察の方々からも、そういう視線をぶつけられ続けた。


唯一違ったのは、あの……出頭した私達を、署の人達に取り次いでくれた女の子だろうか。

忍者の仕事でたまたまた立ち寄っていたらしい彼女は、黒コートを翻してきぱきと対応。

着の身着のままで家を飛び出した私達や圭一にも、寒くないかと気づかってくれていて……なぜと、聞いたことがある。


恐らくはかなり感情的だったはずだ。だが彼女は動じた様子もなく、あっけらかんとこう答えた。


――だってあなた達は、自分の罪を数えようとしています――

――罪を、数える?――

――間違いから逃げずに、過ちを認め、数えて……こうして、本当のことを伝えに来てくれた。
僕や警察の仕事は、事実を明らかにすることです。あなた方が逃げずに全てを明かしてくれるのなら、それは配慮するべき勇気です――


哀れむこともなく、怒りを感じることもなく、ただ……我々の行動によって明かされる”何か”を守る。

……情けない話だが、その言葉で救われた気がした。どこかで後悔していたのかもしれない。

親として、人間として……そう意地を張ったのはいいが、隠し通す道もあったのではと……だがそれはただの感傷にすぎなかった。


これからどうなるのかと、家族と未来に対する不安が生み出したささやき。あのとき私は、それを本当の意味で払えたんだと思う。

……もちろん、それでも世間は変わらない。そういう声は、視線は、冷たさは、嫌というほど感じた。

でも私達は、生きていく。罪を反省し、十字架を背負いながら、生きていく。


この村でなら、私達はもう一度……新しいスタートを切れるのではないだろうか。

あの戯れる少女達を見ていて、思う――。圭一に必要な友人達とは、あのような子達なんだ。

塾の話や、模擬試験のことばかりが話題に上るような子達とは違う……全く別の何かを、きっと圭一に学ばせてくれると思う。


さっきの少女達は、野原には場違いな立て看板のところでふざけ合っていた。

それは分譲地の看板で、今日、私を案内してくれた不動産業者の名前が書かれている。

つまり……この美しい野原に、私達一家は希望さえすれば住むことができるのか。


そんな私の心を見透かしたように、群青の少女は言った。


「ここはいい村なのですよ。きっと、都会にはなかったものがあるのです」


その言葉には、私も笑顔で頷(うなず)く。確かに……少し回ってみただけでも、そんな気がした。


「でもこの村にはないものを、きっと、都会のあなたが持ってきてくれる気がするのです」


そんなものが……私達にあうのだろうか。


「あるのですよー。あぅあぅー!」

「ボク達は、この村で何百年間もこうしています。そこには誰も訪れず、何も起こりませんです。
……だから、何も起きないし、何も変えられない」


……何も変わらないのが、この村のいいところではないのかい?


「何かを変わりたいと思ったから、この村に来たのではないのですか」


確かに……彼女の言う通りかもしれない。


「ボク達も、新しい人を迎えたい。それは例えるなら、水が流れ出ぬ沼の堰(せき)を破るようなもの。
水は出入りがあるからこそ清水(しみず)となる。流れを得ぬ湖は沼にすぎない」

「確かにこの村は、明治(めいじ)のついこの間まで沼の名前が付いた村でしたのです」


鬼ヶ淵沼、だったね。そこは不動産屋の歴史紹介で簡単に教わった。

確か……鬼が沼から出てきて、村人達と交流を持ったとか。


「それもまた、歴史の一節……実はその成り立ちについては、諸説入り乱れてカオスなのです。
でも、そんな鬼ヶ淵沼も少しずつ変化して、ついには地名まで雛見沢(ひなみざわ)となったのです。
……沼の水は流れず淀(よど)む。でも、沢の水は淀(よど)まない」


巫女(みこ)の少女がそう纏(まと)めると、群青の少女がくすりと笑う。


「それにね、あなた達が教えてくれるのよ。堰(せき)は破れるものだ……破るものだってね」


それは、少女達のなぞなぞ遊びだろうか。私には言っている意味はほとんど分からなかったが……いや、違うな。

今の私達は、流れを失った沼なのだろう。だからどこまでも淀(よど)み、沈んでいく。だがそれも、堰(せき)を壊せば変化する。

流れ出した水がどうなるかは分からないが、淀(よど)みは消える。変化が生まれる……きっと、少女達なりの勧誘ということなのだろう。


罪を背負い、淀(よど)みから抜け出したい私達。

何百年も変わらないと言う村の中で、変化を望む少女達。


私達は新天地を、少女達は新しい流れを……それぞれ、欲するものを提供し合えるというわけだ。

こんな幼い少女達がここまで言うのだ。きっと彼女達以外の村人達も、外からくる新しい人間を心待ちにしている。

交流を通じて、村の新しい歴史を築きたいと願っているんだ。……もう一度、少女達の後ろにある看板を見やる。


……私の心は、もう決まっていた。


「……引っ越してくるのを待っているのですよ、前原」

「――あぁぁぁぁぁぁ! いたいた! お客さん、こんな遠くまで行っちゃ駄目ですよー!」


神聖な時間は、遠くから響いてきたがらがら声で終焉(しゅうえん)を迎える。

振り向くと、慌てた様子で不動産屋の担当者が走ってきた。私が戻ってこないので、探してくれていたのだろう。

私は頭をかきながら、道に迷ったことを謝罪する。そうして後ろを振り返ると――。


少女達の姿は、もうどこにもなかった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


自慢じゃあないけど、園崎家は雛見沢(ひなみざわ)屈指の大地主。もっともこんな田舎の余った土地だから、荒れるに任せているだけ。

決して有効活用と言えるほどのことはしていない。が……そんな村内の園崎家地所を、最近は分譲地として売りに出していた。

御先祖様から受け継いだ土地だし、それをよそ者に切り売りしていいのか。そういう批判も親族会議では出たんだよ。


でも……提案者である母さんは。


――しゃあらしいわ!――


と、一括してそれにて決着。休耕地の幾つかが更地にされて、分譲地として解放されることになった。

これに関しては……表向き勘当された身でもある私も、私の夫も……次期頭首である魅音も疑問があった。

まず前提として、園崎家は大金持ち。土地と同じようにお金だって余っている。切り売りする理由がない。


しかもよそ者や都会者に対して、ふだんから嫌いだと公言している母さんが……だったら私があの人を連れてきたとき、チャンバラしたのは何だったのか。


「そりゃあ、お前が極道もんなんざ連れてくるからじゃろ」

「……ごもっともで」


表向き勘当とは言っても、それは見せかけみたいなもの。実際はこうやって縁側でお茶を啜(すす)り、ホッとする程度には仲もいい。


……なお、分譲地としての売れ行きは好評らしい。親戚筋の不動産が売買を担当しているんだけど、さっきそんな話をしていた。

都会の人間が多く興味を持っているってさ。便利な都会に住みながら、こんな田舎に別荘を持ちたい金持ちばかりだってね。

ただ一件、別荘じゃなくて引っ越しで検討……アトリエで持ちたいんだっけ? 画家とか言ってたなぁ。


まぁ、そんな凄(すご)い御仁も引っ越してくるなら、分譲地もビジネスとしては正解だ。……だからこそ疑問があるわけで。


「でもなんでまた……魅音も聞かないだけで、小首を傾(かし)げまくってたよ」

「……詩音は、どうしとるね」


いや、人の質問に答えて……関係あるってことかい? それなら……ついため息交じりに愚痴っちまう。


「北条悟史君の行方を必死に捜している。葛西もちょくちょく引っ張り出してね。大石とも内密に会っているよ」

「そげんこと、いつまで続けるつもりかのう」

「いつまでも、だろうね。ありゃあ母さんや私らが」

「そんだらことやない。……”手掛かりすら見つからん”っちゅうに……あん馬鹿は」


それは、聞く人によってはこう聞こえるだろう。

園崎が手を回したのなら、手掛かりなど残すはずがない。だからこそ詩音は馬鹿だと……でも違う。

母さん自身にも原因があるけど、園崎の実情はそこまでどす黒くはないし、北条悟史君の件にも関与していない。


恐らく母さんは祟(たた)りの一つとして、内密に彼の行方も捜していたはずだ。

警察の情報では、叔母殺しの有力容疑者としても疑われていたようだしね。

もしかしたら、祟(たた)りについても何か知っているかも……でも、梨のつぶてってわけか。


だから、哀れむように……幾ばくかの申し訳なさを滲(にじ)ませながら、母さんはお茶をまた一口。


自分でも分からないことを、詩音が分かるのか。そうして心をすり減らすのではって、空を見ながら心配し続けていた。


「……いざとなれば、ブラフ絡みの話もするけど」

「アホ抜かせぇ。あれは」

「あの子の年じゃあ上手(うま)く折り合うなんて無理だよ。……見ているとね、ヤバい予感がしてくるんだよ。
ちょっとでも手を間違えたら、酷(ひど)い暴走をしそうで……実際、葛西もかなり気にしている」

「……好きにせぇ」

「ありがと」


あの子も疑い続けている。祟(たた)りには園崎家が……母さんや魅音達が関わっていると。もちろん私だって同じさね。

それをきちんとした形で晴らさないと……そういう覚悟をしなきゃいけないくらい、あの子は思い詰めてもいた。

本当にいつか、倒れてしまうんじゃないかって思うくらいにね。でもね、そういう姿を見ていると思うんだよ。


あぁ、あの子はやっぱり私の娘だってさ。きっと魅音もいずれは……って、話を本題に戻そうか。


「で、話は戻るけど……どういうことだい。株で使い込んだってわけでもないんだろう?」

「……私ゃあよそ者なんか嫌いだし、都会もんも大嫌いだ。だが、村にゃ必要なんよ。
空気の入れ換えみたいなもんさね」

「外の連中が来ることで、いい影響があると」

「魅音、最近友達ができたんよ。外から竜宮のレナちゃんが引っ越してきて、友達ぃなってくれたって……偉い喜んでてなぁ。
以前は学校が退屈だー退屈だーって言うとったんに、そういうことものうなって……」

「あぁ……言ってたねぇ」


近い年の友達、いなかったからねぇ。しかもそのレナちゃんも今時珍しく、家庭的ないい子らしくてねぇ。私も一度挨拶したいもんさ。


「つまるところ、それを村全体にってことかい」

「……どんな寒い冬場にかて、たまには換気をせんとな。囲炉裏(いろり)の悪い空気が溜(た)まって窒息しちまう。
寒くてしんどいのは承知で、窓をがらりと開けることもあるんよ」

「……外から村を迎えることが、村の換気になる」

「あぁ、なる。そして奇麗な空気を入れて、私らみたいな悪い空気は、とっとと追い出されるべきなんよ」


なるほどね……だから詩音の状態も気にしたし、ブラフ絡みの説明も許可したと。

今の話は、北条家や祟(たた)り絡みの空気だ。さすがに、私らだって気づいているよ。この祟(たた)りは余りにおかしい。

公的には犯人と言える人間もバラバラで、しかも各々が解決している。……三年目の古手夫妻以外はね。


しかも村に害をもたらした人間って意味でも、年々曖昧になっている。北条は確かに嫌われものだが、叔母は違うだろ。

明確に村への敵対行為をしたかい? むしろ亡くなった北条夫妻の巻き添えで村八分に遭っていた被害者さ。

でもここまで連続的だと、誰かが仕組んでいるとも考えられた。だから調べた……時間をかけて調べた。


園崎組も内密に協力して、村の隅々まで調べた。でも、何も出なかった……少なくとも村人には、こんな事件を起こす奴はいない。

外部にも手掛かり一つない。私ら園崎はその事実を抱え、がく然とし、怯(おび)え続けるしかなかった。

この村には人知を超えた何かが……本当に祟(たた)りがあるんじゃないかって、そんな恐怖を隠し、虚勢を張るしかなかった。


母さんもね、魅音達には何も言わないだけで、随分悩んでいたんだよ。でも、まずはってところらしいね。

それならそれで堂々と雪解け宣言でもすればいいのに、安易に許すとは言えない難しいお年頃。村人達もそれは同じ。

まるで意地を張っている子どもだ。そういや還暦を迎えると一周回って、生まれ変わるんだっけ?


つまり今の母さんは………………これ以上はやめておくか。還暦を迎えていない私も乗っかっている以上、同罪だしやぶ蛇さ。


「でもいいのかねぇ。実際に引っ越してくるかどうかは別として、新天地ってことで来る連中にそこまで期待して」

「レナちゃんが一人転校してきても、魅音は変わるんね。誰が引っ越してきても、きっと村は変わる。
……願わくばそれが元気な若者で、わしら年寄り連中が安心して村を任せられるくらい、大暴れしてくれると嬉しいんやが。
それこそ年寄り連中が『もうやっとんれんえ。あの世に退散するわー』って言うくらいはなー」

「なんだいそりゃ……くくくく!」


ソイツがどうこうではなく、舞い込んだ風によって空気が入れ替わり、村人にも変化が訪れる。

淀(よど)みを払う起爆剤ってところかい? それは痛快なので笑っていると。


「……北条悟史が消えた日……」


楽しげだった母さんが神妙な顔で、また空を見上げる。


「魅音が、私に詰め寄ったんよ」

「……母さんがやったんじゃないかって?」

「そう。私ゃあなぁ……あれで目が覚めたんよ。北条家がどうのこうの言う問題は、年寄り連中が死んで、時間が解決……なんてんじゃあかんね。
そんなの待たず、早ぅ解決せんとアカン」

「でも、母さんじゃあ解決できないから……」

「それが、今の精一杯やね」


そこで。

本当の意味で納得した。


なぜ母さんが、こんな計画を打ち立てたのか。そのキッカケは魅音が詰め寄ったことだったんだ。

若い世代が……自分の後を引き継ぐ魅音が、園崎家の内情を相当によく知っている魅音でさえ、母さんを疑った。

そのとき母さんが受けた衝撃は、もう察して余りある。ほんと、私は不出来な娘だよ。


私が詩音に対して抱いている不安なんて、とっくに分かってたんだ。おー、恥ずかしい。


「新しい風は魅音達の世代になる。……外の風を迎え入れてもらわんとなぁ。
新しい風を、新しい園崎家の頭首として……あの子には詩音共々内からの風になって、淀(よど)みを遠慮なく吹き飛ばす」

「できるかねぇ、あの子達に」


特に詩音は、園崎家への疑いを強めつつある。何らかのきっかけでそれが爆発すれば……。


「……母さん」

「頼むね、茜……あの子達を支えてやっとくれ」


母さんが弱々しく声を漏らしたところで、風鈴が鳴り響く。


「私ぁ、もう老いたんね。憎まれ役しかでけん」


清々(すがすが)しい風によって奏でられた音色は、涼風の吹く前触れか。それとも……嵐だろうか。

若い世代どころか、老いた母さんですら奮起させるほどの、激しい嵐だろうか。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


――これは、昭和五十八年……いいえ、平成一九年に続くカケラ。

戦いの主導は部活メンバーと鷹野達だけど、彼らだけでこの盤面は作り上げられていない。

『東京(とうきょう)』の陰謀とも、雛見沢(ひなみざわ)のルールとも関係ない……たくさんの人達が積み重ねた思い。


星々のようにちりばめられ、輝くカケラ達の一つ。小さいけど、後悔と奮起が込められたかけら。盤面を形作る物語の一つ。

かつての私は、自分に関係ない人間の思いなど、何の役にも立たないと言っていた。

……それはとんでもないこと。


古手梨花は平成一九年六月の先へ進むために、ありとあらゆる努力をする。


まず行ったことは二つ。

一つは自分の身に降りかかる厄災から、一番に守ってくれる入江機関への接触。

……まさかその入江機関にいる鷹野が、命を狙ってくるとは思っていなかったけど。

でも最善の行動だった。そもそも入江機関との縁故がないと、入江や富竹とも深い話ができないから。


もう一つは……前原圭一の家≪前原家≫が、雛見沢(ひなみざわ)に引っ越してくるよう調整したこと。実はこの引っ越し、確定事項じゃないの。

東京(とうきょう)でこの家庭は、崩壊の危機を迎えていた。圭一がとある事件を起こしたことで……両親がその予兆に気づかなかったことで。

それぞれが罪を背負い、十字架に押しつぶされかけていた。痛みという沼に沈んで、そのまま世間からも取り残されかけた。


でも前原伊知郎(いちろう)……圭一の父があの、分譲地の下見で私達と出会い、何かの感慨に浸って、初めて引っ越しを決意するの。

だからあの野原で私達が遊ぶのは必然で、前原家引っ越しのために揃(そろ)えるべき重要な鍵。

それを見つけるのに、どれだけ長い時間をかけたことか……様々な条件のオン・オフを繰り返し、野原で圭一の父に出会うことが鍵なんだってようやく突き止めた。


圭一は……この村で私達を縛る、ルールZを破る鍵の一つ。

この村で何が起こっても、全て曲解して解釈する古いしきたり、悪弊を打ち破る力を持つ、新しく清らかな力強い風。

この世界だと恭文と魅音が突破口を開いたけど、それだって圭一のこれまでがあればこそ……そう、彼らも鍵を託されたにすぎない。


彼が炎として燃え上がり、いろいろなきっかけを作り出す。停滞していた運命という沼をかき回し、たくさんのカケラを作った。

それを組み合わせてできた鍵……強固な運命に立ち向かうには、同じくらい強固な意志と信じる気持ちが大事だという、とても当たり前なものよ。

だからこそ圭一は炎であり、サイコロの六。まぁ問題があるとすれば、よくファンブルして一が出ることかしら。


でもね、そんな彼を欲していたのは、私だけじゃないの。この世界で魅音がルールZの突破に踏み出したのは、ある意味当然。

だって……村の悪弊を払拭したかったのは、園崎家の人間達も同じだったんだから。

園崎魅音は、北条家や沙都子、悟史への理不尽な冷遇に心を痛め、せめて自分だけは守ってやろうと誓った。


そして北条悟史が消えた夜、園崎お魎に怒りを爆発させた。その思いは……お魎に伝わった。

お魎だって薄々だけど、村の悪弊に……自分達ですら手の届かない”何か”に気づいていて、それを何とかしたいと願っていた。

でも自分にはその力がないことを悔やみ、外からの新風に託した。だから前原家が引っ越してこられる土地が、売りに出される。


……分かるかしら。

私達が野原で幾ら踊ろうと、お魎が分譲地を売りに出さなかったら……変わりたいと願わなかったら、圭一は来られないの。


そして圭一に重要なキッカケを幾つも与える、もう一つの炎……竜宮レナは、御存じの通りたくさんの傷と絶望に晒(さら)された。

両親の離婚に深く傷つき、プラシルαのせいで友達を傷つけたことに傷つき、とどめにその薬の比較実験に利用されて傷つき――大事な親友も失った。

でも、それでも何とか立ち上がり、雛見沢(ひなみざわ)に帰ってくることで救われる。


引っ越し前のことをリセットし、やり直したいという圭一の願いは、一年前にレナも願っていたことだったの。

そんなレナだから、圭一のことを理解できたんだと思う。

……それはあるカケラにおいて、別のカケラを思い出すという奇跡を呼び起こした。


別のカケラで学んだことを生かせるなら、人は間違いなど犯さない。

駒は最善の動きを見せ、平成一九年六月というゲームに勝てる可能性を、飛躍的に高めるだろう。

つまりレナは自覚せずして、このゲーム盤にある駒の中で、重要な働きをしてくれるの。


皆殺しの世界で……北条兄妹を巡る強固なルールZは、彼らの活躍で痛快に破られた。

もちろん内側から、沙都子がそれを望んだことも大きい。双方が手を伸ばし合わなければ、それが届き合うこともないのだから。

外からの新しい風である二人と、その引っ越しを実現させた魅音。この三つの駒によって、絶望に等しかったルールZですら敵ではない。


……え、圭一はルールXを破る鍵じゃないのかって? 今更だけど、なかなかにいい指摘ね。

確かに圭一は罪滅しの世界で、鬼に捕らわれたレナを救い出したわ。でも……完全じゃあないでしょう?

仮にあのまま世界が続いたとしても、雛見沢症候群の問題は解決していない。言ってしまえばその場しのぎよ。


圭一が示したのは、あくまでも最悪の結果にならない抑制方法。その成果が皆殺しでも、この世界でも生かされている。

では、どうすればルールXの根源……雛見沢症候群は消えるのか。言うまでもないことだけど、入江の力が必要になるの。

沙都子を、悟史を同情し、心から案じる入江……彼の力はゲーム盤の中で多大な影響力を持つ≪雛見沢症候群≫というルールを打ち破る切り札。


もう一度言うけど、圭一やレナの覚醒は飽くまでも抑制。根本的病気の打破ではないわ。

真の意味でそれを可能とするには、雛見沢症候群治療に強い決意を持っている人間が……入江の存在が必要不可欠。

……そう考えると、これまでの私は本当に駄目ね。ただのぼーっとした人とだけ思っていたから。


……これだけの駒が、思いがあれば、鷹野の意志も打ち破れるだろうか。

彼女を見て、改めて思ったの。鷹野の意志も悲しいくらいに強固で、打ち破るのは容易じゃないってね。

幾ら抗(あらが)おうとも、簡単に勝てないのは当たり前。私が募らせてきた思いなど、足下にも及ばないほど……たくさんの思いを持っていたのだから。


戦うことを諦め、惰性に生きてきた私。

常に人生を賭けて戦い続けてきた彼女。

駒の重みが違う……圧倒的に違う。


ふて腐れて偽ワインに逃げていた私、目の前にいたらぶん殴ってやりたいわ。恭文じゃないけどチキンと罵ってやりたい。

でも……勝つわ。もうやり直しはない。これが正真正銘、最後のゲーム。

私もまた、自分の罪を数えている最中。甘えて逃げていた私の甘さと、私が見過ごしてきたカケラ達と向き合い続けている。


……そのおかげでよく理解できた。この盤面は今までの成長を、これからの可能性を大きく示すものになりつつある。


その一番の要因は……恭文よ。


ただしここは、恭文の能力云々(うんぬん)じゃない。確かに恭文という駒の能力は、この場では切り札に等しい。

でも圭一達のような学習はしておらず、特殊なルールが渦巻く盤面ではまだまだ未熟。

恭文を駒として数えるためには、ここでの戦い方を学ぶところから始める必要があった。


さぁ、思い出してみて……。

恭文は圭一のことを知っている様子だった。

そのきっかけは、もう言うまでもないわね。しかも雛見沢(ひなみざわ)に対して明確な疑いを持って乗り込んできたわ。


下手をすれば雛見沢症候群に感染し、暴走していたかもしれないの。

鷹野達も最初期からマークしていたから、目明かしの詩音や、罪滅しのレナみたいに煽(あお)られた可能性もあるわ。

それについては”梨花”が考えた通り。最初の時点で恭文は、私達にとってどう転ぶか分からない不安要素。正しくパンドラの箱だった。


だけどそれを圭一が、レナが、魅音達が変えてくれた。

圭一は恭文のことを覚えていないとはいえ、古手梨花のためにここまで来てくれた彼を信頼し、仲間としていの一番に受け入れた。

自分が転校してきたとき、魅音達がそうしてくれたように。部長になって張り切ってもいたから。


……それは恭文が村の中で孤立し、疑いを下手に強めて、症候群を発症しないようにする……最高の対処方となった。

魅音も同じく。最初はちょっと疑っていたみたいだけど、レナや沙都子のために……見返りも求めず全力である様に信頼を置いた。

結果的に信頼の証(あか)しとして、園崎家のブラフやお魎の真意を明かした。これも恭文の疑心暗鬼を大きく緩和する要因となった。


レナは……また少し違うのかしら。でも基本は同じ。みんなはこれまでの駒で培った経験を生かし、新参ものである恭文を盤面に押し上げた。

恭文がお魎達の前で大立ち回りを繰り広げられたのは、そのせいなのよ。

彼も仲間のために、雛見沢(ひなみざわ)のために全力を尽くすことにした。


……魅音の夫候補な圭一、可愛(かわい)がられているレナ……もちろん沙都子も、一旦置いた上でね。

下手に衝突して、遺恨が残ったらマズい。だから自分が泥を被る形で大暴れよ。

あれなら『第二種忍者すげー』って感じで、圭一達は完全に蚊帳の外。ヘイトが向けられる心配もない。


まぁ、それを見抜いたからこそ、魅音も見ていられずに相談を持ちかける……振りをして、巻き込まれにいったんだけど。

それを見抜いたからこそ、お魎達も引き下がったんだけど。お魎達が納得できなかったのは、彼が魅音達を理不尽に使い殺すという危惧もあったから。

……だったら圭一達にも話せ? そうね……それで疑心暗鬼が深まるって話を散々していたのにね。


でも大丈夫。だからこそ、レナとの地獄の面談が待っているのよ? きっと二人とも今ごろは……くすくすくす。


あ、そうそう……恭文を盤面の駒として押し上げたこと。その意味がもう一つあったわ。

えぇ、それも特大中の特大……南井巴よ。

彼女もまた恭文と同じ、外から出てきた駒。しかもレナに対して強烈な敵意を抱いていた。


下手をすればこれまでの大石のように、私達の障害となり得る存在よ。でも、それを味方に引き込んだのは誰かしら。

そう……恭文よ。

恭文がレナを信じ、彼女と対話を選んだから。そこから彼女が抱えていた案件も、大きな進展を迎えた。


というか、恭文がレナを垣内(かきうち)に引っ張ろうとしなかったら?

尾崎渚の件を知って、真実を知らないままにしておくべきと考えていたら?

結果敵に彼女は、垣内のインターチェンジでレナを目撃することもなく……非業の死を遂げていたわ。


双方が手を伸ばさなければ届かない……なら、まず誰が手を伸ばすか。圭一達は自分から手を伸ばし、新しい駒を仲間に引き入れた。

それが結果的に、南井巴……その協力者達という駒を盤面に、こちらの味方として配置することに繋がった。

本当に起爆剤……いえ、お魎達が望んだ≪新しい風≫かしら。恭文だけに限った話ではないと、今更ながらに気づく。


さぁ、風を生み出す。

手を伸ばし、大事なものを掴み取ろう。


魔女などではなく、ただ……生きることを、先へ進むことを望む人間として。


(――本編へ続く)





あとがき


恭文「はい、というわけで前のTipsで言った通り、もう一話できたー。こちらは前原家の引っ越しやら、メタ視点の話」

古鉄≪これもやっておくべき話でした。ここでは初登場のキャラもいますしね」

恭文「それで部活メンバーはこの頃からクレイジー……僕には真似(まね)できないよ」

レナ「嘘だッ!」


(そこで登場……なお、右手にはブルーディスティニー2号機(新型))


レナ「だって出てないよ! レナ達出てないし! というか恭文くんに言われたくないし!」

恭文「なんで!?」

レナ「恭文くんは初っぱなからクレイジーだったよね! うちの近所でキャンプするし、音楽鳴らしながら走るし!」

恭文「何か問題が」

レナ「それがおかしい証拠だから!」

恭文「でもラクレットチーズ、美味(おい)しかったでしょ?」

レナ「まぁ、それは……」


(御相伴に与(あずか)ったようです)


恭文「さて、話は変わって……明日(12/24)は雪歩とセシリアの誕生日! 既にお祝いムードだよー!」

レナ「なんだよねー。ちょうどメインの二人もお休みだったし」

雪歩「あの、ありがとうございますぅ。今年もプロデューサーと……みんなと一緒にいられて、嬉しいですぅ」

セシリア「わたくしも初めてお祝いされて、感謝しかありませんわ。だって……初めて知りましたもの、わたくしの誕生日」

レナ「あ、うん……」


(ISの新刊で判明したので、わりと最近です)


恭文「そしてクリスマスプレゼントと言わんばかりに発表された、三月発売の≪ミセスローエングリン子≫……うん、ガンプラだよ。
しかもリン子さんのガンプラだよ。タケシさんが誕生日プレゼントとして作ったものらしいんだけど」

レナ「おじ様、何をやっているんだろ、だろ……」

恭文「というわけで僕も来年……フェイトの誕生日に向けて、はいぱーふぇいとを制作中」

レナ「そこは見習わなくてもいいと思うなぁ!」

恭文「でもリクエストなのに」

フェイト「だって、アイムちゃんや星梨花ちゃん、百合子ちゃんには作ってるし……奥さんなのにー」

レナ「フェイトさんー!」


(なお、ガンダムシュヴァルツリッターと組み合わせる形となる予定です。セカンドさん、涙目)


フェイト「というか、雪歩ちゃんとセシリアちゃんにも作ってるんだよ!?」

レナ「はい!?」

恭文「というわけで、どうぞー!」


(クロスボーンX2と組み合わせたはいぱーゆきほ。
ストフリと組み合わせたはいぱーせしりあ)


ゆきぽ「ぽぇぽぇー」

雪歩「わぁ……あ、ありがとうですぅ!」

セシリア「なんと……! わたくしの美貌を、よくもここまで閉じ込められましたわね! ま、まぁ……あなたにしてはなかなかの出来でしてよ!」

恭文「よかったぁ」

恭文(いやー、スタイルの修正が結構ぎりぎりだったんだけど、上手くいったよ)


(説明しよう。蒼い古き鉄は最近もらった拍手で、一日限定でスリーサイズとかが分かるようになっていたのだ。というか……龍王様ー!)


レナ「……恭文くん」

恭文「うん?」

レナ「これ、ガンプラなの……!?」

恭文「何度も言っているけど、どっからどう見てもガンプラだよ」

レナ「何度も言っているだろうけど、どっからどう見てもガンプラに見えないんだよ!
というか、これを誕生日プレゼントって……リクエストだったよねー!」

フェイト「うん。あ、もしかしてレナちゃんも欲しいの? だったら」

レナ「ち、違います! レナは別に……興味なんてないし!」


(このプレゼントが許される世界は、きっとガンプラに優しい世界なのだろう。
本日のED:KNOCK OUT MONKEY『RIOT』)



恭文「さて、本日FGOのクリエイターズトークが行われて……タマモ(術)のモーションと宝具改修が決定!」

タマモ「これはもう、そろそろフレンドじゃなくて自前タマモちゃんを使っちゃえーということですね! そうですね、御主人様ー!」

恭文「ピックアップもあるんだろうなぁ……で、今年の福袋についても発表がありました。
なんと三騎士+ルーラー+アヴェンジャーか、四騎士+アルターエゴ+フォーリナーの二種! なおどっちかしか引けないよ!」


(……しーん)


タマモ「……御主人様、それってようは闇鍋」

恭文「限定も福袋に入って嬉しいねー! どっちをひこうかなー、ここはジャンヌやホームズ、おじいちゃん狙いで三騎士かなー」

桜セイバー「いや、それって闇鍋」

恭文「FGOは凄いね! みんな、盛り上がっていこうー!」

ドレイク「……アンタら、もうやめときな。ほら……血の涙を流してるじゃないのさ」

タマモ「えぇ、そうですね。ではアルテラさん、一言どうぞ」

アルテラ・ザ・サンタ「ガチャの闇鍋は悪い文明だ」


(おしまい)







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あきゅろす。
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